説明

車両情報提供装置及びナビゲーション装置

【課題】運転特性の変化をより精度よく検出することができる車両情報提供装置及びナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】情報提供センター2は、第一の所定期間におけるドライバの運転特性と、当該第一の所定期間とは異なる第二の所定期間におけるドライバの運転特性と、を比較する運転傾向判定・格納部22及びドライバ別運転傾向データベース23と、運転傾向判定・格納部22及びドライバ別運転傾向データベース23による比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報を取得する運転経年変化判定部24と、運転経年変化判定部24により取得された変化情報に応じた提供情報をドライバに提供する情報提供部25と、を備える。これにより、運転特性の変化をより精度よく検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転に関する情報を運転者に提供する車両情報提供装置及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転に関する情報を運転者に報知する装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、運転者の運転操作に基づく現在の運転特性と過去の運転特性とを比較して運転特性の変化を検出し、運転特性の変化に基づく運転に関する情報を運転者に報知する車両用情報報知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−071833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用情報報知装置では、過去の運転特性の平均と今(即ち、現時点)の運転特性の平均とを比較しているが、このような比較方法では、最近の運転特性の傾向も過去全ての運転特性の平均に組み込まれてしまう。このため、特許文献1に記載の車両用情報報知装置では、運転特性の経年変化を精度よく検出することができない場合があり、運転特性の変化をより精度よく検出することに関して改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、運転特性の変化をより精度よく検出することができる車両情報提供装置及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両情報提供装置は、第一の所定期間におけるドライバの運転特性と、当該第一の所定期間とは異なる第二の所定期間におけるドライバの運転特性と、を比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報を取得する取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この車両情報提供装置は、まず、第一及び第二の所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性を比較し、この比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報を取得する。これにより、第一及び第二の所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性が比較され、この比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報が取得されるため、運転特性の変化をより精度よく検出することができるようになる。
【0008】
また、車両情報提供装置は、取得手段により取得された変化情報に応じた提供情報をドライバに提供する提供手段を更に備えるのも好ましい。
【0009】
これにより、取得された変化情報に応じた提供情報がドライバに提供される。このため、検出された運転特性の変化に応じた情報を提供することができるようになる。
【0010】
また、車両情報提供装置は、取得手段により取得された変化情報に応じた操作支援を車両に行なわせる操作支援手段を更に備えるのも好ましい。
【0011】
これにより、取得された変化情報に応じた操作支援が行なわれる。このため、検出された運転特性の変化に応じた車両の操作を支援することができるようになる。
【0012】
また、比較手段は、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、第二の所定期間における運転特性とを比較し、取得手段は、比較手段による比較結果に基づいて運転特性の経年変化に関する変化情報を取得し、提供手段は、取得手段により取得された変化情報に応じた操作支援に関する提供情報をドライバに提供するのも好ましい。
【0013】
これにより、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、第二の所定期間における運転特性とが比較され、この比較結果に基づいて運転特性の経年変化に関する変化情報が取得されて、取得された変化情報に応じた操作支援に関する提供情報がドライバに提供される。これにより、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、第二の所定期間における運転特性との比較結果に基づく、運転特性の経年変化をより精度よく検出して、それに応じた操作支援に関する情報を提供することができるようになる。
【0014】
また、提供手段は、取得手段により取得された変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を促す提供情報をドライバに提供するのも好ましい。
【0015】
