説明

車両用シート及び車両のバッテリー配設構造

【課題】パワースライド機構を駆動するモータとクッションスプリングとのシート前後方向に沿った配置が重複する構成であっても、クッション下寸法を小さく設定することができる車両用シート及び該車両用シートを備えた車両のバッテリー配設構造を得る。
【解決手段】車両用シート10では、パワースライド機構64を駆動するモータ60とクッションスプリング18とのシート前後方向に沿った配置が重複しているが、モータ60は軸線方向がシート前後方向に沿う状態で一方のアッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられており、クッションスプリング18に対してシート幅方向にずれて配置されている。このため、クッションスプリング18が着座乗員Pからの荷重によって車体床部30側へ撓んだ際にも、クッションスプリング18がモータ60に干渉することがない。これにより、クッション下寸法H1を小さく設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッションをモータの駆動力によって車体床部に対してスライドさせるスライド装置を備えた車両用シート、及び該車両用シートの下方にバッテリーが配設された車両のバッテリー配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示された車両用シートのパワースライド装置では、シートが左右一対のスライドレール(ロアレール及びアッパレール)を介して車体床部に支持される。左右一対のロアレールには、それぞれナット部材が固定されており、左右一対のアッパレールには、それぞれ前記ナット部材に螺合したリードスクリュが結合されている。また、左右一対のアッパレールにおける前端部間には、シート幅方向に延びる連結ブラケットが掛け渡されており、この連結ブラケットの上面側にはモータが取り付けられている。このモータは、軸線方向(長手方向)をシート幅方向(シート左右方向)に沿わせた状態で配置されており、このモータの回転力が伝達されることによって左右のリードスクリュが回転される。これにより、各アッパレールがシート及びモータと共に各ロアレールに対してスライドされる構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−90944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スライドレールやシートクッション側の構成によっては、左右一対のアッパレールにおける前端部間よりもシート後方側にしかモータを配置することができない場合がある。このような場合、上述の如きパワースライド装置では、シートクッションに設けられたクッションスプリングと上記モータとのシート前後方向に沿った配置が重複することになり、シートクッションに設けられたクッションスプリングの下方にモータが配置されることになる。このため、クッションスプリングとモータとの干渉(当接)を回避すべく、車体床部に対するクッションスプリングの配置高さを高くしなければならなくなる。
【0005】
つまり、一般にクッションスプリングは、前後両端部がクッションフレームに係止されており、着座乗員からの荷重によって前後方向中間部側が下方側(車体床部側)へ撓む。このため、クッションスプリングの下方にパワースライド装置のモータが配置される場合には、クッションスプリングが最も下方側へ撓んだ際にもモータと干渉しないように、両者の間にクリアランスを確保する必要がある。その結果、着座乗員からの荷重が負荷されていない状態でのクッションスプリングと車体床部との間の寸法(以下、「クッション下寸法」と称する)が大きくなってしまう。
【0006】
このようなクッション下寸法が大きい車両用シートは、車体床部の下面側にバッテリーが配設されることにより高床になりがちなハイブリット車や電気自動車に対しては、搭載することが困難になる。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、パワースライド機構を駆動するモータとクッションスプリングとのシート前後方向に沿った配置が重複する構成であっても、クッション下寸法を小さく設定することができる車両用シート及び該車両用シートを備えた車両のバッテリー配設構造を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明に係る車両用シートは、車体床部の上方に配置されると共に、前後両端部がクッションフレームに係止されたクッションスプリングが上方側からの荷重によって下方側へ撓むシートクッションと、車体床部側に固定される左右一対のロアレール、及び前記一対のロアレールに対してシート前後方向にスライド可能に取り付けられると共に前記シートクッション側に連結された左右一対のアッパレールを有する左右一対のスライドレールと、前記一対のスライドレールに取り付けられた左右一対のレール駆動機構、及び前記一対のレール駆動機構の間に掛け渡された回転力伝達機構を有し、駆動されることにより前記一対のアッパレールを前記一対のロアレールに対してスライドさせるパワースライド機構と、軸線方向がシート前後方向に沿う状態で一方の前記アッパレールのシート幅方向内側に配置され、前記パワースライド機構を駆動すると共に、平面視においてシート前後方向に沿った配置が前記クッションスプリングと重複し且つ前記クッションスプリングに対してシート幅方向にずれて配置されたモータと、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の車両用シートでは、左右一対のスライドレールに取り付けられた左右一対のレール駆動機構及び当該一対のレール駆動機構の間に掛け渡された回転力伝達機構を有するパワースライド機構が、モータによって駆動される。これにより、一対のスライドレールに設けられた一対のアッパレールが、車体床部側に固定される一対のロアレールに対してシート前後方向にスライドされる。その結果、クッションフレームが一対のアッパレールに連結されたシートクッションが、一対のロアレールすなわち車体床部に対してシート前後方向にスライドされる。
