説明

車両用ストロボランプ発光装置

【課題】 車両に装備された複数灯のストロボランプを車両走行状況や車両周辺環境に適合させた発光パターンで発光させて、車両用ストロボランプの視認性と警告性を高める。
【解決手段】 複数種類の発光パターンを選択して実行するマイクロコンピュータ10にオート発光手段11で発光パターンを設定し、別にマニアル発光手段12で同じ或いは独自の発光パターンを手動で設定して、オートとマニアルの両方で車両走行状況や車両周辺環境に適合した発光パターンを選択してストロボランプ3を発光させる。ストロボランプ3にキセノンランプを使用して、発光パターンの選択と共に発光輝度を複数段階で切換える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パトロールカーやレッカー車等の車両に警告灯として装備されるストロボランプ(キセノンランプ等)の断続的発光(閃光)による様々な発光パターンを切換制御する車両用ストロボランプ発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に装備されるストロボランプには、一方向発光型や360°発光型などの複数種類があり、これら同一型の複数灯或いは複数種類の複数灯が車両バッテリーを電源にした電源回路装置とユニット化されて車両の屋根上等に取付けられる。
【0003】一方向発光型ストロボランプを車両に装備する場合、通常、車両前方に投光する前向きストロボランプと車両後方に投光する後向きストロボランプとして使用され、これら複数灯のストロボランプを電源回路装置に内蔵された例えばコンピュータによる制御で発光(閃光)させている。
【0004】このような複数灯のストロボランプの発光は、複数種類の発光パターンに基づいて行われている。また、複数灯のストロボランプの発光パターンは、車両周辺の人や他車に明確に視認されるように、かつ、効果的に警告を発するように電源回路装置に設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両に装備されたストロボランプと電源回路装置のストロボランプユニットは、車両の走行時や停車時のいずれもストロボランプを所定の発光パターンで発光させ、或いは、発光させないようにすることが可能なようにしてあるが、車両の停止を含む走行状況によってはストロボランプのコンピュータ制御等される発光パターンが、車両周辺にとって不適当となる場合がある。
【0006】例えば、前述した前向きストロボランプと後向きストロボランプを装備した車両は、走行時に前向きストロボランプだけ、或いは、前向きと後向きストロボランプの全灯を発光させる発光パターンで走行して、走行車両周辺への視認性、警告性を高めるようにしており、停車すると走行時のままの発光パターンで発光を継続させるか、全灯を消灯させるようにしている。
【0007】この場合、前向きストロボランプだけを発光させて走行し停車する状況下においては、停車した現場で前向きストロボランプの投光(ストロボライト)が眩しくて現場作業を邪魔することがある。また、前向きと後向きストロボランプの全灯を発光させて走行し停車する状況下においては、走行時に後向きストロボランプの投光が後続車に眩しく映ることがある。
【0008】このような車両走行状況によるストロボランプの発光パターンは、電源回路装置のコンピュータに記憶された発光パターンを変更させることで解決できるが、このような発光パターン変更はストロボランプユニットの製造出荷時に行えるもので、車両ユーザーが自由に任意時に変更することは事実上困難である。
【0009】本発明の目的は、車両に装備された複数灯のストロボランプの発光パターンが車両の停車を含む走行状況に適合するように自動或いは手動で変更可能なようにした車両用ストロボランプ発光装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を達成する請求項1の発明は、車両に装備された複数灯のストロボランプを、このストロボランプの発光パターンを複数種類に設定したマイクロコンピュータの指令信号に基づいて自動発光させるオート発光手段を具備したことを特徴とする。
【0011】ここで、オート発光手段はマイクロコンピュータを主体とするもので、車両の停車を含む走行状況に応じた様々な発光パターンを前記マイクロコンピュータに入力させて記憶させ、記憶させた発光パターンで複数灯のストロボランプを発光させる。
【0012】請求項2の発明は、車両に装備された複数灯のストロボランプを、前記複数灯のストロボランプを予め設定された複数種類の発光パターンのいずれか手動による切換操作で選択された発光パターンで発光させるマニアル発光手段を具備したことを特徴とする。
【0013】このマニアル発光手段は、手動式発光パターン切換スイッチ類であり、これで切換えられる発光パターンの種類はオート発光手段による発光パターンと同じ、或いは、相違させてあり、このマニアルによる発光パターンは車両ユーザーによって任意に手動で切換えられる。
