車両の側部車体構造
【課題】前方衝突時におけるヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を防止あるいは抑制する。
【解決手段】ヒンジピラー2に、ヒンジレインフォースメント30を介してアッパドアヒンジ10が取付けられる。ヒンジレインフォースメント30に、ヒンジピラーインナ2B側に位置された取付部30bが設けられる。ヒンジピラーインナ2Bの車幅方向内方側に、前記取付部30bとダッシュパネル6後面とを連結するガセット部材40が設けられる。
【解決手段】ヒンジピラー2に、ヒンジレインフォースメント30を介してアッパドアヒンジ10が取付けられる。ヒンジレインフォースメント30に、ヒンジピラーインナ2B側に位置された取付部30bが設けられる。ヒンジピラーインナ2Bの車幅方向内方側に、前記取付部30bとダッシュパネル6後面とを連結するガセット部材40が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の側部構造においては、車室の前端部付近において上下方向に延びる左右一対のヒンジピラーが設けられ、このヒンジピラーに取付けた上下一対のドアヒンジに対してサイドドアが取付けられる。ヒンジピラーは車体強度部材として機能することが要求されることから、ヒンジピラーインナとヒンジピラーアウタとで閉断面状に構成すると共に、その内部にレインフォースメントを有するように設定することも一般的に行われている。そして、ヒンジピラー内にヒンジレインフォースメントを設けて、このヒンジレインフォースメントに対してドアヒンジを取付けることも行われている。
【0003】
特許文献1には、フロントピラーレインフォースメントに、インナパネメンバの取付部を補強する補強部材を設けることが提案されている。また、特許文献1には、フロントピラーレインフォースメントに、上下方向に延びる稜線、およびそれぞれ前後方向に延びる上稜線および下稜線を設けて、フロントピラーの剛性を向上させることも開示されている。
【特許文献1】特開2007−168479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ヒンジピラーは、前方衝突時に後方への荷重を受けることになるが、特にオフセット衝突時には、ヒンジピラーが車幅方向外方側に変形されるような荷重を受けることになる。ヒンジピラーが車幅方向外方側に変形すると、前後方向の変形がより容易となって、車室側への変形量が大きくなるので、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を極力抑制することが望まれることになる。
【0005】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、前方衝突時におけるヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を防止あるいは抑制できるようにした車両の側部車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
ヒンジピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ヒンジピラーに、ヒンジレインフォースメントを介してアッパドアヒンジが取付けられ、
前記ヒンジレインフォースメントに、ヒンジピラーインナ側に位置された取付部が設けられ、
前記ヒンジピラーインナの車幅方向内方側に、前記ヒンジレインフォースメントにおける前記取付部とダッシュパネル後面とを連結するガセット部材が設けられている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、前方衝突時、特にオフセット衝突時に、ヒンジピラーが車幅方向外方側に向けて変形しようとする外力に対してガセット部材が抵抗することとなって、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形が防止あるいは抑制されることになる。また、ガセット部材によって、ヒンジピラーやダッシュパネルそのものの補強が行われると共に、ヒンジピラーとダッシュパネルとの交差部分(角部)の剛性が大きく高められることにもなる。
【0007】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記ガセット部材と前記ダッシュパネルとの連結部位の高さ位置が、前記ヒンジピラーの上部から前方に向けて延びるエプロンレインフォースメントの高さ位置に対応する位置に設定されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、前方衝突時には、エプロンレインフォースメントを介してヒンジピラーに衝突荷重が入力されるが、ガセット部材のダッシュパネルに対する連結部の高さ位置をエプロンレインフォースメントの高さ位置と対応させた位置とすることによって、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を効果的に防止あるいは抑制することができる。
【0008】
前記ダッシュパネルの後面に、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメントが接合されており、
前記ガセット部材が前記ダッシュパネルレインフォースメントに対して連結されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、ガセット部材とダッシュパネルとの連結強度を十分に確保することができる。勿論、ダッシュパネルそのものも、ダッシュパネルレインフォースメントによって十分に補強されて剛性の高いものとなる。
【0009】
