説明

超高速データ転送速度能力を有する短距離通信のためのミリメートル波無線相互接続(M2W2相互接続)方法

ミリメートル波無線(M2W2)相互接続は、高速データ転送能力を有する短距離無線通信のためにミリメートル波周波数において信号を送受信するために用いられる。送信器および受信器のアンテナは、オンチップ差動ダイポールアンテナまたはボンドワイヤ差動ダイポールアンテナを備え得る。ボンドワイヤ差動ダイポールアンテナは、集積回路(IC)ダイ上の一対のパッドとプリント回路基板(PCB)上の一対のフローティングパッドとの間を接続する一対のボンドワイヤから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、35 U.S.C.Section 119(e)もとで、Sai−Wang TamおよびMau−Chung F.Changによる、2009年6月10日に出願され、名称が「MILLI−METER−WAVE−WIRELESS−INTERCONNECT(M2W2−INTERCONNET)METHOD FOR SHORT−RANGE COMMUNICATIONS WITH ULTRA−HIGH DATA RATE CAPABILITY」である、代理人の整理番号30435.209−US−P1(2009−445−1)の同時係属中で同一出願人に譲渡された米国仮特許出願第61/185,946号の利益を主張し、その仮特許出願は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、超高速データ転送速度能力を有する短距離通信のためのミリメートル波無線(M2W2)相互接続方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
(注:本出願は、例えば[x]などの角括弧内の1つ以上の参照番号によって、本明細書の全体にわたり示されるように、いくらかの異なる刊行物を参照する。これらの参照番号に従って配列されたこれらの異なる刊行物のリストは、下記の「参考文献」という表題の欄に見出され得る。これらの刊行物の各々は、参照によって本明細書に援用される)。
【0004】
特に多重プロセッサチップおよびネットワークオンアチップ(network−on−a−chip)のためのオンチップ相互接続は、帯域幅、出力および待ち時間の点で制限要因として提起されてきた。しかしながら、オンチップ相互接続は、非スケーラブル(non−scalable)および非リコンフィギュラブル(non−reconfigurable)のままである。
【0005】
先行成果[1]において、オンチップアンテナは、1m以上の距離の無線データ伝送のために用いられた。しかしながら、このオンチップアンテナは、2進移相変調(BPSK)などの位相および周波数同期変調スキームを用いることを必要とし、このことは、アーキテクチャの複雑性および全消費電力を増加させた。
【0006】
従って、無線データ伝送の改善された方法に対する技術のニーズがある。本発明はそのニーズを満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
上記に説明された先行技術における制限を克服するために、また本明細書を読みそして理解すると明らかになる他の制限を克服するために、本発明は、高速データ転送速度能力を有する短距離無線通信のためにミリメートル波周波数で信号を送受信するミリメートル波無線(M2W2)相互接続を開示し、ここで、M2W2相互接続は、非同期変調および差動信号伝達と共に用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
M2W2相互接続は、入力データストリームを用いてミリメートル波搬送波信号を変調する送信器を含み、ここで、変調されたミリメートル波搬送波信号は増幅され、次いで送信器アンテナに供給され、放射される。M2W2相互接続はまた、受信器を含み、受信器は、受信器アンテナにおいて放射されたミリメートル波搬送波信号を受信し、受信されたミリメートル波搬送波信号を増幅し、増幅されたミリメートル波搬送波信号を復調によって出力データストリームとしてフルスウィングデジタル信号に変換する。
【0009】
受信器における差動相互ミキサは、エンベロープ検出器として働き、搬送波除去は、ミリメートル波搬送波信号をベースバンド信号に復調するために用いられ、ここで、ベースバンド信号は、フルスウィングデジタル信号に増幅される。
【0010】
送信器および受信器のアンテナは、オンチップ差動ダイポールアンテナまたはボンドワイヤダイポールアンテナを備え得る。ボンドワイヤダイポールアンテナは、集積回路(IC)ダイ上の一対のパッドとプリント回路基板(PCB)上の一対のフローティングパッドとの間を接続する一対のボンドワイヤから構成される。
【0011】