これにより、取得された変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を促す提供情報がドライバに提供される。この結果、運転特性の変化をより精度よく検出して、取得された変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を促す情報を提供することができるようになる。
【0016】
また、提供手段は、取得手段により取得された変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する提供情報をドライバに提供するのも好ましい。
【0017】
これにより、取得された変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する提供情報がドライバに提供される。この結果、運転特性の変化をより精度よく検出して、取得された変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する情報を提供することができるようになる。
【0018】
なお、上記の何れかに記載の車両情報提供装置は、ナビゲーション装置に含まれて構成されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、運転特性の変化をより精度よく検出してそれに応じた情報を提供することができる車両情報提供装置及びナビゲーション装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車両内装置及び情報提供センター2のそれぞれの構成概略を説明するための構成概略図である。
【図2】情報提供センターにおいて行なわれる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
(1)車両内装置及び情報提供センターの構成
まず、本実施形態である車両情報提供装置としての車両内装置及び情報提供センターの構成について、図1を用いて説明する。図1は、乗用車等の移動体車両における車両内装置1と、車両内装置1と遠距離無線通信することが可能な情報提供センター2とのそれぞれの構成概略を説明するための構成概略図である。車両内装置1及び情報提供センター2は、自車両を運転するドライバの操作スキルの特性の変化を検出して、この検出結果に基づく有用な情報をドライバに提供するとともに、車両の操作を支援するコンピュータ装置群である。ドライバの操作特性の変化としては、例えば、急減速操作の頻度の変化や、ペダル踏み替え時間の平均値の変化といった、反射神経に関する項目についての特性の変化が挙げられる。
【0023】
車両内装置1による機能は、例えば、自車両の内部に搭載された各種センサと、電子制御装置であるECUとにより実現される。ECUは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(RandomAccess Memory)などからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするユニットである。これらの構成要素が動作することにより、後述するそれぞれの機能が発揮される。
【0024】
また、情報提供センター2による機能は、例えば、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、後述するそれぞれの機能が発揮される。
【0025】
図1に示されるように、車両内装置1は、車両状態センサ11(検出手段)及び通信機12(通信手段)を備えており、情報提供センター2は、通信機21(通信手段)、運転傾向判定・格納部22(比較手段)、ドライバ別運転傾向データベース23(比較手段)、運転経年変化判定部24(取得手段)、及び情報提供部25(提供手段及び操作支援手段)を備えている。
【0026】
車両状態センサ11は、自車両の車速、加速度、急加速操作、減速度、急減速操作、ペダル踏み替え時間の平均時間といった自車両の(反射神経と関連のある)運転操作及び挙動に関する車両状態を検出するセンサ群である。検出された車両状態に関する情報は、通信機12を介して情報提供センター2に送信される。
【0027】
通信機12は、車両状態センサ11により検出された車両状態に関する情報を、情報提供センター2に送信する通信モジュールである。ここでは、通信機12は、情報提供センター2と遠距離無線通信が可能な構成として説明するが、情報提供センター2と有線通信が可能な構成としてもよい。
【0028】
通信機21は、通信機12から送信された車両状態に関する情報を受信する通信モジュールである。通信機21によって受信された車両状態に関する情報は、運転傾向判定・格納部22に転送される。
【0029】
運転傾向判定・格納部22は、通信機21によって受信された車両状態に関する情報に基づいて、第一の所定期間におけるドライバの運転特性と(第一の所定期間とは異なる)第二の所定期間におけるドライバの運転特性とのそれぞれを比較できるよう各期間における運転傾向を判定するとともに、判定した運転傾向を比較してその比較結果を格納する演算装置部分である。より詳しくは、運転傾向判定・格納部22は、例えば、現在を含む第一の所定期間(例えば、現時点から過去mヶ月までの間の期間。mは整数)における運転特性と、過去の第二の所定期間(例えば、現時点のちょうどN年前の時点から過去mヶ月までの間の期間。Nは整数)における運転特性とを比較できるように、それぞれの期間における運転傾向を、例えば数値化処理等を行って判定することによって取得して比較する。ここでは、第一及び第二の所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性を比較する構成として説明するが、比較対象とする所定期間は複数であれば特に限定されず、例えば三つの所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性を比較する構成としてもよい。比較対象とする所定期間を多くするほど、運転特性の変化をより精度よく検出することが可能になる。