前記ダッシュパネルが、ダッシュパネルロアとカウル部を構成するダッシュパネルアッパとによって構成され、
前記ガセット部材が、前記ダッシュパネルロアと前記ダッシュパネルアッパとにそれぞれ連結されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、ガセット部材を、ダッシュパネルロアとアッパとの両方に連結することによって、ダッシュパネルに対する連結強度を十分に高める上で好ましいものとなる。また、ダッシュパネルロアとアッパとの結合も、ガセット部材によって補強されることになる。
【0010】
前記ガセット部材が、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部を有し、
前記ガセット部材における前記本体部の上面および下面の幅がそれぞれ、前記ヒンジレインフォースメントに対する連結部から前記ダッシュパネルに対する連結部に向けて徐々に大きくされている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、ダッシュパネルとガセット部材の連結強度を高めることとができる。また、ガセット部材を極力軽量化しつつガセット部材そのものの剛性(強度)を高める上で好ましいものとなる。さらに、ガセット部材の後側部分の車幅方向内方側への突出量を小さくすることができて、車室スペースを極力広く確保する上でも好ましいものとなる。
【0011】
前記ヒンジレインフォースメントが、車幅方向内方側に向けて開口するカップ状に形成され、
前記ガセット部材と前記ヒンジレインフォースメントとの上部同士および下部同士が、前記ヒンジピラーインナを挟んで連結されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、ヒンジレインフォースメントの剛性を高いものとしてドアヒンジの取付強度を十分確保しつつ、ヒンジレインフォースメントとガセット部材との連結部の剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前方衝突時におけるヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を防止あるいは抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図3は、車体の右前部付近を示すもので、図1はフロントフェンダ1が取付けられた状態の側面図であり、図2はフロントフェンダ1を取外した状態でのドアヒンジ部分を拡大して示す側面図であり、図3は、図2に示す状態からさらにヒンジピラーアウタを取外してヒンジレインフォースメント部分を示す拡大斜視図である。この図1〜図3において、2はヒンジピラー、3はヒンジピラーの上部から上方へ延びるフロントピラーであり、4はヒンジピラーの上部から前方へ向けて延びるエプロンレインフォースメントである。また、ヒンジピラー2の下端部は、前後方向に延びるサイドシル5に接合されている。
【0014】
ヒンジピラー2には、上下一対のドアヒンジ10,11が取付けられている。各ドアヒンジ10,11は、ヒンジピラー2へ一体化されるピラー側取付部13と、図示を略すサイドドアに一体化されるドア側取付部14と、上下方向に延びる連結ピン15と、を有する。そして、ピラー側取付部13とドア側取付部14とは、連結ピン15によって揺動可能に連結されている(連結ピン15が、サイドドアの開閉時の揺動中心となる)。
【0015】
ヒンジピラー2は、図4に示すように、ヒンジピラーアウタ2Aとヒンジピラーインナ2Bとによって閉断面状に形成されると共に、その内部に配設されたヒンジピラーレインフォースメント2Cによって補強されている。
【0016】
ヒンジピラー2の前端部には、ダッシュパネル6の車幅方向外端部が連結されている。ダッシュパネル6は、車室とその前方のエンジンルームとを仕切るもので、上下方向および左右方向に延びている(図4、図5参照)。このダッシュパネル6は、ダッシュパネルロア6Aと、ダッシュパネルアッパ6Bとから構成され、ダッシュパネルロア6Aの上端部にダッシュパネルアッパ6Bの下端部が接合されている。そして、ダッシュパネルアッパ6Bは、カウル部6Cを構成している。
【0017】
ダッシュパネル6の後面、より具体的にはダッシュパネルロア6Aの上端部の後面には、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメント7が接合されている。このダッシュパネルレインフォースメント7の車幅方向端部は、ヒンジピラー2の直近にまで延びている。
【0018】
図6〜図8に示すように、左右一対のヒンジピラー2(一方のヒンジピラーは図示略)の後端部同士は、車幅方向に延びる強度部材としてステアリング支持部材20によって連結されている。このステアリング支持部材20は、ブラケット21を介して、ヒンジピラー2に連結され、ヒンジピラー2に対する連結用の固定具が符合22で示される。
【0019】
図3、図4に示すように、前記アッパドアヒンジ10は、ヒンジレインフォースメント30を介してヒンジピラー2に一体化されている。ヒンジレインフォースメント30は、車幅方向外方側に向けて膨出された膨出部30aを有して、全体的には、車幅方向内方側に向けて開口されたカップ状に形成されて、剛性の優れたものとなっている。このヒンジレインフォースメント30の膨出部30a(の車幅方向外側面)とアッパドアヒンジ10(のピラー側取付部13)とが、ヒンジピラーアウタ2Aとヒンジピラーレインフォースメント2Cとを間に挟んだ状態で、固定具31によって固定されている(図4参照)。なお、ヒンジレインフォースメント30は、例えば鉄板を加工することによって構成されている。
【0020】
