車両用コンソールボックス
【課題】 リッドを前後方向へ大きく移動させることができ、しかもいずれの位置に移動した場合であってもリッドを強度の高い肘掛として用いることができるようにする。
【解決手段】 ボックス本体２にリッド３を前後方向へ移動可能に設ける。スライド部材４の板部４ａをボックス本体２にリッド３を介して前後方向へ移動可能に設ける。スライド部材４の前端部に形成された傾斜板部４ｂの下端部をボックス本体２に前後方向へ移動可能に設ける。
【解決手段】 ボックス本体２にリッド３を前後方向へ移動可能に設ける。スライド部材４の板部４ａをボックス本体２にリッド３を介して前後方向へ移動可能に設ける。スライド部材４の前端部に形成された傾斜板部４ｂの下端部をボックス本体２に前後方向へ移動可能に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、アームレストとして利用可能な車両用コンソールボックスに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のこの種の車両用コンソールボックスは、ボックス本体とリッドとを有している。ボックス本体には、その上面に開口部する収容凹部が形成されている。リッドは、ボックス本体の上部に閉位置と開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられており、閉位置に移動したときには収容凹部の開口部を閉じ、開位置に移動したときには収容凹部の開口部を開く。しかも、リッドは、適宜の位置に移動させられて肘掛として使用される。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−３３７６１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来のコンソールボックスにおいては、閉位置と開位置との間のリッドの移動距離を大きくすると、リッドを開位置に移動させたときにリッドの後端部だけしかボックス本体に支持されなくなってしまい、リッドの支持強度が低下する。そこで、リッドの移動距離が比較的小さく抑えられていた。このため、収容凹部の開口部を大きく開くことができないという問題、及びリッドを肘掛けとして用いるときに所望の位置まで移動させることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
この発明は、上記の問題を解決するために、上面に開口する収容凹部が形成されたボックス本体と、このボックス本体に、上記収容凹部の開口部を閉じた閉位置と、上記収容凹部の開口部を開いた開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられたリッドとを備えた車両用コンソールボックスにおいて、上記ボックス本体にスライド部材が前後方向へ移動可能に設けられ、このスライド部材に上記リッドの少なくとも開位置側の一端部が前後方向へ移動可能に連結されていることを特徴としている。
この場合、上記スライド部材が、上記ボックス本体に前後方向へ出没可能に設けられ、上記スライド部材の上記ボックス本体から突出可能な部分にカップホルダ部が設けられていることが望ましい。
また、上記リッドの左右両側部が上記ボックス本体にそれぞれ前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の左右両側部が上記リッドに前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の上記開位置側の一端部が上記ボックス本体に前後方向へ移動可能に設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【０００６】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、スライド部材をリッドの開位置側へ移動させた状態でリッドを開位置側へ移動させると、開位置側のリッドの端部がスライド部材を介してボックス本体に支持される。したがって、リッドを開位置に移動させたときのリッドの支持強度を高くすることができる。よって、リッドの移動距離を大きくすることができ、それによって収容凹部を大きく開いたり、リッドを肘掛として適宜の位置まで大きく移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図１〜図６は、この発明の一実施の形態を示している。この実施の形態の車両用コンソールボックス１は、ボックス本体２、リッド３、スライド部材４を主な構成要素としている。
【０００８】
ボックス本体２は、硬質の樹脂を成形してなるものであり、車両の前方側に形成された高さが低い前部２Ａと、この前部２Ａの後端部に続いて形成された高さが高い後部２Ｂとを有している。図５及び図６に示すように、前部２Ａの上壁部２ａには、平面視長方形の貫通孔２ｂが形成されている。前部２Ａの内部には、上部が開口した収容ボックス５が設けられている。この収容ボックス５には、小物類を開口部２ｂを通して出し入れすることができる。収容ボックス５は、ボックス本体２と一体に形成してもよく、別体に形成してもよい。
