説明

路側無線装置

【課題】隣接レーンを走行する車両と路側無線装置との誤通信を防止する際に、電波吸収体の設置をなくす、もしくは電波吸収体の使用を少なくする路側無線装置を提供する。
【解決手段】正規のレーン上に所定の通信領域を形成するとともに、正規のレーンに隣接した通行路上に、ヌル領域を形成するアンテナビームを交互に切替えるアンテナ装置20と、車載器11との間で時分割された通信データを送受信し、車載器から識別子の含まれた検定データが繰り返し送信される複数の検定スロットが設けられる路側無線部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、道路を走行する車両に搭載された車載器との間で通信を行う路側無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の付帯設備であるETC(Electronic Toll Collection)システムにおいて、ETC専用通行路(以下、ETCレーン)内で、ETC車載器とETC路側無線装置との路車間通信が行われる。このとき、路車間通信により発生する電波が路面で反射し、ETCレーンに隣接する通行路(以下、隣接レーン)に混入することがある。
【0003】
従来、ETCレーンと隣接レーンの間に電波吸収体を設置することで、ETC路側無線装置が、隣接レーン上のETC車載器と誤通信することを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−218581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の誤通信防止用に用いられる電波吸収体は、素材、設置工事費用を含めて費用が高く、また経年劣化により定期交換する必要があるなど、設置及び保守費用が高く付くという問題があった。
【0006】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、隣接レーン(通行路)を走行する車両と路側無線装置との誤通信を防止するための電波吸収体の設置をなくす、もしくは電波吸収体の使用を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による路側無線装置は、車両の通行路上に所定の通信領域を形成するとともに、当該車両の通行路の一方の片側に隣接した一方の隣接通行路上に一方のヌルを形成する一方のアンテナビームと、車両の通行路上に上記所定の通信領域を形成するとともに、当該車両の通行路の他方の片側に隣接した他方の隣接通行路上に他方のヌルを形成する他方のアンテナビームとをそれぞれ形成し、当該一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替えるアンテナ装置と、上記アンテナ装置に接続されて、上記車両に置かれた車載器との間で複数のスロットに時分割された通信データを送受信するとともに、当該通信データのスロットには、当該車載器から識別子の含まれた検定データが繰り返し送信される複数の検定スロットが設けられる路側無線部と、を備え、上記アンテナ装置は、上記検定スロットの通信タイミングに同期して、上記一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替えるものである。
【0008】
また、上記路側無線部は、上記検定スロットが複数連続した所定の区間内で、上記識別子の受信回数が所定回数以上である場合に、当該識別子に対応した車載器との通信を継続して行っても良い。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、所定の通信領域が形成される正規のレーン(通行路)を走行する車両の車載器と、正規のレーン上に設置された路側無線装置との通信時に、隣接レーンを走行する他の車両の車載器との誤通信を防止することができる。これによって、正規のレーンの周辺において、誤通信防止用の電波吸収体の使用を不要もしくは削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1による路側装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1による車載器及び路側機の構成の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1による路側無線装置の動作を説明するための図である。
【図4】実施の形態1による路側装置と車載器との路車通信における、通信トランザクションの一例を示す図である。
【図5】実施の形態1による路側装置と車載器との路車通信における、ACTC検定区間のヌル領域の形成状態の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1による、ACTC検定区間における車載器の通信成立回数の例を示す図である。
【図7】実施の形態1による、アンテナ装置の形成するアンテナビームのパターンを例示する図である。
【図8】実施の形態1による、アンテナ装置のアンテナ部の構成例を示す図である。
