車両の上部車体構造
【課題】車体重量が増大すること等を防止しつつ、簡単な構成で車両の横転時等に乗員を効果的に保護できるようにする。
【解決手段】車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シート3と助手席シート4とが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シート4に着座した乗員を保護するように設けられた棒状部材27等からなるロールバー部材が、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置された。
【解決手段】車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シート3と助手席シート4とが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シート4に着座した乗員を保護するように設けられた棒状部材27等からなるロールバー部材が、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、左右の車体側壁を構成するサイドパネルと、左右のサイドパネル間に配設されるとともにこれらサイドパネル同士を連結して車両床面を形成するフロアパネルとを備えた車体に、そのフロアパネルの上側において左右のサイドパネル同士を連結する車幅方向に長いクロスバーと、車両の座席後部側に配設されるロールバーとを予め連結してロールバーユニットを組み付けるように構成した車両用ロールバーの組付構造において、上記ロールバーユニットのロールバーの下端部をフロアパネルに対して少なくとも車幅方向に位置決めするとともに上下方向から締結固定する一対のロールバー位置決め固定機構と、上記ロールバーユニットのクロスバーの車幅方向両端部を左右のサイドパネルに対してそれぞれ前後方向から締結固定する一対のクロスバー固定機構とを設けた構造が知られている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、車体の両側面を構成する一対のサイドパネルと、これらのサイドパネルに設けられ開放型屋根を回動自在に支持するリンクブラケットを備えた車両のロールバー構造において、上方に延びるロールバーと、このロールバーに結合されて車幅方向に延びるクロスバーと、上記ロールバーとリンクブラケットとを連結する連結部材とを有し、上記クロスバーを、ロールバーとともに上記連結部材に結合することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−021607号公報
【特許文献2】特開2005−186688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に開示されているように、車体の側壁を構成する左右のサイドパネル同士を連結するように車幅方向に延びるクロスバーにロールバーを設けた構造とした場合には、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成されたオープンカーにおいて、車両の横転時等に乗員を上記ロールバーによって効果的に保護できるという利点がある。
【0006】
この反面、運転席シートおよび助手席シートの後方において車幅方向に延びるように頑強な部材からなるクロスバーを設置するとともに、このクロスバーから上記運転席シートおよび助手席シートよりも上方に向けて左右一対のロールバーを突出させる必要があるため、構造が複雑になって車体重量が増大するとともに、上記クロスバーの存在に起因して運転席シートおよび助手席シートの後方側に設けられる後部荷室のスペースが狭くなる等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車体重量が増大すること等を防止しつつ、簡単な構成で車両の横転時等に乗員を効果的に保護できる車両の上部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材が、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置されたものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の上部車体構造において、上記運転席シートの下方には、運転席シートを車両の前後方向に移動可能に支持するシートレールがフロアパネル上に設置されるとともに、上記助手席シートの下方には、助手席シートを車室内の後方部位でフロアパネルに固定する助手席支持部が設けられたものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の上部車体構造において、上記助手席シートのシートバックに、下端部が上記フロアパネルに固定されたシートバックフレームが設けられ、このシートバックフレームに、上記ロールバー部材を構成する延出部が連設されたものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造において、上記ロールバー部材の一端部が助手席シートの設置面上に固定されるとともに、上記ロールバー部材の他端部が助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定されたものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造において、上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部が固定されたものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、上記請求項1または2項に記載の車両の上部車体構造において、上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材が設置されるとともに、この棒状部材により上記ロールバー部材が構成されたものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両において、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材を、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置したため、簡単な構成で助手席シートに着座した乗員および運転席シートに着座した乗員の両方を簡単な構成で効果的に保護できるという利点がある。
【0015】
請求項2に係る発明では、シートレールに沿って車両の前後移動可能に支持された運転席シートの後方位置に対応した車室内の後方部位に上記助手席シートを固定したため、運転席シートと同様に頑強な部材で所定長さに形成されたシートレールにより助手席シートを前後移動自在に構成した車両に比べ、助手席シート用のシートレールを省略してその分だけ車体を軽量化することができるとともに、材料費を節約して製造コストを安価に抑えることができ、かつ上記助手席シートに着座した乗員の前方側に設けられるスペースを広く確保して居住性を効果的に向上できる等の利点がある。
【0016】
請求項3に係る発明では、上記シートバックフレームに、助手席シートのシートバックを補強する本来の機能と、助手席シートをフロアパネルに固定する固定具としての機能と、上記ロールバー部材としての機能とを兼ね備えさせることができるため、より簡単な構成で上記助手席シートに着座した乗員および運転席シートに着座した乗員の両方を効果的に保護できるという利点がある。
【0017】
