説明

車両の充電器及びバッテリ冷却構造

【課題】車両に搭載された充電器やバッテリを、使用環境に応じて最適に冷却することができる冷却構造を提供する。
【解決手段】充電器12が収容される充電器収容室15と、充電器収容室15に外気を取り入れる導入口18と、バッテリ13が収容されるとともに充電器収容室15に連通部17を介して連通するバッテリ収容室16と、バッテリ収容室16から空気を排気する排出口19と、を備える。充電器12を支持する摺動部材20は、充電器収容室15内で摺動自在に設けられており、その摺動位置に応じて連通部17の連通開度が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される充電器及びバッテリを冷却する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電器やバッテリが搭載された車両が広く知られている。こうした車両においては、充電器やバッテリが雨水などに曝されないように、これら充電器やバッテリを格納箱に収容するのが一般的となっている。一方で、充電器は、電圧変換時に発熱することから、格納箱内が高温となり、充電器やバッテリの性能が低下するおそれがある。そこで、特許文献1〜3に示される車両においては、冷却ファンによって外気を取り入れて格納箱内を強制的に空冷するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−80930号公報
【特許文献2】特開2005−138792号公報
【特許文献3】特開2009−262759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の冷却構造によれば、通常の使用環境下では充電器やバッテリの冷却に有効であるが、低温環境下では充電器やバッテリが過冷却されてしまい、かえって充電器やバッテリの性能低下を引き起こしてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、車両に搭載された充電器やバッテリを、使用環境に応じて最適に冷却することができる冷却構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、充電器が収容される充電器収容室と、前記充電器収容室に外気を取り入れる導入口と、バッテリが収容されるとともに前記充電器収容室に連通部を介して連通するバッテリ収容室と、前記バッテリ収容室から空気を排気する排出口と、を備え、前記連通部には、前記充電器収容室とバッテリ収容室との連通開度を調整する開度調整機構が設けられてなることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明において、導入口から外気を取り入れる具体的な手段は特に限定されない。例えば、導入口から外気を取り入れる手段として、車両の走行によって生じる空気の流れが、導入口から充電器収容室に導かれるように配置することが考えられる。また、例えば、充電器収容室に冷却ファンを設けて、導入口から吸気するようにしてもよい。この場合、車両の走行状況に関わらず、充電器収容室に外気を取り入れることが可能となる。なお、冷却ファンは充電器と一体のものであってもよいし、充電器とは別体のものであってもよい。
【0008】
また、請求項1に記載の発明において、開度調整機構の構成は特に限定されるものではない。開度調整機構は、連通部を開閉するように可動する可動体や、弾性変形によって連通部の開度を調整可能な部材、あるいは膨張・収縮によって連通部の開度を調整可能な部材によって構成することが考えられる。また、開度調整機構による連通部の開度調整は手動で行うものであってもよいし、例えば、室内の温度を検出する温度検出器を設け、この温度検出器によって検出される温度に応じて自動で制御するものであってもよい。
また、請求項1に記載の発明において、充電器収容室およびバッテリ収容室は、互いに連通部によって連通するものであれば、その形状や位置関係は特に限定されない。したがって、例えば、1つの格納箱本体内に充電器収容室とバッテリ収容室とを設けるようにしてもよいし、両収容室をそれぞれ別体の格納箱本体によって形成し、両格納箱本体を配管などによって接続するようにしても構わない。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記開度調整機構が、前記充電器収容室内またはバッテリ収容室内で可動する可動体によって構成され、前記可動体の位置変位によって前記連通部の連通開度が調整されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明において、可動体が可動することによって連通部の連通開度が変位するものであれば、可動体の構成や可動態様は特に限定されない。例えば、可動体は、充電器収容室内を摺動するようにしてもよいし、回動や起伏するようにしてもよい。また、充電器本体を可動することによって連通部の連通開度が変位するようにしてもよく、この場合には充電器が本発明の可動体となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記可動体が、前記充電器収容室内を摺動する摺動部材によって構成されてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、充電器を充電器収容室に固定し、摺動部材のみを摺動するようにしてもよいし、充電器を摺動部材に固定し、充電器が摺動部材と一体的に摺動するようにしてもよい。
