説明

超音波を用いた液晶滴下装置

【課題】 液晶を一定のサイズの粒子に霧化する超音波を用いた液晶滴下装置を提供する。
【解決手段】 本発明による超音波を用いた液晶滴下装置は、液晶を貯蔵する貯蔵空間を備えるシリンジと、前記シリンジに貯蔵された液晶の供給を受けて、前記液晶を霧化して基板上に滴下する霧化滴下ユニットと、前記シリンジの貯蔵空間に貯蔵された液晶を前記霧化滴下ユニットに供給するために圧力を加えるガス供給ユニットと、を含んでなり、前記霧化滴下ユニットは、前記シリンジに連通する液晶注入口が設けられたケースと、前記ケースの内部で前記ケースに結合し、中央から上下方向の先端の吐出口まで貫通して、前記ケースの液晶注入口と前記吐出口とを連通する液晶流路が設けられたノズルボディと、前記ノズルボディ上に設けられ、前記ノズルボディを上下方向に振動する超音波発振ユニットと、前記ノズルボディと一定距離離隔した空間を有するように前記ノズルボディの下部に設けられ、前記離隔した空間を介して圧縮空気が噴射されて、前記ノズルボディの吐出口を介して前記基板上に滴下される液晶が一定範囲から外れることを防止するために、前記吐出口から前記基板までエアカーテンを形成する分散遮断部と、を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶滴下装置に関し、より詳しくは、超音波を用いて液晶を一定のサイズに霧化して基板上に滴下する超音波を用いた液晶滴下装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平板ディスプレイ(Flat Panel Display;FPD)とは、ブラウン管を採用したテレビやモニタよりも薄くて軽い映像表示装置をいう。かかる平板ディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel;PDP)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display;FED)、有機EL(Organic Light Emitting Diodes;OLED)などが開発されている。
【0003】
この中で、液晶ディスプレイは、マトリックス形態に配列された複数の液晶セルに画像情報によるデータ信号を個別に供給して複数の液晶セルの光透過率を調節することにより所望の画像の表示を可能にした表示装置であり、薄くて軽いだけではなく、消費電力および動作電圧が低いという長所があるため広く使用されている。
【0004】
以下、かかる液晶ディスプレイに一般的に採用されている液晶パネルの製造方法の一例を説明する。まず、上部ガラス基板にカラーフィルタおよび共通電極をパターン形成し、上部ガラス基板に対向する下部ガラス基板に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)および画素電極をパターン形成する。次いで、これらの基板に各々配向膜を塗布後、これらの間に形成される液晶層の液晶分子にプレチルト角(pretilt angle)および配向方向を提供するために配向膜をラビング(rubbing)する。
【0005】
また、セルギャップを保持するとともに、液晶が外部に漏れることを防止し基板間を封止するために、いずれかの基板にディスペンサーによりシーラント(sealant)ペーストを所定のパターンで塗布する。この時、基板に各々形成された共通電極および画素電極の間を接続するために、さらに導電性ペーストを打点(dotting)する工程を行う。
【0006】
次いで、基板間に液晶層を形成後、液晶パネルを製造する。この時、液晶層の形成方式としては、液晶注入方式および液晶滴下方式が使用されている。
【0007】
ここで、液晶注入方式とは、まず基板を合着し、合着した基板間に基板に形成された注入口を介して液晶を注入後、注入口を封止して液晶層を形成する方式をいい、液晶滴下方式とは、基板のシーラントにより限定された空間に液晶滴下装置を用いて液晶を滴下後、基板間を合着し、その後シーラントを硬化して接合する方式をいう。
【0008】
一方、液晶表示パネルが大型化し大量生産が行われることにより、液晶を満たす方法として液晶を基板上に滴下する方法がある。この方法では、薄膜トランジスタ基板またはカラーフィルタ基板の縁部にシーリング部材を形成後、液晶を滴下し、その後両基板を対向合着することにより、液晶が両基板の間に存在することになる。
【0009】
このように、液晶パネルの製造において、液晶を滴下するために液晶滴下装置という装備を使用しているが、液晶滴下装置では、液晶が貯蔵されたシリンジから液晶の供給を受けたノズルが基板に対して相対移動しながら基板上に液晶を吐出する。
【0010】
かかる液晶滴下装置においては、ノズルからの液晶吐出によりシリンジ内の液晶量が次第に減少し、これによりシリンジの内部圧力が変化して、液晶がノズルから常に一定した量で吐出しなくなることがある。
【0011】