【０００９】
図５に示すように、ボックス本体２の前部２Ａには、貫通孔２ｂを開閉する回動蓋６が設けられている。回動蓋６は、その左右方向の一側部がボックス本体２に前後方向へ水平に延びる軸線を中心として回動可能に設けられている。回動蓋６は、その全体がほぼ水平になり、それによって貫通孔２ｂを閉じた閉位置と、他側部が閉位置からほぼ９０°回動して一側部の上方に位置し、それによって貫通孔２ｂを開いた開位置との間を回動可能になっている。
【００１０】
貫通孔２ｂの左右両側部には、前後方向へ向かって水平に延びるガイド溝２ｃがそれぞれ形成されている。このガイド溝２ｃは、閉位置に位置している回動蓋６より上側に配置されている。したがって、両ガイド溝２ｃ，２ｃは、少なくとも回動蓋６が閉位置に位置しているときには、車内上方に向かって露出している。
【００１１】
ボックス本体２の後部２Ｂには、上部が開放された収容凹部２ｄが形成されている。後部２Ｂの上面には、前後方向へ向かって水平に延びる一対のガイドレール７，７がボックス本体２と一体に設けられている。ガイドレール７は、ボックス本体２と別体に形成してもよい。ガイドレール７，７は、断面「コ」字状に形成されており、開放部どうしが互いに対向した状態で収容部２ｄの開口部の両側に配置されている。
【００１２】
リッド３は、硬質の樹脂又は金属からなるフレーム部３Ａと、所定の柔軟性を有するカバー部３Ｂとを有している。フレーム部３Ａの左右両側部には、前後方向へ向かって水平に延びるレール部３ａ，３ａが形成されている。各レール部３ａ，３ａは、ガイドレール７，７に摺動可能に嵌合されている。これにより、リッド３がボックス本体２に、図１及び図２に示す閉位置と、図３に示す開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられている。リッド３の閉位置は、レール部３ａがガイドレール７，７の後端部間に掛け渡された後カバー８に突き当たることによって定められている。リッド３は、閉位置に位置したときには、収容凹部２ｄを車内側から見えないように遮蔽する。リッド３の開位置は、ガイドレール７とレール部３ａとの間に設けられたストッパ機構（図示せず）によって定められている。リッド３が開位置に位置したときには、レール部３ａの後端部がガイドレール７の前端部に嵌合しているだけであり、リッド３のほぼ全体が収容凹部２ｄから前方へ移動し、収容部２ｄの開口部のほぼ全体を開放する。カバー部３Ｂは、フレーム部３Ａの上部に固定されており、レール部３ａ，３ａを除くフレーム部３Ａ全体を覆っている。カバー部３Ｂは、レール部３ａ，３ａ及びガイドレール７，７をも覆うように形成してもよい。
【００１３】
上記スライド部材４は、硬質樹脂又は金属からなるものであり、互いに一体に形成された水平な板部４ａ、この板部４ａの前端部に続いて斜め下方に向かって形成された傾斜板部４ｂ、及びこの傾斜部４ｂの下端部の左右両端部にそれぞれ形成された摺動部４ｃを有している。
【００１４】
板部４ａの左右両側部は、フレーム部３Ａのレール部３ａ，３ａの互いに対向する側面に形成されたガイド溝３ｂ，３ｂにそれぞれ前後方向へ摺動自在に挿入されている。摺動部４ｃ，４ｃは、ボックス本体２の前部２Ａに形成されたガイド溝２ｃ，２ｃにそれぞれ前後方向へ摺動可能に挿入されている。これにより、スライド部材４がボックス本体２に図１に示す収容位置と、図２及び図３に示す使用位置との間を前後方向へ移動可能に設けられている。スライド部材４の収容位置は、その傾斜板部４ｂが後部２Ｂの傾斜した前面２ｅに突き当たることによって定められている。スライド部材４が収容位置に位置したときには、傾斜部４ｂを除くスライド部材４全体がボックス本体２とリッド３との間に出没可能に収容される。スライド部材２ｄの使用位置は、摺動部４ｃがガイド溝３ｂの前端部に突き当たることによって定められている。スライド部材４は、使用位置に位置したときには、図２に示すように、ガイド溝２ｃに挿入された後端部を除く前側の大部分がボックス本体２の後部２Ｂから前方に突出し、前部２Ａの上方に位置する。
【００１５】
板部４ａには、１又は複数のカップ挿通孔（カップホルダ部）４ｄが形成されている。カップ挿通孔４ｄは、スライド部材４が使用位置に位置したときにボックス本体２内から外部に突出する部分に形成されている。カップ挿通孔４ｄには、飲料缶や紙コップ等が挿入される。挿入された飲料缶等は、回動蓋６上に載置される。勿論、紙コップのように下方に向かって小径となるテーパ状のもので、回動蓋６に乗る前にカップ挿通孔４ｄに嵌合するようなものの場合には、回動蓋６に載置されることがない。
【００１６】