請求項4に係る発明では、上記ロールバー部材の一端部を、助手席シートの設置面上に固定するとともに、他端部を、助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定したため、上記ロールバー部材に作用する捩り荷重に対する剛性を簡単な構成で充分に確保し、このロールバー部材による乗員の保護作用を、より効果的に向上させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部を固定したため、上記ロールバー部材の設置部をトンネル部により効果的に補強することができ、上記ロールバー部材の剛性を簡単かつ充分に確保できるという利点がある。
【0019】
請求項6に係る発明では、上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材を設置するとともに、この棒状部材により上記ロールバー部材を構成したため、クロスバーにロールバーを突設した場合のように、当該クロスバーの存在に起因して後部荷室のスペースが狭くなる等の問題を生じることなく、車室内の後方部に上記ロールバー部材を配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る上部車体構造を備えた車両の概略構成を示す平面図である。
【図2】運転席シートおよび助手席シートの設置状態を示す正面断面図である。
【図3】運転席シートの設置状態を示す側面断面図である。
【図4】助手席シートの設置状態を示す側面断面図である。
【図5】本発明に係る上部車体構造を備えた車両の概略構成を示す側面図である。
【図6】運転席シートを前方に移動させた状態を示す平面図である。
【図7】助手席シートのシートバックフレームの具体的構成を示す斜視図である。
【図8】ルーフ部材の係止部材の具体的構成を示す側面断面図である。
【図9】本発明に係る上部車体構造の別の実施形態を示す図4相当図である。
【図10】上記実施形態における助手席シートの設置状態を示す背面図である。
【図11】本発明に係る上部車体構造のさらに別の実施形態を示す図2相当図である。
【図12】本発明に係る上部車体構造のさらに別の実施形態を示す図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図7は、本発明に係る車両の上部車体構造の実施形態を示している。本実施形態に係る車両は、その車室1内のフロアパネル2上に運転席シート3および助手席シート4が左右に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材10が開閉可能に構成されたツーシータタイプのオープンカーである。上記フロアパネル2の左右両側方部には、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドシル5が配設されるとともに、上記フロアパネル2の車幅方向中央部には、車室内側(上方)に向けて突出するトンネル部6が車両の前後方向に延びるように設置されている。
【0022】
上記車室1内には、フロアパネル2の後方部を、その前方側部分よりも上方に位置させるように段上げした第1,第2フロアパネル側部7,8が形成され、その側端部が上記トンネル部6の車幅方向両側辺部に接続されている。本実施形態では、車両の左側に位置する運転席シート3の下方に配設された第1フロアパネル側部7上に、運転席シート3を移動可能に支持するシートレール9が車両の前後方向に延びるように設置されている。また、車両の右側に位置する助手席シート4は、上記第1フロアパネル側部7よりも上方に段上げされた第2フロアパネル側部8上に固定されている。
【0023】
すなわち、上記助手席シート4が固定される第2フロアパネル側部8は、上記運転席シート3を支持するシートレール9の上下寸法等に対応して、上方への段上げ量が上記第1フロアパネル側部7よりも大きく設定されることにより、上記第2フロアパネル側部8が第1フロアパネル側部7よりも高い位置に配設されている。そして、上記段上げ部を構成する第2フロアパネル側部8により、車室内1の後方部において上記助手席シート4をフロアパネル2に固定する助手席支持部が構成されている。
【0024】
上記第2フロアパネル側部8からなる段上げ部の前部下面には、この第2フロアパネル側部8との間で閉断面を形成するクロスメンバ11が車幅方向に延びるように設けられるとともに、その車幅方向の内側端部が上記トンネル部6に接続されている。また、上記第1フロアパネル側部7および第2フロアパネル側部8の後端部には、上方にキックアップしたキックアップ部12と、その上端部から車両の後方側に延びるリヤフロアパネル13とが連設されている。このリヤフロアパネル13の上方には、開放状態となったルーフ部材10の格納部14が設けられている(図5参照)。さらに、上記リヤフロアパネル13の前部下面には、車幅方向に延びる閉断面を形成するリヤクロスメンバ15が配設されている。
【0025】
上記ルーフ部材10は、リンク機構(図示せず)により連結された鋼板材またはプラスチックパネル等からなるルーフパネル10aと、その後方側に配設されたミッドルーフ10bと、その後端部から斜め下方に向けて設置されたリヤウインド10cとを有している。そして、上記格納部14の後部上面に設けられたリヤデッキ16を開放位置に退避させた状態で、図略の開閉駆動部により上記リンク機構を駆動して、ルーフパネル10a、ミッドルーフ10bおよびリヤウインド10cからなるルーフ部材10をそれぞれ所定の軌跡で揺動変位させることにより、図5の実線で示す使用位置(閉止位置)と図5の仮想線で示す格納位置(開放位置)とに変位させるように構成されている。
【0026】
上記運転席シート3は、図3に示すように、車室1内の第1フロアパネル側部7上に設置された上記シートレール9に沿って車両の前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション17と、その後端部に立設されたシートバック18と、上記シートクッション17の後端部側面に取り付けられてシートバック18を傾動可能に支持するリクライニング機構19とを備えている。
【0027】
そして、上記シートレール9に沿って運転席シート3のシートクッション17をスライド変位させることにより、図6に示すように、運転席シート3を、ステアリングホイール20およびインストルメントパネル21に近接させた最前方位置から、図1および図3に示すように、上記フロアパネル2のキックアップ部12に運転席シート3を近接させた最後方位置まで前後移動させることにより、運転席シート3に着座した運転者の着座位置を、その体格等に応じて調整できるように構成されている。
【0028】
一方、助手席シート4は、図4に示すように、上記第2フロアパネル側部8上に載置されて固定されたシートクッション22と、このシートクッション22の後方部から上方に立設されたシートバック23と有している。そして、上記助手席シート4の固定位置は、上記運転席シート3の最前方位置よりも後方側、具体的には、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最後方位置に対応した車室1の後方部位に設定されている。このように助手席シート4のシートクッション22およびシートバック23が、上記フロアパネル2の後端部に設けられたキックアップ部12に近接した位置に支持されることにより、上記シートクッション22の前後移動が規制されるとともに、上記シートバック23の傾動変位が規制された状態で、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最前方位置よりも後方側において、上記助手席シート4が車体に固定されている。
【0029】
