説明

車両用内装部品

【課題】 搭乗者への要求性能に応じた衝撃を吸収することができ、搭乗者の安全を確保することができる車両用内装部品を提供する。
【解決手段】 車両用アームレスト20は、内部に有する衝撃吸収空間74と、衝撃吸収空間74内に設けられ空間74下方部分を補強する補強部200とを備える。この補強部200は、補強用ボス80と、車両の側面衝突の衝撃に対して補強部200が移動することにより衝撃を吸収できるように補強用ボス80をアームレスト本体30の壁48Aに対して所定の間隔S4を空けて取り付ける脚部用リブ90とを備える。これにより、補強部200は、衝撃の初期段階では空間74下方部分を補強する一方、衝撃の後半段階では空間74下方部分の補強領域から外れる方向に倒れ込むよう移動する。このため、衝撃の後半段階では補強部200が空間74下方部分の補強領域に潰れ残ることがないため、搭乗者への衝撃を確実に吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の内装には、車体の側壁パネルの室内面側に取付けられるドアトリム、リヤサイドトリム、ラゲージサイドトリム、あるいは、バックドアパネルの室内面側に取り付けられるバックドアトリム等の内装トリムが装備されている。この内装トリムは、表皮材及び樹脂基材等で構成された積層成形体で構成されている。
【0003】
積層成形体としての車両用ドアトリム等は、座席に着座した搭乗者の腕を乗せておくための内装部品としての車両用アームレストが設けられている。この従来の車両用アームレストは、ドアトリムの車室内側に突出するよう形成されており、車両用アームレスト上面には、所定形状の開口が形成されている。この車両用アームレストの開口内には、ウィンドウガラスを昇降させる操作スイッチ類を車室側に表出するためのスイッチパネルと、搭乗者が車両ドアの開閉動作をするためのプルハンドルが装着されることが知られている。
【0004】
以下、従来の車両用アームレストの取付構造の例を特許文献1に示すと共に、従来の樹脂成形品のボスの保持構造の例を特許文献2に示す。
【0005】
特許文献1に示される従来の車両用アームレストにおいては、ドアトリムの車室側に膨出するように一体に形成されたアームレスト本体と、このアームレスト本体とは別体のプルハンドル片とドアセンター片とを備えており、ドアトリムにプルハンドル片を取付けた後、このドアトリムにドアセンター片を取付けることにより車両用アームレストを構成することが開示されている。
【0006】
特許文献2に示される樹脂成形品のボスの保持構造においては、樹脂成形体の裏面側に薄肉状の縦リブを立設し、この縦リブを取付座として縦リブ上にボスを設けることにより、樹脂成形体に発生する成形不良のヒケの発生を防止することが開示されている。また、特許文献2には、樹脂成形体が縦リブを成形するためのスライド型を型抜きする型抜き穴を有することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−291848号公報
【特許文献2】特開平9−52235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1は、従来の車両用内装部品の一例である車両用アームレストの問題点を説明するための図であり、従来の車両用アームレストの内部構造を示す図である。
【0009】
図1に示される従来の車両用アームレスト1は、車室内の側壁を構成する車両用ドアトリム2の略中央部分に設けられており、アームレスト用表皮3をアームレスト用芯材4に被覆し、このアームレスト用芯材4を所定形状に形成されたドアトリムロア5の上方に嵌め込んでアームレスト本体6を構成している。この従来の車両用アームレスト1は、前述のようにアームレスト本体6を構成した後に、プルハンドル7をアームレスト本体6内に配置させ、図示しないネジなどの取付具をプルハンドル7に形成された取付用孔7A内に挿通させて、プルハンドル7を車体パネル(図示省略)に固定する。このため、車両用アームレスト1は、アームレスト本体6内にプルハンドル7を後付けできる作業用スペースとしてのプルハンドル取付用開口8と、このプルハンドル取付用開口8を閉塞するための蓋としてのフィニッシャ部材9とを備えている。
【0010】
ところで、車両の衝突事故や横転事故が起きた際に車室内の搭乗者の安全を確保することが要求されている。このため、車両用アームレスト1は、車両用ドアトリム2に設けられるため、側面衝突による搭乗者に与える衝撃を吸収するための側突対索が必要とされている。特に、車両用アームレスト1は、座席に着座した搭乗者の腹部と腰部との衝撃を吸収する必要がある。図1に示すように、車両用アームレスト1の搭乗者の腹部の箇所(アームレスト後方上部付近)は、搭乗者の腹部の周りに外部の衝撃を防御する骨等がないため、車両用アームレスト1の搭乗者の腰部の箇所(アームレスト中央下部付近)に比べて剛性を低く設定しておくことが要求とされる。一方、車両用アームレスト1の搭乗者の腰部の箇所は、車両用アームレスト1の搭乗者の腹部の箇所に比べて剛性を高く設定しておくことが必要とされる。