かかる現象は液晶パネルの品質を下げる原因になり得るため、ノズルを介する液晶吐出中にもシリンジの内部圧力を一定に保持する必要がある。特に、ノズルを介する液晶の吐出量が少ないほど、シリンジ内の微細な圧力変化によりノズルを介する液晶の吐出量が不安定になりやすいので、より重要である。
【0012】
上述したように、液晶滴下方式が採用されている液晶滴下装置では、液晶を1つの塊ずつ異方性(anisotropic)に滴下する。しかし、1つの塊中に含まれている液晶は不均一に分布しているので、液晶が広がるにつれて各部位の液晶密度が異なることがある。
【0013】
これにより液晶の粘度などの物性が変化し、つまり液晶パネルの全体からして各部位の液晶の物性が異なる可能性があり、きれいで鮮明な画質を得にくい滴下ムラが発生することになる。
【0014】
以下、図1〜図3を参照しながら、従来の液晶滴下装置により基板に液晶を滴下する過程を説明する。
【0015】
図1に示すように、前記液晶滴下装置10は基板Sの上部に設けられている。図示していないが、前記液晶滴下装置10の内部には液晶Lが充填されており、前記基板S上に一定の量を滴下する。
【0016】
通常、液晶Lは滴の形態で基板S上に滴下される。前記基板Sは直交座標のxy方向に所定の速度で移動し、前記液晶滴下装置10は所定の時間間隔で前記液晶Lを排出するため、前記基板S上に滴下される前記液晶Lはxy方向に一定間隔で配置される。
【0017】
勿論、このような液晶Lの滴下時、前記基板Sを固定し、前記液晶滴下装置10がxy方向に移動しながら前記液晶Lを一定間隔で滴下することもできる。
【0018】
なお、前記液晶滴下装置10により前記基板S上に前記液晶Lが滴の形態で滴下されると、図2に示すように、前記基板Sに円形状の液晶Lが滴下された場合、前記円形状の液晶Lを外接する四角形を仮定したとき、前記液晶Lから角までの距離aほど前記液晶Lが分布しない領域が存在するという問題がある。
【0019】
このように前記基板Sに前記液晶Lを滴下すると、図3に示したように、多数の滴の形態で滴下されるが、前記基板S上には前記液晶Lが分布しない領域が存在することになる。なお、このような領域を無くすために前記複数の滴形態の液晶Lが互いに重なるように滴下すると、過度な量の液晶Lが滴下されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、基板の角部分に液晶が分布しない領域が存在する問題を解決するための超音波を用いた液晶滴下装置を提供することにある。
【0021】
また、本発明の他の目的は、液晶がノズルの端部に一部付着したり、ノズルの表面に固まったりすることなく、一定のサイズの粒子に霧化して連続的な工程を可能にする超音波を用いた液晶滴下装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明のさらに別の目的は、ディスペンサーの経路上に軌跡の重複があるか、移送速度が変わっても、基板上に滴下される液晶の疎密程度によってシリンジの移送速度およびシリンジに供給される供給圧を制御することにより液晶を基板上に一定に滴下できる超音波を用いた液晶滴下装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態によれば、液晶を貯蔵する貯蔵空間を備えるシリンジと、前記シリンジに貯蔵された液晶の供給を受けて、前記液晶を霧化して基板上に滴下する霧化滴下ユニットと、前記シリンジの貯蔵空間に貯蔵された液晶を前記霧化滴下ユニットに供給するために圧力を加えるガス供給ユニットと、を含んでなる超音波を用いた液晶滴下装置を提供する。
【0024】
ここで、前記霧化滴下ユニットは、前記シリンジに連通する液晶注入口が設けられたケースと、前記ケースの内部で前記ケースに結合し、中央から上下方向の先端の吐出口まで貫通して、前記ケースの液晶注入口と前記吐出口とを連通する液晶流路が設けられたノズルボディと、前記ノズルボディ上に設けられ、前記ノズルボディを上下方向に振動する超音波発振ユニットと、前記ノズルボディと一定距離離隔した空間を有するように前記ノズルボディの下部に設けられ、前記離隔した空間を介して圧縮空気が噴射されて、前記ノズルボディの吐出口を介して前記基板上に滴下される液晶が一定範囲から外れることを防止するために、前記吐出口から前記基板までエアカーテンを形成する分散遮断部と、を含んで構成されることができる。
【0025】
また、本発明の一実施形態によれば、前記ガス供給ユニットは、前記シリンジの貯蔵空間に貯蔵された液晶を圧着するために供給されたガスを貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクに貯蔵されたガスを前記シリンジの貯蔵空間に供給するために前記貯蔵タンクと前記シリンジの貯蔵空間とを連通するガス供給管と、前記ガス供給管上に設けられ、前記シリンジの貯蔵空間に供給される前記貯蔵タンクに貯蔵されたガスの供給量を調節する調節バルブと、を含んでなる。
【0026】