【0010】
ここで、上述のモータは、平面視において、シート前後方向に沿った配置がシートクッションのクッションスプリングと重複しているが、軸線方向がシート前後方向に沿う状態で一方のアッパレールのシート幅方向内側に配置されることにより、クッションスプリングに対してシート幅方向にずれて配置されている。このため、クッションスプリングが上方側からの荷重(例えば、着座乗員からの荷重)によって下方側(車体床部側)へ撓んだ際にも、クッションスプリングがモータに干渉することがない。これにより、車体床部に対するクッションスプリングの配置高さを低く設定することができるので、クッション下寸法を小さく設定することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明に係る車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記アッパレールは、シート幅方向外側へ開口した開断面形状に形成され、前記ロアレールは、前記アッパレールの内側に配置されると共に前後両端部が車体床部側に固定され、前記レール駆動機構は、前記スライドレールに対してシート幅方向外側に配置されてシート前後方向に延在すると共に、前後両端部が前記ロアレール側に固定されたリードスクリュと、前記アッパレールに回転可能に支持され、前記リードスクリュに螺合されると共に、前記モータの回転力が伝達されることにより前記リードスクリュ回りに回転されるナットと、を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の車両用シートでは、モータの回転力がアッパレールに回転可能に支持されたナットに伝達される。このナットは、アッパレールに回転可能に支持されると共に、ロアレール側に固定されたリードスクリュに螺合されている。このため、モータの回転力によってナットがリードスクリュ回りに回転されると、アッパレールがナットと共にリードスクリュ及びロアレールに対してスライドされる。
【0013】
ここで、この車両用シートでは、スライドレールのアッパレールがシート幅方向外側へ開口した開断面形状に形成されており、ロアレールがアッパレールの内側に配置されている。また、上述のリードスクリュは、スライドレールに対してシート幅方向外側に配置されている。つまり、リードスクリュがスライドレールの断面内に配置された構成ではないため、スライドレールの高さ寸法を低減することができる。これにより、スライドレールを介して車体床部に連結されるシートクッションの配置高さを低く設定することができるので、クッション下寸法を更に小さくすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明に係る車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記アッパレールのシート幅方向内側には、前記クッションフレームを前記アッパレールに対して上下に相対移動可能に連結する前後一対のリフタリンクが取り付けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の車両用シートでは、クッションフレームをアッパレールに対して上下に相対移動可能に連結する前後一対のリフタリンクが、アッパレールのシート幅方向内側に取り付けられている。したがって、前後一対のリフタリンクがアッパレールの上端側に取り付けられた構成と比較して、シートクッションの配置高さを低く設定することができる。これにより、クッション下寸法をより一層小さくすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明に係る車両用シートは、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記回転力伝達機構は、シート後方側の前記リフタリンクよりもシート前方側に配置され、前記モータは、前記回転力伝達機構よりもシート前方側に配置されると共に、本体部からシート後方側へ突出した出力軸の回転力が前記回転力伝達機構を介して前記一対のレール駆動機構に伝達されることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の車両用シートでは、左右一対のレール駆動機構の間に掛け渡された回転力伝達機構は、アッパレールのシート幅方向内側に取り付けられたシート後方側のリフタリンク(リヤリフタリンク)よりもシート前方側に配置されている。また、アッパレールのシート幅方向内側に配置されたモータは、回転力伝達機構よりもシート前方側に配置されており、本体部からシート後方側へ突出した出力軸の回転力が回転力伝達機構を介して左右一対のレール駆動機構に伝達される。