【0014】請求項3の発明は、車両に装備された複数灯のストロボランプを、このストロボランプの発光パターンを複数種類に設定したマイクロコンピュータの指令信号に基づいて自動発光させるオート発光手段と、前記複数灯のストロボランプを、予め設定された複数種類の発光パターンのいずれか手動による切換操作で選択された発光パターンで発光させるマニアル発光手段とを有することを特徴とする。
【0015】オート発光手段とマニアル発光手段のいずれか一方の発光パターンでストロボランプの発光動作が実行され、オート発光手段とマニアル発光手段を併用することで、車両の停車を含む様々な走行状況に適合した発光パターンが選択されて、車両用ストロボランプの視認性、警告性が各種の車両走行状況に応じて効果的に発揮される。
【0016】本発明の請求項4の発明は、上記複数灯のストロボランプがキセノンランプで、車両のバッテリー電圧から前記キセノンランプを発光させるアノード電圧を発生させるアノード電圧発生回路にアノード電圧を複数段階に手動で切換える発光輝度切換手段を具備させて、キセノンランプを複数段階の選択された輝度で発光させるようにしたことを特徴とする。
【0017】ここでのキセノンランプはアノード、カソード、トリガーの3電極を有するストロボランプで、アノード電圧発生回路でアノード電圧を複数段階に切換えることで発光輝度が複数段階に切換えられるようにする。この輝度切換えは昼間と夜間を想定した2段階切換えが適当であり、つまり、キセノンランプを昼間は高輝度で発光させて視認性と警告性を確保するようにし、夜間は低輝度で発光させるようにして車両周辺への迷惑度を低く抑制する。
【0018】また、本発明の請求項5の発明は、上記オート発光手段により、車両の停車を含む走行状況を検知する走行状況検知手段からの検知信号に基づいて、複数灯のストロボランプを走行状況に応じて異なる種類の発光パターンで発光させるように切り換え可能としたことを特徴とする。
【0019】この場合の走行状況検知手段は、車両のスピードメータ出力や、車両の停車時に点灯するサイドブレーキランプ出力から車両が走行時か停車時かのいずれかを検出する手段、車両のゼロ速度を含む走行速度を検出する手段が適用される。
【0020】請求項6の発明は、上記マニアル発光手段により、複数灯のストロボランプを走行状況に応じて異なる種類の発光パターンで発光させるように切り換え可能としたことを特徴とする。この場合、マニアル発光手段で、前向きと後向きの両ストロボランプを共に発光させる発光パターンをも設定するようにしてもよい。
【0021】請求項7の発明は、前記マイクロコンピュータは、異なる車両バッテリーの電圧範囲を持つ電源入力から定電圧を得る安定化電源回路を具備したことを特徴とする。このように安定化電源回路の電源入力が、異なる車両バッテリーの電圧範囲を持てば、異なる車両バッテリーを持つ車両に適用することができ、車両バッテリーの電圧低下に対しても威力を発揮する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。まず、図3に実施形態の全体の概要を示すと、図3(A)は車両1に装備されたストロボランプ発光装置2の側面図であり、図3(B)は平面図で、横長のストロボランプ発光装置2が車両1の屋根上にビス止め、ボルト止め、磁石止め等で固設される。
【0023】ストロボランプ発光装置2は、複数灯のストロボランプ3とその電源回路装置4をユニット化したものである。複数灯のストロボランプ3は、例えば一方向発光型の4灯を備え、その内の2灯は前向きストロボランプ、残り2灯は後向きストロボランプであり、以下、前向きストロボランプを3a,3bと称し、後向きストロボランプを3c,3dと称する。
【0024】なお、ストロボランプ発光装置2には4灯のストロボランプ2a〜2d以上の複数灯を設置してもよいが、以下の実施形態では、前述した4灯の場合について説明する。また、一方向発光型以外の他種のストロボランプを設置してもよい。
【0025】ストロボランプ発光装置2の回路構成を図1R>1に、発光動作のフローチャートを図2に示す。図1に示すストロボランプ3は例えばキセノンランプで、アノード電極A、カソード電極K、トリガー電極Tを有し、カソード−トリガー間にトリガーコイルTCの二次側が接続される。4灯の各ストロボランプ3のトリガーコイルTCの一次側にトリガートランジスタQと共通のアノード電圧発生回路20が接続される。
【0026】アノード電圧発生回路20は、車両バッテリーからの電源入力V1からストロボランプ3の発光輝度を決めるアノード電圧を発生してコンデンサCa,Cbに充電する。4灯のストロボランプ3の各トリガートランジスタQがオンしてストロボランプ3のアノード−カソード間がアノード電位となったとき、トリガーコイルTCの一次側にトリガーコンデンサCbに充電された電荷が誘起されて、ストロボランプ3がアノード電圧で決まる輝度で発光する。トリガートランジスタQは、マイクロコンピュータ10で制御されるトランジスタ駆動回路15からのトリガーパルス信号Pでオンオフ制御される。
