車両外装ガーニッシュ
【課題】夜間等の灯火時においてその付加価値及び個性を高めることができるイルミネーション照明部を設ける一方で、昼間等の不灯火時にはその照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を有する車両外装ガーニッシュを提供する。
【解決手段】車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュ1であって、透過低減層3mが形成された中間部材3と、中間部材3の裏側に配置された導光板5と、その一端部5Aから光を入射する光源6とを備え、その導光板5によって導かれる光が中間部材3の透過低減層3mから漏洩し、レンズ4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。
【解決手段】車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュ1であって、透過低減層3mが形成された中間部材3と、中間部材3の裏側に配置された導光板5と、その一端部5Aから光を入射する光源6とを備え、その導光板5によって導かれる光が中間部材3の透過低減層3mから漏洩し、レンズ4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
ガーニッシュとは、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、例えば車両のボディ前面に配置されるフロントグリル等がある。従来、フロントグリルで点灯させる照明部は、シンボルマーク部分の両端に例えば2個の光源を埋め込んで照明する程度のものしかなく、フロントグリルの左右方向のスペースを生かしたイルミネーション機能を果たすものは存在していない。また、従来のものは、昼間等の不灯火時に、LED等のランプ部分(カバー等)が外部から見えてしまうような、取って付けたような構造であるため、スマートさに欠ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、夜間等の灯火時においてその付加価値及び個性を高めることができるイルミネーション照明部を設ける一方で、昼間等の不灯火時にはその照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を有する車両外装ガーニッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両外装ガーニッシュは、
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュであって、
ガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
透明樹脂材料を基材として透光率を低減する透過低減層を備え、ハウジングの外側に対向するように配置された長手状の中間部材と、
中間部材のさらに外側に対向するように配置されてハウジング及び中間部材と一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
中間部材の裏面側に自身の長手方向に沿って配置された導光部材と、
導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、導光部材によって導かれる光が中間部材の透過低減層から漏洩し、レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする。
【0006】
上記本発明の構成によれば、フロントグリル等のような、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状のガーニッシュにおいて、その長手方向のスペースを利用する形で、長手状のイルミネーション照明部を設けることができる。これにより、夜間等の灯火時には、車両のボディ外面に、長手状に灯火されるイルミネーション照明が実現され、拡がりのある照明形態、及び動的効果のある照明を行うことができる。他方、不灯火時には、外部からは主として透過低減層を有した中間部材が視認され、透過低減層によってその裏側の光源や導光部材が外部から見え難くなる。このため、不灯火時においても、照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を得ることができる。
【0007】
上記本発明の車両外装ガーニッシュは、車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるように中間部材及びレンズ部材が設けられ、導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して光源を配置することができる。この構成によると、車両フロント部に設けられるフロントグリルに、その中央に対し左右対称にイルミネーション照明を設けることができるから、車両の意匠性を高めることができる。
【0008】
また、この場合、フロントグリルの中央に関して左右対称に配置される導光部材において、その一端部にのみ光源を配置してもよい。これにより、グリル左右方向において、導光部材は、光源側の端部側ほど高輝度に発光し、その逆側に向かうほど輝度が減じられるような発光状態となるため、光のグラデーションを表現することが可能となり、より高い意匠性を実現できる。例えば、グリル左右方向の中央側の端部にのみそれぞれ光源を配置する、あるいはグリル左右方向の外側の端部にのみそれぞれ光源を配置することにより、グリルの左右において、対称性を有する光のグラデーションを表現することができ、より高い意匠性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図。
【図2】図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図。
【図3】図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図。
【図4】導光板の出光面を説明する模式断面図。
【図5】本発明の車両外装ガーニッシュの車両への組み付け例を示す図。
