車両用周辺監視装置
【課題】データの送信回数を少なくすることで通信の負荷を軽減し、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことが可能な車両用周辺監視装置を提供する。
【解決手段】車両の前後に各4個ずつ設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物からの反射波に基づいて障害物までの距離を導出する超音波センサ11〜18と、超音波センサ11〜18へ動作指示信号を送信し、更に超音波センサ11〜18から距離情報を取得して、それに応じて警報を発する制御装置2とを備え、動作指示信号は、複数の超音波センサ11〜18の識別IDからなる識別ID情報と、複数の超音波センサ11〜18に対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、超音波センサ11〜18は動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作する。
【解決手段】車両の前後に各4個ずつ設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物からの反射波に基づいて障害物までの距離を導出する超音波センサ11〜18と、超音波センサ11〜18へ動作指示信号を送信し、更に超音波センサ11〜18から距離情報を取得して、それに応じて警報を発する制御装置2とを備え、動作指示信号は、複数の超音波センサ11〜18の識別IDからなる識別ID情報と、複数の超音波センサ11〜18に対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、超音波センサ11〜18は動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用周辺監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より用いられている車両用周辺監視装置として図21に示すように、2つの超音波センサ81,82と、ECU(制御装置)9とが、シリアル通信線3によってバス接続されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
超音波センサ81,82は、識別ID81,識別ID82をそれぞれ記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物からの反射波に基づいて図示しない障害物までの距離を演算して距離情報を導出する。また、超音波センサ81,82は、電源線4を介してECU9より電源供給されている。
【0004】
ECU9は、シリアル通信線3へ動作指示信号を送出し、更に超音波センサ81、82から距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する報知手段を内部に有する。
【0005】
動作指示信号は、超音波センサ81、または超音波センサ82の識別IDが設定された識別ID情報を有しており、シリアル通信線3を監視している超音波センサ81,82は、動作指示信号に自己の識別IDと一致する識別ID情報が設定されていれば、動作指示信号を受信し、当該動作指示信号に基づいて動作を行う。
【0006】
上記従来より用いられている車両用周辺監視装置において、ECU2が、超音波センサ81,82から距離情報を取得する場合の動作について図22を用いて説明を行う。まず、ECU9が、識別ID情報に識別ID81を設定して超音波の送受信を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS31)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID81を有する超音波センサ81が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて超音波の送受信を行い障害物までの距離を導出して距離情報を格納する。ECU9は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機期間中に超音波センサ81が上記のように導出した距離情報の格納を完了するのである(ステップS32)。
【0007】
次に、待機状態を終えたECU9が、識別ID情報に識別ID81を設定して距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS33)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID81を有する超音波センサ81が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号に基づいて距離情報をECU9へ送信し、ECU9は、当該距離情報を受信して所定の値よりも小さい(車両と障害物との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS34)。
【0008】
続いて、ECU9が、識別ID情報に識別ID82を設定して超音波の送受信を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送信する。(ステップS35)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID82を有する超音波センサ82が、当該動作指示信号を受信し、動作指示信号に基づいて超音波の送受信を行い障害物までの距離を導出して距離情報を格納する。ECU9は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機期間中に超音波センサ82が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS36)。
【0009】
そして、ECU9が、識別ID情報に識別ID82を設定して距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する。(ステップS37)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID82を有する超音波センサ82が、当該動作指示信号を受信し、当該動作指示信号に基づいて距離情報をECU9へ送信し、ECU9は、当該距離情報を受信して所定の値よりも小さい(車両と障害物との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS38)。
