説明

超音波トランスデューサプローブおよびシステムならびにその製造方法

超音波トランスデューサ構造体を製造する方法を開示する。本方法は、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を形成するステップと、機能層の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光して、機能層の選択された領域を硬化させることにより、重合超音波トランスデューサ材料領域を形成するステップとを繰返し行うことを含む。本方法は、さらに、機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより半完成部品を得るステップと、半完成部品を焼結することにより検知用構造体を得るステップとを含む。少なくとも1つの圧電素子を作製するシステムも開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、広範囲の幾何形状を有し圧電素子のアレイを含む単一素子プローブの製造に関する。詳細には、本発明は、圧電素子のアレイを含む圧電プローブを製造する方法に関する。本発明はまた、圧電素子のアレイを製造するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子のアレイを含む圧電プローブは、いくつかの応用分野、特に、たとえば超音波走査による構造体内部の非破壊撮像に用いられることで知られている。こうした撮像の多くの応用分野では、個々の圧電素子のサイズを可能な限り縮小することが望ましい。というのは、それによってより高周波での動作が可能になる可能性があり、それにより、得られる画像の解像度をより向上させることができるからである。圧電プローブを製造する、従来使用されているダイスアンドフィル法では、圧電プローブの柱状素子の断面が約30μm未満である時、分解能限界に達する。上述したように、より高周波でのプローブの動作を、超音波プローブの厚さを低減することにより、かつ/または柱状素子の断面を低減することにより達成することができる。目下、柱状部分の断面積を低減しようと試みるとさらなるダイシングが必要となるため、柱状素子の断面が低減するに従い、断面積の小さい高周波プローブを製造する時間が長くなる。また、プローブの材料となる(より薄い)圧電セラミックウェハが破損する可能性が高くなるため、高周波プローブを製造するダイスアンドフィル法の製造歩留まりは、それが従来の周波数のプローブを製造するために用いられる場合より低くなる可能性がある。さらに、ダイスアンドフィル法は、不規則な幾何形状のプローブを製造するために用いるには適していない。こうした不規則なプローブの幾何形状により、横振動モードをより打ち消すことができる可能性があり、それにより、均一な幾何形状を有するプローブの性能と比較してより優れた性能を発揮する可能性がある。また、ダイスアンドフィル法を用いて、たとえば六角形および円形等の非直角の柱断面を作成することはできない。サイズが縮小した圧電素子の製造に関して、従来のダイスアンドフィル製造法の欠点を改善すること、不規則な幾何形状のプローブを製造すること、および超音波トランスデューサ素子の不規則なアレイを有するプローブを得ることを目的として、近年、いくつかの手法が探究されてきた。これには、レーザ微細加工法およびダイレクトライト法がある。しかしながら、これら手法の大部分では、精巧な、したがって費用のかかる製造手順が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7088432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、1つまたは複数の物理的な方向に沿って寸法が縮小した圧電素子の規則的なまたは不規則な幾何形状を有する圧電プローブを、確実にかつ費用効率よく製造する方法およびこの方法を実施するシステムが、非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらおよび他の利点および特徴は、添付図面に関連して提供される本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0006】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、検知用構造体を製造する方法が提供される。本方法は、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を形成するステップと、機能層の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光して、機能層の選択された領域を硬化させることにより、重合超音波トランスデューサ材料領域を形成するステップとを繰返し行うことを含む。本方法は、さらに、機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより半完成部品を得るステップと、半完成部品を焼結することにより検知用構造体を得るステップとを含む。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、検知用構造体を製造する方法が提供される。本方法は、ワイピングブレード技法により、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を基板の上に形成するステップと、デジタル制御されたプログラム可能な空間光変調器モジュールを利用して機能層の複数の選択された領域を露光するステップであって、機能層の隣接する領域を露光するようにデジタル制御された空間光変調器モジュールを系統的に移動させ、それにより機能層の選択された領域を硬化させることによって重合超音波トランスデューサ材料領域を形成することを含む、ステップとを繰返し行うことを含む。本方法は、さらに、機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを含む半完成部品を得るステップと、半完成部品を焼結することにより素子間隔が不規則な超音波トランスデューサ素子のアレイを得るステップとを含む。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの圧電素子を作製するシステムが提供される。