説明

車両の車体前部における制振装置

【課題】車両の走行時など、ウィンドガラスに振動が発生することを抑制して、この振動に基づく不快音が発生しないようにすることである。
【解決手段】車両の車体前部は、フロントウィンド20のウィンドガラス22の下縁部を支持するフロントカウル4と、車体2の幅方向に延び、左右フロントピラー3,3に架設されるピラーツーピラーメンバ27と、フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに架設されるブレース28とを備える。ブレース28は、フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに架設されるブレース本体38と、ブレース本体38に面接合される圧電素子40,41と、ブレース本体38に発生する振動に伴い圧電素子40,41が出力する電圧を入力し、この入力に基づき振動を抑制する抗力F1,F2を圧電素子40,41に生じさせる制御装置42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレースに圧電素子を面接合し、この圧電素子の作用により上記ブレースの振動の発生を抑制するようにした車両の車体前部における制振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記制振装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記制振装置は、車体を構成するパネル体に面接合される圧電素子と、この圧電素子を電子的に制御する制御装置とを備えている。
【0003】
そして、走行時など、上記パネル体と共に上記圧電素子に振動が発生するときには、この圧電素子の振動に基づく上記制御装置による制御により、上記圧電素子に上記振動を抑制する抗力が発生させられる。そして、このような圧電素子の作用である圧電/逆圧電効果により、上記パネル体に無用な振動が発生することが防止される。
【特許文献1】特開平10−287275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の車体前部は、通常、フロントウィンドのウィンドガラスと、このウィンドガラスの下端部を支持するフロントカウルとを備えており、上記ウィンドガラスは面積の大きい薄板構造とされている。このため、このウィンドガラスは、上記従来の技術にいうパネル体に相当する。そして、上記したように、ウィンドガラスは面積の大きい薄板構造であるため、このウィンドガラスは、エンジンの駆動や走行時の走行路面からの衝撃により容易に振動して、不快音を発生するおそれがある。
【0005】
そこで、上記従来の技術のように、ウィンドガラスに圧電素子を面接合させることが考えられる。しかし、これでは、上記ウィンドガラスを通しての車外の視認性が大きく低下するため、上記したような圧電素子の面接合は不可能である。
【0006】
そこで、上記ウィンドガラスが無用に振動することを抑制するため、このウィンドガラスの下端部を支持するフロントカウルに上記圧電素子を面接合させることが考えられる。ところで、車体の製造工程において、上記フロントカウルの塗装前に、上記したようにこのフロントカウルに圧電素子を面接合させたとすると、その後における上記フロントカウルの塗装は、上記圧電素子の性能上、この圧電素子を除いてする必要が生じる。しかし、これは煩雑であり、車体の生産性を低下させることとなって好ましくない。そこで、上記フロントカウルの塗装後に圧電素子を面接合させることが考えられる。しかし、この場合には、圧電素子を面接合する工程が追加される分、車体の製造工程の期間が長くなり、これも車体の生産性を低下させることとなって好ましくない。
【0007】
また、上記したように、ウィンドガラスが無用に振動することを抑制するため、上記フロントカウルの強度、剛性を向上させることが考えられる。しかし、このようにした場合には、次の問題点が生じるおそれがある。即ち、車両が、その走行中に、前方の何らかの物体に衝突したときには、この衝突により跳ね上げられた物体が上記フロントカウルにその上方から衝突することがある。この場合、このフロントカウルは上記物体からの衝撃力により塑性変形しようとする。しかし、これは上記したフロントカウルの強度、剛性の向上によって阻害される結果となる。よって、上記衝突時の衝撃力を上記フロントカウルの塑性変形により緩和することは期待し難くなり、これは衝突時の対策上、好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両の走行時など、ウィンドガラスに振動が発生することを抑制して、この振動に基づく不快音が発生しないようにすることである。また、このようにした場合でも、上記ウィンドガラスを通しての車外の視認性が良好に保たれるようにすると共に、上記ウィンドガラスの下端部を支持するフロントカウルに何らかの物体が衝突したとき、この衝突による衝撃力をより確実に緩和できるようにすることである。
【0009】
請求項1の発明は、フロントウィンド20のウィンドガラス22の下縁部を支持するフロントカウル4と、車体2の幅方向に延び、左右フロントピラー3,3に架設されるピラーツーピラーメンバ27と、上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに架設されるブレース28とを備えた車両の車体前部において、
上記ブレース28が、上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに架設されるブレース本体38と、このブレース本体38に面接合される圧電素子40,41と、上記ブレース本体38に発生する振動に伴い上記圧電素子40,41が出力する電圧を入力し、この入力に基づき上記振動を抑制する抗力F1,F2を上記圧電素子40,41に生じさせる制御装置42とを備えたことを特徴とする車両の車体前部における制振装置である。