【図6】本発明の第二実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図7】本発明の第三実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図8】本発明の第四実施形態である車両外装ガーニッシュの断面図。
【図9】本発明の第五実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図。
【図10】図9の車両用外装ガーニッシュを構成するための中間部材の一例を示す図。
【図11】本発明の第六実施形態である車両外装ガーニッシュの中間部材の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の車両外装ガーニッシュの一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図であり、図2は、図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図であり、図3は、図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図である。
【0012】
図1の車両外装ガーニッシュ1は、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、ここでは車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状をなす。本実施形態のガーニッシュ1は、その外表面40(図3参照)が下方ほど前方に突出する形で傾斜する傾斜面をなす形で車両フロント側に取り付けられる、車両のフロントグリル(図5(a)参照)である(以下フロントグリル1ともいう)。ここではさらに、中央部1Eが車両前方に突出するとともに、その中央部から続くグリル長手方向両端部1R,1L側が車両の斜め後方に延出する形で形成されている。
【0013】
図1の車両外装ガーニッシュ1には、長手状のイルミネーション照明部が形成されており、このイルミネーション照明部は、外側から、レンズ(レンズ部材)4、中間部材3、光源ユニット(光源部)7、ハウジング2を備える形でその機能を実現する。本実施形態においては、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称となるように中間部材3及びレンズ4が形成されている。また、光源ユニット7は、中間部材3の裏側に位置し、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ配置される。即ち、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ導光板5が配置され、各導光板5の一端部又は両端部に対応して光源6が配置される。
【0014】
ハウジング2は、合成樹脂製であり、長手状をなしたガーニッシュ1の内側の構造体であり、外側の中間部材3及びレンズ4を一体的に固定する。
【0015】
中間部材3は、ハウジング2の外側に対向し、その外面3aが下方ほど前方に突出する傾斜面をなすような形で配置され、ハウジング2と一体的に固定される。この中間部材3は、透光性部材(ここではアクリル、ABS、ポリカーボネート等の透明樹脂材料)を基材3Mとして、その少なくともハウジング2に対向する面(内面)3bとその反対側の面(外面)3aとのいずれか又は双方に、中間部材3の透光率を低減する透過低減層3mが設けられた長手状をなして形成される。ここでは、ハウジング2とは反対側の面(外面)3aのみに透過低減層3mが形成されている。透過低減層3mは、金属性材料(例えばアルミ)等の蒸着処理やスパッタリング処理によって形成されるが、これらの処理は、当該材料にて面全体を光不透過となるまで完全に被覆するのではなく、一部の光の透過が許容されるような形でなされている(ハーフ蒸着)。
【0016】
レンズ4は、中間部材3のさらに外側に対向するように配置される。レンズ4は、長手状に形成された、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどの光透過性を有する透光性部材(ここでは透明樹脂部材)であり、外部に対する光の発光面を有する。なお、本実施形態の車両外装ガーニッシュ1において、レンズ4の中央部は、ガーニッシュ1における光不透過部となるよう、ここでは別体形成されたシンボルマーク部分をなすエンブレム部1Eが取り付けられている。また、本実施形態におけるレンズ4は、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その裏面側(内側)に位置する中間部材3も同様に、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その屈曲部3Cの表面3c(3a)も、レンズ4の外表面40を通して視認可能となっている。
【0017】
光源ユニット7は、中間部材3の裏面3b側に、中間部材3の長手方向に沿って配置された導光板(導光部材)5と、その導光板5に光を供給する光源6とを有して構成される。導光板5に導かれた光は、中間部材3及び透過低減層3mを介して外側に漏洩し、レンズ4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。本実施形態の光源ユニット7は、車両外装ガーニッシュ1の中央に対し左右に対称をなす形でそれぞれが配置されるとともに、ガーニッシュ1の幅方向(ガーニッシュ1の長手方向及び厚さ方向に対し垂直な方向)に複数形成されている(ここでは左右両側に上下2つずつ)。
【0018】
導光板5は、透光性の高い材料、例えばアクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂成形体とすることができる。導光板5は、中間部材3の裏面側に、中間部材3の長手方向に沿って棒状に形成・配置される。導光板5は、その外側に透過低減層3mを備える中間部材3が配置されているため、外部から直接視認しづらい。
【0019】
