説明

超音波診断装置及び画像処理プログラム

【課題】超音波を用いたドラッグデリバリシステムにおいて、放出した薬剤の分布を定量的に把握させること。
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、指標画像生成部17及び制御部19を備える。指標画像生成部17は、微小担体が注入された被検体の所定部位に対して、微小担体を崩壊可能な所定音圧を有する超音波を照射する前及び当該所定音圧を有する超音波を照射した後に生成された超音波画像データである第1データ及び第2データの比較に基づいて指標値を算出し、算出した指標値に基づいて指標画像を生成する。制御部19は、指標画像をモニタ2に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラッグデリバリシステム(DDS:Drug Delivery System)の開発が進められている。ドラッグデリバリシステムは、薬物治療において、副作用を抑え治療効果を向上させることを目的とする技術である。具体的には、ドラッグデリバリシステムは、薬剤が標的部位(例えば、抗がん剤が腫瘍部位)に選択的に取り込まれるように、薬剤分布を空間的及び時間的にコントロールする技術である。
【0003】
また、近年、ドラッグデリバリシステムでは、超音波を用いた技術が開発されている。超音波を用いたドラッグデリバリシステムでは、薬剤を内包したマイクロカプセルが被検体に注入され、かかるマイクロカプセルに対して強力な超音波が照射される。これにより、マイクロカプセルが崩壊し、薬剤が患部に放出される。
【0004】
また、通常の音圧で超音波画像を撮影しながら、高音圧の超音波を照射することができる超音波診断装置も知られている。しかしながら、実際に薬剤を放出させた空間及び時間をユーザが定量的に把握することが困難であり、このため、超音波を用いたドラッグデリバリシステムでは、薬剤投与を正確にコントロールすることが難しい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−189521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、超音波を用いたドラッグデリバリシステムにおいて、放出した薬剤の分布を定量的に把握させることができる超音波診断装置及び画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の超音波診断装置は、指標画像生成部と、制御部とを備える。指標画像生成部は、微小担体が注入された被検体の所定部位に対して、前記微小担体を崩壊可能な所定音圧を有する超音波を照射する前及び当該所定音圧を有する超音波を照射した後に生成された超音波画像データである第1データ及び第2データの比較に基づいて指標値を算出し、算出した指標値に基づいて指標画像を生成する。制御部は、前記指標画像を所定の表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を説明するための図である。
【図2】図2は、超音波を用いたドラッグデリバリシステムを説明するための図である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置が行なうスキャン制御の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る指標画像生成部の構成例を説明するための図である。
【図5】図5は、指標画像生成部の処理を説明するための図(1)である。
【図6】図6は、指標画像生成部の処理を説明するための図(2)である。
【図7】図7は、指標画像生成部の処理を説明するための図(3)である。
【図8】図8は、第1の実施形態における指標画像の表示形態を説明するための図(1)である。
【図9】図9は、第1の実施形態における指標画像の表示形態を説明するための図(2)である。
【図10】図10は、第1の実施形態における指標画像の表示形態を説明するための図(3)である。
【図11】図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置を説明するための図(1)である。
【図13】図13は、第2の実施形態に係る超音波診断装置を説明するための図(2)である。
【0009】
以下、添付図面を参照して、超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、取得装置4と、装置本体10とを有する。また、装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置5と接続される。
【0011】
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
【0012】
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0013】
なお、第1の実施形態は、超音波プローブ1が、超音波により被検体Pを2次元で走査する超音波プローブである場合であっても、被検体Pを3次元で走査する超音波プローブである場合であっても適用可能である。被検体Pを3次元で走査する超音波プローブ1としては、被検体Pを2次元で走査する複数の超音波振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被検体Pを3次元で走査するメカニカルスキャンプローブがある。また、被検体Pを3次元で走査する超音波プローブ1としては、複数の超音波振動子がマトリックス状に配置されることで、被検体Pを3次元で超音波走査することが可能な2次元超音波プローブである。なお、2次元超音波プローブは、超音波を集束して送信することで、被検体Pを2次元で走査することも可能である。
【0014】
また、本実施形態に係る超音波プローブ1は、超音波の音圧を、通常の超音波画像撮影モードの通常音圧からドラッグデリバリシステム(DDS:Drug Delivery System)モードの高音圧に切り替えることが可能である。例えば、本実施形態に係る超音波プローブ1は、通常音圧としてMI(Mechanical Index)値が「0.02」の超音波を被検体Pに送信し、DDS用の高音圧を有する超音波としてMI値が「1.0」の超音波を被検体Pの治療対象部位に照射することができる。なお、高音圧照射によるDDSについては、後に詳述する。
【0015】
入力装置3は、後述するインターフェース部20を介して装置本体10と接続される。入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
【0016】
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像等を表示したりする。
【0017】
取得装置4は、超音波プローブ1の位置情報を取得する。具体的には、取得装置4は、超音波画像の撮影時における超音波プローブ1の3次元位置情報や、上述したDDS用の高音圧を有する超音波照射時における超音波プローブ1の3次元位置情報を取得する装置である。
【0018】
例えば、取得装置4は、図1に示すように、超音波プローブ1に取り付けられたセンサ群41と、トランスミッター42と、信号処理部43とを有する。センサ群41は、位置センサであり、例えば、磁気センサである。トランスミッター42は、任意の位置に配置され、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する。
【0019】