【0011】
図1に示すように、車両用アームレスト1の内部には、搭乗者の腹部への衝撃を吸収するために、フィニッシャ部材9がアームレスト本体6に装着された際に複数の衝撃吸収空間として機能する複数の衝撃吸収穴D(D,D,D)が形成されている。複数の衝撃吸収穴Dのうち、衝撃吸収穴D,Dはドアトリムロア5の上方に形成されており、衝撃吸収穴Dは、アームレスト本体6内に取付けられたプルハンドル7により仕切られたプルハンドル取付用開口8の穴である。従い、このプルハンドル取付用開口8は、フィニッシャ部材9により閉塞されると、衝撃吸収空間として利用される。
【0012】
しかしながら、従来の車両用アームレスト1においては、搭乗者の腹部への衝撃を吸収するために設けられた衝撃吸収穴Dは、車両用アームレスト1の搭乗者の腹部の箇所と、車両用アームレスト1の搭乗者の腰部の箇所とが重複する部分に配置されている。このため、衝撃吸収穴Dで構成される衝撃吸収空間は、搭乗者の腹部への衝撃を吸収するよう設計されているだけで、搭乗者の腰部への衝撃を十分に吸収するよう考慮して設けられていない。すなわち、衝撃吸収穴Dで構成される衝撃吸収空間は、搭乗者の腹部の要求性能に加えて搭乗者の腰部の要求性能を満たすよう設計されていなければならない。この結果、衝撃吸収穴Dで構成される衝撃吸収空間は、搭乗者の腹部の要求性能と搭乗者の腰部の要求性能の両者を満たすものではなかったため、車両の側面衝突が起きたい際に車両用ドアトリム2に所定の衝撃が加わった場合には、搭乗者の腰部の要求性能に応じた衝撃を十分に吸収することができないという問題が発生していた。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、搭乗者への要求性能に応じた衝撃を吸収することができ、搭乗者の安全を確保することができる車両用内装部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用内装部品は、内部に所定の空間を有する車両用内装部品であって、前記空間内に設けられ前記空間部分を補強する補強部を備え、前記補強部は、補強部本体と、所定の衝撃に対して前記補強部が移動することにより衝撃を吸収できるように前記補強部本体を内装材本体に対して所定の間隔を空けて取り付ける脚部と、を有する。
【0015】
本発明によれば、補強部は、空間部分を補強する一方、空間部分の補強する領域から外れる方向に移動する。すなわち、空間部分は、衝撃が付与された初期段階では衝撃に対する反力を持ち、衝撃が付与された後半段階では衝撃に対する反力を持つことなく衝撃を吸収する構造となっている。また、脚部が、所定の衝撃の際に補強部を空間部分の補強する領域から移動することができる取付け方で補強部本体を内装材本体に取付けているため、衝撃が付与された後半段階では、補強部を空間部分の補強する領域から外れる方向に確実に移動させることができる。このため、補強部が空間部分の補強する領域に潰れ残ることを回避することができるため、所定の衝撃が加わった場合でも搭乗者への要求性能に応じた衝撃を吸収することができ、搭乗者の安全を確保することができる。
【0016】
前記脚部は、前記所定の衝撃を受ける側に設けられた第1の脚と、該第1の脚と略直角に設けられた第2の脚と、を有する。本発明によれば、脚部の第1の脚と第2の脚が補強部の移動する方向に設けられていないため、補強部が所定の衝撃が加わった際に移動し易くなっている。このため、補強部は、所定の衝撃が付与された際に空間部分の補強する領域から確実に移動することができる。
【0017】
前記内装材本体は、前記補強部本体が取り付けられた位置に対応する箇所に成形時に前記補強部を形成するための開口部が形成されている。本発明によれば、補強部を成形する金型を型抜き方向に抜くことができるため、補強部は内装材本体の成形時に内装材本体に対して一体的に形成することができる。
【0018】
前記補強部は、前記内装材本体の所定の衝撃を受ける中心箇所から離れて配置されている。本発明によれば、補強部が空間部分の補強する領域に潰れ残ることを確実に防止することができる。
【0019】
前記補強部本体は、前記所定の衝撃が加えられた時に前記脚部から外れるよう構成されている。本発明によれば、補強部本体を空間部分の補強する領域から確実に移動させることができるため、補強部本体の潰れ残りを防止することができる。
【0020】
前記補強部本体は、前記所定の衝撃が加えられた時に前記脚部の第1の脚及び第2の脚の少なくとも一方と共に外れるよう構成されている。本発明によれば、補強部本体と脚部とを空間部分の補強する領域から確実に移動させることができるため、補強部本体と脚部との潰れ残りを防止することができる。
【0021】
前記脚部の第1の脚は、第1の脚の所定の衝撃を受ける側に切欠きが形成されている。また、前記内装材本体は、前記内装材本体の第1の脚部の取付け箇所の根元周辺に複数の破断用の穴が形成されている。また、前記補強部本体と前記脚部との接続部分には、スリットが形成されている。本発明によれば、補強部本体を移動させ易くして空間部分の衝撃に対する反力を下げることができる。