【0010】
上記のように、従来より用いられている車載用周辺監視装置では、ECU9が2つの超音波センサ81,82から、障害物までの距離情報を取得するためには、8ステップを要していた。
【特許文献1】特開2003−057340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来例における車両用周辺監視装置では、1つの動作指示信号の識別ID情報に1つの識別IDのみが含まれているため、1つの動作指示信号によって超音波センサ81,82のいずれか一方しか動作させることができず、超音波センサ毎に動作指示信号の送受信が必要となり、動作指示信号の送受信回数が多くなることによって障害物の検知・報知処理に時間がかかると共に通信に負荷がかかっていた。
【0012】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、データの送信回数を少なくすることで通信の負荷を軽減し、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことが可能な車両用周辺監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、車両に複数設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物から反射される超音波に基づいて障害物までの距離を演算して距離情報を導出する超音波センサと、超音波センサへ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサから距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する制御装置とを備え、前記動作指示信号は、2つ以上の超音波センサの識別IDからなる識別ID情報と、当該2つ以上の超音波センサに対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、前記超音波センサは、動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に、動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、動作指示信号の識別ID情報に複数の識別IDが含まれているので、一度の動作指示信号の送信で複数の超音波センサを動作させることができ、制御装置と超音波センサとの間のデータの送信回数が少なくなり、通信に負荷をかけずに短時間で処理を完了することができ、障害物の検知、報知の応答性能が向上する。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記動作指示信号は、当該動作指示信号に基づいて超音波を送信する超音波センサが、動作指示信号を受けてから超音波を送信するまでの時間を示す待ち時間情報を含むことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、超音波の送信指示を受けた超音波センサが超音波の送信を開始する時間を特定することができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記動作指示信号の識別ID情報は、第一、第二の超音波センサの識別IDに設定され、動作モード情報は少なくとも、第一、第二の超音波センサが、各々単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モード、または、第一の超音波センサが超音波の送信を行い障害物からの反射波を第一、第二の超音波センサで受信する渡り検知モードに設定されることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、動作モードが同時検知モードの場合には、各超音波センサが、単独で超音波の送受信を行うことで、各超音波センサが独立して距離情報を取得することができる。
【0019】
また、動作モードが渡り検知モードの場合には、距離情報の補正を行うことで距離情報を精度よく得ることができ、加えて、障害物に対する検知エリアの拡大を図ることができる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記動作指示信号の動作モード情報が同時検知モードの場合において、動作指示信号に含まれる識別ID情報は、最大検知距離が等しい2つ超音波センサの識別IDで構成されることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、超音波の送信指示を受けた各超音波センサが、超音波を送信してから障害物までの距離を導出するのに要する時間を略等しくすることができるので、ECUが各センサに距離情報の出力指示を送信するタイミングを容易に管理することができる。
【0022】
請求項5の発明は、請求項3または4の発明において、前記動作指示信号の動作モード情報が渡り検知モードの場合において、前記超音波センサは、自らが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第一の距離情報を格納する第一のメモリ部と、他の超音波センサが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第二の距離情報を格納する第二のメモリ部とをそれぞれ備え、制御装置から距離情報の送信指示信号を受けると、第一、第二のメモリ部に格納している第一、第二の距離情報を制御装置へ出力することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、各超音波センサに距離情報の出力指示を送信する回数を減らすことができるので、通信負荷を低減することができると共に、障害物を検知するまでの時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明では、データの送信回数を少なくすることで通信の負荷を軽減し、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことが可能な車両用周辺監視装置を提供することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(実施形態1)