請求項4に記載の発明は、前記摺動部材には前記充電器が固定されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記摺動部材が、前記連通部の連通開度を調整する開度調整部と、前記導入口に対面するとともに、当該導入口と前記充電器との間に位置する隔壁部と、この隔壁部に設けられ、前記導入口側と充電器側とを連通する通風部と、を備え、前記通風部の近傍には、前記導入口から外気を吸気するとともに、当該吸気した外気を、前記通風部を介して前記充電器に導く冷却ファンが設けられてなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明において、導入口と充電器との間に隔壁部が介在するとともに、この隔壁部に設けられた通風部を介して外気が吸気される構成であれば、導入口、充電器および隔壁部の相互の位置関係などは特に限定されない。また、隔壁部は、充電器収容室を、充電器側と導入口側とに完全に仕切るものであってもよいし、部分的に仕切るものであってもよい。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記充電器収容室が、前記充電器側から導入口側への空気の流通を可能とする流通部を備え、前記摺動部材の摺動過程において、前記連通部の連通開度が小さくなるにつれて前記隔壁部と導入口との間の空間が大きくなる関係を有し、前記連通部の連通開度が少なくとも最小となったとき、前記通風部および流通部によって、前記導入口から吸気された外気を充電器収容室内で循環させる空気循環路が形成されることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明において、流通部は、例えば、充電器収容室の充電器側と導入口側とを連通する専用の配管によって構成してもよいし、隔壁部に形成した孔によって構成してもよい。また、例えば、充電器側と導入口側との間に間隙が維持されるように隔壁部を設け、この間隙によって流通部を構成するようにしてもよい。
いずれにしても、請求項6に記載の発明においては、連通部の連通開度が最小である場合において、通風部を介して導入口側から充電器側に外気が吸気され、流通部を介して充電器側から導入口側に空気が循環する構成であればよい。なお、空気循環路は、連通部の連通開度が少なくとも最小となった場合に形成されていればよく、連通部の連通開度が最大の場合にも、吸気した外気の一部が充電器収容室内で循環するものであってもよい。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記通風部と導入口とが、互いに非正対する位置に設けられてなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明において、非正対する位置関係には、外気の一部または全部が、導入口から通風部に直線的に導かれずに、屈曲して導かれる関係を広く含むものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記充電器収容室およびバッテリ収容室が、格納箱本体内に設けられた仕切り板によって区画形成され、前記導入口および排気口は、前記格納箱本体の所定の一面に設けられるとともに、これら導入口および排気口が設けられた面に対向する面の近傍に前記連通部が位置してなることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記充電器収容室およびバッテリ収容室が、前記仕切り板によって鉛垂方向に区画形成されるとともに、充電器またはバッテリのうちいずれか重量の重い方が収容される収容室を下方に位置させてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、連通部の連通開度を調整することにより冷却効率を調整することができるので、充電器およびバッテリの双方を、通常の使用環境下においては十分に冷却しながら、低温環境下における過冷却を防ぐことができる。これにより、充電器およびバッテリの双方が、環境に応じて最適な状態に維持されて、長期にわたって性能を維持することができる。
【0017】
特に請求項2に記載の発明によれば、連通部の連通開度が可動体を可動するだけで調整できるので、構造を簡素化するとともに低コストで冷却効率を調整することができる。
特に請求項3に記載の発明によれば、可動体を摺動動作させることで連通部の連通開度が調整されるので、さらなる構造の簡素化と省スペース化を実現しながら冷却効率を調整することができる。
特に請求項4に記載の発明によれば、充電器と摺動部材とが一体となって摺動するので、充電器と摺動部材との干渉を防ぐことができる。
