説明

車両側コネクタ

【課題】車両側コネクタ内に浸入した水を車外へ排出し、排出された水の逆流を規制する。
【解決手段】本発明の車両側コネクタ10は、車両のアウタパネルPに固定される取付板40と、取付板40を貫通する形態で取付板40に設けられた内筒部20と、取付板40から車内側に突出して開口する形態をなし、内筒部20の外周側を全周に亘って覆う外筒部30と、内筒部20の内部から車内側に引き出された電線Wと外筒部30の開口部との間をシールすることで外筒部30の内部にシール空間33を形成するゴム栓80と、外筒部30の開口部に装着され、ゴム栓80を抜け止めするゴム栓押さえ90と、シール空間33の内部に設けられ、車外側に向けて下り勾配となるテーパ状に形成された傾斜面84および排水路32と、取付板40に貫通して設けられ、排水路32からの水を車外へ排出する排水口42とを備えた構成としたところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電時に充電用コネクタと嵌合される車両側コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両側コネクタとして、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。車両のボディには、車外側に臨む収容室が設けられており、この収容室に車両側コネクタが収容されている。収容室の下面には、車外側に向けて下り勾配をなすテーパ状の導水部が設けられており、この導水部の下端部に排水口が設けられている。排水口は下方に開口する形態をなし、この排水口にドレンホースが接続されている。収容室内に浸入した水は、導水部と排水口を通ってドレンホースに送られ、このドレンホースから収容室の下方へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−29631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の排水口は収容室の内部に配設されており、この排水口に連なるドレンホースがボディよりも車内側に配設されているため、収容室の下方にバッテリが設置された車種の場合、ドレンホースから排出された水によってバッテリが濡れるおそれがある。また、車内と収容室内との間で圧力差が発生し、この圧力差によってドレンホース内の水が収容室内へ逆流するおそれもある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車両側コネクタ内に浸入した水を車外へ排出し、排出された水の逆流を規制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、充電時に充電用コネクタと嵌合される車両側コネクタであって、車両のボディに固定される取付板と、取付板を貫通する形態で同取付板に設けられた内筒部と、取付板から車内側に突出して開口する形態をなし、内筒部の外周側を全周に亘って覆う外筒部と、内筒部の内部から車内側に引き出された電線と外筒部の開口部との間をシールすることで外筒部の内部にシール空間を形成するゴム栓と、外筒部の開口部に装着され、ゴム栓を抜け止めするゴム栓押さえと、シール空間の内部に設けられ、車外側に向けて下り勾配となるテーパ状に形成された導水部と、取付板に貫通して設けられ、導水部からの水を車外へ排出する排水口とを備えた構成としたところに特徴を有する。
【0007】
このような構成によると、外筒部の開口部にゴム栓を装着することで外筒部の内部にシール空間を形成し、このシール空間内の水を導水部によって排水口へ送り、排水口から車外へ水を排出することができる。また、シール空間が排水口を通して大気に連通しているため、車内の圧力変動にかかわらず排水口からシール空間内へ水が逆流することを規制できる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
電線の端末に接続され、内筒部の内部に収容された端子金具と、内筒部の開口部に装着され、端子金具の抜け止めを行うリテーナとを備え、ゴム栓は、電線をシール状態で貫通させるシール孔を有する基板部を備えて構成されているものとしてもよい。
【0009】
このようにすると、リテーナとゴム栓押さえの間にゴム栓の基板部を配置することで、ゴム栓を固定しやすくなる。
【0010】
ゴム栓は、基板部の周縁からテーパ状をなして立ち上がる周壁部を備えて構成され、導水部は、周壁部と外筒部とに亘って設けられている構成としてもよい。
【0011】