本システムは、基板上に機能層を形成するように構成された機械的配置であって、機能層が超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む、機械的配置と、機能層の少なくとも1つの選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光し、それにより前記少なくとも1つの選択された領域を硬化させることによって、少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を形成するように構成された空間光変調器と、少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を焼結することにより、少なくとも1つの超音波トランスデューサ素子を得るように構成された加熱アセンブリとを有する。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、超音波トランスデューサ素子のアレイを作製するシステムが提供される。本システムは、基板上に機能層を形成するように構成された機械的配置であって、機能層が超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む、機械的配置と、機能層の複数の選択された領域の隣接する領域をデジタル制御されたプログラム可能な光パターンで系統的に露光し、それにより複数の選択された領域を硬化させることによって複数の重合機能領域を形成するように構成された空間光変調器と、重合超音波トランスデューサ領域を焼結することにより、素子間隔が不規則な超音波トランスデューサ素子のアレイを得るように構成された加熱アセンブリとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態による超音波トランスデューサ素子のアレイを製造する方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態によって展開されたワイピングブレード装置を概略的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態によって展開されたワイピングブレード装置を概略的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態によって展開された空間光変調器を概略的に示す図である。
【図5】本発明の実施形態によって展開された空間光変調器を概略的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態による超音波トランスデューサ素子のアレイの概略図である。
【図7】本発明の実施形態による超音波トランスデューサ素子のアレイの概略図である。
【図8】本発明の実施形態による超音波トランスデューサプローブの一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、図面に示すそれぞれの図を通して、同様の参照符号は、同様のまたは対応する部分を示す。「上部」、「下部」、「外側」、「内側」、「第1」、「第2」等の用語は、便宜上の語であり、限定する用語として解釈されるべきではないことも理解される。さらに、本発明の特定の態様が、ある群の複数の要素のうちの少なくとも1つおよびその組合せを含むかまたはそれ(ら)によって構成されると言う場合はいつでも、その態様は、その群の要素のうちの任意のものを、個々にまたはその群の他の要素のうちの任意のものと組み合わせて含むかまたはそれ(ら)から構成され得ると理解される。
【0012】
全体として図面を参照すると、例証は本発明の特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、本発明をそれに限定するように意図されていないことが理解されよう。
【0013】
本明細書で使用する「半完成の(green)」という用語は、プローブを構成する1つまたは複数の構成部品を説明する文脈で用いる場合、最終プローブの形成に至る中間処理段階の結果としてもたらすことができる、粗く結合された対象物を意味するものとする。
【0014】
本明細書で使用する「隣接する」という用語は、プローブを構成する異なる構成部品を説明する文脈で用いる場合、「すぐ隣の」を指し、または説明されている構成部品の間に他の構成部品が存在する状況を指す。
【0015】
プローブの構成部品が2つ以上の材料から構成され得る、本明細書で説明するすべての実施形態およびすべての状況では、2つ以上の材料は、ともに、限定されないが混合物、固溶体およびその組合せを含む形態で存在し得る。
【0016】
本明細書で使用する「不規則な」という用語は、プローブの1つまたは複数の構成部品を説明する文脈で用いる場合、その1つまたは複数の構成部品の物理的幾何形状および/またはサイズが、別々に使用者によって定義される状況を指すものとする。さらに、この用語は、プローブの2つ以上の構成部品の配置もまた使用者によって定義され、たとえば、非均一でありかつ/または均一であり得る状況も指し、また含むものとする。
【0017】
本発明の一実施形態は、超音波トランスデューサ素子のアレイを製造する方法に関する。図1は、超音波トランスデューサ素子のアレイを製造する方法100のフローチャートを示す。方法100は、基板の上に機能層を形成するステップ102を含む。機能層は、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマー(光化学的に重合するポリマー)を含む。超音波トランスデューサ材料は、1つまたは複数の導電材料および/または1つまたは複数の圧電材料を含み得る。方法100は、さらに、ステップ104において、機能層の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光することを含む。次に、方法100は、ステップ106において、機能層の選択された領域を硬化させて、重合超音波トランスデューサ領域を形成することを含む。次いで、方法100は、ステップ107において、機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを得ることを含む。次に、方法100は、ステップ108において、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを脱結合(debind)して、有機ポリマーを除去することを含む。最後に、方法100は、ステップ109において、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを焼結することにより、超音波トランスデューサ素子のアレイを得ることを含む。
【0018】
