説明

車両用カップホルダ装置

【課題】小物入れとして使用することができ、不使用時における装置の幅を使用時における装置の幅に比べて狭くすることができる、車両用カップホルダ装置の提供。
【解決手段】ベース側側壁33Aとアーム40Aのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで有底筒状の第1のホルダ部H1を形成し、ベース側側壁33Bとアーム40Bのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで有底筒状の第2のホルダ部H2を形成するため、第1、第2のホルダ部H1,H2を、カップホルダとして使用できるだけでなく小物入れとしても使用できる。また、一対のアーム40A,40Bのアーム側底壁46同士が、ベース30がリテーナ20に対して収納位置30aに位置するとき互いに重なり合うため、装置10の不使用時であってベース30がリテーナ20に対して収納位置30aにあるときにおける装置10の幅を狭くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用カップホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用カップホルダ装置として、たとえば、特許文献1,2に開示される装置がある。
【0003】
(i) 特許文献1は、インストルメントパネルから引出し可能なベース(電子機器ユニット)の上面に、有底筒状の2つのホルダ部を装置幅方向に並んで固定して設ける車両用カップホルダ装置を開示している。
特許文献1開示の装置によれば、ホルダ部が有底筒状(箱状)であるため、ホルダ部を、カップホルダとして使用できるだけでなく、携帯型メディアプレーヤ等の小物を収納可能な小物入れとしても使用できるようになっている。
しかし、上記特許文献1開示の装置では、ホルダ部をベースに固定して設けているため、装置の不使用時であってベースをインストルメントパネル内に収納しているときにおける装置の幅を、装置の使用時における装置の幅に比べて狭くすることが困難である。
【0004】
(ii) 特許文献2は、インストルメントパネルから引出し可能なベース(インナケース)と、ベースに上下方向に回動可能に支持されカップの底面側を受承するトレイと、ベースに装置幅方向に回動可能に支持されカップの側面を支持する一対のアーム(把持部)と、を有する車両用カップホルダ装置を開示している。
特許文献2開示の装置によれば、一対のアームがベースに装置幅方向に回動可能に支持されているため、装置の不使用時であってベースをインストルメントパネル内に収納しているときにおける装置の幅を、装置の使用時における装置の幅に比べて狭くすることができる。
しかし、上記特許文献2開示の装置では、ホルダ部が有底筒状(箱状)となっていないため、ホルダ部を、カップホルダとして使用することはできても、携帯型メディアプレーヤ等の小物を収納可能な小物入れとして使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−255014号公報
【特許文献2】特開2005−306148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、小物入れとして使用することができ、不使用時における装置の幅を使用時における装置の幅に比べて狭くすることができる、車両用カップホルダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) リテーナと、
装置幅方向の両側部に設けられる一対のベース側側壁を備えており、前記リテーナに収納される収納位置と前記リテーナから引き出される引出し位置とに前記リテーナに可動に支持されるベースと、
アーム側底壁とアーム側側壁を備えており、格納位置と該格納位置より装置幅方向外側に位置する展開位置とに前記ベースに可動に支持される一対のアームと、
を有し、
前記一対のベース側側壁の一方のベース側側壁と、前記一対のアームの一方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、有底筒状の第1のホルダ部を形成しており、
前記一対のベース側側壁の他方のベース側底壁と、前記一対のアームの他方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、前記第1のホルダ部と装置幅方向に並んで配置される有底筒状の第2のホルダ部を形成しており、
前記一対のアームの各アームのアーム側底壁同士は、上下方向位置が互いに異なっており、前記ベースが前記リテーナに対して前記収納位置に位置するとき互いに重なり合っている、車両用カップホルダ装置。
(2) 前記一対のアームの少なくともいずれか一方のアームの前記アーム側側壁は、アーム側側壁本体と、該アーム側側壁本体に対し該アーム側側壁本体とのなす角を小にする方向に折り畳み可能な補助側壁と、を備えている、(1)記載の車両用カップホルダ装置。
【発明の効果】
【0008】
上記(1)の車両用カップホルダ装置によれば、つぎの効果を得ることができる。
