説明

車両ウインドスクリーン用ワイパシステム

【課題】
駆動アームとワイパブレードの着脱を容易にし、特に使い古したワイパブレードをユーザ等が簡単且つ確実に交換可能にすると共に、外観を改善した車両ウインドスクリーン用ワイパシステムを提供する。
【解決手段】
アダプタ(2)を介して駆動アーム(1)にヒンジ接続されたワイパブレード(4)と、クリーニング及びアイス除去用の流体供給部(5)にカップリングされる少なくとも1個の入口カップリング(6)とを備え、アダプタ(2)は、駆動アーム(1)及びハイドロコネクタ(3)に接続され、更に、一端が入口カップリング(6)にカップリングされ、他端が流体供給部(5)にカップリングされた硬質連結部(7、8)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパシステムに関し、特に自動車等の各種車両のウインドスクリーン、即ち防風窓に使用されるワイパシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車(以下、ここでは車両という)のウインドスクリーンのクリーニング、又はアイス除去のために使用されるウインドスクリーン用ワイパシステムは、一般に、クリーニング及び/又はアイス除去用の流体や液体の供給源及びモータに接続される駆動アーム、及びこの駆動アームに結合されるワイパブレードを含んでいる。
【0003】
ワイピング動作中に、このアーム及びブレード間に相対移動があるので、アームとブレード間の接続は、ブレードをアームに対して回転可能にする必要がある。
【0004】
さらに、交換や保守のために、ブレードは、アームから容易に取り付け及び取り外し可能、即ち着脱可能でなければならない。
【0005】
そのため、アームとブレードの間にアダプタを設け、アームとブレード間の上述のような連結及び相対移動を可能にするのが一般的である。
【0006】
流体が、例えば車両のフード上に配置されたノズルから放出される場合には、上述したアームとブレード間の連結は、上述した機能以外の機能を有しない。
【0007】
これに対して、流体をワイパブレードから直接放出して、ウインドスクリーンにスプレイし、クリーニング又はアイス除去の精度及び効率を増加することは可能である。
【0008】
この場合には、流体をブレード上に送ることが必要である。一般に、このブレードは、1個又は2個のクリーニング及び/又はアイス除去流体供給用のマニフォールドを含んでいる。流体供給用パイプは、斯かるマニフォールドに直接連結可能である。しかし、アームとブレード間の相対移動のために、この流体接続の信頼性は高くない。
【0009】
さらに、流体供給パイプを目隠しし、かつ保護することは困難である。そのため、流体供給を接続する流体コネクタを使用するのが一般的であり、この流体コネクタは、ワイパブレードに流体を供給するマニフォールドに結合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の如き従来技術の1つの課題は、使い古されたブレードの交換を希望するユーザにとって、流体コネクタの着脱、即ち取り付け及び取り外しは容易でないことである。事実、アダプタの下に配置されているコネクタにアクセスすることは困難である。さらに、アームとブレードは相対移動するので、流体供給をコネクタから取り外すには危険が伴う。
【0011】
他の課題として、流体供給パイプをアームに沿って隠すともにガイドし、かつブレードと平行方向に接続して、ブレードと平行に過圧ストレスが加えられるのが一般的である。この過圧ストレスにより、分配器内の入口カップリングが流体供給パイプから外れてしまうおそれがある。
【0012】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決又は軽減したウインドスクリーン用ワイパシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、本発明のウインドスクリーン用ワイパシステム(以下、簡単のために単にワイパシステムという場合もある)は、次の如き特徴的な構成を採用している。
【0014】
本発明のワイパシステムは、アダプタを介して駆動アームにヒンジ結合されたワイパブレードを備えて、車両のウインドスクリーン用ワイパシステムである。
【0015】
このアダプタは、一方ではアームに接続され、他方ではハイドロコネクタに接続されている。このハイドロコネクタは、ブレードに接続され、かつクリーニング及び/又はアイス除去用流体の供給源に結合するようにデザインされた、少なくとも1個の入口カップリングを備えている。
【0016】
特徴的には、このシステムは、更に少なくとも1個の剛性ある連結部を備え、その一端は、上述した入口カップリングに、直接又は間接的にカップリングされ、他端は、上述した流体供給源に、直接又は間接的にカップリングされている。これにより、流体供給源とコネクタ間の接続を、確実かつ信頼性に富むものとしている。