【0022】
前記内装材本体は、車室内側に着脱可能な蓋体を構成する化粧パネルとしてのフィニッシャ部材を有している。また、前記内装材本体は、搭乗者が腕を乗せておくためのアームレスト本体である。前記空間部分は、車両の側面衝突用の衝撃吸収空間である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、搭乗者への要求性能に応じた衝撃を吸収することができ、搭乗者の安全を確保することができる車両用内装部品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る車両用内装部品について添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。尚、本発明に係る車両用内装部品の例として車両用アームレストについて説明する。
【0025】
本実施の形態による車両用アームレスト20について図2乃至図8を用いて説明する。図2は本発明の実施形態に係る車両用アームレストを適用する車両用ドアトリムの全体外観図、図3は図2に示す車両用アームレストの内部構造とフィニッシャ部材を説明する要部拡大図、図4は図3に示す車両用アームレストの各要部の分解斜視図、図5は図3に示す補強部の要部拡大図、図6は図2に示す車両用アームレストのA−A線の断面図、図7は図2に示す車両用アームレストのP箇所の要部拡大図、図8は図2に示す車両用アームレストのB−B線の断面図であり、試験装置の腰部用インパクターを用いて打撃を加えた状態を示す図である。
【0026】
車両用アームレスト20は、図2に示すように、座席に着座した搭乗者が腕を乗せておく内装材本体であり、車両用ドアトリム100の車室内側に突出するよう形成されている。車両用ドアトリム100の全体構成について先に説明する。
【0027】
車両用ドアトリム100は、図2に示すように、車体パネル(図示省略)に対して内装され車室内の側壁を構成する。この車両用ドアトリム100は、車両上方に配置されたドアトリムアッパー10と、車両下方に配置されたドアトリムロア12と、ドアトリムアッパー10とドアトリムロア12との間に配置されたドアトリムセンター14との分割体で構成された多色成形品である。このドアトリムアッパー10,ドアトリムロア12とドアトリムセンター14の各々の接合は、ビス等の締結具又は溶着装置等により固定される。
【0028】
ドアトリムアッパー10とドアトリムセンター14は、保形性を有する樹脂基材と、樹脂基材の表面側に積層一体化される加飾機能を持つ表皮材等の積層成形体で構成されている。ドアトリムロア12は、保形性を有する樹脂基材からなる樹脂成形体である。尚、ドアトリムアッパー10、ドアトリムロア12とドアトリムセンター14は、射出成形やモールドプレス成形により図示しない成型用金型内で成形される。
【0029】
上述の樹脂基材としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0030】
上述の表皮材としては、樹脂基材の表面に貼付される加飾材であり、織布、不織布、編布等の布地シート、あるいはこれら布地シートの裏面にポリエチレンフォーム等のポリオレフィン系樹脂フォーム、ポリウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料等が用いられる。また、表皮材は、塩ビシートやTPO(サーモプラスチックオレフィン)シート、TPU(サーモプラスチックウレタン)シート等の合成樹脂シート、あるいはこれら合成樹脂シートの裏面にポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料等であっても良い。
【0031】
ドアトリムアッパー10には、搭乗者の操作により車室内側からドアロック機構を解除するためのインサイドハンドルユニット16が設けられている。また、ドアトリムロア12には、ドアトリムロア12の中央部分に配置されると共に道路マップや小物等の各種備品を収容するドアポケット17と、ドアトリムロア12の車両前方に配置されると共に車載用オーディオスピーカ(図示省略)の表面側に位置して、音声を車室内に出力させるための多数の貫通穴が形成されているスピーカグリル18と、ドアトリムロア12の車両後方の下端に配置されると共に夜間乗降時のドア開閉の際に搭乗者の足下付近を照明する照明具のステップランプ19とが設けられている。また、ドアトリムセンター14の下方には、前述の車両用アームレスト20が設けられている。
【0032】