一対のベース側側壁の一方のベース側側壁と、一対のアームの一方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、有底筒状の第1のホルダ部を形成しており、一対のベース側側壁の他方のベース側底壁と、一対のアームの他方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、有底筒状の第2のホルダ部を形成しているため、第1、第2のホルダ部を、カップホルダとして使用できるだけでなく、携帯型メディアプレーヤ等の小物を収納可能な小物入れとしても使用できる。
また、一対のアームの各アームのアーム側底壁同士が、上下方向位置が互いに異なっており、ベースがリテーナに対して収納位置に位置するとき互いに重なり合っているため、アーム側底壁同士が互いに重なり合わない場合に比べて、装置の不使用時であってベースがリテーナに対して収納位置にあるときにおける装置の幅を狭くすることができる。
【0009】
上記(2)の車両用カップホルダ装置によれば、つぎの効果を得ることができる。
一対のアームの少なくともいずれか一方のアームのアーム側側壁が、アーム側側壁本体と、アーム側側壁本体に対しアーム側側壁本体とのなす角を小にする方向に折り畳み可能な補助側壁と、を備えているため、一対のアームの各アームのアーム側底壁同士が上下方向に互いに重なり合う量が、一対のアームの各アームのアーム側側壁同士が干渉し合うことで制限されてしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の、ベースが引出し位置にあり一対のアームが展開位置にあるときの、斜視図である。
【図2】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の、プッシュオープン式、マニュアル式にかかわらず要する構成部品の分解斜視図である。
【図3】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の、プッシュオープン式である場合のみに要する構成部品の分解斜視図である。
【図4】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の、マニュアル式である場合のみに要する構成部品の分解斜視図である。
【図5】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の作動図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明実施例の車両用カップホルダ装置の、アーム側底壁部位での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明実施例の車両用カップホルダ装置を説明する。
本発明実施例の車両用カップホルダ装置(以下、単に、カップホルダ装置または装置ともいう)10は、特に限定するものではないが、たとえば、車両の内装部品である、インストルメントパネル、コンソールパネル、ドアトリム、アームレスト等に設けられる。なお、本発明実施例および図示例では、装置10がインストルメントパネルに設けられる場合を説明する。なお、図中、UPは上方を示し、FRは車両前方を示す。
【0012】
装置10は、図1に示すように、リテーナ20と、リテーナ20に車両前後方向に可動に支持されるベース30と、ベース30に装置幅方向に(車両左右方向に)可動に支持される一対のアーム40A、40Bと、を有する。
【0013】
リテーナ20は、インストルメントパネルに対して固定されている。リテーナ20は、インストルメントパネルと別体に形成されてインストルメントパネルに固定して取付けられる。ただし、リテーナ20は、図示はしないが、インストルメントパネルと一体に形成されていてもよい。
【0014】
リテーナ20は、車両後方(車室側)に開放する箱状形状である。リテーナ20は、図2に示すように、リテーナロア21と、リテーナロア21に固定して取付けられるリテーナアッパ22との2部品構成である。リテーナ20は、ガイドレール23と、溝部24と、を備える。
【0015】
ガイドレール23は、リテーナ20の装置幅方向(車両左右方向)の両側壁の内面に車両前後方向に延びて設けられている。ガイドレール23は、ベース30を車両前後方向にスライド可能に支持する。
【0016】
溝部24は、リテーナ20の下壁の上面に車両前後方向に延びて設けられている。溝部24は、車両後方にいくにつれて幅(装置幅方向の幅)が広くなる幅広部24aを備えている。溝部24には、一対のアーム40A,40Bの一方のアーム40Aに設けられるボス部43が、常時、入り込んでいる。溝部24は、ボス部43の装置幅方向の移動範囲を規制する。
【0017】
ベース30は、図5に示すように、リテーナ20に全体または略全体が収納される収納位置30aと、リテーナ20から車両後方に引き出されて位置する引出し位置30bとに、リテーナ20に車両前後方向に可動に支持される。
【0018】
ベース30は、図2に示すように、ベースアッパ31と、ベースアッパ31に固定して取付けられるベースロア32との2部品構成である。ベース30は、装置幅方向の両側部に設けられる一対のベース側側壁33A,33Bと、装置幅方向の両側部に設けられる一対のガイド突起34A,34Bと、を備える。