ヒンジレインフォースメント30は、その車幅方向内方側部分において、上下一対の取付部30bを有する(図12参照)。この取付部30bは、後述するガセット部材40の取付用となるもので、ヒンジピラーインナ2B側に位置されており、より具体的にはヒンジピラーインナ2Bの内面に接触あるいはほぼ接触するように位置されている。
【0021】
図4、図7〜図10に示すように、ヒンジレインフォースメント30とダッシュパネル6とが、ガセット部材40によって連結されている。ガセット部材40は、ヒンジピラーインナ2Bの車幅方向内方側に位置されて、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部40Aと、本体部40Aの上下に形成されたフランジ部40Bを有し、全体的な断面形状はハット状とされている(特に図13参照)。このガセット部材40は、例えば鉄板を加工することによって形成されている。
【0022】
ガセット部材40のうち、本体部40Aの上面および下面は互いに同一形状とされて、前方へ向かうにつれて徐々に幅広くなる(車幅方向長さが大きくなる)よう形状に設定されている。さらに、ガセット部材40は、全体的に、前方に向かうにつれて徐々に車幅方向内方側に向かうように配設されている(ヒンジピラー2とダッシュパネル6との交差部を補強するすじかい機能)。
【0023】
ガセット部材40の後端部には、上下のフランジ部40Bから延設して、上下一対の取付部40Cが形成されている。この取付部40Cは、ヒンジレインフォースメント30の取付部30bに対応した位置とされている(特に図11参照)。
【0024】
また、ガセット部材40の前端部には、上下方向に間隔をあけて合計3個の取付部40Dが形成されている。上2つの取付部40Dの位置は、ダッシュパネルアッパ6Bの高さ位置となるように位置設定されている。また、最下方の取付部40Dは、ダッシュパネルレインフォースメント7の高さ位置に対応している。
【0025】
ガセット部材40とヒンジレインフォースメント30との連結は、次のようにして行われている。すなわち、ガセット部材40の取付部40Cとヒンジレインフォースメント30の取付部30bとでヒンジピラーインナ2Bを挟んだ状態で、ボルト、ナット等の固定具41によって固定されている(図4,図10,図11参照)。
【0026】
ガセット部材40とダッシュパネル6との連結は、次のようにして行われている。すなわち、ガセット部材40の前側の取付部40Dのうち、うえ2つの取付部40Dが、ダッシュパネルアッパ6Bに対して、ボルト、ナット等の固定具42によって固定されている(図9〜図11参照)。また、前側の取付部40Dのうち、最下方の取付部40Dが、ダッシュパネルレインフォースメント7に対して、ボルト、ナット等の固定具43によって固定されている(図9〜図11参照)。
【0027】
ガセット部材40とヒンジピラー2の上端部から前方へ延びる前述したエプロンレインフォースメント4とは、その高さ位置がほぼ同一となるように位置設定されている(エプロンレインフォースメント4を後方へ延長した3延長線の高さ位置範囲にガセット部材40が位置される)。
【0028】
以上のような構成において、前方衝突時、オフセット衝突時には、ヒンジピラー2に対して、後方への荷重で、かつヒンジピラー2を車幅方向外側に向けて変形させるような荷重が作用する。ヒンジピラー2は、ガセット部材40を介してダッシュパネル6に連結されているため、ヒンジピラー2が車幅方向外方側に向けて変形するのが防止あるいは抑制されることになる。つまり、ヒンジピラー2が車幅方向外方側に向けて変形しようとしたとき、ガセット部材40はヒンジピラー2から引っ張り力を受けるが、この引っ張り力をガセット部材40を介してダッシュパネル6で受け止めて、ヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形が防止あるいは抑制されることになる。ヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形防止あるいは抑制によって、ヒンジピラー2の後方への変位つまり車室に向けての後退が防止あるいは抑制されることになる。
【0029】
前方衝突時の後方への荷重は、エプロンレインフォースメント4を介してヒンジピラー2へ入力されるが、このガセット部材40の高さ位置が、エプロンレインフォースメント4の高さ位置と対応した位置とされているので、ガセット部材40を利用したヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形がより効果的に防止あるいは抑制されることになる。
【0030】
ガセット部材40のヒンジピラー2に対する取付けは、強度部材としてのヒンジレインフォースメント30を介して行うので、その取付強度(剛性)が高いものとなる。また、ガセット部材40のダッシュパネル6に対する取付けは、ダッシュパネルアッパ6Bと、ダッシュパネルロア6Aに接合された強度部材としてのダッシュパネルレインフォースメント7に対して行われているので、ダッシュパネル6に対する取付強度(剛性)も高いものとなる。ガセット部材40の前後の各取付強度が高いということは、ヒンジピラー2のダッシュパネル6への連結強度が高いということとなり、ヒンジピラー2の車幅方向外側への変形抑制の上で有利となる。
【0031】
ガセット部材40が、ダッシュパネルロア6Aとダッシュパネルアウタパネル6Bとに跨って連結されることから、この6Aと6Bとの結合部位の強度も高められることになる。勿論、ダッシュパネルレインフォースメント7によって、ダッシュパネル6が補強されていることから、ヒンジピラー2からガセット部材40を介して受ける引張力を受けても変形しにくいものとなる。
【0032】