上記助手席シート4のシートバック23には、丸パイプ材等からなるシートバックフレーム24が配設されている。このシートバックフレーム24は、図7に示すように、シートバック23の上辺部に沿って車幅方向に延びる横部材25と、その車幅方向の外側端部から下方に延びる側方部材26と、上記横部材25を支持する棒状部材27とを有している。上記シートバックフレーム24の側方部材26は、その下端部に設けられた取付ブラケット28を介して上記助手席シート4の設置面となる第2フロアパネル側部8の後部上面にボルト止めされる等の手段で固定されている。
【0030】
また、上記シートバックフレーム24の棒状部材27は、図2および図7等に示すように、正面視で運転席シート3の後方側において上下方向に延びるように設置された縦部材29と、その上端部と上記横部材25の中間部と連結するように車幅方向に延びる上方部材30とを有している。上記縦部材29は、その下端部に設けられた取付ブラケット31が、上記リヤクロスメンバ15により補強されたリヤフロアパネル13の前端部上面にボルト止めされる等の手段で固定されている。上記キックアップ部12の中央部前面には、上記トンネル部6の上面に沿って車両の前後方向に延びるように設置された左右一対のトンネルメンバ32,32の後端部が接続されている。
【0031】
上記上方部材30の端部は、下方に延びるように折曲されて助手席シート4のシートバック23内に導入されるとともに、シートバックフレーム24の横部材25に溶接されている。一方、シートバックフレーム24の横部材25は、その車幅方向の内側方部がシートバック23外に導出されるとともに、その先端部が上記棒状部材27の縦部材29の上下方向中間部に溶接されている。そして、上記縦部材29の上方部分および上方部材30からなる棒状部材27の上部が、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置されることにより、助手席シート4に着座した乗員を保護するロールバー部材が構成されている。
【0032】
また、上記棒状部材27の縦部材29には、図8に示すように、上記ルーフ部材10を格納位置に係止する係止部材33が設けられている。この係止部材33は、上記ルーフパネル10aの前端部上面等を係止してその上下動を規制する係止アーム34と、この係止アーム34の下端部に連結された連結ブラケット35と、この連結ブラケット35を介して上記係止アーム34を非係止位置に付勢する圧縮コイルばねからなる付勢部材36と、上記連結ブラケット35を介して上記係止アーム34を係止位置に変位させて拘束する駆動ケーブル37と、上記縦部材29の上下方向中間部に固定された支持ブラケット38とを有している。この支持ブラケット38には、係止アーム34が支持軸39を介して揺動可能に支持されている。また、上記駆動ケーブル37は、図外の操作レバーに連結されている。
【0033】
そして、操作レバーの係止解除操作に応じ、上記係止アーム34のロック状態が解除されると、上記付勢部材36の付勢力に応じて係止アーム34が、図8の仮想線で示すアンロック位置に駆動されることにより、上記ルーフ部材10を格納位置から車室上面を覆う使用位置に変位させることが許容される。また、上記ルーフ部材10が格納部14に格納された状態で操作レバーにより係止操作が行われると、上記付勢部材36の付勢力に抗して係止アーム34がロック位置に保持されることにより、通常時には上記係止アーム34によりルーフパネル10aが係止された状態に維持されるようになっている。
【0034】
さらに、上記縦部材29の前面には、図2および図4に示すように、運転席シート3および助手席シート4に着座した乗員を保護するシートベルト部材41,41のショルダーアンカー42が設けられている。上記シートベルト部材41は、乗員の肩部から胸部を拘束するショルダーベルト部43と、乗員の腰部を拘束するラップベルト部44と、このラップベルト部44の端部をトンネル部6の側面部等に固定するラップアンカー45と、上記ショルダーベルト部43およびラップベルト部44に沿ってスライド自在に設置されたタング46とを有している。
【0035】
また、上記タング46が係止されるバックル47が車室1の側辺部に設置されるとともに、上記ショルダーベルト部43の端部を巻取可能に支持するベルトリトラクター40が、上記トンネル部6の後端部が接続されることにより補強されたリヤフロアパネル13の中央部上面に固定されている。そして、例えば上記助手席シート4に着座した乗員が、ショルダーベルト部43をベルトリトラクター40から適宜に引き出するとともに、上記タング46をバックル47に係止することにより、上記ショルダーベルト部43およびラップベルト部44により乗員が拘束されて車両の衝突時に作用する衝撃荷重から保護されるようになっている。
【0036】
上記のように車室の底面を形成するフロアパネル2の上方に運転席シート3と助手席シート4とが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材10が開閉可能に構成された車両の上部車体構造において、下端部が上記フロアパネル2、具体的にはリヤフロアパネル13に固定されるとともに、助手席シート4に着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材を、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置したため、車体重量が増大すること等を防止しつつ、簡単な構成で車両の横転時等に乗員を効果的に保護することができるという利点がある。
【0037】
すなわち、上記のように車室上方にルーフ部材10が開閉可能に設けられたオープンカーであって、ルーフパネルおよびこれを支持するピラー等がない車両では、上記ショルダーアンカー42の設置部を確保することが困難であり、かつ助手席シート4に着座した乗員は、上記ステアリングホイール20を把持した運転席シート3側の乗員に比べ、自分の身を守ることが困難な傾向があるため、上記棒状部材27からなるロールバー部材を助手席シート4の上方に延びるように設置することにより、車両の横転時等に、助手席シート4に着座した乗員を効果的に保護することができる。
【0038】
そして、上記のようにロールバー部材を、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置することにより、この運転席シート3に着座した運転者をも効果的に保護することができるため、クロスバーにロールバーを突設した従来例のように、当該クロスバーの存在に起因して車体重量が増大したり、後部荷室のスペースが狭くなったりする等の問題を生じることなく、助手席シート4に着座した乗員および運転席シート3に着座した運転者の両方を簡単な構成で効果的に保護できるという利点がある。
【0039】
また、上記実施形態では、上記フロアパネル2の第1フロアパネル側部7に運転席シート3を前後移動可能に支持するシートレール9を設けるとともに、このシートレール9により支持された運転席シート3の最前方位置よりも後方側において上記第2フロアパネル側部8からなる助手席支持部に助手席シート4を載置して固定するように構成したため、運転席シート3と同様に頑強な部材で所定長さに形成されたシートレールにより助手席シート4を前後移動自在に構成した車両に比べ、助手席シート4用のシートレールを省略してその分だけ車体を軽量化することができるとともに、材料費を節約して製造コストを安価に抑えることができる。
【0040】
しかも、上記助手席シート4をシートレールにより前後移動可能に支持した場合には、助手席シート4の前後移動させる際に、車体側パネルや、ロールバー部材等との干渉を回避するためにレイアウトを工夫する必要があるが、上記のように助手席シート4を第2フロアパネル側部8に固定した場合には、上記各部材との干渉を回避しつつ、第2フロアパネル側部8の設置スペースを最大限に利用して助手席シート4を設置することができる。したがって、例えば図6に示すように、シートクッション22の側部に外方に膨出した膨出部22aを形成する等により、広い着座スペースを確保できる等の利点がある。