【0017】
更に、上記連結部は、オフセットを提供し、これにより、ユーザが疲労したブレードを交換したい場合に、着脱を容易にすると共に、接続部の全体を容易に目隠しにして、美感を良好にしている。上記剛性ある連結部は、ブレードと平行であるのが好ましい。
【0018】
上述したアダプタ又はアームは、硬質連結部と協働する第1ロック手段を備え、それを所定位置に保持するようにしてもよい。この第1ロック手段は、連結部及び第1ロック手段との協働が、ブレードと直交する軸に沿って行われるようにするのが好ましい。
【0019】
上述した第1ロック手段は、アダプタ又はアームの壁の1つの内部に設けられた少なくとも1個のカットを備えているのがよい。また、このカットは、アダプタ又はアームの付加部に形成するか、又はアダプタ又はアームに鋳造により形成してもよい。上述したカットの形状は、上述の硬質連結部が、このカット内に一時的に強制的に楔状に打ち込み可能なものとされている。
【0020】
また、本発明のウインドスクリーン用ワイパシステムは、アームのブレードのヒンジの後方で、下方に連結部の全体又は一部が配置されているアームに、直接又は間接的に固定されたカバーを備えている。
【0021】
上述したカバーは、連結部と協働して、これを所定位置に保持する第2ロック手段を備えていてもよい。この第2ロック手段は、カバーの1つの壁に形成された少なくとも1個のカットを備えているのがよい。このカットは、カバーの付加部に形成しても、又はその内部にキャストしてもよい。
【0022】
上述したカットの形状は、上述した硬質連結部が、このカット内に一時的に押し込み可能なようなものとされている。上述した第2ロック手段により、過大な圧力が加えられたときに離脱するのを防止し、かつユーザが容易に取付けうるようにしている。
【0023】
更に、上述したカバーは、ロック解除手段を備えていてもよい。このロック解除手段により、連結部を、上述した第2ロック手段からロック解除可能にしている。このロック解除手段は、カバーに形成された少なくとも1個の開口を備え、連結部に形成されたラグを、この開口に挿通しうるようにしている。
【0024】
また、本発明のウインドスクリーン用ワイパシステムは、アームに強固に固定されたベースを備え、このベースにヒンジタイプのヒンジ手段を使用して、上述したカバーをヒンジ結合している。この連結部は、ベースと一体形成するのが好ましい。上述したベース及び/又はカバーは、チェックバルブ、及び/又は少なくとも1個の電気接続素子を備えているのがよい。
【0025】
更に、本発明のウインドスクリーン用ワイパシステムは、一方の端部が相互に連結された2個の硬質連結部を備えているのがよい。これら2個の連結部の一方の他端は、入口カップリングに直接又は間接的に接続され、同じく他方の他端は、流体供給部に直接又は間接的に接続されている。
【発明の効果】
【0026】
上述の如き特徴的な構成を備える本発明のウインドスクリーン用ワイパシステムは、上記以外に、次の如き特有の効果を奏する。即ち、流体供給部とコネクタ間の接続を、確実かつ高信頼性をもって行う。また、上述した第1ロック手段により、過大な圧力が加えられたとき、離脱するのを防止するので、取り付け時のユーザのストレスをなくすことができる。
【0027】
更に、上述の如きカバーの使用により、アーム/ブレードヒンジの後ろの接続をオフセットして、人間工学的に良好な位置とし、かつ接続部を目隠しして、保護及び外観を改善することが可能である。また、第2ロック手段の使用により、過大な圧力が加えられたとき、離脱するのを防止して、取り付け時のユーザのストレスをなくすことができる。更にまた、ロック解除手段の使用により、連結部を第2ロック手段からロック解除可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムに使用するワイパブレードの第1例の分解斜視図である。
【図1B】図1Aに示すワイパブレードの断面図である。
【図2A】図1に示すワイパシステムのアーム及びブレード間の接続部の斜視図である。
【図2B】図1に示すワイパシステムのアーム及びブレード間の接続部の斜視図である。
【図3A】本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムにおけるアーム及びブレード間の接続部の第2例を、断面して詳細に示す斜視図である。
【図3B】図3Aの主要部の斜視図である。
【図4A】本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムにおけるアーム及びブレード間の接続部の第3例を示す斜視図である。
【図4B】図4Aの主要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図5A】本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムにおけるアームとブレードとの接続部の第4例を示す斜視図である。