【図9】実施の形態1による、アンテナ装置のアンテナ部の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1による路側装置の構成を示す図である。図1において、実施の形態1による路側装置60は、アンテナ装置20と、アンテナ装置20に信号ケーブルで接続された路側機50から構成されている。路側機50は、通信ネットワークケーブル100を介して、外部装置(サーバ、遮断機、監視カメラ等)に接続される。車載器11は、車両10a、車両10b、車両10cに搭載される。路側機50は、アンテナ装置20を介在して、車両10aに搭載された車載器11との間で路車間通信を行う。路側装置60と車載器11は、相互に路車間通信を行うETCシステムを構成している。
【0012】
車両10aは、正規の通行路であるETCレーン(車線)1aを走行している。ETCレーン(車線)1aは有料道路の施設内に設けられ、ETCシステムによって自動で料金収受(通行料金の課金)が行われる専用通行路を構成している。車両10bはETCレーン1aの一方の片側(図1の例では進行方向左側)に隣接した左側隣接レーン(車線)1bを走行している。車両10cはETCレーン1aの他方の片側(図1の例では進行方向右側)に隣接した右側隣接レーン(車線)1cを走行している。ETCレーン1a上には、アンテナ装置20の通信領域30aが形成されている。また、左側隣接レーン1b上ではアンテナ装置20のヌル領域30bが形成され、右側隣接レーン1c上ではアンテナ装置20のヌル領域30cが形成される。すなわち、アンテナ装置20は、ETCレーン1aにおける車両10aの進行方向左側にヌル領域30bを形成し、進行方向右側にヌル領域30cを形成するように配置されている。ヌル領域30b、30c内の各路面上で、アンテナ装置20から漏れ出た電波の電界強度が抑制される。図1の例では、アンテナ装置20による電波の電界強度の抑制された領域を便宜的に楕円形状で図示しているが、実際の形状は外周が不規則に歪んだより複雑な形状となる。
【0013】
これによって、ヌル領域30b、30c内では、車両10b、10cに搭載された車載器11と、アンテナ装置20との間の通信が遮断され、誤通信を防止することができることができる。
なお、左側隣接レーン1b、右側隣接レーン1cが他のアンテナ装置の設けられたETCレーンであってもよい。以降の説明では、アンテナ装置20による正当な通信の行われる通信領域30aがETCレーン1aのみとなっており、左側隣接レーン1b、右側隣接レーン1cに形成される通信領域はアンテナ装置20にとって非通信とすべき領域であることを前提とする。
【0014】
図2は、実施の形態1による車載器11及び路側機50の構成を示す図である。図において、路側機50は、アンテナ装置20に接続された路側無線部52と、路側無線部52に接続された路側制御部53から構成される。アンテナ装置20と路側無線部52はETCシステムにおける路側無線装置を構成する。アンテナ装置20は、図示しないアンテナ部、無線部、制御回路部、及び多重化装置などが設けられている。アンテナ部(40)は、後述するように複数のアンテナ素子とアンテナ給電端子が設けられている。路側無線部52は、図示しない中央演算処理装置、記憶装置、送受信回路部、及び多重化装置などが設けられている。
【0015】
また、車載器11は、ETC車載アンテナ12と、ETC車載アンテナ12に接続された車載無線部13から構成される。車載無線部13は、図示しない無線回路部、制御回路部、中央演算処理装置、記憶装置などが設けられている。
【0016】
路側機50の路側無線部52は、アンテナ装置20を介して車載器11との間で路車間通信を行い、情報の授受を行う。路側無線部52は、アンテナ装置20を介した車載器11との通信を制御する。
例えば、路側無線部52は、送受信回路部にてASK変調またはQPSK変調方式により路側機送信情報(ダウンリンクデータ)をベースバンド信号に変調処理する。その後、路側無線部52は、多重化装置にてベースバンド信号と無線制御信号をシリアルーパラレル変換(多重化処理)して所定長さのパケットデータを生成し、通信ケーブル500を介してアンテナ装置20に送る。なお、無線制御信号は、路側無線部52の中央演算処理装置によって適宜生成される。
【0017】
アンテナ装置20は、路側無線部52から送られたパケットデータを多重化装置にてパラレルーシリアル変換し、ベースバンド信号と無線制御信号を復調する。アンテナ装置20の無線部及び制御回路部は、無線制御信号に基づいて、ベースバンド信号を無線周波数5.8GHz帯のRF(Radio Frequency)信号に変換する。この路側機送信情報から生成されたRF信号は、アンテナ装置20のアンテナ部から無線電波として空間に放射され、車載器11に送信される。
【0018】
また、アンテナ装置20は、アンテナ部にて車載器11から受信した無線周波数5.8GHz帯のRF信号を、無線部にて周波数変換してベースバンド信号を復調した後、多重化装置にてベースバンド信号をシリアルーパラレル変換(多重化処理)して所定長さのパケットデータを生成し、通信ケーブル500を介して路側無線部52に送る。