【0041】
さらに、上記実施形態に示すように、第2フロアパネル側部8からなる助手席支持部に支持された助手席シート4の固定位置を、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最後方位置に対応させて車室1内の後方部位に設定した場合には、上記助手席シート4に着座した乗員の前方側に設けられるスペースを最大限に広くすることができる。したがって、小柄な体格の乗員が助手席シート4に着座した場合は勿論のこと、大柄な体格の乗員が助手席シート4に着座した場合においても、その前方側に広いスペースを確保して良好な居住性が得られるという利点がある。
【0042】
また、上記実施形態に示すように、助手席シート4のシートバックフレーム24に設けられた棒状部材27からなる延出部、つまり上記縦部材29および上方部材30により、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるロールバー部材を構成した場合には、上記シートバックフレーム24に、助手席シート4のシートバック23を補強する本来の機能と、助手席シート4をフロアパネル(第1フロアパネル側部8)に固定する固定具としての機能と、上記ロールバー部材としての機能とを兼ね備えさせることができるため、より簡単な構成で上記助手席シート4に着座した乗員および運転席シート3に着座した運転者の両方を効果的に保護できるという利点がある。
【0043】
さらに、上記実施形態では、ロールバー部材を構成する上記棒状部材27の縦部材29に、ルーフ部材10の開放時に格納部14内に格納されたルーフパネル10a等からなるルーフ部材10を格納位置に係止する係止部材33と、シートベルト部材41のショルダーアンカー42とを取り付けたため、上記棒状部材27にロールバー部材としての機能と、上記係止部材33およびショルダーアンカー42の設置部としての機能とを兼ね備えさせることができるため、助手席シート4および運転席シート3に着座した乗員を効果的に保護することができ、かつ上記係止部材33およびシートベルト部材41を簡単な構成で適正に設置できるという利点がある。
【0044】
また、上記実施形態では、ロールバー部材を構成するシートバックフレーム24の一端部、つまり上記側方部材26の下端部を上記助手席シートの設置面(第2フロアパネル側部8)上に固定するとともに、上記シートバックフレーム24の他端部、つまり上記縦部材29の下端部を上記第2フロアパネル側部8よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル13上に固定することにより、上記シートバックフレーム24の延出部からなるロールバー部材を三次元的に配設したため、このロールバー部材に作用する捩り荷重等に対する剛性を簡単な構成で充分に確保して乗員を効果的に保護することができる。
【0045】
なお、上記構成に代え、例えば図9および図10に示すように、助手席シート4のシートバック23の外側辺部に沿って上下方向に延びるように設置された側方部材26の下方部を、上記棒状部材27の縦部材29と同様にシートバック23の外方(下方に)導出し、リヤクロスメンバ15により補強されたリヤフロアパネル13の前端部上面に上記側方部材26の下端部に設けられた取付ブラケット28をボルト止めする等により車体に固定し、かつ上記棒状部材27の縦部材29にシートベルト部材41のショルダーアンカー42等を設けた構造としてもよい。
【0046】
また、図11に示すように、正面視で運転席シート3と助手席シート4との間において上下方向に延びるように設置された縦部材50と、その上端部からシートバック23の中央部に向けて斜め下方に延びる上方部材51とよりロールバー部材を構成し、上記縦部材50の下端部を上記トンネル部6の後端部が接続されたリヤフロアパネル13の車幅方向中央部上面に固定した構造としてもよい。このように構成した場合には、上記ロールバー部材を構成する縦部材50の設置部を上記トンネル部6により効果的に補強することができるため、上記ロールバー部材の剛性を簡単かつ充分に確保できるという利点がある。
【0047】
さらに、助手席シート4のシートバックフレーム24を丸パイプ部材等により構成するとともに、その一部、つまり上記棒状部材27を助手席シート4の上方に延びるように配設することにより、助手席シート4用のロールバー部材を構成した上記実施形態に代え、鋼板等のプレート材により上記助手席シート4のシートバックフレームを構成するとともに、その一部を助手席シート4のシートバック23よりも上方に延びるように配設することにより上記ロールバー部材を構成するようにしてもよい。
【0048】
また、図12に示すように、助手席シート4の後面に近接して上下方向に延びるように設置された丸パイプ材等からなる棒状部材53により助手席シート4用のロールバー部材を構成してもよい。このように構成した場合においても、車室1内の後方部において固定された助手席シート4の背面に上記棒状部材53からなるロールバー部材を近接させて配設することができる。したがって、クロスバーにロールバーを突設した従来例のように、当該クロスバーの存在に起因して後部荷室のスペースが狭くなる等の問題を生じることなく、車室1内の後方部に上記棒状部材53からなるロールバー部材を配設することができる。
【0049】
また、上記実施形態では、車室1内のフロアパネル2上に運転席シート3および助手席シート4だけが設置されたツーシータタイプで、ルーフパネルおよびこれを支持するピラーのないオープンカーに本発明を適用した例について説明したが、これに限られず、後列シートを備えた車両についても本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 車室
2 フロアパネル
3 運転席シート
4 助手席シート
6 トンネル部
8 第1フロアバネ側部(助手席支持部)
9 シートレール
10 ルーフ部材
13 リヤフロアパネル
23 シートバック
24 シートバックフレーム
27 棒状部材(ロールバー部材)
29 縦部材(延出部)
30 上方部材(延出部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、左右の車体側壁を構成するサイドパネルと、左右のサイドパネル間に配設されるとともにこれらサイドパネル同士を連結して車両床面を形成するフロアパネルとを備えた車体に、そのフロアパネルの上側において左右のサイドパネル同士を連結する車幅方向に長いクロスバーと、車両の座席後部側に配設されるロールバーとを予め連結してロールバーユニットを組み付けるように構成した車両用ロールバーの組付構造において、上記ロールバーユニットのロールバーの下端部をフロアパネルに対して少なくとも車幅方向に位置決めするとともに上下方向から締結固定する一対のロールバー位置決め固定機構と、上記ロールバーユニットのクロスバーの車幅方向両端部を左右のサイドパネルに対してそれぞれ前後方向から締結固定する一対のクロスバー固定機構とを設けた構造が知られている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、車体の両側面を構成する一対のサイドパネルと、これらのサイドパネルに設けられ開放型屋根を回動自在に支持するリンクブラケットを備えた車両のロールバー構造において、上方に延びるロールバーと、このロールバーに結合されて車幅方向に延びるクロスバーと、上記ロールバーとリンクブラケットとを連結する連結部材とを有し、上記クロスバーを、ロールバーとともに上記連結部材に結合することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−021607号公報