リッド３が開位置に移動した状態においては、レール部３ａの後端部しかガイドレール７に支持されていない。このため、仮にスライド部材４が無ければ、リッド３の前端部は全く支持されない状態になる。しかるに、このコンソールボックス１においては、スライド部材４の板部４ａの左右両側部がリッド３のガイド溝３ｂ、３ｂにそれぞれ挿入されているので、図３に示すように、リッド３を開位置に位置させ、かつスライド部材４を使用位置に位置させた状態では、レール部３ａのガイドレール７から前方に突出した部分がスライド部材４を介してボックス本体２の前部２Ａに支持される。したがって、リッド３のガイドレール７から前方に位置する部分もボックス本体２に高い強度をもって支持される。
【００１７】
上記構成のコンソールボックス１において、図１に示すように、リッド３が閉位置に位置し、かつスライド部材４が収容位置に位置しているものとする。この状態では、リッド３が比較的後方に位置しているので、座席を後方に移動させて使用する乗員がリッド３を肘掛として使用することができる。また、回動蓋６を閉位置から開位置まで回動させることにより、ボックス５に小物類を出し入れすることができる。勿論、回動蓋６を閉位置に回動させることにより、ボックス５及びその内部に収容された小物類を隠すことができる。
【００１８】
図２示すように、リッド３を閉位置に位置させた状態でスライド部材４を使用位置に移動させると、カップ挿通孔４ｄ，４ｄがボックス本体２から露出する。したがって、スライド部材４又はスライド部材４及び回動蓋６をカップ受けとして使用することができる。スライド部材４は、前方側に配置されたカップ挿通孔４ｄだけが露出する中間位置において所定の力で停止させるようにしてもよい。
【００１９】
図３に示すように、リッド３を開位置に移動させるとともに、スライド部材４を使用位置に位置させた場合には、収容凹部２ｄが開かれる。したがって、収容凹部２ｄに小物類を出し入れすることができる。また、リッド３が前方に移動しているので、座席を前方へ移動させて使用する乗員がリッド３を肘掛として使用することができる。この場合、リッド３の後端部がボックス本体２の直接に、前端部がスライド部材４を介して間接にボックス本体２に支持されているので、リッド３は十分な強度をもって肘を支持することができる。
【００２０】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、スライド部材４の板部４ａがボックス本体２にリッド３を介して前後方向へ移動可能に支持されているが、ボックス本体２に直接支持させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】この発明の一実施の形態を、リッドを閉位置に、かつスライド部材を収容位置にそれぞれ位置させた状態で示す側面図である。
【図２】同実施の形態を、リッドを閉位置に、かつスライド部材を使用位置にそれぞれ位置させた状態で示す一部切欠き側面図である。
【図３】同実施の形態を、リッドを開位置に、かつスライド部材を使用位置にそれぞれ位置させた状態で示す側面図である。
【図４】図１のＸ−Ｘ線に沿う拡大断面図である。
【図５】図２のＸ−Ｘ線に沿う拡大断面図である。
【図６】同実施の形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ コンソールボックス
２ ボックス本体
２ｄ 収容凹部
３ リッド
４ スライド部材
４ｄ カップ挿通孔（カップホルダ部）
【技術分野】
【０００１】
この発明は、アームレストとして利用可能な車両用コンソールボックスに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のこの種の車両用コンソールボックスは、ボックス本体とリッドとを有している。ボックス本体には、その上面に開口部する収容凹部が形成されている。リッドは、ボックス本体の上部に閉位置と開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられており、閉位置に移動したときには収容凹部の開口部を閉じ、開位置に移動したときには収容凹部の開口部を開く。しかも、リッドは、適宜の位置に移動させられて肘掛として使用される。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−３３７６１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来のコンソールボックスにおいては、閉位置と開位置との間のリッドの移動距離を大きくすると、リッドを開位置に移動させたときにリッドの後端部だけしかボックス本体に支持されなくなってしまい、リッドの支持強度が低下する。そこで、リッドの移動距離が比較的小さく抑えられていた。このため、収容凹部の開口部を大きく開くことができないという問題、及びリッドを肘掛けとして用いるときに所望の位置まで移動させることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