【0019】
路側無線部52は、アンテナ装置20から送られたパケットデータをパラレルーシリアル変換し、ベースバンド信号と無線制御信号を復調した後、ASK変調またはQPSK変調方式に則って車載器送信情報(アップリンクデータ)を復元し、車載器送信情報を受け取る。
【0020】
なお、アンテナ装置20と路側無線部52の間を接続する信号ケーブルは、同軸ケーブルであっても、光ファイバケーブルであっても良い。この信号ケーブルが光ファイバケーブルである場合、路側無線部52にて生成された変調信号は一旦光信号に変換され、その後、アンテナ装置20にて電気信号に変換され、周波数変換及び増幅された後、電波として空間に放射される。
【0021】
車載器11の車載無線部13は、ETC車載アンテナ12を介して路側機50と路車間通信を行い、情報の授受を行う。
例えば、車載無線部13は、ASK変調またはQPSK変調方式により車載器送信情報(アップリンクデータ)を変調処理した後、無線周波数5.8GHz帯のRF(Radio Frequency)信号に周波数変換する。この車載器送信情報から生成されたRF信号は、ETC車載アンテナ12から無線電波として空間に放射され、アンテナ装置20及び路側機50に送信される。
【0022】
また、車載無線部13は、ETC車載アンテナ12を介してアンテナ装置20及び路側機50から受信した無線周波数5.8GHz帯のRF信号について、ASK変調またはQPSK変調方式に則って路側機送信情報(ダウンリンクデータ)を復元し、路側機送信情報を受け取る。ETC車載アンテナ12と車載無線部13の間は、同軸ケーブルやマイクロ波伝送線路(マイクロストリップ線路)などで接続される。
【0023】
ここで、路側無線部52の有する中央演算処理装置にて生成される路側機送信情報、及び車載無線部13の有する中央演算処理装置にて生成される車載器送信情報は、通信規格ARIB−STD−T75に基づいて、フレームコントロールメッセージスロット(FCMS)、複数のメッセージデータスロット(MDS)、ワイヤレスコールナンバースロット(WCNS)、アクチベーションチャネル(ACTS)などを含む所定の通信TDMAフレームに従ってデータが構成される。
【0024】
路側機送信情報は、FCMS、MDS、WCNなどから構成される。FCMSでは、路側機識別番号、スロット制御情報(各スロットの通信制御タイミング)、リンクアドレスフィールド(LID)、スロット数などの情報からなるフレームコントロールメッセージチャネル(FCMC)を多重化して、路側機50から車載器11にデータが送信される。
【0025】
車載器送信情報は、MDS、ACTS、WCNなどから構成される。ACTSでは、ACTS用に割り当てられた1つのスロット(フレーム)内で時分割された、例えば6個のアクチベーションチャネル(ACTC)が配置されて、車載器11から路側機50にデータが送信される。この6分割された各ACTCは、LIDと誤り検査信号などから構成される。WCNは、各車載器11と各路側機50をそれぞれ識別可能な固有の識別情報から構成される。LIDは、車載器11と路側機50の通信接続時に一時的に利用されるテンポラリーID(識別子)である。
【0026】
また、各MDSでは、メッセージデータチャネル(MDC)、アックチャネル(ACKC)が構成されて、路側機50と車載器11の間で双方向通信が行われる。
路側機送信情報のMDCには、料金収受に係る情報(課金された料金情報、車種情報など)や車載器11に対するサービス情報、BST(Beacon Service Table)などが含まれている。BSTは、車載器11に対して路車間通信で必要な指定項目を指示するデータであり、車載器11の通信に必要なアプリケーション識別子(AID)、初期データ、プロトコル層パラメータなどが含まれている。
【0027】
車載器送信情報のMDCには、車載器11から送信される車載器情報、車載器11に接続されているカードの情報、VST(Vehicle Service Table)、車載器11が有料道路の料金所入口で通過した路側機50の路側機識別番号、路側機50の通過履歴情報などのデータが含まれている。VSTは、BSTに存在して車載器11に登録されている全アプリケーションの識別子と、VSTの中に含まれているLID、路側機50の通信に必要なプロファイルを含むデータなどが含まれている。これによって、MDCによる通信では、通信接続されたLIDを用いて通信相手を識別し、通信接続が許可された正当な通信相手と正しく通信を行うことが可能となる。
【0028】
路側制御部53は、路側無線部52の取得した車載器送信情報のMDCに含まれる路側機識別番号に基づいて、料金計算処理や課金処理を行う。また、路側制御部53は、路側無線部52の取得した車載器送信情報のMDCに含まれる車載器情報に基づいて、例えば車種判別を行い、不正車両の有無を判別するとともに、不正車両である場合には、例えば図示しない表示器や遮断機、監視カメラなどの外部装置に表示情報、及びその制御信号などを送って、不正車両に警告を発する処理、不正車両の通行を防ぐ処理、不正車両を撮影する処理などを行う。