ガセット部材40は、ヒンジピラー2とダッシュパネル6との交差部となる角部を補強するすじかい機能を有するので、この交差部の剛性を大幅に向上することができる。このことは、車体剛性を高めて、走行中の振動防止や車体のねじれ防止等の上で好ましいものとなる。
【0033】
ガセット部材40は、その後端部の幅(車幅方向幅)が、前端部の幅に比して小さいものとされている。これにより、ガセット部材40の軽量化はもとより、車室内を乗員等が極力広く有効利用したり、別途内装品を配設するスペース確保の点で好ましいものとなる。また、ガセット部材40の前端部側の幅は大きくされているので、つまり比較的薄肉となるダッシュパネル6側への連結部の幅が大きくされているので、ガセット部材40からダッシュパネル6へ作用する外力を極力分散して、ダッシュパネル6に外力が集中しないようにする上で好ましいものとなる。ちなみに、ガセット部材40の幅を全体的にその前端部と同じ大きな幅のままとしたときは、ガセット部材40がかなり大型化となり、また重量も増大となってしまうことになる。
【0034】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。ガセット部材40の断面形状は適宜の形状に設定できる。ガセット部材40とダッシュパネル6との連結を、ダッシュパネルレインフォースメント7を介することなく行うようにしてもよい。ヒンジレインフォースメント30は、カップ状部分を有しないで、全体的に板状のものであってもよく、この場合は、剛性向上等のために曲げ加工やビード加工をしておくのが好ましい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、サイドドアを取外した状態での右側のヒンジピラー付近を示す側面図。
【図2】フロントフェンダを取外した状態でのヒンジピラー付近を示すもので、図1に対応した側面図。
【図3】ヒンジピラーアウタを取外した状態でのドアヒンジおよびヒンジレインフォースメントを示す斜視図。
【図4】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近の断面構造を示す平面断面図。
【図5】ヒンジピラーインナを取外した状態でのヒンジピラーおよびダッシュパネル付近の構造を示す側面断面図。
【図6】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示すエンジンルーム側からの斜視図。
【図7】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示す車室内側からの斜視図。
【図8】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示す平面図。
【図9】ガセット部材付近を示す車室内側からの斜視図
【図10】ガセット部材付近を詳細に示す車室内側からの斜視図。
【図11】図10の状態から、ヒンジピラーインナを取外した状態を示す斜視図。
【図12】図11の状態からガセット部材を取外した状態を示す斜視図。
【図13】ガセット部材の断面形状を示す断面図。
【符号の説明】
【0036】
2:ヒンジピラー
2A:ヒンジピラーアウタ
2B:ヒンジピラーインナ
2C:ヒンジピラーレインフォースメント
4:エプロンレインフォースメント
6:ダッシュパネル
6A:ダッシュパネルロア
6B:ダッシュパネルアッパ
6C:カウル部
7:ダッシュパネルレインフォースメント
10:アッパドアヒンジ
30:ヒンジレインフォースメント
30a:膨出部(カップ部)
30b:取付部(ガセット部材連結用)
40:ガセット部材
40A:本体部
40B:フランジ部
40C:取付部(ヒンジレインフォースメント連結用)
40D:取付部(ダッシュパネル連結用)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の側部構造においては、車室の前端部付近において上下方向に延びる左右一対のヒンジピラーが設けられ、このヒンジピラーに取付けた上下一対のドアヒンジに対してサイドドアが取付けられる。ヒンジピラーは車体強度部材として機能することが要求されることから、ヒンジピラーインナとヒンジピラーアウタとで閉断面状に構成すると共に、その内部にレインフォースメントを有するように設定することも一般的に行われている。そして、ヒンジピラー内にヒンジレインフォースメントを設けて、このヒンジレインフォースメントに対してドアヒンジを取付けることも行われている。
【0003】
特許文献1には、フロントピラーレインフォースメントに、インナパネメンバの取付部を補強する補強部材を設けることが提案されている。また、特許文献1には、フロントピラーレインフォースメントに、上下方向に延びる稜線、およびそれぞれ前後方向に延びる上稜線および下稜線を設けて、フロントピラーの剛性を向上させることも開示されている。
【特許文献1】特開2007−168479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ヒンジピラーは、前方衝突時に後方への荷重を受けることになるが、特にオフセット衝突時には、ヒンジピラーが車幅方向外方側に変形されるような荷重を受けることになる。ヒンジピラーが車幅方向外方側に変形すると、前後方向の変形がより容易となって、車室側への変形量が大きくなるので、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を極力抑制することが望まれることになる。
【0005】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、前方衝突時におけるヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を防止あるいは抑制できるようにした車両の側部車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
ヒンジピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ヒンジピラーに、ヒンジレインフォースメントを介してアッパドアヒンジが取付けられ、
前記ヒンジレインフォースメントに、ヒンジピラーインナ側に位置された取付部が設けられ、
前記ヒンジピラーインナの車幅方向内方側に、前記ヒンジレインフォースメントにおける前記取付部とダッシュパネル後面とを連結するガセット部材が設けられている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、前方衝突時、特にオフセット衝突時に、ヒンジピラーが車幅方向外方側に向けて変形しようとする外力に対してガセット部材が抵抗することとなって、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形が防止あるいは抑制されることになる。また、ガセット部材によって、ヒンジピラーやダッシュパネルそのものの補強が行われると共に、ヒンジピラーとダッシュパネルとの交差部分(角部)の剛性が大きく高められることにもなる。
【0007】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記ガセット部材と前記ダッシュパネルとの連結部位の高さ位置が、前記ヒンジピラーの上部から前方に向けて延びるエプロンレインフォースメントの高さ位置に対応する位置に設定されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、前方衝突時には、エプロンレインフォースメントを介してヒンジピラーに衝突荷重が入力されるが、ガセット部材のダッシュパネルに対する連結部の高さ位置をエプロンレインフォースメントの高さ位置と対応させた位置とすることによって、ヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を効果的に防止あるいは抑制することができる。
【0008】
前記ダッシュパネルの後面に、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメントが接合されており、
前記ガセット部材が前記ダッシュパネルレインフォースメントに対して連結されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、ガセット部材とダッシュパネルとの連結強度を十分に確保することができる。勿論、ダッシュパネルそのものも、ダッシュパネルレインフォースメントによって十分に補強されて剛性の高いものとなる。
【0009】
前記ダッシュパネルが、ダッシュパネルロアとカウル部を構成するダッシュパネルアッパとによって構成され、
前記ガセット部材が、前記ダッシュパネルロアと前記ダッシュパネルアッパとにそれぞれ連結されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、ガセット部材を、ダッシュパネルロアとアッパとの両方に連結することによって、ダッシュパネルに対する連結強度を十分に高める上で好ましいものとなる。また、ダッシュパネルロアとアッパとの結合も、ガセット部材によって補強されることになる。
【0010】
前記ガセット部材が、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部を有し、
前記ガセット部材における前記本体部の上面および下面の幅がそれぞれ、前記ヒンジレインフォースメントに対する連結部から前記ダッシュパネルに対する連結部に向けて徐々に大きくされている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、ダッシュパネルとガセット部材の連結強度を高めることとができる。また、ガセット部材を極力軽量化しつつガセット部材そのものの剛性(強度)を高める上で好ましいものとなる。さらに、ガセット部材の後側部分の車幅方向内方側への突出量を小さくすることができて、車室スペースを極力広く確保する上でも好ましいものとなる。
【0011】
前記ヒンジレインフォースメントが、車幅方向内方側に向けて開口するカップ状に形成され、
前記ガセット部材と前記ヒンジレインフォースメントとの上部同士および下部同士が、前記ヒンジピラーインナを挟んで連結されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、ヒンジレインフォースメントの剛性を高いものとしてドアヒンジの取付強度を十分確保しつつ、ヒンジレインフォースメントとガセット部材との連結部の剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前方衝突時におけるヒンジピラーの車幅方向外方側への変形を防止あるいは抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図3は、車体の右前部付近を示すもので、図1はフロントフェンダ1が取付けられた状態の側面図であり、図2はフロントフェンダ1を取外した状態でのドアヒンジ部分を拡大して示す側面図であり、図3は、図2に示す状態からさらにヒンジピラーアウタを取外してヒンジレインフォースメント部分を示す拡大斜視図である。この図1〜図3において、2はヒンジピラー、3はヒンジピラーの上部から上方へ延びるフロントピラーであり、4はヒンジピラーの上部から前方へ向けて延びるエプロンレインフォースメントである。また、ヒンジピラー2の下端部は、前後方向に延びるサイドシル5に接合されている。
【0014】