【0027】アノード電圧発生回路20に、アノード電圧を手動で複数段階に切換える発光輝度切換手段21が付設される。発光輝度切換手段21は、アノード電圧発生回路20の基準電圧回路24の複数、例えば2つの基準電圧V2,V3のいずれかを手動で切換えるスイッチである。2つの基準電圧V2,V3は、例えば350Vと280Vの2段階に設定されている。350Vの基準電圧V2に切換えて電圧変換回路25を介してアノード電圧を発生させると、ストロボランプ3が280Vの基準電圧V3のときよりも高輝度で発光する。したがって、昼間の車両走行時は基準電圧V2でアノード電圧を発生させてストロボランプ3を高輝度で発光させ、夜間は基準電圧V3に手動で切換えてストロボランプ3を低輝度で発光させるようにすることで、昼夜いずれもストロボランプ3が適度な輝度で発光して、車両周辺環境に対する視認性、警告性が効果的なものとなる。
【0028】以上のストロボランプ発光駆動回路において、オート発光手段11の主体をなすマイクロコンピュータ10の入出力ポートには、マニアル発光手段12,走行状況検知手段13が付設される。なお、マイクロコンピュータ10は、車両バッテリーの電源入力V1から定電圧を得る安定化電源回路22,23からの定電圧で作動する。例えば、DC5〜32Vの電源入力V1に対して、これを安定化電源回路22で16Vに定電圧化してトランジスタ駆動回路15を駆動させ、さらに16Vを安定化電源回路23で5Vに定電圧化してマイクロコンピュータ10を作動させる。16Vの安定化電源回路22は、車両バッテリーの電源入力V1の電圧範囲(DC5〜32V)が広いため、車両バッテリーが12Vおよび24Vの両タイプの車両に適用することができ、車両バッテリーの電圧低下に対しても威力を発揮する。
【0029】前記マイクロコンピュータ10には、4灯のストロボランプ3の発光パターン(例えば発光時間など)を複数種類に手動で設定し得る複数の入力選択スイッチSaが設けられ、マイクロコンピュータ10は入力選択スイッチSaで予め手動で設定された発光パターンで各ストロボランプ3を自動発光させる。この入力選択スイッチSaにより設定される発光パターンは、4灯のストロボランプ3の発光時間だけでなく、例えば4灯のストロボランプ3の前向き2灯のみ発光させる前向き発光パターン、後向き2灯のみ発光させる後向き発光パターンが設定可能であり、さらに、必要に応じて4灯全てを発光させる全灯発光パターンを設定することも可能である。
【0030】マニアル発光手段12は、4灯のストロボランプ3の発光パターンを手動で切換える切換スイッチ類であり、図1では2つのオフスイッチSbと4つのAND回路14を備える。マイクロコンピュータ10の4灯ストロボランプ対応の4出力のトランジスタ駆動回路15への入力をオフスイッチSbと各AND回路14で選択することで、4灯のストロボランプ3の発光パターンが手動で切換えられる。マニアル発光手段12で切換えられる発光パターンの種類は、例えば4灯のストロボランプ3の前向き2灯のみ発光させる前向き発光パターン、後ろ向き2灯のみ発光させる後向き発光パターン、4灯全てを発光させる全灯発光パターンが、後述するように手動で任意に切換えられる。
【0031】4灯のストロボランプ3は、オート発光手段11とマニアル発光手段12のいずれか一方の発光パターンで発光動作が実行される。オート発光手段11による発光動作時はマニアル発光手段12が自動的に停止状態にされ、マニアル発光手段12による発光動作に手動スイッチで切換えられると、オート発光手段11が自動的に停止状態にされる。このようなオートとマニアルの自動切換えはマイクロコンピュータ10で行われ、この切換ステップが後述する図2のステップS1に示される。
【0032】また、マイクロコンピュータ10の入力ポートに付設される走行状況検知手段13は、図1の車両1の停車を含む走行状況を検知するもので、図2にはステップS2のスピードメータ出力とステップS3のサイドブレーキランプが具体例として示される。走行状況検知手段13は、車両1が走行しているか停車しているかを検出し、或いは、車両走行時は走行速度を検出してマイクロコンピュータ10に発光パターンを選択する情報を出力する。走行状況検知手段13が車両走行時か停車時かだけを検知する場合は、例えば図2のステップS5とS7に示すように2種類の発光パターンがマイクロコンピュータ10で自動的に選択されて、選択された発光パターンによるストロボランプ3の発光が実行される。また、走行状況検知手段13で車両走行時の走行速度を段階的に検知するようにしてもよく、このような場合は段階的な走行速度に対応させて予め設定された発光パターンがマイクロコンピュータ10で自動的に選択され、選択された発光パターンによるストロボランプ3の発光が実行される。