【0029】
図3は、実施の形態1による路側無線装置の動作を説明するための図であり、(a)は左側隣接レーン1bにヌル領域30bを形成した状態を示す図、(b)は右側隣接レーン1cにヌル領域30cを形成した状態を示す図である。図3において、路側無線装置を構成するアンテナ装置20は、路側無線部52の通信制御により、左側隣接レーン1bと右側隣接レーン1cにおいて、それぞれ時分割にヌル領域30bとヌル領域30cが交互に形成される。
【0030】
左側隣接レーン1bにヌル領域30bが形成されると、図3(a)に示すようにアンテナ装置20の形成するアンテナビームにおいて、左側隣接レーン1b側のサイドローブが抑圧される。すなわち、アンテナ装置20は、ヌル領域30bの形成されたアンテナビームを形成する。これによって、左側隣接レーン1bにヌル領域30bが形成されている間、左側隣接レーン1bを走行中の車両10bは、アンテナ装置20との通信が遮断され、通信不可となっている。またこのとき、ETCレーン1aを走行する車両10aと、右側隣接レーン1cを走行中の車両10cは、アンテナ装置20との無線通信が行われ、通信可となっている。
【0031】
また、右側隣接レーン1cにヌル領域30cが形成されると、図3(b)に示すようにアンテナ装置20の形成するアンテナビームにおいて、右側隣接レーン1c側のサイドローブが抑圧される。すなわち、アンテナ装置20は、ヌル領域30cの形成されたアンテナビームを形成する。これによって、右側隣接レーン1cにヌル領域30cが形成されている間、右側隣接レーン1cを走行中の車両10cは、アンテナ装置20との通信が遮断され、通信不可となっている。またこのとき、ETCレーン1aを走行する車両10aと、左側隣接レーン1bを走行中の車両10bは、アンテナ装置20との無線通信が行われ、通信可となっている。
【0032】
図4は、路側装置60(アンテナ装置20及び路側無線部52)と車載器11との路車間通信における通信トランザクションの一例を示す図であり、(a)は通信トランザクションを示し、(b)はダウンリンク(路側装置60から車載器11へのデータ送信)と、アップリンク(車載器11から路側装置60へのデータ送信)のスロット配置を示し、(c)は複数の車載器11(11A、11B、11C、11D)にそれぞれ割り当てられたデータ送受信用のスロット配置例を示す図である。
【0033】
図4(a)に示すように、FCMCにおいて、路側装置60は車載器11に対してスロット制御情報及び複数個の異なるLIDを送る。ACTC(検定スロット)において、車載器11は路側装置60に対して、接続要求と、FCMCの受信情報の中から自己の選択したLIDを送信する。以降、路側装置60との通信リンクが確立している間、車載器11は当該選択したLIDを使用する。FCMC及びACTCによる車載器11と路側装置60の間の通信を複数回繰り返すことによる、ACTC検定が行われることで、車載器11と路側装置60の通信接続が確立される。
【0034】
なお、ACTC(検定スロット)では、図4(b)に示すように、LID毎に異なる通信タイミングが規定された複数個(例えば6個)のチャネル(通信ウインドウ)が設定されており、各車載器11はランダムに通信ウインドウを選択して対応するLIDを含む検定データを送信する。これによって、たとえ同じ車載器11が同時に同じ通信ウインドウを選択した場合であっても(この場合は路側装置60が同時に受信した同一のLIDを棄却する)、何度かACTC内での通信にトライすることで、異なる車載器11が異なるLIDを獲得することができるようになされている。
【0035】
その後、図4(b)、(c)に示すスロット配置によって、車載器11と路側装置60の間でMDSによる双方向通信が行われる。MDSによる双方向通信では、BST及びVSTによってAIDやLIDなどの情報が授受された後、予め決められた通信シーケンス(Action1、2)に従って、カード情報、通過した路側機の路側機識別番号、通過履歴などの料金情報を含む、具体的な通信データが送受信される。
【0036】
図5は、ACTC検定区間におけるアンテナ装置20のヌル領域の形成状態の一例を示す図であって、(a)はACTC検定が行われるスロット区間、(b)はヌル領域30bの形成状態、(c)はヌル領域30cの形成状態を示しており、ONはヌル領域が形成された状態、OFFはヌル領域が非形成の状態を示す。また、図6はACTC検定区間における、車両10a、10b、10cにそれぞれ搭載された車載器11の通信成立回数を示す図である。
【0037】
図5に示すように、例えばACTC検定区間の奇数番目のACTCスロット(図5(b))ではヌル領域30bが形成され、ACTC検定区間の偶数番目のACTCスロット(図5(c))ではヌル領域30cが形成される。すなわち、ACTC検定を順次行うに従い、通信領域30aにおける車両10aの進行方向の左右両側の隣接レーン(1b、1c)において、ヌル領域10b、10cが当該進行方向の左側隣接レーン1bもしくは右側隣接レーン1cに交互に形成されることとなる。