つまり、アッパレールのシート幅方向内側に配置されたモータ及びリヤリフタリンクが、回転力伝達機構を介して互いに反対側に配置されているため、両者の配置スペースを良好に確保することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明に係る車両のバッテリー配設構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用シートが上面側に配設される車体床部と、前記車体床部の下面側で前記車両用シートの下方側に配設されたバッテリーと、を備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の車両のバッテリー配設構造では、車体床部の上面側に配置された車両用シートが、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用シートであるため、パワースライド機構を駆動するモータとクッションスプリングとのシート前後方向に沿った配置が重複する構成であっても、クッション下寸法を小さく設定することができる。このため、当該車両用シートの下方側で車体床部の下面側にバッテリーが配設されることにより、車体床部の配置高さが高くなった場合でも、シートクッションの配置高さが高くなることを抑制できる。換言すれば、シートクッションの配置高さが高くなることを抑制しつつ、バッテリーの搭載量を増やすことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る車両用シート及び車両のバッテリー配設構造では、スライドレールを駆動するモータがアッパレールの前後方向中間部側に配置される場合でも、クッション下寸法を小さく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シートの主要部の構成を示し、図3の1−1線に沿った切断面を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用シートの主要部の構成を示し、図3の2−2線に沿った切断面を示す縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示される車両用シートにおけるスライドレールの後端側の構成及びクッションスプリングの部分的な構成を示す平面図である。
【図4】図3に示される構成部材の一部を分解した状態で示す拡大分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車両用シートの第1比較例を示す図1に対応した縦断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車両用シートと図5に示される第1比較例とのクッション下寸法を比較するための縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る車両用シートの第2比較例を示す図1に対応した縦断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る車両用シートの第3比較例を示す図1に対応した縦断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る車両用シートにおける回転力伝達機構の構成部材であるウォームの軸受に負荷される荷重について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1〜図9を参照して、本発明の実施形態に係る車両用シート10及び車両のバッテリー配設構造11について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FRは、矢印UP、矢印LH、矢印RHは、本車両用シート10の前方向、上方向、左方向、右方向を示している。また、本車両用シート10の前後左右上下の方向性は、本車両用シート10が搭載された車両の前後左右上下の方向性と一致しており、各図中に示される矢印INは、当該車両の幅方向内側を示している。さらに、以下の説明に記載する「シート幅方向」は、「シート左右方向」と同義である。
【0023】
<本実施形態の構成>
図1及び図2に示されるように、本車両用シート10は、パワースライドシステムを搭載したシートクッション12を備えている。このシートクッション12の後端部には、図示しないシートバックの下端部が連結されている。シートクッション12の骨格を構成するクッションフレーム14は、シート前後方向に延在する左右一対のサイド部16と、これらのサイド部16の前後両端部をシート幅方向に連結した図示しない前部及び後部とを備えており、平面視で略矩形枠状に形成されている。クッションフレーム14の前部と後部との間には、周知のクッションスプリング18(図3参照)が掛け渡されている。このクッションスプリング18は、前端部がクッションフレーム14の前部に係止されると共に後端部がクッションフレーム14の後部に係止されており、図示しない表皮材によって覆われたクッションパッド20を下方側から支持している。このクッションパッド20の上面側に乗員Pが着座した状態では、当該着座乗員Pからの荷重によってクッションスプリング18の前後方向中間部側が下方側へ撓むようになっている。なお、図面を見やすくする関係から、図1、2、5〜8では、クッションパッド20の断面のハッチングが省略されている。
【0024】