【0030】
なお、運転傾向判定・格納部22は、例えば、自車両内のTRIP METER(トリップメータ)によって計測された最新の走行距離を用いて、現在を含む特定の期間における運転傾向を判定して取得することが可能である。また、運転傾向判定・格納部22は、取得したそれぞれの期間における運転傾向に関するデータを、ドライバ別運転傾向データベース23に格納する。
【0031】
ドライバ別運転傾向データベース23は、運転傾向判定・格納部22によって取得されたそれぞれの期間における運転傾向に関するデータを格納するデータベースである。ドライバ別運転傾向データベース23が格納するデータは、運転経年変化判定部24によって利用される。
【0032】
運転経年変化判定部24は、ドライバ別運転傾向データベース23に格納された運転傾向に関するデータを用いて、運転傾向の比較結果に基づく運転特性の変化に関する情報を取得する演算装置部分である。即ち、運転経年変化判定部24は、運転傾向判定・格納部22による比較結果に基づいて、ドライバの加齢や運転習熟度の変化等による運転特性の経年変化に関する変化情報を取得する。
【0033】
例えば、運転経年変化判定部24は、過去の所定期間における運転特性よりも現在を含む所定期間における運転特性の方が劣っているという比較結果に基づいて、運転特性の低下を示す変化情報を取得する。また、運転経年変化判定部24は、過去の所定期間における運転特性よりも現在を含む所定期間における運転特性の方が優れているという比較結果に基づいて、運転特性の向上を示す変化情報を取得する。
【0034】
情報提供部25は、運転経年変化判定部24により取得された変化情報に応じた提供情報を、上記の自車両における通信機12に送信することによって、ドライバに提供する情報発信部分である。より詳しくは、情報提供部25は、変化情報に応じた(自車両の)操作支援に関する提供情報を、ドライバに提供する。
【0035】
例えば、情報提供部25は、変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を喚起する提供情報を、通信機12に送信するとともに自車両におけるナビゲーション装置による表示処理や音声再生処理を実行させることによって、ドライバに提供する。この提供情報の具体例として、例えば、「5年前よりペダルの踏み替えに必要な時間が延びています。ペダルの踏み替え前に、早めの準備をお願いします。」という内容が挙げられる。
【0036】
また、情報提供部25は、変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する提供情報を、通信機12に送信するとともに自車両におけるナビゲーション装置による表示処理や音声再生処理を実行させることによって、ドライバに提供する。この提供情報の具体例として、例えば、運転免許を取得して1年程度のドライバに対しては、「1年前と比べて、急ブレーキ操作の頻度が減っており、運転スキルが上がっています。」という内容が挙げられる。
【0037】
なお、情報提供部25は、運転経年変化判定部24により取得された変化情報に応じた操作支援を行なわせるための制御情報を、上記の自車両における通信機12に送信することによって、ドライバによる自車両の操作を支援することができる。例えば、情報提供部25は、上記の変化情報に応じた制御情報を有する信号を送信することにより、適切なタイミングで制動(ブレーキ)をかけさせることができる。また、情報提供部25は、上記の変化情報に応じた制御情報を有する信号を送信することにより、適切なタイミングでアクセル操作を支援することができる。
【0038】
(2)情報提供センターにおいて行なわれる処理の流れ
引き続き、情報提供センター2において行なわれる処理の流れ(情報提供方法)について、図2を用いて説明する。図2は、情報提供センター2において行なわれる処理の流れを示すフローチャートである。図2のフローチャートに示される処理は、主として上記したCPUによって行われるものであり、情報提供センター2の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0039】
ここでは、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、過去の第二の所定期間における運転特性とが比較される場合について説明するが、現在を含む第一の所定期間における運転特性の代わりに、第二の所定期間とは異なる過去の第一の所定期間における運転特性としてもよい。
【0040】
まず、通信機21が、通信機12から送信された車両状態に関する情報を有する運転データを受信する(ステップS01)。次に、運転傾向判定・格納部22が、最新の(即ち、現時点での)車両状態に関する情報を有する運転データに基づいて、最新の運転傾向を算出して判定する(ステップS02)。そして、運転傾向判定・格納部22が、最新のドライバの運転の運転傾向に関するデータを、ドライバ別運転傾向データベース23に格納する(ステップS03)。
【0041】
次に、運転傾向判定・格納部22が、ドライバ別運転傾向データベース23に格納されているデータを用いて、現在を含む最近の所定期間(例えば、現時点から過去mヶ月までの間の期間。mは整数)における運転傾向を抽出して取得し、その特性を算出する(ステップS04)。
【0042】
