説明

車両用ドア開閉制御システム

【課題】車両用ドア開閉制御システムにおいて、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制する。
【解決手段】トランスミッタ2を所持した乗員がスライドドア開閉スイッチ21a,21bを押圧操作すると、トランスミッタ2の送信アンテナ24からドア開閉信号dが送信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを車載機3の受信アンテナ32で受信すると、車載機3の送信アンテナ33から許可信号pが返信される。この送信アンテナ33からの許可信号pを受信アンテナ23で受信すると、送信アンテナ24から許可情報を含むドア開閉信号dが返信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、スライドドア12a,12bの開閉状態に応じて、スライドドア12a,12bが全開又は全閉制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドア開閉制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体本体のドア用開口を開閉自在に覆うドア(例えばパワースライドドア)をドア開閉操作に応じて開閉する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この装置は、車両に搭載されていて、操作者がドア開閉操作を行うと、ドアの駆動手段を作動して、ドアを開閉するようになっている。
【0003】
また、上記装置に加えて、特許文献2で示すような携帯機を用いることで、ドアの開閉を遠隔操作することも既に知られている。この携帯機は、操作者が該携帯機でドア開閉操作を行うと、作動信号を送信するようになっている。そして、上記装置は、この携帯機からの作動信号を受信すると、上記駆動手段を作動して、ドアを開閉するようになっている。
【特許文献1】特開2005−76319号公報
【特許文献2】特開2004−352054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両から遠く離れたところにいる操作者が携帯機を使用してドアを開閉する場合は、車両に遮られるなどして、その操作者はドア付近を目視することができないことがある。このため、例えば乗員がドア用開口を通って乗降しているなど、乗員がドア付近にいるにも拘わらず、車両遠方の操作者がそれを見落として誤って携帯機でドア開閉操作を行ってしまい、ドアが開閉する場合がある。この場合、例えばドア用開口の乗員が閉まる最中のドアと車体本体との間に挟まってしまうなど、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触するおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用ドア開閉制御システムにおいて、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、車体本体のドア用開口を開閉自在に覆うドアを開閉する駆動手段と、ドア開閉操作に応じて作動信号を送信する携帯機と、該作動信号を受信する車載受信機と、該車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる車載制御手段とを備えた車両用ドア開閉制御システムであって、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、車両周囲の所定範囲内に第1所定信号を送信する車載送信機をさらに備え、上記携帯機は、携帯送受信機であって、上記第1所定信号を受信したときには、第2所定信号を送信するように構成され、上記車載受信機は、上記第2所定信号も受信するように構成され、上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
これにより、車載送信機から車両周囲の所定範囲内に送信された第1所定信号を携帯機で受信したときには、携帯機から第2所定信号を送信し、携帯機から送信された第2所定信号を車載受信機で受信したときには、駆動手段を作動させるようになっている。すなわち、上記所定範囲内に携帯機が存在するときには、駆動手段を作動させる一方、上記所定範囲外に携帯機が存在するときには、駆動手段を作動させない。そのため、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両から近いところにいてドア付近を目視することができるときは、ドアを携帯機で開閉することができるが、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性があるときは、ドアを携帯機で開閉することができない。したがって、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記携帯機は、上記第1所定信号を受信したときには、上記第2所定信号として上記作動信号を送信するように構成され、上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記作動信号を再度受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
これにより、車載送信機から車両周囲の所定範囲内に送信された第1所定信号を携帯機で受信したときには、携帯機から第2所定信号として作動信号を送信するので、第2所定信号を別途設ける必要がない。そのため、携帯機の構成を簡単にすることができる。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記車載送信機は、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときには、上記第1所定信号として上記駆動手段の作動を許可するための許可情報を含む許可信号を送信するように構成され、上記携帯機は、上記許可信号を受信したときには、上記許可情報を含む上記作動信号を送信するように構成され、上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記許可情報を含む上記作動信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