ヒンジピラー2には、上下一対のドアヒンジ10,11が取付けられている。各ドアヒンジ10,11は、ヒンジピラー2へ一体化されるピラー側取付部13と、図示を略すサイドドアに一体化されるドア側取付部14と、上下方向に延びる連結ピン15と、を有する。そして、ピラー側取付部13とドア側取付部14とは、連結ピン15によって揺動可能に連結されている(連結ピン15が、サイドドアの開閉時の揺動中心となる)。
【0015】
ヒンジピラー2は、図4に示すように、ヒンジピラーアウタ2Aとヒンジピラーインナ2Bとによって閉断面状に形成されると共に、その内部に配設されたヒンジピラーレインフォースメント2Cによって補強されている。
【0016】
ヒンジピラー2の前端部には、ダッシュパネル6の車幅方向外端部が連結されている。ダッシュパネル6は、車室とその前方のエンジンルームとを仕切るもので、上下方向および左右方向に延びている(図4、図5参照)。このダッシュパネル6は、ダッシュパネルロア6Aと、ダッシュパネルアッパ6Bとから構成され、ダッシュパネルロア6Aの上端部にダッシュパネルアッパ6Bの下端部が接合されている。そして、ダッシュパネルアッパ6Bは、カウル部6Cを構成している。
【0017】
ダッシュパネル6の後面、より具体的にはダッシュパネルロア6Aの上端部の後面には、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメント7が接合されている。このダッシュパネルレインフォースメント7の車幅方向端部は、ヒンジピラー2の直近にまで延びている。
【0018】
図6〜図8に示すように、左右一対のヒンジピラー2(一方のヒンジピラーは図示略)の後端部同士は、車幅方向に延びる強度部材としてステアリング支持部材20によって連結されている。このステアリング支持部材20は、ブラケット21を介して、ヒンジピラー2に連結され、ヒンジピラー2に対する連結用の固定具が符合22で示される。
【0019】
図3、図4に示すように、前記アッパドアヒンジ10は、ヒンジレインフォースメント30を介してヒンジピラー2に一体化されている。ヒンジレインフォースメント30は、車幅方向外方側に向けて膨出された膨出部30aを有して、全体的には、車幅方向内方側に向けて開口されたカップ状に形成されて、剛性の優れたものとなっている。このヒンジレインフォースメント30の膨出部30a(の車幅方向外側面)とアッパドアヒンジ10(のピラー側取付部13)とが、ヒンジピラーアウタ2Aとヒンジピラーレインフォースメント2Cとを間に挟んだ状態で、固定具31によって固定されている(図4参照)。なお、ヒンジレインフォースメント30は、例えば鉄板を加工することによって構成されている。
【0020】
ヒンジレインフォースメント30は、その車幅方向内方側部分において、上下一対の取付部30bを有する(図12参照)。この取付部30bは、後述するガセット部材40の取付用となるもので、ヒンジピラーインナ2B側に位置されており、より具体的にはヒンジピラーインナ2Bの内面に接触あるいはほぼ接触するように位置されている。
【0021】
図4、図7〜図10に示すように、ヒンジレインフォースメント30とダッシュパネル6とが、ガセット部材40によって連結されている。ガセット部材40は、ヒンジピラーインナ2Bの車幅方向内方側に位置されて、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部40Aと、本体部40Aの上下に形成されたフランジ部40Bを有し、全体的な断面形状はハット状とされている(特に図13参照)。このガセット部材40は、例えば鉄板を加工することによって形成されている。
【0022】
ガセット部材40のうち、本体部40Aの上面および下面は互いに同一形状とされて、前方へ向かうにつれて徐々に幅広くなる(車幅方向長さが大きくなる)よう形状に設定されている。さらに、ガセット部材40は、全体的に、前方に向かうにつれて徐々に車幅方向内方側に向かうように配設されている(ヒンジピラー2とダッシュパネル6との交差部を補強するすじかい機能)。
【0023】
ガセット部材40の後端部には、上下のフランジ部40Bから延設して、上下一対の取付部40Cが形成されている。この取付部40Cは、ヒンジレインフォースメント30の取付部30bに対応した位置とされている(特に図11参照)。
【0024】
また、ガセット部材40の前端部には、上下方向に間隔をあけて合計3個の取付部40Dが形成されている。上2つの取付部40Dの位置は、ダッシュパネルアッパ6Bの高さ位置となるように位置設定されている。また、最下方の取付部40Dは、ダッシュパネルレインフォースメント7の高さ位置に対応している。
【0025】
ガセット部材40とヒンジレインフォースメント30との連結は、次のようにして行われている。すなわち、ガセット部材40の取付部40Cとヒンジレインフォースメント30の取付部30bとでヒンジピラーインナ2Bを挟んだ状態で、ボルト、ナット等の固定具41によって固定されている(図4,図10,図11参照)。
【0026】
ガセット部材40とダッシュパネル6との連結は、次のようにして行われている。すなわち、ガセット部材40の前側の取付部40Dのうち、うえ2つの取付部40Dが、ダッシュパネルアッパ6Bに対して、ボルト、ナット等の固定具42によって固定されている(図9〜図11参照)。また、前側の取付部40Dのうち、最下方の取付部40Dが、ダッシュパネルレインフォースメント7に対して、ボルト、ナット等の固定具43によって固定されている(図9〜図11参照)。
【0027】
ガセット部材40とヒンジピラー2の上端部から前方へ延びる前述したエプロンレインフォースメント4とは、その高さ位置がほぼ同一となるように位置設定されている(エプロンレインフォースメント4を後方へ延長した3延長線の高さ位置範囲にガセット部材40が位置される)。