ここで図面を参照すると、図面において、類似した参照番号は全体を通して対応する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、オンチップアンテナを用いる単チャネル無線ラジオ周波数相互接続(RF−1)の略図である。
【図2】図2は、アンテナとして一対のボンドワイヤを用いる単チャネル無線RF−1の略図である。
【図3A】図3Aは、オンチップ差動ダイポールアンテナを有する送信器の略図である。
【図3B】図3Bは2つのグラフを含み、上のグラフは振幅シフトキーイング(ASK)変調器の入力データを示し、下のグラフはASK変調器の出力データを示す。
【図4】図4は、オンチップ差動ダイポールアンテナを有する送信器のレイアウトである。
【図5A】図5Aはダイポールアンテナとして一対のボンドワイヤを例示し、図5Aは上面図である。
【図5B】図5Bはダイポールアンテナとして一対のボンドワイヤを例示し、図5Bは側面図である。
【図5C】図5Cはダイポールアンテナとして一対のボンドワイヤを例示し、図5Cは断面図である。
【図5D】図5Dはダイポールアンテナとして一対のボンドワイヤを例示し、図5Dは三次元斜視図である。
【図6A】図6Aは、オンチップダイポールアンテナを有する送信器の略図である。
【図6B】図6Bは、3つのグラフを含み、上のグラフは、最初に弱いASK信号を受信するオンチップアンテナを示し、中間のグラフは、自己ミキサが、変調された信号を下のグラフに示されるようなベースバンドデジタル信号に復調し得るようにASK信号を増幅する低ノイズ増幅器を示す。
【図7】図7は、オンチップダイポールアンテナを有する受信器のレイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
好ましい実施形態の以下の説明において、明細書の一部を形成する添付の図面に参照がなされ、図面において、本発明が実施され得る特定の実施形態が例示として示される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的変更がなされ得ることは理解されるべきである。
【0014】
(技術的開示)
本発明は、非同期変調スキームおよび差動信号伝達アーキテクチャを用いるM2W2相互接続を含む、高速データ転送速度能力を有する短距離通信のために指定された周波数で信号を送受信する無線相互接続を含み、指定された周波数は、ミリメートル波周波数である。M2W2相互接続は、制御されたインピーダンス送信媒体を利用するRF−1(無線周波数相互接続)の以前の実装と比べて、データを無線で送信する[2]。さらにM2W2相互接続と共に用いられる指定された周波数は、複数の異なる周波数帯域において同時に送信されて、複数の並列通信リンクを実装し得る。
【0015】
本発明は、入力データストリームを用いてミリメートル波搬送波信号を変調する送信器を説明し、変調された搬送波信号は、より高い出力レベルにさらに増幅され、次いで変調された搬送波信号を放射する送信器アンテナに供給される。本発明はまた、受信器を説明し、受信器は、受信器アンテナにおいて放射された搬送波信号を受信し、受信された搬送波信号を増幅し、増幅された搬送波信号を復調によってベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号は、次いで増幅され、出力データストリームを含むフルスウィングデジタル信号として出力される。送信器および受信器は、集積回路(IC)チップ間またはプリント回路基板(PCB)間で通信するために非同期変調および差動信号を用いる。
【0016】
ミリメートル波搬送波信号を選ぶことによって、より高い、搬送波対データ転送速度比率は、さらに変調信号の分散を最小限にし、電力要求等化回路(power hungry equalization circuit)の必要性を除去する。さらにアンテナのサイズは、ミリメートル波周波数において劇的に減少させられ、短距離通信用途において、アンテナ利得、指向性、放射効率、電力適合などのアンテナの設計要件が大幅に緩和される。
【0017】
本発明において、短距離M2W2相互接続のためのアンテナに対し2つの構成が提案される。すなわち、オンチップアンテナおよびボンドワイヤアンテナである。図1はオンチップ差動ダイポールアンテナを用いる単チャネル無線M2W2相互接続の略図であり、一方、図2はボンドワイヤダイポールアンテナを用いる単チャネル無線M2W2相互接続の略図である。
【0018】
図1の単チャネル無線M2W2相互接続100は、送信器を備えている第1のチップ(Chip 1)102を、受信器を備えている第2のチップ(Chip 2)104に連結し、第1のチップ102は、短距離または長さ106だけ第2のチップ104から物理的に分離される。非同期変調および差動信号は、同じかまたは異なるプリント回路基板(PCB)上の集積回路(IC)チップまたはダイス102と104との間で通信するために用いられる。
【0019】