本実施形態における車両用周辺監視装置では、図1に示すように、8つの超音波センサ11〜18とECU(制御装置)2とが、シリアル通信線3によりバス接続されている。また、各超音波センサ11〜18は、ECU2に接続された電源線4を介してECU2より電源供給がなされている。
【0027】
そして、超音波センサ11〜18は、図2で示すように、超音波センサ11〜14が車両の前方に並んで配置され、超音波センサ15〜18が車両の後方に並んで配置されている。以降、超音波センサ11〜18を区別しない時は、超音波センサ1と称す。
【0028】
超音波センサ1は、図3に示すように、マイクロフォン1aとセンサ送受波回路1bと制御・演算回路1cと記憶回路1dと通信回路1eと電源回路1fとで構成され、センサ送受波回路1bは、制御・演算回路1cからの指示に応じてマイクロフォン1aを駆動して超音波を送信し、更に障害物に当って反射した超音波(反射波)をマイクロフォン1aが受信した場合に反射波を増幅して制御・演算回路1cに出力する。次に、制御・演算回路1cは、送信波の送信タイミングと反射波の受信タイミングの時間差から障害物までの距離を演算し、距離データを記憶回路1dに格納し、ECU2からの距離情報出力指示に基づいて記憶回路1dより距離データを読み出して通信回路1eを介してECU2へ送信する。また、電源回路1fは、電源線4から得た電力を所望の電源電圧に変換して、マイクロフォン1a、センサ送受波回路1b、演算回路1c、記憶回路1d、通信回路1eへ、それぞれ供給する。なお、制御演算回路1cは、マイクロコンピュータやロジックICであり、記憶回路1dは、制御演算回路1cに内蔵されるRAMやEEPROMであってもよい。
【0029】
そして、超音波センサ11〜18は、各設置位置に応じた識別ID11〜識別ID18が製造時に予め記憶回路1dに格納される。または、本装置の起動時にECU2によって識別ID11〜18が割り付けられて記憶回路1dに格納してもよい。
【0030】
ECU2は、超音波センサ1へ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサ1から距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する報知手段を内蔵する。
【0031】
前記動作指示信号は、ECU2によって生成され、超音波センサ1に超音波の送受信の指示を行う場合には、図4(a)に示すように、データ種別と、動作モードと、識別ID情報と、送波時間との4つのデータから構成され、超音波センサ1に距離情報の出力指示を行う場合には、図4(b)で示すように、データ種別と、動作モードと、識別ID情報との3つのデータから構成される。
【0032】
ここで、データ種別には、動作指示信号を受けた超音波センサ1が距離情報の導出処理を行う場合には01、距離情報の出力を行う場合には02が設定される。また、動作モード情報には、2つの超音波センサ1が単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モードの場合には01、2つの超音センサ1を用いて一つの超音波センサ1が送信を行い2つの超音波センサ1がそれぞれ受信を行う渡り検知モードの場合には02が設定される。
【0033】
次に、識別ID情報は、データ種別に01が設定されている場合には、識別ID1と識別ID2との2つの識別IDから構成されており、同時検知モードの場合には識別ID1、識別ID2にそれぞれ超音波の送受信の両方を行う超音波センサ1の識別IDが設定され、渡り検知モードの場合には、識別ID1に超音波の送受信の両方を行う超音波センサ1の識別IDが設定され、識別ID2には障害物からの反射波の受信のみを行う超音波センサ1の識別IDが設定される。また、データ種別が02に設定されている際には、距離データの出力を行う1つの超音波センサの識別IDが識別ID情報に設定される。
【0034】
続いて、送波時間には、超音波の送信指示を受けた超音波センサ1が、動作指示信号を受けてから超音波の送信を行うまでの待ち時間(ms)が設定される。
【0035】
上記構成からなる本実施形態の車両用周辺監視装置において、図5に示すように、識別ID11、12がそれぞれ設定された超音波センサ11,12(本実施形態では、超音波センサ11、12を用いているが実際はこれに限定されず、超音波センサ1の中から任意の2つの超音波センサ1を用いればよい)を用いて同時検知モードにて障害物の検知を行う場合の動作について図6を用いて説明を行う。
【0036】
まず、ECU2が、図7に示すように、データ種別に01、動作モードに01、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS1)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11と、識別ID12を有する超音波センサ12とが、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後にそれぞれ超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS2)。
次に、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS3)。すると、当該動作指示信号の識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を受信して当該距離情報の値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS4)。続いて、ECU2が、識別IDに識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS5)。すると、当該動作指示信号の識別IDと一致する識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を受信して当該距離情報の値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS6)。