【0019】
一対のベース側側壁33A,33Bは、ベース30の装置幅方向両側端から装置幅方向中央側に凹んで形成される円弧状の壁である。ベース側側壁33A,33Bは、それぞれ、装置10に保持される図示略のカップ類の側面の周方向一部を保持可能である。
【0020】
一対のガイド突起34A,34Bは、ベース30の装置幅方向両側面に車両前後方向に延びて設けられている。ガイド突起34A,34Bは、ベース側側壁33A,33Bよりも車両前方に設けられている。ガイド突起34A,34Bはリテーナ20のガイドレール23に摺動可能に支持されており、その結果、ベース30はリテーナ20に車両前後方向にスライド可能に支持される。
【0021】
一対のアーム40A,40Bは、図5に示すように、それぞれ、格納位置40aと、格納位置40aより装置幅方向外側に位置する展開位置40bとに、ベース30に装置幅方向に可動に支持される。
一対のアーム40A,40Bは、図7に示すように、それぞれに設けられるギア44同士が互いに常時噛合すること等で、互いに同期して動くようにされている。一対のアーム40A,40Bの各アームは、図2に示すアームスプリング45によりベース30に対して格納位置40aから展開位置40b側に付勢されている。図5に示すように、一対のアーム40A,40Bの各アームは、格納位置40aにあるとき、ベース側側壁33A,33Bを除くベース30の装置幅方向外側面38よりも装置幅方向内側に位置する。一対のアーム40A,40Bの各アームは、展開位置40bにあるとき、ベース30の装置幅方向外側面38よりも装置幅方向外側に位置する部分を有する。
一対のアーム40A,40Bの各アームは、ベース30に装置幅方向にスライド可能に支持されていてもよいが、各アームを比較的簡易にベース30に対して装置幅方向に円滑に移動させることができるようにするため、ベース30に装置幅方向に回動(揺動を含む)可能に支持される。
【0022】
一対のアーム40A,40Bの各アームは、図2に示すように、アーム側底壁46と、アーム側側壁47と、を備える。
アーム側底壁46は、平板状または略平板状であり段付きビス48等によりベース30に上下方向に延びる回動軸芯まわりに回動可能に支持される。
アーム側側壁47は、円弧状または略円弧状であり、後述する補助側壁47bを除いて、アーム側底壁46に一体的に(固定されて)設けられている。
【0023】
一対のベース側側壁33A,33Bの一方のベース側側壁33Aと、一対のアーム40A,40Bの一方のアーム40Aのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで、有底筒状(箱状であり上方のみに開放する形状、以下同じ)の第1のホルダ部H1を形成している。また、一対のベース側側壁33A,33Bの他方のベース側底壁33Bと、一対のアーム40A,40Bの他方のアーム40Bのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで、第1のホルダ部H1と装置幅方向に並んで配置される有底筒状の第2のホルダ部H2を形成している。
【0024】
一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士は、図6に示すように、上下方向位置が互いに異なっている。図示例では、アーム40Aのアーム側底壁46がアーム40Bのアーム側底壁46よりも下方に位置する場合を示している。
各アームのアーム側底壁46同士の上下方向の位置ずれ量は、第1、第2のホルダ部H1,H2の上端位置を同じにした場合であっても第1、第2のホルダ部H1、H2の上下方向高さの差を比較的小さくするために、アーム側底壁46の板厚と略同じ程度とされている。
一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士は、ベース30がリテーナ20に対して収納位置30aに位置するとき互いに重なり合っている。一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が互いに重なり合う量は、一対のアーム40A,40Bがベース30に対して展開位置40bから格納位置40aに移動するにつれて大となっている。
【0025】
一対のアーム40A,40Bの少なくともいずれか一方のアームのアーム側側壁47は、図2に示すように、アーム側底壁46に固定されるアーム側側壁本体47aと、アーム側側壁本体47aに対しアーム側側壁本体47aとのなす角を小にする方向に折り畳み可能な補助側壁47bと、を備えている。なお、本発明実施例および図示例では、一対のアーム40A,40Bの一方のアーム40Aのアーム側側壁47のみが、アーム側側壁本体47aと補助側壁47bとを備える場合を示す。
【0026】
補助側壁47bは、アーム側側壁本体47aと別体に形成されており、アーム側側壁本体47aに上下方向に延びる軸芯まわりに回動可能に取付けられている。ただし、補助側壁47bは、アーム側側壁本体47aに対して折り畳み可能であるならばアーム側側壁本体47aと一体に形成されていてもよい。補助側壁47bは、補助側壁付勢スプリング47cにより、常時、アーム側側壁本体47aに対しアーム側側壁本体47aとのなす角を大にする方向に付勢されている。