また、車両用ドアトリム100は、製品の出荷する前に、車両の側面衝突の際に車室内の搭乗者に与える衝撃を適切に吸収できるか否か試験が行われる。この試験では、図2の破線に示すように、実際に車両用ドアトリム100に所定の衝撃を加える試験装置として、搭乗者の腹部を想定した腹部用インパクターTと、搭乗者の腰部を想定した腰部用インパクターTとが用いられる。この腹部用インパクターTと腰部用インパクターTは、車両用ドアトリム100に当接する面が曲面形状であり、試験では車両用ドアトリム100に衝撃を加えたとき車両用アームレスト20内の後述の衝撃吸収空間70の途中まで進入する。
【0033】
腹部用インパクターTは、図2に示すように、ドアトリムセンター14の車両後方と車両用アームレスト20の車両後方との領域に打撃を加える。また、腹部用インパクターTは、ドアトリムセンター14表面と車両用アームレスト20との境界部分に腹打撃中心点Gがある。
【0034】
腰部用インパクターTは、図2に示すように、ドアトリムセンター14の中央部分から車両用アームレスト20を跨いでドアトリムロア12上方までの領域に打撃を加える。また、腰部用インパクターTは、車両用アームレスト20の車両後方側とドアトリムロア12との境界部分に腰打撃中心点Gがある。
【0035】
尚、腹部用インパクターTと腰部用インタクターTは、車両用アームレスト20に対して打撃位置が重複する打撃重複部分Cがある。この車両用アームレスト20の打撃重複部分Cの車両前方の下方部分Pの内部には、後述する補強部200が設けられている
【0036】
次に、車両用アームレスト20の具体的構成について図面に基づいて詳述する。車両用アームレスト20は、図3及び図5乃至図8に示すように、内装材本体としてのアームレスト本体30と、このアームレスト本体30の後述の衝撃吸収空間部分を補強する補強部200等を備えている。この補強部200は、アームレスト本体30の後述の衝撃吸収空間部分を補強するために、補強部本体としての補強用ボス80と、脚部としての脚部用リブ90とで構成されている。
【0037】
アームレスト本体30は、図3及び図4に示すように、アームレスト芯材31と、クッションパッド34と、アームレスト表皮35と、スイッチパネル36とドアトリムロア延設片40と、プルハンドル50と、フィニッシャ部材60と、内部の空間部分としての衝撃吸収空間70等を備える。
【0038】
アームレスト芯材31は、図3及び図4に示すように、射出成形等により所望形状に成形されると共に、ポリプロピレン系樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂等により構成されている。このアームレスト芯材31は、クッションパッド34とアームレスト表皮35と共に、ドアトリムロア延設片40の上方に装着される。アームレスト芯材31は、フィニッシャ部材60を取付けるための複数のクリップ取付座32(321,322,323,325,327,329)と、複数の係止用ストッパ33(331,332,333)を備える。なお、アームレスト芯材31は、車両後方側に幅面積が広い後部31Aと、車両前方側に幅面積が狭い前部31Bで大略構成される。
【0039】
複数のクリップ取付座32と複数の係止用ストッパ33は、図3及び図4に示すように、アームレスト芯材31の車室内側の側縁から車両下方に向けて延設されている。この複数のクリップ取付座32は取付孔が形成されている。クリップ取付座321,322,323,327,329と複数の係止用ストッパ33(331,332,333)は、アームレスト芯材31がドアトリムロア延設片40の上方に配置されるとき、ドアトリムロア延設片40の表面に係止する。
【0040】
クッションパッド34は、図4に示すように、搭乗者の腕の肘部分からの荷重を吸収するポリウレタン系樹脂等のクッション材で構成されており、アームレスト芯材31の後部31A上に設置される。アームレスト表皮35は、図4に示すように、クッションパッド34が設置されたアームレスト芯材31の表面を被覆する加飾材であり、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等の軟質樹脂等で構成されている。スイッチパネル36は、図3に示すように、アームレスト芯材31の前部31Bの車両前方側に取り付けられ、ウィンドウガラスを昇降させる操作スイッチ類(図示省略)をスイッチパネル36の下方から装着し、該操作スイッチ類を車室側に表出するための複数のスイッチ用開口36Aが開設されている。
【0041】
ドアトリムロア延設片40は、図3に示すように、ドアトリムロア12の上方から所定形状に延設されたものであり、複数のクリップ取付用開口42(424,426,428)と、複数の衝撃吸収用穴44(44A,44B)と、プルハンドル取付用開口46と、成形用開口部48等を備える。
【0042】
複数のクリップ取付用開口42(424,426,428)は、図3及び図4に示すように、アームレスト芯材31のクリップ取付座322,325,327の下方に配置するようドアトリムロア延設片40に開設されている。また、クリップ取付用開口426は、図4に示すように、プルハンドル取付用開口46内に突出するよう設けられた凸状の取付ベース部46Aに設けられている。また、複数の衝撃吸収用穴44(44A,44B)は、図4に示すように、ドアトリムロア延設片40の車両後方側に開設されており、かつ、図1に示す腹部用インパクターTが打撃を加える位置に配置されている。