また、前記ガス供給ユニットは、さらに前記調節バルブと前記シリンジの間の前記ガス供給管上に設けられて、前記調節バルブを経て前記シリンジに供給されるガスの圧力を測定する圧力センサと、前記圧力センサで測定した圧力に基づいて前記シリンジに供給されるガスの圧力を一定に保持するために前記調節バルブの開閉量を制御する圧力コントローラを有する定圧制御部と、を含んでなることもできる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記基板全体に前記液晶を滴下するために、さらに前記シリンジを横縦方向に移送するための移送部を備えることもできる。
【0028】
ここで、前記移送部は、移送速度が可変であり、前記シリンジの移送速度を調節することができる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、さらに、前記霧化滴下ユニットにより前記基板上に滴下される液晶の疎密程度により前記シリンジの移送速度および前記シリンジに供給される供給圧のいずれかを制御する滴下量制御部を含んでなることもできる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、前記分散遮断部は、前記ノズルボディと一定距離離隔した空間を備えるように前記ノズルボディと結合するシュラウドと、前記シュラウドの一側に設けられ、前記ノズルボディとシュラウドの間の離隔した空間を介して圧縮空気を注入する空気注入部と、を含んでなることができる。
【0031】
また、前記分散遮断部は、前記吐出口に対面する前記シュラウドの先端が下方に行くほど内径が小さくなるように傾斜して形成されることができる。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、前記シュラウドは、さらに、前記吐出口に対して前記シュラウドの先端の高さが調節可能に高さ調節部を備えることもできる。
【発明の効果】
【0033】
このような本発明による超音波を用いた液晶滴下装置は、次の効果を有する。
第一に、霧化滴下ユニットにより、液晶を一定のサイズの粒子に霧化して基板の角部まで液晶が分布できるため、液晶を前記基板上に効率的に滴下することができる。
【0034】
第二に、超音波により液晶を基板上に滴下する吐出口の端部に液晶が付着したり固まったりすることを防止し、前記液晶を一定のサイズの粒子に霧化して、連続的な工程が可能である。
【0035】
第三に、基板上に液晶が滴下される経路が重なったり液晶を貯蔵するシリンジの移送速度が変わって前記基板上に滴下される液晶の予想疎密程度によって前記シリンジの移送速度および前記シリンジに供給される供給圧を制御して、前記基板上に液晶を一定に滴下することができる。
【0036】
第四に、前記吐出口を介して噴射される液晶が前記基板上の一定範囲から外れることを防止するためのエアカーテンを形成する分散遮断部がさらに設けられるため、滴下の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来の液晶滴下装置により液晶が基板上に滴下されることを示す状態図である。
【図2】従来の液晶滴下装置により基板上に滴下される液晶のパターンを仮想した状態図である。
【図3】従来の液晶滴下装置により基板上に滴下される液晶のパターンを示す状態図である。
【図4】本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置の構成図である。
【図5】図4の霧化滴下ユニットを詳しく示した図である。
【図6】本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置により基板上に液晶が滴下されるパターンによって滴下量制御部の作動原理を示す状態図である。
【図7】本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置により基板上に液晶が滴下される様々な形態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の目的を具体的に実現できる本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、実施形態の説明において、同じ構成要素には同じ名称および符号を用いて、それらの重複する説明を省略する。
【0039】
まず、図4および図5を参照しながら、本発明による超音波を用いた液晶滴下装置について説明する。ここで、図4は本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置の構成図であり、図5は図4の霧化滴下ユニットを詳しく示した図である。
【0040】
本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置は、大きく、液晶Lを貯蔵する貯蔵空間を備えるシリンジ200と、前記シリンジ200に貯蔵された液晶Lの供給を受けて、前記液晶Lを霧化して基板S上に滴下する霧化滴下ユニット400と、前記シリンジ200の貯蔵空間に貯蔵された液晶Lを前記霧化滴下ユニット400に供給するために圧力を加えるガス供給ユニット100と、を含んで構成される。
【0041】
