説明

車両における情報表示方法および車両用表示装置

本発明は、自動車において情報を表示する方法に関しており、ここでは自動車に固定されたディスプレイ(1)によって複数のオブジェクト(6)をグラフィックに表示する。本発明による方法の特徴は、ユーザインタフェース装置(2)によってグラフィックデータを作成し、このグラフィックデータによって上記のディスプレイ(1)を駆動制御して、上記のグラフィックオブジェクト(6)を遠近法表示される仮想のリング(5)に配置して表示し、入力装置(4)を用いた入力に応じて、上記のユーザインタフェース装置(2)の計算ユニット(3)により、前記のグラフィックデータを変更して、上記の複数のオブジェクト(6)を仮想のリング(5)上でメリーゴーラウンド状に回転させることである。さらに本発明は相応する表示装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車において情報を表示する方法に関しており、ここでは自動車に固定されたディスプレイにより、複数のオブジェクトがグラフィックに表示される。さらに本発明は、情報をグラフィックに表示する自動車に固定されたディスプレイと、ユーザインタフェース装置と、このユーザインタフェース装置に結合された入力装置とを有する自動車用の表示装置に関しており、ここで上記のユーザインタフェース装置により、ディスプレイに表示に可能なオブジェクトに対するグラフィックデータを形成することができる。
【0002】
自動車には、表示機器が対応付けられたさまざまな情報領域および通信領域がある。これらの表示機器は、ドライバおよび同乗者の情報に役立っている。さらに上記の表示機器は、ナビゲーションまたは外部世界との通信の際にドライバを支援することができる。上記の表示器は、例えば交通または動作に関連する車両のデータをビジュアルに表示することができる。ドライバの最優先の視野の近くにはいわゆるメータパネルが配置されている。ふつうこのメータパネルはコクピットにおいてハンドルの背後にあり、ハンドルの隙間からみることができる。上記のメータパネルは、例えば速度、燃料残量、ラジエタ温度および自動車の動作に関連する別の情報を表示するのに使用される。さらにラジオおよびオーディオ機能を表示することができる。最後に電話、ナビゲーション、テレマティークサービスおよびマルメディアアプリケーション用のメニューを表示することができる。ふつうディスプレイとしてさまざまに実施された液晶ディスプレイが使用される。
【0003】
DE 100 01 988 A1には、例えば、動作および/または交通に関するデータを表示するためのメータパネルが記載されている。多種多様に提供される情報をより良好に受け取れるようにするため、DE 103 03 792 A1には、3次元の要素の遠近法表示が提案されている。
【0004】
車両は、別の表示装置としてセンタコンソールにまたはセンタコンソールの上側に多機能表示器を有することが多い。このような多機能操作素子は、例えばDE 199 41 955 A1に記載されている。
【0005】
多種多様な操作および表示の選択肢をわかり易く表示するため、階層的なメニュー構造がしばしば使用される。1つのメニューにはさまざまなメニュー項目が表示され、また場合によってはこれらのメニュー項目に割り当てられたグラフィックまたはアイコンが表示される。1つのメニュー項目を選択すると、下位メニューが開き、この下位メニューはさらなる下位メニュー項目を有する。この構造は、複数の階層レベルにわたって続くことがある。さらにメニュー項目には、下位メニューの代わりに所定の表示画像を対応付けることができ、この表示画像により、上記のメニュー項目に対応付けられた情報が表示される。
【0006】
これらのようなメニュー構造が自動車に使用されると、このメニュー構造内のナビゲーションおよびディスプレイに表示された情報の受け取りは、ドライバの注意を酷使してしまい、このドライバが自動車を同時に安全に運転することはもはや不可能になってしまうという問題が発生する。このため、表示装置を介して情報が表示される自動車の装置をドライバが操作しようとする場合、このドライバは、走行の前にこれを行うか、または操作のために走行を中断すべきである。しかしながら操作に対するこのような障害は望ましくない。このような障害によってしばしば、安全に対するリスクになり得る注意の散漫に結び付くのにかかわらず、ドライバが運転中に車両の装置を操作してしまうことになるのである。
【0007】
したがって望ましいのは、自動車において情報をつぎのように表示することである。すなわち、ドライバが情報を迅速かつ直観的に受け取れることにより、表示される情報の把握が運転中のドライバの注意の散漫に結び付かないように表示することである。さらに上記の操作を直観的、簡単かつ迅速に実行できるようにして、表示装置によって情報が表示される車両の装置をドライバが運転中であっても操作でき、また場合によっては複雑な階層構造が表示装置によって表示される場合であっても操作できるようにする。これによって自動車における情報表示および情報表示に関連する操作は、この自動車の運転する際の安全に貢献するのである。
【0008】
本発明の課題は、冒頭の述べた形式の方法および装置を提供して、表示される情報をできるかぎり迅速かつ直観的に捉えることができるようにし、また情報が表示される車両装置を迅速、直観的かつ簡単に操作できるようにすることである。
【0009】
上記の課題は、本発明により、請求項1の特徴部分に記載した特徴的構成を有する方法および請求項19の特徴部分に記載した特徴的構成を有する表示装置によって解決される。有利な実施形態および発展形態は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明による方法の特徴は、ユーザインタフェース装置によってグラフィックデータを作成し、このグラフィックデータによって上記のディスプレイを駆動制御して、上記のグラフィックオブジェクトを、遠近法表示される仮想のリングに配置して表示し、入力装置を用いた入力に応じて、上記のユーザインタフェース装置の計算ユニットにより、上記のグラフィックデータを変更して、上記のオブジェクトを仮想のリング上でメリーゴーラウンド状に回転させることである。上記の仮想のリングは、例えば、遠近法的に3次元的に斜め上から見たように表示されるため、仮想のリングの前景部分におけるオブジェクトだけが見えるのではなく、この仮想のリングの背景側における複数のオブジェクトも見えるのである。