センサ群41は、トランスミッター42によって形成された3次元の磁場を検出して、検出した磁場の情報を信号に変換して、信号処理部43に出力する。信号処理部43は、センサ群41から受信した信号に基づいて、トランスミッター42を原点とする空間におけるセンサ群41の位置(座標)を算出し、算出した位置を後述する制御部19に出力する。被検体Pの撮影は、超音波プローブ1に装着されたセンサ群41が、トランスミッター42の磁場を正確に検出することが可能な磁場エリア内で行われる。なお、第1の実施形態のセンサ群41については、後に詳述する。
【0020】
外部装置5は、後述するインターフェース部20を介して装置本体10と接続される装置である。例えば、外部装置5は、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースなどである。或いは、外部装置5は、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置など、本実施形態に係る超音波診断装置以外の各種医用画像診断装置である。
【0021】
すなわち、本実施形態に係る装置本体10は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に則った画像フォーマットに統一された各種医用画像を、インターフェース部20を介して外部装置5から取得することができる。具体的には、本実施形態に係る装置本体10は、インターフェース部20を介して、被検体Pの各種医用画像を外部装置5から取得することができる。
【0022】
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、内部記憶部16と、指標画像生成部17と、位置合わせ部18と、制御部19と、インターフェース部20とを有する。
【0023】
送受信部11は、トリガ発生回路、送信遅延回路及びパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
【0024】
なお、送受信部11は、後述する制御部19の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0025】
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
【0026】
このように、送受信部11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
【0027】
ここで、超音波プローブ1が3次元走査可能である場合、送受信部11は、超音波プローブ1から被検体Pに対して3次元の超音波ビームを送信させ、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成することも可能である。
【0028】
更に、本実施形態に係る送受信部11は、DDS用の高音圧を有する超音波を超音波プローブ1から送信させることが可能である。
【0029】
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0030】
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
【0031】
なお、第1の実施形態に係るBモード処理部12及びドプラ処理部13は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理部12は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成することも可能である。また、ドプラ処理部13は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成することも可能である。
【0032】
画像生成部14は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像データを生成する。
【0033】
ここで、画像生成部14は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビなどに代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部14は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じて座標変換処理や、信号値に応じて色調を変化させるRGB変換処理を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成部14は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0034】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成部14が生成するデータは、表示用の超音波画像データである。なお、以下では、Bモードデータ及びドプラデータのことを生データ(Raw Data)と記載する場合がある。
【0035】
また、画像生成部14は、3次元の超音波画像データを生成することも可能である。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換処理やRGB変換処理を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換処理やRGB変換処理を行なうことで、3次元のカラードプラ画像データを生成することも可能である。
【0036】
また、画像生成部14は、ボリュームデータに対して、各種レンダリング処理を行なうことも可能である。具体的には、画像生成部14は、3次元の超音波画像データをレンダリング処理することで、表示用の2次元超音波画像データを生成することが可能である。更に、画像生成部14は、自装置以外の医用画像診断装置が生成した3次元の医用画像データをレンダリング処理することで、表示用の2次元医用画像データを生成することが可能である。
【0037】
画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)を行なってMPR画像を再構成する処理がある。また、画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、3次元の情報を反映した2次元画像を生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理がある。
【0038】
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した超音波画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成した生データ(Raw Data)を記憶することも可能である。
【0039】
内部記憶部16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見など)や、診断プロトコルや各種ボディーマークなどの各種データを記憶する。また、内部記憶部16は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像データの保管などにも使用される。
【0040】
また、内部記憶部16は、外部装置5から転送された各種医用画像の保管にも使用される。具体的には、内部記憶部16は、外部装置5から転送された被検体Pのボリュームデータ(3次元医用画像データ)を記憶する。
【0041】