ステップ102において、所望の厚さの機能層を形成する。機能層を形成するために、薄い均一な機能層を形成する任意の好適な方法を用いることができる。この機能層は、導電性かつ/または圧電性の材料を含んでもよい。一実施形態では、機能層を作成するためにスラリーを用いる方法を用いる。好適な機能層形成技法のいくつかの例には、限定されないが、ワイピングブレード技法、ナイフブレード技法、ドクターブレード技法およびスクリーン印刷がある。スラリーを用いるプロセスでは、一般に、好適な粒径である所望の超音波トランスデューサ材料の粉末をフォトポリマーと混合する。スラリーをより良好に処理するために、粒径分布が極めて狭く球状形態が均一な超音波トランスデューサ材料粒子を用いることが有利であり得る可能性がある。粒径および粒子の形状は、スラリーの流動学的特性に影響を与える可能性がある。粒径および粒子の形態はまた、機能層の充填密度にも影響を与える可能性がある。スラリーにおける超音波トランスデューサ材料粉末の量を、概して、所与の状況において有利な、適切な流動学的性質を有するように調整する。分散性を向上させるためかつ急速な沈降を抑制するために、分散剤等のさらなる添加剤をスラリー内に混入してもよい。したがって、いくつかの実施形態によれば、本方法は、より良好な結果を得るためにスラリーの凝集および脱気のさらなる任意選択のステップを含んでもよい。種々の基板を用いることができる。基板を構成することができる材料には、限定されないが、プラスチック、ガラス、マイカ、金属、セラミックまたはそれらの組合せがある。
【0019】
一実施形態では、機能層を、ワイピングブレード技法によって形成する。図2は、本発明の一実施形態によって展開されるワイピングブレード技法のあり得る構成を概略的に示す。ワイピングブレード技法では、まず、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含むスラリーを用意する。ディスペンサ203を利用して、基板204の上に、超音波トランスデューサ材料および好適なフォトポリマーを含むスラリーのビード202を形成する。ビードのサイズおよびビード形成の速度を、要件毎に制御してもよい。ブレード206を用いてスラリービード202をワイピングすることにより、所望の厚さの機能層207を作成する。ワイピングブレード技法は、高粘性のスラリーを扱うことが実現すること、および非常に薄くかつ均一な機能層を形成することが可能であることに関して、有利である可能性がある。たとえば圧電材料の、体積百分率が高い(40〜45%)1〜2μmサイズの多結晶粒子とフォトポリマーとからなる薄い機能層(5〜10μm)を、この方法100で形成することができる。
【0020】
さらに、方法100によって、異なるディスペンサに異なるスラリーを配置することにより、同じかまたは異なる材料の2つ以上の同じかまたは異なるスラリーを個々に同時堆積させることができる。図3は、2つのスラリーをそれぞれ含むように、2つのディスペンサ302および304を利用することによる、基板312の上への2つの材料308および310の場合の同時堆積を示している。ブレード306を用いて、スラリービードをワイピングすることにより、所望の厚さの機能層308および310を作成する。汚染なしに層を生成するために、2つ以上の材料を堆積させる場合、複数のブレードを用いてもよい。この方法を3つ以上のスラリーにかつ/または3つ以上の層の堆積に広げることは簡単である。同時堆積を用いて、多層構造を製造することができ、たとえば減衰層、導電層および圧電セラミック機能層を個別の幾何形状で堆積させることができる。同時堆積が可能であることは、傾斜した音響整合層の同時堆積および/または電極の同時堆積でも有用であり得る。この傾斜した音響整合層および/または電極の同時堆積により、最終的に製造されたプローブの貫通能力および分解能を向上させることができる可能性がある。こうした同時堆積により、異なる層を接着するために通常必要である可能性のある接着層の必要を軽減することができる。これにより、高周波での音響性能を向上させることができる可能性がある。こうした多層構造を有するプローブは、低電圧で作用するのにも適している可能性があり、それにより、可搬性が望ましい応用分野においてそれらを使用することが可能になり得る。こうした1つの可搬応用分野の例は、設置されたインフラに対する現場測定用の手持ち式超音波装置の場合であり得る。
【0021】
一実施形態では、機能層は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ材料および少なくとも1つのフォトポリマーを含むことができる。超音波トランスデューサ材料は、圧電性または導電性または吸音性のいずれであってもよい。一実施形態では、機能層は、圧電材料およびフォトポリマーを含むことができる。機能層に、任意の好適な圧電材料を用いることができる。好適な強誘電性圧電材料のいくつかの例には、限定されないが、チタン酸ジルコン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ニオブ酸リチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸鉛またはそれらの組合せがある。所定の実施形態では、圧電材料はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含む。PZTは、商用超音波トランスデューサで広く用いられている標準圧電セラミックである。好適な「リラクサ強誘電性」圧電材料のいくつかの例には、限定されないが、マグネシウムニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、酸化ビスマススカンジウムおよび/またはそれらの固溶体がある。別の実施形態では、機能層は、導電材料およびフォトポリマーを含んでいてもよい。機能層に、任意の好適な導電材料を用いることができる。好適な導電材料のいくつかの例には、限定されないが、プラチナ、パラジウム、プラチナパラジウム合金またはそれらの組合せがある。通常、製造のプロセス100では、機能層を形成するために用いられる1つまたは複数の超音波トランスデューサ材料と適合性があり、所与の波長分布の光で露光されると重合する、任意のフォトポリマーを用いることができる。使用される光の波長分布は、状況に応じて、単色であっても多色であってもよい。実施形態によっては、重合プロセスを開始するために追加の光開始剤を用いてもよい。多数のフォトポリマーが知られている。適切な光開始剤およびフォトポリマーを選択する場合に考慮すべき要素は、当業者には既知である。
【0022】
