説明

超音波干渉縞を用いた形状解析方法及び装置

【課題】本発明は、超音波を用いて物体の表面や背面、あるいは、物体内部の空隙などの形状を表示させる方法を提供する。
【解決手段】本発明の形状解析方法では、超音波探触子から被検体に超音波を照射し、被検体からの反射波に基づいて音響画像を表示するとき、被検体の形状の等高線を表す超音波干渉縞を併せて表示する。そのため、被検体の形状を立体的に把握することができ、被検体形状の解析を的確に実施できる。この形状解析方法では、超音波が直接当たる被検体の表面だけでなく、被検体の背面形状や、被検体内部の空隙形状、異相間の界面形状などを非破壊で解析することができる。この方法では、参照波を形成すること無く、超音波干渉縞を得ているため、複雑な装置や複雑な調整手順を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して物体の表面や背面の形状、あるいは、物体内部の空隙などの形状を解析する方法と、その方法を実施する装置に関し、特に、これらの形状を立体的に把握できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
超音波は、物質によって散乱、反射、吸収等の変化を受けるため、物質に向けて発射した超音波の反射波を解析することにより、物質内部の空隙や異なる相の境界を知ることができる。超音波顕微鏡は、超音波を利用して被検体の非破壊検査を行う装置であり、被検体を水やアルコールなどの液体中に浸し、超音波探触子を走査して被検体の界面の画像を表示・撮影することができる。
【0003】
図13は、従来の超音波顕微鏡の構成を概略的に示している。超音波探触子10は、電気信号を超音波信号に変換し、また、その逆変換を行う超音波トランスデューサ11と、水20の中の被検体21に焦点を合わせて超音波を発射し、被検体21での反射波を受信する超音波音響レンズ12とで構成され、超音波顕微鏡は、この超音波探触子10に電気信号を供給する送信部31と、超音波探触子10から受信信号を受け取る受信部33と、送信部31から送られた送信信号を超音波探触子10に送り、超音波探触子10から送られた受信信号を受信部33に送る方向性結合部32と、受信信号の波形を表示するオシロスコープ34と、受信信号のピーク値を検出するピーク検出部35と、このピーク値をデジタル信号に変換するA/D変換部36と、入力データから音響画像データを生成し、また、超音波探触子10の走査位置を指定するコンピュータ40と、音響画像を表示するディスプレー41と、超音波探触子10を走査する走査部38と、コンピュータ40の指示に従って走査部38の走査を制御する制御部39とを備えている。
【0004】
送信部31からは、一般的に100MHz〜数GHzの送信信号がパルス状に出力され、超音波探触子10は、送信信号を超音波信号に変換して被検体21に向けて発射する。超音波は、水中20を通過して被検体21に達し、図14に示すように、音響インピーダンス(材料自身の密度とその中を伝播する超音波の音速との積)に差がある箇所で反射する。超音波探触子10は、この反射波が入射すると、それを電気信号に変換して受信部33に出力する。
図15は、オシロスコープ34に表示された受信信号を例示している。
この受信信号のピーク値がピーク検出部35で検出され、A/D変換部36でデジタル信号に変換されてコンピュータ40に取り込まれる。コンピュータ40は、観察したい界面からの反射波の振幅値を選択し、その値を超音波探触子10の走査位置に対応付けてマッピングし、ディスプレー41に音響画像を表示する。
【0005】
また、物質の解析に超音波を利用する装置としては、下記特許文献1に記載された超音波干渉計が知られている。
この装置は、超音波の干渉を利用して薄膜材料の厚さを測定するものであり、図16に示すように、超音波放射源108から放射された超音波の一部を反射し、残部を透過する分割器116と、分割器116で反射された超音波を分割器116の側に戻すように反射する反射器118と、分割器116を透過した超音波が入射する位置に薄膜サンプル134を配置した基板132と、反射器118で反射された超音波と薄膜サンプル134の界面で反射された超音波との干渉で生じる干渉縞を検出する検出器120とを備えている。
薄膜サンプル134と基板132との間には、非常に狭いガス隙間が設けられており、超音波放射源108から放射されて分割器116を透過した超音波は、薄膜サンプル134の表面で一部が反射され、残部が薄膜サンプル134中を伝播し、薄膜サンプル134とガス隙間との界面で全反射される。これらの薄膜サンプル134での反射波は、最終的に分割器116で反射されて検出器120に導かれる。
【0006】
また、超音波放射源108から放射されて分割器116で反射された超音波は、反射器118で反射された後、分割器116を透過して検出器120に入力する。