これにより、携帯機から送信された作動信号を車載受信機で受信したときには、車載送信機から車両周囲の所定範囲内に第1所定信号として許可信号を送信し、車載送信機から送信された許可信号を携帯機で受信したときには、携帯機から許可情報を含む作動信号を送信し、携帯機から送信された許可情報を含む作動信号を車載受信機で受信したときには、駆動手段を作動させるようになっている。すなわち、作動信号を車載受信機で受信すると、車載送信機から許可信号を送信する一方、許可情報を含む作動信号を車載受信機で受信すると、駆動手段を作動させる。このように、車載受信機で受信した作動信号が駆動手段を直接作動させるものであるかを許可情報の有無で容易に識別することができる。
【0012】
第4の発明は、車体本体のドア用開口を開閉自在に覆うドアを開閉する駆動手段と、ドア開閉操作に応じて作動信号を送信する携帯機と、該作動信号を受信する車載受信機と、該車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる車載制御手段とを備えた車両用ドア開閉制御システムであって、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、第1所定信号を送信する複数の車載送信機をさらに備え、上記携帯機は、携帯送受信機であって、上記各第1所定信号を受信したときに、該各第1所定信号の特性に基づき上記携帯機が車両周囲の所定範囲内に存在するか否かを判定する判定手段を有していて、該判定手段により上記携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、第2所定信号を送信するように構成され、上記車載受信機は、上記第2所定信号も受信するように構成され、上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
これにより、複数の車載送信機から送信された各第1所定信号を携帯機で受信したときには、各第1所定信号の特性に基づき携帯機が車両周囲の所定範囲内に存在するか否かを判定し、携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、携帯機から第2所定信号を送信し、携帯機から送信された第2所定信号を車載受信機で受信したときには、駆動手段を作動させるようになっている。すなわち、上記所定範囲内に携帯機が存在するときには、駆動手段を作動させる一方、上記所定範囲外に携帯機が存在するときには、駆動手段を作動させない。そのため、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両から近いところにいてドア付近を目視することができるときは、ドアを携帯機で開閉することができるが、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性があるときは、ドアを携帯機で開閉することができない。したがって、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0014】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記携帯機は、上記判定手段により該携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、上記第2所定信号として上記作動信号を送信するように構成され、上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記作動信号を再度受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
これにより、携帯機が車両周囲の所定範囲内に存在すると判定されたときには、携帯機から第2所定信号として作動信号を送信するので、第2所定信号を別途設ける必要がない。そのため、携帯機の構成を簡単にすることができる。
【0016】
第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、上記車載制御手段は、上記携帯機によりドア開操作が行われた場合には、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる一方、上記携帯機によりドア閉操作が行われた場合には、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
ところで、上述のように、車両から遠く離れたところにいる乗員が携帯機を用いてドアを開閉する場合は、何の手段も講じなければ、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触するおそれがあるが、一般に、特にドアがスライドドアである場合は、開く最中のドアがドア付近の乗員に接触する可能性よりも、例えばドア用開口の乗員が閉まる最中のドアと車体本体との間に挟まってしまうなど、閉まる最中のドアがドア付近の乗員に接触する可能性が高い。したがって、携帯機を携帯する乗員が車両から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性がある場合は、ドアを携帯機で開くことができないようにしたいという要求よりも、ドアを携帯機で閉じることができないようにしたいという要求が高い。
【0018】
ここで、本発明によれば、携帯機でドア開操作が行われた場合には、作動信号を車載受信機で受信したときに、駆動手段を作動させる一方、携帯機でドア閉操作が行われた場合には、第2所定信号を車載受信機で受信したときに、駆動手段を作動させるようになっている。すなわち、ドア開操作が行われた場合には、車両周囲の所定範囲内に携帯機が存在するか否かに拘わらず、駆動手段を作動させるので、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両から近いところにいてドア付近を目視することができるときだけではなく、その乗員が上記所定範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性があるときでも、ドアを携帯機で開くことができる。そのため、利便性を向上させることができる。一方、ドア閉操作が行われた場合には、上記所定範囲内に携帯機が存在するときに、駆動手段を作動させるが、上記所定範囲外に携帯機が存在するときには、駆動手段を作動させない。そのため、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲外にいるとき、すなわち、その乗員が車両から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性があるときは、ドアを携帯機で閉じることができない。以上から、利便性を向上させながら、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0019】