【0011】
本発明において「回転する」という用語は、上記の仮想のリングが回転することと理解されたい。上記の3次元の仮想のリングはディスプレイにおいて2次元の遠近法表示で表示されるため、オブジェクトは実際にはディスプレイにおいてその位置がずれるのである。
【0012】
仮想のリングにオブジェクトを表示することの利点は、多くのオブジェクトがグラフィックに表示される場合であっても、観察者は極めて簡単かつ迅速に様子がわかり、ひいては走行中にドライバがディスプレイに表示された情報を受け取り、また場合によっては上記のオブジェクトに対応付けられた車両装置を操作する場合であっても、車両の安全性が損なわれないことである。
【0013】
本発明の方法の有利な発展形態によれば、上記の入力装置によってディスプレイに直線が入力される。上記のオブジェクトを回転する角度は、この場合つぎのように計算される。すなわち、
αDrehung=S/B・360°
であり、
ここで
αDrehungは、度で示した総回転角であり、
Sは、上記の入力装置によって定めた線の長さであり、
Bは、ディスプレイの幅である。
【0014】
有利には、上記の入力装置を用いて定めた線のうち、ディスプレイの幅に平行になった水平成分の長さだけを上記のパラメタSに使用する。したがって上記の入力装置を介して入力されたディスプレイ上の線のうち、水平線への投影だけが総回転角の計算に使用されるのである。
【0015】
本発明による方法において、上記の仮想のリングにおいてオブジェクトをどのようにメリーゴーラウンド状に回転するかが殊に重要である。すなわち、オブジェクトがメリーゴーラウンド状に回転した場合であっても、観察者が仮想のリングに表示されたオブジェクトをいかに良好かつ迅速に把握できるかは、この回転の表示に依存しているのである。ここで判明したのは、自動車以外でオブジェクトをさまざまにグラフィック表示する際に使用される多くのアニメーション技法は、自動車における使用に適さないことである。それは、自動車において観察者は、ディスプレイを短く瞬間的にしか見ないからである。したがってグラフィックに表示されるオブジェクトの位置変化の時間的な経過は、車両を運転する際の安全に極めて重要である。
【0016】
本発明による方法では、回転を表示するための連続する中間画像用のグラフィックデータを計算する際に、連続する回転角αをつぎの計算ステップ、すなわち、
(i) n=t/d−1;
(ii) α=b+αDrenhung・(1−n4
によって計算し、
ここで、
tは、上記の形成したグラフィックデータをディスプレイに表示するシステム時間であり、ただし回転のはじめはt=0であり、
dは、総回転の持続時間であり、
bは、上記の仮想のリングにおけるグラフィックオブジェクトの初期角度であり、
αDrehungは、総回転角であり、
上記のステップ(i)および(ii)は、tがdよりも大きくなるまで繰り返される。
【0017】
さらに総回転の持続時間、すなわち、オブジェクトの初期角度からユーザが入力装置を介して定めた終了角度までの時間は、表示される情報の把握の可否に対して極めて重要である。本発明による方法では、総回転の持続時間は、2秒〜3秒の範囲であり、殊に2.4秒〜2.6秒の範囲である。殊に好適には上記の総回転の持続時間は2.5秒である。
【0018】
本発明による方法の有利な1発展形態では、上記の自動車の速度を測定し、上記の総回転の持続時間をこの自動車の速度に依存して求める。ここで有利には上記の総回転の持続時間は、自動車の速度が高ければ高いほど長くなる。すなわち速度が比較的高い場合、ドライバはその視線を比較的短い時間区間だけしかディスプレイに向けられないのである。さらにドライバがその視線をディスプレイに向ける時間区間の間隔は長くなる。それは速度が比較的高い場合、ドライバはその注意をより強く走行イベントに向けなければならないからである。したがって平面的なオブジェクトの回転持続時間と、自動車の速度とを結びつけることによって保証されるのは、比較的速度が高い場合に情報表示においてドライバが位置感覚を保ち続け、これによって情報内容を簡単、迅速かつ直観的に把握できることである。
【0019】
本発明による方法の有利な発展形態では、上記の入力装置を用いてオブジェクトを起動することができる。この際、この起動後、別の複数のオブジェクトはグラフィックに背景に移動する。殊に上記のディスプレイに表示される任意のオブジェクトは、上記の入力装置を用いて起動することができる。このため、このオブジェクトを起動するために、まず入力装置を用いてこのオブジェクトを前方へ回す必要はないのである。1つのオブジェクトを起動した後、有利には上記の仮想のリングないしはこのリングに表示される複数のオブジェクトをフェードアウトして、上記の起動されたオブジェクトだけを表示する。上記の仮想のリングないしはこれに表示されるオブジェクトをフェードアウトして、起動されるオブジェクトだけを表示する際には、例えば、この起動されるオブジェクトは、リングの別の複数のオブジェクトを押し退けて大きくなり、この起動されるオブジェクトだけが表示される。
【0020】
さらに上記の起動されたオブジェクトだけが表示されている表示状態において、入力を行って上記の複数のオブジェクトをメリーゴーラウンド状に回転させると、最後に起動したオブジェクトは、別の複数のグラフィックオブジェクト内でメリーゴーラウンド状の表示に移行し、これらのオブジェクトは仮想のリングにおいて1ポジションだけメリーゴーラウンド状に回転し、仮想のリングは再度フェードアウトされ、最終的につぎのオブジェクトだけが表示される。上記の複数のオブジェクトを再生する際の表示を変化させることにより、観察者は、表示される複数のオブジェクトの構造内で自分の位置を一層容易に確認することができる。ここでこの位置確認は、観察者が、上記の変化する表示をそれぞれ短い時間区間だけしか見ない場合であっても可能であり、このような状況は、ドライバが情報表示を受け取る場合に自動車においてはしばしば起こるケースである。