薄膜サンプル134の厚さは、薄膜サンプル134の表面で反射した超音波と反射器118で反射した超音波とが所望の干渉縞を発生するように反射器118の位置を調節し、次に、薄膜サンプル134の背面で反射した超音波と反射器118で反射した超音波とが所望の干渉縞を発生するまで反射器118の位置を調節し、この調節の間に検出器120の視野を横切る干渉縞の数を計数することにより決定される。
【特許文献1】特開平7−4945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、超音波の干渉を利用する前記特許文献1に記載されている装置では、通常の光干渉と同様に、超音波を2方向に分離して参照波を形成し、この参照波と物体からの透過・反射波との干渉を生じさせているため、その構成が複雑であり、また、計測時の調整に手間が掛かるという問題点がある。
【0008】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、参照波を用いずに生成した超音波の干渉縞を利用して、物体の表面や背面、あるいは、物体内部の空隙などの形状を解析する方法を提供し、また、その方法を実施する装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明の形状解析方法では、超音波探触子から被検体に超音波を照射し、被検体からの反射波に基づいて音響画像を表示するとき、被検体の形状の等高線を表す超音波干渉縞を併せて表示するようにしている。
そのため、被検体の形状を立体的に把握することができ、被検体形状の解析を的確に実施できる。
【0010】
また、本発明の形状解析方法では、この超音波干渉縞により、被検体の背面形状の等高線や、被検体の内部に存在する空隙の表面形状の等高線、あるいは、被検体の内部に存在する異なる相の間の界面形状における等高線を表示する。
また、本発明の形状解析方法では、被検体を傾けたときの超音波干渉縞の縞間隔の変化から、形状における高低の方向性を識別する。
【0011】
また、本発明では、被検体に超音波を照射し、被検体からの反射波を受信する超音波探触子と、超音波探触子が受信した反射波の信号に基づいて、被検体の形状の等高線を表す超音波干渉縞が含まれた音響画像を表示する表示手段と、被検体を傾ける傾斜手段とを形状解析装置に設けている。
この装置では、被検体の音響画像に被検体形状の等高線を表示し、さらに、被検体を傾斜手段で傾けて等高線間隔の変化を見ることにより、被検体の形状を的確に解析することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の形状解析方法では、被検体の形状の解析に超音波干渉縞を利用しているが、参照波を形成すること無く、超音波干渉縞を得ているため、複雑な装置や複雑な調整手順を必要とせず、容易に実施できる。
また、本発明の形状解析方法では、超音波が直接当たる被検体の表面だけでなく、被検体の背面形状や、被検体内部の空隙形状、異相間の界面形状などを非破壊で解析することができる。
また、本発明の装置は、こうした形状解析方法を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態における形状解析方法では、物体の表面形状、背面形状、物体内部に存在する空隙の表面形状、異種材料の境界の形状などの音響画像に、超音波の干渉縞で表される等高線を加えて表示し、また、この等高線を数えて物体の形状などを計測する。
超音波顕微鏡を用いて材料内部の組織を低倍で観察する際に縞状のノイズがよく観察される。本発明では、この縞に着目し、この縞が超音波の干渉縞であり、物体の形状の等高線を示していることを検証した。従って、物体形状を表す音響画像に、この超音波干渉縞を描くことにより、物体形状の立体的な表示が可能になり、また、干渉縞を計数して物体形状を定量的に求めることができる。
【0014】
図1は、この方法に用いた装置の構成を示している。この装置は、超音波顕微鏡の被検体21を水中20で僅かに傾ける傾斜手段22を備えている。その他の構成は従来の超音波顕微鏡(図13)と変わりがない。
図2は、図1の超音波顕微鏡で被検体21の音響画像を撮影したときの被検体21と超音波探触子10との関係を模式的に示している。
被検体21には、表面の平行度2.9〜3.8nm/m、表面粗さRa=1.57nmのオプティカルフラットな表面を有するガラス円板(直径:105.35mm,厚さ:18.5mm)を用いた。また、音響画像の撮影に際して、周波数50MHzの超音波探触子10(水中集束距離:12mm)を用い、被検体21の9.9 mm×9.9 mm、ないしは30mm×30mmの範囲を走査して撮影した。
また、超音波探触子12の超音波の集束位置を被検体21の表面位置よりも深く設定している。なお、この集束位置は、超音波探触子12を被検体21に近づけたり遠ざけたりして調整している。この集束位置を被検体21の表面位置に設定した場合は、音響画像に縞模様が表れない。
【0015】