ステップ104(図1)において、機能層の複数の選択された領域を、重合プロセスを開始することができる好適な強度および波長分布の光で露光する。これを、コンピュータ402を含むシステム400を利用することによって達成することができ、コンピュータ402は、光の強度および/または方向を機能層410上に所定の光パターン408を生成するように変調する空間光変調器モジュール404(図4に示す)を制御するように、デジタル制御信号を提供することができる。一実施形態では、プログラム可能な光パターン406をデジタル制御することができる。本発明の実施形態は、いかなるフォトマスクもなしにコンピュータが生成する電子制御信号および空間光変調器を用いて、機能層の複数の選択された領域に所定の光パターンを投影することにより、機能層の選択された領域を露光し硬化させる(図4に概略的に示す)システムおよび方法を含む。各機能層は、好適な強度および波長分布のデジタル処理でマスクされた光ビームで露光され、コンピュータ制御により個々のフィーチャの結像が動的に達成される。概して、製造される構造体の断面を表すデジタルパターンを機能層の上に投影する。これにより、機能層の選択された領域内に存在するフォトポリマーが選択的に硬化し、機能層内に重合領域が発生する。従来の光リソグラフィプロセスでは、通常、いくつかのフォトリソグラフィ段階および関連する一意のフォトマスクが必要である。そのプロセスの各段階において、フォトマスクを変更する必要がある。これにより、プロセスに実質的なリードタイムおよび複雑性が追加されることになる。したがって、フォトマスクを必要としないプロセスはより効率的であり得る。
【0023】
図4は、本発明の一実施形態による、空間光変調器404を有するシステムを示し、空間光変調器404は、機能層410の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターン406で露光しかつ硬化させて、「半完成の」重合超音波トランスデューサ領域408を形成するように構成されている。デジタル制御モジュール402を、空間光変調器404を制御するように構成することができ、それによって、空間光変調器404は、デジタル制御された光パターン406を与える。したがって、フォトマスクの必要が軽減する。空間光変調器404は、機能層410の上にプログラム可能な光パターン406を投影する。したがって、光パターン406がプログラム可能なデジタル制御を介して機能層410の上に投影されるこのプロセスは、機能的に「デジタルマスク」としての役割を果たす。空間変調器は、断面が約5μmまで低減した超音波トランスデューサ素子を製造することができる平行ビームを得るように変更される。本発明の実施形態を、機能層410の複数の選択された領域を露光し硬化させるように構成することができ、選択された領域は、間隔が不規則でありかつ/または物理的寸法が個別に異なり、かつ/または形状が個別に異なる。
【0024】
図5は、本発明の一実施形態による、「ステップアンドスキャン」技法を用いて、機能層の隣接する領域を露光するように、空間光モジュールを系統的に移動させる方式500を示す。この技法では、空間光変調器モジュール504は、所望の露光パターン508に従ってデジタル的にプログラム可能な光ビーム506を放出するように、水平面においてx方向およびy方向502に沿って移動可能であるように構成されている。空間光変調器モジュール504を、z方向(図示せず)に沿って移動可能であるように構成してもよい。たとえば、空間光変調器モジュール504を、機能層512の上に露光パターン514および516を生成するように、x方向510に沿って並進させてもよい。同様に、空間光変調器モジュール504を、機能層512の上に別の露光パターン520を生成するように、y方向518に沿って並進させてもよい。このステップアンドスキャン技法を使用することにより、小面積、高分解能のデジタルマスクを用いてより大きい部品を製造することができる。本明細書での期待される手法は、セラミック部品を作製するように投影マイクロステレオリソグラフィ(Projection MicroStereoLithography)(PMSL)を展開することである。PMSLにおいて、投入材料は、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーからなるスラリーである。デジタルマスクを、DLP(商標)(Digital Light Processing、Texas Instruments,Inc.、Dallas、Tex.、USAの登録商標)、デジタルマイクロプロセシング(Digital Micro−Processing)(DMD)デバイスまたはLCD(液晶ディスプレイ)デバイスを用いて生成する。このマスクをスラリー上に投影して、スラリーを選択的に硬化させる。次いで、複数の機能層を重ねて堆積させかつ硬化させて必要な形状および厚さを得る。PMSLによって作製することができる部品の最大サイズは、その現形態において、デジタルマスクジェネレータの分解能およびサイズによって制限される。目下当技術分野において既知であるように、PMSLを用いて作製される最大部品サイズは、約15μmの分解能で約1.5インチ×1.5インチに制限される。本発明では、PMSLを拡大して、高分解能を維持しながらより大きい部品を作製する方法を概説する。本発明により、圧電超音波プローブ等の超音波トランスデューサプローブの製造においてPMSLを使用することができる。したがって、示唆したように、入手可能なデジタルマスクジェネレータのサイズが小さいことにより、PMSLを用いて製造することができる部品の最大サイズが大きく制限されていた。このステップアンドスキャン法を用いることにより、小面積、高分解能デジタルマスクを使用してより大きい部品を製造することができる。本発明の実施形態により、単一走査ステップで表面の広い面積の処理を可能にすることによって工程能力を大幅に向上させることができる。これを、後に詳細に説明するように、基板または空間光変調器モジュールのいずれかを他方に対して系統的に移動させることによって達成することができる。
【0025】
この目的のために、意図された像パターンを生成しかつ動的に変更する任意の好適な機構を用いることができる。こうした機構の1つには、空間光変調器がある。こうした変調器を、所定像パターンを生成するようにコンピュータによって電子的に制御することができる。こうしたデジタル制御により、非常に微細なフィーチャサイズおよび高速な動的制御可能な制御信号の生成が容易になる。こうした変調器は、種々のタイプのものが入手可能である。好適な空間光変調器モジュールのいくつかの例には、限定されないが、Grating Light Valve(GLV(商標)、Silicon Light Machines、Sunnyvale、Calif.、USAから入手可能)、DLP(商標)デジタルマイクロミラーデバイス(DLP(商標)、Texas Instruments, Inc.、Dallas、Tex.、USA製)および液晶ディスプレイ(LCD)がある。こうした空間光変調器は、光の方向変調器および強度変調器の両方として動作する。実施形態によっては、市販の空間光変調器に対し、所定の用途に対する希望に応じて追加の機能で増強する。