ここで、前記ガス供給ユニット100は、図4に示すように、前記シリンジ200の貯蔵空間に貯蔵された液晶Lを圧着するために供給されたガスを貯蔵する貯蔵タンク110と、前記貯蔵タンク110に貯蔵されたガスを前記シリンジ200の貯蔵空間に供給するために前記貯蔵タンク110と前記シリンジ200の貯蔵空間とを連通するガス供給管130と、前記ガス供給管130上に設けられ、前記シリンジ200の貯蔵空間に供給される前記貯蔵タンク110に貯蔵されたガスの供給量を調節する調節バルブ150と、を含んで構成される。
【0042】
また、前記ガス供給ユニット100は、さらに、前記調節バルブ150と前記シリンジ200の間の前記ガス供給管130上に設けられて、前記調節バルブ150を経て前記シリンジ200に供給されるガスの圧力を測定する圧力センサ172と、前記圧力センサ172で測定した圧力に基づいて前記シリンジ200に供給されるガスの圧力を一定に保持するために前記調節バルブ150の開閉量を制御する圧力コントローラ174を有する定圧制御部170と、を備える。
【0043】
したがって、前記シリンジ200は前記定圧制御部170によって常に一定に前記霧化滴下ユニット400に前記液晶Lを供給することができる。
【0044】
前記シリンジ200の貯蔵空間に液晶Lが貯蔵されている状態で、前記貯蔵タンク110に貯蔵されたガスが前記ガス供給管130を経て前記シリンジ200に貯蔵された前記液晶Lを圧着すると、前記液晶Lは前記霧化滴下ユニット400に排出される。
【0045】
このように、前記液晶Lが前記霧化滴下ユニット400に定量的に排出されるようにするために、前記ガス供給管130上に設けられた前記調節バルブ150によって前記貯蔵タンク110に貯蔵されたガスが前記シリンジ200の貯蔵空間に供給される。
【0046】
前記調節バルブ150によって圧力が調節されて前記ガス供給管130を経るガスを前記圧力センサ172で測定後、最初の設定値との間に差があった場合、前記圧力コントローラ174によって前記調節バルブ150の開閉量を制御して、前記シリンジ200の貯蔵空間に供給されるガスの圧力が常に定圧に制御される。
【0047】
この実施形態によれば、図4に示すように、プランジP上に固定されている前記基板S上に前記液晶Lを均一に滴下するために、前記シリンジ200を横縦方向に移動させる移送部300がさらに備えられる。
【0048】
これにより、連続的な工程において前記液晶Lを前記基板Sに滴下することができる。
【0049】
なお、前記移送部300によって前記シリンジ200が直交座標上のxy軸方向に移送可能であり、前記シリンジ200の移送速度は可変に形成されている。
【0050】
すなわち、前記霧化滴下ユニット400により前記基板S上に滴下される液晶の疎密程度によって前記シリンジ200の移送速度が可変になっている。これについては以後より詳しく説明する。
【0051】
前記霧化滴下ユニット400は、図5に示すように、前記シリンジ200に連通する液晶注入口412が設けられたケース410と、前記ケース410の内部で前記ケース410に結合し、中央から上下方向の先端の吐出口434まで貫通して、前記ケース410の液晶注入口412と前記吐出口434とを連通する液晶流路432が設けられたノズルボディ430と、前記ノズルボディ430上に設けられ、前記ノズルボディ430を上下方向に振動する超音波発振ユニット450と、を含んで構成される。
【0052】
前記ケース410は前記ノズルボディ430に結合して前記超音波発振ユニット450を保護する役割を果たす。
【0053】
この実施形態において、前記超音波発振ユニット450は、前記ノズルボディ434上に設けられた圧電素子454と、前記圧電素子454に電気的エネルギーを供給するために前記圧電素子454に連結される電極452と、を含んで構成される。
【0054】
前記電極452は、図4に示すように、電極制御部458に連結されて、前記圧電素子454に供給する電気的エネルギーを調節する。
【0055】
すなわち、前記電極452は、前記電極制御部458を介して外部電源から電気的エネルギーの供給量を決定する。
【0056】
この実施形態による前記圧電素子454は、前記電極452から受けた電気的エネルギーを前記ノズルボディ430を上下方向に振動させる振動エネルギーに変換する役割を果たす。
【0057】
このように、前記超音波発振ユニット450の圧電素子454によって前記ノズルボディ430が上下方向に振動して、前記シリンジ200から供給された前記液晶Lが前記液晶流路432を経ながら霧化することにより前記液晶Lが前記吐出口434に一部付着したり表面に固まったりすることを防止するとともに、前記液晶を一定のサイズの粒子に霧化する役割をする。
【0058】
これにより、前記プランジP上に固定された前記基板Sに霧化された前記液晶を均一に滴下できるようになる。
【0059】
この実施形態によれば、前記霧化滴下ユニット400のノズルボディ430の下部に設けられ、前記ノズルボディ430の吐出口434を介して前記基板S上に滴下される液晶Lが一定範囲から外れることを防止するために、前記吐出口434から前記基板Sまで圧縮空気によりエアカーテンを形成する分散遮断部470がさらに備えられる。