【0027】
装置10は、(i)プッシュオープン式であってもよく、(ii)マニュアル式であってもよい。
【0028】
(i)装置10がプッシュオープン式である場合
装置10は、図2、図3に示すように、ベース30に取付けられるプッシュタイプドア60と、ベース30の上面に設けられるハートカム35に係脱可能なロックピン61aを備えリテーナアッパ22に設けられるロック取付け部22aに回動(揺動を含む)可能に取付けられるロック61と、リテーナアッパ22に設けられるラック22bに噛合するギア部63aを備えベース30に設けられるギア取付け部36に回動可能に取付けられるピニオンギア63と、ピニオンギア63を回転付勢する駆動スプリング64と、ピニオンギアの回転に制動力を付与するダンパ65と、を有する。
装置10がプッシュオープン式である場合、収納位置30aにあるベース30をプッシュしてロックピン61aとハートカム35との係合を解除させることで、駆動スプリング64の付勢力でベース30をリテーナ20に対して引出し位置30bに移動させることができる。
【0029】
(ii)装置10がマニュアル式である場合
装置10は、図2、図4に示すように、取っ手部66aを備えベース30に取付けられるマニュアルタイプドア66と、レールスプリング67aを備えベース30に設けられるレール取付け部37に取付けられる一対のレール67と、を備える。
レール67は、ベース30をリテーナ20に出し入れするときに適度な操作荷重を付与するとともに、ベース30のリテーナ20に対する装置幅方向のガタツキを抑制するために設けられる。
装置10がマニュアル式である場合、取っ手部66aに手を引っ掛けて収納位置30aにあるベース30を手動で引出し位置30bまで移動させる(引き出す)ことで、ベース30をリテーナ20に対して引出し位置30bに移動させることができる。
【0030】
ここで、ベース30がリテーナ20に対して収納位置30aから引出し位置30bに移動する際の作動を、図2、図5を参照して、説明する。なお、ベース30がリテーナ20に対して引出し位置30bから収納位置30aに移動する際の作動は、ベース30がリテーナ20に対して収納位置30aから引出し位置30bに移動する際の作動を逆にたどる作動となるため、説明を省略する。
【0031】
(a)ベース30が収納位置30aにあるとき
(a1)アーム40Aのボス部43が、リテーナ20の溝部24内で幅広部24aより車両前方側に位置している。そのため、アーム40Aが格納位置40aから展開位置40b側に移動することが抑制されており、アーム40Aと同期して動くアーム40Bが格納位置40aから展開位置40b側に移動することが抑制されている。その結果、一対のアーム40A,40Bがともにベース30に対して格納位置40aにある。
(a2)一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が重なり合う量は比較的大になっている。なお、アーム40Aのアーム側底壁46がアーム40Bのアーム側底壁46よりも下方に位置することによりアームAのアーム側側壁本体47aとアームBのアーム側底壁46とが互いに干渉してしまう場合には、該干渉を抑制するために、アーム40Bのアーム側底壁46に切欠き46aが設けられていてもよい。
(a3)アーム40Aの補助側壁47bは、アーム40Bのアーム側側壁47によって押されており、補助側壁付勢スプリング47cの付勢力に抗して、アーム側側壁本体47aに対しアーム側側壁本体47aとのなす角を小にする方向に折り畳まれている(折れ曲っている、回動している)。
【0032】
(b)ベース30が収納位置30aから引出し位置30bに移動するとき
(b1)アーム40Aのボス部43がリテーナ20の溝部24内で幅広部24aに移動する。そのため、ベース30が引出し位置30b側に移動するにつれて、ボス部43の装置幅方向外側への移動許容量が増加し、一対のアーム40A,40Bがアームスプリング45の付勢力でベース30に対して格納位置40aから展開位置40b側に移動する。
(b2)一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が重なり合う量は上記(a)の場合よりも小となっている。
(b3)アーム40Aの補助側壁47bは、アーム40Bのアーム側側壁47から離れ、補助側壁付勢スプリング47cの付勢力によりアーム側側壁本体47aに対しアーム側側壁本体47aとのなす角を大にする方向に、アーム側側壁本体47aに設けられる図示略のストッパに当接するまで回動する。
【0033】
(c)ベース30が引出し位置30bにあるとき
(c1)アーム40Aのボス部43がリテーナ20の溝部24内で幅広部24aより車両後方側に位置している。そのため、一対のアーム40A,40Bがアームスプリング45の付勢力で展開位置40bにある。
(c2)一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が重なり合う量は上記(a)および上記(b)の場合よりも小となっている。