【0010】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明による効果は、次の如くである。
【0012】
請求項1の発明は、フロントウィンドのウィンドガラスの下縁部を支持するフロントカウルと、車体の幅方向に延び、左右フロントピラーに架設されるピラーツーピラーメンバと、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレースとを備えた車両の車体前部において、
上記ブレースが、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレース本体と、このブレース本体に面接合される圧電素子と、上記ブレース本体に発生する振動に伴い上記圧電素子が出力する電圧を入力し、この入力に基づき上記振動を抑制する抗力を上記圧電素子に生じさせる制御装置とを備えている。
【0013】
このため、車両の走行時などに、フロントカウル、ウィンドガラス、およびブレースのブレース本体に振動が発生しようとするときには、このブレース本体に面接合された圧電素子の作用である上記した圧電/逆圧電効果により、上記ブレース本体に振動が発生することが抑制される。
【0014】
よって、上記したように、ブレース本体での振動発生が抑制されることから、このブレース本体と連結されているフロントカウルと、このフロントカウルを介し上記ブレース本体と連結されている上記ウィンドガラスとにそれぞれ振動が発生しようとすることも抑制される。このため、このウィンドガラスの振動に基づく不快音の発生が防止される。
【0015】
そして、上記したウィンドガラスでの振動発生の抑制は、このウィンドガラスに直接圧電素子を面接合させたものではないため、上記ウィンドガラスを通しての車外の視認性は良好に保たれる。
【0016】
また、上記したように、フロントカウルでの振動の発生も上記ブレース本体に面接合させた圧電素子の作用により抑制される。このため、上記フロントカウルを、例えば、断面U字形状として上端開口を開放させた構造にしたり、このフロントカウルの前、後部板に脆弱部を設けたりすることにより、外力によってある程度変形し易い構造にしたとしても、このフロントカウルにおける騒音、振動の抑制性能(NV性能)は良好に保持される。
【0017】
そして、車両の衝突時、上記フロントカウルに何らかの物体が衝突したときには、この衝突時の衝撃力により、上記したようにある程度変形し易い構造とされたフロントカウルは円滑に塑性変形して、上記衝撃力に基づくエネルギーを効果的に吸収する。よって、上記衝突による衝撃力はより確実に緩和可能とされる。
【0018】
また、上記ブレース本体は、その強度、剛性の調整が予め容易にできるものである。このため、このブレース本体を、上記衝突時の衝撃力により塑性変形し易くさせておくことができ、これにより、上記衝撃力に基づくエネルギーを効果的に吸収させることができる。よって、この点でも、上記衝突による衝撃力はより確実に緩和可能とされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の車両の車体前部における制振装置に関し、車両の走行時など、ウィンドガラスに振動が発生することを抑制して、この振動に基づく不快音が発生しないようにし、また、このようにした場合でも、上記ウィンドガラスを通しての車外の視認性が良好に保たれるようにすると共に、上記ウィンドガラスの下端部を支持するフロントカウルに何らかの物体が衝突したとき、この衝突による衝撃力をより確実に緩和できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0020】
即ち、車両の車体前部は、フロントウィンドのウィンドガラスの下縁部を支持するフロントカウルと、車体の幅方向に延び、左右フロントピラーに架設されるピラーツーピラーメンバと、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレースとを備える。上記ブレースが、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレース本体と、このブレース本体に面接合される圧電素子と、上記ブレース本体に発生する振動に伴い上記圧電素子が出力する電圧を入力し、この入力に基づき上記振動を抑制する抗力を上記圧電素子に生じさせる制御装置とを備えている。
【実施例】
【0021】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0022】
図において、符号1は自動車で例示される車両で、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
【0023】
上記車両1の車体2は板金製で、この車体2前部は、その左右各側部を構成して車体2の骨格部材とされる左右フロントピラー3,3と、車体2の幅方向に延び、上記左右フロントピラー3,3の上下方向の各中途部に架設されるフロントカウル4と、車体2の幅方向に延び、上記左右フロントピラー3,3の各下部に架設されるダッシュパネル5と、上記左右フロントピラー3,3の各上端部に架設される不図示のルーフパネルとを備えている。
【0024】
上記フロントカウル4は、側面断面視(図1)で、U字形状をなし、前後で対面する前、後部板8,9と、これら両板8,9の下縁部同士を互いに結合させる底部板10と、上記後部板9の上縁部にスポット溶接により結合される補強板11とを備えている。上記フロントカウル4の底部板10に上記ダッシュパネル5の上縁部がスポット溶接により結合されている。