光源6は、導光板5の一端部5A(又は5B)に対応して配置され、導光板5へと光を入射する。即ち、光源6からの光は、導光板5の側端面から導光板5内に入射され、その入射光が導光板5内で反射を繰り返しながら逆側の側端面へと伝播しつつ、中間部材3に対向する導光板5の所定の出光面から出射する。ここでは直方体状をなして中間部材3の長手方向に延びる導光板5において、中間部材3側の最近接ないし接触する端面が出光面5aとされており、当該面5aは、光を漏洩させるために長手方向に連続形成される複数の孔や傷、溝、あるいはスリットが意図的に形成された粗面とされている。
【0020】
導光板5は、図4(a)のように、その外周面のうち出光面5aとは異なる残余の面5bの外側が、反射部材8によって取り囲まれており、反射部材8の内面8bとして形成された反射面によってそれら残余の面5bから漏れる光が反射し、それらの反射光が最終的に出光面5aから出射することで、出光面5aから出射する光量を増している。また、導光板5において、図4(b)のように、出光面5aの裏面に相当する面5c(5b)を、光源6が配置される側方を臨む面(ここでは光源6側の側方を臨む傾斜面)5dが繰り返し形成された凹凸面として形成して、光源6側の側方から伝播してくる光を、その側方側を向く面5dによって反射して、出光面5aから出射するようにしてもよい。なお、反射部材8及び凹凸面5cは、いずれか又は双方を設けることができるが、出光面5aから出射する光量が十分であればそれらは省略してもよい。
【0021】
なお、光源6には、ここではLEDが使用されているが、蛍光灯、冷陰極管等としてもよい。
【0022】
本実施形態においては、導光板5がガーニッシュ1の中央に関して左右対称に配置されており、その一端部5A(又は5B)にのみ光源6が配置されている。これにより、ガーニッシュ1の左右方向において、導光板5は、光源6の点灯時に、光源6側の端部5A側ほど高輝度に発光し、その逆側の端部5Bに向かうほど輝度が減じられるような発光状態となり、導光板5全体で光のグラデーションが表現される。ここでの光源6は、左右双方の導光板5,5に対し、ガーニッシュ1の中央側端部5Aにのみ配置され、ガーニッシュ1の中央側から導光板5へと光を入射するため、ガーニッシュ1の中央側ほど明るくなる光のグラデーションが表現される。
【0023】
光源6は、ここではLEDを実装した基板とされており、フロントグリル1の中央部に設けられた光不透過部をなすエンブレム部1Eの裏側に位置し、ワイヤハーネス6hを介して別のプリント基板に接続されている。このプリント基板は、エンブレム部1Eの裏側、より具体的にいえば、エンブレム部1Eの裏面側に位置するハウジング2の裏面側に配置される。この場合、光源6がフロントグリル1の中央部寄りに配置されるためハーネス6hの長さも短くて済む。レンズ2及び中間部材3には、中央部に開口(図示なし)が形成され、その開口奥側に位置するハウジング2の表面側中央部に、エンブレム部1Eと取付け部が形成されており、エンブレム部1Eは、この取付け部に取り付けられ、レンズ2の中央開口を覆う形で配置される。
【0024】
ここで、中間部材3についてさらに詳細に説明する。
【0025】
中間部材3は、レンズ4が光透過性を有する部材(ここでは透明な部材)からなるため、その表面3aが実質的な意匠面として、外部から視認される。ここでは、透過低減層3mが属性材料(例えばアルミ)等の蒸着処理やスパッタリング処理によって形成されるため、その表面3aは、金属の質感を有する金属鏡面状態とされ、いわゆるリフレクタのように視認される。
【0026】
また、中間部材3は、自身の長手方向に直角な断面(図3参照)において、外表面40が傾斜面をなすレンズ4にほぼ平行に対向する主面部3Aから該レンズ4から遠ざかるように屈曲する段部(凹部ともいえる)3Dを有する。そして、その段部3Dには、透光率が基材よりも低くなる上述の透過低減層3mが形成されるとともに、その段部3Dの奥側に位置する部分の裏面側に導光板5が固定設置され、導光板5からの光は、その透過低減層3mを通過してレンズ4から外部に出射する。
【0027】
なお、本発明において、レンズ4にほぼ平行とは、レンズ4に対する±20度程度の角度誤差を許容するものとして定める。
【0028】
具体的にいえば、中間部材3には、レンズ4にほぼ平行に対向してその外表面3aが中間部材3の最外面(最前面)となる主面部3Aに、図2に示すような中間部材3の長手方向に沿った一つながりの窓部3Hが形成されており、その窓部3H内に上記段部3Dが形成されている。段部3Dは、中間部材3の幅方向(中間部材3の長手方向及び肉厚方向に対し垂直な方向)において窓部3Hの一方の側の開口縁部3H1から、レンズ4から遠ざかるよう屈曲する形で延出する段底面部3Rと、その段底面部3Rのレンズ4とは逆側から当該窓部3Hの一方の側とは逆の開口縁部3H2側に立上る形で延出する段立面部3Pと、その段立面部3Pの段底面部3Rとは逆側の端部からレンズ4に近づくよう屈曲して開口縁部3H2につながる段上面部3Qとを有して形成される。
【0029】
導光板5は、段部3Dを形成する段立面部3Pの裏面側に固定設置されており、出光面5aは、出射された光がレンズ4側に向かうよう、少なくとも車両の外側(前方側)を臨む面として設けられている。ここでは、その出光面5aが窓部3Hの開口中央部を向いた面として設けられている。さらに具体的にいえば、出射された光が、図3の断面においてレンズ外表面40の傾斜方向よりも水平寄りとなるような、車両の外側(前方側)の斜め上方向きの面として設けられている。
【0030】
また、段底面部3Rと段上面部3Qのそれぞれの外表面3r,3qは、図3の断面において、出光面5aに対し垂直な方向において、レンズ4側に向かうほど対向幅が広がるよう設けられており、出光面5aから出射した光が、外表面3r,3qの双方に反射してレンズ4側に向かうように形成されている。この場合、光源6の灯火時には、図3に示すように、レンズ4には、段立面部3Pの表面3pに対応し、該表面3pを裏側から透過してくる光により発光する第一の発光面R1(図1(b)参照)と、段立面部3Pに隣接する段底面部3Rと段上面部3Qの各外表面3r,3qに対応し、それら表面3r、3qにて反射した光により第一の発光面R1よりも暗く発光する第二の発光面R2(図1(b)参照)とが視認される発光状態となる。