第7の発明は、上記第1〜第6の発明のいずれか1つにおいて、上記ドアは、上記車体本体に対してスライド移動自在に取り付けられたスライドドアであることを特徴とするものである。
【0020】
これにより、ドア用開口の乗員が閉まる最中のスライドドアと車体本体との間に挟まるなど、開閉中のスライドドアがスライドドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車載送信機から車両周囲の所定範囲内に送信された第1所定信号を携帯機で受信したときには、携帯機から第2所定信号を送信し、携帯機から送信された第2所定信号を車載受信機で受信したときには、駆動手段を作動させるため、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲内にいるときは、ドアを携帯機で開閉することができるが、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲外にいるときは、ドアを携帯機で開閉することができず、したがって、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0022】
別の発明によれば、複数の車載送信機から送信された各第1所定信号を携帯機で受信したときには、各第1所定信号の特性に基づき携帯機が車両周囲の所定範囲内に存在するか否かを判定し、携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、携帯機から第2所定信号を送信し、携帯機から送信された第2所定信号を車載受信機で受信したときには、駆動手段を作動させるため、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲内にいるときは、ドアを携帯機で開閉することができるが、携帯機を携帯する乗員が上記所定範囲外にいるときは、ドアを携帯機で開閉することができず、したがって、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、車両用ドア開閉制御システムの概略構成図である。この車両用ドア開閉制御システムは、乗員が携帯するトランスミッタ2(携帯機に相当)と、車両1(図1では不図示)に搭載された車載機3とで構成されている。図2は、この車載機3を搭載した車両1を後方から見た斜視図であり、図3は、ルーフを除いた車両1の後部の平面図であり、(a)は、パワースライドドア12a,12b(以下、スライドドアという)が全閉状態のときの図であり、(b)は、スライドドア12a,12bが全開状態のときの図である。図2及び図3に示すように、車両1は、左右側面に乗員が乗降するためのドア用開口11a,11aがそれぞれ形成された車体本体11と、これらのドア用開口11a,11aそれぞれを開閉自在に覆うように、車体本体11に対してその各側面に沿って車両前後方向にスライド移動自在に取り付けられた左側及び右側スライドドア12a,12bとを備えている。これらのスライドドア12a,12bは、トランスミッタ2を操作したり、車内に設けられたスライドドア開閉スイッチ(不図示)を押したり、スライドドア12a,12bのインサイドドアハンドルやアウトサイドドアハンドルを操作したりすることで、自動的に開閉されるようになっている。なお、下記では、トランスミッタ2を操作することでスライドドア12a,12bを開閉することについて説明する。
【0025】
図4は、トランスミッタ2の正面図である。図4に示すように、トランスミッタ2には、左側及び右側スライドドア12a,12bそれぞれを開閉するためのプッシュボタン式の左側及び右側スライドドア開閉スイッチ21a,21bが設けられている。図1に示すように、トランスミッタ2は、CPU22aと受信部22bと送信部22cとからなる制御ユニット22を有する。この制御ユニット22には、左側及び右側スライドドア開閉スイッチ21a,21b(図4参照)と、車載機3からの許可信号p(第1所定信号に相当)を受信する受信アンテナ23と、ドア開閉信号d(作動信号に相当)を送信する送信アンテナ24とが、信号の授受可能に接続されている。この許可信号pは、後述するスライドドアアクチュエータ35a,35bの作動を許可するための許可情報を含むマイクロ波信号である。上記ドア開閉信号dは、スライドドアアクチュエータ35a,35bを作動させるための電波信号である。
【0026】
上記各スライドドア開閉スイッチ21a,21bは、各スライドドア12a,12bを全開するとき又は全閉するときに、その意思表示を行うために使用するものである。各スライドドア開閉スイッチ21a,21bは、押圧操作が行われることによって制御ユニット22にオン信号を供給する。そして、制御ユニット22は、このオン信号によって、トランスミッタ2の操作者によりスライドドア12a(又は12b)の開操作又は閉操作が行われたことを検出する。スライドドア12a(又は12b)の開操作又は閉操作が行われたことを検出すると、制御ユニット22はドア開閉信号dを送信アンテナ24から送信させる。図5に示すように、この送信アンテナ24からのドア開閉信号dは、車両1を中心とする半径15mの円の範囲内にトランスミッタ2が存在すると、車載機3で受信されるようになっている。また、図1に示すように、受信アンテナ23が車載機3からの許可信号pを受信すると、この受信信号pを受けて制御ユニット22が許可情報を含むドア開閉信号d(第2所定信号に相当)を送信アンテナ24から送信させる。
【0027】
なお、トランスミッタ2は、これを操作することで、ドアの施解錠なども行うことができるようになっているが、この詳細については省略する。
【0028】