この発明は、上記の問題を解決するために、上面に開口する収容凹部が形成されたボックス本体と、このボックス本体に、上記収容凹部の開口部を閉じた閉位置と、上記収容凹部の開口部を開いた開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられたリッドとを備えた車両用コンソールボックスにおいて、上記ボックス本体にスライド部材が前後方向へ移動可能に設けられ、このスライド部材に上記リッドの少なくとも開位置側の一端部が前後方向へ移動可能に連結されていることを特徴としている。
この場合、上記スライド部材が、上記ボックス本体に前後方向へ出没可能に設けられ、上記スライド部材の上記ボックス本体から突出可能な部分にカップホルダ部が設けられていることが望ましい。
また、上記リッドの左右両側部が上記ボックス本体にそれぞれ前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の左右両側部が上記リッドに前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の上記開位置側の一端部が上記ボックス本体に前後方向へ移動可能に設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【０００６】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、スライド部材をリッドの開位置側へ移動させた状態でリッドを開位置側へ移動させると、開位置側のリッドの端部がスライド部材を介してボックス本体に支持される。したがって、リッドを開位置に移動させたときのリッドの支持強度を高くすることができる。よって、リッドの移動距離を大きくすることができ、それによって収容凹部を大きく開いたり、リッドを肘掛として適宜の位置まで大きく移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図１〜図６は、この発明の一実施の形態を示している。この実施の形態の車両用コンソールボックス１は、ボックス本体２、リッド３、スライド部材４を主な構成要素としている。
【０００８】
ボックス本体２は、硬質の樹脂を成形してなるものであり、車両の前方側に形成された高さが低い前部２Ａと、この前部２Ａの後端部に続いて形成された高さが高い後部２Ｂとを有している。図５及び図６に示すように、前部２Ａの上壁部２ａには、平面視長方形の貫通孔２ｂが形成されている。前部２Ａの内部には、上部が開口した収容ボックス５が設けられている。この収容ボックス５には、小物類を開口部２ｂを通して出し入れすることができる。収容ボックス５は、ボックス本体２と一体に形成してもよく、別体に形成してもよい。
【０００９】
図５に示すように、ボックス本体２の前部２Ａには、貫通孔２ｂを開閉する回動蓋６が設けられている。回動蓋６は、その左右方向の一側部がボックス本体２に前後方向へ水平に延びる軸線を中心として回動可能に設けられている。回動蓋６は、その全体がほぼ水平になり、それによって貫通孔２ｂを閉じた閉位置と、他側部が閉位置からほぼ９０°回動して一側部の上方に位置し、それによって貫通孔２ｂを開いた開位置との間を回動可能になっている。
【００１０】
貫通孔２ｂの左右両側部には、前後方向へ向かって水平に延びるガイド溝２ｃがそれぞれ形成されている。このガイド溝２ｃは、閉位置に位置している回動蓋６より上側に配置されている。したがって、両ガイド溝２ｃ，２ｃは、少なくとも回動蓋６が閉位置に位置しているときには、車内上方に向かって露出している。
【００１１】
ボックス本体２の後部２Ｂには、上部が開放された収容凹部２ｄが形成されている。後部２Ｂの上面には、前後方向へ向かって水平に延びる一対のガイドレール７，７がボックス本体２と一体に設けられている。ガイドレール７は、ボックス本体２と別体に形成してもよい。ガイドレール７，７は、断面「コ」字状に形成されており、開放部どうしが互いに対向した状態で収容部２ｄの開口部の両側に配置されている。
【００１２】
リッド３は、硬質の樹脂又は金属からなるフレーム部３Ａと、所定の柔軟性を有するカバー部３Ｂとを有している。フレーム部３Ａの左右両側部には、前後方向へ向かって水平に延びるレール部３ａ，３ａが形成されている。各レール部３ａ，３ａは、ガイドレール７，７に摺動可能に嵌合されている。これにより、リッド３がボックス本体２に、図１及び図２に示す閉位置と、図３に示す開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられている。リッド３の閉位置は、レール部３ａがガイドレール７，７の後端部間に掛け渡された後カバー８に突き当たることによって定められている。リッド３は、閉位置に位置したときには、収容凹部２ｄを車内側から見えないように遮蔽する。リッド３の開位置は、ガイドレール７とレール部３ａとの間に設けられたストッパ機構（図示せず）によって定められている。リッド３が開位置に位置したときには、レール部３ａの後端部がガイドレール７の前端部に嵌合しているだけであり、リッド３のほぼ全体が収容凹部２ｄから前方へ移動し、収容部２ｄの開口部のほぼ全体を開放する。カバー部３Ｂは、フレーム部３Ａの上部に固定されており、レール部３ａ，３ａを除くフレーム部３Ａ全体を覆っている。カバー部３Ｂは、レール部３ａ，３ａ及びガイドレール７，７をも覆うように形成してもよい。