【特許文献2】特開2005−186688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に開示されているように、車体の側壁を構成する左右のサイドパネル同士を連結するように車幅方向に延びるクロスバーにロールバーを設けた構造とした場合には、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成されたオープンカーにおいて、車両の横転時等に乗員を上記ロールバーによって効果的に保護できるという利点がある。
【0006】
この反面、運転席シートおよび助手席シートの後方において車幅方向に延びるように頑強な部材からなるクロスバーを設置するとともに、このクロスバーから上記運転席シートおよび助手席シートよりも上方に向けて左右一対のロールバーを突出させる必要があるため、構造が複雑になって車体重量が増大するとともに、上記クロスバーの存在に起因して運転席シートおよび助手席シートの後方側に設けられる後部荷室のスペースが狭くなる等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車体重量が増大すること等を防止しつつ、簡単な構成で車両の横転時等に乗員を効果的に保護できる車両の上部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材が、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置されたものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の上部車体構造において、上記運転席シートの下方には、運転席シートを車両の前後方向に移動可能に支持するシートレールがフロアパネル上に設置されるとともに、上記助手席シートの下方には、助手席シートを車室内の後方部位でフロアパネルに固定する助手席支持部が設けられたものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の上部車体構造において、上記助手席シートのシートバックに、下端部が上記フロアパネルに固定されたシートバックフレームが設けられ、このシートバックフレームに、上記ロールバー部材を構成する延出部が連設されたものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造において、上記ロールバー部材の一端部が助手席シートの設置面上に固定されるとともに、上記ロールバー部材の他端部が助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定されたものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造において、上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部が固定されたものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、上記請求項1または2項に記載の車両の上部車体構造において、上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材が設置されるとともに、この棒状部材により上記ロールバー部材が構成されたものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両において、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材を、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置したため、簡単な構成で助手席シートに着座した乗員および運転席シートに着座した乗員の両方を簡単な構成で効果的に保護できるという利点がある。
【0015】
請求項2に係る発明では、シートレールに沿って車両の前後移動可能に支持された運転席シートの後方位置に対応した車室内の後方部位に上記助手席シートを固定したため、運転席シートと同様に頑強な部材で所定長さに形成されたシートレールにより助手席シートを前後移動自在に構成した車両に比べ、助手席シート用のシートレールを省略してその分だけ車体を軽量化することができるとともに、材料費を節約して製造コストを安価に抑えることができ、かつ上記助手席シートに着座した乗員の前方側に設けられるスペースを広く確保して居住性を効果的に向上できる等の利点がある。
【0016】
請求項3に係る発明では、上記シートバックフレームに、助手席シートのシートバックを補強する本来の機能と、助手席シートをフロアパネルに固定する固定具としての機能と、上記ロールバー部材としての機能とを兼ね備えさせることができるため、より簡単な構成で上記助手席シートに着座した乗員および運転席シートに着座した乗員の両方を効果的に保護できるという利点がある。
【0017】
請求項4に係る発明では、上記ロールバー部材の一端部を、助手席シートの設置面上に固定するとともに、他端部を、助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定したため、上記ロールバー部材に作用する捩り荷重に対する剛性を簡単な構成で充分に確保し、このロールバー部材による乗員の保護作用を、より効果的に向上させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部を固定したため、上記ロールバー部材の設置部をトンネル部により効果的に補強することができ、上記ロールバー部材の剛性を簡単かつ充分に確保できるという利点がある。
【0019】
請求項6に係る発明では、上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材を設置するとともに、この棒状部材により上記ロールバー部材を構成したため、クロスバーにロールバーを突設した場合のように、当該クロスバーの存在に起因して後部荷室のスペースが狭くなる等の問題を生じることなく、車室内の後方部に上記ロールバー部材を配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る上部車体構造を備えた車両の概略構成を示す平面図である。
【図2】運転席シートおよび助手席シートの設置状態を示す正面断面図である。
【図3】運転席シートの設置状態を示す側面断面図である。
【図4】助手席シートの設置状態を示す側面断面図である。
【図5】本発明に係る上部車体構造を備えた車両の概略構成を示す側面図である。
【図6】運転席シートを前方に移動させた状態を示す平面図である。
【図7】助手席シートのシートバックフレームの具体的構成を示す斜視図である。
【図8】ルーフ部材の係止部材の具体的構成を示す側面断面図である。
【図9】本発明に係る上部車体構造の別の実施形態を示す図4相当図である。
【図10】上記実施形態における助手席シートの設置状態を示す背面図である。
【図11】本発明に係る上部車体構造のさらに別の実施形態を示す図2相当図である。
【図12】本発明に係る上部車体構造のさらに別の実施形態を示す図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図7は、本発明に係る車両の上部車体構造の実施形態を示している。本実施形態に係る車両は、その車室1内のフロアパネル2上に運転席シート3および助手席シート4が左右に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材10が開閉可能に構成されたツーシータタイプのオープンカーである。上記フロアパネル2の左右両側方部には、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドシル5が配設されるとともに、上記フロアパネル2の車幅方向中央部には、車室内側(上方)に向けて突出するトンネル部6が車両の前後方向に延びるように設置されている。