【図5B】図5Aの主要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図6A】本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムにおけるアームとブレードとの接続部の第5例を示す斜視図である。
【図6B】図6Aの主要部を拡大して示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明によるウインドスクリーン用ワイパシステムの好適な実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1A及び図1Bに示す如く、ワイパブレード4は、アダプタ2を介して駆動アーム(図示せず)に接続又は接続可能となっており、本発明のワイパシステムを形成するようになっている。
【0031】
アダプタ2は、それぞれハイドロコネクタ3及びアダプタ2内に設けられたヒンジ軸22及び組立ポート20及び21により、ハイドロコネクタ3に回転可能に接続されている。
【0032】
上述したハイドロコネクタ3は、クリーニング及び/又はアイス除去流体供給源に接続される入口カップリング6を備えている。このハイドロコネクタ3は、流体供給マニフォールド19、23を含むブレード4に接続しうる複数の出口コネクタ24、25及び26を備えている。
【0033】
上述したブレード4の流体供給マニフォールド19、23は、この特定例では、デフレクタ15として作用するブレード4の上部に形成され、コネクタ3の各側に接続された2つの部分15として形成されている。これら流体供給マニフォールド19、23には、ウインドスクリーンにクリーニング及び/又はアイス除去流体をスプレイしうる孔が設けられている。
【0034】
図1Bの断面図から更に正確に理解できるように、デフレクタ15は、マウント16を受け入れるような断面形状を有している。この特定の断面形状により、このマウント16は、ストリップ17を受け、かつ下部で、ラバー製のワイピングブレード18等を受けるようになっている。
【0035】
2個のチップ又はキャップ14によりデフレクタ15の両端を閉じ、流体供給マニフォールド19、23の端部を閉じて、マウント16、ストリップ17及びワイピングブレード18が、それぞれの凹部から滑り落ちるのを防止すると共に美観を高めている。
【0036】
次に、図2A及び図2Bに示す第2例では、アーム1とブレード4の接続は、アダプタ2及びコネクタ3を介して行われる。
【0037】
上述したアーム1及びブレード4間の接続の詳細は、図3Aに示す第3例の断面図に示されているが、これについては後述する。
【0038】
コネクタ3には、入口カップリング6が設けられている。この入口カップリング6は、ブレード4と平行であり、ブレード4と平行する硬質連結部7を介して、流体供給部(又はパイプ)5に接続されている。
【0039】
この特定例において、硬質連結部7は、流体供給部5のフレキシブルな入口の端部の直径より大きな最大直径の第1端を有し、この端部は、流体供給部5のパイプに圧入されている。これにより、パイプ5が変形してシールが行われている。
【0040】
硬質連結部7の他端は、コネクタ3の入口カップリング6の端部と協働して、これを入口カップリング6に押し込むような形状を有する。
【0041】
連結部7及び入口カップリング6の両方が硬質である場合には、強制的な協働は、クリッピングにより行われ、変形が行われる。しかし、連結のシーリングを入口カップリング6に設けてシールすることも可能である。流体供給部5及びワイパ4の接続部は、アーム1及びブレード4の接続の後にオフセットされる。
【0042】
図3A及び図3Bに示す第3例においては、2個の硬質連結部7及び8により、流体供給部5及びコネクタ3の入口カップリング6の接続を行われる。
【0043】
更に詳しく説明すると、コネクタ3は、組立ポート20内の軸22を介して、アダプタ2と回転可能に組み立てられている。アダプタ2はアーム1に接続される。
【0044】
上述したコネクタ3の入口カップリング6は、コネクタ3の頂部からブレード4に対して、直交方向である。
【0045】
硬質連結部7は、図2A及び図2Bに示す例のように、その第1端で流体供給部5に接続されている。
【0046】
更に、硬質連結部8は、例えばユーザの小さい力で足りるクリッピングにより、その第1端で硬質連結部7の第2端に接続されている。
【0047】
上述した硬質連結部7及び8よりなる硬質連結部のセットが、入口カップリング6及びコネクタ3と直交している限り、流体供給部5と同じタイプのフレキシブル連結部27を設け、硬質連結部8の第2端を入口カップリング6に接続する。
【0048】