例えば、内部記憶部16は、3次元のX線CT画像(以下、X線CTボリュームデータと記載する)や、3次元のMRI画像(以下、MRIボリュームデータと記載する)、他の超音波診断装置にて生成された超音波ボリュームデータ等を記憶する。また、内部記憶部16が記憶するデータは、後述するインターフェース部20を経由して、外部の周辺装置(外部装置5)へ転送することができる。なお、本実施形態は、操作者が所望する画像データ(ボリュームデータ)がフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどの記憶媒体を介して、内部記憶部16に格納される場合であっても適用可能である。また、本実施形態は、操作者が所望する画像データ(ボリュームデータ)を記憶する記憶装置が、内部記憶部16以外に設置される場合であっても適用可能である。
【0042】
また、内部記憶部16は、取得装置4が、センサ群41の位置情報を被検体Pの体表に対する超音波プローブ1の3次元位置情報として取得するためのオフセット情報を記憶する。なお、オフセット情報については、後に詳述する。
【0043】
指標画像生成部17は、超音波を用いたDDSによる治療が行われる際に、Bモード処理部12が生成したBモードデータや、画像生成部14が生成したBモード画像データを用いて画像処理を行なう処理部である。また、位置合わせ部18は、異なる医用画像データ間で、位置合わせ処理(Registration)を行なう処理部である。なお、指標画像生成部17及び位置合わせ部18については、後に詳述する。
【0044】
制御部19は、情報処理装置としての機能を実現する制御プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)であり、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部19は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13、画像生成部14、指標画像生成部17及び位置合わせ部18の処理を制御する。また、制御部19は、画像メモリ15が記憶する超音波画像データや、内部記憶部16が記憶する各種画像データ、又は、指標画像生成部17及び位置合わせ部18による処理を行なうためのGUI、指標画像生成部17及び位置合わせ部18の処理結果などをモニタ2にて表示するように制御する。また、制御部19は、操作者から入力装置3を介して受け付けたボリュームデータが外部装置5からネットワーク100及びインターフェース部20を介して内部記憶部16に転送されるように、制御する。
【0045】
インターフェース部20は、入力装置3、ネットワーク100及び外部装置5に対するインターフェースである。入力装置3が受け付けた操作者からの各種設定情報及び各種指示は、インターフェース部20により、制御部19に転送される。また、入力装置3が操作者から受け付けた画像データの転送要求は、インターフェース部20により、ネットワーク100を介して外部装置5に通知される。また、外部装置5が転送した画像データは、インターフェース部20により、内部記憶部16に格納される。
【0046】
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成において、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、通常音圧の超音波により超音波画像を撮影しながら、超音波を用いたドラッグデリバリシステムによる薬物治療を行なうための高音圧超音波を照射する。
【0047】
すなわち、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、Bモード画像撮影用の通常音圧の超音波(例えば、MI値が「0.02」の超音波)を、被検体Pの所定部位(例えば、腫瘍部位)を含む領域に送信することでBモードスキャンを行なう。そして、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、DDS用の高音圧を有する超音波(例えば、MI値が「1.0」の超音波)を、被検体Pの所定部位に照射する。図2は、超音波を用いたドラッグデリバリシステムを説明するための図である。
【0048】
図2の(A)に示すように、超音波を用いたDDSでは、例えば、抗がん剤等の薬剤等の所定物質を内包するマイクロカプセルが被検体Pに注入される。例えば、図2の(A)に示すマイクロカプセルは、被検体Pに静脈注入される。マイクロカプセルは、血流により、例えば、肝臓の腫瘍部位に到達する。すなわち、マイクロカプセルは、治療用の物質を治療対象部位に運ぶための微小な担体(キャリア)である。
【0049】
操作者は、マイクロカプセルの注入後、図2の(B)の左図に示すように、マイクロカプセルを崩壊可能な所定音圧を有する高音圧の超音波を超音波プローブ1から照射させる。これにより、マイクロカプセルは、図2の(B)の右図に示すように、崩壊し、カプセル内の薬剤が放出される。
【0050】
しかし、操作者は、Bモード画像を参照しながら高音圧照射を行なう際に、実際に薬剤を放出させた空間及び時間を定量的に把握することが困難である。このため、超音波を用いたドラッグデリバリシステムでは、薬剤投与を正確にコントロールすることが難しい場合があった。
【0051】
そこで、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、以下の処理を行なう。図1に示す指標画像生成部17は、マイクロカプセルが注入された被検体Pの所定部位に対して、マイクロカプセルを崩壊可能な所定音圧を有する超音波を照射する前及び当該所定音圧を有する超音波を照射した後に生成された超音波画像データである第1データ及び第2データの比較に基づいて指標値を算出し、算出した指標値に基づいて指標画像を生成する。具体的には、指標画像生成部17は、第1データ及び第2データの間で輝度値の差分値を算出する。そして、指標画像生成部17は、算出した差分値に応じて色調を変更したデータから指標画像(差分画像)を生成する。そして、制御部19は、指標画像(差分画像)をモニタ2に表示させる。
【0052】
マイクロカプセルの反射強度は、生体組織の反射強度と比較して高い。このため、通常音圧の超音波送信時に生成されたBモードデータ(又は、Bモード画像データ)において、マイクロカプセルが崩壊した領域のBモードデータ(又は、Bモード画像データ)の輝度値は低下することとなる。従って、マイクロカプセルが所定部位に到達した時点で生成されたBモードデータ(又は、Bモード画像データ)である第1データの輝度値と、所定部位への高音圧照射によりマイクロカプセルが崩壊した後に生成されたBモードデータ(又は、Bモード画像データ)の輝度値である第2データとの差分を用いることで生成される指標画像(差分画像)は、薬剤が放出された実際に薬剤が放出された空間的及び時間的な分布を示す分布画像となる。
【0053】
かかる指標画像(差分画像、分布画像)を生成表示することで、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波を用いたドラッグデリバリシステムにおいて、放出した薬剤の分布を定量的に把握させることを可能とする。以下、図3〜図10等を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置が行なう処理の具体例について詳細に説明する。
【0054】