たとえば、使用するフォトポリマーに応じて、光源を交換してもよく、または特定の波長分布の光を生成するように、追加のバンドパスフィルタを含めてもよい。他の実施形態では、所望の倍率の像の生成を容易にする平行ビームを生成するために、変調器とともにレンズ系を用いてもよい。たとえば、微細なフィーチャの像を生成するために収束ビームが有用であり得る。光の所与の波長分布および強度と、またプローブの製造中に作用している合成化学反応と適合性のある空間光変調器を選択する際に必要な考慮事項は、当業者には既知である。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態によって製造される超音波トランスデューサ素子602のアレイ600を概略的に表している。超音波トランスデューサ素子602は、超音波トランスデューサプローブ608として用いられる場合、超音波トランスデューサプローブが効率的に作用するために、プローブの動作中に存在する可能性がある1つまたは複数の超音波波長に比較して十分に小さい断面606を有することが望ましい。方法100(図1)は、微細な超音波トランスデューサ素子および間隔の狭い超音波トランスデューサ素子を製造するのに好適である。
【0027】
方法100は、不規則に隔置された重合超音波トランスデューサ素子を製造するのに好適である。図7は、本発明の一実施形態による、超音波トランスデューサ素子702および704の不規則なアレイ700を概略的に表している。超音波トランスデューサ素子は、超音波トランスデューサプローブ712として用いられる場合、たとえば702および704で表されるように、物理的寸法708および706がそれぞれ個別に異なることが可能である。一実施形態では、不規則に隔置された重合超音波トランスデューサ領域は、隣接する領域間の最小間隔710が約25μmである。別の実施形態では、不規則に隔置された重合超音波トランスデューサ領域は、隣接する超音波トランスデューサ領域710間の最小間隔が約50μmである。当技術分野では、こうした不規則に隔置された超音波トランスデューサ素子は、超音波トランスデューサプローブとして使用される場合、アレイを伝わる1つまたは複数の超音波波長の横モードを除去することにより、より優れた分解能を有するという利点を提供することが知られている。
【0028】
ステップ107(図1)において、機能層の露光されていない領域を選択的に除去する。露光されていない領域を除去するために、任意の好適な方法を用いることができる。露光されていない「バインダ」材料を除去するために好適なプロセスのいくつかの例には、限定されないが、好適な溶剤での溶解、化学エッチングまたはそれらの組合せがある。一実施形態では、露光されていない領域を、露光された機能層を超音波槽内でイソプロピルアルコールで数分間、たとえば5分間洗浄することによって、選択的に除去する。ステップ108において、重合超音波トランスデューサ素子を酸素内で加熱することによって脱結合し、有機ポリマーを除去する。一実施形態では、脱結合温度は、約400℃から約800℃の範囲である。脱結合温度は、他の要素もあるが特に、ポリマーおよび超音波トランスデューサ材料によって決まり得る。
【0029】
ステップ109において、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを、好適な焼結温度まで加熱することによって焼結する。焼結は、「半完成の」超音波トランスデューサ素子を緻密にするために有用であり得る。一実施形態では、焼結温度は、約1000℃から約1300℃の範囲である。焼結温度の選択は、他の要素もあるが特に、超音波トランスデューサ材料によって決まる。焼結温度および焼結時間を選択する際に必要な考慮事項は、使用される材料系次第であるように、当業者には既知である。たとえばセラミック材料からなる3次元超音波トランスデューサ部品を、硬化した超音波トランスデューサフォトポリマースラリー層の複数の層を重ねることによって作製してもよい。上述したように、脱結合および焼結を用いて、高密度に充填された超音波トランスデューサプローブを作製することができる。
【0030】
一実施形態では、方法100は、ワイピングブレード技法により、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を基板の上に、所望の回数、繰返し形成するステップと、デジタル制御されたプログラム可能な空間光変調器モジュールを利用して機能層の隣接する領域を露光して、機能層の複数の選択された領域を、所望の回数、繰返し露光し、それにより、機能層の選択された領域を硬化させて重合超音波トランスデューサ材料領域を形成するステップと、機能層の露光されていない領域を選択的に除去して、「半完成の」重合超音波トランスデューサ素子のアレイを得るステップと、半完成の重合超音波トランスデューサ素子のアレイを焼結して、超音波トランスデューサ素子の不規則な配置を有する超音波トランスデューサ素子のアレイを得るステップとを含む。基板の広い面積を露光するために、光パターンを機能層の隣接する領域を露光するように系統的に移動させる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態に関連して説明した方法は、当技術分野において既知である従来の方法と実質的に異なる。超音波トランスデューサ素子を製造するために、従来使用されていたダイスアンドフィル法に代る方法が近年報告されている。これら方法の多くが、製造されるデバイスのフィーチャサイズを定義するためにフォトマスクを必要とする。対照的に、本明細書において本発明のいくつかの実施形態の文脈で説明した方法では、プロセスには、フォトマスクおよび上述したような関連する複雑性および不都合がない。さらに、これら従来の方法の大部分では、非常に微細なサイズの不規則に隔置された超音波トランスデューサ素子を製造することができない。本発明の実施形態は、寸法が15μmほどに小さい不規則に隔置された超音波トランスデューサ素子の製造を論証している。さらに、本発明の一実施形態は、音響特性が向上した3次元幾何形状の単一素子プローブを製造するために用いることができる方法である。機能層と減衰層を同時製造することにより、高周波プローブの音響特性が向上する。この方法を介して、高周波プローブで用いられる電極とともに薄いセラミック素子を直接製造することが可能である。プローブのインピーダンスが、たとえば人体組織のインピーダンスと厳密に一致し、撮像の質を向上させることができるように、傾斜した整合層を製造することができる。
【0032】