【0031】
なお、本実施形態において、導光板5からの光は、段部3Dを形成する段底面部3Rと、段立面部3Pと、段上面部3Qと、レンズ4との間に形成される空間3s内を通過する形でレンズ4に向かう。また、本実施形態においては、中間部材3の幅方向に導光板5が2列配置されており、それぞれに対応する段部3Dを有するとともに、それら段部3Dに対応する空間3sを有しており、それら3sは、中間部材3とレンズ4との間に設けられた空間3Sの一部をなしている。中間部材3とハウジング2との間にも空間3Tを有しており、これらの空間3S,3Tは外部に対して密閉状態とされることにより、防水されている。
【0032】
このように構成されることで、本実施形態の車両外装ガーニッシュをなすフロントグリル1は、日中等の不灯火時には通常のレンズ型グリルとして見えるが、夜間等の灯火時にはイルミネーショングリル(光るグリル)として使用できる。本実施形態においては、夜間等の灯火時に、フロントグリル1の中央部を除く左右両側に、左右方向にのびる直線状の発光面R1,R2が視認される。ここでは、図1(b)に示すように、帯状の発光面R1を上記幅方向において挟む形で同じく帯状の発光面R2が視認される。
【0033】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0034】
上記実施形態における車両外装ガーニッシュ1は、図5(a)のような車両100のフロントグリル(ラジエータグリル)であったが、適用対象はこれに限らず、図5(c)及び図5(d)のような車両後部のリヤガーニッシュ1(例えば、図5(c)のように車両100の後部の上縁部やバンパーとリアガラスの間の中間部等に車両左右方向に設けられる、あるいは図5(d)のように車両100の後部の左右の縁に車両上下方向に一対設けられる)に適用すること、図5(b)のような車両側部のサイドガーニッシュ1(車両100のサイド(例えばドア部)の中間高さを車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの上縁部(天井との境界)に車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの下縁部に車両前後方向に延びるように付加するもの)等にも適用することも可能である。
【0035】
上記実施形態における光源6は、導光板5の一端部5Aに対応して配置されているが、図7に示すように、他方の端部5Bに対応して配置し、光のグラデーションを逆向きに表現してもよい。また、図6に示すように、導光板5の双方の端部5A,5Bに設け、導光板5の全体の発光強度を高めてもよい。
【0036】
上記実施形態における導光板5は、中間部材3の裏面に固定設置されているが、中間部材3に設けられる透過低減層3mの裏側に位置していればよく、例えば透過低減層3mが形成された中間部材3の裏側に位置するハウジング2に対し固定設置されていてもよい。この場合、例えば図8のように、ハウジング2の表面2a上に反射部材8を固定設置し、その反射部材8に導光板5を固定設置するようにしてもよい。
【0037】
上記実施形態における中間部材3には、その主面部3Aに、図2に示すような中間部材3の長手方向沿った一つながりの窓部3Hが形成されているが、図10に示すように、中間部材3の長手方向沿って所定の間隔で開口する複数の窓部3Hが形成されていてもよい。この場合、図9(b)に示すように、夜間等の光源6の灯火時には、フロントグリル1の左右両側に、左右方向に連続する複数の輝点(ここでは四角形状の発光面)R1が連なって視認される一方で、それらを上記幅方向において挟む形で取り囲む帯状の発光面R2が視認される。
【0038】
なお、上記実施形態における中間部材3には、その表面に透光率が均一となるよう透過低減層3mが形成されているが、透過低減層3mは必ずしも均一に形成される必要はなく、図11に示すように、第一の透光率となるよう蒸着処理ないしはスパッタリング処理がなされた第一の透過低減層3m1と、それよりも透光率の高い第二の透光率となるよう蒸着処理ないしはスパッタリング処理がなされた第二の透過低減層3m2とが存在していてもよい。これにより、第二の透過低減層3m2に対応するレンズ4上の発光面を、第一の透過低減層3m1に対応するレンズ4上の発光面よりも明るくすることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 車両外装ガーニッシュ
2 ハウジング
3 中間部材
3a 中間部材の外側表面(鏡面状メッキ面)
3b 中間部材の裏面
3m 透過低減層
3A 中間部材の主面部
3D 段部
3H 中間部材の窓部
3R 段底面部
3P 段立面部
3Q 段上面部
4 レンズ(レンズ部材)
40 意匠面(レンズ4の外表面)
5 導光板
6 光源
7 光源ユニット(光源部)
8 反射部材
5A 導光板の一端部
5B 導光板の他端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
ガーニッシュとは、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、例えば車両のボディ前面に配置されるフロントグリル等がある。従来、フロントグリルで点灯させる照明部は、シンボルマーク部分の両端に例えば2個の光源を埋め込んで照明する程度のものしかなく、フロントグリルの左右方向のスペースを生かしたイルミネーション機能を果たすものは存在していない。また、従来のものは、昼間等の不灯火時に、LED等のランプ部分(カバー等)が外部から見えてしまうような、取って付けたような構造であるため、スマートさに欠ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、夜間等の灯火時においてその付加価値及び個性を高めることができるイルミネーション照明部を設ける一方で、昼間等の不灯火時にはその照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を有する車両外装ガーニッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両外装ガーニッシュは、