【0043】
プルハンドル取付用開口46は、図3及び図4に示すように、プルハンドル50を取付けるための車室内に向けてドアトリムロア延設片40に開設された凹状の開口である。このプルハンドル取付用開口46は、クッションパッド34とアームレスト表皮35,スイッチパネル36を組み付けたアームレスト芯材31が、ドアトリムロア延設片40に装着することにより形成される。また、プルハンドル取付用開口46は、アームレスト芯材31の後部31Aとスイッチパネル36との間のアームレスト芯材31の前部31Bの下方に配置されており、かつ、図1に示す腰部用インパクターTが打撃を加える位置に配置されている。また、プルハンドル取付用開口46は、アームレスト芯材31がドアトリムロア延設片40上に装着すると、プルハンドル50を取付ける作業スペースとして活用され、プルハンドル50がアームレスト本体30内に後付けされる。
【0044】
尚、アームレスト芯材31がドアトリムロア延設片40上に装着すると、図4に示すように、プルハンドル取付用開口38側には、クリップ取付座325の座面が表出する。
【0045】
成形用開口部48は、図3,図5乃至図7に示すように、プルハンドル取付用開口46の底面48Aの補強用ボス80が取り付けられた位置に対応する箇所に形成された略円形の貫通孔である。この成形用開口部48は、補強用ボス80をドアトリムロア12の型抜きのみで形成するために形成されている。
【0046】
プルハンドル50は、図3及び図4に示すように、搭乗者が車両ドアの開閉動作をするためのものであり、プルハンドル50の上方が開放した容器形状のものである。このプルハンドル50は、図4に示すように、アームレスト芯材31の前部31Bの下方に当接する座部52と、この座部52に所定間隔をあけて形成され、かつ、図4に示すネジ等の取付具Aが挿通してプルハンドル50をアームレスト芯材31の前部31Bの下方に取付ける複数のアームレスト取付孔54と、図示しないネジなどの取付具が挿通してプルハンドル50を車体パネルに取付ける車体用取付孔56等を備える。このプルハンドル50は、プルハンドル50がプルハンドル取付用開口46内に配置され、図4に示す取付具Aが複数のアームレスト取付孔44内に挿通しアームレスト芯材31の前部31Bに取付けられ、かつ、取付具が車体用取付孔56内に挿通して車体パネルに取付けられることにより、アームレスト芯材31のクリップ取付座325の背後に配置される。
【0047】
フィニッシャ部材60は、図3に示すように、プレート状の化粧パネルであり、ドアトリムロア延設片40の車室内R側に装着し、プルハンドル取付用開口46及び複数の衝撃吸収用穴44(44A,44B)を閉塞する蓋材である。このフィニッシャ部材60は、ドアトリムロア延設片40側に装着するために、フィニッシャ部材50の裏面側から立設する複数の取付用クリップ62(621〜629)を有している。
【0048】
複数の取付用クリップ62(621〜629)は、図3に示すように、アームレスト芯材31の複数のクリップ取付座32(321,322,323,325,327,329)と、ドアトリムロア延設片40の複数のクリップ取付用開口42(424,426,428)とに対して取付けられる。尚、複数の取付用クリップ62は汎用のクリップであるため、取付用クリップ62の形状等の詳細な説明は省略する。
【0049】
衝撃吸収空間70は、図3に示すように、車両の側面衝突時に搭乗者に与える衝撃を吸収するためにアームレスト本体30内に設けられている。この衝撃吸収空間70は、フィニッシャ部材60が複数の衝撃吸収用穴44(44A,44B)とプルハンドル取付用開口46とを閉塞することにより、アームレスト本体30内に形成される。この衝撃吸収空間70は、フィニッシャ部材60と複数の衝撃吸収用穴44(44A,44B)とで形成される腹用衝撃吸収空間72と、フィニッシャ部材60とプルハンドル取付用開口46とで形成される腰用衝撃吸収空間74とを備える。
【0050】
腹用衝撃吸収空間72は、座席に着座した搭乗者の腹部の衝撃を吸収するためのものであり、試験では図2に示す試験装置の腹部用インパクターTからの衝撃を吸収する。腰用衝撃吸収空間74は、図6に示すように、座席に着座した搭乗者の腹部と腰部の衝撃を吸収するためのものであり、試験では図2に示す試験装置の腰部用インパクターTと腹部用インパクターTからの衝撃を吸収する。
【0051】
前述の腰用衝撃吸収空間74について更に詳述する。腰用衝撃吸収空間74は、図2及び図6に示すように、空間74の上方側で搭乗者の腹部を想定した腹部用インパクターTの衝撃を吸収し、空間74の下方側で搭乗者の腰部を想定した腰部用インパクターTの衝撃を吸収する。この腰用衝撃吸収空間74は、図6に示すように、空間74の剛性を高めながら搭乗者の腰部と腹部への衝撃を吸収することができるよう補強用ボス80と脚部用リブ90とで構成された補強部200が空間74下方側に設けられている。この補強部200としての補強用ボス80と脚部用リブ90は、ドアトリムロア延設部40に一体的に形成されている。