【0037】
このように本実施形態における車両用周辺監視装置では、同時検知モードで、障害物までの距離情報を超音波センサ11,12から得る場合に、6ステップで処理を完了することができ、図22に示す従来の車両用周辺監視装置に比べて動作指示信号の送受信回数が少ないので、通信に負荷がかからず、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことができる。
【0038】
また、動作指示信号に送波時間情報が含まれていることから、超音波の送信指示を受けた超音波センサ11,12が、超音波の送信を開始する時間を特定することができる。
【0039】
加えて、最大検知距離設定値の等しい二つの超音波センサ1を用いた場合には、2つの超音波センサ1が超音波を送信してから障害物までの距離を導出するのに要する時間を略等しくすることができるので、ECU2が各超音波センサ1へ距離情報の出力指示を送信するタイミングを容易に管理することができる。
【0040】
また、上記同時検知モードにおいて、図8に示すように、識別ID情報の識別ID2に00が設定された場合には、動作指示信号の識別ID情報に超音波センサ11の識別ID11のみが含まれるので、図9に示すように、超音波の送受信は超音波センサ11のみが行い、1つの超音波センサ11によって障害物の検知が行われる。
【0041】
次に、図10に示すように、超音波センサ11,12を用いて渡り検知モードにて障害物の検知を行う場合の動作について図11を用いて説明を行う。まずECU2が、図12に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS11)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、超音波センサ11が送信した超音波の障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS12)。
【0042】
次に、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS13)。すると、当該動作指示信号の識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を格納する(ステップS14)。続いて、ECU2が、識別IDに識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS15)。すると、当該動作指示信号の識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は、当該距離情報を受信して当該距離情報を格納する。(ステップS16)。
【0043】
このように渡り検知モードにおいても、ECU2から送出される一度の動作指示信号によって、2つの超音波センサ11,12へ動作指示を行うことができ、動作指示信号の送受信回数が少ないため通信に負荷がかからず、短時間で障害物6の検知・報知処理を行うことができる。
【0044】
次にECU2が、上記超音波センサ11,12から取得する距離情報に基づいて警報を報知する動作について説明する。まず、図13(a)で示すように、ECU2が1つの超音波センサ11を用いて車両と障害物6との間の距離Dを算出する場合は、1つの超音波センサ11によって導出される障害物6までの距離L1と、車両から障害物6までの最短距離Dとの間に差が生じて距離Dが正確に検知できず、障害物6の検知・報知処理が正しく行えない可能性がある。しかしながら、ECU2は、上記渡り検知モードを用いて障害物6の各距離情報を取得することで、図13(b)で示すように、2つの超音波センサ11、12によって導出される障害物6までの距離をL1、L2とすると、車両から障害物6までの最短距離Dは、D≒√{((L1+L2)/2)2−W2}で近似的に求めることができ、車両から障害物6までの最短距離Dを精度よく算出することができる。そして、ECU2は、当該最短距離Dが所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発することで、障害物6の検知・報知処理を正しく行うことができる。
【0045】
更に、上記渡り検知モードでは、超音波センサ11から送信された超音波を、超音波センサ11に加えて超音波センサ12でも受信することから、図14(a)に示すように障害物7が超音波センサ11の検知可能エリア外にある場合や、障害物7が角張っていて障害物7からの反射波を超音波センサ11が得られないような場合であっても、図14(b)で示すように、超音波センサ12が障害物7からの反射波を受信することで障害物7の検知を行うことができる。従って、2つの超音波センサ11,12で渡り検知モードによって障害物7を検知することで、超音波センサ11単独で障害物7の検知を行う場合に比べて、障害物7の検知可能エリアを拡大することができる。
【0046】
(実施形態2)
本発明の実施形態3について図15〜20を用いて説明を行う。なお、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態における車両用周辺監視装置では、図15(a)、(b)で示すように、2つの超音波センサ11,12を用いて、最初に超音波センサ11が超音波の送信を行う渡り検知モードにて障害物6の検知を行い、次に、超音波センサ12が超音波の送信を行う渡り検知モードにて障害物6の検知を行う複数回検知を行っている。
【0048】
そして、超音波センサ1は、図16に示すように記憶回路1dに、自ら超音波を送信して当該超音波の障害物6から反射波を受信することで導出した距離情報1を格納する第一のメモリ部1mと、自らは超音波を送信せず他の超音波センサが送信した超音波の障害物6からの反射波を受信することで導出した距離情報2を格納する第二のメモリ部1nとを有している。
【0049】