【0033】以上の実施形態における前向き2灯のストロボランプ3a,3bと後向き2灯のストロボランプ3c,3dの発光パターンは、図2のステップS5,S6,S7に示す前のみ発光パターンと後のみ発光パターンと前後両方発光パターンの3種パターンが望ましい。すなわち、ステップS1でオート発光かマニアル発光が決められ、例えばオート発光が選択されるとステップS2に移行してスピードメータ出力が検出され、図3の車両1が走行中であれば走行YESと判定されてステップS5に移行し、前のみ発光パターンが選択されて、図3(A)(B)に示すように前向きストロボランプ3a,3bだけが発光する。走行する車両1から前方にだけストロボライトが投光されることで、車両前方への視認性と警告性が発揮され、車両後方の後続車両からはストロボライトが見えずに眩しく無く、後続車の安全運転を妨げない。
【0034】ステップS2で車両1が停車状態に在って走行NOと判定されると、ステップS3に移行してサイドブレーキランプの確認が行われ、サイドブレーキが作動してランプ点灯した場合にサイドブレーキYESと判定されて、ステップS6に移行し、後のみ発光パターンが選択されて、図4(A)に示すように後向きストロボランプ3c,3dだけが発光する。つまり、走行する車両1が停止してサイドブレーキを掛けると、自動的に前のみ発光パターンから後のみ発光パターンに切換えられて、停車する車両1から後方にだけストロボライトが投光されることで、車両前方での現場作業等がストロボライトで邪魔されることなく行えるようになる。
【0035】なお、ステップS2でスピードメータ出力がNOと判定されると、ステップS7に移行させるようにしてもよいが、ステップS3で車両1が確実に停止した状態でステップS7に移行させる方が安全性に優れる。
【0036】また、車両前方での現場作業等がストロボライトで邪魔されることがなければ、ステップS3でYESと判定されると、前後両方の発光パターンのステップS7に移行させるようにしてもよい。前後両方発光パターンに切換えれば、車両周辺への視認性と警告性が発揮される。
【0037】また、ステップS1でマニアル発光が選択されるとステップS4に移行し、ここでマニアルスイッチ操作で決められた3種発光パターンのステップS5,S6,S7のいずれかに移行する。ステップS4からステップS5に移行すれば、図3(A)(B)に示すように前向きストロボランプ3a,3bだけが発光し、ステップS4からステップS7に移行すれば、図4(B)に示すように前向きと後向きの全ストロボランプ3a〜3dが発光し、ステップS4からステップS6に移行すれば、図4R>4(A)に示すように後ろ向きストロボランプ3c,3dだけが発光する。このような3種のマニアル発光パターンは、車両1が走行しているか停車しているかに関係なく選択されて実行される。
【0038】マニアル発光パターンの選択は、車両ユーザーが車両1の車種や走行状況、車両周辺環境を判断して行う。例えば、オート発光の状況にあって、停車時に車両前後方向にストロボライトを投光することが不適当であるとユーザーが判断すると、マニアル発光に切換えて後発光パターンを選択する。或いは、車両走行時でオート発光の状況にあるときに、後発光パターンも適切とユーザーが判断すると、マニアル発光に切換えて前後発光パターンを選択する。また、ユーザーがステップS4のマニアルスイッチを全てオフ状態にすると、マニアル発光からオート発光に切換えられて、ステップS1に戻る。
【0039】以上の実施形態は、ストロボランプが前向き2灯と後向き2灯の4灯で、発光パターンが3種の場合であるが、ストロボランプの数、種類を変えて3種以上の発光パターンをオート発光、マニアル発光のいずれにも設定することが可能である。
【0040】
【発明の効果】請求項1乃至3のいずれかの発明によれば、オート発光手段とマニアル発光手段のいずれか一方の発光パターンで複数灯のストロボランプの発光動作が実行されるので、車両の停車を含む様々な走行状況や、車両周辺の環境変化に適合した発光パターンが自動的に或いは手動で選択されて、ストロボランプの適正な視認性、警告性が確保される実用価値の高い車両用ストロボランプ発光装置が提供できる。
【0041】請求項4の発明によれば、ストロボランプのキセノンランプが、アノード電圧発生回路でアノード電圧を複数段階に切換えることで発光輝度が複数段階に切換えられるので、キセノンランプを昼間は高輝度で発光させて視認性と警告性を確保するようにし、夜間は低輝度で発光させるようにして車両周辺への迷惑度を低く抑制するといった発光パターンの選択が容易になり、車両用ストロボランプ発光装置の実用価値の改善が図れる。
【0042】請求項5の発明によれば、車両の走行時と停車時などのように異なる走行状況に適合した発光パターンでストロボランプを発光させることので、車両周辺環境にストロボライトで迷惑をかけるといった不具合発生が抑制できる。例えば、車両走行時には前向きストロボランプだけを発光させれば、後続車等に眩しい思いをさせず、停車時には後向きストロボランプだけを発光させれば、車両前方での現場作業等がストロボライトで邪魔されることなく行えるようになる。