上記車載機3は、CPU31aと受信部31bと送信部31cとからなる制御ユニット31(車載制御手段に相当)を有する。この制御ユニット31には、トランスミッタ2からのドア開閉信号dを受信する受信アンテナ32(車載受信機に相当)と、許可信号pを送信する送信アンテナ33(車載送信機に相当)と、各スライドドア12a,12bが開き状態にあるか閉まり状態にあるかを検出するドア開閉検出センサ34と、左側及び右側スライドドア12a,12bそれぞれを開閉する左側及び右側スライドドアアクチュエータ35a,35b(駆動手段に相当)とが、信号の授受可能に接続されている。
【0029】
図5に示すように、上記送信アンテナ33は、車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内(車両周囲の所定範囲内に相当)に許可信号pを送信するように構成されている。そして、図1に示すように、受信アンテナ32がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを受信すると、この受信信号dを受けて制御ユニット31が許可信号pを送信アンテナ33から送信させる。また、受信アンテナ32がトランスミッタ2からの許可情報を含むドア開閉信号dを受信する、すなわち、受信アンテナ32がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを再度受信すると、この受信信号dを受けて制御ユニット31がドア開信号又はドア閉信号をスライドドアアクチュエータ35a(又は35b)に供給する。
【0030】
上記ドア開閉検出センサ34は、各スライドドア12a,12bが全開状態であるか全閉状態であるかを識別するためのセンサであって、両スライドドア12a,12bそれぞれに設けられていて、スライドドア12a(又は12b)が全開状態にあるときに、ドア開状態信号を制御ユニット31に供給する。
【0031】
上記各スライドドアアクチュエータ35a,35bは、制御ユニット31からのドア開信号又はドア閉信号を受けて作動し、各スライドドア12a,12bを全開又は全閉するようになっている。
【0032】
以下、図1を参照しながら、トランスミッタ2及び車載機3の制御ユニット22,31で行われる信号処理の動作を説明する。
【0033】
トランスミッタ2を所持した乗員がスライドドア開閉スイッチ21a(又は21b)を押圧操作すると、送信アンテナ24からドア開閉信号dが送信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、送信アンテナ33から許可信号pが返信される。この送信アンテナ33からの許可信号pを受信アンテナ23で受信する、すなわち、車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内にトランスミッタ2が存在すると、送信アンテナ24から許可情報を含むドア開閉信号dが返信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、スライドドア12a(又は12b)の開閉状態に応じて、スライドドア12a(又は12b)が全開又は全閉制御される。このスライドドア12a(又は12b)の開閉状態は、ドア開閉検出センサ34によって検出される。また、スライドドア12a(又は12b)の全開又は全閉制御は、制御ユニット31がスライドドアアクチュエータ35a(又は35b)にドア開信号又はドア閉信号を供給することによって行われる。
【0034】
−車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御−
以下、図6のフローチャートを参照しながら、車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御について説明する。
【0035】
ステップS1では、トランスミッタ2のスライドドア開閉スイッチ21a(又は21b)が押圧操作されると、トランスミッタ2の制御ユニット22が送信アンテナ24からドア開閉信号dを送信する。ステップS2では、車載機3の制御ユニット31がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したか否かを判定する。ステップS2の判定結果がYESの場合はステップS3に進み、NOの場合は終了する。
【0036】
ステップS3では、車載機3の制御ユニット31が送信アンテナ33から許可信号pを送信する。ステップS4では、トランスミッタ2の制御ユニット22が車載機3からの許可信号pを受信アンテナ23で受信したか否かを判定する。ステップS4の判定結果がYESの場合はステップS5に進み、NOの場合は終了する。
【0037】
ステップS5では、トランスミッタ2の制御ユニット22が送信アンテナ24から許可情報を含むドア開閉信号dを送信する。ステップS6では、車載機3の制御ユニット31がトランスミッタ2からの許可情報を含むドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したか否かを判定する。ステップS6の判定結果がYESの場合はステップS7に進み、NOの場合は終了する。ステップS7では、車載機3の制御ユニット31がスライドドア12a(又は12b)を全開又は全閉制御する。その後、終了する。
【0038】
−効果−
以上により、本実施形態によれば、送信アンテナ33から、車両1を中心とする半径3mの円の範囲内に送信された許可信号pをトランスミッタ2で受信したときには、トランスミッタ2からドア開閉信号dを送信し、トランスミッタ2から送信されたドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようになっている。すなわち、上記範囲内にトランスミッタ2が存在するときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる一方、上記範囲外にトランスミッタ2が存在するときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させない。そのため、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両1から近いところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができるときは、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で開閉することができるが、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両1から遠く離れたところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができない可能性があるときは、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で開閉することができない。したがって、開閉中のスライドドア12a,12bがスライドドア12a,12b付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0039】