【００１３】
上記スライド部材４は、硬質樹脂又は金属からなるものであり、互いに一体に形成された水平な板部４ａ、この板部４ａの前端部に続いて斜め下方に向かって形成された傾斜板部４ｂ、及びこの傾斜部４ｂの下端部の左右両端部にそれぞれ形成された摺動部４ｃを有している。
【００１４】
板部４ａの左右両側部は、フレーム部３Ａのレール部３ａ，３ａの互いに対向する側面に形成されたガイド溝３ｂ，３ｂにそれぞれ前後方向へ摺動自在に挿入されている。摺動部４ｃ，４ｃは、ボックス本体２の前部２Ａに形成されたガイド溝２ｃ，２ｃにそれぞれ前後方向へ摺動可能に挿入されている。これにより、スライド部材４がボックス本体２に図１に示す収容位置と、図２及び図３に示す使用位置との間を前後方向へ移動可能に設けられている。スライド部材４の収容位置は、その傾斜板部４ｂが後部２Ｂの傾斜した前面２ｅに突き当たることによって定められている。スライド部材４が収容位置に位置したときには、傾斜部４ｂを除くスライド部材４全体がボックス本体２とリッド３との間に出没可能に収容される。スライド部材２ｄの使用位置は、摺動部４ｃがガイド溝３ｂの前端部に突き当たることによって定められている。スライド部材４は、使用位置に位置したときには、図２に示すように、ガイド溝２ｃに挿入された後端部を除く前側の大部分がボックス本体２の後部２Ｂから前方に突出し、前部２Ａの上方に位置する。
【００１５】
板部４ａには、１又は複数のカップ挿通孔（カップホルダ部）４ｄが形成されている。カップ挿通孔４ｄは、スライド部材４が使用位置に位置したときにボックス本体２内から外部に突出する部分に形成されている。カップ挿通孔４ｄには、飲料缶や紙コップ等が挿入される。挿入された飲料缶等は、回動蓋６上に載置される。勿論、紙コップのように下方に向かって小径となるテーパ状のもので、回動蓋６に乗る前にカップ挿通孔４ｄに嵌合するようなものの場合には、回動蓋６に載置されることがない。
【００１６】
リッド３が開位置に移動した状態においては、レール部３ａの後端部しかガイドレール７に支持されていない。このため、仮にスライド部材４が無ければ、リッド３の前端部は全く支持されない状態になる。しかるに、このコンソールボックス１においては、スライド部材４の板部４ａの左右両側部がリッド３のガイド溝３ｂ、３ｂにそれぞれ挿入されているので、図３に示すように、リッド３を開位置に位置させ、かつスライド部材４を使用位置に位置させた状態では、レール部３ａのガイドレール７から前方に突出した部分がスライド部材４を介してボックス本体２の前部２Ａに支持される。したがって、リッド３のガイドレール７から前方に位置する部分もボックス本体２に高い強度をもって支持される。
【００１７】
上記構成のコンソールボックス１において、図１に示すように、リッド３が閉位置に位置し、かつスライド部材４が収容位置に位置しているものとする。この状態では、リッド３が比較的後方に位置しているので、座席を後方に移動させて使用する乗員がリッド３を肘掛として使用することができる。また、回動蓋６を閉位置から開位置まで回動させることにより、ボックス５に小物類を出し入れすることができる。勿論、回動蓋６を閉位置に回動させることにより、ボックス５及びその内部に収容された小物類を隠すことができる。
【００１８】
図２示すように、リッド３を閉位置に位置させた状態でスライド部材４を使用位置に移動させると、カップ挿通孔４ｄ，４ｄがボックス本体２から露出する。したがって、スライド部材４又はスライド部材４及び回動蓋６をカップ受けとして使用することができる。スライド部材４は、前方側に配置されたカップ挿通孔４ｄだけが露出する中間位置において所定の力で停止させるようにしてもよい。
【００１９】
図３に示すように、リッド３を開位置に移動させるとともに、スライド部材４を使用位置に位置させた場合には、収容凹部２ｄが開かれる。したがって、収容凹部２ｄに小物類を出し入れすることができる。また、リッド３が前方に移動しているので、座席を前方へ移動させて使用する乗員がリッド３を肘掛として使用することができる。この場合、リッド３の後端部がボックス本体２の直接に、前端部がスライド部材４を介して間接にボックス本体２に支持されているので、リッド３は十分な強度をもって肘を支持することができる。