或いは硬質連結部8を、入口カップリング6を直接接続可能にするために、全体的にL字状にすることも可能である。
【0049】
図3Bにより詳しくに示す如く、硬質連結部7及び8は、上述の如く組み立てると、アーム1の1つの垂直壁の下を通過する。この壁には、異なるカットのロック手段9が設けられ、硬質連結部7は、一時的に挿入又は強制的に押し込みして分解可能とされている。
【0050】
従って、ロック手段9のカットの形状は、硬質連結部7の外形と適合され、ロック手段9のカット及び硬質連結部7が協働して、これらの部品を所定位置に保持しうるようにしている。
【0051】
従って、図3B中に双方向矢印で示す如く、ブレード4と平行に過度の圧力が加えられた場合でも、所定位置に保持された硬質連結部7の接続は解除されることはない。さらに、ユーザは極めて容易に取り付けることができる。
【0052】
上述した特定例では、アーム1の垂直壁の1つに設けられたロック手段9のカットは、アダプタ2の垂直壁の1つにも設けることができる。
【0053】
更に、アーム1又はアダプタ2に適当な垂直壁がないため、或いはアーム1又はアダプタ2の垂直壁が適当な位置にないなどの理由により、アーム1又はアダプタ2の垂直壁が適当でない場合には、カットをアーム1又はアダプタ2の他の垂直部に設けてもよい。この垂直部は、アーム1又はアダプタ2に付加するか、又はモールドしてもよい。
【0054】
図3Bにブレード4と直交方向の矢印で示す如く、硬質連結部7と第1ロック手段9との協働は、ブレード4と直交方向、即ち過大圧力方向と直交方向に行われる。
【0055】
図4A及び図4Bに示す例では、アーム1は、アダプタ2及びコネクタ3を介してブレード4に接続されている。アーム1のブレード4のヒンジの後ろに、カバー10が、アーム1に対して強固に固定されている。
【0056】
カバー10のアーム1への強固な固定は、図4Aに示す如く直接でもよく、又は連結部を介してであってもよい。このカバー10は、図4Bに示す如く2個の硬質連結部7及び8を覆い隠している。
【0057】
上述の場合と異なり、2個の硬質連結部7及び8がコネクタ3に極めて隣接し、かつ部分的にアーム1の位置の下であり、コネクタ3及びアダプタ2を覆う場合には、カバー10は、上述した硬質連結部7及び8の一部分のみを覆うようになってもよい。
【0058】
上述したカバー10は、図4Bに示す如く第2ロック手段11を備えていてもよい。この第2ロック手段11は、硬質連結部7及び8を所定位置に保持するものである。
【0059】
図3Bを参照して上述し第1ロック手段9と同様に、硬質連結部7及び8の所定位置への保持は、硬質連結部7及び8と、図4B中に垂直矢印に沿ってブレード4と直交する第2ロック手段11との協働により行われる。
【0060】
更に正確に説明すると、第2ロック手段11は、カバー10の底部に付加するか、カバー10にモールドすることが可能な部分33、34に形成されたカットを含んでいる。
【0061】
図4Bに示す特定例の場合には、第2ロック手段11のカットを、単一の部品として形成するのではなく、上述の如く付加又はモールドされた2個の部品33、34として形成してあり、それらの対向するエッジを、カットとして使用する。
【0062】
第1ロック手段9について上述したのと同様に、第2ロック手段11のカットの形状は、硬質連結部7を強制的に割り込んで、一時的にクリップすることを可能としたものである。
【0063】
次に、図4Bで、硬質連結部7と平行方向の双方向矢印で示す如く、過大な圧力が加えられた場合には、この連結部7は、所定位置に保持されて接続が解除されることはない。これに加えて、ユーザは極めて容易に取り付けることが可能である。
【0064】
ロック解除手段12、13をカバー10に設け、第2ロック手段11のカットから硬質連結部7を、ロック解除可能にするのが好ましい。図4Aに示す如く、ロック解除手段12及び13は、カバー10の底に形成された2個のスルーポートを備えている。硬質連結部7は、その表面に2個のラグ28及び29を有し、これらのラグ28及び29は、上述したスルーポートを貫通している。
【0065】
上述したラグ28及び29は、スルーポートを貫通した後、カバー10の表面から突出している。ユーザは、これらのラグ28及び29を押圧して、カット11から硬質連結部7に力を加え、硬質連結部7をロックすることができる。
【0066】
単一のラグのみが、1個のスルーポートを通過するようにすることも勿論可能である。しかし、2個のラグ28及び29を、第2ロック手段11のカットの各側で、スルーポートに対応して分布し、硬質連結部7を、上述したカットからアンクリップ、即ちクリップ解除可能にするのが好ましい。
【0067】
図5A及び図5Bに例では、ワイパシステムは、1個又は複数個のヒンジ31で、カバー10に連結されたベース30を備えている。このベース30は、直接又はカバー10を介して、アーム1に強固に取り付けられている。従って、カバー10は、直接又はベース30を介して、アーム1に強固に固定されている。図示する例では、ベース30は、硬質連結部7を直接に一体化され、流体供給部5に接続された硬質連結部8が、接続されている。