第1のチップ102は、無線周波(RF)搬送波信号を生成する電圧制御オシレータ(VCO)108と、入力データストリームを含むデータイン信号112を用いてRF搬送波信号を変調する送信器(Tx)110とを含み、変調されたRF搬送波信号は、次いで変調されたRF搬送波信号を放射するオンチップ差動ダイポールアンテナ114に供給される。
【0020】
第2のチップ104は、放射されたRF搬送波信号を受信するオンチップ差動ダイポールアンテナ116を含み、放射されたRF搬送波信号は、次いで低ノイズ増幅器(LNA)118に供給され、低ノイズ増幅器118は、増幅されたRF搬送波信号を生成する。増幅されたRF搬送波信号は、増幅されたRF搬送波信号とそれ自身122とを自己混合することによって自己ミキサ120において復調によって変換され、ベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号は、ベースバンド増幅器124によって増幅され、フルスウィングデジタル信号である出力データストリームを含むデータアウト信号126を生成する。
【0021】
図2の単チャネル無線M2W2相互接続200は、第1のPCB204上に送信器を備えている第1のチップ(Chip 1)202を、第2のPCB208上に受信器を備えている第2のチップ(Chip 2)206に連結し、第1のPCB204は、短距離または長さ210だけ第2のPCB208から物理的に分離される(従って、第1のチップ202は第2のチップ206から分離される)。図1の場合のように、非同期変調および差動信号は、PCB204上の集積回路チップ202と、PCB204とは異なるPCB208上の集積回路チップ206との間で通信するために用いられる。
【0022】
第1のチップ202は、無線周波(RF)搬送波信号を生成する電圧制御オシレータ(VCO)210と、入力データストリームを含むデータイン信号214を用いてRF搬送波信号を変調する送信器(Tx)212とを含み、変調されたRF搬送波信号は、次いで変調されたRF搬送波信号を放射するダイポールアンテナとして働く一対のボンドワイヤアンテナ216に供給される。
【0023】
第2のチップ206は、放射されたRF搬送波信号を受信するダイポールアンテナとして働く一対のボンドワイヤアンテナ218を含み、放射されたRF搬送波信号は、次いで、増幅されたRF搬送波信号を生成するために低ノイズ増幅器(LNA)220に供給される。増幅されたRF搬送波信号は、増幅されたRF搬送波信号とそれ自身224とを自己混合することによって自己ミキサ222において復調によって変換され、ベースバンド信号を生成する。ベースバンド信号は、ベースバンド増幅器226によって増幅されることにより、フルスウィングデジタル信号である出力データストリームを含むデータアウト信号228を生成する。
【0024】
図1のオンチップ差動ダイポールアンテナ114と、116とを備えている第1のタイプのアンテナ構成は、図3Aおよび図3Bにさらに例示される。図3Aは、図1からのVCO108、送信器110およびオンチップ差動ダイポールアンテナ114の略図であり、図3Bは2つのグラフを含み、上のグラフは送信器110によって行われる振幅シフトキーイング(ASK)変調の入力データを示し、下のグラフは送信器110によって行われるASK変調の出力データを示す。
【0025】
送信器110は、ASK変調を実装し、ASK変調は、データイン信号112を用いてRF搬送波信号を直接変調する、一対のオン−オフスイッチ300および302を用いる、非同期変調スキームである。送信器110の出力は、次いで、さらなる増幅なしに、アンテナ114に供給される。
【0026】
2進移相変調(BPSK)などの他の同期変調スキームとは異なり、非同期ASK変調システムにおける受信器は、RF搬送波信号の振幅の変化を検出するのみであり、RF搬送波信号の位相変動または周波数変動の変化を検出しない。従って、受信器は、電力要求位相同期回路(PLL)なしに非同期で動作し得る。
【0027】
ASK変調はまた、差動回路アーキテクチャおよび差動相互混合技術を用いることによって受信器においてRF搬送波信号再生の必要性を除去して、追加の構成要素の必要なくRF搬送波信号を自動的に除去する。その結果、M2W2相互接続は、送信(Tx)と受信(Rx)との間のプロセス誘起の搬送波変動を被らない。
【0028】
差動ダイポールアンテナ114は、入力インピーダンスを高めることが可能であり、このことは、送信器110のASK変調とアンテナ114との間のより良い電力適合を提供する。さらに、オンチップアンテナ114を用いるこの設計は、ミリメートル波周波数において動作する任意のパッケージングおよび静電放電(ESD)保護回路を有する必要性を除去する。
【0029】
図4は本発明に従う例示的ASK RF−I送信器のレイアウトを示し、送信器はIBM90nmプロセスを用いて実装され、ダイサイズは1200μm×500μmである。