以下、本実施形態における車両用周辺監視装置の動作について図17を用いて説明を行う。まず、ECU2が、図18(a)に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS21)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を演算処理し距離データを第一のメモリ部1mに格納する(図19(a)参照)。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出し距離データを第二のメモリ部1nに格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS22)。
【0050】
次に、ECU2が、図18(b)に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に12、識別ID2に11、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS23)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出し距離データを第一のメモリ部1mに格納する(図19(b)参照)。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出し距離データを第二のメモリ部1nに格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS24)。
【0051】
続いて、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号(図18(c)参照)をシリアル通信線3へ送出する(ステップS25)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている2つの距離情報(距離情報1、距離情報2)をECU2へ出力し(図20(a)参照)、ECU2は当該2つの距離情報を受信して当該距離情報を格納する(ステップS26)。そして、ECU2へ距離データを送信した後、超音波センサ11の記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nは、共に空きとなる(図19(c)参照)。
【0052】
更に、ECU2が、図18(d)に示すように、識別ID情報に識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS27)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている2つの距離情報(距離情報1、距離情報2)をECU2へ出力し(図20(b)参照)、ECU2は当該2つの距離情報を受信して当該距離情報を格納する(ステップS28)。そして、ECU2へ距離データを送信した後、超音波センサ12の記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nは、共に空きとなる(図19(d)参照)。
【0053】
そして、ECU2は、距離情報1をL1、距離情報2をL2として、車両から障害物6までの最短距離Dを、D≒√{((L1+L2)/2)2−W2}で近似的に求めて、最短距離Dの値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する。
【0054】
以上のように、本実施形態における車両用周辺監視装置では、ECU2から送出される一度の動作指示信号(送波指示)によって、2つの超音波センサ11,12へ超音波の送受信命令を行うことができ、動作指示信号の送受信回数が少ないため通信に負荷がかからず、短時間で障害物6の検知・報知処理を行うことができ、更には、一度の動作指示信号(距離情報出力の指示)で、超音波センサ11、または超音波センサ12の、第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている距離情報1、距離情報2の両方の出力が行われるので、動作指示信号の出力指示回数が減少し、通信負荷の低減と障害物6の検知・報知速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態1における車両用周辺監視装置の概略構成図を示す。
【図2】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの配置概略図を示す。
【図3】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの概略構成図を示す。
【図4】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号の構成図を示し、(a)は、超音波センサに距離情報を導出される時、(b)は、超音波センサに距離情報を出力させる時の構成を示す。
【図5】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの概略図を示す。
【図6】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの動作を示すフローチャートである。
【図7】同上における車両用周辺監視装置のステップS1で送出される動作指示信号のデータ値を示す。
【図8】同上における車両用周辺監視装置で1つの超音波センサ11のみに動作指示を与える場合の動作指示信号のデータ値を示す。
【図9】同上における車両用周辺監視装置で1つの超音波センサ11のみを動作させた場合の概略図を示す。
【図10】同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードの概略図を示す。
【図11】同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードの動作を示すフローチャートである。
【図12】同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号のデータ値を示す。
【図13】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードでの構成概略図を示し、(a)は、一つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合、(b)は、2つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合を示す。