特に請求項5に記載の発明によれば、充電器と導入口との間に隔壁部が位置するので、仮に導入口から水分が侵入したとしても、こうした水分から充電器を保護することができる。
【0018】
特に請求項6に記載の発明によれば、低温環境下において、充電器を冷却した冷却風を充電器収容室内で循環させることにより、外気よりも比較的暖かい空気を冷却風とすることができ、充電器の過冷却を防止することができる。また、このとき、バッテリ収容室に送風される冷却風が減少するので、バッテリの過冷却も同時に防止することができる。
特に請求項7に記載の発明によれば、通風部と導入口とが相互に非正対する位置に設けられているので、より確実に充電器を水分から保護することができる。
特に請求項8に記載の発明によれば、充電器およびバッテリが格納箱本体によってユニット化されるので、車両への搭載が容易となるとともに、導入口と連通部との位置関係から、冷却風を最適に循環させることができる。
特に請求項9に記載の発明によれば、格納箱本体の重心が低くなるので、車両の走行安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した塵芥収集車の一例を示す図である。
【図2】充電器およびバッテリの取り付け構造を示す概念図であり、通常の冷却状態を示す図である。
【図3】充電器およびバッテリの取り付け構造を示す概念図であり、冷却効率を低下させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図3を用いて、本発明を塵芥収集車に適用した場合の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の塵芥収集車1は、車両の前後方向に延在するシャシーフレームに、キャブ2、塵芥収容箱3および不図示の積込装置が内装された塵芥投入箱4を、車両の前方側から後方側に向かって順に搭載している。
また、シャシーフレームには、塵芥収容箱3の下方に格納箱10が支持されており、この格納箱10内に、積込装置を作動したり塵芥投入箱4を開閉したりするなどの作業機械の各アクチュエータを作動する装置が収容されている。
【0021】
図2は、格納箱10に収容される装置の取り付け構造を概念的に示す図である。この図に示すように、格納箱10は、格納箱本体11内に充電器12およびバッテリ13を収容している。この充電器12は、不図示のエンジンの出力によって発電する発電機に接続されており、この発電機によって発電された電力をバッテリ13に蓄える機能を備えている。また、本実施形態においては、バッテリ13に蓄えられた電力は、作業機械の各アクチュエータを作動するための駆動力として用いられるようになっている。
【0022】
格納箱本体11は、その内部空間を上下に仕切る仕切り板14を備えており、この仕切り板14の上方に、上記の充電器12が収容される充電器収容室15が形成され、仕切り板14の下方に、上記のバッテリ13が収容されるバッテリ収容室16が形成されている。ただし、仕切り板14の幅(図中左右方向の長さ)は、格納箱本体11の幅(図中左右方向の長さ)よりも小さく形成されている。その結果、仕切り板14の端面と、格納箱本体11の面11aとの間に、間隙からなる連通部17が形成され、この連通部17によって、充電器収容室15およびバッテリ収容室16が連通するようになっている。
また、格納箱本体11には、上記の面11aに対面する面11bに、導入口18および排気口19が設けられている。導入口18は充電器収容室15に開口しており、排気口19はバッテリ収容室16に開口している。
【0023】
なお、本実施形態においては、充電器12よりもバッテリ13の重量が大きいため、車両の走行安定性などを考慮して、バッテリ収容室16を充電器収容室15の下方に位置させている。しかしながら、バッテリ13よりも充電器12の重量が大きい場合には、充電器収容室15をバッテリ収容室16の下方に位置させるとよい。
【0024】
そして、充電器収容室15には、摺動部材20が摺動自在に設けられている。この摺動部材20は、開度調整部20aと隔壁部20bとが略90度に屈曲する平板状の部材によって構成されており、上記の充電器12が、ボルトなどの不図示の固定手段によって開度調整部20aまたは隔壁部20bに支持されている。
開度調整部20aは、不図示のスライド機構を備えており、図2に示す状態から図3に示す状態へと、仕切り板14に対して相対移動可能となっている。これにより、摺動部材20は、面11b側から面11a側へと、充電器12と一体となって摺動することとなる。
【0025】
また、隔壁部20bは、開度調整部20aにおける面11b側の端面から上方に略90度起立して、面11b(導入口18)に対面している。つまり、隔壁部20bは、導入口18と充電器12との間に位置することとなり、摺動部材20の摺動過程において、隔壁部20bと面11bとの間に形成される空間が大きくなったり小さくなったりすることとなる。ただし、摺動部材20には不図示のストッパーが設けられており、図2に示すように、もっとも隔壁部20bが面11bに近づいた場合でも、これら隔壁部20bと面11bとの間に空間が維持されるようになっている。言い換えれば、摺動部材20が摺動しても、隔壁部20bと面11bとが接触することはなく、両者は常に非接触状態に維持されることとなる。