図3は、この装置で被検体21の音響画像を撮影したときに現れる縞模様が被検体21の等高線であることを検証するために、凹凸の無い被検体21を傾斜手段22で傾斜させて被検体21の表面に高低差を生じさせ、その表面を撮影したときの音響画像を示している。
図3(a)は、傾斜手段22の高さが0(被検体20の傾き0°)の場合の音響画像であり、図3(b)は、傾斜手段22の高さが0.75mm(被検体20の傾き0.4°)の場合、また、図3(c)は、傾斜手段22の高さが1.50mm(被検体20の傾き0.8°)の場合の音響画像である。
図3(b)及び(c)の音響画像に現れた1縞間隔当たりの被検体21の高低差は共に13.8μmである。これは水中を伝播する超音波の波長(29.6μm)のほぼ半分に相当している。この縞の本数は、超音波の集束位置及び被検体21の観察位置を変えても一定であり(縞のコントラストには違いが生じる)、縞間隔は超音波の集束位置及び観察位置に影響されない。ただし、前述するように、超音波を被検体21の表面に集束させ、被検体21の表面位置の音響画像を撮影した場合には縞が現れない。
【0016】
また、図4は、傾斜手段22の高さを0.75mm(被検体20の傾き0.4°)に固定し、超音波の周波数を20MHz及び50MHzのそれぞれに設定したときの音響画像に表れる縞模様を示している。周波数が50MHzから20MHzに減少すると、縞間隔は2.25倍に拡大する。この結果から、縞間隔は超音波の周波数の逆数、すなわち波長に比例して増加することが分かる。
【0017】
次に、凹凸を形成した被検体21の音響画像に、その凹凸の等高線を示す縞模様が現れることを検証する。
ここでは、被検体21に純アルミニウム角柱を用い、この被検体21に凹凸を形成するため、図5(a)に示す3点曲げ試験装置を使用した。純アルミニウム角柱には、図5(b)に示すように、半径が2.5mm、3.5mm及び5mmの切り欠きを予め形成する。次いで、この角柱を図5(a)の3点曲げ試験装置に装着し、角柱の切り欠き側の両端を支えた状態で、切り欠きの背後から力を加え、被検体21を変形する。この処理で角柱の切り欠きの底部に凹凸が発生する。
被検体21に発生した凹凸は、モアレ法を用いて確認している。モアレ法では、図6に示すように、測定物の直前に置いた回折格子を点光源で照明する。そうすると、測定物上に回折格子の影ができ、この影と回折格子との間でモアレ縞が生成される。このモアレ縞を観察位置のカメラで観察すると、測定物表面の凹凸形状に対応した等高線状の縞模様が得られる。
【0018】
図7(a)は、半径が2.5mm、3.5mm及び5mmの切り欠きを持つ各被検体21の切り欠き近傍(図5(b)の四角で囲んだ範囲)をモアレ法により撮影した画像である。ここでは、白色ダイオードを光源とし、回折格子に格子間隔20lp/mmのロンキー・ルーリングを用い、光源と観察点(カメラ)とを135mm離し、回折格子の表面から135mmの高さにカメラを設置してモアレ縞を観察している。各被検体21の切り欠きの底部には、被検体21の凹凸を示すモアレ縞が現れている。このモアレ縞間隔は高低差50μmに相当している。
一方、図7(b)は、各被検体21の同一範囲を図1の超音波顕微鏡で撮影した音響画像であり、この音響画像と図7(a)のモアレ画像とを比較すると、モアレ縞の分布する位置に、音響画像では縞模様が現れていることが分かる。
このように、音響画像中に生じる縞は、被検体21の等高線を示しており、1つの縞間隔当たりの高低差は一定している。
【0019】
この縞模様が音響画像中に生じる理由については、今のところ明確ではないが、次のように推測できる。
超音波探触子10には、超音波を発信したときの振動が減衰した状態で残存しており(図15の左側の微小信号部分)、そこに被検体21からの反射波による振動が重なることになる。被検体21に高低差が存在する場合は、反射波の発生するタイミングが、反射位置の被検体21の高さによって異なる。従って、超音波探触子10には、発生タイミングが連続的に変化した反射波が到達することになる。そのため、この反射波と超音波発振信号の残存振動とが干渉し、被検体21の等高線を示す縞模様が現れると見られる。
【0020】
また、この形状解析方法では、超音波を被検体21の背面近くに集束させて、被検体21の背面形状の凹凸を等高線で表示することができる。
図8は、この場合の被検体21と超音波探触子10との関係を模式的に示している。被検体21には、厚さ2mmの純銅板から幅約20mm、長さ約100mmの長方形試片を切り出し、その一端に、端面でほぼ0.5mm薄くなるように、わずかな傾斜を与えたものを用いている。超音波探触子10からは、この被検体21の傾斜を施していない側の平坦な表面に50MHzの超音波を照射している。
【0021】