これによって、ACTC検定区間の連続したACTCスロットにおいて、所定回数以上の通信が成立した場合に、ETCレーン1aの構成された正当な通信領域30aを走行する車両10aであることを識別することができる。
【0038】
例えば、ACTCの1番目のスロット(或いはフレーム)では、ETCレーン1a上の車両10aからLID1が送信され、左側隣接レーン1b上の車両10bからLID2が送信され、右側隣接レーン1c上の車両10cからLID3が送信される。このとき、車両10a、車両10cの通信が成立して路側装置60にてLID1、LID3が受信され、以降ではLID1、LID3を用いた通信接続が行われる。また、左側隣接レーン1bにヌル領域30bが形成されているので、車両10bの通信は成立せず、路側装置60にてLID2は受信されない。
【0039】
次に、ACTCの2番目のスロット(或いはフレーム)では、ETCレーン1a上の車両10aから通信LID1が送信され、左側隣接レーン1b上の車両10bからLID2が送信され、右側隣接レーン1c上の車両10cから再びLID3が送信される。このとき、車両10a、車両10bの通信が成立して路側装置60にてLID1、LID2が受信される。車両10bは、以降の通信においてLID2を用いた通信接続が行われる。また、右側隣接レーン1cにヌル領域30cが形成されているので、車両10cの通信は成立せず、路側装置60にてLID3は受信されない。この時点では、図6に示すように、車両10aに対応したLID1の受信回数(通信成立回数)が2回、車両10bに対応したLID2、車両10cに対応したLID3の受信回数(通信成立回数)が各1回となる。
【0040】
次に、ACTCの3番目のスロット(或いはフレーム)では、1番目のスロットと同様、ヌル領域30bが形成されているので、車両10bの通信は成立せず、路側装置60にてLID2は受信されない。また、車両10a、車両10cの通信が成立して路側装置60にてLID1、LID3が受信される。この時点では、図6に示すように、車両10aに対応したLID1の受信回数(通信成立回数)が3回、車両10bに対応したLID2の受信回数が1回、車両10cに対応したLID3の受信回数(通信成立回数)が2回となる。
【0041】
更に、ACTC検定による通信が繰り返し行われることで、図6に示すように車両10a、車両10b、車両10cの通信成立回数が変化する。例えば、ACTCの4番目のスロット(或いはフレーム)では、車両10aの通信成立回数が4回、車両10b、車両10cの通信成立回数が2回となり、通信成立の頻度が2倍となる。この段階で、車両10b、車両10cとの通信を誤通信によるものと判断し、LID2、LID3を用いた通信接続を棄却することで、5番目のスロット(或いはフレーム)以降では、LID1を用いた通信接続のみが成立することとなる。
【0042】
このように、ACTC検定による通信を連続して所定回数以上(例えば5回以上)行うことにより、通信の成立回数が所定回数以上(例えば4回以上)となるLIDの割り当てられた車載器11との通信のみを正当な通信相手とする。また、ACTC検定による通信を連続して所定回数以上(例えば5回以上)行った際に、通信の成立回数が所定回数に満たない(例えば4回未満)となるLIDの割り当てられた車載器11との通信は、通信接続に利用されるLIDが棄却されて通信接続が切断される。
かくして、ETCレーン1aの正当な通信領域30aを通過する車両10aの車載器11との通信を成立させた上で、左側隣接レーン1b、右側隣接レーン1cを走行する車両10b、10cの車載器11との誤通信を防止することが可能となる。
【0043】
次に、アンテナ装置20がヌル領域30b、30cを形成する手順について説明する。 通常の通信用アンテナでは、メインビームとサイドローブが形成され、サイドローブによる誤通信が生じることとなる。このサイドローブのレベルを下げるには、通常電波吸収体が用いられるが、上述したように電波吸収体の使用は素材、設置工事費用を含めて費用が高く付く。
【0044】
また、アレーアンテナの振幅、位相を変えることで、サイドローブのレベル自体を下げることが可能であるが、給電回路を構成する部品個々の電気特性のばらつき誤差や線路長の誤差、インピーダンスのばらつき等により、サイドローブのレベルを正確に調整することは難しい。特に、ETC用のアンテナ装置のように比較的ビーム幅が広く、例えば20度以上の広いビーム幅を有したアンテナでは、−30dB以下の理想のサイドローブを得ることは難しい。
【0045】
一方、サイドローブを低減する別の方法として、サイドローブの振幅に等しいビームを形成するとともに当該ビームを逆位相で合成することで、本来のサイドローブ形成領域にヌルを形成することができる。このとき、左右両側のサイドローブを低減するには、アンテナ装置において、最低2つのビームを合成する必要がある。これに対し、片側のサイドローブのみにヌルを形成した場合は1つのビーム合成で済むため、両側のサイドローブにヌルを形成する場合に比して、ビーム合成の難易度が低い。
【0046】