【図14】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードでの構成概略図を示し、(a)は、一つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合、(b)は、2つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合を示す。
【図15】(a)、(b)は、本発明の実施形態2における車両用周辺監視装置の概略図を示し、(a)は、一方の超音波センサが超音波の送信を行う場合、(b)は、他方の超音波センサが超音波の送信を行う場合を示す。
【図16】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの記憶回路の概略構成図を示す。
【図17】同上における車両用周辺監視装置において、2回にわたり渡り検知モードを行う際の動作を示すフローチャートである。
【図18】(a)〜(d)は、同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号及び距離情報出力指示を示し、(a)は、動作指示信号の構成、(b)は、動作指示信号の構成、(c)は、距離情報出力指示の構成、(d)は、距離情報出力要求の構成を示す。
【図19】(a)〜(d)は、同上における車両用周辺監視装置の超音波センサのメモリ状態を示す。
【図20】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の各超音波センサから得られた距離情報を示し、(a)は、超音波センサ11から得られた距離情報を示し、(b)は、超音波センサ12から得られた距離情報を示す。
【図21】従来例における車両用周辺監視装置の概略構成図を示す。
【図22】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
2 ECU(制御装置)
3 シリアル通信線
4 電源線
11〜18 超音波センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用周辺監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より用いられている車両用周辺監視装置として図21に示すように、2つの超音波センサ81,82と、ECU(制御装置)9とが、シリアル通信線3によってバス接続されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
超音波センサ81,82は、識別ID81,識別ID82をそれぞれ記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物からの反射波に基づいて図示しない障害物までの距離を演算して距離情報を導出する。また、超音波センサ81,82は、電源線4を介してECU9より電源供給されている。
【0004】
ECU9は、シリアル通信線3へ動作指示信号を送出し、更に超音波センサ81、82から距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する報知手段を内部に有する。
【0005】
動作指示信号は、超音波センサ81、または超音波センサ82の識別IDが設定された識別ID情報を有しており、シリアル通信線3を監視している超音波センサ81,82は、動作指示信号に自己の識別IDと一致する識別ID情報が設定されていれば、動作指示信号を受信し、当該動作指示信号に基づいて動作を行う。
【0006】
上記従来より用いられている車両用周辺監視装置において、ECU2が、超音波センサ81,82から距離情報を取得する場合の動作について図22を用いて説明を行う。まず、ECU9が、識別ID情報に識別ID81を設定して超音波の送受信を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS31)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID81を有する超音波センサ81が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて超音波の送受信を行い障害物までの距離を導出して距離情報を格納する。ECU9は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機期間中に超音波センサ81が上記のように導出した距離情報の格納を完了するのである(ステップS32)。
【0007】
次に、待機状態を終えたECU9が、識別ID情報に識別ID81を設定して距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS33)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID81を有する超音波センサ81が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号に基づいて距離情報をECU9へ送信し、ECU9は、当該距離情報を受信して所定の値よりも小さい(車両と障害物との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS34)。
【0008】
続いて、ECU9が、識別ID情報に識別ID82を設定して超音波の送受信を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送信する。(ステップS35)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID82を有する超音波センサ82が、当該動作指示信号を受信し、動作指示信号に基づいて超音波の送受信を行い障害物までの距離を導出して距離情報を格納する。ECU9は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機期間中に超音波センサ82が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS36)。
【0009】
