説明

車両用内装トリム

【課題】 ブロックが展開状態に復帰することのないことで取付工数の低減を図った車両用ドアトリムを提供する。
【解決手段】 車体構造1の室内RM側を覆うと共に該車体構造1に支持されてなるトリム本体2を有する車両用内装トリムにおいて、前記トリム本体2の端部2aには、リブ3の形成されてなるブロック4を薄肉ヒンジ5を介して形成されてなると共に該ブロック4を前記車体構造1側に折り返して溶着支持してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装トリムに関し、特に車体構造の室内側を覆うと共に該車体構造に支持されてなるトリム本体を有する内装トリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用車体構造の室内側には、トリム本体を有する内装トリムにて覆うと共に該車体構造に支持されてなるものがある。該車体構造が、センターピラーのように車両の左右方向の寸法が深い場合、かかるセンターピラーを覆うトリム本体としてのピラーガーニッシュも車両の左右方向の寸法が深くなる。このため、ピラーガーニッシュのべこ付きを防止するために、センターピラーと、ピラーガーニッシュとの間を埋めるリブをピラーガーニッシュの裏面側(センターピラー側)に形成すると、表面側(室内側)に成形に伴うひけの発生するおそれがある。このため、ポリエチレンフォーム等よりなるブロック状のパッドをピラーガーニッシュとは別に形成すれば、該パッドを貼り付ける工数が必要となるし、部品代がかかり原価が高騰する。そこで、ピラーガーニッシュの端部に薄肉ヒンジを介して展開した状態でブロック(リブ形成部)を一体成形後、センターピラーへの組立時に、ピラーガーニッシュの裏面側へ該ブロックを回動させて取り付けることで、べこ付きを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献1。)。
【特許文献1】特開2000−033883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなブロックを内装トリムのトリム本体と薄肉ヒンジを介して形成すれば、薄肉ヒンジの厚さによっては、ブロックは成形時の展開した状態に戻ろうとする。このため、車体構造への組立時にブロックをトリム本体の裏面側に押さえながら取り付ける必要があり、取付工数が増加してしまう。
【0004】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、ブロックが展開状態に復帰することのないことで取付工数の低減を図った車両用ドアトリムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車体構造の室内側を覆うと共に該車体構造に支持されてなるトリム本体を有する車両用内装トリムにおいて、前記トリム本体の端部には、リブの形成されてなるブロックを薄肉ヒンジを介して形成されてなると共に該ブロックを前記車体構造側に折り返して溶着支持してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用内装トリムであって、前記リブにより、前記車体構造に突き当て可能なることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用内装トリムであって、前記ブロックにより、前記車体構造に突き当て可能なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、トリム本体の端部には、リブの形成されてなるブロックを薄肉ヒンジを介して形成されてなると共に該ブロックを前記車体構造側に折り返して溶着支持してなるため、ブロックはトリム本体の車体構造側に確実に支持されて、展開状態に復帰することがないので、取付工数が著しく低減できることになる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、リブにより、前記車体構造に突き当て可能なるため、車体構造の面位置に誤差が生じても、ブロックのリブの端部が撓んで柔らかく受け止められることになり、寸法誤差による不良品の発生率が著しく下げることが出来る。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、ブロックにより、前記車体構造に突き当て可能なるため、ボックス状の突き当て部の壁によりブロックの強度がより増し、トリム本体のべこ付きがより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ブロックが展開状態に復帰することのないことで取付工数の低減を図った車両用ドアトリムを提供する、という目的を、車体構造の室内側を覆うと共に該車体構造に支持されてなるトリム本体を有する車両用内装トリムにおいて、前記トリム本体の端部には、リブの形成されてなるブロックを薄肉ヒンジを介して形成されてなると共に該ブロックを前記車体構造側に折り返して溶着支持してなることで、実現した。
【実施例】
【0012】
本発明の一実施例を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0013】
符号1は、「車体構造」であるセンターピラーであり、かかるセンターピラー1の室内RM側を覆うと共に該センターピラー1に支持されてなる「トリム本体」であるピラーガーニッシュ2を有する。該ピラーガーニッシュ2の端部2aには、リブ3の形成されてなるブロック4を薄肉ヒンジ5を介して形成されてなると共に該ブロック4を前記センターピラー1側に折り返して溶着支持してなる。かかる状態で、センターピラー1に貫通孔6を介して図示しないビスによりピラーガーニッシュ2を固定することになる。
【0014】
図3は、前記ピラーガーニッシュ2の成形時の説明図であるが、図3に示す上下方向が型抜き方向で、ブロック4のリブ3の先端部が図示しない成形型のパーティングライン(型割部)PLである。薄肉ヒンジ5も図3の下側から食い込ませて形成された薄肉ヒンジ5で、図2に示すように、ブロック4を折り返した時点で該薄肉ヒンジ5の部分は突出するが、前記センターピラー1に支持されたシール部材7のリップ7aにより覆われてなる。
【0015】
なお、ピラーガーニッシュ2の材質は、合成樹脂単体に限らず、表皮材を貼設したものでもよい。
【0016】
この構成のピラーガーニッシュ2の端部2aには、リブ3の形成されてなるブロック4を薄肉ヒンジ5を介して形成されてなると共に該ブロック5を前記センターピラー1側に折り返して溶着支持してなるため、ブロック4はピラーガーニッシュ22のセンターピラー1側に確実に支持されて、展開状態に復帰することがないので、取付工数が著しく低減できることになる。
【0017】
また、前記リブ3により、前記センターピラー1に突き当て可能なるため、センターピラー1の面位置に誤差が生じても、ブロック4のリブ3の端部が撓んで柔らかく受け止められることになり、寸法誤差による不良品の発生率が著しく下げることが出来る。
【0018】
更に、ブロック4により、前記センターピラー1に突き当て可能なるため、ボックス状の突き当て部の壁によりブロック4の強度がより増し、ピラーガーニッシュ2のべこ付きがより確実に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
「車体構造」としてセンターピラーを例にして説明し、「トリム本体」としてピラーガーニッシュを例にして説明したが、これらに限定されるものではなく、フロントピラー及びそのピラーガーニッシュでも良いし、リアピラー及びそのピラーガーニッシュでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係るピラーガーニッシュの斜視図。
【図2】図1のSA−SA線に沿った断面図。
【図3】図1のピラーガーニッシュの成形時の展開形状の説明図。
【符号の説明】
【0021】
1 「車体構造」であるセンターピラー
2 「トリム本体」であるピラーガーニッシュ
2a ピラーガーニッシュの端部
3 リブ
4 ブロック
5 薄肉ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体構造の室内側を覆うと共に該車体構造に支持されてなるトリム本体を有する車両用内装トリムにおいて、
前記トリム本体の端部には、リブの形成されてなるブロックを薄肉ヒンジを介して形成されてなると共に該ブロックを前記車体構造側に折り返して溶着支持してなることを特徴とする車両用内装トリム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用内装トリムであって、
前記リブにより、前記車体構造に突き当て可能なることを特徴とする車両用内装トリム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用内装トリムであって、
前記ブロックにより、前記車体構造に突き当て可能なることを特徴とする車両用内装トリム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−143362(P2008−143362A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333396(P2006−333396)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】