図9には、この状態で超音波探触子10の超音波集束位置を種々に変えて撮影した音響画像及び同一位置で撮影したモアレ縞画像を示している。図9(a)は、被検体21の平坦な表面から0.5mmの深さに超音波集束位置を設定したときの音響画像であり、図9(b)は同表面から1.0mmの深さに、また、図9(c)は同表面から2.0mmの深さに超音波集束位置を設定したときの音響画像である。一方、図9(d)は、この銅板を裏返し、傾斜を施した面を上に向けてモアレ法で撮影した画像を左右反転して示している。音響画像には、モアレ縞に一致する縞模様が現れており、被検体21の背面形状の等高線が表示されている。
【0022】
また、図10は、同一の長方形試片の中央部に0.5mm程度の深さの窪みを形成したものを被検体21とし、超音波探触子10から被検体21の平坦な表面に50MHzの超音波を照射して音響画像を撮影した場合を示している。図11(a)は、被検体21の平坦な表面から0.5mmの深さに超音波集束位置を設定したときの音響画像であり、図11(b)は同表面から1.0mmの深さに、また、図11(c)は同表面から2.0mmの深さに超音波集束位置を設定したときの音響画像である。一方、図11(d)は、この銅板を裏返し、窪みを形成した面を上に向けてモアレ法で撮影した画像を左右反転して示している。音響画像には、モアレ縞に一致する縞模様が現れており、被検体21の背面形状の等高線が表示されている。
【0023】
ただ、図9及び図11の音響画像では、被検体21の背面に高低差が存在することは分かるが、どちらが高くて、どちらが低いのかは分からない。それを知るためには、図1の装置の傾斜手段22を操作して、被検体21を僅かに傾斜させ、そのときの縞の間隔の変化を観察する。
図12に示すように、(a−1)及び(b−1)の状態の被検体の音響画像には、斜面部分の縞模様が同じように現れるが、傾斜手段22により、(a−1)の被検体を(a−2)の状態に傾斜させると、斜面部分の高低差が減少し、縞間隔は広がる。一方、(b−1)の被検体を(b−2)の状態に傾斜させると、斜面部分の高低差が増加し、縞間隔は狭くなる。従って、被検体を傾斜手段22で傾斜させたときの縞間隔の変化を観察することにより、被検体における凹凸の状態を知ることができる。
【0024】
ここでは、被検体の表面及び背面形状の等高線を表示する場合について説明したが、同様に、被検体内部に存在する空隙や亀裂の形状を等高線で表示したり、異種材料間の界面の形状を等高線で表示したりすることもできる。
また、ここでは、被検体を水中に浸して、その音響画像を撮影する場合について説明したが、本発明は、超音波探触子と被検体との間を、滴下した水などで満たして音響画像を撮影する方式や、超音波探触子と被検体との間に水袋を介在させる方式など、超音波探触子から超音波を発して音響画像を生成するすべての方式に対して適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の形状解析方法及び装置は、超音波を利用して、素材や部品、あるいは、輸送機や化学プラントなどの大型装置を解析・評価する機器、また、生体内部を検査する機器など、超音波が使用されている各分野の機器に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態における超音波顕微鏡の構成を示す図
【図2】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で傾斜ガラス板を撮影するときの状況を説明する図
【図3】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で傾斜ガラス板を撮影した音響画像を示す図
【図4】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で周波数を変えて傾斜ガラス板を撮影した音響画像を示す図
【図5】本発明の実施形態での被検体への凹凸形成方法を説明する図
【図6】本発明の実施形態において、比較に用いたモアレ法を説明する図
【図7】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で凹凸を形成した被検体を撮影した音響画像(b)と、比較用のモアレ画像(a)とを示す図
【図8】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で被検体の斜面を設けた背面形状を表面から撮影するときの状況を説明する図
【図9】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で背面に斜面を持つ被検体を表面から撮影した音響画像及び比較用のモアレ画像を示す図
【図10】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で被検体の窪みを設けた背面形状を表面から撮影するときの状況を説明する図
【図11】本発明の実施形態における超音波顕微鏡で背面に窪みを持つ被検体を表面から撮影した音響画像及び比較用のモアレ画像を示す図
【図12】本発明の実施形態における形状解析方法で被検体の凹凸方向を識別する方法を説明する図