そして、ECU9が、識別ID情報に識別ID82を設定して距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する。(ステップS37)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報と一致する識別ID82を有する超音波センサ82が、当該動作指示信号を受信し、当該動作指示信号に基づいて距離情報をECU9へ送信し、ECU9は、当該距離情報を受信して所定の値よりも小さい(車両と障害物との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS38)。
【0010】
上記のように、従来より用いられている車載用周辺監視装置では、ECU9が2つの超音波センサ81,82から、障害物までの距離情報を取得するためには、8ステップを要していた。
【特許文献1】特開2003−057340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来例における車両用周辺監視装置では、1つの動作指示信号の識別ID情報に1つの識別IDのみが含まれているため、1つの動作指示信号によって超音波センサ81,82のいずれか一方しか動作させることができず、超音波センサ毎に動作指示信号の送受信が必要となり、動作指示信号の送受信回数が多くなることによって障害物の検知・報知処理に時間がかかると共に通信に負荷がかかっていた。
【0012】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、データの送信回数を少なくすることで通信の負荷を軽減し、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことが可能な車両用周辺監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、車両に複数設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物から反射される超音波に基づいて障害物までの距離を演算して距離情報を導出する超音波センサと、超音波センサへ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサから距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する制御装置とを備え、前記動作指示信号は、2つ以上の超音波センサの識別IDからなる識別ID情報と、当該2つ以上の超音波センサに対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、前記超音波センサは、動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に、動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、動作指示信号の識別ID情報に複数の識別IDが含まれているので、一度の動作指示信号の送信で複数の超音波センサを動作させることができ、制御装置と超音波センサとの間のデータの送信回数が少なくなり、通信に負荷をかけずに短時間で処理を完了することができ、障害物の検知、報知の応答性能が向上する。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記動作指示信号は、当該動作指示信号に基づいて超音波を送信する超音波センサが、動作指示信号を受けてから超音波を送信するまでの時間を示す待ち時間情報を含むことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、超音波の送信指示を受けた超音波センサが超音波の送信を開始する時間を特定することができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記動作指示信号の識別ID情報は、第一、第二の超音波センサの識別IDに設定され、動作モード情報は少なくとも、第一、第二の超音波センサが、各々単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モード、または、第一の超音波センサが超音波の送信を行い障害物からの反射波を第一、第二の超音波センサで受信する渡り検知モードに設定されることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、動作モードが同時検知モードの場合には、各超音波センサが、単独で超音波の送受信を行うことで、各超音波センサが独立して距離情報を取得することができる。
【0019】
また、動作モードが渡り検知モードの場合には、距離情報の補正を行うことで距離情報を精度よく得ることができ、加えて、障害物に対する検知エリアの拡大を図ることができる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記動作指示信号の動作モード情報が同時検知モードの場合において、動作指示信号に含まれる識別ID情報は、最大検知距離が等しい2つ超音波センサの識別IDで構成されることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、超音波の送信指示を受けた各超音波センサが、超音波を送信してから障害物までの距離を導出するのに要する時間を略等しくすることができるので、ECUが各センサに距離情報の出力指示を送信するタイミングを容易に管理することができる。
【0022】
請求項5の発明は、請求項3または4の発明において、前記動作指示信号の動作モード情報が渡り検知モードの場合において、前記超音波センサは、自らが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第一の距離情報を格納する第一のメモリ部と、他の超音波センサが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第二の距離情報を格納する第二のメモリ部とをそれぞれ備え、制御装置から距離情報の送信指示信号を受けると、第一、第二のメモリ部に格納している第一、第二の距離情報を制御装置へ出力することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、各超音波センサに距離情報の出力指示を送信する回数を減らすことができるので、通信負荷を低減することができると共に、障害物を検知するまでの時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明では、データの送信回数を少なくすることで通信の負荷を軽減し、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことが可能な車両用周辺監視装置を提供することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(実施形態1)