【0030】
図2の対のボンドワイヤダイポールアンテナ216、218を備えている第2のタイプのアンテナ構成は、図5A、図5B、図5Cおよび図5Dにさらに例示され、図5Aは上面図であり、図5Bは側面図であり、図5Cは断面図であり、図5Dは三次元斜視図である。ボンドワイヤダイポールアンテナ216、218の各々は、一対のボンドワイヤ500から構成され、一対のボンドワイヤ500は、PCB204、208に取り付けられるICチップまたはダイ202、206上の一対のパッド502と、PCB204、208上の一対のフローティングパッド504との間を接続する。PCB204、208上の一対のフローティングパッド504にボンドワイヤ500を取り付けることは、アンテナ216、218の物理的形状を安定させ得る。さらに、ICチップまたはダイ202、206の厚さは、ミリメートル波周波数動作のために最適なアンテナ長に適合するように制御され得る。
【0031】
図6Aは、オンチップ差動ダイポールアンテナを有する送信器の略図であり、図6Bは、3つのグラフを含み、上のグラフは、オンチップアンテナが最初に弱いASK信号を受信することを示し、中間のグラフは、自己ミキサが、変調された信号を下のグラフに示されるようなベースバンドデジタル信号に復調し得るように、低ノイズ増幅器がASK信号を増幅することを示す。
【0032】
受信器側において、図6Aに示されるように、用途および通信距離に従って、受信されたRF搬送波信号を増幅して受信器の感度を高めるために、低ノイズ増幅器118が追加され得る。ASK RF−1において、マイクロ波周波数において動作できない以前のRF相互接続とは対照的に、低ノイズ増幅器118の帯域幅は、数十Gbpsデータ転送速度を、すなわちマイクロ波周波数において十分にサポートするように調整される。トランスフォーマカップリングLNAアーキテクチャを有する差動共通ソースは、そのような広帯域用途に適している。
【0033】
図6Aおよび図6Bに示されるように、自己ミキサ120は、エンベロープ検出器として働く差動相互ミキサを備え得、搬送波除去は、ASK変調されたミリメートル波搬送波信号をベースバンド信号に復調するために用いられる。差動相互ミキサ120の後に、復調されたベースバンド信号は、次いで124においてフルスウィングデジタル信号128にさらに増幅される。
【0034】
図7は本発明に従う例示的ASK RF−1受信器のレイアウトを示し、受信器はIBM90nmプロセスを用いて実装され、ダイサイズは1200μm×1000μmである。
【0035】
本発明が好ましくは高性能CMOSプロセス技術において実装されることに注意されたい。60GHz以上の搬送波速度において十分なトランジスタ利得を得るために、90nm以下のゲート長が必要とされる。典型的な実装は、TxおよびRx機能それぞれに対するモノリシック半導体である。これらのTxおよびRxチップは、典型的には1つ以上のPCB上の物理的信号伝送路の終点に位置を定められる。
【0036】
(利点)
本発明は、以前の技術に対して、次のことを含む多くの利点を提供する:
・超高速データ転送速度:数十Gbpsほども高いデータ速度が、本発明の高い搬送波周波数により可能である。
【0037】
・低電力:本発明が受信器において搬送波再生を除去し、受信器から電力要求PLL回路の必要性を除去するので、その結果、低電力である。
【0038】
・スケーラブル:CMOS技術は拡張し(scaling)続けるので、より高速の変調速度が可能である。
【0039】
・非同期動作:ASK変調スキームは、PLLベースの設計の動作を損なうプロセス変動に対して影響されない。
【0040】
要約すると、本発明は、低コストの短距離無線通信リンクに対して高度に製造可能な解決策を提供する。代替のアプローチは、より低いプロセス歩留まりおよびより高い動作電力を被り、従って競争力のより低い解決策である。
【0041】
(参考文献)
以下の参考文献は、参照によって本明細書に援用される。
【0042】
[1]Changhua Caoら、「A 24−GHz Transmitter With On−Chip Dipole Antenna in 0.13−μm CMOS」、IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.43,No.6、2008年6月。
【0043】
[2]米国特許第6,856,788号は、2005年2月15日に発行され、Mau−Chung F.Chang、Tatsuo Itoh、Yongxi Qian、Kang L.Wangへの、名称が「Wireless IC Interconnection Method and System」である。
【0044】