【0025】
上記フロントカウル4とダッシュパネル5との前方は、エンジンルーム14とされ、走行駆動源であるエンジン15が収容されている。車両1の側面視(図1)で、上記フロントピラー3とフロントカウル4とが重なっており、また、上記フロントピラー3とエンジンルーム14の後部とが重なっている。上記フロントカウル4の前方域に、上記エンジンルーム14の上端開口16が位置し、この開口16はフード17により開閉可能に閉じられている。
【0026】
上記左右フロントピラー3,3の各上部、フロントカウル4、およびルーフパネルの前縁部で囲まれた部分にフロントウィンド20が設けられている。このフロントウィンド20は、上記各部材3,4で囲まれたウィンド開口21を閉じるウィンドガラス22と、上記ウィンド開口21の開口縁部と上記ウィンドガラス22の外縁部との間に介設されてこれらの間をシールするシール材23とを備えている。この場合、上記ウィンドガラス22の下縁部は上記シール材23を介し上記フロントカウル4の補強板11に支持されている。また、上記フロントカウル4の前部板8の上縁部とフロントウィンド20の下縁部とに架設され、上記フロントカウル4の上端開口を閉じる樹脂製のカウルルーバ24が設けられている。
【0027】
上記フロントカウル4、およびフロントウィンド20の後方における上記車体2の内部が車室26とされている。上記フロントカウル4の後方近傍、かつ、車室26の前端部に位置して車体2の幅方向に延びる円形パイプ製のピラーツーピラーメンバ27が設けられている。このピラーツーピラーメンバ27は上記左右フロントピラー3,3の上下方向の各中途部に架設されている。
【0028】
上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とのそれぞれ長手方向の各中途部に架設されて、このピラーツーピラーメンバ27をフロントカウル4に支持させる左右一対のブレース28,28が設けられている。これら両ブレース28,28は車体2の幅方向の中央部29から一側部(右側部)に偏って設けられている。また、上記車体2のほぼ中央部29の位置で、上記ピラーツーピラーメンバ27をダッシュパネル5の下端部側に支持させる板金製の他のブレース30が設けられている。
【0029】
上記ピラーツーピラーメンバ27の一側部(右側部)には、不図示のステアリングコラムを支持するブラケット31が取り付けられている。また、上記フロントカウル4、ダッシュパネル5の上部、およびピラーツーピラーメンバ27を車室26側から覆うと共に、計器類を支持する樹脂製のインスツルメントパネル32が設けられている。
【0030】
上記各ブレース28は、上記フロントカウル4の後部板9の下端部から後方に向かって突設される前ブラケット35と、この前ブラケット35の後方で、上記ピラーツーピラーメンバ27から前上方に向かって突設される後ブラケット36と、前後方向に直線的に延び、その前、後端部が上記前、後ブラケット35,36の各突出端部にそれぞれ締結具37により着脱可能に固着されるブレース本体38とを備えている。上記前ブラケット35、後ブラケット36、およびブレース本体38はそれぞれ板金製とされている。このブレース本体38は、前後に長く延び、かつ、その各部横断面が縦方向に延びる平板形状をなし、全体として、帯板形状をなしている。
【0031】
上記ブレース本体38の各側面には、それぞれ圧電素子(ピエゾ素子)40,41が接着剤などにより面接合させられている。また、これら圧電素子40,41と電気的に接続され、これら圧電素子40,41を電子的に制御する制御装置42が設けられている。この制御装置42は、いわゆるシャント回路を備えたもので、上記ブレース本体38の厚さ方向(車体2の幅方向)に生じる振動により上記各圧電素子40,41が出力する電圧をそれぞれ入力し、これら入力に基づき上記振動を抑制する抗力を上記各圧電素子40,41に生じさせるよう制御するものである。
【0032】
より具体的には、車両1の走行時など、図2中、一点鎖線で示すように、上記ブレース本体38が振動して、このブレース本体38がその厚さ方向の一方向に撓んだとする。
【0033】
上記の場合、ブレース本体38の両外側面38a,38bのうち、円弧凸形状となる側の一方の外側面38aは伸長し、この一方の外側面38aに面接合させた一方の圧電素子40を伸長させる。すると、この圧電素子40は、上記伸長に相応する電圧を出力し、この電圧は上記制御装置42に入力される。すると、この入力に相応した電圧が上記制御装置42から出力される。そして、この電圧に基づき、上記一方の外側面38aが伸長しようとすることを抑制する圧縮抗力F1が、上記一方の圧電素子40に生じさせられる。
【0034】
また、上記両外側面38a,38bのうち、円弧凹形状となる側の他方の外側面38bは収縮し、この他方の外側面38bに面接合させた他方の圧電素子41を収縮させる。すると、この他方の圧電素子41は、上記収縮に相応する電圧を出力し、この電圧は上記制御装置42に入力される。すると、この入力に相応した電圧が上記制御装置42から出力される。そして、この電圧に基づき、上記他方の外側面38bが収縮しようとすることを抑制する引張抗力F2が、上記他方の圧電素子41に生じさせられる。
【0035】
このため、図2中、一点鎖線で示したように、上記ブレース本体38がその厚さ方向の一方向に撓もうとすることは抑制される。また、上記ブレース本体38が他方向に撓もうとすることも、上記とは逆の作用により抑制される。つまり、車両1の走行時などに、フロントカウル4、ウィンドガラス22、およびブレース28のブレース本体38に振動が発生しようとするときには、上記ブレース本体38に面接合された圧電素子40の作用である上記した圧電/逆圧電効果により、上記ブレース本体38に振動が発生することが抑制される。