【００２０】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、スライド部材４の板部４ａがボックス本体２にリッド３を介して前後方向へ移動可能に支持されているが、ボックス本体２に直接支持させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】この発明の一実施の形態を、リッドを閉位置に、かつスライド部材を収容位置にそれぞれ位置させた状態で示す側面図である。
【図２】同実施の形態を、リッドを閉位置に、かつスライド部材を使用位置にそれぞれ位置させた状態で示す一部切欠き側面図である。
【図３】同実施の形態を、リッドを開位置に、かつスライド部材を使用位置にそれぞれ位置させた状態で示す側面図である。
【図４】図１のＸ−Ｘ線に沿う拡大断面図である。
【図５】図２のＸ−Ｘ線に沿う拡大断面図である。
【図６】同実施の形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ コンソールボックス
２ ボックス本体
２ｄ 収容凹部
３ リッド
４ スライド部材
４ｄ カップ挿通孔（カップホルダ部）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
上面に開口する収容凹部が形成されたボックス本体と、このボックス本体に、上記収容凹部の開口部を閉じた閉位置と、上記収容凹部の開口部を開いた開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられたリッドとを備えた車両用コンソールボックスにおいて、
上記ボックス本体にスライド部材が前後方向へ移動可能に設けられ、このスライド部材に上記リッドの少なくとも開位置側の一端部が前後方向へ移動可能に連結されていることを特徴とする車両用コンソールボックス。
【請求項２】
上記スライド部材が、上記ボックス本体に前後方向へ出没可能に設けられ、上記スライド部材の上記ボックス本体から突出可能な部分にカップホルダ部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の車両用コンソールボックス。
【請求項３】
上記リッドの左右両側部が上記ボックス本体にそれぞれ前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の左右両側部が上記リッドに前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の上記開位置側の一端部が上記ボックス本体に前後方向へ移動可能に設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記載の車両用コンソールボックス。
【請求項１】
上面に開口する収容凹部が形成されたボックス本体と、このボックス本体に、上記収容凹部の開口部を閉じた閉位置と、上記収容凹部の開口部を開いた開位置との間を前後方向へ移動可能に設けられたリッドとを備えた車両用コンソールボックスにおいて、
上記ボックス本体にスライド部材が前後方向へ移動可能に設けられ、このスライド部材に上記リッドの少なくとも開位置側の一端部が前後方向へ移動可能に連結されていることを特徴とする車両用コンソールボックス。
【請求項２】
上記スライド部材が、上記ボックス本体に前後方向へ出没可能に設けられ、上記スライド部材の上記ボックス本体から突出可能な部分にカップホルダ部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の車両用コンソールボックス。
【請求項３】
上記リッドの左右両側部が上記ボックス本体にそれぞれ前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の左右両側部が上記リッドに前後方向へ移動可能に設けられ、上記スライド部材の上記開位置側の一端部が上記ボックス本体に前後方向へ移動可能に設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記載の車両用コンソールボックス。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００７−２９０４５８（Ｐ２００７−２９０４５８Ａ）
【公開日】平成１９年１１月８日（２００７．１１．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１１８６６９（Ｐ２００６−１１８６６９）
【出願日】平成１８年４月２４日（２００６．４．２４）
【出願人】（０００１００３６６）しげる工業株式会社 (95)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月８日（２００７．１１．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月２４日（２００６．４．２４）
【出願人】（０００１００３６６）しげる工業株式会社 (95)
【Ｆターム（参考）】
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