ゴム栓に周壁部を設けることなく、外筒部のみで導水部を設ける場合、外筒部の開口部から取付板にかけて長い導水部を形成する必要があり、排水口の位置がより下方へ移動する(内筒部から遠ざかる)ことになるため、取付板が下方に長くなりやすい。その点、上記の構成によれば、ゴム栓にテーパ状の周壁部を設け、この周壁部と外筒部とに亘って導水部を構成しているため、外筒部における導水部が短くなる結果、排水口の位置がより上方へ移動し(内筒部に近づき)、取付板を上下方向に低背化できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シール空間内の水を車外へ排出し、排水口からシール空間内へ水が逆流することを規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における車両側コネクタの分解斜視図
【図2】車両側コネクタの斜視図
【図3】排水板を経由する排水構造の一例を示す一部切り欠き斜視断面図
【図4】排水板を経由しない排水構造の一例を示す一部切り欠き斜視断面図
【図5】アウタパネルに固定された車両側コネクタの内部構造を側方から見た断面図
【図6】ハウジングの正面図
【図7】図6におけるA−A線断面図
【図8】ハウジングの側面図
【図9】ハウジングの背面図
【図10】ゴム栓の正面図
【図11】図10におけるB−B線断面図
【図12】ゴムリングの正面図
【図13】ゴムリングの側面図
【図14】ゴム栓押さえの正面図
【図15】図14におけるC−C線断面図
【図16】図14におけるD−D線断面図
【図17】ゴム栓押さえの側面図
【図18】リテーナの正面図
【図19】図18におけるE−E線断面図
【図20】リテーナの側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図20の図面を参照しながら説明する。本実施形態における車両側コネクタ10は、電気自動車やハイブリッド自動車などに搭載されたバッテリ(図示せず)に接続されており、このバッテリへの充電時に充電用コネクタ(図示せず)と嵌合されるようになっている。車両側コネクタ10は、図5に示すように、車両のボディを構成するアウタパネルPにボルトB1で締結されるハウジング11を有している。アウタパネルPには、取付孔B2が設けられており、この取付孔B2を貫通する形態でハウジング11がアウタパネルPに取り付け固定されている。
【0015】
車両側コネクタ10は、図1に示すように、ハウジング11、このハウジング11の正面側(前側)に取り付けられるゴムリング50、ハウジング11の内部に収容される端子金具60、ハウジング11の背面側(後側)に取り付けられるリテーナ70、このリテーナ70の背面側に取り付けられるゴム栓80、このゴム栓80の背面側に取り付けられるゴム栓押さえ90などを備えて構成されている。
【0016】
ハウジング11は、合成樹脂製であって、図7に示すように、アウタパネルPにボルト締結される取付板40と、取付板40を貫通する形態で取付板40と一体に形成された内筒部20と、取付板40から車内側(後方)に突出して開口する形態で内筒部20の外周側を全周に亘って覆う外筒部30とからなる。内筒部20の次述するフード部20Aの上面には、ロック部12が設けられている。このロック部12には、充電用コネクタに設けられたロックアーム(図示せず)が係止可能とされ、ロック部12とロックアームが前後方向に係止することで、充電用コネクタと車両側コネクタ10が嵌合状態に保持され、充電が行われる。
【0017】
内筒部20は、円筒状をなすフード部20Aを有している。フード部20Aは、円筒状をなして取付板40から前方に突出する形態をなしている。フード部20Aの内部には、端子金具60が内部に収容される円筒状をなす端子収容部21が設けられている。端子収容部21は、環状に配置された大小2種類の円筒部22を備えて構成されており、隣り合う各円筒部22は互いに連結された構成とされている。端子収容部21および各円筒部22は、取付板40を貫通して前後方向に突出する形態をなしている。
【0018】
各円筒部22の中央部には、その内部空間を前後に区画する隔壁23が設けられており、この隔壁23には、端子金具60の後述する端子接続部61を挿通させる端子挿通孔24が設けられている。また、隔壁23における端子挿通孔24の下方には、円筒部22内に前方から浸入した水を後方へ逃がす逃がし孔25が設けられている。
【0019】
取付板40の後方における各円筒部22の下部には、図9に示すように、下り勾配をなす平板状の排水板27が連設されている。この排水板27は、端子収容部21の外周に連なる形態をなしている。また、排水板27は、逃がし孔25の下縁から下り勾配をなして端子収容部21の外周に接続されている。このため、逃がし孔25から排水板27の上面を伝って端子収容部21の外周側に水を排出することができるようになっている。
【0020】