【0028】
以上のような構成において、前方衝突時、オフセット衝突時には、ヒンジピラー2に対して、後方への荷重で、かつヒンジピラー2を車幅方向外側に向けて変形させるような荷重が作用する。ヒンジピラー2は、ガセット部材40を介してダッシュパネル6に連結されているため、ヒンジピラー2が車幅方向外方側に向けて変形するのが防止あるいは抑制されることになる。つまり、ヒンジピラー2が車幅方向外方側に向けて変形しようとしたとき、ガセット部材40はヒンジピラー2から引っ張り力を受けるが、この引っ張り力をガセット部材40を介してダッシュパネル6で受け止めて、ヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形が防止あるいは抑制されることになる。ヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形防止あるいは抑制によって、ヒンジピラー2の後方への変位つまり車室に向けての後退が防止あるいは抑制されることになる。
【0029】
前方衝突時の後方への荷重は、エプロンレインフォースメント4を介してヒンジピラー2へ入力されるが、このガセット部材40の高さ位置が、エプロンレインフォースメント4の高さ位置と対応した位置とされているので、ガセット部材40を利用したヒンジピラー2の車幅方向外方側への変形がより効果的に防止あるいは抑制されることになる。
【0030】
ガセット部材40のヒンジピラー2に対する取付けは、強度部材としてのヒンジレインフォースメント30を介して行うので、その取付強度(剛性)が高いものとなる。また、ガセット部材40のダッシュパネル6に対する取付けは、ダッシュパネルアッパ6Bと、ダッシュパネルロア6Aに接合された強度部材としてのダッシュパネルレインフォースメント7に対して行われているので、ダッシュパネル6に対する取付強度(剛性)も高いものとなる。ガセット部材40の前後の各取付強度が高いということは、ヒンジピラー2のダッシュパネル6への連結強度が高いということとなり、ヒンジピラー2の車幅方向外側への変形抑制の上で有利となる。
【0031】
ガセット部材40が、ダッシュパネルロア6Aとダッシュパネルアウタパネル6Bとに跨って連結されることから、この6Aと6Bとの結合部位の強度も高められることになる。勿論、ダッシュパネルレインフォースメント7によって、ダッシュパネル6が補強されていることから、ヒンジピラー2からガセット部材40を介して受ける引張力を受けても変形しにくいものとなる。
【0032】
ガセット部材40は、ヒンジピラー2とダッシュパネル6との交差部となる角部を補強するすじかい機能を有するので、この交差部の剛性を大幅に向上することができる。このことは、車体剛性を高めて、走行中の振動防止や車体のねじれ防止等の上で好ましいものとなる。
【0033】
ガセット部材40は、その後端部の幅(車幅方向幅)が、前端部の幅に比して小さいものとされている。これにより、ガセット部材40の軽量化はもとより、車室内を乗員等が極力広く有効利用したり、別途内装品を配設するスペース確保の点で好ましいものとなる。また、ガセット部材40の前端部側の幅は大きくされているので、つまり比較的薄肉となるダッシュパネル6側への連結部の幅が大きくされているので、ガセット部材40からダッシュパネル6へ作用する外力を極力分散して、ダッシュパネル6に外力が集中しないようにする上で好ましいものとなる。ちなみに、ガセット部材40の幅を全体的にその前端部と同じ大きな幅のままとしたときは、ガセット部材40がかなり大型化となり、また重量も増大となってしまうことになる。
【0034】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。ガセット部材40の断面形状は適宜の形状に設定できる。ガセット部材40とダッシュパネル6との連結を、ダッシュパネルレインフォースメント7を介することなく行うようにしてもよい。ヒンジレインフォースメント30は、カップ状部分を有しないで、全体的に板状のものであってもよく、この場合は、剛性向上等のために曲げ加工やビード加工をしておくのが好ましい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、サイドドアを取外した状態での右側のヒンジピラー付近を示す側面図。
【図2】フロントフェンダを取外した状態でのヒンジピラー付近を示すもので、図1に対応した側面図。
【図3】ヒンジピラーアウタを取外した状態でのドアヒンジおよびヒンジレインフォースメントを示す斜視図。
【図4】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近の断面構造を示す平面断面図。
【図5】ヒンジピラーインナを取外した状態でのヒンジピラーおよびダッシュパネル付近の構造を示す側面断面図。
【図6】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示すエンジンルーム側からの斜視図。
【図7】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示す車室内側からの斜視図。
【図8】ヒンジピラーおよびダッシュパネル付近を示す平面図。
【図9】ガセット部材付近を示す車室内側からの斜視図
【図10】ガセット部材付近を詳細に示す車室内側からの斜視図。
【図11】図10の状態から、ヒンジピラーインナを取外した状態を示す斜視図。
【図12】図11の状態からガセット部材を取外した状態を示す斜視図。
【図13】ガセット部材の断面形状を示す断面図。
【符号の説明】
【0036】
2:ヒンジピラー
2A:ヒンジピラーアウタ
2B:ヒンジピラーインナ