【0052】
補強用ボス80は、図2,図3,図5乃至図8に示すように、略円筒形状のものであり、腰用衝撃吸収空間74の下方側を補強する一方、腰用衝撃吸収空間74内で衝撃を吸収することができるよう腰用衝撃吸収空間74の補強する領域から外れる方向に倒れ込むよう移動する。この補強用ボス80は、脚部用リブ90によりアームレスト本体30に取付けられ、所定の衝撃が加えられた時に脚部用リブ90から外れるよう構成される。また、補強用ボス80は、プルハンドル取付用開口46の底面48Aとの間に、補強用ボス80が補強用ボス80の側方に倒れ込むまで移動することができる所定距離S4の間隔をあけて配置される。この所定距離S4は、補強用ボス80とフィニッシャ部材60との間隔S3より広い。また、補強用ボス80は、腰用衝撃吸収空間74の下方部分を補強するために腰用衝撃吸収空間74の下方に配置され、腰用衝撃吸収空間74の補強する領域から外れる方向に移動できるように補強用ボス80が腰部用インパクターTの腰打撃中心点Gから離れて配置される。さらに、補強用ボス80は、図6に示すように、補強用ボス80の長手方向の長さS1が、プルハンドル取付用開口46(腰用衝撃吸収空間74)の深さS2より短く形成されている。
【0053】
尚、前述の補強用ボス80は、所定の衝撃が加えられた時に脚部用リブ90から外れて倒れ込むよう構成したが、本発明はこれに限られるものではなく、補強用ボス80は、脚部用リブ90が腰用衝撃吸収空間74の補強する領域に潰れ残らないよう脚部用リブ90と共に倒れ込むよう構成したものであっても良い。
【0054】
脚部用リブ90は、図2,図5乃至図8に示すように、所定の衝撃に対して補強部200が移動することにより衝撃を吸収できるように補強用リブ80をアームレスト本体30に対して所定距離S4の間隔を空けて取り付ける。この脚部用リブ90は、第1の脚部用リブ(第1の脚)92と、第2の脚部用リブ(第2の脚)94とを有しており、この第1の脚部用リブ92と第2の脚部用リブ94は、所定の衝撃が加えられた時、補強用ボス80を腰用衝撃吸収空間74の補強する領域に移動させるよう構成されている。
【0055】
第1の脚部用リブ92は、図6に示すように、所定の衝撃を受ける側としての腰部用インパクターTの腰打撃中心点G側に配置され、プルハンドル取付用開口46の底面48Aから補強用ボス80の側部まで延設する。第2の脚部用リブ94は、図6に示すように、脚部用リブ94と略直角に配置され、プルハンドル取付用開口46内の下面48Bから補強用ボス80の下方まで延設する。この第1の脚部用リブ92と第2の脚部用リブ94は、図6に示すように、フィニッシャ部材60から間隔S3を離間して補強用ボス80を保持し、プルハンドル取付用開口46の底面48Aから間隔S4を離間して補強ボス80を保持する。また、第1の脚部用リブ92と第2の脚部用リブ94は、補強用ボス80が腰用衝撃吸収空間74内の下方側に高さに配置するよう補強用ボス80を保持する。
【0056】
次に、上述の補強部200の作用について図8に基づき説明する。図8は車両の側面衝突が起きた際に搭乗者の腰部が車両用アームレスト30に当接した状態を仮定した試験である。
【0057】
図8に示すように、搭乗者の腰部を想定した試験装置の腰部用インパクターTが、フィニッシャ部材60の車両後方の打撃中心点G2に衝突すると、腰部用インパクターTが図8の矢印が示す方向にフィニッシャ部材60を押圧し、腰用衝撃吸収空間74内に進入する。そして、補強部200の補強用ボス80は、腰部用インパクターTが進入した時では、図8に示すように、腰用衝撃吸収空間74を補強するよう腰用衝撃吸収空間74内側に押し込まれたフィニッシャ部材60の裏面側を支持する。そして、補強部200の補強用ボス80は、腰部用インパクターTが図8の矢印が示す方向に向かって腰用衝撃吸収空間74内に更に進入した時では、図8の破線が示すように、腰部用インパクターTが脚部用リブ90の衝撃を受ける側に配置する第1の脚部用リブ92に当接し、補強用ボス80が第1の脚部用リブ92の配置側とは反対側へ倒れ込むように移動する。そして、補強用ボス80は、腰用衝撃吸収空間74内の補強する領域から外れる方向へ移動することにより、プルハンドル取付用開口46の第1の脚部用リブ92が配置されていない側の底面48Aに倒れ込む。そして、腰用衝撃吸収空間74内の下方では、補強部200の補強用ボス80が空間74部分の補強する領域から外れる方向に倒れ込むよう移動することから、空間74部分の補強する領域内に補強用ボス80の潰れ残りが発生しないため、進入してきた腰部用インパクターTからの衝撃を完全に吸収する。
【0058】