取付板40は、図6に示すように、内筒部20の外周面から径方向外側に張り出して略方形をなす外形を有している。取付板40の四隅には、金属製のカラー41が圧入されている。カラー41の両端部は、取付板40の表面よりも突出している。このため、ハウジング11をアウタパネルPにボルト締結すると、カラー41がアウタパネルPに直接接触し、ハウジング11がアウタパネルPに強固に固定される。
【0021】
取付板40における内筒部20の下方には、排水口42が貫通して設けられている。また、取付板40の前面には、内筒部20と排水口42を一括して覆う装着溝43が凹設されている。この装着溝43は、排水口42を迂回する位置で下方に広がる形状とされている。これに対応してゴムリング50は、図12に示すように、下端部が下方に広がる形状とされている。
【0022】
装着溝43には、ゴム製のゴムリング50が装着されるようになっている。装着溝43の底面には、図6に示すように、複数の差込孔44が周方向に間隔を空けて開口している。この差込孔44には、図13に示すように、ゴムリング50に設けられた複数の差込片51が挿入されるようになっており、ゴムリング50が装着溝43に対して抜け止め状態に保持されるようになっている。
【0023】
端子金具60は、導電性の金属平板をプレス加工することによって形成され、図1または図5に示すように、丸棒状をなす端子接続部61と、この端子接続部61の後方に設けられた電線接続部62と、端子接続部61と電線接続部62の間に形成された前止まり部63とを備えて構成されている。端子接続部61は、円筒部22内の端子挿通孔24にほぼ適合して挿通可能とされている。前止まり部63は、隔壁23に対して後方から当接し、端子金具60の前止まりを行う。電線接続部62は、後方に開口する円筒状をなし、電線Wの端末にて露出された芯線に対して六角かしめなどによって圧着される。
【0024】
内筒部20の外周面には、複数の抜止突起26が設けられている。一方、リテーナ70の周壁には、図18ないし図20に示すように、抜止突起26に対して前後方向に係止可能な抜止片71が複数設けられている。また、リテーナ70には、円筒部22内に挿入されて前止まり部63に後方から当接する突当部72が設けられている。これにより、複数の抜止片71が複数の抜止突起26に係止した状態では、リテーナ70が内筒部20に固定されるとともに、各端子金具60が各突当部72によって後方に抜け止めされた状態に保持される。
【0025】
外筒部30は、内筒部20よりも一回り大きい円筒状の外形を有しており、内筒部20と同軸に配置されている。外筒部30の後端は、内筒部20の後端よりも後方に位置している。外筒部30の外周面には、図8に示すように、複数の係止突起31が設けられている。一方、外筒部30の内側における下面には、図7に示すように、排水口42に連なる排水路32が設けられている。排水路32は、取付板40に近づくほど下方に向かうテーパ状に形成されている。
【0026】
ゴム栓80は、ゴム製であって、図10ないし図11に示すように、大小2種類の電線Wをシール状態で貫通させる大小2種類のシール孔81が複数設けられてなる基板部82と、この基板部82の周縁からテーパ状をなして立ち上がる周壁部83とを備えて構成されている。
【0027】
シール孔81は、図11に示すように、基板部82を前後方向(板厚方向)に貫通する形態をなし、前側に配置された大径孔と後側に配置された小径孔とからなる。シール孔81の大径孔には、端子金具60の電線接続部62がシール状態で収容され、小径孔には、電線Wがシール状態で収容される。なお、シール孔81の内部には、円環状をなすリップ部が複数周設されており、これらのリップ部が電線接続部62および電線Wによって全周に亘って押し潰されることでシール機能が発揮される。
【0028】
周壁部83の前面は、前方に向かうほど径方向外側に広がるテーパ状の傾斜面84とされている。この傾斜面84は全周に亘ってすり鉢状に形成され、図5に示すように、ゴム栓80がハウジング11内に組み付けられた状態では、外筒部30の排水路32に連続する形態とされている。すなわち、排水路32の後端が傾斜面84の前端に連なるようにしてゴム栓80がハウジング11内に組み付けられる。なお、傾斜面84の傾斜角度は、排水路32の傾斜角度よりもやや大きくなっている。
【0029】
周壁部83の外周面には、図11に示すように、円環状をなすリップ部が複数周設されており、図5に示すように、これらのリップ部が外筒部30の内周面によって全周に亘って押し潰されることでシール機能が発揮される。これにより、外筒部30の内部には、シール空間33が形成される。このシール空間33は、外筒部30の内周面、内筒部20の外周面、ゴム栓80の傾斜面84などによって構成されている。シール空間33は、排水口42を通して大気に連通しているため、シール空間33の内圧を大気圧に等しくできる。なお、取付板40における内筒部20の上方には、ロック部12を成形するための型抜き孔45が設けられており、この型抜き孔45によってもシール空間33が大気に連通している。