また、送信アンテナ33から、車両1を中心とする半径3mの円の範囲内に送信された許可信号pをトランスミッタ2で受信したときには、トランスミッタ2から第2所定信号としてドア開閉信号dを送信するので、第2所定信号を別途設ける必要がない。そのため、トランスミッタ2の構成を簡単にすることができる。
【0040】
また、トランスミッタ2から送信されたドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときには、送信アンテナ33から、車両1を中心とする半径3mの円の範囲内に第1所定信号として許可信号pを送信し、送信アンテナ33から送信された許可信号pをトランスミッタ2で受信したときには、トランスミッタ2から許可情報を含むドア開閉信号dを送信し、トランスミッタ2から送信された許可情報を含むドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようになっている。すなわち、ドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、送信アンテナ33から許可信号pを送信する一方、許可情報を含むドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる。このように、受信アンテナ32で受信したドア開閉信号dがスライドドアアクチュエータ35a,35bを直接作動させるものであるかを許可情報の有無で容易に識別することができる。
【0041】
また、ドア用開口11aの乗員が閉まる最中のスライドドア12a,12bと車体本体11との間に挟まるなど、開閉中のスライドドア12a,12bがスライドドア12a,12b付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、送信アンテナ33からマイクロ波信号を送信しているが、これに限らず、例えば超音波信号を送信しても良い。この場合、受信アンテナ23の代わりに受信マイクを、送信アンテナ33の代わりに送信スピーカーを設ける。但し、送信エリアの設定しやすさの観点からはマイクロ波信号が望ましい。
【0043】
また、本実施形態では、送信アンテナ33から、車両1を中心とする半径3メートルの円状のエリア内に許可信号pを送信しているが、この送信エリアは任意のエリアで良い。但し、そのエリアが広すぎるのは、開閉中のスライドドア12a,12bがスライドドア12a,12b付近の乗員に接触することを抑制する観点からは望ましくない。
【0044】
(実施形態2)
本実施形態は、トランスミッタ2が、車載機3からの信号に基づき、車両周囲の所定範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かを判定するものである。以下、この詳細について説明する。
【0045】
図7は、車両用ドア開閉制御システムの概略構成図である。図7に示すように、トランスミッタ2では、受信アンテナ23が車載機3からの第1及び第2許可信号p1,p2(第1所定信号に相当)を受信すると、これらの受信信号p1,p2を受けて制御ユニット22(判定手段に相当)が、該信号p1,p2の強度に基づき、いわゆる三角法の原理を用いて車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内(車両周囲の所定範囲内に相当)にトランスミッタ2が存在するか否かを判定する。そして、上記範囲内にトランスミッタ2が存在すると判定すると、制御ユニット22は許可情報を含むドア開閉信号d(第2所定信号に相当)を送信アンテナ24から送信させる。
【0046】
車載機3の制御ユニット31には、切換えスイッチ36を介して、第1及び第2許可信号p1,p2を送信する第1及び第2送信アンテナ33a,33b(車載送信機に相当)が、信号の授受可能に接続されている。これらの送信アンテナ33a,33bは、互いに所定間隔だけ離れて配置されていて、互いに強度が異なる第1及び第2許可信号p1,p2を互いに異なるタイミングで送信するように構成されている。そして、受信アンテナ32がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを受信すると、この受信信号dを受けて制御ユニット31が切換えスイッチ36を切り換えることで各許可信号p1,p2を各送信アンテナ33a,33bから順次送信させる。また、受信アンテナ32がトランスミッタ2からの許可情報を含むドア開閉信号dを受信する、すなわち、受信アンテナ32がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを再度受信すると、この受信信号dを受けて制御ユニット31がドア開信号又はドア閉信号をスライドドアアクチュエータ35a(又は35b)に供給する。
【0047】
その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
【0048】
以下、図7を参照しながら、トランスミッタ2及び車載機3の制御ユニット22,31で行われる信号処理の動作を説明する。
【0049】
トランスミッタ2を所持した乗員がスライドドア開閉スイッチ21a(又は21b)を押圧操作すると、送信アンテナ24からドア開閉信号dが送信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、各送信アンテナ33a,33bから各許可信号p1,p2が逐次返信される。この各送信アンテナ33a,33bからの各許可信号p1,p2を受信アンテナ23で受信すると、該各許可信号p1,p2の強度に基づき、車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かが判定される。上記範囲内にトランスミッタ2が存在すると判定されると、送信アンテナ24から許可情報を含むドア開閉信号dが返信される。この送信アンテナ24からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信すると、スライドドア12a(又は12b)の開閉状態に応じて、スライドドア12a(又は12b)が全開又は全閉制御される。