【0060】
前記分散遮断部470は、前記ノズルボディ430と一定距離離隔した空間474を備えるように前記ノズルボディ430と結合するシュラウド476と、前記シュラウド476の一側に設けられ、前記ノズルボディ430とシュラウド476の間の離隔した空間474を介して圧縮空気を注入する空気注入部472と、を含んで構成される。
【0061】
これにより、図示していないが、前記基板S上に前記液晶Lが霧化した状態で滴下される過程において、前記液晶Lが前記基板S上の所定の領域ではなく他の領域に滴下されることを防止するために、前記液晶Lが滴下される方向に前記分散遮断部470によってエアカーテンが形成される。
【0062】
この実施形態によれば、前記霧化滴下ユニット400の吐出口434に対面する前記分散遮断部470のシュラウド476の端部は下方に行くほど内径が小さくなるように傾斜して圧縮空気流路474が形成される。
【0063】
これにより、前記ノズルボディ430とシュラウド476の間の離隔した空間474である前記圧縮空気流路474を経る圧縮空気が、前記霧化滴下ユニット400の吐出口434から吐出される前記液晶Lの方向に向けて噴射される。
【0064】
また、前記シュラウド476は、さらに前記霧化滴下ユニット400の吐出口434に対して前記シュラウド476の先端の高さが調節可能に高さ調節部478を備える。
【0065】
これにより、前記圧縮空気流路474を経た前記圧縮空気が、前記霧化滴下ユニット400の吐出口434を介して吐出される前記液晶が前記基板S上に滴下される領域を決定することになる。
【0066】
次に、図6および図7を参照しながら、本発明による超音波を用いた液晶滴下装置により基板の全領域に液晶が滴下される過程を説明する。ここで、図6は、本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置により基板上に液晶が滴下されるパターンによって滴下量制御部の作動原理を示す状態図であり、図7は、本発明の一実施形態による超音波を用いた液晶滴下装置により基板上に液晶が滴下される様々な形態を示す状態図である。
【0067】
本発明によれば、前記シリンジ200を移送する前記移送部300により、図6に示すように、前記基板S上に前記霧化滴下ユニット400によって霧化された前記液晶が滴下される。
【0068】
前記液晶Lが、図6に示すように、前記基板Sの最外郭a〜bに滴下された後、前記基板Sの内部でジグザグ方向に滴下される。
【0069】
これにより、あいだあいだに重複区間eが発生する。前記重複区間eの周りの区間から前記基板Sに前記液晶Lが滴下される区間がc区間である場合は、滴下量が一定に保持され、d区間では滴下量が次第に低減する。
【0070】
なお、e区間では前記液晶Lが重複するために前記液晶Lが滴下されずそのまま通り過ぎる。また、f区間では滴下量が次第に増加し、g区間になると、a、b、c区間と同様な滴下量になる。つまり、前記基板Sの全体において前記液晶Lが均一に滴下される。
【0071】
図示していないが、さらに前記移送部300による前記シリンジ200の移送速度および前記ガス供給ユニット100によって前記シリンジ200に供給される供給圧のいずれかを制御する滴下量制御部が設けられて、前記フランジPに固定された前記基板S上に滴下される前記液晶Lの疎密程度を予測して滴下量を調節する。
【0072】
一例として、d区間では、前記移送部300により前記シリンジ200の移送速度を増加させたり、前記ガス供給ユニット100の調節バルブ150により前記シリンジ200に供給されるガスの圧力を低くしたりして、前記シリンジ200に貯蔵された液晶Lが前記霧化滴下ユニット400に供給される供給量を低減させる。
【0073】
図7に示すように、前記基板Sに前記液晶Lが滴下されるパターンは一つに限定されず、様々な形態で実施することができる。
【0074】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に多様な変更を加えることが可能であることが本発明が属した分野の通常の知識を有する者に明らかであり、そのような変更を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが請求範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0075】
10:液晶滴下装置、100:ガス供給ユニット、110:貯蔵タンク、130:ガス供給管、150:調節バルブ、170:定圧制御部、172:圧力センサ、174:圧力コントローラ、200:シリンジ、300:移送部、400:霧化滴下ユニット、410:ケース、412:液晶注入口、430:ノズルボディ、432:液晶流路、434:吐出口、450:超音波発振ユニット、452:電極、454:圧電素子、458:電極制御部、470:分散遮断部、472:空気注入部、474:圧縮空気流路、476:シュラウド、478:高さ調節部、L:液晶、P:プランジ S:基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶を貯蔵する貯蔵空間を備えるシリンジと、