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュであって、
ガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
透明樹脂材料を基材として透光率を低減する透過低減層を備え、ハウジングの外側に対向するように配置された長手状の中間部材と、
中間部材のさらに外側に対向するように配置されてハウジング及び中間部材と一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
中間部材の裏面側に自身の長手方向に沿って配置された導光部材と、
導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、導光部材によって導かれる光が中間部材の透過低減層から漏洩し、レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする。
【0006】
上記本発明の構成によれば、フロントグリル等のような、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状のガーニッシュにおいて、その長手方向のスペースを利用する形で、長手状のイルミネーション照明部を設けることができる。これにより、夜間等の灯火時には、車両のボディ外面に、長手状に灯火されるイルミネーション照明が実現され、拡がりのある照明形態、及び動的効果のある照明を行うことができる。他方、不灯火時には、外部からは主として透過低減層を有した中間部材が視認され、透過低減層によってその裏側の光源や導光部材が外部から見え難くなる。このため、不灯火時においても、照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を得ることができる。
【0007】
上記本発明の車両外装ガーニッシュは、車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるように中間部材及びレンズ部材が設けられ、導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して光源を配置することができる。この構成によると、車両フロント部に設けられるフロントグリルに、その中央に対し左右対称にイルミネーション照明を設けることができるから、車両の意匠性を高めることができる。
【0008】
また、この場合、フロントグリルの中央に関して左右対称に配置される導光部材において、その一端部にのみ光源を配置してもよい。これにより、グリル左右方向において、導光部材は、光源側の端部側ほど高輝度に発光し、その逆側に向かうほど輝度が減じられるような発光状態となるため、光のグラデーションを表現することが可能となり、より高い意匠性を実現できる。例えば、グリル左右方向の中央側の端部にのみそれぞれ光源を配置する、あるいはグリル左右方向の外側の端部にのみそれぞれ光源を配置することにより、グリルの左右において、対称性を有する光のグラデーションを表現することができ、より高い意匠性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図。
【図2】図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図。
【図3】図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図。
【図4】導光板の出光面を説明する模式断面図。
【図5】本発明の車両外装ガーニッシュの車両への組み付け例を示す図。
【図6】本発明の第二実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図7】本発明の第三実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図8】本発明の第四実施形態である車両外装ガーニッシュの断面図。
【図9】本発明の第五実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図。
【図10】図9の車両用外装ガーニッシュを構成するための中間部材の一例を示す図。
【図11】本発明の第六実施形態である車両外装ガーニッシュの中間部材の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の車両外装ガーニッシュの一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図であり、図2は、図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図であり、図3は、図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図である。
【0012】
図1の車両外装ガーニッシュ1は、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、ここでは車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状をなす。本実施形態のガーニッシュ1は、その外表面40(図3参照)が下方ほど前方に突出する形で傾斜する傾斜面をなす形で車両フロント側に取り付けられる、車両のフロントグリル(図5(a)参照)である(以下フロントグリル1ともいう)。ここではさらに、中央部1Eが車両前方に突出するとともに、その中央部から続くグリル長手方向両端部1R,1L側が車両の斜め後方に延出する形で形成されている。
【0013】