【0021】
本発明による方法のさらに別の発展形態によれば、上記の仮想のリングにおいて複数のオブジェクトをメリーゴーラウンド状に移動した後、所定の時間区間の経過後に前面に表示されたオブジェクトを自動的に起動する。したがってユーザは、起動すべきオブジェクトを前面に回転するだけでよい。起動のさらなる操作ステップは省略することができるため、ユーザはオブジェクトを回転した後、その視線をディスプレイから転じることができ、また上記の入力装置をさらに操作する必要がない。このことは殊に自動車における使用の際に有利である。それは、ディスプレイを見て入力装置を操作するドライバの注意の散漫が最小限に低減されるからである。
【0022】
上記のオブジェクトとは、例えばグラフィックのウィンドウであり、このウィンドウにはユーザインタフェース装置の制御素子および/または情報が表示される。
【0023】
本発明による方法の有利な実施形態では、上記の入力はディスプレイに触れることよって行われる。別の実施形態によれば、上記の入力は、ディスプレイの前で行われるユーザの身体部分のジェスチャによって行われる。このジェスチャは、上記の入力装置または後置接続される別の装置によって検出されて評価される。上記のユーザの身体部分のジェスチャは、例えば、身体部分と受信装置との間の容量式結合によって検出することができる。さらにユーザの身体部分のジェスチャを、赤外線ビームの放射と、ユーザの身体部分におけるこの赤外線ビームの反射とによって検出することができる。
【0024】
有利には上記の複数のオブジェクトの少なくとも一部は、ドライバ支援システムの複数の情報を表示する。これらの情報には、ドライバができるだけ迅速に把握すべき警告指示なども含まれる。この際に可能であるのは、例えば、警告指示を含むオブジェクトを仮想のリングにおいて前方へ回転し、つぎに拡大してディスプレイに表示することである。
【0025】
本発明による表示装置の特徴は、ユーザインタフェース装置によってグラフィックデータが作成可能であり、このグラフィックデータによって上記のディスプレイが駆動制御されて、複数のオブジェクトが、遠近法表示される仮想のリングに配置されて表示され、また上記のユーザインタフェース装置には計算ユニットが含まれており、この計算ユニットにより、上記の入力装置を用いた入力に依存して、上記のグラフィックデータが変更されて、上記のオブジェクトが仮想のリング上でメリーゴーラウンド状に回転させられることである。
【0026】
ユーザによる操作に対し、上記の入力装置を用いてディスプレイ上の線を検出することができる。上記の計算ユニットにより、上で説明したように線の長さから角度を計算することができ、この角度分だけオブジェクトが回転させられる。上記の回転を表示するための連続する回転角αに対する、連続する中間画像用のグラフィックデータも上で説明したように計算ユニットによって計算することができる。ここで総回転の持続時間は、2秒〜3秒の範囲であり、殊に2.4秒〜2.6秒の範囲であり、また殊に有利には2.5秒である。
【0027】
本発明による表示装置の有利な発展形態によれば、表示装置には、自動車の速度に対するデータを受信するためのインタフェースが含まれている。この場合、上記の計算ユニットを用い、この速度データに依存して総回転の持続時間が求めることができる。
【0028】
上記の入力装置は、ディスプレイの接触感応式表面とすることが可能である。上記の入力装置は有利には、ディスプレイの前で行われるユーザの身体部分のジェスチャを検出して評価する装置である。このために上記の入力装置には、例えば受信装置が含まれており、身体部分がこの受信装置の近くにある場合、ユーザの身体部分から受信装置に信号が容量式に伝送可能である。この容量式結合を用いて身体部分の位置を検出することができる。この位置の時間変化から、ユーザのジェスチャを推定することができる。
【0029】
さらに別の実施形態によれば、上記の入力装置は、赤外線光源または反射された赤外線光に対する受信器を含むことができ、これによってユーザの身体部分のジェスチャが検出される。この場合にも身体部分の位置およびその時間変化が検出されてジェスチャとして解釈される。
【0030】
さらに近接センサを設けることができ、この近接センサにより、ユーザの身体部分の接近によるユーザの操作の意志が検出される。
【0031】
本発明による表示装置の有利な実施形態によれば、上記のユーザインタフェース装置は、少なくとも1つのドライバ支援システムに結合される。この場合、上記のグラフィックデータはユーザインタフェース装置によって形成されて、複数のオブジェクトの少なくとも一部分により、上記のドライバ支援システムの情報が表示可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による表示装置の実施例およびこの表示装置と自動車の電子装置との結合を示す図である。
【図2】本発明の方法によって形成した車両における情報表示を示す図である。
【図3】本発明の方法によって形成しかつ起動されたオブジェクトの情報表示を示す図である。
【図4】本発明の方法によって形成した別のオブジェクトの情報表示を示す図である。
【図5】仮想のリングにおいて回転させる際のオブジェクトの回転角の時間経過を示す線図である。
【0033】
以下では図面を参照して実施例に基づき、本発明を説明する。
【0034】