本発明の別の実施形態では、超音波トランスデューサ素子のアレイを製造するシステムを提供する。本システムは、基板の上に機能層を形成するように構成された機械的配置を備えており、機能層は、圧電材料または導電材料またはその組合せとフォトポリマーとを含んでいる。システムはまた、機能層の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光しかつ硬化させて重合超音波トランスデューサ領域を形成するように構成された、空間光変調器を有している。システムはまた、重合超音波トランスデューサ領域を焼結することにより超音波トランスデューサ素子のアレイを得るように構成された加熱アセンブリも有している。
【0033】
少なくとも1つの圧電材料からかつ/または少なくとも1つの導電材料から構成される薄層の形成を容易にする任意の好適な機械的配置を用いることができる。こうした機械的配置のいくつかの例には、限定されないが、ワイピングブレード装置、ドクターブレード装置、ナイフブレード装置およびスクリーン印刷がある。一実施形態では、機械的配置は、図2に示すようにワイピングブレード装置200を含む。実施形態によっては、ワインピングブレード装置を、1つまたは複数の材料のスラリーを同時堆積させるようにいくつかのディスペンサを採用することによって変更する。
【0034】
本発明の実施形態はまた、図5に示すように、機能層の隣接する領域を露光するように投影光パターンを系統的に移動させるシステムも含む。これを、変調器または基板のx、yまたはz方向に沿った系統的な相対移動を容易にすることによって達成することができる。たとえば、サーボモータ駆動並進ステージを使用することができる。変調器または基板を、基板の所望の領域が覆われるまで系統的に移動させることができる。デジタルマスクの幾何形状を層毎に変更することにより、幾何学的形状が個々に異なり物理的寸法が個々に異なる素子を有する3次元形状の不規則なアレイのトランスデューサを作製することができる。従来用いられていたダイスアンドフィル法の能力を、3次元部品を作製するように制限してもよい。さらに、超音波トランスデューサ素子の境界を、ダイスアンドフィル法を用いて直線であるように制限する。
【0035】
図8は、本発明の実施形態によるトランスデューサ素子のアレイを断面概略図で示す。トランスデューサは、電気接点810を提供するように、「上部」面802および「下部」面808に電極が配置された、圧電セラミック柱806のアレイを備えている。圧電材料は、電気エネルギーを超音波エネルギーに変換する。柱の間の空間は、エポキシ樹脂804で充填されている。エポキシ樹脂は、トランスデューサの音響インピーダンスを低下させて、トランスデューサと検査されている部品、特に複合材およびポリマー等の非金属試験材料との間により効率的な音響結合をもたらす。
【0036】
一実施形態では、本システムは、機能層の露光されていないバインダ領域を選択的に除去することにより重合超音波トランスデューサ素子のアレイを得るように構成されたエッチングシステムを有している。エッチングシステムを、超音波槽で未硬化スラリーを除去する溶剤から構成してもよい。
【0037】
一実施形態では、本システムはまた、半完成の重合超音波トランスデューサのアレイを焼結する加熱アセンブリを備えている。典型的には、加熱アセンブリは、半完成の重合超音波トランスデューサ素子のアレイを、約1000℃から約1300℃の範囲内の温度で焼結するように構成されている。実際の動作温度は、処理される超音波トランスデューサ材料によって決まる。
【0038】
少なくとも1つの超音波トランスデューサ素子を作製するように構成されたシステムの例示的な実施形態では、システムは、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を基板の上に形成するように構成された機械的配置と、機能層の少なくとも1つの選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光し、それにより前記少なくとも1つの選択された領域を硬化させて少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を形成するように、系統的に移動するように構成された空間光変調器と、少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を焼結することにより、少なくとも1つの超音波トランスデューサ素子を得るように構成された加熱アセンブリとを有している。
【0039】
一実施形態では、本システムは、高分解能であり高周波数に対して動作可能な超音波トランスデューサ素子のアレイを製造するのに好適であり得る。本システムを利用して、方法実施形態で詳細に説明したように3次元構造体を製造することができる。
【0040】
本明細書で説明したシステムにより、超音波トランスデューサ素子の小型で高分解能なアレイを製造することが容易になる。この手法により、これらのプローブの製造コストが低下する結果となる可能性がある。超音波プローブの超音波トランスデューサ素子のこうしたアレイの利用は、動作周波数を同様に向上させることが期待される。
【0041】
以下の実施例は、PZT素子のアレイを作製する作製方法を説明している。この実施例は単に例示的なものであり、本発明の実施形態はこの実施例に限定されない。
【実施例】
【0042】
1,6ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA)、PZT 5H粉末(TRS Technologies、State College、PA、USA)、Irgacure819(Ciba Specialty Chemicals、New York、USAから入手可能)およびTriton X100(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO、USAから入手可能)を混合することにより、PZTスラリーを準備してもよい。このスラリーは、PZT 5H粉末の体積が40〜45%であってもよい。使用するPZT 5H粉末は、平均粒径が1〜5μmである。フォトポリマー(HDDA)においてPZT 5H粉末を、Triton X100によって分散させかつ懸濁させてもよい。スラリー内のTriton X100の濃度は、PZT 5H粉末の5〜10重量%であってもよい。Irgacure819を光開始剤として用いることにより、光で露光された時のHDDAのフリーラジカル重合を開始する。Irgacure819の濃度は、HDDAの5〜10重量%であってもよい。次に、厚さが約10μmから約40μmの範囲であるこのスラリーの層を、ドクターブレード技法を用いて基板の上に堆積させてもよい。これら層を、寸法が約7mm×10mmであるデジタルマスクに約5秒間露光してもよい。マスクは、柱状構造の断面を表していてもよい。柱は、直径が20μmから100μmであり、平均柱間間隔が約100μmであってもよい。このマスクを、4つの異なる位置まで移動させることにより、物理的寸法が約14mm×20mmである部品を作製してもよい。次に、20の層を重ねて堆積させてもよい。次いで、部品を、超音波槽内でイソプロピルアルコールで約5分間洗浄してもよい。これに続き、約400℃から約700℃の酸素内で熱脱結合を行ってもよい。最後に、部品を、約1100℃から約1250℃の温度範囲の鉛環境で約2〜3時間焼結させてもよい。