【0022】
上記車室1内には、フロアパネル2の後方部を、その前方側部分よりも上方に位置させるように段上げした第1,第2フロアパネル側部7,8が形成され、その側端部が上記トンネル部6の車幅方向両側辺部に接続されている。本実施形態では、車両の左側に位置する運転席シート3の下方に配設された第1フロアパネル側部7上に、運転席シート3を移動可能に支持するシートレール9が車両の前後方向に延びるように設置されている。また、車両の右側に位置する助手席シート4は、上記第1フロアパネル側部7よりも上方に段上げされた第2フロアパネル側部8上に固定されている。
【0023】
すなわち、上記助手席シート4が固定される第2フロアパネル側部8は、上記運転席シート3を支持するシートレール9の上下寸法等に対応して、上方への段上げ量が上記第1フロアパネル側部7よりも大きく設定されることにより、上記第2フロアパネル側部8が第1フロアパネル側部7よりも高い位置に配設されている。そして、上記段上げ部を構成する第2フロアパネル側部8により、車室内1の後方部において上記助手席シート4をフロアパネル2に固定する助手席支持部が構成されている。
【0024】
上記第2フロアパネル側部8からなる段上げ部の前部下面には、この第2フロアパネル側部8との間で閉断面を形成するクロスメンバ11が車幅方向に延びるように設けられるとともに、その車幅方向の内側端部が上記トンネル部6に接続されている。また、上記第1フロアパネル側部7および第2フロアパネル側部8の後端部には、上方にキックアップしたキックアップ部12と、その上端部から車両の後方側に延びるリヤフロアパネル13とが連設されている。このリヤフロアパネル13の上方には、開放状態となったルーフ部材10の格納部14が設けられている(図5参照)。さらに、上記リヤフロアパネル13の前部下面には、車幅方向に延びる閉断面を形成するリヤクロスメンバ15が配設されている。
【0025】
上記ルーフ部材10は、リンク機構(図示せず)により連結された鋼板材またはプラスチックパネル等からなるルーフパネル10aと、その後方側に配設されたミッドルーフ10bと、その後端部から斜め下方に向けて設置されたリヤウインド10cとを有している。そして、上記格納部14の後部上面に設けられたリヤデッキ16を開放位置に退避させた状態で、図略の開閉駆動部により上記リンク機構を駆動して、ルーフパネル10a、ミッドルーフ10bおよびリヤウインド10cからなるルーフ部材10をそれぞれ所定の軌跡で揺動変位させることにより、図5の実線で示す使用位置(閉止位置)と図5の仮想線で示す格納位置(開放位置)とに変位させるように構成されている。
【0026】
上記運転席シート3は、図3に示すように、車室1内の第1フロアパネル側部7上に設置された上記シートレール9に沿って車両の前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション17と、その後端部に立設されたシートバック18と、上記シートクッション17の後端部側面に取り付けられてシートバック18を傾動可能に支持するリクライニング機構19とを備えている。
【0027】
そして、上記シートレール9に沿って運転席シート3のシートクッション17をスライド変位させることにより、図6に示すように、運転席シート3を、ステアリングホイール20およびインストルメントパネル21に近接させた最前方位置から、図1および図3に示すように、上記フロアパネル2のキックアップ部12に運転席シート3を近接させた最後方位置まで前後移動させることにより、運転席シート3に着座した運転者の着座位置を、その体格等に応じて調整できるように構成されている。
【0028】
一方、助手席シート4は、図4に示すように、上記第2フロアパネル側部8上に載置されて固定されたシートクッション22と、このシートクッション22の後方部から上方に立設されたシートバック23と有している。そして、上記助手席シート4の固定位置は、上記運転席シート3の最前方位置よりも後方側、具体的には、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最後方位置に対応した車室1の後方部位に設定されている。このように助手席シート4のシートクッション22およびシートバック23が、上記フロアパネル2の後端部に設けられたキックアップ部12に近接した位置に支持されることにより、上記シートクッション22の前後移動が規制されるとともに、上記シートバック23の傾動変位が規制された状態で、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最前方位置よりも後方側において、上記助手席シート4が車体に固定されている。
【0029】
上記助手席シート4のシートバック23には、丸パイプ材等からなるシートバックフレーム24が配設されている。このシートバックフレーム24は、図7に示すように、シートバック23の上辺部に沿って車幅方向に延びる横部材25と、その車幅方向の外側端部から下方に延びる側方部材26と、上記横部材25を支持する棒状部材27とを有している。上記シートバックフレーム24の側方部材26は、その下端部に設けられた取付ブラケット28を介して上記助手席シート4の設置面となる第2フロアパネル側部8の後部上面にボルト止めされる等の手段で固定されている。
【0030】
また、上記シートバックフレーム24の棒状部材27は、図2および図7等に示すように、正面視で運転席シート3の後方側において上下方向に延びるように設置された縦部材29と、その上端部と上記横部材25の中間部と連結するように車幅方向に延びる上方部材30とを有している。上記縦部材29は、その下端部に設けられた取付ブラケット31が、上記リヤクロスメンバ15により補強されたリヤフロアパネル13の前端部上面にボルト止めされる等の手段で固定されている。上記キックアップ部12の中央部前面には、上記トンネル部6の上面に沿って車両の前後方向に延びるように設置された左右一対のトンネルメンバ32,32の後端部が接続されている。
【0031】
上記上方部材30の端部は、下方に延びるように折曲されて助手席シート4のシートバック23内に導入されるとともに、シートバックフレーム24の横部材25に溶接されている。一方、シートバックフレーム24の横部材25は、その車幅方向の内側方部がシートバック23外に導出されるとともに、その先端部が上記棒状部材27の縦部材29の上下方向中間部に溶接されている。そして、上記縦部材29の上方部分および上方部材30からなる棒状部材27の上部が、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置されることにより、助手席シート4に着座した乗員を保護するロールバー部材が構成されている。
【0032】
また、上記棒状部材27の縦部材29には、図8に示すように、上記ルーフ部材10を格納位置に係止する係止部材33が設けられている。この係止部材33は、上記ルーフパネル10aの前端部上面等を係止してその上下動を規制する係止アーム34と、この係止アーム34の下端部に連結された連結ブラケット35と、この連結ブラケット35を介して上記係止アーム34を非係止位置に付勢する圧縮コイルばねからなる付勢部材36と、上記連結ブラケット35を介して上記係止アーム34を係止位置に変位させて拘束する駆動ケーブル37と、上記縦部材29の上下方向中間部に固定された支持ブラケット38とを有している。この支持ブラケット38には、係止アーム34が支持軸39を介して揺動可能に支持されている。また、上記駆動ケーブル37は、図外の操作レバーに連結されている。
【0033】