表示装置には、情報をグラフィックに表示するためのディスプレイ1が含まれている。ディスプレイ1はマトリクスディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD liquid crystal display)、殊にTFT(thin-film-transistor)技術のカラーディスプレイとすることが可能である。さらに上記のディスプレイは、いわゆるねじれネマチック液晶ディスプレイ、(TN-LCD twisted nematic liquid crystal diplay)、STN(super twisted nematic)ディスプレイ、2層STN、強誘電性液晶(FLC ferroelectric liquid crystal)ディスプレイまた表面安定化強誘電性液晶(SSFLC surface stabilized ferroelectric liquid crystal)とすることが可能である。ディスプレイ7には(図示しない)背面照明が割り当てられており、この背面照明は、1つのまたは複数の発光ダイオードによって用意することができる。ディスプレイ1は自由にプログラミング可能である。すなわちディスプレイ1に表示される任意のグラフィックデータを形成することができる。
【0035】
ディスプレイ1は、例えば、少なくともドライバによく見える車両の領域に固定される。上記の車両の装置の操作部がディスプレイの装置に直接結合されており、ユーザが入力を行うために、例えばその手またはその指を少なくともディスプレイ1の近くに持って行かなければならない場合、ディスプレイ1は、この車両のドライバがその手またはその指でこれに簡単に到達できるように配置される。例えばディスプレイ1は車両のセンタコンソールに収容することができる。
【0036】
ディスプレイ1は、ユーザインタフェース装置2に接続されており、このユーザインタフェース装置を用いて、ディスプレイ1に表示可能なグラフィックオブジェクトに対するグラフィックデータを形成することができる。さらにユーザインタフェース装置2は入力装置4に接続されており、この入力装置を介してユーザは、情報がディスプレイ1に表示される車両の装置を制御することができる。
【0037】
入力装置4は、例えば、ユーザの身体部分のジェスチャを検出して評価する装置とすることができる。例えば、ユーザの手は、ディスプレイ1の前でジェスチャをすることができる。ここではディスプレイ1の前の所定の所在領域における手の3次元位置が検出され、この際にディスプレイ1に触れる必要はない。上記の許容される所在領域は、自動車におけるディスプレイ1の配置構成に依存する。上記の領域は、この所在領域におけるユーザの手の所在と、入力装置4の操作とが一義的に関係付けることができるように選択する。上記の所在領域の境界は、例えば、ディスプレイ1の前の40cm〜10cmに位置することが可能である。ユーザの手が上記の閾値よりもディスプレイ1に接近して移動すると、このことは入力装置4または別個の近接センサによって識別され、この接近は、操作しようとする意志として解釈される。このことは、例えば、ディスプレイ1によって表示されるオブジェクトが異なって表示されることに結び付き得る。入力装置4は、上記の所在領域におけるユーザの手の位置および運動を検出する。ここでは手によって行われるさまざまなジェスチャが識別され、入力として解釈される。
【0038】
入力装置4は、例えば、赤外線源と、手で反射した赤外線光を検出する赤外線受信器とを含むことができる。このような入力装置の詳細についてはDE 100 58 244 C2に記載されており、その関係する開示内容は本発明の明細書に含まれるものとする。上記の表示装置に関連して使用可能な別の入力装置は、刊行物DE 103 05 341 A1およびDE 10 2004 048 956 A1に記載されている。
【0039】
さらに光学系を用いて手の位置およびその時間変化を検出することも可能である。この光学系では発光ダイオードにより、例えば矩形の振幅変調光が放射される。この光は、検出すべき対象物、すなわち手で反射し、反射の後、フォトダイオードに到達する。別の発光ダイオードも同様に矩形の振幅変調光をフォトダイオードに向けて放射するが、これは180°だけ位相がずれている。上記のフォトダイオードにおいて2つの光信号が重なり合い、精確に同じ振幅を有する場合は互いに打ち消し合う。上記のフォトダイオードにおいて2つの信号が互い打ち消し合わない場合、第2のダイオードの光放射が制御ループを介して制御されて、全体信号が再びゼロになるように補われる。上記の対象物の位置が変化すると光成分も変化し、この光成分は、対象物における反射を介して第1の発光ダイオードからフォトダイオードに到達する。これにより、第2発光ダイオードの強度が上記の制御ループによって追従制御される。したがって上記の制御信号は、第1のダイオードから放射される光の、対象物における反射に対する尺度である。これによって上記の制御信号から、対象物の位置を特徴付ける信号を導き出すことができる。
【0040】
さらに上記の入力装置は、ディスプレイ1に設けられる接触感応式シートとすることができる。このシートにより、シートの後ろに配置されたディスプレイ1の接触の位置を検出することができる。上記のシートは、例えば、抵抗式タッチシート、容量式タッチシートまたは圧電式シートとして構成することが可能である。さらに、例えばユーザの指から出る熱流が測定されるように上記のシートを構成することができる。シートの接触の時間的な展開からさまざまな入力を得ることができる。例えば、最も簡単なケースでは所定の位置におけるシートの接触と、ディスプレイ1に表示されるグラフィックオブジェクトとを対応付けることが可能である。さらにシート上での指のすべり運動を解釈することができる。例えば、ユーザはこれによってディスプレイ1上で線を定めることができる。ここでこれはユーザが1点においてシートに接触し、別の点に向かってシート上で滑らし、この別の点において指をシートから離すことによって行われる。
【0041】
最後に入力装置として、離れた操作素子を使用することができる。上記の離れた操作素子は、例えば、機械式の操作素子のことである。例えば、回転式スイッチを設けることができ、このスイッチによってディスプレイに表示されたオブジェクトを駆動制御することができ、また回転式スイッチを押すことによって選択することができる。さらにこの回転式スイッチにより、後で説明するように回転角を直接入力することも可能である。付加的には上記の回転式スイッチの周りに別のプッシュスイッチを配置することができる。ここで、プッシュスイッチに対応付けられている、ディスプレイにおける表示フィールドの配置は、少なくとも概略的にプッシュスイッチの配置に相応する。本発明による情報システムは、例えば、EP 1 212 208 B1に記載されているような多機能操作装置を含むことができる。