【0050】
−車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御−
以下、図8のフローチャートを参照しながら、車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御について説明する。
【0051】
ステップS1´では、トランスミッタ2のスライドドア開閉スイッチ21a(又は21b)が押圧操作されると、トランスミッタ2の制御ユニット22が送信アンテナ24からドア開閉信号dを送信する。ステップS2´では、車載機3の制御ユニット31がトランスミッタ2からのドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したか否かを判定する。ステップS2´の判定結果がYESの場合はステップS3´に進み、NOの場合は終了する。
【0052】
ステップS3´では、車載機3の制御ユニット31が各送信アンテナ33a,33bから各許可信号p1,p2を所定時間だけ開けて送信する。ステップS4´では、トランスミッタ2の制御ユニット22が車載機3からの各許可信号p1,p2を受信アンテナ23で受信したか否かを判定する。ステップS4´の判定結果がYESの場合はステップS5´に進み、NOの場合は終了する。
【0053】
ステップS5´では、トランスミッタ2の制御ユニット22が、各許可信号p1,p2の強度に基づき、車両1を中心とする半径3mの円の範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かを判定する。ステップS5´の判定結果がYESの場合はステップS6´に進み、NOの場合は終了する。
【0054】
ステップS6´では、トランスミッタ2の制御ユニット22が、送信アンテナ24から許可情報を含むドア開閉信号dを送信する。ステップS7´では、車載機3の制御ユニット31がトランスミッタ2からの許可情報を含むドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したか否かを判定する。ステップS7´の判定結果がYESの場合はステップS8´に進み、NOの場合は終了する。ステップS8´では、車載機3の制御ユニット31がスライドドア12a(又は12b)を全開又は全閉制御する。その後、終了する。
【0055】
−効果−
以上により、本実施形態によれば、2つの送信アンテナ33a,33bから送信された各許可信号p1,p2をトランスミッタ2で受信したときには、各許可信号p1,p2の特性に基づきトランスミッタ2が車両1を中心とする半径3mの円の範囲内に存在するか否かを判定し、トランスミッタ2が上記範囲内に存在すると判定されたときには、トランスミッタ2からドア開閉信号dを送信し、トランスミッタ2から送信されたドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようになっている。すなわち、上記範囲内にトランスミッタ2が存在するときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる一方、上記範囲外にトランスミッタ2が存在するときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させない。そのため、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両1から近いところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができるときは、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で開閉することができるが、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両1から遠く離れたところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができない可能性があるときは、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で開閉することができない。したがって、開閉中のスライドドア12a,12bがスライドドア12a,12b付近の乗員に接触することを抑制することができる。
【0056】
また、トランスミッタ2が車両1を中心とする半径3mの円の範囲内に存在すると判定されたときには、トランスミッタ2から第2所定信号としてドア開閉信号dを送信するので、第2所定信号を別途設ける必要がない。そのため、トランスミッタ2の構成を簡単にすることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、送信アンテナ33の数が2つであるが、3つ以上であっても良い。この数が多いほど、上記判定の精度が高くなる。
【0058】
また、本実施形態では、各許可信号p1,p2の強度に基づき、三角法の原理を用いて車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かを判定しているが、これに限らず、例えば各許可信号p1,p2の位相差に基づき、上記範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かを判定したり、各許可信号p1,p2の特性に基づき、三角法の原理以外の方法で上記範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かを判定したりしても良い。
【0059】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、トランスミッタ2を操作することでスライドドア12a,12bを開閉しているが、スライドドア以外のドア、例えばハッチバックを開閉しても良い。
【0060】
また、上記各実施形態では、トランスミッタ2にスライドドア開閉スイッチ21a,21bを設けているが、スライドドア開スイッチ及びスライドドア閉スイッチを設けて、スライドドア開スイッチを押圧操作すると、送信アンテナ24からドア開信号(作動信号に相当)を送信し、スライドドア閉スイッチを押圧操作すると、送信アンテナ24からドア閉信号(作動信号に相当)を送信するようにしても良い。この場合、スライドドア12a,12bの開閉状態を検出する必要がないので、車載機3にドア開閉検出センサ34を別途設ける必要がない。