【0043】請求項6の発明によれば、例えば、マニアル操作で前向きストロボランプだけを発光させる発光パターンや後向きストロボランプだけを発光させる発光パターンが選択できて、車両周辺環境に迷惑をかけない発光パターンがマニアルでも選択できる実用価値の高い車両用ストロボランプ発光装置が提供できる。
【0044】請求項7の発明によれば、安定化電源回路の電源入力が、異なる車両バッテリーの電圧範囲を持てば、異なる車両バッテリーを持つ車両に適用することができ、車両バッテリーの電圧低下に対しても威力を発揮し、汎用性に富んだ車両用ストロボランプ発光装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すストロボランプ発光装置の回路図である。
【図2】図1装置の動作例を示すフローチャートである。
【図3】(A)は車両に装備した図1装置の概要を示す部分側面図、(B)は平面図である。
【図4】(A)と(B)は図3(B)のストロボランプ発光装置の異なる発光パターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 ストロボランプ発光装置
3 ストロボランプ、キセノンランプ
3a〜3d 前向きと後向きのストロボランプ
10 マイクロコンピュータ
11 オート発光手段
12 マニアル発光手段
13 走行状況検知手段
14 AND回路
15 トランジスタ駆動回路
20 アノード電圧発生回路
21 発光輝度切換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に装備された複数灯のストロボランプを、このストロボランプの発光パターンを複数種類に設定したマイクロコンピュータの指令信号に基づいて自動発光させるオート発光手段を有することを特徴とする車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項2】 車両に装備された複数灯のストロボランプを、予め設定された複数種類の発光パターンのいずれか手動による切換操作で選択された発光パターンで発光させるマニアル発光手段を有することを特徴とする車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項3】 車両に装備された複数灯のストロボランプを、このストロボランプの発光パターンを複数種類に設定したマイクロコンピュータの指令信号に基づいて自動発光させるオート発光手段と、前記複数灯のストロボランプを、予め設定された複数種類の発光パターンのいずれか手動による切換操作で選択された発光パターンで発光させるマニアル発光手段とを有することを特徴とする車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項4】 上記複数灯のストロボランプがキセノンランプで、車両のバッテリー電圧から前記キセノンランプを発光させるアノード電圧を発生させるアノード電圧発生回路にストロボランプの発光輝度を決めるアノード電圧を複数段階に手動で切換える発光輝度切換手段を具備させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項5】 上記オート発光手段により、車両の停車を含む走行状況を検知する走行状況検知手段からの検知信号に基づいて、複数灯のストロボランプを走行状況に応じて異なる種類の発光パターンで発光させるように切り換え可能としたことを特徴とする請求項1、3又は4のいずれかに記載の車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項6】 上記マニアル発光手段により、複数灯のストロボランプを走行状況に応じて異なる種類の発光パターンで発光させるように切り換え可能としたことを特徴とする請求項2、3又は4のいずれかに記載の車両用ストロボランプ発光装置。
【請求項7】 前記マイクロコンピュータは、異なる車両バッテリーの電圧範囲を持つ電源入力から定電圧を得る安定化電源回路を具備したことを特徴とする請求項1、3、4又は5のいずれかに記載の車両用ストロボランプ発光装置。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2001−322486(P2001−322486A)
【公開日】平成13年11月20日(2001.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−141978(P2000−141978)
【出願日】平成12年5月15日(2000.5.15)
【出願人】(000149103)株式会社大阪サイレン製作所 (4)
【出願人】(500217337)株式会社アラーム (1)
【出願人】(592117634)
【Fターム(参考)】