【0042】
ユーザインタフェース装置2はさらにシステムクロック8および車両バス7に結合されている。ユーザインタフェース装置2は車両バス7を介してこの車両のドライバ支援システムに接続されている。ユーザインタフェース装置2は、車両バス7を介して上記のドライバ支援システムのデータを受け取り、これらのデータを処理して、これらのデータがドライバまたは車両搭乗者にディスプレイ1を介してグラフィックに表示されるようにする。このためにユーザインタフェース装置2は、ディスプレイ1に表示可能なオブジェクトに対するグラフィックデータを形成し、これらのグラフィックデータによって、例えば、ドライバ支援システムの情報がグラフィックに表示される。さらにユーザインタフェース装置2は、車両バス7を介してこの車両のさまざまな情報装置、通信装置および娯楽装置に接続されている。車両のこれらの装置の多種多様な情報は、ユーザインタフェース装置2において処理されて、グラフィック表示のためにグラフィックデータに変換される。ディスプレイにおけるグラフィック表示のアニメーション化のため、上記のユーザインタフェース装置には計算ユニット3が含まれており、この計算ユニットは、中間画像を形成するためにシステムクロック8を利用する。
【0043】
以下では、ディスプレイ1における車両の情報表示を詳しく説明する。
【0044】
ユーザインタフェース装置2によってディスプレイ1用に形成されるグラフィックデータは階層構造を有する。この階層構造の出発点は、図2に示したディスプレイ1の図である。これが第1の、階層的に最も高いレベルである。ここでは複数のオブジェクトが、遠近法表示された仮想のリング5に配置されて表示されている。この遠近法表示では、あたかも観察者が斜め上からリング5を見ているように上記の仮想のリング5が表示される。ここでは1つのオブジェクト6が、遠近法表示の前面に最も大きく表示される。後ろに向かって、前にあるオブジェクト6によって一部が隠された別の複数のオブジェクト6が表示される。これらのオブジェクト6には車両の1つまたは複数の装置が対応付けられている。ここで図2に示した仮想のリング5の配置構成において、上記のオブジェクトは、対応付けられた車両装置についての1つの指示だけを示すか、または付加的にすでにこの装置の情報内容を示す。
【0045】
図2に示した図では、前面に表示されたオブジェクト6は、車内の空調制御に関するものである。このオブジェクト6の右横後ろのオブジェクトは、この車両の音楽再生装置に対応付けられており、また空調制御に対応付けられたオブジェクト6の左横のオブジェクトは、この車両のナビゲーションシステムに対応付けられている。さらに後ろに配置されたオブジェクトは、表示装置それ自体の調整設定に関するものである。
【0046】
遠近法表示された仮想のリング5の下側には、ユーザインタフェース装置2によって形成されたディスプレイ1用のグラフィックデータを制御するボタンが配置されている。第1のボタン9を用いれば、ユーザはいずれの表示状態においても出発状態に戻ることができ、この出発状態では遠近法表示される仮想のリング5にオブジェクト6が配置されて表示される。ボタン10および11を用いれば、後で詳しく説明するように、仮想のリング5におけるオブジェクトを1ポジションだけメリーゴーラウンド状に時計回りないしは反時計回りに回転させることができる。ボタン12および13を用いれば、オブジェクト6内の機能を操作することができ、ボタン14を用いれば、ユーザは、例えば、グラフィック用の調整設定メニューに到達することができる。
【0047】
図2に示したディスプレイ1の図から出発すると、入力装置4を用いて仮想のリング5に表示される任意のオブジェクト6を選択して起動することができる。入力装置が接触感応式シートを含む場合、ユーザは、例えばその指で、起動すべきオブジェクト6に触れることができる。入力装置4が、例えばディスプレイ1の前のユーザの指または手の位置を検出した場合、起動すべきオブジェクト6が表示されているディスプレイ1の位置にユーザがその指を近づけるだけで十分である。入力装置4によってオブジェクト6が起動された場合、仮想のリング5は、そこにあるオブジェクト6と共に流れるようにフェードアウトしていき、起動されたオブジェクト6だけが表示される。仮想のリング5とこれに配置されたオブジェクト6とをフェードアウトして、起動されるオブジェクト6だけが表示されるようになるまで、この起動されるオブジェクト6は、リングの別の複数のオブジェクト6を押し退けて連続して大きくなり、この起動されるオブジェクト6だけが表示される。グラフィックデータに対するこの流れるような経過は、ユーザインタフェース装置2によって計算される。中間画像を形成する際にユーザインタフェース装置2がシステムクロック8を利用して保証するのは、アニメーションが滑らかに、がたがたした動きなしに再生されるようにすることである。
【0048】
図3には、空調制御に対応付けられたオブジェクト6を起動する際に表示されるディスプレイ1の図が例示されている。この場合、図2に示された空調制御用のオブジェクト6の図が拡大して表示される。ボタン9〜14は含まれたままである。図3に示した図から出発してユーザがボタン9を操作すると、空調制御用のオブジェクト6の表示は連続して縮小し、仮想のリング5の別の複数のオブジェクト6が元のように浮かび上がって、図2に示した図が表示される。
【0049】
これに対してボタン10ないしは11を操作すると、空調制御用のオブジェクト6が同様に縮小され、仮想のリング5の別の複数のオブジェクト6が再び図2に示したように表示される。しかしながらこれに続いて仮想のリング5がメリーゴーラウンド状に時計回りないしは反時計回りにつぎの位置まで回転し、これによって前面にあるつぎのオブジェクト6が、自動的に起動され、流れるように別のオブジェクト6を押し退けるように拡大して表示され、上記のつぎのオブジェクト6だけが表示される。
【0050】