前記シリンジに貯蔵された液晶の供給を受けて、前記液晶を霧化して基板上に滴下する霧化滴下ユニットと、
前記シリンジの貯蔵空間に貯蔵された液晶を前記霧化滴下ユニットに供給するために圧力を加えるガス供給ユニットと、
を含んでなり、
前記霧化滴下ユニットは、
前記シリンジに連通する液晶注入口が設けられたケースと、
前記ケースの内部で前記ケースに結合し、中央から上下方向の先端の吐出口まで貫通して、前記ケースの液晶注入口と前記吐出口とを連通する液晶流路が設けられたノズルボディと、
前記ノズルボディ上に設けられ、前記ノズルボディを上下方向に振動する超音波発振ユニットと、
前記ノズルボディと一定距離離隔した空間を有するように前記ノズルボディの下部に設けられ、前記離隔した空間を介して圧縮空気が噴射されて、前記ノズルボディの吐出口を介して前記基板上に滴下される液晶が一定範囲から外れることを防止するために、前記吐出口から前記基板までエアカーテンを形成する分散遮断部と、
を含んで構成されることを特徴とする超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項2】
前記ガス供給ユニットは、
前記シリンジの貯蔵空間に貯蔵された液晶を圧着するために供給されたガスを貯蔵する貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクに貯蔵されたガスを前記シリンジの貯蔵空間に供給するために前記貯蔵タンクと前記シリンジの貯蔵空間とを連通するガス供給管と、
前記ガス供給管上に設けられ、前記シリンジの貯蔵空間に供給される前記貯蔵タンクに貯蔵されたガスの供給量を調節する調節バルブと、
を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項3】
前記ガス供給ユニットは、さらに、
前記調節バルブと前記シリンジの間の前記ガス供給管上に設けられて、前記調節バルブを経て前記シリンジに供給されるガスの圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサで測定した圧力に基づいて前記シリンジに供給されるガスの圧力を一定に保持するために前記調節バルブの開閉量を制御する圧力コントローラを有する定圧制御部と、
を含んでなることを特徴とする請求項2に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項4】
前記基板全体に前記液晶を滴下するために、さらに前記シリンジを横縦方向に移送するための移送部を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項5】
前記移送部は移送速度が可変であることを特徴とする請求項4に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項6】
さらに、前記霧化滴下ユニットにより前記基板上に滴下される液晶の疎密程度により前記シリンジの移送速度および前記シリンジに供給される供給圧のいずれかを制御する滴下量制御部を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項7】
前記分散遮断部は、
前記ノズルボディと一定距離離隔した空間を備えるように前記ノズルボディと結合するシュラウドと、
前記シュラウドの一側に設けられ、前記ノズルボディとシュラウドの間の離隔した空間を介して圧縮空気を注入する空気注入部と、
を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項8】
前記分散遮断部は、前記吐出口に対面する前記シュラウドの先端が下方に行くほど内径が小さくなるように傾斜して形成されることを特徴とする請求項7に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。
【請求項9】
前記シュラウドは、さらに前記吐出口に対して前記シュラウドの先端の高さが調節可能に高さ調節部を備えることを特徴とする請求項7に記載の超音波を用いた液晶滴下装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−501957(P2013−501957A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524639(P2012−524639)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005234
【国際公開番号】WO2011/019186
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(505214010)コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー (20)
【Fターム(参考)】