図1及び図2に示されるように、シートクッション12の下方には、左右一対のスライドレール22が配置されている。シート左方側のスライドレール22(インナーレール)は、シート左方側のサイド部16の下方においてシート前後方向に延在しており、シート右方側のスライドレール22(アウターレール)は、シート右方側のサイド部16の下方においてシート前後方向に延在している。これらのスライドレール22は、それぞれロアレール24とアッパレール26とを備えている。これらのロアレール24及びアッパレール26は、シート前後方向に沿って長尺状に形成されている。
【0025】
各アッパレール26は、シート幅方向外側が開口した開断面形状(断面略U字状)に形成されており、各ロアレール24は、各アッパレール26の断面内に配置されている。各ロアレール24の前後両端部は、シート幅方向外側に締結固定されたレッグ部材28を介して車体床部30の上面側に固定されている。なお、図3では、図面の大きさの関係上、各スライドレール22の前端側の図示が省略されている。
【0026】
各スライドレール22の上下両端側でロアレール24とアッパレール26との間には、複数のボール31(図1及び図2参照)が配置されている。これにより、各アッパレール26が各ロアレール24に対してシート前後方向にスライド可能に支持されている。なお、図3には、アッパレール26がロアレール24に対して最もシート後方側に配置された状態が図示されている。
【0027】
さらに、各アッパレール26の後端部におけるシート幅方向内側には、リフタ機構の構成部材であるリフタリンク32の下端部が支軸34を介して回転可能に連結されている。シート左方側のリフタリンク32の上端部は、シート左方側のサイド部16の後端部におけるシート幅方向内側に支軸36を介して回転可能に連結されている。また、シート右方側のリフタリンク32の上端部は、シート右方側のサイド部16の後端部におけるシート幅方向内側に支軸36を介して回転可能に連結されている。なお、図示は省略するが、各アッパレール26の前端側と各サイド部16の前端側も、上記同様の構成によりリフタリンク32を介して連結されている。これにより、クッションフレーム14すなわちシートクッション12が、左右一対のアッパレール26に対して上下に相対移動可能に連結されている。
【0028】
また、各スライドレール22のシート幅方向外側には、それぞれレール駆動機構38を構成するリードスクリュ40が配置されている。各リードスクリュ40は、長尺状に形成されてシート前後方向に延在しており、前後両端部がブラケット42(図1及び図2参照)を介して各ロアレール24の前後両端側に固定されている。これらのリードスクリュ40には、それぞれレール駆動機構38を構成するナット46(図4参照)が螺合されている。なお、シート左方側のレール駆動機構38とシート右方側のレール駆動機構38は、左右対称に形成されている以外は構成が共通しているため、以下図4等に基づきシート右方側のレール駆動機構38について説明し、シート左方側のレール駆動機構38についての説明を省略する。
【0029】
ナット46は、アッパレール26に取り付けられたギヤボックス48及び当該ギヤボックス48に取り付けられた軸受部材50によってシート前後方向に沿った軸線回りに回転可能に支持されている。このギヤボックス48は、図3に示されるように、アッパレール26の後端部に連結されたリフタリンク32(リヤリフタリンク)よりもシート前方側に配置されており、ブラケット52(図3以外では図示省略)を介してアッパレール26の後端側におけるシート幅方向外側に固定されている。
【0030】
ナット46の外周部には、ヘリカル歯が形成されており、当該ナット46の上側には、ヘリカルギヤ54が噛合されている。このヘリカルギヤ54は、ギヤボックス48及び当該ギヤボックス48に取り付けられた軸受部材56によってシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に支持されている。このヘリカルギヤ54には、円柱状に形成された入力軸58の軸線方向一端部が同軸的かつ相対回転不能に連結されている。この入力軸58は、アッパレール26の上方側に配置されており、この入力軸58の軸線方向他端側は、ギヤボックス48からシート幅方向内側へ向けて突出している。
【0031】
上記構成のレール駆動機構38では、入力軸58がヘリカルギヤ54と一体で回転されると、ヘリカルギヤ54に噛合されたナット46がリードスクリュ40回りに回転される。これにより、ナット46がリードスクリュ40に対して軸線方向に移動し、ナット46を支持したアッパレール26がロアレール24に対してシート前後方向にスライドされる構成になっている。
【0032】
図1〜図3に示されるように、シート右方側のレール駆動機構38における入力軸58と、シート左方側のレール駆動機構38における入力軸58との間には、パワースライド用のモータ60の回転力を各入力軸58に伝達するための回転力伝達機構62が配置されている。この回転力伝達機構62は、左右一対のレール駆動機構38と共にパワースライド機構64を構成しており、左右一対のギヤボックス66、68を備えている。これらのギヤボックス66、68は、各アッパレール26の後端側間をシート幅方向に連結した長尺な連結ブラケット70(図3以外では図示省略)の上面側に固定されており、これらのギヤボックス66、68の間には、トルクケーブル72が掛け渡されている。
【0033】