図4にはグラフィックそれ自体の調整設定に対応付けられたオブジェクト6が示されている。このオブジェクト6を起動した際には入力装置4を用いて、グラフィック再生に対するさまざまな調整設定を行うことができる。
【0051】
階層構造に組織化された情報の集合を表示する上記の方法では、ディスプレイ1における2つの静止した表示の間の移行が殊に重要である。すなわち上記の表示装置は自動車に収容されるため、殊に重要であるのは、例えば、この自動車のドライバが、ディスプレイ1に表示される情報を迅速、簡単かつ直観的に把握することができ、しかもドライバが短い時間区間だけ視線をディスプレイ1に向けただけであってもこれが行えるようにすることである。この際に観察者がいつでも上記の階層構造内で自分の位置を良好に確かめられることが殊に重要である。判明したのは、表示画像を急峻に変えることはこれに不利なことである。殊に、2つの静止した表示の間の流れるような経過により、上記の構造における位置の確認ならびに情報内容の把握が軽減されることがわかった。ここで上記の流れるような経過において、2つの静止した表示の間の移行をわかりやすくする中間画像が表示される。
【0052】
さらに上記の中間画像により、どのように2つの静止した表示の間の経過を視覚化するかが殊に重要である。ここでわかったのは、一つの静止した表示からつぎの静止した表示への直線的な移行は、自動車への応用において適当でないことである。むしろオブジェクト6の少なくとも一部分が減速される運動を視覚化する中間画像が有利である。また上記の減速の選択に対するパラメタおよび移行の持続時間も車両における応用に適合させるべきであり、コンピュータ分野から公知の慣用のアニメーションはほとんど使用できないのである。
【0053】
以下で詳しく説明するのは、ユーザが入力装置4を用いてどのように仮想のリング5に配置されたオブジェクト6をこの仮想のリング5においてメリーゴーラウンド状に回転できるかである。
【0054】
回転の出発点は、図2に示した仮想のリング5におけるオブジェクト6の配置である。ユーザはまず入力装置4を介してリング5においてオブジェクト6を回転しようとする総回転角αDrehungを設定する。このためにユーザは、例えば入力装置4を用いてディスプレイ1に線を入力する。入力装置4が接触感応式シートを含む場合、ユーザはその指でシート上を動かして上記の線を設定することができる。入力装置4が、ディスプレイ1の前でのユーザのジェスチャないしはその手またはその指の運動を検出できる場合、これによって上記の線の入力が行われる。上記の線がディスプレイ1の幅の方向を向いておらず、斜めに延びている場合、有利には、ディスプレイ1の幅に対して平行になった、上記の入力した線の水平成分の長さだけを使用する。ディスプレイの全体幅に対する上記の線の水平成分の長さの比から、総回転角αDrehungを計算し、ここで完全な1回転は、長さがディスプレイ1の幅に等しい線に相当する。したがって総回転角αDrehungはつぎのように計算される。すなわち、
αDrehung = S/B・360°
であり、ここで総回転角αDrehungは度で示され、Sは、上記の入力装置によって定められた線の長さまたはその水平成分であり、またBはディスプレイの幅である。
ここで回転角αは、仮想のリング5を基準にしたものである。実際にはオブジェクト6は、ディスプレイ1における遠近法表示においてディスプレイ1の面内においてだけ移動する。このたん、回転角αは、グラフィックデータを形成する際にユーザインタフェース装置2によって相応に変換されるのである。
【0055】
入力装置4が、ロータリエンコーダを有する離れた操作素子である場合、このロータリエンコーダの回転角を介して上記の総回転数を入力することも可能である。
【0056】
上記の総回転角αDrehungが入力装置4を用いてユーザによって入力された後、ユーザインタフェース装置2の計算ユニット3により、連続した中間画像に対するグラフィックデータを含むアニメーションが形成される。ここでこれらの中間画像は、オブジェクト6に対する連続した回転角αを表す。複数のオブジェクトの初期角度を有する出発状態から、これらのオブジェクトが総角度αDrehungだけ回転した終了状態への移行は、減速された運動によって行われ、この運動はつぎの計算ステップによって計算される。すなわち、
(i) n=t/d−1;
(ii) α=b+αDrenhung・(1−n4
である。
【0057】
ここでtはシステム時間であり、これは計算ユニット3によってシステムタイマ8から呼び出したものである。回転の始めにこのシステム時間はゼロに等しい。回転の終了状態においてシステム時間tは、総回転の持続時間dに相当する。ここで上記のステップ(i)および(ii)は、システム時間tが総回転の持続時間dよりも長くなるまで繰り返される。
【0058】
上で説明した方法を車両に応用するのに殊に重要であるのは、総回転の持続時間の選択である。総回転の持続時間dは、2秒〜3秒の範囲であり、殊に2.4秒〜2.6秒の範囲である。殊に好適には上記の総回転の持続時間dは2.5秒である。図5には、オブジェクト6が2.5秒間に30°の総回転角αDrehungだけ回転した場合に、中間画像に対する回転角αの時間経過が示されている。回転速度が最初のうち比較的速く、その後減速されることがわかる。
【0059】
さらにこの実施例では、総回転角αDrehungは、仮想のリング5におけるオブジェクト6のメリーゴーラウンド状の回転に相当する回転角に適合され、ここでは終了状態において1つのオブジェクト6が図2に示したように前面に現れる。したがって入力装置4を介してユーザによって入力された回転角は、この離散的な回転角に切り上げられるか切り捨てられる。
【0060】
入力装置4を用いてユーザにより、オブジェクトが前面に回転されると、このオブジェクト6は、所定の時間区間が経過した後、自動的に起動される。したがってこのオブジェクト6は、上記の時間区間が経過した後、拡大され、同時に別の複数のオブジェクト6を有する仮想のリング5は消えて上記の起動されたオブジェクト6だけが表示される。
【0061】