【0061】
また、上記各実施形態では、送信アンテナ33から第1所定信号として許可情報を含む許可信号pを送信しているが、これに限らず、例えば許可情報を含まない信号を送信しても良い。
【0062】
また、上記各実施形態では、送信アンテナ24から第2所定信号として許可情報を含むドア開閉信号dを送信しているが、これに限らず、これ以外の信号を送信したり、許可情報を含まないドア開閉信号dを送信したりしても良い。但し、車載機3で受信したドア開閉信号dがスライドドアアクチュエータ35a,35bを直接作動させるものであるかを容易に識別する観点などからは、許可情報を含むドア開閉信号dを送信するのが望ましい。
【0063】
また、上記各実施形態では、トランスミッタ2によりスライドドア12a(又は12b)の開閉操作が行われた場合は、制御ユニット31は、受信アンテナ32により2番目のドア開閉信号dを受信したときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるが、トランスミッタ2によりスライドドア12a(又は12b)の開操作が行われた場合は、受信アンテナ32により最初のドア開閉信号dを受信したときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる一方、トランスミッタ2によりスライドドア12a(又は12b)の閉操作が行われた場合は、受信アンテナ32によりその次のドア開閉信号d(第2所定信号に相当)を受信したときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようにしても良い。すなわち、トランスミッタ2によりスライドドア12a(又は12b)の開操作が行われた場合は、車両1を中心とする半径15mの円の範囲内にトランスミッタ2が存在すると、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる一方、トランスミッタ2によりスライドドア12a(又は12b)の閉操作が行われた場合は、車両1を中心とする半径3メートルの円の範囲内にトランスミッタ2が存在すると、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようにしても良い。
【0064】
ところで、上述のように、車両1から遠く離れたところにいる乗員がトランスミッタ2を用いてドアを開閉する場合は、何の手段も講じなければ、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触するおそれがあるが、一般に、特にドアがスライドドアである場合は、開く最中のドアがドア付近の乗員に接触する可能性よりも、例えばドア用開口の乗員が閉まる最中のドアと車体本体との間に挟まってしまうなど、閉まる最中のドアがドア付近の乗員に接触する可能性が高い。したがって、トランスミッタ2を携帯する乗員が車両1から遠く離れたところにいてドア付近を目視することができない可能性がある場合は、ドアをトランスミッタ2で開くことができないようにしたいという要求よりも、ドアをトランスミッタ2で閉じることができないようにしたいという要求が高い。
【0065】
ここで、本実施形態によれば、トランスミッタ2でドア開操作が行われた場合は、ドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させる一方、トランスミッタ2でドア閉操作が行われた場合は、許可情報を含むドア開閉信号dを受信アンテナ32で受信したときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるようになっている。すなわち、ドア開操作が行われた場合は、車両1を中心とする半径3mの円の範囲内にトランスミッタ2が存在するか否かに拘わらず、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるので、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲内にいるとき、つまり、その乗員が車両1から近いところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができるときだけではなく、その乗員が上記範囲外にいるとき、言い換えると、その乗員が車両1から遠く離れたところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができない可能性があるときでも、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で開くことができる。そのため、利便性を向上させることができる。一方、ドア閉操作が行われた場合は、上記範囲内にトランスミッタ2が存在するときに、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させるが、上記範囲外にトランスミッタ2が存在するときには、スライドドアアクチュエータ35a(又は35b)を作動させない。そのため、トランスミッタ2を携帯する乗員が上記範囲外にいるとき、すなわち、その乗員が車両1から遠く離れたところにいてスライドドア12a(又は12b)付近を目視することができない可能性があるときは、スライドドア12a(又は12b)をトランスミッタ2で閉じることができない。以上から、利便性を向上させながら、開閉中のスライドドア12a,12bがスライドドア12a,12b付近の乗員に接触することを抑制することができる。なお、トランスミッタ2によりスライドドア12a,12bの開操作が行われたか閉操作が行われたかは、ドア開閉検出センサ34により検出された、スライドドア12,12bの開閉状態によって判断される。
【0066】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0067】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明に係る車両用ドア開閉制御システムは、開閉中のドアがドア付近の乗員に接触することを抑制する用途等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ドア開閉制御システムの概略構成図である。