この実施の形態1によるアンテナ装置20では、両側のサイドローブ形成領域において、片側ずつ交互にヌル点を発生させることで、サイドローブのレベルを低減している。
すなわち、図3に示すように、(a)サイドローブの発生する左側隣接レーン1bに対応する領域にヌル点(ヌル領域30b)を形成し、次に(b)サイドローブの発生する右側隣接レーン1cに対応する領域にヌル点(ヌル領域30c)を形成する。この(a)、(b)に示すように、アンテナ装置20は、スロット毎に形成されるヌル点の方向を、サイドローブ発生領域の片側ずつに交互に形成するように切替える。これにより、左右の隣接レーン1b、1c上を走行する車両10b、10cの車載器11とアンテナ装置20の間では連続して通信を行うことができないため、ACTC検定により通信が継続的に接続されない状態となり、隣接レーン上の車載器11とアンテナ装置20の誤通信を除去することができる。
【0047】
図7は、アンテナ装置20の形成するアンテナビームのパターンを例示する図であり、(a)はヌル形成前のアンテナビームパターン(原ビーム)、(b)はサイドローブ領域にヌルを形成する逆位相のビームパターン(合成波)、(c)はヌル形成前のアンテナビームパターン(原ビーム)と逆位相のビームパターン(合成波)とを、合成した後のビームパターン(合成後)を示す図である。図において、元のアンテナビーム(原ビーム)に1つの合成波のみをビーム合成することで、左側の1つ目のサイドローブを低減し、ヌル領域を形成していることがわかる。また、右側の1つ目のサイドローブについても、当該サイドローブ領域にヌルを形成する逆位相の別のビームパターン(合成波)を原ビームと合成することで、同様にしてヌル領域を形成することができる。
このようにアンテナ装置20のサイドローブを低減するヌル領域を形成することで、左側隣接レーン1b及び右側隣接レーン1c上に、アンテナ装置20から意図せずに漏れ出る電波(不要電波)を抑制することができる。
【0048】
アンテナ装置20が図7に示すようなアンテナパターンを得るには、そのアンテナ部において、原ビームと合成波が所望のヌル領域を形成する合成ビームを得るように、アンテナ素子とアンテナ給電端子とを接続する給電線路、電力分配回路などを適切に設計すれば良い。図8は、アンテナ装置20を構成するアンテナ部40の一構成例を示す図である。
【0049】
図8において、アンテナ部40は、アンテナ素子41と、(ヌル形成用)アンテナ素子42と、(ヌル形成用)アンテナ素子43と、電力分配器及び合成器45bを有した給電線路45と、スイッチ44a、44bと、アンテナ給電端子46が設けられている。アンテナ素子41とアンテナ給電端子46は、給電線路45によって接続される。アンテナ素子41は、アンテナ給電端子46を介して送受信回路部からの送信電力が給電される。また、アンテナ素子41の受信した受信電力は、アンテナ給電端子46に給電され、送受信回路部に伝送される。
【0050】
アンテナ素子42とアンテナ給電端子46とは、給電線路45及びスイッチ44aを介して接続される。同様に、アンテナ素子43とアンテナ給電端子46とは、給電線路45及びスイッチ44bを介して接続される。アンテナ素子42は、スイッチ44aが閉じている間、アンテナ給電端子46から分配された送受信回路部からの送信電力が給電される。また、アンテナ素子42の受信した受信電力は、スイッチ44aが閉じている間、アンテナ給電端子46に給電され、送受信回路部に伝送される。同様に、アンテナ素子43は、スイッチ44bが閉じている間、アンテナ給電端子46から分配された送受信回路部からの送信電力が給電される。また、アンテナ素子42の受信した受信電力は、スイッチ44bが閉じている間、アンテナ給電端子46に給電され、送受信回路部に伝送される。
スイッチ44a、44bの開閉制御は、アンテナ装置20の図示しない制御回路部によって行われ、このスイッチ開閉の切替タイミングは、路側無線部52の中央演算処理装置が制御するACTC検定時のスロット(フレーム)の開始タイミング(スロットの通信開始タイミング)または終了タイミング(スロットの通信終了タイミング)に同期するように調整される。また、FCMSのスロット制御情報に基づいて、車載無線部13がACTCのスロットの通信タイミングを調整するので、スイッチ44a、44bの切替タイミングは、車載無線部13におけるACTCのスロットの開始及び終了タイミングとも同期する。
【0051】
この際、アンテナ素子42とアンテナ素子43の電力分配比がそれぞれ同じになるように、アンテナ部の給電線路45と電力分配器及び合成器45bが構成されている。また、アンテナ素子41とアンテナ素子42もしくはアンテナ素子43との電力分配比は、所望の比率になるようにアンテナ部の給電線路45と電力分配器及び合成器45bが構成されている。この実施の形態1の図8では、アンテナ素子41の形成する左側のサイドローブが抑制されるように、アンテナ素子42はアンテナ素子41に対して逆位相のビームを形成する。同様に、アンテナ素子41の形成する右側のサイドローブが抑制されるように、アンテナ素子43はアンテナ素子41に対して逆位相のビームを形成する。このため、アンテナ素子41とアンテナ給電端子46の間の線路長及びアンテナ素子42とアンテナ給電端子46の間の線路長は、アンテナ素子41に対してアンテナ素子42が逆位相になるように調整されている。同様に、アンテナ素子41とアンテナ給電端子46の間の線路長(電気長)及びアンテナ素子43とアンテナ給電端子46の間の線路長(電気長)は、アンテナ素子41に対してアンテナ素子43が逆位相になるように調整されている。