なお、詳しくは後述するが、隔壁部20bの上方には、当該隔壁部20bを境にして充電器12側と導入口18側とを常時連通する間隙からなる流通部21が設けられている。
【0026】
そして、隔壁部20bには、導入口18と非正対する位置、より具体的には、導入口18よりも下方位置に、貫通孔からなる通風部22が設けられている。また、充電器12には、その本体内に冷却ファン23が一体的に設けられており、この冷却ファン23が、通風部22の近傍位置に配置されている。したがって、冷却ファン23が駆動すると、導入口18を介して格納箱本体11内に外気が吸気されるとともに、この外気が通風部22を介して充電器12の本体内に導かれ、当該充電器12が冷却されることとなる。
なお、格納箱本体11には、導入口18および排気口19を被覆する防水カバー24が設けられている。この防水カバー24は、下面のみを開口させることにより、導入口18および排気口19に雨水などの水分が侵入しない構成としている。
【0027】
次に、本実施形態における塵芥収集車1の作用について説明する。
塵芥収集車1を、通常の環境で使用する場合には、摺動部材20および充電器12を、図2に示すように位置させておく。この状態においては、隔壁部20bと面11bとの間の空間が最小に維持されるとともに、連通部17の連通開度が最大に維持されている。そして、この状態で冷却ファン23が駆動すると、図中点線で示す矢印のように、外気は導入口18を介して格納箱本体11内に吸気されるとともに、通風部22を介して充電器12の本体内に導かれる。このようにして充電器12を冷却した冷却風は、連通部17を介してバッテリ収容室16に導かれるとともに、バッテリ13を冷却して排気口19から排気されることとなる。
【0028】
一方で、本実施形態の塵芥収集車1を低温環境下で使用する場合には、摺動部材20および充電器12を、図3に示すように位置させる。この状態においては、隔壁部20bと面11bとの間の空間が最大になるとともに、連通部17の連通開度が最小となって、充電器収容室15とバッテリ収容室16とが僅かな隙間によってのみ連通している。そして、この状態で冷却ファン23が駆動すると、図中点線で示す矢印のように、外気は導入口18を介して格納箱本体11内に吸気されるとともに、通風部22を介して充電器12の本体内に導かれる。
【0029】
このとき、連通部17は、充電器12および開度調整部20aによってほぼ閉じられているため、充電器12を冷却した冷却風のほとんどは、充電器収容室15内を循環することとなる。具体的には、充電器12を冷却した冷却風は、図中点線で示すとおり、充電器12の上方に導かれるとともに、流通部21を介して、隔壁部20bと面11bとの間に形成される空間に導かれる。このようにして隔壁部20bと面11bとの間の空間に導かれた冷却風は、冷却ファン23によって、再び、通風部22を介して充電器12側に吸気されることとなる。
【0030】
このように、連通部17の連通開度が最小に維持された状態では、流通部21と通風部22とによって空気循環路が形成されることとなり、この空気循環路を循環する冷却風によって充電器12が冷却されることとなる。充電器12を冷却した後の冷却風は、外気に比べて高温となっているため、この高温の冷却風を循環させることにより、充電器12の過冷却が防止される。ただし、充電器収容室15は完全に密閉されているわけではなく、冷却風の一部はバッテリ収容室16に導かれる。したがって、バッテリ収容室16に導かれる空気の分量だけ、常に、導入口18から充電器収容室15内に外気が吸気されることとなり、低温の外気と相対的に高温の循環空気とが混合されて、適温の冷却風が生成されることとなる。
なお、冷却風の温度調整は、連通部17の連通開度を調整して、充電器収容室15内の循環空気量を調整することにより実現される。したがって、摺動部材20を複数個所で静止可能なストッパーを設けて、連通部17の連通開度を段階的に調整できるようにすれば、常に充電器12を最適温度に維持することが可能となる。ただし、こうした調整作業の容易化を考慮すると、充電器12や充電器収容室15内の温度を検出する温度検出センサを設けるとともに、制御手段が、検出される温度に応じてアクチュエータを作動して摺動部材20を摺動させる構成とすることが望ましい。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、充電器12およびバッテリ13の双方を、通常の使用環境下においては十分に冷却しながら、低温環境下における過冷却を防ぐことができる。これにより、充電器12およびバッテリ13の双方が、環境に応じて最適な状態に維持されて、長期にわたって性能を維持することができる。また、こうした過冷却を防止するための制御は、摺動部材20を摺動させるだけで実現できるので、構造の簡素化および低コスト化をも実現可能である。