【0030】
周壁部83の後面には、図11に示すように、位置決め孔86が設けられている。この位置決め孔86には、図5に示すように、ゴム栓押さえ90に設けられた位置決め突起94が圧入されるようになっている。また、ゴム栓80は、リテーナ70とゴム栓押さえ90との間に基板部82が前後方向から隙間無く組み付けられることにより、前後方向への移動が規制される。
【0031】
ゴム栓押さえ90は、合成樹脂製であって、図14に示すように、大小2種類の電線挿通孔96が複数設けられてなる押さえ部92と、この押さえ部92の周縁から立ち上がる外壁部93とを備えて構成されている。各電線挿通孔96は、ゴム栓80の各シール孔81と対応して配置されており、各シール孔81から後方に引き出された電線Wを挿通可能となっている。なお、押さえ部92の前面には、ゴム栓80の周方向に位置決めを行う位置決め突起94が設けられている。この位置決め突起94は、ゴム栓80の基板部82の後面に凹設された位置決め孔86に圧入されるようになっている。
【0032】
外壁部93には、図16ないし図17に示すように、複数の係止片95が設けられている。これらの係止片95は、ゴム栓押さえ90をハウジング11に組み付けた際に、外筒部30の係止突起31に対して前後方向に係止するようになっている。これにより、ゴム栓押さえ90が外筒部30の後端開口部に保持され、ゴム栓80が外筒部30内で抜け止め状態に保持される。
【0033】
ここで、シール空間33内の排水構造について図3および図4を参照しながら説明する。まず、図3に示すように、端子収容部21内における上方に配置された左右一対の大きい円筒部22の内部に水が浸入した場合、この水は、隔壁23の逃がし孔25を通ってシール空間33内へ浸入する。シール空間33内に浸入した水は、排水板27を通って端子収容部21の外周側へ斜め下方に案内され、ゴム栓80の傾斜面84を伝って排水路32へ送られる。そして、排水路32に送られた水は、排水口42から車外へ排出される。
【0034】
次に、図4に示すように、端子収容部21内における下方中央に配置された大きい円筒部22の内部に水が浸入した場合、この水は、隔壁23の逃がし孔25を通ってシール空間33内へ浸入する。シール空間33内に浸入した水は、ゴム栓80の傾斜面84を伝って下方へ流れ、排水路32を通って排水口42から車外へ排出される。したがって、シール空間33に浸入した水は、アウタパネルPの車内側(車両の内部)に浸入することがなく、確実に車外へ排出されるため、車両の内部に搭載されたバッテリなどの機器が濡れることを規制できる。また、シール空間33が排水口42を通して大気と連通し、シール空間33の内圧が大気圧と等しくなっているため、シール空間33内へ水が逆流するなどのおそれがない。
【0035】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、車両側コネクタ10の組立に際しては、電線Wの芯線に端子金具60の電線接続部62を圧着接続し、この端子金具60を円筒部22に対して後方から挿入すると、端子金具60の前止まり部63が隔壁23に後方から当接して端子金具60が前止まりされる。この後、リテーナ70を端子収容部21の後端開口部に後方から装着する。この装着に際しては、突当部72を円筒部22内に後方から進入させて前止まり部63の後面に接触させる。これと併行して抜止片71が抜止突起26に係止することで、リテーナ70が端子収容部21の後端開口部に保持される。こうして、端子金具60が円筒部22内において抜け止め状態に保持される。次に、電線Wに予め先通ししておいたゴム栓80を外筒部30に後方から装着し、ゴム栓押さえ90を外筒部30の後端開口部に装着する。これにより、ゴム栓80が外筒部30内に保持され、シール空間33が形成される。
【0036】
ところで、車両のバッテリを充電する際には、充電用コネクタを車両側コネクタ10に嵌合させる。このとき、シール空間33内の空気は、排水口42を通って車外に逃げるため、嵌合操作力が小さくて済む。また、充電時に雨水が車両側コネクタ10にかかったり、車両の洗浄時に導電性の液体が車両側コネクタ10にかかったりすることが考えられる。このような場合には、車両側コネクタ10にかかった雨水などを素早く車外に排出する必要がある。
【0037】