2C:ヒンジピラーレインフォースメント
4:エプロンレインフォースメント
6:ダッシュパネル
6A:ダッシュパネルロア
6B:ダッシュパネルアッパ
6C:カウル部
7:ダッシュパネルレインフォースメント
10:アッパドアヒンジ
30:ヒンジレインフォースメント
30a:膨出部(カップ部)
30b:取付部(ガセット部材連結用)
40:ガセット部材
40A:本体部
40B:フランジ部
40C:取付部(ヒンジレインフォースメント連結用)
40D:取付部(ダッシュパネル連結用)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ヒンジピラーに、ヒンジレインフォースメントを介してアッパドアヒンジが取付けられ、
前記ヒンジレインフォースメントに、ヒンジピラーインナ側に位置された取付部が設けられ、
前記ヒンジピラーインナの車幅方向内方側に、前記ヒンジレインフォースメントにおける前記取付部とダッシュパネル後面とを連結するガセット部材が設けられている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガセット部材と前記ダッシュパネルとの連結部位の高さ位置が、前記ヒンジピラーの上部から前方に向けて延びるエプロンレインフォースメントの高さ位置に対応する位置に設定されている、ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ダッシュパネルの後面に、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメントが接合されており、
前記ガセット部材が前記ダッシュパネルレインフォースメントに対して連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記ダッシュパネルが、ダッシュパネルロアとカウル部を構成するダッシュパネルアッパとによって構成され、
前記ガセット部材が、前記ダッシュパネルロアと前記ダッシュパネルアッパとにそれぞれ連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記ガセット部材が、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部を有し、
前記ガセット部材における前記本体部の上面および下面の幅がそれぞれ、前記ヒンジレインフォースメントに対する連結部から前記ダッシュパネルに対する連結部に向けて徐々に大きくされている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記ヒンジレインフォースメントが、車幅方向内方側に向けて開口するカップ状に形成され、
前記ガセット部材と前記ヒンジレインフォースメントとの上部同士および下部同士が、前記ヒンジピラーインナを挟んで連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項1】
ヒンジピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ヒンジピラーに、ヒンジレインフォースメントを介してアッパドアヒンジが取付けられ、
前記ヒンジレインフォースメントに、ヒンジピラーインナ側に位置された取付部が設けられ、
前記ヒンジピラーインナの車幅方向内方側に、前記ヒンジレインフォースメントにおける前記取付部とダッシュパネル後面とを連結するガセット部材が設けられている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガセット部材と前記ダッシュパネルとの連結部位の高さ位置が、前記ヒンジピラーの上部から前方に向けて延びるエプロンレインフォースメントの高さ位置に対応する位置に設定されている、ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ダッシュパネルの後面に、車幅方向に延びるダッシュパネルレインフォースメントが接合されており、
前記ガセット部材が前記ダッシュパネルレインフォースメントに対して連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記ダッシュパネルが、ダッシュパネルロアとカウル部を構成するダッシュパネルアッパとによって構成され、
前記ガセット部材が、前記ダッシュパネルロアと前記ダッシュパネルアッパとにそれぞれ連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記ガセット部材が、車幅方向外方側に向けた開口された断面コ字状の本体部を有し、
前記ガセット部材における前記本体部の上面および下面の幅がそれぞれ、前記ヒンジレインフォースメントに対する連結部から前記ダッシュパネルに対する連結部に向けて徐々に大きくされている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記ヒンジレインフォースメントが、車幅方向内方側に向けて開口するカップ状に形成され、
前記ガセット部材と前記ヒンジレインフォースメントとの上部同士および下部同士が、前記ヒンジピラーインナを挟んで連結されている、
ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−143394(P2010−143394A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322590(P2008−322590)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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