図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置が行なうスキャン制御の一例を説明するための図である。まず、第1の実施形態では、図3の(A)に示すように、通常のBモードスキャンにより、被検体PのBモード画像の撮影が行なわれる。Bモードスキャンにより生成されたBモード画像データは、制御部19の制御により、モニタ2に表示される。操作者は、図3の(A)に示すように、モニタ2に表示されたBモード画像を参照して、高音圧照射を行なう所定部位である関心領域(ROI:Region Of Interest)を、例えば、入力装置3のマウスなどを用いて指定する。
【0055】
ROIの指定の後、図2の(A)に例示したマイクロカプセルが、例えば、インジェクション装置により被検体Pに静脈注入される。この際、Bモードスキャンは継続して実行されており、制御部19は、時系列に沿って順次生成されるBモードデータ(又は、Bモード画像データ)のROIの輝度値(例えば、平均輝度値)を算出する。そして、制御部19は、図3の(B)に示すように、ROI内の輝度値(平均輝度値)が予め設定された閾値を越えたか否かを判定し、輝度値が閾値を越えた時点で、送受信部11に対して高音圧照射を行なうよう、送受信部11に指示を送出する。これにより、超音波プローブ1は、図3の(C)に示すように、ROIに対して高音圧照射を行なう。例えば、送受信部11は、制御部19の制御の下、操作者が設定したROIに対して高音圧照射が行なわれるように、超音波プローブ1の開口数や送信フォーカスを調整する。
【0056】
なお、本実施形態は、高音圧照射のタイミングが、Bモード画像を参照する操作者により決定される場合であっても適用可能である。
【0057】
そして、指標画像生成部17は、上述した指標画像である差分画像(薬剤の分布画像)を生成する。なお、以下では、指標画像生成部17が、Bモード処理部12が生成した高音圧照射前後のBモードデータを第1データ及び第2データとして処理を行なう場合について説明する。ただし、指標画像生成部17は、画像生成部14が生成した高音圧照射前後のBモード画像データを第1データ及び第2データとして処理を行なう場合でも適用可能である。
【0058】
図4は、第1の実施形態に係る指標画像生成部の構成例を説明するための図である。図4に示すように、第1の実施形態に係る指標画像生成部17は、高音圧照射前後のBモードデータを用いて指標画像(差分画像、分布画像)を出力するための処理部として、輝度差算出部17aと、乗算部17bと、加算部17cと、座標変換部17dと、カラーマップ変換部17eとを有する。また、第1の実施形態に係る指標画像生成部17は、これら処理部の処理に用いられるデータや、処理結果を格納するための記憶部として、係数データ17f及び累積データ17gを有する。図5〜図7は、指標画像生成部の処理を説明するための図である。
【0059】
まず、輝度差算出部17aは、高音圧を有する超音波の照射前後に生成されたBモードデータである第1データ及び第2データの間で輝度値の差分値を算出する。すなわち、輝度差算出部17aは、図5の(A)に示すように、照射前のBモードデータと照射後のBモードデータとにおいて、同一走査線上の同一点の輝度値を取得し、取得した2つの輝度値の差分値を算出する。例えば、輝度差算出部17aは、照射前の輝度値から照射後の輝度値を差し引いた値を算出する。かかる処理により、輝度差算出部17aは、Bモードスキャンが行なわれた領域すべての差分値を算出する。
【0060】
ここで、指標画像生成部17は、輝度差算出部17aが算出した差分値に応じて色調を変更したデータから差分画像を生成する場合であっても良いが、第1の実施形態では、係数データ17fに予め格納されているデータを用いて差分値の補正を行なう。すなわち、指標画像生成部17は、微小担体(マイクロカプセル)の特性に基づく係数と、指標値とに応じて定めた色調に基づいて指標画像(差分画像)を生成する。具体的には、指標画像生成部17は、所定物質を内包する微小担体(マイクロカプセル)の特性に基づく係数を差分値に乗算する。上述したように、マイクロカプセルの崩壊にともない、輝度値は低下する。かかる輝度値低下の傾向は、キャリアであるカプセルの素材や、放出される薬剤の種類により異なる。換言すると、薬物治療に用いられるマイクロカプセルごとに、輝度値変化の特性は異なる。
【0061】
そこで、本実施形態では、薬物治療に用いられるマイクロカプセルに応じた指標画像(差分画像)を生成するために、マイクロカプセルの崩壊時における輝度値の変化特性に応じて差分値を補正する。
【0062】
係数データ17fは、薬物治療に用いられるマイクロカプセルごとに、当該マイクロカプセルの崩壊時における輝度値の変化特性に基づく係数を記憶する。かかる係数は、例えば、実験的に求められた値により、操作者や超音波診断装置の製造者により予め係数データ17fに格納される。
【0063】
そして、図4に示す乗算部17bは、被検体Pに注入されたマイクロカプセルの係数(α)を係数データ17fから取得し、図5の(B)に示すように、輝度差算出部17aが算出した差分値に係数(α)を乗算した乗算値を算出する。かかる処理により、乗算部17bは、Bモードスキャンが行なわれた領域すべての差分値を算出する。
【0064】
ここで、指標画像生成部17は、乗算部17bが算出した差分値を用いて指標画像(差分画像)を生成する場合であっても良いが、第1の実施形態では、更に、図4に示す加算部17cの処理が行なわれる。通常、マイクロカプセルを用いた薬物治療では、同一の所定部位に対して高音圧を有する超音波が複数回照射される。かかる場合、超音波プローブ1が固定された状態で、例えば、図3に例示したスキャン制御により、Bモードスキャンと高音圧照射とが繰り返される。例えば、Bモードスキャンと高音圧照射とは、操作者が高音圧照射を終了する旨の指示を入力するまで繰り返される。或いは、Bモードスキャンと高音圧照射との繰り返し回数は、操作者により予め設定される。
【0065】
同一の所定部位に対して所定音圧を有する超音波を複数回照射する場合、指標画像生成部17は、第1データと、複数回分の第2データそれぞれとの比較に基づいて算出した指標値に係数を乗算し、当該乗算した値を加算した値に応じて定めた色調に基づいて指標画像を生成する。具体的には、指標画像生成部17は、第1データと、複数回分の第2データそれぞれとの輝度値の差分値に係数を乗算し、当該乗算した値を加算する。図4に示す加算部17cは、かかる加算処理を行なって、処理結果を累積データ17gに格納する。以下、図6を用いて加算部17cの処理について説明する。図6に示す一例では、高音圧照射が3回行なわれている。
【0066】
図6に示す一例では、輝度差算出部17aは、1回目、2回目及び3回目ぞれぞれの照射前後のBモードデータの差分値を順次算出する。そして、図6に示す一例では、乗算部17bは、1回目、2回目及び3回目ぞれぞれの照射前後のBモードデータの差分値に係数(α)を乗算した乗算値を順次算出する。
【0067】
ここで、図6を用いて改めて第1データ及び第2データを説明すると、1回目における第1データは、1回目の照射直前にBモードスキャンにより生成されたBモードデータである。また、1回目における第2データは、1回目の照射終了直後のBモードスキャンにより生成されたBモードデータである。
【0068】
或いは、高音圧照射時に、走査領域全体をBモードスキャンすると同時にROIに対する高音圧照射を行なう並列スキャン制御を行なうことで、1回目における第2データは、1回目の照射中にBモード処理部12が生成したBモードデータを用いても良い。かかる場合の第2データは、1回目の照射開始直後のBモードデータであっても良いし、1回目の照射終了直前のBモードデータであっても良い。