図1の車両外装ガーニッシュ1には、長手状のイルミネーション照明部が形成されており、このイルミネーション照明部は、外側から、レンズ(レンズ部材)4、中間部材3、光源ユニット(光源部)7、ハウジング2を備える形でその機能を実現する。本実施形態においては、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称となるように中間部材3及びレンズ4が形成されている。また、光源ユニット7は、中間部材3の裏側に位置し、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ配置される。即ち、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ導光板5が配置され、各導光板5の一端部又は両端部に対応して光源6が配置される。
【0014】
ハウジング2は、合成樹脂製であり、長手状をなしたガーニッシュ1の内側の構造体であり、外側の中間部材3及びレンズ4を一体的に固定する。
【0015】
中間部材3は、ハウジング2の外側に対向し、その外面3aが下方ほど前方に突出する傾斜面をなすような形で配置され、ハウジング2と一体的に固定される。この中間部材3は、透光性部材(ここではアクリル、ABS、ポリカーボネート等の透明樹脂材料)を基材3Mとして、その少なくともハウジング2に対向する面(内面)3bとその反対側の面(外面)3aとのいずれか又は双方に、中間部材3の透光率を低減する透過低減層3mが設けられた長手状をなして形成される。ここでは、ハウジング2とは反対側の面(外面)3aのみに透過低減層3mが形成されている。透過低減層3mは、金属性材料(例えばアルミ)等の蒸着処理やスパッタリング処理によって形成されるが、これらの処理は、当該材料にて面全体を光不透過となるまで完全に被覆するのではなく、一部の光の透過が許容されるような形でなされている(ハーフ蒸着)。
【0016】
レンズ4は、中間部材3のさらに外側に対向するように配置される。レンズ4は、長手状に形成された、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどの光透過性を有する透光性部材(ここでは透明樹脂部材)であり、外部に対する光の発光面を有する。なお、本実施形態の車両外装ガーニッシュ1において、レンズ4の中央部は、ガーニッシュ1における光不透過部となるよう、ここでは別体形成されたシンボルマーク部分をなすエンブレム部1Eが取り付けられている。また、本実施形態におけるレンズ4は、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その裏面側(内側)に位置する中間部材3も同様に、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その屈曲部3Cの表面3c(3a)も、レンズ4の外表面40を通して視認可能となっている。
【0017】
光源ユニット7は、中間部材3の裏面3b側に、中間部材3の長手方向に沿って配置された導光板(導光部材)5と、その導光板5に光を供給する光源6とを有して構成される。導光板5に導かれた光は、中間部材3及び透過低減層3mを介して外側に漏洩し、レンズ4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。本実施形態の光源ユニット7は、車両外装ガーニッシュ1の中央に対し左右に対称をなす形でそれぞれが配置されるとともに、ガーニッシュ1の幅方向(ガーニッシュ1の長手方向及び厚さ方向に対し垂直な方向)に複数形成されている(ここでは左右両側に上下2つずつ)。
【0018】
導光板5は、透光性の高い材料、例えばアクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂成形体とすることができる。導光板5は、中間部材3の裏面側に、中間部材3の長手方向に沿って棒状に形成・配置される。導光板5は、その外側に透過低減層3mを備える中間部材3が配置されているため、外部から直接視認しづらい。
【0019】
光源6は、導光板5の一端部5A(又は5B)に対応して配置され、導光板5へと光を入射する。即ち、光源6からの光は、導光板5の側端面から導光板5内に入射され、その入射光が導光板5内で反射を繰り返しながら逆側の側端面へと伝播しつつ、中間部材3に対向する導光板5の所定の出光面から出射する。ここでは直方体状をなして中間部材3の長手方向に延びる導光板5において、中間部材3側の最近接ないし接触する端面が出光面5aとされており、当該面5aは、光を漏洩させるために長手方向に連続形成される複数の孔や傷、溝、あるいはスリットが意図的に形成された粗面とされている。
【0020】
導光板5は、図4(a)のように、その外周面のうち出光面5aとは異なる残余の面5bの外側が、反射部材8によって取り囲まれており、反射部材8の内面8bとして形成された反射面によってそれら残余の面5bから漏れる光が反射し、それらの反射光が最終的に出光面5aから出射することで、出光面5aから出射する光量を増している。また、導光板5において、図4(b)のように、出光面5aの裏面に相当する面5c(5b)を、光源6が配置される側方を臨む面(ここでは光源6側の側方を臨む傾斜面)5dが繰り返し形成された凹凸面として形成して、光源6側の側方から伝播してくる光を、その側方側を向く面5dによって反射して、出光面5aから出射するようにしてもよい。なお、反射部材8及び凹凸面5cは、いずれか又は双方を設けることができるが、出光面5aから出射する光量が十分であればそれらは省略してもよい。
【0021】
なお、光源6には、ここではLEDが使用されているが、蛍光灯、冷陰極管等としてもよい。
【0022】
本実施形態においては、導光板5がガーニッシュ1の中央に関して左右対称に配置されており、その一端部5A(又は5B)にのみ光源6が配置されている。これにより、ガーニッシュ1の左右方向において、導光板5は、光源6の点灯時に、光源6側の端部5A側ほど高輝度に発光し、その逆側の端部5Bに向かうほど輝度が減じられるような発光状態となり、導光板5全体で光のグラデーションが表現される。ここでの光源6は、左右双方の導光板5,5に対し、ガーニッシュ1の中央側端部5Aにのみ配置され、ガーニッシュ1の中央側から導光板5へと光を入射するため、ガーニッシュ1の中央側ほど明るくなる光のグラデーションが表現される。
【0023】