そして、操作レバーの係止解除操作に応じ、上記係止アーム34のロック状態が解除されると、上記付勢部材36の付勢力に応じて係止アーム34が、図8の仮想線で示すアンロック位置に駆動されることにより、上記ルーフ部材10を格納位置から車室上面を覆う使用位置に変位させることが許容される。また、上記ルーフ部材10が格納部14に格納された状態で操作レバーにより係止操作が行われると、上記付勢部材36の付勢力に抗して係止アーム34がロック位置に保持されることにより、通常時には上記係止アーム34によりルーフパネル10aが係止された状態に維持されるようになっている。
【0034】
さらに、上記縦部材29の前面には、図2および図4に示すように、運転席シート3および助手席シート4に着座した乗員を保護するシートベルト部材41,41のショルダーアンカー42が設けられている。上記シートベルト部材41は、乗員の肩部から胸部を拘束するショルダーベルト部43と、乗員の腰部を拘束するラップベルト部44と、このラップベルト部44の端部をトンネル部6の側面部等に固定するラップアンカー45と、上記ショルダーベルト部43およびラップベルト部44に沿ってスライド自在に設置されたタング46とを有している。
【0035】
また、上記タング46が係止されるバックル47が車室1の側辺部に設置されるとともに、上記ショルダーベルト部43の端部を巻取可能に支持するベルトリトラクター40が、上記トンネル部6の後端部が接続されることにより補強されたリヤフロアパネル13の中央部上面に固定されている。そして、例えば上記助手席シート4に着座した乗員が、ショルダーベルト部43をベルトリトラクター40から適宜に引き出するとともに、上記タング46をバックル47に係止することにより、上記ショルダーベルト部43およびラップベルト部44により乗員が拘束されて車両の衝突時に作用する衝撃荷重から保護されるようになっている。
【0036】
上記のように車室の底面を形成するフロアパネル2の上方に運転席シート3と助手席シート4とが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材10が開閉可能に構成された車両の上部車体構造において、下端部が上記フロアパネル2、具体的にはリヤフロアパネル13に固定されるとともに、助手席シート4に着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材を、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置したため、車体重量が増大すること等を防止しつつ、簡単な構成で車両の横転時等に乗員を効果的に保護することができるという利点がある。
【0037】
すなわち、上記のように車室上方にルーフ部材10が開閉可能に設けられたオープンカーであって、ルーフパネルおよびこれを支持するピラー等がない車両では、上記ショルダーアンカー42の設置部を確保することが困難であり、かつ助手席シート4に着座した乗員は、上記ステアリングホイール20を把持した運転席シート3側の乗員に比べ、自分の身を守ることが困難な傾向があるため、上記棒状部材27からなるロールバー部材を助手席シート4の上方に延びるように設置することにより、車両の横転時等に、助手席シート4に着座した乗員を効果的に保護することができる。
【0038】
そして、上記のようにロールバー部材を、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるように設置することにより、この運転席シート3に着座した運転者をも効果的に保護することができるため、クロスバーにロールバーを突設した従来例のように、当該クロスバーの存在に起因して車体重量が増大したり、後部荷室のスペースが狭くなったりする等の問題を生じることなく、助手席シート4に着座した乗員および運転席シート3に着座した運転者の両方を簡単な構成で効果的に保護できるという利点がある。
【0039】
また、上記実施形態では、上記フロアパネル2の第1フロアパネル側部7に運転席シート3を前後移動可能に支持するシートレール9を設けるとともに、このシートレール9により支持された運転席シート3の最前方位置よりも後方側において上記第2フロアパネル側部8からなる助手席支持部に助手席シート4を載置して固定するように構成したため、運転席シート3と同様に頑強な部材で所定長さに形成されたシートレールにより助手席シート4を前後移動自在に構成した車両に比べ、助手席シート4用のシートレールを省略してその分だけ車体を軽量化することができるとともに、材料費を節約して製造コストを安価に抑えることができる。
【0040】
しかも、上記助手席シート4をシートレールにより前後移動可能に支持した場合には、助手席シート4の前後移動させる際に、車体側パネルや、ロールバー部材等との干渉を回避するためにレイアウトを工夫する必要があるが、上記のように助手席シート4を第2フロアパネル側部8に固定した場合には、上記各部材との干渉を回避しつつ、第2フロアパネル側部8の設置スペースを最大限に利用して助手席シート4を設置することができる。したがって、例えば図6に示すように、シートクッション22の側部に外方に膨出した膨出部22aを形成する等により、広い着座スペースを確保できる等の利点がある。
【0041】
さらに、上記実施形態に示すように、第2フロアパネル側部8からなる助手席支持部に支持された助手席シート4の固定位置を、上記シートレール9により前後移動可能に支持された運転席シート3の最後方位置に対応させて車室1内の後方部位に設定した場合には、上記助手席シート4に着座した乗員の前方側に設けられるスペースを最大限に広くすることができる。したがって、小柄な体格の乗員が助手席シート4に着座した場合は勿論のこと、大柄な体格の乗員が助手席シート4に着座した場合においても、その前方側に広いスペースを確保して良好な居住性が得られるという利点がある。
【0042】
また、上記実施形態に示すように、助手席シート4のシートバックフレーム24に設けられた棒状部材27からなる延出部、つまり上記縦部材29および上方部材30により、助手席シート4の上方から運転席シート3の上方に向けて車幅方向に延びるロールバー部材を構成した場合には、上記シートバックフレーム24に、助手席シート4のシートバック23を補強する本来の機能と、助手席シート4をフロアパネル(第1フロアパネル側部8)に固定する固定具としての機能と、上記ロールバー部材としての機能とを兼ね備えさせることができるため、より簡単な構成で上記助手席シート4に着座した乗員および運転席シート3に着座した運転者の両方を効果的に保護できるという利点がある。
【0043】
さらに、上記実施形態では、ロールバー部材を構成する上記棒状部材27の縦部材29に、ルーフ部材10の開放時に格納部14内に格納されたルーフパネル10a等からなるルーフ部材10を格納位置に係止する係止部材33と、シートベルト部材41のショルダーアンカー42とを取り付けたため、上記棒状部材27にロールバー部材としての機能と、上記係止部材33およびショルダーアンカー42の設置部としての機能とを兼ね備えさせることができるため、助手席シート4および運転席シート3に着座した乗員を効果的に保護することができ、かつ上記係止部材33およびシートベルト部材41を簡単な構成で適正に設置できるという利点がある。
【0044】
また、上記実施形態では、ロールバー部材を構成するシートバックフレーム24の一端部、つまり上記側方部材26の下端部を上記助手席シートの設置面(第2フロアパネル側部8)上に固定するとともに、上記シートバックフレーム24の他端部、つまり上記縦部材29の下端部を上記第2フロアパネル側部8よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル13上に固定することにより、上記シートバックフレーム24の延出部からなるロールバー部材を三次元的に配設したため、このロールバー部材に作用する捩り荷重等に対する剛性を簡単な構成で充分に確保して乗員を効果的に保護することができる。
【0045】