【0069】
また、2回目及び3回目における第1データそれぞれは、2回目及び3回目の照射直前にBモードスキャンにより生成されたBモードデータである。なお、2回目及び3回目における第1データそれぞれは、1回目の照射直前にBモードスキャンにより生成されたBモードデータが代用される場合であっても良い。
【0070】
また、2回目及び3回目における第2データそれぞれは、2回目及び3回目の照射終了直後のBモードスキャンにより生成されたBモードデータである。或いは、並列スキャン制御を行なうことで、2回目及び3回目における第2データそれぞれは、2回目及び3回目の照射中にBモード処理部12が生成したBモードデータを用いても良い。かかる場合の第2データは、照射開始直後のBモードデータであっても良いし、照射終了直前のBモードデータであっても良い。
【0071】
なお、上述した第1データ及び第2データの設定は、操作者や超音波診断装置の管理者により設定される。
【0072】
そして、図6に示すように、加算部17cは、乗算部17bが算出した1回目の乗算値については、そのまま累積データ17gに格納する。そして、加算部17cは、乗算部17bから2回目の乗算値を取得すると、図6に示すように、1回目の乗算値を累積データ17gから取得し、1回目の乗算値に2回目の乗算値を加算し、加算結果「乗算値(1回目)+乗算値(2回目)」を累積データ17gに格納する。同様に、加算部17cは、乗算部17bから3回目の乗算値を取得すると、図6に示すように、「乗算値(1回目)+乗算値(2回目)」を累積データ17gから取得し、取得したデータに3回目の乗算値を加算し、加算結果「乗算値(1回目)+乗算値(2回目)+乗算値(3回目)」を累積データ17gに格納する。かかる処理により、加算部17cは、Bモードスキャンが行なわれた領域すべての加算値を算出する。
【0073】
そして、図4に示す座標変換部17dは、加算部17cから累積データ17gが記憶する累積加算結果を取得し、取得したデータに対して座標変換を行なう。すなわち、座標変換部17dは、Bモードスキャンの各走査線上の多点における累積加算値に対してスキャン形状に応じたスキャンコンバートを行なう。
【0074】
そして、図4に示すカラーマップ変換部17eは、座標変換部17dの座標変換後の各点(各画素)の加算値に応じて色調を変更することで、指標画像である差分画像(分布画像)を生成する。例えば、カラーマップ変換部17eは、加算値に応じて、赤色の濃淡が割り当てられたLUT(Lookup Table)を参照して、図7に示すように、放出された薬物の分布が赤色で描出され、更に、放出された薬物の量が赤色の濃淡で描出された指標画像である差分画像(分布画像)を生成する。
【0075】
このように、本実施形態では、指標画像生成部17は、第1データと、複数回分の第2データそれぞれとの輝度値の差分値に係数を乗算し、当該乗算した値を加算した値に応じて色調を変更したデータから差分画像を生成する。
【0076】
なお、本実施形態は、高音圧照射が1回のみである場合であっても適用可能である。高音圧照射が1回の場合、差分画像は、「輝度差算出部17a、座標変換部17d及びカラーマップ変換部17e」の処理により生成されても良いし、「輝度差算出部17a、乗算部17b、座標変換部17d及びカラーマップ変換部17e」の処理により生成されても良い。すなわち、前者の場合、指標画像生成部17は、差分値に応じて色調を変更したデータから指標画像である差分画像を生成する。また、後者の場合、指標画像生成部17は、係数を差分値に乗算した値に応じて色調を変更したデータから指標画像である差分画像を生成する。
【0077】
なお、本実施形態は、高音圧照射が同一部位に対して複数回行われる際に、乗算部17bの処理を省略する場合であっても良い。かかる場合、指標画像生成部17は、第1データと、複数回分の第2データそれぞれとの比較に基づいて算出した指標値を加算した値に応じて定めた色調に基づいて指標画像を生成する。具体的には、指標画像生成部17は、第1データと、複数回分の第2データそれぞれとの輝度値の差分値を加算した値に応じて色調を変更したデータから指標画像である差分画像を生成する。
【0078】
そして、表示制御を行なう制御部19は、指標画像である差分画像をモニタ2に表示させる。ここで、制御部19は、指標画像の表示に際して、様々な表示形態を行なうことができる。具体的には、制御部19は、指標画像と並列表示、又は重畳表示させる画像として、自装置で生成された被検体Pの超音波画像を用いる(第1表示形態)。或いは、制御部19は、指標画像と並列表示、又は重畳表示させる画像として、他の医用画像診断装置で生成された被検体Pの医用画像を用いる(第2表示形態)。
【0079】
以下、第1の実施形態に係る第1表示形態及び第2表示形態について、図8〜図10を用いて具体的に説明する。図8〜図10は、第1の実施形態における指標画像の表示形態を説明するための図である。
【0080】
第1表示形態では、制御部19は、指標画像と、当該指標画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像とをモニタ2に並列表示、又は、重畳表示させる。具体的には、第1表示形態で用いられる超音波画像は、指標画像の生成に用いられた超音波画像データの走査断面と同一断面の超音波画像である。
【0081】
例えば、第1表示形態で用いられる超音波画像は、第1データ又は第2データから画像生成部14が生成した表示用のBモード画像データである。或いは、例えば、第1表示形態で用いられる超音波画像は、マイクロカプセル注入前に画像生成部14が生成した表示用のBモード画像データである。
【0082】
かかる超音波画像は、図8の(A)に示すように、制御部19の表示制御により、指標画像と並列表示される。或いは、かかる超音波画像は、図8の(B)に示すように、制御部19の表示制御により、指標画像と重畳表示される。なお、指標画像と超音波画像との座標系は、同一の座標系となる。従って、図8の(B)に例示した第1表示形態を行なう場合、制御部19は、指標画像と超音波画像とを単純に重畳させた重畳画像を画像生成部14に生成させ、当該重畳画像をモニタ2に表示させる。
【0083】
なお、第1表示形態では、指標画像とともに表示される超音波画像を3次元Bモード画像データのボリュームレンダリング画像やMPR画像とする場合であっても良い。かかる場合、制御部19及び送受信部11の制御により、3次元走査を実行可能な超音波プローブ1は、被検体Pの所定部位を含む領域を3次元走査する。これにより、画像生成部14は、3次元Bモード画像データを生成する。
【0084】
そして、制御部19は、指標画像生成時における2次元走査面の情報を用いて、3次元Bモード画像データからMPR画像やボリュームレンダリング画像を画像生成部14に生成させる。例えば、制御部19は、指標画像生成時における2次元走査面と同一の断面で3次元Bモード画像データを切断したMPR画像を生成させる。或いは、制御部19は、指標画像生成時における2次元走査面と同一の断面を基準面とするボリュームレンダリング画像を3次元Bモード画像データから生成させる。
【0085】