光源6は、ここではLEDを実装した基板とされており、フロントグリル1の中央部に設けられた光不透過部をなすエンブレム部1Eの裏側に位置し、ワイヤハーネス6hを介して別のプリント基板に接続されている。このプリント基板は、エンブレム部1Eの裏側、より具体的にいえば、エンブレム部1Eの裏面側に位置するハウジング2の裏面側に配置される。この場合、光源6がフロントグリル1の中央部寄りに配置されるためハーネス6hの長さも短くて済む。レンズ2及び中間部材3には、中央部に開口(図示なし)が形成され、その開口奥側に位置するハウジング2の表面側中央部に、エンブレム部1Eと取付け部が形成されており、エンブレム部1Eは、この取付け部に取り付けられ、レンズ2の中央開口を覆う形で配置される。
【0024】
ここで、中間部材3についてさらに詳細に説明する。
【0025】
中間部材3は、レンズ4が光透過性を有する部材(ここでは透明な部材)からなるため、その表面3aが実質的な意匠面として、外部から視認される。ここでは、透過低減層3mが属性材料(例えばアルミ)等の蒸着処理やスパッタリング処理によって形成されるため、その表面3aは、金属の質感を有する金属鏡面状態とされ、いわゆるリフレクタのように視認される。
【0026】
また、中間部材3は、自身の長手方向に直角な断面(図3参照)において、外表面40が傾斜面をなすレンズ4にほぼ平行に対向する主面部3Aから該レンズ4から遠ざかるように屈曲する段部(凹部ともいえる)3Dを有する。そして、その段部3Dには、透光率が基材よりも低くなる上述の透過低減層3mが形成されるとともに、その段部3Dの奥側に位置する部分の裏面側に導光板5が固定設置され、導光板5からの光は、その透過低減層3mを通過してレンズ4から外部に出射する。
【0027】
なお、本発明において、レンズ4にほぼ平行とは、レンズ4に対する±20度程度の角度誤差を許容するものとして定める。
【0028】
具体的にいえば、中間部材3には、レンズ4にほぼ平行に対向してその外表面3aが中間部材3の最外面(最前面)となる主面部3Aに、図2に示すような中間部材3の長手方向に沿った一つながりの窓部3Hが形成されており、その窓部3H内に上記段部3Dが形成されている。段部3Dは、中間部材3の幅方向(中間部材3の長手方向及び肉厚方向に対し垂直な方向)において窓部3Hの一方の側の開口縁部3H1から、レンズ4から遠ざかるよう屈曲する形で延出する段底面部3Rと、その段底面部3Rのレンズ4とは逆側から当該窓部3Hの一方の側とは逆の開口縁部3H2側に立上る形で延出する段立面部3Pと、その段立面部3Pの段底面部3Rとは逆側の端部からレンズ4に近づくよう屈曲して開口縁部3H2につながる段上面部3Qとを有して形成される。
【0029】
導光板5は、段部3Dを形成する段立面部3Pの裏面側に固定設置されており、出光面5aは、出射された光がレンズ4側に向かうよう、少なくとも車両の外側(前方側)を臨む面として設けられている。ここでは、その出光面5aが窓部3Hの開口中央部を向いた面として設けられている。さらに具体的にいえば、出射された光が、図3の断面においてレンズ外表面40の傾斜方向よりも水平寄りとなるような、車両の外側(前方側)の斜め上方向きの面として設けられている。
【0030】
また、段底面部3Rと段上面部3Qのそれぞれの外表面3r,3qは、図3の断面において、出光面5aに対し垂直な方向において、レンズ4側に向かうほど対向幅が広がるよう設けられており、出光面5aから出射した光が、外表面3r,3qの双方に反射してレンズ4側に向かうように形成されている。この場合、光源6の灯火時には、図3に示すように、レンズ4には、段立面部3Pの表面3pに対応し、該表面3pを裏側から透過してくる光により発光する第一の発光面R1(図1(b)参照)と、段立面部3Pに隣接する段底面部3Rと段上面部3Qの各外表面3r,3qに対応し、それら表面3r、3qにて反射した光により第一の発光面R1よりも暗く発光する第二の発光面R2(図1(b)参照)とが視認される発光状態となる。
【0031】
なお、本実施形態において、導光板5からの光は、段部3Dを形成する段底面部3Rと、段立面部3Pと、段上面部3Qと、レンズ4との間に形成される空間3s内を通過する形でレンズ4に向かう。また、本実施形態においては、中間部材3の幅方向に導光板5が2列配置されており、それぞれに対応する段部3Dを有するとともに、それら段部3Dに対応する空間3sを有しており、それら3sは、中間部材3とレンズ4との間に設けられた空間3Sの一部をなしている。中間部材3とハウジング2との間にも空間3Tを有しており、これらの空間3S,3Tは外部に対して密閉状態とされることにより、防水されている。
【0032】
このように構成されることで、本実施形態の車両外装ガーニッシュをなすフロントグリル1は、日中等の不灯火時には通常のレンズ型グリルとして見えるが、夜間等の灯火時にはイルミネーショングリル(光るグリル)として使用できる。本実施形態においては、夜間等の灯火時に、フロントグリル1の中央部を除く左右両側に、左右方向にのびる直線状の発光面R1,R2が視認される。ここでは、図1(b)に示すように、帯状の発光面R1を上記幅方向において挟む形で同じく帯状の発光面R2が視認される。
【0033】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0034】
上記実施形態における車両外装ガーニッシュ1は、図5(a)のような車両100のフロントグリル(ラジエータグリル)であったが、適用対象はこれに限らず、図5(c)及び図5(d)のような車両後部のリヤガーニッシュ1(例えば、図5(c)のように車両100の後部の上縁部やバンパーとリアガラスの間の中間部等に車両左右方向に設けられる、あるいは図5(d)のように車両100の後部の左右の縁に車両上下方向に一対設けられる)に適用すること、図5(b)のような車両側部のサイドガーニッシュ1(車両100のサイド(例えばドア部)の中間高さを車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの上縁部(天井との境界)に車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの下縁部に車両前後方向に延びるように付加するもの)等にも適用することも可能である。