しかも、本実施形態によれば、防水カバー24を設けることにより、導入口18までの外気の流れ方向と、導入口18から通風部22までの外気の流れ方向とが異なるものとなっている。これにより、仮に雨水や洗車の際の洗浄水などが充電器収容室15内に侵入したとしても、隔壁部20bを超えて充電器12まで到達するのが困難となる。こうした防水対策は、塵芥収集車のように、洗車時に高圧洗浄水が用いられる作業車両に特に有効となる。
【0032】
なお、上記実施形態においては、本発明の冷却構造を塵芥収集車に適用した場合について説明したが、本発明は塵芥収集車に限らず、作業機械が搭載された他のあらゆる作業車や荷役用運搬車、さらには乗用車など、充電器とバッテリとを備える車両に広く適用可能である。また、バッテリに蓄えられた電力の用途は特に限定されるものではなく、例えば、バッテリに蓄えられた電力は、作業機械のアクチュエータを駆動するために用いてもよいし、ハイブリッド車のように車両の推進力に用いるものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 格納箱
11 格納箱本体
12 充電器
13 バッテリ
14 仕切り板
15 充電器収容室
16 バッテリ収容室
17 連通部
18 導入口
19 排気口
20 摺動部材
20a 開度調整部
20b 隔壁部
21 流通部
22 通風部
23 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器が収容される充電器収容室と、
前記充電器収容室に外気を取り入れる導入口と、
バッテリが収容されるとともに前記充電器収容室に連通部を介して連通するバッテリ収容室と、
前記バッテリ収容室から空気を排気する排出口と、を備え、
前記連通部には、
前記充電器収容室とバッテリ収容室との連通開度を調整する開度調整機構が設けられてなることを特徴とする車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項2】
前記開度調整機構は、前記充電器収容室内またはバッテリ収容室内で可動する可動体によって構成され、前記可動体の位置変位によって前記連通部の連通開度が調整されることを特徴とする請求項1記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項3】
前記可動体は、前記充電器収容室内を摺動する摺動部材によって構成されてなることを特徴とする請求項2記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項4】
前記摺動部材には前記充電器が固定されてなることを特徴とする請求項3記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項5】
前記摺動部材は、
摺動過程で前記連通部の連通開度を調整する開度調整部と、
前記導入口に対面するとともに、当該導入口と前記充電器との間に位置する隔壁部と、
この隔壁部に設けられ、前記導入口側と充電器側とを連通する通風部と、を備え、
前記通風部の近傍には、前記導入口から外気を吸気するとともに、当該吸気した外気を、前記通風部を介して前記充電器に導く冷却ファンが設けられてなることを特徴とする請求項3または4記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項6】
前記充電器収容室は、前記充電器側から導入口側への空気の流通を可能とする流通部を備え、
前記摺動部材の摺動過程において、前記連通部の連通開度が小さくなるにつれて前記隔壁部と導入口との間の空間が大きくなる関係を有し、
前記連通部の連通開度が少なくとも最小となったとき、前記通風部および流通部によって、前記導入口から吸気された外気を充電器収容室内で循環させる空気循環路が形成されることを特徴とする請求項5記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項7】
前記通風部と導入口とは、互いに非正対する位置に設けられてなることを特徴とする請求項6記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項8】
前記充電器収容室およびバッテリ収容室は、格納箱本体内に設けられた仕切り板によって区画形成され、
前記導入口および排気口は、前記格納箱本体の所定の一面に設けられるとともに、これら導入口および排気口が設けられた面に対向する面の近傍に前記連通部が位置してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。
【請求項9】
前記充電器収容室およびバッテリ収容室は、前記仕切り板によって鉛垂方向に区画形成されるとともに、充電器またはバッテリのうちいずれか重量の重い方が収容される収容室を下方に位置させてなることを特徴とする請求項8記載の車両の充電器及びバッテリ冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−81879(P2012−81879A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230072(P2010−230072)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】