[3]Sai−Wang Tam、Eran Socher、Alden WongおよびMau−Chung Frank Changの「A Simultaneous Tri−band On−Chip RF−Interconnect for Future Network−on−Chip」は、2009年6月10日に出願され、Sai−Wang TamおよびMau−Chung F.Changによる、名称が「MILLI−METER−WAVE−WIRELESS−INTERCONNECT(M2W2−INTERCONNECT)METHOD FOR SHORT−RANGE COMMUNICATIONS WITH ULTRA−HIGH DATA RATE CAPABILITY」であり、代理人の整理番号30435.209−US−P1(2009−445−1)である米国仮特許出願第61/185,946号の付録である。
【0045】
(結論)
これは、本発明の好ましい実施形態の説明を完結させる。本発明の1つ以上の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的のために提示された。網羅的であることまたは開示された正確な形態に本発明を限定することは意図されない。多くの修正形態および変形形態が、上記の教示を考慮して可能である。本発明の範囲が、この詳細な説明によって限定されるべきではなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されるべきことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速データ転送速度能力を有する短距離通信のために指定された周波数で信号を送受信するための無線相互接続であって、
入力データストリームを用いて搬送波信号を変調する送信器であって、該変調された搬送波信号は、次いで、該変調された搬送波信号を放射する送信器アンテナに供給される、送信器と、
受信器アンテナにおいて該放射された搬送波信号を受信する受信器であって、該受信された搬送波信号を出力データストリームとしてフルスウィングデジタル信号に変換するための、受信器と
を備え、
該送信器および受信器は、集積回路チップ間またはプリント回路基板間の通信のために、非同期変調および差動信号伝達を用いる、無線相互接続。
【請求項2】
前記無線相互接続は、ミリメートル波無線(M2W2)相互接続であり、前記指定された周波数は、ミリメートル波周波数である、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項3】
前記変調された搬送波信号は、ミリメートル波搬送波信号である、請求項2に記載の無線相互接続。
【請求項4】
前記指定された周波数は、複数の異なる周波数帯域において同時に送信されることにより、複数の並列通信リンクを実装する、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項5】
前記送信器または受信器のアンテナは、オンチップ差動ダイポールアンテナを備えている、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項6】
前記送信器または受信器のアンテナは、ボンドワイヤダイポールアンテナを備えている、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項7】
前記ボンドワイヤダイポールアンテナは、プリント回路基板(PCB)上に取り付けられた集積回路(IC)ダイ上の一対のパッドと該PCB上の一対のフローティングパッドとの間を接続する一対のボンドワイヤから構成されている、請求項6に記載の無線相互接続。
【請求項8】
前記送信器は、前記搬送波信号を生成する電圧制御オシレータを含む、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項9】
前記送信器は、振幅シフトキーイング(ASK)変調器を含み、該振幅シフトキーイング変調器において、一対のオン−オフスイッチが前記入力データストリームを用いて前記搬送波信号を直接変調する、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項10】
前記変調された搬送波信号は、前記送信器アンテナによって放射される前に、該送信器によって増幅される、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項11】
前記受信された搬送波信号は、前記受信器アンテナによって受信された後に、該受信器によって増幅される、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項12】
前記受信器は、エンベロープ検出器として働き、前記受信された搬送波信号を復調することによって該受信された搬送波信号をベースバンド信号に変換する差動相互ミキサを備えている自己ミキサを含む、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項13】