【図13】従来の超音波顕微鏡の構成を示す図
【図14】被検体での超音波の反射を説明する図
【図15】オシログラフで表示した超音波顕微鏡の受信信号を示す図
【図16】従来の超音波干渉計の構成を示す図
【符号の説明】
【0027】
10 超音波探触子
11 超音波トランスデューサ
12 超音波音響レンズ
20 水
21 被検体
22 傾斜手段
31 送信部
32 方向性結合部
33 受信部
34 オシロスコープ
35 ピーク検出部
36 A/D変換部
38 走査部
39 制御部
40 コンピュータ
41 ディスプレー
108 超音波放射源
116 分割器
118 反射器
120 検出器
132 基板
134 薄膜サンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子から被検体に超音波を照射し、前記被検体からの反射波に基づいて音響画像を表示するとき、前記被検体の形状の等高線を表す超音波干渉縞を併せて表示することを特徴とする形状解析方法。
【請求項2】
前記超音波干渉縞により、前記被検体の背面形状の等高線を表示することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項3】
前記超音波干渉縞により、前記被検体の内部に存在する空隙の表面形状の等高線を表示することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項4】
前記超音波干渉縞により、前記被検体の内部に存在する異相間の界面形状の等高線を表示することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項5】
前記被検体を傾けたときの前記超音波干渉縞の縞間隔の変化から、前記形状の方向性を識別することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項6】
被検体に超音波を照射し、前記被検体からの反射波を受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子が受信した反射波の信号に基づいて、前記被検体の形状の等高線を表す超音波干渉縞が含まれた音響画像を表示する表示手段と、
前記被検体を傾ける傾斜手段と
を備えることを特徴とする超音波を用いた形状解析装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を用いて被検体の形状を解析する形状解析方法であって、
超音波探触子の超音波の集束位置を被検体の観察面からずれた位置に設定して、前記超音波探触子から前記被検体に超音波を照射し、前記被検体からの反射波を受信した前記超音波探触子の受信信号に基づいて、前記観察面の形状の等高線を表す超音波干渉縞が現れた音響画像を表示し、前記超音波干渉縞の数または間隔から前記観察面の形状を解析することを特徴とする形状解析方法。
【請求項2】
前記音響画像として、前記被検体の背面形状の等高線を表す前記超音波干渉縞が現れた音響画像を表示し、前記背面形状を解析することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項3】
前記音響画像として、前記被検体の内部に存在する空隙の表面形状の等高線を表す前記超音波干渉縞が現れた音響画像を表示し、前記空隙の表面形状を解析することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項4】
前記音響画像として、前記被検体の内部に存在する異相間の界面形状の等高線を表す前記超音波干渉縞が現れた音響画像を表示し、前記異相間の界面形状を解析することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項5】
前記被検体を傾け、そのときの前記超音波干渉縞の間隔の変化から、前記形状の方向性を識別することを特徴とする請求項1に記載の形状解析方法。
【請求項6】
被検体に超音波を照射し、前記被検体からの反射波を受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子の超音波の集束位置を前記被検体の観察面からずれた位置に調整する調整手段と、
前記超音波探触子が受信した反射波の信号に基づいて、前記観察面の形状の等高線を表す超音波干渉縞が現れた音響画像を表示する表示手段と、
前記被検体を傾ける傾斜手段と
を備えることを特徴とする超音波を用いた形状解析装置。

【図1】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−29991(P2006−29991A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209468(P2004−209468)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【Fターム(参考)】