【0036】
よって、上記したように、ブレース本体38での振動発生が抑制されることから、このブレース本体38と連結されているフロントカウル4と、このフロントカウル4を介し上記ブレース本体38と連結されている上記フロントウィンド20のウィンドガラス22とにそれぞれ振動が発生しようとすることも抑制される。このため、このウィンドガラス22の振動に基づく不快音の発生が防止される。
【0037】
そして、上記したウィンドガラス22での振動発生の抑制は、このウィンドガラス22に直接圧電素子41を面接合させたものではないため、上記ウィンドガラス22を通しての車外の視認性は良好に保たれる。
【0038】
また、上記したように、フロントカウル4での振動の発生も上記ブレース本体38に面接合させた圧電素子40の作用により抑制される。このため、上記フロントカウル4を、例えば、上記したように断面U字形状として上端開口を開放させた構造にしたり、このフロントカウル4の前、後部板8,9に脆弱部を設けたりすることにより、外力によってある程度変形し易い構造にしたとしても、このフロントカウル4における騒音、振動の抑制性能(NV性能)は良好に保持される。
【0039】
そして、車両1の衝突時、上記フロントカウル4に何らかの物体が衝突したときには、この衝突時の衝撃力により、上記したようにある程度変形し易い構造とされたこのフロントカウル4は円滑に塑性変形して、上記衝撃力に基づくエネルギーを効果的に吸収する。よって、上記衝突による衝撃力はより確実に緩和可能とされる。
【0040】
また、上記ブレース本体38は、その強度、剛性の調整が予め容易にできるものである。このため、このブレース本体38を、上記衝突時の衝撃力により塑性変形し易くさせておくことができ、これにより、上記衝撃力に基づくエネルギーを効果的に吸収させることができる。よって、この点でも、上記衝突による衝撃力はより確実に緩和可能とされる。
【0041】
また、前記したように、ブレース本体38は、上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに対し着脱可能に固着されている。
【0042】
このため、上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ27とに対し上記ブレース本体38を組み付ける前に、このブレース本体38を塗装仕上げして、このブレース本体38に上記各圧電素子40を面接合させることができる。よって、車体2の主たる製造工程以外の工程で、上記ブレース本体38と圧電素子40との組み合わせ体を形成し、この組み合わせ体を上記主たる製造工程における車体に組み付ける、という後付けができるなど、上記圧電素子40の組み付け作業の自由度が向上する。この結果、この圧電素子40を含む車体2の生産性が向上する。
【0043】
なお、以上は図示の例によるが、上記フロントカウル4やウィンドガラス22の形状、大きさなどに鑑み、上記ブレース28は3つ以上の複数としてもよく、単一にしてもよい。また、上記圧電素子40は、ブレース本体38の一方の外側面38a(もしくは他方の外側面38b)にのみ面接合させてもよい。また、上記ブレース28の前、後ブラケット35,36はなくてもよく、上記ブレース本体38をフロントカウル4やピラーツーピラーメンバ27に直接締結や溶接により固着させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】車体前部の部分側面断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】車体前部の部分斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
2 車体
3 フロントピラー
4 フロントカウル
5 ダッシュパネル
8 前部板
9 後部板
10 底部板
11 補強板
20 フロントウィンド
21 ウィンド開口
22 ウィンドガラス
26 車室
27 ピラーツーピラーメンバ
28 ブレース
29 中央部
35 前ブラケット
36 後ブラケット
37 締結具
38 ブレース本体
38a 外側面
38b 外側面
40 圧電素子
41 圧電素子
42 制御装置
F1 圧縮抗力
F2 引張抗力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントウィンドのウィンドガラスの下縁部を支持するフロントカウルと、車体の幅方向に延び、左右フロントピラーに架設されるピラーツーピラーメンバと、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレースとを備えた車両の車体前部において、
上記ブレースが、上記フロントカウルとピラーツーピラーメンバとに架設されるブレース本体と、このブレース本体に面接合される圧電素子と、上記ブレース本体に発生する振動に伴い上記圧電素子が出力する電圧を入力し、この入力に基づき上記振動を抑制する抗力を上記圧電素子に生じさせる制御装置とを備えたことを特徴とする車両の車体前部における制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−6275(P2010−6275A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169236(P2008−169236)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】