【0043】
本発明について限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明したが、本発明がこうした開示した実施形態に限定されないことは容易に理解されるべきである、逆に、本発明を、上述していないが、本発明の精神および範囲に対応するさまざまな変形形態、変更形態、代替形態または等価構成を組み込むように変更することができる。さらに、本発明のさまざまな実施形態について説明したが、本発明の態様は、説明した実施形態の一部のみを含んでもよいということが理解されるべきである。したがって、本発明は、上述した説明によって限定されるものとみなされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0044】
新規であると主張され、かつ米国の特許証によって保護されることが望まれるものは以下のとおりである。
【符号の説明】
【0045】
200 ワイピングブレード装置
202 スラリービード
203 ディスペンサ
204 基板
206 ブレード
207 機能層
302 ディスペンサ
304 ディスペンサ
306 ブレード
308 材料
310 材料
312 基板
400 システム
402 コンピュータ、デジタル制御モジュール
404 空間光変調器モジュール、空間光変調器
406 プログラム可能な光パターン
408 光パターン、重合超音波トランスデューサ領域
410 機能層
504 空間光変調器モジュール
506 プログラム可能な光ビーム
508 露光パターン
510 x方向
512 機能層
514 露光パターン
516 露光パターン
518 y方向
520 露光パターン
600 アレイ
602 超音波トランスデューサ素子
606 断面
608 超音波トランスデューサプローブ
700 アレイ
702 超音波トランスデューサ素子
704 超音波トランスデューサ素子
706 物理的寸法
708 物理的寸法
710 隣接する領域間の最小間隔
712 超音波トランスデューサプローブ
802 上部面
804 エポキシ樹脂
806 圧電セラミック柱
808 下部面
810 電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知用構造体を製造する方法であって、
(a)超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を形成するステップと、
(b)前記機能層の複数の選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光して、前記機能層の前記選択された領域を硬化させることにより、重合超音波トランスデューサ材料領域を形成するステップと、
(c)ステップ(a)および(b)を繰り返すステップと、
(d)前記機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより半完成部品を得るステップと、
(e)前記半完成部品を焼結することにより前記検知用構造体を得るステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサ材料が、圧電材料および導電材料を指すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサ材料が、チタン酸ジルコン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ニオブ酸リチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、酸化ビスマススカンジウムまたはそれらの組合せを含む強誘電性圧電材料を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
超音波トランスデューサ材料が、プラチナ、パラジウム、プラチナパラジウム合金またはそれらの組合せを含む導電材料を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記機能層が、同時堆積させかつ同時焼結することができる1つまたは複数の導電層および1つまたは複数の圧電層を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記機能層が、同時堆積させることができる1つまたは複数の整合圧電層を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
機能層を形成する前記ステップが、ワイピングブレード技法、ナイフブレード技法、ドクターブレード技法、スクリーン印刷、押出コーティング、スロットコーティング、ウォーターフォールコーティングまたはそれらの組合せを含む方法を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記機能層の複数の選択された超音波トランスデューサ材料領域をプログラム可能な光パターンで露光する前記ステップが、光の強度または方向を変調する空間光変調器モジュールを利用して所定光パターンを生成することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記空間光変調器モジュールが、DLP、LCD、固定物理マスクを通過する平行光ビームまたはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記プログラム可能な光パターンが、デジタル制御された光パターンを含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
複数の選択された超音波トランスデューサ材料領域を露光する前記ステップが、前記機能層の隣接する領域を露光するように前記空間光変調器モジュールを系統的に移動させることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
複数の選択された領域を露光する前記ステップが、超音波トランスデューサ材料重合領域の不規則な配置を得るように、不規則に隔置されている領域を露光することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