一方、第2表示形態では、制御部19は、取得装置4及び位置合わせ部18と協同して表示制御を行なう。すなわち、取得装置4は、所定音圧(高音圧)を有する超音波送信時の超音波プローブ1の位置情報を取得する。位置合わせ部18は、取得装置4が取得した位置情報に基づいて、自装置以外の医用画像診断装置が生成した所定部位(ROI)を含む3次元医用画像と差分画像との位置合わせを行なう。そして、制御部19は、位置合わせ部18による位置合わせ処理結果に基づいて、指標画像と、当該指標画像の生成に用いられた超音波画像データの走査断面と略同一となる断面により3次元医用画像から生成された2次元医用画像とをモニタ2に並列表示、又は、重畳表示させる。
【0086】
上述したように、取得装置4は、超音波プローブ1の3次元位置情報を取得する。具体的には、取得装置4は、超音波プローブ1に取り付けられた位置センサ(センサ群41)を用いて3次元位置情報を取得する。
【0087】
例えば、超音波プローブ1の表面には、図9の(A)に示すように、センサ群41として、磁気センサ41a、磁気センサ41b及び磁気センサ41cの3つの磁気センサが取り付けられる。磁気センサ41a及び磁気センサ41bは、図9の(A)に示すように振動子が配列される方向に平行に取り付けられる。また、磁気センサ41cは、図9の(A)に示すように超音波プローブ1の上端近傍に、取り付けられる。
【0088】
ここで、内部記憶部16は、センサ群41が取り付けられる位置情報として、例えば、図9の(B)に示すオフセット情報(L1〜L4)を記憶する。距離「L1」は、図9の(B)に示すように、磁気センサ41a及び磁気センサ41bそれぞれが取り付けられる位置を結ぶ直線と、磁気センサ41cが取り付けられる位置との距離である。
【0089】
また、距離「L2」は、磁気センサ41a及び磁気センサ41bそれぞれが取り付けられる位置を結ぶ直線と、振動子の配列面との距離である。換言すると、距離「L2」は、図9の(B)に示すように、磁気センサ41a及び磁気センサ41bそれぞれが取り付けられる位置を結ぶ直線と、被検体Pの体表との距離となる。
【0090】
また、距離「L3」は、図9の(B)に示すように、磁気センサ41aと磁気センサ41cとの振動子配列方向における距離である。また、距離「L4」は、図9の(B)に示すように、磁気センサ41bと磁気センサ41cとの振動子配列方向における距離である。
【0091】
取得装置4の信号処理部43は、図9の(B)に示すオフセット情報を用いることで、取得したセンサ群41の位置(座標)から、超音波プローブ1の被検体Pの体表に対する3次元位置情報を取得することができる。すなわち、信号処理部43は、超音波プローブ1の被検体Pの体表に対する位置とともに、超音波プローブ1の被検体Pの体表に対する傾きに関する情報を取得することができる。
【0092】
位置合わせ部18は、取得装置4が取得した位置情報に基づいて、例えば、図10の(A)に示すように、被検体PのROIを含むX線CTボリュームデータにおいて、指標画像と略同一の断面を特定する。例えば、位置合わせ部18は、X線CTボリュームデータに付帯情報として対応付けられていた「被検体PのX線CT撮影時における体位」と、「X線CT装置の座標系に関する情報」とを取得する。そして、位置合わせ部18は、付帯情報と取得装置4が取得した位置情報とから、指標画像と略同一の断面をX線CTボリュームデータにて特定する。
【0093】
制御部19は、位置合わせ部18が特定した断面によりX線CTボリュームデータを切断したMPR画像を画像生成部14に生成させる。更に、制御部19は、図10の(B)に示すように、MPR画像と指標画像との重畳画像を画像生成部14に生成させ、重畳画像をモニタ2に表示させる。
【0094】
ここで、第2表示形態において、制御部19は、図10の(B)に示す重畳画像と、図8の(A)に示す「差分画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像」とを並列表示させても良い(図10の(C)を参照)。
【0095】
上記した表示形態は、操作者により選択され、制御部19は、選択された表示形態に応じて、表示制御を行なう。
【0096】
なお、本実施形態は、取得装置4を用いることなく、位置合わせ部18が位置合わせ処理を行なっても良い。例えば、位置合わせ部18は、第1データ又は第2データに該当する超音波画像と、自装置以外の医用画像診断装置が生成した3次元医用画像との位置合わせ処理を、従来マルチモダリティの画像間での位置合わせに用いられる画像均一比(Ratio image uniformity)、相互情報量(Mutual Information)等の指標を算出することで行なっても良い。
【0097】
また、本実施形態は、取得装置4及び位置合わせ部18の処理を用いずに、操作者が指標画像(又は、指標画像の生成に用いられた超音波画像データ等)と同一断面となる断面を、3次元医用画像のMPR画像を参照して、目視により位置合わせ処理を行なう場合であっても良い。
【0098】
次に、図11を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理について説明する。図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、BモードスキャンによりROIが設定された後にマイクロカプセルが注入され、更に、図10の(C)を用いて説明した第2表示形態が選択された場合について説明する。
【0099】
図11に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置の制御部19は、ROI内の平均輝度値が閾値を越えたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、閾値を越えない場合(ステップS101否定)、制御部19は、閾値を越えるまで待機する。
【0100】
一方、閾値を越えた場合(ステップS101肯定)、制御部19を介した送受信部11の制御により、超音波プローブ1は、高音圧照射を行なう(ステップS102)。そして、輝度差算出部17aは、照射前後のBモードデータ間の輝度値の差分値を算出する(ステップS103)。
【0101】
続いて、乗算部17bは、差分値に係数を乗算することで乗算値を算出し(ステップS104)、加算部17cは、ステップS104で算出された乗算値と累積データ17gに格納されている乗算値とを加算して加算値を算出する(ステップS105)。なお、最初にステップS105の処理を行なう場合、加算部17cは、ステップS104で算出された乗算値をそのまま累積データ17gに格納する。
【0102】
その後、制御部19は、高音圧照射終了の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。ここで、照射終了でない場合(ステップS106否定)、制御部19は、ステップS101に戻って、ROI内の平均輝度値と閾値との比較判定処理を行なう。
【0103】
一方、照射終了である場合(ステップS106肯定)、制御部19の制御により、座標変換部17dは、累積データ17gのデータを座標変換し(ステップS107)、カラーマップ変換部17eは、座標変換されたデータをRGB変換する(ステップS108)。これにより、指標画像生成部17は、指標画像である差分画像(分布画像)を生成する。
【0104】
そして、位置合わせ部18は、取得装置4が取得した超音波プローブ1の位置情報に基づいて、差分画像とX線CTボリュームデータとの位置合わせを行ない(ステップS109)、画像生成部14は、指標画像(差分画像)とX線CTボリュームデータのMPR画像との重畳画像を生成する(ステップS110)。
【0105】