シート右方側のギヤボックス66は、回転力伝達機構62の減速部63を構成している。このギヤボックス66内には、図2及び図4に示されるように、上側ギヤとしてのウォームホイール74と、下側ギヤとしてのウォームホイール76とが上下に並んで配置されている。これらのウォームホイール74、76は、軸線方向がシート幅方向に沿う状態で配置されており、ギヤボックス66及び当該ギヤボックス66にネジ止めされた軸受部材78によって回転可能に支持されている。
【0034】
上側のウォームホイール74は、シート右方側の入力軸58における軸線方向他端部(シート幅方向内側端部)に同軸的かつ相対回転不能に連結されており、下側のウォームホイール76は、トルクケーブル72の軸線方向一端部(シート右方側の端部)に同軸的かつ相対回転不能に連結されている。さらに、これらのウォームホイール74、76の間には、モータギヤとしてのウォーム80が配置されている。このウォーム80は、軸線方向がシート前後方向に沿う状態で配置されており、上述したモータ60に対応している。
【0035】
モータ60は、軸線方向がシート前後方向に沿う状態でギヤボックス66(回転力伝達機構62)よりもシート前方側に配置されており、モータブラケット82(図3及び図4以外では図示省略)を介してシート右方側のアッパレール26の前後方向中間部におけるシート幅方向内側に固定されている。モータブラケット82は、平面視でシート幅方向内側が開口した断面コ字状(断面略U字状)に形成されており、モータ60の本体部84における前後方向両端部を支持している。
【0036】
このモータ60は、前述したクッションスプリング18の下方側に配置されており、図3に示される平面視において、シート前後方向に沿った配置がクッションスプリング18と重複しているが、クッションスプリング18に対してシート幅方向にずれて配置されている。換言すれば、このモータ60は、平面視において、シート前後方向に沿ったシートスプリングの配設範囲で当該クッションスプリング18に対してシート幅方向にずれて配置されている。
【0037】
また、このモータ60は、本体部84内に収容された図示しないアーマチャーの回転軸と一体の出力軸86が本体部84からシート後方側へ向けて突出しており、モータ60の後端部に取り付けられた出力軸カバー88によって覆われている。この出力軸カバー88は、軸線方向がシート前後方向に沿った円筒状に形成されており、軸線方向一端部がギヤボックス66に嵌合係止されると共に、軸線方向一端部(前端部)からシート幅方向両側に延出された締結部が本体部84の後端部にネジ止めされている。
【0038】
上述の出力軸86には、前述したウォーム80が同軸的かつ相対回転不能に連結されている。このウォーム80は、軸線方向一端部(後端部)がギヤボックス66に取り付けられた軸受90によって回転可能に支持されると共に、軸線方向他端部(前端部)が出力軸カバー88(図4以外では図示省略)に取り付けられた軸受92によって回転可能に支持されている。
【0039】
このウォーム80は、ウォームホイール74、76によって上下両側から挟まれた状態で配置されている。つまり、ウォームホイール74、76は、ウォーム80の軸直交方向にウォーム80を挟んで配置されている。上側のウォームホイール74はウォーム80の上側に噛合されており、下側のウォームホイール76はウォーム80の下側に噛合されている。これにより、モータ60の出力軸86の回転がウォーム80を介してウォームホイール74、76に伝達され、上側のウォームホイール74が入力軸58と一体で回転されると共に、下側のウォームホイール76がトルクケーブル72と一体で回転される。この場合、ウォーム80及びウォームホイール74、76によって出力軸86の回転が減速されるようになっている。
【0040】
また、上述のトルクケーブル72は、前述したように下側のウォームホイール76に対して同軸的に連結されているため、モータ60の出力軸86よりも下方側(車体床部30側)に配置されている。このトルクケーブル72の軸線方向他端部(シート左方側の端部)は、図1〜図3に示されるように、前述したシート左方側のギヤボックス68内に挿入されている。このギヤボックス68内には、当該ギヤボックス68によって回転可能に支持された図示しない上下一対のヘリカルギヤ(アイドルギヤ)が配置されている。下側のヘリカルギヤは、トルクケーブル72の軸線方向他端部に同軸的かつ相対回転不能に連結されており、上側のヘリカルギヤは、シート左方側の入力軸58に同軸的かつ相対回転不能に連結されている。これにより、トルクケーブル72の回転力が上下一対のヘリカルギヤを介してシート左方側の入力軸58に伝達され、当該入力軸58が回転されるようになっている。
【0041】
上記構成の車両用シート10は、前述したように車体床部30の上面側に配置されているが、本実施形態に係る車両のバッテリー配設構造11(図6参照)では、車両用シート10の下方で車体床部30の下面側には、車両駆動用のモータ等に電力を供給する上下一対のバッテリー94が配設されている。これらのバッテリー94は、板状に形成されており、上下に重ね合わされた状態で図示しないブラケットにより車体に固定されている。
【0042】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0043】
上記構成の車両用シート10では、左右一対のスライドレール22に取り付けられた左右一対のレール駆動機構38及び当該一対のレール駆動機構38の間に掛け渡された回転力伝達機構62からなるパワースライド機構64が、モータ60によって駆動される。これにより、一対のスライドレール22に設けられた一対のアッパレール26が、車体床部30側に固定された一対のロアレール24に対してシート前後方向にスライドされる。その結果、クッションフレーム14が一対のアッパレール26に連結されたシートクッション12が、一対のロアレール24すなわち車体床部30に対してシート前後方向にスライドされる。