以上のとおり、補強部200の補強用ボス80は、衝撃の初期段階では腰用衝撃吸収空間74の下方部分を補強することができる一方、衝撃の後半段階では腰用衝撃吸収空間74の下方部分の補強する領域から外れる方向に移動することができる。このため、腰用衝撃吸収空間74の下方部分は、腰部用インパクターTより衝撃が付与された初期段階では衝撃に対する反力を持ち、腰部用インパクターTより衝撃が付与された後半段階では衝撃に対する反力を持つことなく衝撃を吸収する構造となっている。この結果、腰用衝撃吸収空間74の下方部分は、衝撃の後半段階では、補強用ボス80が、腰用衝撃吸収空間74の下方部分の補強する領域に配置されていないため、空間74部分の補強する領域内に補強用ボス80の潰れ残りが発生することなく腰部用インパクターTからの衝撃を確実に吸収することができる。
【0059】
これにより、腰用衝撃吸収空間74下方部分は、補強部200により、衝撃の初期段階では搭乗者の腰部の要求性能を満たすよう剛性は高く設定され、衝撃の後半段階では搭乗者の腰部と腹部の要求性能を満たすよう剛性を低く設定される。従って、試験中に腹部用インパクターTと腰部用インパクターTが腰用衝撃空間74内に進入した場合でも、腰用衝撃吸収空間74は、搭乗者の腹部と腰部の要求性能を満たすように腹部用インパクターTと腰部用インパクターTによる衝撃を吸収することができる。
【0060】
この結果、腰用衝撃吸収空間74は、空間74の上方部分では剛性を低く設定して搭乗者の腹部の要求性能に応じた衝撃を吸収することができる一方、空間74の下方部分では剛性を高低に可変設定して搭乗者の腰部の要求性能に応じた衝撃を吸収することができる。すなわち、腰用衝撃吸収空間74は、補強部200により搭乗者の腹部の要求性能と搭乗者の腰部の要求性能との両立を実現する。これにより、車両用アームレスト20は、搭乗者への要求性能に応じた衝撃を吸収することができ、搭乗者の安全を確保することができる。
【0061】
尚、補強用ボス80がフィニッシャ部材60と別部材で構成されているため、フィニッシャ部材60に補強用ボス80を一体成形することによる成形不良のヒケ等の問題を回避することができる。また、補強用ボス80がドアトリムロア延設片40と一体成形されているため、硬質ウレタン等で構成された高価なパッド材等を設定する必要がない。
【0062】
次に、上述の補強用ボス80を衝撃吸収空間74の補強する領域から外れる方向に移動し易くする構造について図9に基づき説明する。図9は図2に示す車両用アームレストの変形例であり図5に対応する図である。
【0063】
図9に示すように、第1の脚部用リブ92は、所定の衝撃を受ける側に切欠き部96が形成されている。これにより、第1の脚部用リブ92は切欠き部96が形成されている箇所が薄肉になっているため、第1の脚部用リブ92は衝撃に対する剛性が低く設定されている。また、プルハンドル取付用開口46の底面48Aには、底面48Aの第1の脚部用リブ92の取付け箇所の根元周辺に複数の破断用の穴95が形成されている。第1の脚部用リブ92が複数の破断用の穴95により根元周辺から外れるよう構成される。また、補強用ボス80と第1の脚部用リブ92との接続部分には、スリット97が形成されている。これにより、第1の脚部用リブ92と補強用ボス80との取付剛性は低く設定されている。
【0064】
以上のとおり、図9に示す補強部200は、補強用ボス80を移動させ易くして衝撃吸収空間74の下方部分の衝撃に対する反力を下げることができる。尚、前述の複数の破断用の穴95と、切欠き部96とスリット97のいずれかを第1の脚部用リブ92に対して設定することが可能である。また、前述の複数の破断用の穴95と、切欠き部96とスリット97は、第2の脚部用リブ94にも同様に設定可能である。
【0065】
上述の実施形態では、腹部用インパクターTと腰部用インパクターTの試験装置を用いて車両用ドアトリム100の試験を行った状態について説明したが、上述した試験による車両用アームレスト20の効果は、実車上での車両の側面衝突等が起きた際の車両用アームレスト20でも同様の効果を有する。
【0066】
尚、上述の実施形態では、補強用ボス80と脚部用リブ90がドアトリムロア延設片40と一体的に形成されたものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、補強用ボス80と脚部用リブ90の少なくとも一方がドアトリムロア延設片40と別体で構成されたものであっても良い。
【0067】
また、上述の実施形態では、脚部用リブ90が第1の脚部用リブ92と第2の脚部用リブ94とを構成したものについて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、脚部用リブ90は種々変更することができる。例えば、脚部用リブ90が第1の脚部用リブ92又は第2の脚部用リブ94の一方で構成されたものであっても良く、また、第1の脚部用リブ92がプルハンドル取付用開口46の下面48に設けたが、第1の脚部用リブ92を腰用衝撃吸収空間74の上壁を構成するアームレスト芯材31に設けても良い。
【0068】