上記の実施例の1発展形態によれば、ユーザインタフェース装置2に、ひいては計算ユニット3に、車両バス7を介してこの自動車の速度測定器のデータが伝送される。これらのデータは計算ユニット3によって使用されて、回転の持続時間が求められる。ここで上記の総回転の持続時間は、自動車の速度が高ければ高いほど長い。
【符号の説明】
【0062】
1 ディスプレイ、 2 ユーザインタフェース装置、 3 計算ユニット、 4 入力装置、 5 仮想のリング、 6 グラフィックオブジェクト、 7 車両バス、 8 システムタイマ、 9〜14 オブジェクト6のボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に固定されたディスプレイ(1)を用いて複数のオブジェクト(6)をグラフィックに表示する、自動車における情報の表示方法において、
− ユーザインタフェース装置(2)によってグラフィックデータを作成し、
該グラフィックデータによって前記のディスプレイ(1)を駆動制御して、前記のグラフィックオブジェクト(6)を遠近法表示される仮想のリング(5)に配置して表示し、
− 入力装置(4)を用いた入力に応じて、前記のユーザインタフェース装置(2)の計算ユニット(3)により、前記のグラフィックデータを変更して、前記のオブジェクト(6)を仮想のリング(5)にてメリーゴーラウンド状に回転させることを特徴とする、
自動車における情報の表示方法。
【請求項2】
前記の入力装置(4)を用いてディスプレイ(1)に直線を入力し、
前記のオブジェクト(6)を回転する角度を
αDrehung=S/B・360°
で計算し、
ここで
αDrehungは度で示した総回転角であり、
Sは、前記の入力装置(4)を用いて定めた線の長さであり、
Bは、ディスプレイ(1)の幅である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の入力装置(4)を用いて定めた線のうち、ディスプレイ(1)の幅に平行になった水平成分の長さだけを前記のパラメタSに使用する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の回転を表示するための連続する中間画像用にグラフィックデータを計算する際に、連続する回転角αをつぎの計算ステップ、すなわち、
(i) n=t/d−1;
(ii) α=b+αDrenhung・(1−n4
によって計算し、
ここで、
tは、前記の形成したグラフィックデータをディスプレイ(1)に表示するシステム時間であり、ただし回転のはじめはt=0であり、
dは、総回転の持続時間であり、
bは、前記の仮想のリング(5)におけるグラフィックオブジェクト(6)の初期角度であり、
αDrehungは、総回転角であり、
前記のステップ(i)および(ii)をtがdよりも大きくなるまで繰り返す、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記の総回転の持続時間は、2秒〜3秒の範囲である、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記の総回転の持続時間は、2.4秒〜2.6秒の範囲である、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記の総回転の持続時間は2.5秒である、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記の自動車の速度を測定し、
前記の総回転の持続時間を当該の自動車の速度に依存して求める、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
グラフィックオブジェクト(6)を前記の入力装置(4)を用いて起動することができ、
当該の起動の後、別の複数のオブジェクトをグラフィックに背景に移動する、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
グラフィックオブジェクト(6)を起動する際に前記の仮想のリング(5)をフェードアウトし、
前記の起動されたグラフィックオブジェクト(6)だけを表示する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記の仮想のリング(5)をフェードアウトし、起動されたグラフィックオブジェクト(6)だけを表示する際に、リング(5)の別の複数のグラフィックオブジェクト(6)を押し除けて当該の起動されたグラフィックオブジェクト(6)を拡大し、起動されたグラフィックオブジェクトだけをグラフィックに表示する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の起動されたグラフィックオブジェクト(6)だけを表示している表示状態にて、入力を行って前記のオブジェクト(6)をメリーゴーラウンド状に回転させる場合、最後に起動したグラフィックオブジェクト(6)を別の複数のグラフィックオブジェクト(6)内でメリーゴーラウンド状の表示に移行させ、
当該の複数のグラフィックオブジェクト(6)を仮想のリング(5)にて1ポジションだけメリーゴーラウンド状に回転させ、
仮想のリング(5)を再度フェードアウトし、
最終的につぎのグラフィックオブジェクト(6)だけを表示する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記のグラフィックオブジェクト(6)を仮想のリング(5)にてメリーゴーラウンド状に回転した後、時間区間が経過した後、前面に表示したグラフィックオブジェクト(6)を自動的に起動する、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記のディスプレイ(1)をタッチすることによって前記の入力を行う、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記の入力をユーザの身体部分のジェスチャによって行い、
ここで当該ジェスチャは前記のディスプレイ(1)の前で行われ、