そして、モニタ2は、制御部19の制御の下、重畳画像と超音波画像(指標画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像)とを並列表示し(ステップS111)、処理を終了する。
【0106】
上述してきたように、第1の実施形態では、高音圧照射前後の画像データ間の比較に基づいた指標値としての「輝度値の差分値」を用いた指標画像(差分画像)を生成表示する。指標画像は、薬剤が放出された分布を示す分布画像となる。従って、操作者は、指標画像を参照することで、超音波を用いたドラッグデリバリシステムにおいて、放出した薬剤の分布を定量的に把握させることができる。
【0107】
また、指標画像を参照することで、操作者は、従来よりも薬剤投与を正確にコントロールすることができる。その結果、第1の実施形態では、患者(被検体P)のQOL(Quality Of Life)向上や、薬剤コストの低減を図ることができる。
【0108】
また、第1の実施形態では、治療に用いるマイクロカプセルの特性に応じた係数を用いるので、薬剤が放出された分布をより正確に示す指標画像を生成することができる。また、第1の実施形態では、同一部位に対して複数回高圧照射が行なわれる場合に、差分値や乗算値の加算値を用いて指標画像を生成するので、時系列に沿って繰り返される薬剤投与の状況を網羅した指標画像を生成することができる。
【0109】
また、第1の実施形態では、超音波画像や、他のモダリティで生成されたボリュームデータの2次元画像を指標画像と表示するので、操作者は、放出した薬剤の分布を容易に把握することができる。
【0110】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、例えば腫瘍部位の1断面である所定部位に対して高音圧照射が行なわれる場合について説明した。しかし、治療対象となる部位は、3次元的に拡がる3次元領域である。
【0111】
従って、超音波を用いたDDSでは、腫瘍部位の複数断面である複数の所定部位に対して高音圧照射が、例えば、超音波プローブ1を傾けながら、又は、移動させながら行なわれる。第2の実施形態では、複数の所定部位に対して高音圧を有する超音波が照射される場合の処理について、図12及び図13を用いて説明する。図12及び図13は、第2の実施形態に係る超音波診断装置を説明するための図である。
【0112】
第2の実施形態に係る超音波診断装置は、図1を用いて説明した第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の構成となる。しかし、第2の実施形態に係る指標画像生成部17は、複数の所定部位に対して所定音圧を有する超音波が照射された場合、当該複数の所定部位それぞれの指標画像(差分画像)を生成する。例えば、図12の(A)に示すように、操作者が被検体Pの体表において超音波プローブ1をずらしながら腫瘍部位の3つの異なる断面に対して高音圧照射を行なうとする。
【0113】
この場合、指標画像生成部17は、例えば、第1の実施形態で説明したように、差分値、乗算値及び加算値を算出することで、図12の(B)に示すように、3つの異なる照射断面それぞれの3つの指標画像(指標画像a、指標画像b、指標画像c)を時系列に沿って順次生成する。
【0114】
複数の指標画像が生成された場合、制御部19は、第1の実施形態に係る第1表示形態と同様に、複数の所定部位それぞれの指標画像と、当該複数の所定部位それぞれの指標画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像それぞれとをモニタ2に並列表示、又は、重畳表示させる。
【0115】
例えば、制御部19は、図12の(C)に示すように、指標画像aと指標画像aの生成に用いられた超音波画像データの走査断面と同一断面のBモード画像との重畳画像Aを表示させる。また、制御部19は、図12の(C)に示すように、指標画像bと指標画像bの生成に用いられた超音波画像データの走査断面と同一断面のBモード画像との重畳画像Bを表示させる。制御部19は、図12の(C)に示すように、指標画像cと指標画像cの生成に用いられた超音波画像データの走査断面と同一断面のBモード画像との重畳画像Cを表示させる。
【0116】
なお、図12の(C)に示す重畳画像A〜Cは、並列表示される場合であっても良いし、動画表示される場合であっても良い。また、制御部19は、指標画像と指標画像の走査断面と同一断面のBモード画像とを並列表示させる場合であっても良い。
【0117】
或いは、複数の差分画像とともに表示される画像は、3次元医用画像(ボリュームデータ)である場合であっても良い。かかる場合、制御部19は、取得装置4及び位置合わせ部18と協同することで、表示制御を行なう。
【0118】
すなわち、取得装置4は、第1の実施形態と同様に、所定音圧を有する超音波送信時の超音波プローブ1の位置情報を取得する。そして、位置合わせ部18は、第1の実施形態と同様に、取得装置4が取得した位置情報に基づいて、複数の所定部位を含む3次元医用画像と複数の所定部位それぞれの指標画像との位置合わせを行なう。
【0119】
そして、制御部19は、位置合わせ部18による位置合わせ処理結果に基づいて、3次元医用画像(ボリュームデータ)に複数の所定部位それぞれの指標画像を重畳した3次元画像から生成された2次元画像をモニタ2に表示させる。なお、位置合わせ処理は、第1の実施形態で説明したように、取得装置4及び位置合わせ部18により行なわれる場合であっても良いし、位置合わせ部18の単独処理により行なわれる場合であっても良いし、操作者により行なわれる場合であっても良い。
【0120】
ボリュームデータが、指標画像を生成した超音波診断装置が生成したボリュームデータ(超音波ボリュームデータ)である場合、制御部19は、以下の表示制御を行なう。例えば、画像生成部14は、位置合わせ処理結果に基づいて、図13の(A)に示すように、指標画像a〜c(図12の(B)を参照)それぞれを、超音波ボリュームデータ内に配置する。これにより、画像生成部14は、指標画像a〜cから構成される3次元指標画像101と超音波ボリュームデータとのボリュームデータ200を生成する。
【0121】
そして、画像生成部14は、図13の(A)に示すように、ボリュームデータ200をボリュームレンダリング処理することでVR画像を生成する。制御部19は、VR画像をモニタ2に表示させる。
【0122】
或いは、ボリュームデータが、指標画像を生成した超音波診断装置以外の医用画像診断装置が生成したボリュームデータ(X線CTボリュームデータやMRIボリュームデータ)である場合、制御部19は、以下の表示制御を行なう。例えば、画像生成部14は、位置合わせ処理結果に基づいて、図13の(B)に示すように、指標画像a〜c(図12の(B)を参照)それぞれを、X線CTボリュームデータ内に配置する。これにより、画像生成部14は、指標画像a〜cから構成される3次元指標画像101とX線CTボリュームデータとのボリュームデータ300を生成する。
【0123】
そして、画像生成部14は、図13の(B)に示すように、ボリュームデータ300をボリュームレンダリング処理することでVR画像を生成する。制御部19は、VR画像をモニタ2に表示させる。
【0124】
なお、制御部19は、画像生成部14にボリュームデータ200やボリュームデータ300からMPR画像を生成させ、当該MPR画像をモニタ2に表示させても良い。かかる場合のMPR画像は、例えば、指標画像aの断面によるMPR画像であっても良いし、例えば、指標画像bと直交する断面によるMPR画像であっても良い。
【0125】