【0035】
上記実施形態における光源6は、導光板5の一端部5Aに対応して配置されているが、図7に示すように、他方の端部5Bに対応して配置し、光のグラデーションを逆向きに表現してもよい。また、図6に示すように、導光板5の双方の端部5A,5Bに設け、導光板5の全体の発光強度を高めてもよい。
【0036】
上記実施形態における導光板5は、中間部材3の裏面に固定設置されているが、中間部材3に設けられる透過低減層3mの裏側に位置していればよく、例えば透過低減層3mが形成された中間部材3の裏側に位置するハウジング2に対し固定設置されていてもよい。この場合、例えば図8のように、ハウジング2の表面2a上に反射部材8を固定設置し、その反射部材8に導光板5を固定設置するようにしてもよい。
【0037】
上記実施形態における中間部材3には、その主面部3Aに、図2に示すような中間部材3の長手方向沿った一つながりの窓部3Hが形成されているが、図10に示すように、中間部材3の長手方向沿って所定の間隔で開口する複数の窓部3Hが形成されていてもよい。この場合、図9(b)に示すように、夜間等の光源6の灯火時には、フロントグリル1の左右両側に、左右方向に連続する複数の輝点(ここでは四角形状の発光面)R1が連なって視認される一方で、それらを上記幅方向において挟む形で取り囲む帯状の発光面R2が視認される。
【0038】
なお、上記実施形態における中間部材3には、その表面に透光率が均一となるよう透過低減層3mが形成されているが、透過低減層3mは必ずしも均一に形成される必要はなく、図11に示すように、第一の透光率となるよう蒸着処理ないしはスパッタリング処理がなされた第一の透過低減層3m1と、それよりも透光率の高い第二の透光率となるよう蒸着処理ないしはスパッタリング処理がなされた第二の透過低減層3m2とが存在していてもよい。これにより、第二の透過低減層3m2に対応するレンズ4上の発光面を、第一の透過低減層3m1に対応するレンズ4上の発光面よりも明るくすることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 車両外装ガーニッシュ
2 ハウジング
3 中間部材
3a 中間部材の外側表面(鏡面状メッキ面)
3b 中間部材の裏面
3m 透過低減層
3A 中間部材の主面部
3D 段部
3H 中間部材の窓部
3R 段底面部
3P 段立面部
3Q 段上面部
4 レンズ(レンズ部材)
40 意匠面(レンズ4の外表面)
5 導光板
6 光源
7 光源ユニット(光源部)
8 反射部材
5A 導光板の一端部
5B 導光板の他端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュにおいて、
そのガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
透明樹脂材料を基材として透光率を低減する透過低減層を備え、前記ハウジングの外側に対向するように配置された長手状の中間部材と、
その中間部材のさらに外側に対向するように配置されて前記ハウジング及び中間部材と一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
前記中間部材の裏面側に自身の長手方向に沿って配置された導光部材と、
その導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、その導光部材によって導かれる光が前記中間部材の透過低減層から漏洩し、前記レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする車両外装ガーニッシュ。
【請求項2】
前記車両外装ガーニッシュは車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるように前記中間部材及びレンズ部材が設けられ、前記導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して前記光源が配置される請求項1に記載の車両外装ガーニッシュ。
【請求項1】
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュにおいて、
そのガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
透明樹脂材料を基材として透光率を低減する透過低減層を備え、前記ハウジングの外側に対向するように配置された長手状の中間部材と、
その中間部材のさらに外側に対向するように配置されて前記ハウジング及び中間部材と一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
前記中間部材の裏面側に自身の長手方向に沿って配置された導光部材と、
その導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、その導光部材によって導かれる光が前記中間部材の透過低減層から漏洩し、前記レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする車両外装ガーニッシュ。
【請求項2】
前記車両外装ガーニッシュは車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるように前記中間部材及びレンズ部材が設けられ、前記導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して前記光源が配置される請求項1に記載の車両外装ガーニッシュ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−111358(P2012−111358A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262022(P2010−262022)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
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