【0044】
ここで、上述のモータ60は、図3に示されるように、シート前後方向に沿った配置がシートクッション12のクッションスプリング18と重複しているが、軸線方向がシート前後方向に沿う状態で一方のアッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられることにより、クッションスプリング18に対してシート幅方向にずれて配置されている。このため、クッションスプリング18が着座乗員Pからの荷重によって下方側(車体床部30側)へ撓んだ際にも、クッションスプリング18がモータ60に干渉することがない。これにより、車体床部30に対するクッションスプリング18の配置高さを低く設定することができるので、クッション下寸法H1(図1及び図2参照)を小さく設定することができる。
【0045】
つまり、図5に示される比較例100のように、モータ60がクッションスプリング18の下方に配置されている場合、クッションスプリング18がモータ60と干渉することを回避すべくクッションスプリング18とモータ60との間のクリアランスH3を十分に確保すると、クッション下寸法H4が大きくなってしまう。
【0046】
これに対し、本車両用シート10では、上述の如くクッション下寸法H1を小さく設定することができる。このため、図6に示されるように、着座乗員PのヒップポイントHPを比較例100と同じ高さに設定した場合でも、比較例100よりも車体床部30の配置高さを高く設定することができる。これにより、車体床部30の下方側に配設されるバッテリー92の搭載量を増やすことができる。したがって、本車両用シート10及び車両のバッテリー配設構造11では、車体床部30の下面側にバッテリー94が配設されることにより高床になりがちなハイブリット車や電気自動車に対するパワースライドシステムの搭載性を向上させることができる。なお、図5及び図6では、比較例100において、車両用シート10と基本的に同様の構成については同符号を付与してある。
【0047】
また、本車両用シート10では、トルクケーブル72がクッションスプリング18の下方に配置されているが、このトルクケーブル72はモータ60の出力軸86よりも下方側に配置されており、車体床部30に対するトルクケーブル72の配置高さが低く設定されている。このため、クッションスプリング18が着座乗員Pからの荷重によって下方側(車体床部30側)へ撓んだ際にもトルクケーブル72と干渉しないように、両者の間のクリアランスH2(図1及び図2参照)を確保しつつ、車体床部30に対するクッションスプリング18の配置高さを低く設定することができる。したがって、これによってもクッション下寸法H1を小さく設定することができる。
【0048】
つまり、例えば、図7に示される比較例200のように、トルクケーブル72が出力軸86よりも上方側に配置される場合、車体床部30に対するトルクケーブル72の配置高さが高くなる。このため、トルクケーブル72とクッションスプリング18との間のクリアランスH5を十分に確保するためには、クッション下寸法H6を大きく設定する必要がある。なお、この比較例200は、図5に示される比較例100において、回転力伝達機構62の構成とモータ60(図7では図示省略)の配置が変更されたものである。
【0049】
さらに、本車両用シート10では、スライドレール22のアッパレール26がシート幅方向外側へ開口した開断面形状に形成されており、ロアレール24がアッパレール26の内側に配置されている。また、レール駆動機構38のリードスクリュ40は、図5、図7に示される比較例100、200のようにスライドレール22の断面内には配置されておらず、スライドレール22に対してシート幅方向外側に配置されている。これにより、スライドレール22の高さ寸法を低減することができるので、スライドレール22を介して車体床部30に連結されるシートクッション12の配置高さを低く設定することができる。したがって、クッション下寸法H1を更に小さくすることができる。
【0050】
また、本車両用シート10では、クッションフレーム14をアッパレール26に対して上下に相対移動可能に連結するリフタリンク32(図1〜図3参照。シート前方側のリフタリンク32は図示省略)が、アッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられている。したがって、図5に示される比較例100のように、リフタリンク32がアッパレール26の上端側に取り付けられた構成と比較して、シートクッション12の配置高さを低く設定することができる。これにより、クッション下寸法H1をより一層小さくすることができる。
【0051】
なお、図8に示される比較例300のように、本車両用シート10における上述の如きリフタリンク連結構造及びスライドレール構造を採用したとしても、トルクケーブル72がモータ60(図8では図示省略)の出力軸86よりも上方側に配置されている場合には、クッション下寸法H7が大きいままである一方、トルクケーブル72とクッションスプリング18との間のクリアランスH8が小さくなってしまう。この点、本車両用シート10では、トルクケーブル72が出力軸86の下方側に配置されているため、トルクケーブル72とクッションスプリング18との間のクリアランスH2を十分に確保しつつ、クッション下寸法H1を低減することができる。