なお、上記構成に代え、例えば図9および図10に示すように、助手席シート4のシートバック23の外側辺部に沿って上下方向に延びるように設置された側方部材26の下方部を、上記棒状部材27の縦部材29と同様にシートバック23の外方(下方に)導出し、リヤクロスメンバ15により補強されたリヤフロアパネル13の前端部上面に上記側方部材26の下端部に設けられた取付ブラケット28をボルト止めする等により車体に固定し、かつ上記棒状部材27の縦部材29にシートベルト部材41のショルダーアンカー42等を設けた構造としてもよい。
【0046】
また、図11に示すように、正面視で運転席シート3と助手席シート4との間において上下方向に延びるように設置された縦部材50と、その上端部からシートバック23の中央部に向けて斜め下方に延びる上方部材51とよりロールバー部材を構成し、上記縦部材50の下端部を上記トンネル部6の後端部が接続されたリヤフロアパネル13の車幅方向中央部上面に固定した構造としてもよい。このように構成した場合には、上記ロールバー部材を構成する縦部材50の設置部を上記トンネル部6により効果的に補強することができるため、上記ロールバー部材の剛性を簡単かつ充分に確保できるという利点がある。
【0047】
さらに、助手席シート4のシートバックフレーム24を丸パイプ部材等により構成するとともに、その一部、つまり上記棒状部材27を助手席シート4の上方に延びるように配設することにより、助手席シート4用のロールバー部材を構成した上記実施形態に代え、鋼板等のプレート材により上記助手席シート4のシートバックフレームを構成するとともに、その一部を助手席シート4のシートバック23よりも上方に延びるように配設することにより上記ロールバー部材を構成するようにしてもよい。
【0048】
また、図12に示すように、助手席シート4の後面に近接して上下方向に延びるように設置された丸パイプ材等からなる棒状部材53により助手席シート4用のロールバー部材を構成してもよい。このように構成した場合においても、車室1内の後方部において固定された助手席シート4の背面に上記棒状部材53からなるロールバー部材を近接させて配設することができる。したがって、クロスバーにロールバーを突設した従来例のように、当該クロスバーの存在に起因して後部荷室のスペースが狭くなる等の問題を生じることなく、車室1内の後方部に上記棒状部材53からなるロールバー部材を配設することができる。
【0049】
また、上記実施形態では、車室1内のフロアパネル2上に運転席シート3および助手席シート4だけが設置されたツーシータタイプで、ルーフパネルおよびこれを支持するピラーのないオープンカーに本発明を適用した例について説明したが、これに限られず、後列シートを備えた車両についても本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 車室
2 フロアパネル
3 運転席シート
4 助手席シート
6 トンネル部
8 第1フロアバネ側部(助手席支持部)
9 シートレール
10 ルーフ部材
13 リヤフロアパネル
23 シートバック
24 シートバックフレーム
27 棒状部材(ロールバー部材)
29 縦部材(延出部)
30 上方部材(延出部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材が、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置されたことを特徴とする車両の上部車体構造。
【請求項2】
上記運転席シートの下方には、運転席シートを車両の前後方向に移動可能に支持するシートレールがフロアパネル上に設置されるとともに、上記助手席シートの下方には、助手席シートを車室内の後方部位でフロアパネルに固定する助手席支持部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両の上部車体構造。
【請求項3】
上記助手席シートのシートバックには、下端部が上記フロアパネルに固定されたシートバックフレームが設けられ、このシートバックフレームには、上記ロールバー部材を構成する延出部が連設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の上部車体構造。
【請求項4】
上記ロールバー部材は、その一端部が助手席シートの設置面上に固定されるとともに、他端部が助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造。
【請求項5】
上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部が固定されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造。
【請求項6】
上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材が設置されるとともに、この棒状部材によりロールバー部材が構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の上部車体構造。
【請求項1】
車室の底面を形成するフロアパネルの上方に少なくとも運転席シートと助手席シートとが車幅方向に並設されるとともに、車室上方のルーフ部材が開閉可能に構成された車両の上部車体構造であって、下端部が上記フロアパネルに固定されるとともに助手席シートに着座した乗員を保護するように設けられたロールバー部材が、助手席シートの上方から運転席シートの上方に向けて車幅方向に延びるように設置されたことを特徴とする車両の上部車体構造。
【請求項2】
上記運転席シートの下方には、運転席シートを車両の前後方向に移動可能に支持するシートレールがフロアパネル上に設置されるとともに、上記助手席シートの下方には、助手席シートを車室内の後方部位でフロアパネルに固定する助手席支持部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両の上部車体構造。
【請求項3】
上記助手席シートのシートバックには、下端部が上記フロアパネルに固定されたシートバックフレームが設けられ、このシートバックフレームには、上記ロールバー部材を構成する延出部が連設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の上部車体構造。
【請求項4】
上記ロールバー部材は、その一端部が助手席シートの設置面上に固定されるとともに、他端部が助手席シートの設置面よりも上方にキックアップしたリヤフロアパネル上に固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造。
【請求項5】
上記フロアパネルの中央部に設けられたトンネル部が接続された部位に上記ロールバー部材の端部が固定されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の上部車体構造。
【請求項6】
上記助手席シートの後面に近接して上下方向に延びるように棒状部材が設置されるとともに、この棒状部材によりロールバー部材が構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の上部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−84236(P2011−84236A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240184(P2009−240184)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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