次に、運転傾向判定・格納部22が、ドライバ別運転傾向データベース23を参照して、過去の所定期間(例えば、現時点のちょうどN年前の時点から過去mヶ月までの間の期間。Nは整数)における運転特性を算出が可能な、運転傾向に関するデータが存在するか否かを判定する(ステップS05)。過去の所定期間における運転特性を算出が可能な運転傾向データが存在しない場合は、前述のステップS01に戻って移行する。一方、過去の所定期間における運転特性を算出が可能な運転傾向データが存在する場合は、後述のステップS06に移行する。
【0043】
ステップS06では、運転傾向判定・格納部22が、ドライバ別運転傾向データベース23に格納されているデータを用いて、過去の所定期間(例えば、現時点のちょうどN年前の時点から過去mヶ月までの間の期間。Nは整数)における運転傾向を抽出して取得し、その特性を算出する(ステップS06)。そして、運転傾向判定・格納部22が、抽出して取得した運転傾向に関するデータをドライバ別運転傾向データベース23に格納するとともに、その運転傾向を比較して比較結果に関するデータをドライバ別運転傾向データベース23に格納する(ステップS07)。
【0044】
次に、運転経年変化判定部24は、ドライバ別運転傾向データベース23に格納された運転傾向とその比較結果に関するデータを用いて、運転傾向の比較結果に基づく運転特性の経年変化に関する情報を取得する。ここで、運転経年変化判定部24は、現在を含む所定期間における運転特性と、過去の所定期間における運転特性との比較結果に差異(即ち、変化)が存在するか否かを判定する(ステップS08)。
【0045】
ここで、現在を含む所定期間における運転特性と、過去の所定期間における運転特性との比較結果に差異が存在しない場合は、後述のステップS10に移行する。また、現在を含む所定期間における運転特性と、過去の所定期間における運転特性との比較結果に差異が存在し、且つ、過去の所定期間における運転特性よりも現在を含む所定期間における運転特性の方が優れている、又は向上しているという比較結果である場合は、後述のステップS09に移行する。一方、現在を含む所定期間における運転特性と、過去の所定期間における運転特性との比較結果に差異が存在し、且つ、過去の所定期間における運転特性よりも現在を含む所定期間における運転特性の方が劣っている、又は低下しているという比較結果である場合は、後述のステップS11に移行する。
【0046】
ステップS09では、運転経年変化判定部24が、運転特性の向上を示す変化情報を取得して、情報提供部25が、ドライバの運転操作スキルの向上を通知する提供情報を、通信機12に送信するとともに自車両における表示処理や音声再生処理を実行させることによって、ドライバに提供する。この提供情報の具体例として、例えば、運転免許を取得して1年程度のドライバに対しては、「1年前と比べて、急ブレーキ操作の頻度が減っており、運転スキルが上がって更に安全な運転ができています。」という内容が挙げられる。ここで、情報提供部25は、上記の変化情報に応じた操作支援を行なわせるための制御情報を、上記の自車両における通信機12に送信することによって、ドライバによる自車両の操作を支援してもよい。
【0047】
ステップS10では、運転経年変化判定部24が、運転特性の変化は無かったことを示す情報を情報提供部25に送信し、情報提供部25は、ドライバに対して情報を提供する処理を行わないことを決定する。そして、一連の処理が終了する。
【0048】
ステップS11では、運転経年変化判定部24が、運転特性の低下を示す変化情報を取得して、情報提供部25が、運転に必要な運動神経や反射神経の低下を通知するとともにドライバの運転操作に関して注意を促す提供情報を、通信機12に送信するとともに自車両における表示処理や音声再生処理を実行させることによって、ドライバに提供する。この提供情報の具体例として、例えば、「5年前よりペダルの踏み替えに必要な時間が延びています。ペダルの踏み替え前に、早めの準備をお願いします。」という内容が挙げられる。ここで、情報提供部25は、上記の変化情報に応じた操作支援を行なわせるための制御情報を、上記の自車両における通信機12に送信することによって、ドライバによる自車両の操作を支援してもよい。そして、一連の処理が終了する。
【0049】
(3)情報提供センターによる作用及び効果
情報提供センター2は、まず、第一及び第二の所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性を比較し、この比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報を取得する。これにより、第一及び第二の所定期間のそれぞれにおけるドライバの運転特性が比較され、この比較結果に基づいて運転特性の変化に関する変化情報が取得されるため、運転特性の変化をより精度よく検出することができるようになる。
【0050】
また、取得された変化情報に応じた提供情報がドライバに提供される。このため、検出された運転特性の変化に応じた情報を提供することができるようになる。
【0051】
今日、高齢化社会を迎えつつあり、高齢ドライバは今後も増加することが予想される。高齢ドライバの中には、昔と同じレベルでの運動能力や反射神経が維持されていると誤解しながら運転するドライバもいる。ドライバの加齢等によって運動能力や反射神経が衰えて低下してきていると上記の情報提供センター2による情報提供機能によって推測される場合に、上記の方法により、運動能力や反射神経の低下をドライバに通知して認識させることで、安全に対する意識を高めた安全運転を促して実現させることが可能になる。
【0052】
更に、取得された変化情報に応じた操作支援が行なわれる。このため、検出された運転特性の変化に応じた車両の操作を支援することができるようになる。
【0053】