【0052】
さらに、本車両用シート10では、モータ60の出力軸86に連結されたウォーム80の下側に噛合されたウォームホイール76がトルクケーブル72に連結された構成であるため、極めて簡単な構成でトルクケーブル72を出力軸86の下方側に配置させることができる。
【0053】
しかも、ウォーム80が、上側のウォームホイール74と下側のウォームホイール76とによって上下両側から挟まれた構成になっている。これにより、ウォーム80におけるトルク伝達のロスを低減することができる。
【0054】
つまり、図9(A)に示されるように、ウォーム80の片側だけにウォームホイール76が螺合している場合には、ウォームホイール76にはウォーム80から噛合い反力R1が入力され、ウォーム80にはウォームホイール76から噛合い反力R2が入力される。この場合、ウォーム80の軸線方向両端部を軸支する軸受90、92には、それぞれウォーム80から荷重F1、F2が負荷される。その結果、ウォーム80におけるトルク伝達にロスが生じてしまう。
【0055】
これに対し、ウォーム80がウォームホイール74、76によって上下両側(軸直交方向両側)から挟まれている場合には、図9(B)に示されるように、ウォーム80には、下側のウォームホイール76からの噛合い反力R2が上向きに入力されると共に、図9(C)に示されるように、上側のウォームホイール74からの噛合い反力R4が下向きに入力される(なお、図9(C)においてR3は、ウォームホイール74がウォーム80から受ける噛合い反力である)。この場合、軸受90、92には、図9(B)に示される上向きの荷重F1、F2と、図9(C)に示される下向きの荷重F3、F4とが負荷されることになる。その結果、荷重F1と荷重F3が互いに相殺されると共に、荷重F2と荷重F4が互いに相殺されることになり、軸受90、92に負荷される荷重が低減される(図9(D)参照)。これにより、ウォーム80が軸受90、92から受ける反力を低減することができるので、ウォーム80におけるトルク伝達のロスを低減することができる。
【0056】
さらに、本車両用シート10では、左右一対のレール駆動機構38の間に掛け渡された回転力伝達機構62は、図3に示されるように、アッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられたシート後方側のリフタリンク32よりもシート前方側に配置されている。また、アッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられたモータ60は、回転力伝達機構62よりもシート前方側に配置されており、本体部84からシート後方側へ突出した出力軸86の回転力が回転力伝達機構62を介して左右一対のレール駆動機構38に伝達される構成になっている。このように、シート後方側のリフタリンク32とモータ60とが、アッパレール26のシート幅方向内側において回転力伝達機構62を介して互いに反対側に配置されているため、両者の配置スペースを良好に確保することができる。
【0057】
しかも、上記構成により、レール駆動機構38のギヤボックス48をアッパレール26の後端側に配置させることができるので、ロアレール24に対するアッパレール26のスライド量を大きく設定することができる。つまり、モータ60がシート後方側のリフタリンク32と共に回転力伝達機構62の後方側に配置される場合には、レール駆動機構38のギヤボックス48が図3に示される位置よりもアッパレール26の前端側に配置されることになる。この場合、ロアレール24の前後両端部を車体床部30に固定するレッグ部材28等との関係から、ロアレール24に対するアッパレール26のスライド量を大きく設定することが困難になるが、本車両用シート10ではこれを回避することができる。
【0058】
<実施形態の補足説明>
なお、上記実施形態では、車両用シート10がバッテリー94の上方に配置された構成にしたが、請求項1〜請求項4に係る発明はこれに限るものではない。
【0059】
また、上記実施形態では、シート後方側のリフタリンク32とモータ60とが回転力伝達機構62を介して互いに反対側に配置され、モータ60の出力軸86が本体部84からシート後方側へ向けて突出した構成にしたが、請求項1〜請求項3に係る発明はこれに限らず、モータは、シート前後方向に沿った配置が前記クッションスプリングと重複し且つ前記クッションスプリングに対してシート幅方向にずれた位置に配置されていればよい。
【0060】
また、上記実施形態では、リフタリンク32がアッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられた構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、リフタリンクがアッパレールの上側又はシート幅方向外側に取り付けられた構成にしてもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態では、アッパレール26がシート幅方向外側へ開口した開断面形状に形成され、ロアレール24がアッパレール26の内側に配置されると共に、リードスクリュ40がスライドレール22に対してシート幅方向外側に配置された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、アッパレール及びロアレールの構成及びリードスクリュの配置は適宜変更することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、回転力伝達機構62の減速部63が、ウォーム80(モータギヤ)、ウォームホイール74(上側ギヤ)、及びウォームホイール76(下側ギヤ)を備えた構成にしたが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、モータギヤ、上側ギヤ及び下側ギヤの種類は適宜変更することができる。例えばヘリカルギヤやかさ歯車等を採用してもよい。この点は、レール駆動機構38におけるヘリカルギヤ54とナット46についても同様である。