(c3)アーム40Aの補助側壁47bは、アーム40Bのアーム側側壁47から離れており、補助側壁付勢スプリング47cの付勢力によりアーム側側壁本体47aに設けられる図示略のストッパに当接している。
【0034】
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
一対のベース側側壁33A,33Bの一方のベース側側壁33Aと、一対のアーム40A,40Bの一方のアーム40Aのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで、有底筒状の第1のホルダ部H1を形成しており、一対のベース側側壁33A,33Bの他方のベース側底壁33Bと、一対のアーム40A,40Bの他方のアーム40Bのアーム側底壁46およびアーム側側壁47とで、有底筒状の第2のホルダ部H2を形成しているため、第1、第2のホルダ部H1,H2を、カップホルダとして使用できるだけでなく、携帯型メディアプレーヤ等の小物を収納可能な小物入れとしても使用できる。
【0035】
一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が、上下方向位置が互いに異なっており、ベース30がリテーナ20に対して収納位置30aに位置するとき互いに重なり合っているため、アーム側底壁46同士が互いに重なり合わない場合に比べて、装置10の不使用時であってベース30がリテーナ20に対して収納位置30aにあるときにおける装置10の幅を狭くすることができる。
【0036】
一対のアーム40A,40Bの少なくともいずれか一方のアームのアーム側側壁47が、アーム側側壁本体47aと、アーム側側壁本体47aに対しアーム側側壁本体47aとのなす角を小にする方向に折り畳み可能な補助側壁47bと、を備えているため、一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側底壁46同士が上下方向に互いに重なり合う量が、一対のアーム40A,40Bの各アームのアーム側側壁47同士が干渉し合うことで制限されてしまうことを抑制できる。
【0037】
装置10がプッシュオープン式である場合とマニュアル式である場合とで異なる構成部品は、図3、図4に示す構成部品だけである。そのため、装置10がプッシュオープン式である場合とマニュアル式である場合とで変更される部品の数は比較的少ない。そのため、装置10のプッシュオープン式とマニュアル式との使い分けが比較的容易である。
【符号の説明】
【0038】
10 車両用カップホルダ装置
20 リテーナ
21 リテーナロア
22 リテーナアッパ
23 ガイドレール
24 溝部
30 ベース
30a 収納位置
30b 引出し位置
31 ベースアッパ
32 ベースロア
33A,33B 一対のベース側側壁
34A,34B 一対のガイド突起
40A,40B 一対のアーム
40a 格納位置
40b 展開位置
43 ボス部
44 ギア
45 アームスプリング
46 アーム側底壁
46a 切欠き
47 アーム側側壁
47a アーム側側壁本体
47b 補助側壁
47c 補助側壁付勢スプリング
H1 第1のホルダ部
H2 第2のホルダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リテーナと、
装置幅方向の両側部に設けられる一対のベース側側壁を備えており、前記リテーナに収納される収納位置と前記リテーナから引き出される引出し位置とに前記リテーナに可動に支持されるベースと、
アーム側底壁とアーム側側壁を備えており、格納位置と該格納位置より装置幅方向外側に位置する展開位置とに前記ベースに可動に支持される一対のアームと、
を有し、
前記一対のベース側側壁の一方のベース側側壁と、前記一対のアームの一方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、有底筒状の第1のホルダ部を形成しており、
前記一対のベース側側壁の他方のベース側底壁と、前記一対のアームの他方のアームのアーム側底壁およびアーム側側壁とで、前記第1のホルダ部と装置幅方向に並んで配置される有底筒状の第2のホルダ部を形成しており、
前記一対のアームの各アームのアーム側底壁同士は、上下方向位置が互いに異なっており、前記ベースが前記リテーナに対して前記収納位置に位置するとき互いに重なり合っている、車両用カップホルダ装置。
【請求項2】
前記一対のアームの少なくともいずれか一方のアームの前記アーム側側壁は、アーム側側壁本体と、該アーム側側壁本体に対し該アーム側側壁本体とのなす角を小にする方向に折り畳み可能な補助側壁と、を備えている、請求項1記載の車両用カップホルダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−32122(P2013−32122A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169724(P2011−169724)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(309018445)明和工業株式会社 (13)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】