また、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、第二の所定期間における運転特性とが比較され、この比較結果に基づいて運転特性の経年変化に関する変化情報が取得されて、取得された変化情報に応じた操作支援に関する提供情報がドライバに提供される。これにより、現在を含む第一の所定期間における運転特性と、第二の所定期間における運転特性との比較結果に基づく、運転特性の経年変化をより精度よく検出して、それに応じた操作支援に関する情報を提供することができるようになる。
【0054】
また、取得された変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を促す提供情報がドライバに提供される。この結果、運転特性の変化をより精度よく検出して、取得された変化情報が運転特性の低下を示す場合に、ドライバの運転操作に関して注意を促す情報を提供してより安全な運転を実現することができるようになる。
【0055】
また、取得された変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する提供情報がドライバに提供される。この結果、運転特性の変化をより精度よく検出して、取得された変化情報が運転特性の向上を示す場合に、ドライバの運転操作の向上を通知する情報を提供してドライバによる安全な運転を行なおうとするモチベーションを維持させることができるようになる。
【0056】
(4)変形例
上記の実施例では、車両内装置1と情報提供センター2とは互いに遠距離無線通信を行う構成としているが、情報提供センター2の構成要素である通信機21〜情報提供部25の機能を有する装置であれば上記の情報提供センター2でなくてもよく、情報提供センター2の代わりに、例えば、通信機21〜情報提供部25を構成要素として含んで構成されるナビゲーション装置であってもよい。また、情報提供センター2の代わりに、例えば、通信機21〜情報提供部25を構成要素として含んで構成されるスマートフォン(携帯電話端末と携帯情報端末とが融合した移動端末)であってもよい。
【0057】
なお、情報提供センター2の代わりをナビゲーション装置とする構成の場合、通信機12とナビゲーション装置との通信は、例えば有線通信とすることが考えられる。また、情報提供センター2の代わりをスマートフォンとする構成の場合、通信機12とスマートフォンとの通信は、例えばBluetooth通信とすることが考えられる。また、車両内装置1の代わりに、例えば、車両状態センサ11及び通信機12を構成要素として含むスマートフォンを利用する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、運転特性の変化をより精度よく検出することができる車両情報提供装置及びナビゲーション装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…車両内装置、2…情報提供センター、11…車両状態センサ、12,21…通信機、22…運転傾向判定・格納部、23…ドライバ別運転傾向データベース、24…運転経年変化判定部、25…情報提供部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の所定期間におけるドライバの運転特性と、当該第一の所定期間とは異なる第二の所定期間におけるドライバの運転特性と、を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて前記運転特性の変化に関する変化情報を取得する取得手段と、
を備えることを特徴とする車両情報提供装置。
【請求項2】
前記取得手段により取得された前記変化情報に応じた提供情報を前記ドライバに提供する提供手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両情報提供装置。
【請求項3】
前記取得手段により取得された前記変化情報に応じた操作支援を車両に行なわせる操作支援手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両情報提供装置。
【請求項4】
前記比較手段は、現在を含む前記第一の所定期間における前記運転特性と、前記第二の所定期間における前記運転特性とを比較し、
前記取得手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて前記運転特性の経年変化に関する前記変化情報を取得し、
前記提供手段は、前記取得手段により取得された前記変化情報に応じた操作支援に関する前記提供情報を前記ドライバに提供する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両情報提供装置。
【請求項5】
前記提供手段は、前記取得手段により取得された前記変化情報が前記運転特性の低下を示す場合に、前記ドライバの運転操作に関して注意を促す前記提供情報を前記ドライバに提供する、ことを特徴とする請求項2又は4に記載の車両情報提供装置。
【請求項6】
前記提供手段は、前記取得手段により取得された前記変化情報が前記運転特性の向上を示す場合に、前記ドライバの運転操作の向上を通知する前記提供情報を前記ドライバに提供する、ことを特徴とする請求項2、4、及び5の何れかに記載の車両情報提供装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の車両情報提供装置を含んで構成されるナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−252775(P2011−252775A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126323(P2010−126323)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】