【0068】
硬質連結部7は、硬質連結部8の端部を受ける部分7a及び中間フレキシブル連結部27に、又はコネクタ(図示せず)3のカップリング6に直接接続された部分7cに分割されている。両部分7a及び7cは、中間チャネル7bにより接続されている。
【0069】
上記ベース30は、硬質連結部7及び8を所定位置に保持することにより、過大な圧力の影響を制限することができ、かつユーザによる取り付けのストレスをなくすことができる。ベース30には、ワイパシステムの性能を向上させる付加的な機能部品を設けてもよい。
【0070】
例えば、チェックバルブ及び/又は数個の電気的接続素子を、ベース30と一体化してもよい。この電気的接続により、例えば流体を加熱することが可能になる。これらチェックバルブ又は電気的接続素子の如き付加的な機能部品も、ベース30付き、又はベースなしでカバー10に配置することができる。
【0071】
更に他の例を、図6A及び図6Bに示す。この例では、第2ロック手段11のカット11がカバー10に付加されているか、又は取り付けられているユニークな部品32に形成され、硬質連結部7及び第2ロック手段11のカット間の協働が、ブレード4の長手軸と直交して行われるが、側方向であり、上方ではない点のみが、図4A及び図4Bの例とは異なっている。
【0072】
また、この協働を、アダプタ2又はアーム1内の第1ロック手段に適用してもよい。
【0073】
以上の説明は、全て本発明の単なる例示として行ったものであり、何ら本発明を限定したり制限したりするものではない。本発明の精神や要旨を逸脱することなく、特定の用途に応じて、種々の変形や変更が可能であることは、当業者が容易に理解しうると思う。
【0074】
例えば、硬質連結部7及び8等の数及び形状は、限定的なものではない。ロック手段9及び11の上述したカットの具体的な形状は、本発明のワイパシステムを限定するものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 駆動アーム
2 アダプタ
3 ハイドロコネクタ
4 ワイパブレード
5 流体供給部
6 入口カップリング
7(7a、7b、7c)、8 硬質連結部
9 第1ロック手段
10 カバー
11 第2ロック手段
12、13 アンロック(ロック解除)手段
14 先端
15 デフレクタ
16 マウント
17 ストリップ
18 ワイピングブレード
19、23 マニフォールド
20、21 ポート
22 ヒンジピン
24、25、26 出口カップリング
27 接続パイプ
28、29 ロック解除ラグ
30 ベース
31 ヒンジ
32、33、34 第2ロック手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両用の、ウインドスクリーン用ワイパシステムであって、ワイパブレード(4)を備え、前記ワイパブレード(4)は、アダプタ(2)を介して駆動アーム(1)にヒンジ接続され、前記アダプタ(2)は、一方が前記駆動アーム(1)に、他方がハイドロコネクタ(3)に接続され、前記ハイドロコネクタ(3)は、前記ワイパブレード(4)に接続され、少なくとも1個の入口カップリング(6)を備え、前記入口カップリング(6)は、クリーニング及び/又はアイス除去用流体供給源(5)に接続されるように設計されているウインドスクリーン用ワイパシステムにおいて、前記ウインドスクリーン用ワイパシステムは、さらに、剛性接続部(7)(8)を備え、前記剛性接続部(7)(8)の一端が、直接又は間接的に前記入口カップリング(6)に連結され、前記剛性接続部(7)(8)の他端が、前記流体供給源(5)に直接又は間接的に接続されるようになっていることを特徴とする車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項2】
前記剛性接続部(7)(8)は、前記ワイパブレード(4)と平行であることを特徴とする請求項1に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項3】
前記アダプタ(2)又は前記駆動アーム(1)は、第1ロック手段(9)を含み、前記第1ロック手段(9)は、前記剛性接続部(7)(8)と協働して、それを所定位置に保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項4】
前記第1ロック手段(9)は、前記接続部(7)(8)と前記第1ロック手段(9)との協働が、前記ワイパブレード(4)と直交する軸に沿って行われるようになっていることを特徴とする請求項3に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項5】