【0063】
さらに、上記実施形態では、モータ60の出力軸86に連結されたウォーム80が、上側のウォームホイール74と下側のウォームホイール76とによって軸直交方向両側から挟まれた構成にしたが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、モータの出力軸に連結されるモータギヤと回転力伝達機構側のギヤとの噛合構造は適宜変更することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、モータ60がモータブラケット82を介して一方のアッパレール26のシート幅方向内側に取り付けられた構成にしたが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、モータは、一方のアッパレールのシート幅方向内側に設けられていればよく、当該アッパレールへのモータの取付構造(取付位置)は適宜変更することができる。
【0065】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用シート
11 車両のバッテリー配設構造
12 シートクッション
14 クッションフレーム
18 クッションスプリング
22 スライドレール
24 ロアレール
26 アッパレール
32 リフタリンク
38 レール駆動機構
40 リードスクリュ
46 ナット
60 モータ
62 回転力伝達機構
64 パワースライド機構
84 モータの本体部
86 モータの出力軸
94 バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体床部の上方に配置されると共に、前後両端部がクッションフレームに係止されたクッションスプリングが上方側からの荷重によって下方側へ撓むシートクッションと、
車体床部側に固定される左右一対のロアレール、及び前記一対のロアレールに対してシート前後方向にスライド可能に取り付けられると共に前記シートクッション側に連結された左右一対のアッパレールを有する左右一対のスライドレールと、
前記一対のスライドレールに取り付けられた左右一対のレール駆動機構、及び前記一対のレール駆動機構の間に掛け渡された回転力伝達機構を有し、駆動されることにより前記一対のアッパレールを前記一対のロアレールに対してスライドさせるパワースライド機構と、
軸線方向がシート前後方向に沿う状態で一方の前記アッパレールのシート幅方向内側に配置され、前記パワースライド機構を駆動すると共に、平面視においてシート前後方向に沿った配置が前記クッションスプリングと重複し且つ前記クッションスプリングに対してシート幅方向にずれて配置されたモータと、
を備えた車両用シート。
【請求項2】
前記アッパレールは、シート幅方向外側へ開口した開断面形状に形成され、前記ロアレールは、前記アッパレールの内側に配置されると共に前後両端部が前記開口側から車体床部側に固定され、
前記レール駆動機構は、
前記スライドレールに対してシート幅方向外側に配置されてシート前後方向に延在すると共に、前後両端部が前記ロアレール側に固定されたリードスクリュと、
前記アッパレールに回転可能に支持され、前記リードスクリュに螺合されると共に、前記モータの回転力が伝達されることにより前記リードスクリュ回りに回転されるナットと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記アッパレールのシート幅方向内側には、前記クッションフレームを前記アッパレールに対して上下に相対移動可能に連結する前後一対のリフタリンクが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記回転力伝達機構は、シート後方側の前記リフタリンクよりもシート前方側に配置され、前記モータは、前記回転力伝達機構よりもシート前方側に配置されると共に、本体部からシート後方側へ突出した出力軸の回転力が前記回転力伝達機構を介して前記一対のレール駆動機構に伝達されることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用シートが上面側に配設される車体床部と、
前記車体床部の下面側で前記車両用シートの下方側に配設されたバッテリーと、
を備えた車両のバッテリー配設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−206558(P2012−206558A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72368(P2011−72368)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】