そこで、円筒部22内に溜まった水は、逃がし孔25を通ってシール空間33内に排出され、シール空間33内の水は、例えば2つの排出経路で排水口42に送られて、ここから車外へ排出される。第1の排出経路としては、逃がし孔25、排水板27、および排水路32などを通る経路である。そして、第2の排出経路としては、逃がし孔25、傾斜面84、および排水路32などを通る経路である。こうして、円筒部22内の水は、車外へ素早く排出される。
【0038】
以上のように本実施形態では、取付板40の車内側に外筒部30を設け、この外筒部30の後端開口部にゴム栓80を装着することで、外筒部30内にシール空間33を形成し、シール空間33内に浸入した水を、ゴム栓80の傾斜面84と排水路32を伝って車外へ排出できる。さらに、排水口42からシール空間33内へ水が逆流することを回避できる。このように、車両の内部に水が浸入することを回避することができ、シール空間33内の水を排水口42から車外へ確実に排出することができる。
【0039】
また、ゴム栓80の基板部82がリテーナ70とゴム栓押さえ90の押さえ部92との間に配置されているため、ゴム栓80が前後方向に移動することなく、このゴム栓80を確実に保持することができる。
【0040】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではゴム栓80の傾斜面84と外筒部30の排水路32によって導水部が構成されているものの、本発明によると、外筒部の排水路のみによって導水部を構成してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態ではリテーナ70によって端子金具60の抜け止めを行っているものの、本発明によると、円筒部22内にランスを形成して、ランスによる端子金具60の抜け止めを行ってもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では外筒部30を取付板40と一体に形成しているものの、本発明によると、外筒部と取付板を別体に構成し、外筒部と取付板をシールリングによってシール状態で接続してもよい。また、上記実施形態では内筒部20を取付板40と一体に設けているものの、本発明によると、内筒部と取付板を別体に構成し、内筒部と取付板をシールリングによってシール状態で接続してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…車両側コネクタ
11…ハウジング
20…内筒部
30…外筒部
32…排水路(導水部)
33…シール空間
40…取付板
42…排水口
60…端子金具
70…リテーナ
80…ゴム栓
81…シール孔
82…基板部
83…周壁部
84…傾斜面(導水部)
90…ゴム栓押さえ
P…アウタパネル(ボディ)
W…電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電時に充電用コネクタと嵌合される車両側コネクタであって、
車両のボディに固定される取付板と、
前記取付板を貫通する形態で同取付板に設けられた内筒部と、
前記取付板から車内側に突出して開口する形態をなし、前記内筒部の外周側を全周に亘って覆う外筒部と、
前記内筒部の内部から車内側に引き出された電線と前記外筒部の開口部との間をシールすることで前記外筒部の内部にシール空間を形成するゴム栓と、
前記外筒部の開口部に装着され、前記ゴム栓を抜け止めするゴム栓押さえと、
前記シール空間の内部に設けられ、車外側に向けて下り勾配となるテーパ状に形成された導水部と、
前記取付板に貫通して設けられ、前記導水部からの水を車外へ排出する排水口とを備えた車両側コネクタ。
【請求項2】
前記電線の端末に接続され、前記内筒部の内部に収容された端子金具と、
前記内筒部の開口部に装着され、前記端子金具の抜け止めを行うリテーナとを備え、
前記ゴム栓は、前記電線をシール状態で貫通させるシール孔を有する基板部を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両側コネクタ。
【請求項3】
前記ゴム栓は、前記基板部の周縁からテーパ状をなして立ち上がる周壁部を備えて構成され、
前記導水部は、前記周壁部と前記外筒部とに亘って設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両側コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−243467(P2012−243467A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110686(P2011−110686)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】