上述してきたように、第2の実施形態では、異なる部位に対して高音圧照射が時系列に沿って順次行なわれる場合であっても、薬剤放出の分布を把握することができる。
【0126】
なお、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態では、指標画像の生成処理及び表示制御処理がリアルタイムで実行される場合について説明した。しかし、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した指標画像の生成処理及び表示制御処理は、薬物治療終了後に実行される場合であっても良い。
【0127】
また、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態では、高音圧照射が所定の走査断面において実行される場合について説明した。しかし、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した指標画像の生成処理及び表示制御処理は、高音圧照射が所定の3次元走査空間において実行される場合であっても良い。かかる場合、指標画像は、3次元指標画像となり、制御部19は、3次元指標画像のMPR画像やVR画像と、3次元医用画像のMPR画像やVR画像とを表示させる。
【0128】
また、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る超音波診断装置が実行する画像処理方法は、あらかじめ用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0129】
以上、説明したとおり、第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、超音波を用いたドラッグデリバリシステムにおいて、放出した薬剤の分布を定量的に把握させることができる。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0131】
1 超音波プローブ
2 モニタ
3 入力装置
4 取得装置
41 センサ群
42 トランスミッター
43 信号処理部
5 外部装置
10 装置本体
11 送受信部
12 Bモード処理部
13 ドプラ処理部
14 画像生成部
15 画像メモリ
16 内部記憶部
17 指標画像生成部
17a 輝度差算出部
17b 乗算部
17c 加算部
17d 座標変換部
17e カラーマップ変換部
17f 係数データ
17g 累積データ
18 位置合わせ部
19 制御部
20 インターフェース部
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小担体が注入された被検体の所定部位に対して、前記微小担体を崩壊可能な所定音圧を有する超音波を照射する前及び当該所定音圧を有する超音波を照射した後に生成された超音波画像データである第1データ及び第2データの比較に基づいて指標値を算出し、算出した指標値に基づいて指標画像を生成する指標画像生成部と、
前記指標画像を所定の表示部に表示させる制御部と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記指標画像生成部は、前記微小担体の特性に基づく係数と、前記指標値とに応じて定めた色調に基づいて前記指標画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
同一の所定部位に対して前記所定音圧を有する超音波を複数回照射する場合であって、
前記指標画像生成部は、前記第1データと、前記複数回分の第2データそれぞれとの比較に基づいて算出した指標値を加算した値に応じて定めた色調に基づいて前記指標画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
同一の所定部位に対して前記所定音圧を有する超音波を複数回照射する場合であって、
前記指標画像生成部は、前記第1データと、前記複数回分の第2データそれぞれとの比較に基づいて算出した指標値に前記係数を乗算し、当該乗算した値を加算した値に応じて定めた色調に基づいて前記指標画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記指標画像と、当該指標画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像とを前記所定の表示部に並列表示、又は、重畳表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記所定音圧を有する超音波送信時の超音波プローブの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した位置情報に基づいて、自装置以外の医用画像診断装置が生成した前記所定部位を含む3次元医用画像と前記指標画像との位置合わせを行なう位置合わせ部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記位置合わせ部による位置合わせ処理結果に基づいて、前記指標画像と、当該指標画像の生成に用いられた超音波画像データの走査断面と略同一となる断面により前記3次元医用画像から生成された2次元医用画像とを前記所定の表示部に並列表示、又は、重畳表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記指標画像生成部は、複数の所定部位に対して前記所定音圧を有する超音波が照射された場合、当該複数の所定部位それぞれの指標画像を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記複数の所定部位それぞれの指標画像と、当該複数の所定部位それぞれの指標画像の生成に用いられた超音波画像データに該当する超音波画像それぞれとを前記所定の表示部に並列表示、又は、重畳表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記所定音圧を有する超音波送信時の超音波プローブの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した位置情報に基づいて、前記複数の所定部位を含む3次元医用画像と前記複数の所定部位それぞれの指標画像との位置合わせを行なう位置合わせ部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記位置合わせ部による位置合わせ処理結果に基づいて、前記3次元医用画像に前記複数の所定部位それぞれの指標画像を重畳した3次元画像から生成された2次元画像を前記所定の表示部に表示させることを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
微小担体が注入された被検体の所定部位に対して、前記微小担体を崩壊可能な所定音圧を有する超音波を照射する前及び当該所定音圧を有する超音波を照射した後に生成された超音波画像データである第1データ及び第2データの比較に基づいて指標値を算出し、算出した指標値に基づいて指標画像を生成する指標画像生成手順と、
前記指標画像を所定の表示部に表示させる制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−5994(P2013−5994A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142247(P2011−142247)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】