【0052】
このように構成されたアンテナ部40では、スイッチ44aを閉じ(ONにする)、スイッチ44bを開く(OFFにする)ことによって、アンテナ素子41とアンテナ素子42の合成波(一方のアンテナビーム)を構成することができる。同様に、スイッチ44bを閉じ(ONにする)、スイッチ44aを開く(OFFにする)ことによって、アンテナ素子41とアンテナ素子43の合成波(他方のアンテナビーム)を構成することができる。このように、スイッチ44aをON、スイッチ44bをOFFとした状態と、スイッチ44aをOFF、スイッチ44bをONとした状態とを、交互に切替えることによって、アンテナ部40は右側もしくは左側のサイドローブが交互に抑制されたアンテナビームを形成することができる。すなわち、ヌル領域30aを形成する一方のアンテナビームと、ヌル領域30bを形成する他方のアンテナビームとを、交互に切替えることができる。
【0053】
なお、図8の説明ではスイッチ44a、44bを用いて、アンテナ素子42とアンテナ素子43を交互に切替えてアンテナ素子41とビーム合成する、アンテナ装置20のアンテナ部40の例を示したが、ディジタル的にマルチビームを形成し、各ビームを合成処理するように構成しても良い。
【0054】
例えば、図9は、フェーズドアレイアンテナを用いたアンテナ装置20のアンテナ部の他の構成例を示す図である。図9において、アンテナ装置20のアンテナ部70は、複数のアンテナ素子61と、重み付け器62と、給電線路63と、分配及び合成器64と、アンテナ給電端子65を備えており、フェーズドアレイアンテナを構成する。
【0055】
重み付け器62は、図示しない移相器及び電力分配器(図の例では3電力分配器)から構成される。ここで、重み付け器62によって位相及び振幅を調整することで、アンテナ素子61の励振ウェイトを調整する。この励振ウェイトを適宜設定することによって、ヌル点の方向を切替えるように制御する。例えば、重み付け器62を調整して励振ウェイトAを設定することで、ヌル領域30aを形成する一方のアンテナビームを形成する。また、重み付け器62を調整して励振ウェイトBに設定することで、ヌル領域30bを形成する他方のアンテナビームを形成する。かくして、重み付け器62を調整し、励振ウェイトAと励振ウェイトBを切替えることで、一方のアンテナビームと他方のアンテナビームとを、交互に切替えることができる。
なお、重み付け器62の調整は、アンテナ装置20の図示しない制御回路部によって行われ、励振ウェイトAと励振ウェイトBの切替タイミングは、路側無線部52の中央演算処理装置が制御するACTC検定時のスロット(フレーム)の開始タイミング(スロットの通信開始タイミング)または終了タイミング(スロットの通信終了タイミング)に同期するように調整される。
励振ウェイトの具体的な設定方法については、例えば特開平1−129508号に開示されているので、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0056】
以上説明した通り、実施の形態1による路側装置60(路側無線装置)は、車両の正規の通行路(ETCレーン1a)上に所定の通信領域30aを形成するとともに、当該車両の正規の通行路の一方の片側に隣接した一方の隣接通行路(左側隣接レーン1b)上に一方のヌル(ヌル領域30b)を形成する一方のアンテナビームと、車両の通行路上に上記所定の通信領域を形成するとともに、当該車両の通行路の他方の片側に隣接した他方の隣接通行路(右側隣接レーン1c)上に他方のヌル(ヌル領域30c)を形成する他方のアンテナビームとをそれぞれ形成し、当該一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替えるアンテナ装置20と、上記アンテナ装置20に接続されて、上記車両10aに置かれた車載器11との間で複数のスロットに時分割された通信データを送受信するとともに、当該通信データのスロットには、当該車載器から識別子(LID)の含まれた検定データが繰り返し送信される複数の検定スロット(ACTC)が設けられた路側無線部52とを備え、上記アンテナ装置20は、上記検定スロット(ACTC)の通信タイミングに同期して、上記一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替えることを特徴とする。
【0057】