当該のジェスチャを前記の入力装置(4)によって検出して評価する、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記のユーザの身体部分のジェスチャを、身体部分と入力装置との間の容量式結合によって検出する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記のユーザの身体部分のジェスチャを、赤外線ビームの放射と、ユーザの身体部分における当該赤外線ビームの反射とによって検出する、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記の複数のグラフィックオブジェクト(6)の少なくとも一部は、ドライバ支援システムの情報である、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
自動車用の表示装置であって、
該表示装置は、
− 前記の自動車に固定されておりかつ情報をグラフィック表示するディスプレイ(1)と、
− 前記のディスプレイ(1)に表示可能なグラフィックオブジェクト(6)用のグラフィックデータを作製可能なユーザインタフェース装置(2)と、
− 当該のユーザインタフェース装置(2)に結合された入力装置(4)とを有する、自動車用の表示装置において、
− ユーザインタフェース装置(2)によってグラフィックデータが作成可能であり、
該グラフィックデータによって前記のディスプレイ(1)が駆動制御されて、複数のグラフィックオブジェクト(6)が、遠近法表示される仮想のリング(5)に配置されて表示され、
− 前記のユーザインタフェース装置(2)には計算ユニット(3)が含まれており、
該計算ユニットにより、前記の入力装置(4)を用いた入力に依存して前記のグラフィックデータが変更されて、前記のグラフィックオブジェクト(6)が仮想のリング(5)上でメリーゴーラウンド状に回転させられることを特徴とする、
自動車用の表示装置。
【請求項20】
前記の入力装置(4)を用いてディスプレイ(1)の直線を検出することができ、
前記の計算ユニット(3)によって、グラフィックオブジェクト(6)を回転する角度が
αDrehung =S/B・360°
で計算され、
ここで、
αDrehungは、度で示した総回転角度であり、
Sは、前記の入力装置(4)を用いて定めた直線の長さであり、
Bはディスプレイ(1)の幅である、
請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記の回転を表示するための連続する回転角αに対する、連続する中間画像用のグラフィックデータは、前記の計算ユニット(3)により、つぎの計算ステップ、すなわち
(i)n=t/d−1;
(ii)α=b+αDrehung・(1−n
によって計算可能であり、
ここで、
tは、前記の形成したグラフィックデータをディスプレイ(1)に表示するシステム時間であり、ただし回転のはじめはt=0であり、
dは、総回転の持続時間であり、
bは、前記の仮想のリング(5)におけるグラフィックオブジェクト(6)の初期角度であり、
αDrehungは、総回転角であり、
前記のステップ(i)および(ii)はtがdよりも大きくなるまで繰り返される、
請求項19または20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記の表示装置には自動車の速度に対するデータを受信するためのインタフェースが含まれており、
前記の計算ユニット(3)により、前記の速度データに依存して前記の総回転の持続時間および/または回転の持続時間を求めることができる、
請求項19から21までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項23】
前記の入力装置(4)には、ディスプレイ(1)の接触感応式の表面が含まれる、
請求項19から22までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記の入力装置(4)は、ユーザの身体部分のジェスチャを検出して評価する装置であり、
によって行い、
ここで当該ジェスチャは前記のディスプレイ(1)の前で行われる、
請求項19から22までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項25】
前記の入力装置(4)には受信装置が含まれており、
前記の身体部分が当該の受信装置に近くにある場合、前記のユーザの身体部分から受信装置に信号が容量式に伝送可能である、
請求項24に記載の表示装置。
【請求項26】
前記の入力装置(4)には前記のユーザの身体部分のジェスチャを捕捉するために赤外線光源と、検出した赤外線光に対する受信器とが含まれている、
請求項24に記載の表示装置。
【請求項27】
近接センサが設けられており、
当該近接センサにより、ユーザの身体部分の近接によって当該ユーザの操作しようとする意志を検出可能である、
請求項19から26までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項28】
前記のユーザインタフェース装置(2)は、少なくとも1つのドライバ支援システムに結合されており、
前記のグラフィックデータがユーザインタフェース装置(2)によって形成されて、前記の複数のオブジェクト(6)の少なくとも一部分は、前記のドライバ支援システムの情報を表示可能である、
請求項19から27までのいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−537288(P2010−537288A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521372(P2010−521372)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058842
【国際公開番号】WO2009/024400
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(596107062)フオルクスヴアーゲン アクチエンゲゼルシヤフト (34)
【氏名又は名称原語表記】Volkswagen AG
【住所又は居所原語表記】Wolfsburg,Germany
【Fターム(参考)】