【図2】車両を後方から見た斜視図である。
【図3】ルーフを除いた車両の後部の平面図であり、(a)は、スライドドアが全閉状態のときの図であり、(b)は、スライドドアが全開状態のときの図である。
【図4】トランスミッタの正面図である。
【図5】トランスミッタ及び車載機からの信号の送信範囲を示す図である。
【図6】車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御のフローチャートである。
【図7】車両用ドア開閉制御システムの概略構成図である。
【図8】車両用ドア開閉制御システムのドア開閉制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 車両
2 トランスミッタ(携帯機)
3 車載機
11 車体本体
11a ドア用開口
12 スライドドア
21 スライドドア開閉スイッチ
22 制御ユニット(判定手段)
23 受信アンテナ
24 送信アンテナ
31 制御ユニット(車載制御手段)
32 受信アンテナ(車載受信機)
33 送信アンテナ(車載送信機)
33a 第1送信アンテナ(車載送信機)
33b 第2送信アンテナ(車載送信機)
34 ドア開閉検出センサ
35 スライドドアアクチュエータ(駆動手段)
d ドア開閉信号(作動信号,第2所定信号)
p 許可信号(第1所定信号)
p1 第1許可信号(第1所定信号)
p2 第2許可信号(第1所定信号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体本体のドア用開口を開閉自在に覆うドアを開閉する駆動手段と、ドア開閉操作に応じて作動信号を送信する携帯機と、該作動信号を受信する車載受信機と、該車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる車載制御手段とを備えた車両用ドア開閉制御システムであって、
上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、車両周囲の所定範囲内に第1所定信号を送信する車載送信機をさらに備え、
上記携帯機は、携帯送受信機であって、上記第1所定信号を受信したときには、第2所定信号を送信するように構成され、
上記車載受信機は、上記第2所定信号も受信するように構成され、
上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の車両用ドア開閉制御システムにおいて、
上記携帯機は、上記第1所定信号を受信したときには、上記第2所定信号として上記作動信号を送信するように構成され、
上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記作動信号を再度受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項3】
請求項2記載の車両用ドア開閉制御システムにおいて、
上記車載送信機は、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときには、上記第1所定信号として上記駆動手段の作動を許可するための許可情報を含む許可信号を送信するように構成され、
上記携帯機は、上記許可信号を受信したときには、上記許可情報を含む上記作動信号を送信するように構成され、
上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記許可情報を含む上記作動信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項4】
車体本体のドア用開口を開閉自在に覆うドアを開閉する駆動手段と、ドア開閉操作に応じて作動信号を送信する携帯機と、該作動信号を受信する車載受信機と、該車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる車載制御手段とを備えた車両用ドア開閉制御システムであって、
上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、第1所定信号を送信する複数の車載送信機をさらに備え、
上記携帯機は、携帯送受信機であって、上記各第1所定信号を受信したときに、該各第1所定信号の特性に基づき上記携帯機が車両周囲の所定範囲内に存在するか否かを判定する判定手段を有していて、該判定手段により上記携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、第2所定信号を送信するように構成され、
上記車載受信機は、上記第2所定信号も受信するように構成され、
上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項5】
請求項4記載の車両用ドア開閉制御システムにおいて、
上記携帯機は、上記判定手段により該携帯機が上記所定範囲内に存在すると判定されたときには、上記第2所定信号として上記作動信号を送信するように構成され、
上記車載制御手段は、上記車載受信機により上記作動信号を再度受信したときには、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用ドア開閉制御システムにおいて、
上記車載制御手段は、上記携帯機によりドア開操作が行われた場合には、上記車載受信機により上記作動信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させる一方、上記携帯機によりドア閉操作が行われた場合には、上記車載受信機により上記第2所定信号を受信したときに、上記駆動手段を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用ドア開閉制御システムにおいて、
上記ドアは、上記車体本体に対してスライド移動自在に取り付けられたスライドドアであることを特徴とする車両用ドア開閉制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−321415(P2007−321415A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151911(P2006−151911)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】