更に、上述の実施形態では、アームレスト本体30の側部には着脱式のフィニッシャ部材60を取付けたが、本発明はこれに限定されることなく、アームレスト本体30の側部には着脱式のフィニッシャ部材60を設けていない構造とすることも可能である。
【0069】
また、上述の実施形態では、補強用ボス80が補強用ボス80の側方に倒れるよう構成したが、本発明はこれに限定されることなく、補強用ボス80の倒れる向きは、空間74内の補強する領域から外れる箇所であれば何れの方向でも良い。例えば、補強用ボス80を補強用ボス80の後方側の壁48Aに倒れる構成にし、補強用ボス80が壁48Aの開口部48内に向かって外れる構造でも良い。
【0070】
更に、上述の実施形態では、車両用内装部品として車両用ドアトリム100に設けられた車両用アームレスト20を例にして説明したが、本発明はこれに限定されることなく、リヤサイドトリム、ラゲージサイドトリム、又は、バックドアトリム等に設けられた車両用アームレストに適用することも可能である。また、また、車両用内装部品として車両用ドアトリム自体、ピラーガーニッシュ、インストメントパネル等であっても良い。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る車両用内装部品は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来の車両用アームレストの内部構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用アームレストを適用する車両用ドアトリムの全体外観図である。
【図3】図2に示す車両用アームレストの内部構造とフィニッシャ部材を説明する要部拡大図である。
【図4】図3に示す車両用アームレストの各要部の分解斜視図である。
【図5】図3に示す補強部の要部拡大図である。
【図6】図2に示す車両用アームレストのA−A線の断面図である。
【図7】図2に示す車両用アームレストのP箇所の要部拡大図である。
【図8】図2に示す車両用アームレストのB−B線の断面図であり、試験装置の腰部用インパクターを用いて打撃を加えた状態を示す図である。
【図9】図2に示す車両用アームレストの変形例であり、図5に対応する図である。
【符号の説明】
【0073】
100 車両用ドアトリム
10 ドアトリムアッパー
12 ドアトリムロア
14 ドアトリムセンター
16 インサイドハンドルユニット
17 ドアポケット
18 スピーカグリル
19 ステップランプ
20 車両用アームレスト(車両用内装部品)
30 アームレスト本体(内装品本体)
31 アームレスト芯材
31A 後部
31B 前部
32 クリップ取付座
33 係止用ストッパ
34 クッションパッド
35 アームレスト表皮
36 スイッチパネル
36A 複数のスイッチ用開口
40 ドアトリムロア延設片
42 複数のクリップ取付用開口
44 複数の衝撃吸収用穴
46 プルハンドル取付用開口
46A 取付ベース部
48 成形用開口部
48A 底面
48B 下面
50 プルハンドル
52 座部
54 アームレスト取付孔
56 車体用取付孔
60 フィニッシャ部材
62 取付用クリップ
70 衝撃吸収空間
72 腹用衝撃吸収空間
74 腰用衝撃吸収空間(空間)
200 補強部
80 補強用ボス(補強部本体)
90 脚部用リブ(脚部)
92 第1の脚部用リブ
94 第2の脚部用リブ
95 複数の穴部
96 切り欠き部
97 スリット部
腹部用インパクター
腰部用インパクター
腹打撃中心点
腰打撃中心点
C 打撃重複部分
A 取付具
R 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に所定の空間を有する車両用内装部品において、
前記空間内に設けられ前記空間部分を補強する補強部を備え、
前記補強部は、補強部本体と、
所定の衝撃に対して前記補強部が移動することにより衝撃を吸収できるように前記補強部本体を内装材本体に対して所定の間隔を空けて取り付ける脚部と、を有することを特徴とする車両用内装部品。
【請求項2】
前記脚部は、前記所定の衝撃を受ける側に設けられた第1の脚と、該第1の脚と略直角に設けられた第2の脚と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用内装部品。
【請求項3】
前記内装材本体は、前記補強部本体が取り付けられた位置に対応する箇所に成形時に前記補強部を形成するための開口部が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用内装部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−230552(P2008−230552A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76556(P2007−76556)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】