また、上記路側無線部52は、上記検定スロット(ACTC)が複数連続した所定の区間内で、上記識別子の受信回数が所定回数以上であるとき、上記車載器11との通信を継続して行うようになされている。また、上記路側無線部52は、上記車両10aの通行路(ETCレーン1a)及び隣接通行路(右側または左側隣接レーン1b、1c)を走行する車両の車載器11に対して、予め車載器毎に異なる複数の識別子(LID)と各スロットの通信制御タイミングを送信するとともに、上記検定スロット(ACTC)が複数連続した所定の区間内で、当該識別子(LID)の受信回数が所定回数に満たない場合に、当該識別子(LID)に対応した車載器11との通信を継続して行わないようになされている。また、上記路側無線部52は、上記検定スロット(ACTC)が複数連続した所定の区間の終了後、上記車載器11との通信によって料金収受に係る情報の授受を行う。
【0058】
さらに、上記アンテナ装置20は、スイッチ44a、44bによって一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを切替えるようになされている。また、上記アンテナ装置20は、重み付け器62によって励振ウェイトを調整することで、一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを切替えるようになされている。
【0059】
このように構成されることで、ETCレーンを走行する車両10aの車載器11と、ETCレーン上に設置された路側装置60(路側無線装置)との通信時に、隣接レーン(右側または左側隣接レーン1b、1c)を走行する他の車両の車載器11との誤通信を防止することができる。これによって、ETCレーン1a上の周辺において、誤通信防止用の電波吸収体の使用を不要もしくは削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
11 車載器、12 ETC車載アンテナ、13 車載無線部、20 アンテナ装置、41 アンテナ素子、42,43 (ヌル形成用)アンテナ素子、44a,44b スイッチ、52 路側無線部、60 路側装置、61 アンテナ素子、62 重み付け器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の通行路上に所定の通信領域を形成するとともに、当該車両の通行路の一方の片側に隣接した一方の隣接通行路上に一方のヌルを形成する一方のアンテナビームと、車両の通行路上に上記所定の通信領域を形成するとともに、当該車両の通行路の他方の片側に隣接した他方の隣接通行路上に他方のヌルを形成する他方のアンテナビームとをそれぞれ形成し、当該一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替えるアンテナ装置と、
上記アンテナ装置に接続されて、上記車両に置かれた車載器との間で複数のスロットに時分割された通信データを送受信するとともに、当該通信データのスロットには、当該車載器から識別子の含まれた検定データが繰り返し送信される複数の検定スロットが設けられる路側無線部と、
を備え、
上記アンテナ装置は、上記検定スロットの通信タイミングに同期して、上記一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを交互に切替える、
路側無線装置。
【請求項2】
上記路側無線部は、上記検定スロットが複数連続した所定の区間内で、上記識別子の受信回数が所定回数以上である場合に、当該識別子に対応した車載器との通信を継続して行うことを特徴とした請求項1に記載の路側無線装置。
【請求項3】
上記路側無線部は、上記車両の通行路及び隣接通行路を走行する車両の車載器に対して、予め車載器毎に異なる複数の識別子と各スロットの通信タイミングを送信するとともに、上記検定スロットが複数連続した所定の区間内で、当該識別子の受信回数が所定回数に満たない場合に、当該識別子に対応した車載器との通信を継続して行わないことを特徴とした請求項1に記載の路側無線装置。
【請求項4】
上記路側無線部は、上記検定スロットが複数連続した所定の区間の終了後、上記車載器との通信によって料金収受に係る情報の授受を行うことを特徴とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の路側無線装置。
【請求項5】
上記アンテナ装置は、スイッチによって一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを切替えることを特徴とした請求項1から請求項4の何れか1項に記載の路側無線装置。
【請求項6】
上記アンテナ装置は、励振ウェイトの調整によって一方のアンテナビームと他方のアンテナビームを切替えることを特徴とした請求項1から請求項4の何れか1項に記載の路側無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−97437(P2013−97437A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237317(P2011−237317)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】