複数の選択された領域を露光する前記ステップが、超音波トランスデューサ材料重合領域の規則的な配置を得るように、規則的に隔置されている領域を露光することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
複数の選択された領域を露光する前記ステップが、相異なる、使用者が定義した形状を有する領域を露光し重合させることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記機能層の露光されていない領域を選択的に除去する前記ステップが、前記重合部品を超音波槽において溶剤で洗浄することにより除去することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記重合素子の前記アレイを脱結合し焼結する前記ステップが、前記重合素子のアレイを加熱することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
検知用構造体を製造する方法において、
(a)ワイピングブレード技法により、超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む機能層を基板の上に形成するステップと、
(b)デジタル制御されたプログラム可能な空間光変調器モジュールを利用して前記機能層の複数の選択された領域を露光するステップであって、前記機能層の隣接する領域を露光するように前記デジタル制御された空間光変調器モジュールを系統的に移動させ、それにより前記機能層の前記選択された領域を硬化させることによって重合超音波トランスデューサ材料領域を形成することを含む、ステップと、
(c)ステップ(a)および(b)を繰り返すステップと、
(d)前記機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより、重合超音波トランスデューサ素子のアレイを含む半完成部品を得るステップと、
(e)前記半完成部品を焼結することにより素子間隔が不規則な超音波トランスデューサ素子のアレイを得るステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記機能層が圧電材料を含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの圧電素子を作製するシステムにおいて、
基板上に機能層を形成するように構成された機械的配置であって、前記機能層が超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む、機械的配置と、
前記機能層の少なくとも1つの選択された領域をプログラム可能な光パターンで露光し、それにより前記少なくとも1つの選択された領域を硬化させることにより、少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を形成するように構成された空間光変調器と、
前記少なくとも1つの重合超音波トランスデューサ領域を焼結することによって、少なくとも1つの超音波トランスデューサ素子を得るように構成された加熱アセンブリと、
を具備するシステム。
【請求項20】
前記機能層が圧電材料を含むことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記機械的配置が、ワイピングブレード機構、ドクターブレード機構、ナイフブレード機構またはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項22】
前記機械的配置が、押出コーター、スロットコータ、ウォーターフォールコーターまたはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項23】
前記空間光変調器が、デジタル制御された光パターンを与えるように構成されることを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項24】
前記空間光変調器が、前記機能層の複数の選択された領域を露光しかつ硬化させるように構成されることを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項25】
前記空間光変調器が、DLP、LCD、物理マスクを通過する平行光またはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項26】
前記空間光変調器が、前記機能層の隣接する領域を露光するように空間光変調器モジュールを系統的に移動させるように構成されることを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項27】
前記機能層の露光されていない領域を選択的に除去することにより重合超音波トランスデューサ素子のアレイを得るように構成されたエッチングシステムを具備することを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項28】
前記加熱アセンブリが、前記重合超音波トランスデューサ素子のアレイを脱結合し焼結するように構成されることを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項29】
超音波トランスデューサ素子のアレイを作製するシステムにおいて、
基板上に機能層を形成するように構成された機械的配置であって、前記機能層が超音波トランスデューサ材料およびフォトポリマーを含む、機械的配置と、
前記機能層の複数の選択された領域の隣接する領域をデジタル制御されたプログラム可能な光パターンで系統的に露光し、それにより前記複数の選択された領域を硬化させることによって複数の重合機能領域を形成するように構成された空間光変調器と、
重合超音波トランスデューサ領域を焼結することにより、素子間隔が不規則な超音波トランスデューサ素子のアレイを得るように構成された加熱アセンブリと、
を具備するシステム。
【請求項30】
前記機能層が圧電材料を含むことを特徴とする請求項29記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−519186(P2011−519186A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545928(P2010−545928)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031813
【国際公開番号】WO2009/102544
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】