前記第1ロック手段(9)は、少なくとも1個のカットを含み、前記カットは、前記アダプタ(2)又は前記ワイパアーム(1)の壁の1つ、あるいは、前記アダプタ(2)又は前記ワイパアーム(1)に、付加又は成形された部分に、形成され、前記カットの形状は、前記剛性接続部(7)(8)が一時的に前記カット内に強制的に割り込み可能なものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項6】
カバー(10)を含み、前記カバー(10)は、前記ワイパアームに直接又は間接的に剛性接続され、前記ワイパアーム(1)に対しての前記ワイパブレード(4)のヒンジの後部であり、前記接続部(7)(8)の全部又は一部が、前記カバー(10)の下に位置することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項7】
前記カバー(10)は、第2ロック手段(11)を含み、前記第2ロック手段(11)は、前記剛性接続部(7、8)と協働して、それを所定位置に保持することを特徴とする請求項6に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項8】
前記第2ロック手段(11)は、前記接続部(7、8)及び前記第2ロック手段(11)間の協働が、前記ワイパブレード(4)と直交する軸に沿って行われるようなものであることを特徴とする請求項7に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項9】
前記第2ロック手段(11)は、少なくとも1個のカットを含み、前記カットは、前記カバー(10)の壁の1つ、あるいは、前記カバー(10)に、付加又は成形された一部分に、形成され、前記カットの形状は、前記剛性接続部(7)(8)が、一時的に前記カット内に強制的に割り込み可能なものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項10】
前記カバー(10)は、ロック解除手段(12)(13)を含み、前記ロック解除手段(12)(13)により、前記第2ロック手段(11)の前記接続部(7)(8)のロック解除を促進することが可能であることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項11】
前記ロック解除手段(12)(13)は、前記カバー(10)に形成された少なくとも1個の開口(12)(13)を有し、前記開口(12)(13)を通して、前記接続部(7、8)に形成されたラグ(28、29)が挿通することを特徴とする請求項10に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項12】
ベース(30)を含み、前記ベース(30)は、前記駆動アーム(1)に剛性的に固定され、ヒンジタイプのヒンジ手段(31)を介して、前記カバー(10)が前記ベース(30)にヒンジ結合されていることを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項13】
前記接続部(7)(8)は、前記ベース(30)と一体化されていることを特徴とする請求項12に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項14】
前記ベース(30)及び/又は前記カバー(10)は、チェックバルブ及び/又は少なくとも1個の電気的接続素子を含んでいることを特徴とする請求項6〜13の何れか1項に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。
【請求項15】
少なくとも2つの剛性接続部(7)(8)を含み、前記2つの剛性接続部(7)(8)は、端の1つにより相互に接続され、前記剛性接続部(7)(8)の1つの接続部(8)は、
それの他方の端により、直接又は間接的に前記入口カップリング(6)に接続され、前記剛性接続部(7)(8)の第2の接続部(7)は、それの他方の端により、前記流体供給源(5)に直接又は間接的に接続されるようになっていることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の車両ウインドスクリーン用ワイパシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2011−527963(P2011−527963A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517808(P2011−517808)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005137
【国際公開番号】WO2010/006775
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】