前記ベースバンド信号は、フルスウィングデジタル信号に増幅される、請求項12に記載の無線相互接続。
【請求項14】
前記受信器は、前記搬送波信号の振幅の変化のみを検出し、該搬送波信号の位相変動または周波数変動の変化を検出せず、従って、該受信器は、位相同期回路なしに非同期で動作するので、搬送波信号の再生が全く不要である、請求項1に記載の無線相互接続。
【請求項15】
無線相互接続を用いて高速データ転送速度能力を有する短距離通信のために、指定された周波数で信号を送受信する方法であって、
送信器において、入力データストリームを用いて搬送波信号を変調することであって、該変調された搬送波信号は、次いで、該変調された搬送波信号を放射する送信器アンテナに供給される、ことと、
受信器において、受信器アンテナにおいて該放射された搬送波信号を受信し、該受信された搬送波信号を出力データストリームとしてフルスウィングデジタル信号に変換することと
を包含し、
集積回路チップ間またはプリント回路基板間の通信のために、該送信器および受信器において、非同期変調および差動信号が用いられる、方法。
【請求項16】
前記無線相互接続は、ミリメートル波無線(M2W2)相互接続であり、前記指定された周波数は、ミリメートル波周波数である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記変調された搬送波信号は、ミリメートル波搬送波信号である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記指定された周波数は、複数の異なる周波数帯域において同時に送信され、複数の並列通信リンクを実装する、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記送信器または受信器のアンテナは、オンチップ差動ダイポールアンテナを備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記送信器または受信器のアンテナは、ボンドワイヤダイポールアンテナを備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記ボンドワイヤダイポールアンテナは、プリント回路基板(PCB)上に取り付けられた集積回路(IC)ダイ上の一対のパッドと該PCB上の一対のフローティングパッドとの間を接続する一対のボンドワイヤから構成されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記送信器は、前記搬送波信号を生成する電圧制御オシレータを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記送信器は、振幅シフトキーイング(ASK)変調器を含み、該振幅シフトキーイング変調器において、一対のオン−オフスイッチが前記入力データストリームを用いて前記搬送波信号を直接変調する、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記変調された搬送波信号は、前記送信器アンテナによって放射される前に、該送信器によって増幅される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記受信された搬送波信号は、前記受信器アンテナによって受信された後に、該受信器によって増幅される、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記受信器は、エンベロープ検出器として働き、前記受信された搬送波信号を復調することによって該受信された搬送波信号をベースバンド信号に変換する差動相互ミキサを備えている自己ミキサを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記ベースバンド信号は、フルスウィングデジタル信号に増幅される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記受信器は、前記搬送波信号の振幅の変化のみを検出し、該搬送波信号の位相変動または周波数変動の変化を検出せず、従って、該受信器は、位相同期回路なしに非同期で動作するので、搬送波信号の再生が全く不要である、請求項15に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−529871(P2012−529871A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515113(P2012−515113)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/038033
【国際公開番号】WO2010/144617
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】