本実施形態における車両用周辺監視装置では、図1に示すように、8つの超音波センサ11〜18とECU(制御装置)2とが、シリアル通信線3によりバス接続されている。また、各超音波センサ11〜18は、ECU2に接続された電源線4を介してECU2より電源供給がなされている。
【0027】
そして、超音波センサ11〜18は、図2で示すように、超音波センサ11〜14が車両の前方に並んで配置され、超音波センサ15〜18が車両の後方に並んで配置されている。以降、超音波センサ11〜18を区別しない時は、超音波センサ1と称す。
【0028】
超音波センサ1は、図3に示すように、マイクロフォン1aとセンサ送受波回路1bと制御・演算回路1cと記憶回路1dと通信回路1eと電源回路1fとで構成され、センサ送受波回路1bは、制御・演算回路1cからの指示に応じてマイクロフォン1aを駆動して超音波を送信し、更に障害物に当って反射した超音波(反射波)をマイクロフォン1aが受信した場合に反射波を増幅して制御・演算回路1cに出力する。次に、制御・演算回路1cは、送信波の送信タイミングと反射波の受信タイミングの時間差から障害物までの距離を演算し、距離データを記憶回路1dに格納し、ECU2からの距離情報出力指示に基づいて記憶回路1dより距離データを読み出して通信回路1eを介してECU2へ送信する。また、電源回路1fは、電源線4から得た電力を所望の電源電圧に変換して、マイクロフォン1a、センサ送受波回路1b、演算回路1c、記憶回路1d、通信回路1eへ、それぞれ供給する。なお、制御演算回路1cは、マイクロコンピュータやロジックICであり、記憶回路1dは、制御演算回路1cに内蔵されるRAMやEEPROMであってもよい。
【0029】
そして、超音波センサ11〜18は、各設置位置に応じた識別ID11〜識別ID18が製造時に予め記憶回路1dに格納される。または、本装置の起動時にECU2によって識別ID11〜18が割り付けられて記憶回路1dに格納してもよい。
【0030】
ECU2は、超音波センサ1へ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサ1から距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する報知手段を内蔵する。
【0031】
前記動作指示信号は、ECU2によって生成され、超音波センサ1に超音波の送受信の指示を行う場合には、図4(a)に示すように、データ種別と、動作モードと、識別ID情報と、送波時間との4つのデータから構成され、超音波センサ1に距離情報の出力指示を行う場合には、図4(b)で示すように、データ種別と、動作モードと、識別ID情報との3つのデータから構成される。
【0032】
ここで、データ種別には、動作指示信号を受けた超音波センサ1が距離情報の導出処理を行う場合には01、距離情報の出力を行う場合には02が設定される。また、動作モード情報には、2つの超音波センサ1が単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モードの場合には01、2つの超音センサ1を用いて一つの超音波センサ1が送信を行い2つの超音波センサ1がそれぞれ受信を行う渡り検知モードの場合には02が設定される。
【0033】
次に、識別ID情報は、データ種別に01が設定されている場合には、識別ID1と識別ID2との2つの識別IDから構成されており、同時検知モードの場合には識別ID1、識別ID2にそれぞれ超音波の送受信の両方を行う超音波センサ1の識別IDが設定され、渡り検知モードの場合には、識別ID1に超音波の送受信の両方を行う超音波センサ1の識別IDが設定され、識別ID2には障害物からの反射波の受信のみを行う超音波センサ1の識別IDが設定される。また、データ種別が02に設定されている際には、距離データの出力を行う1つの超音波センサの識別IDが識別ID情報に設定される。
【0034】
続いて、送波時間には、超音波の送信指示を受けた超音波センサ1が、動作指示信号を受けてから超音波の送信を行うまでの待ち時間(ms)が設定される。
【0035】
上記構成からなる本実施形態の車両用周辺監視装置において、図5に示すように、識別ID11、12がそれぞれ設定された超音波センサ11,12(本実施形態では、超音波センサ11、12を用いているが実際はこれに限定されず、超音波センサ1の中から任意の2つの超音波センサ1を用いればよい)を用いて同時検知モードにて障害物の検知を行う場合の動作について図6を用いて説明を行う。
【0036】
まず、ECU2が、図7に示すように、データ種別に01、動作モードに01、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS1)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11と、識別ID12を有する超音波センサ12とが、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後にそれぞれ超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS2)。
次に、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS3)。すると、当該動作指示信号の識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を受信して当該距離情報の値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS4)。続いて、ECU2が、識別IDに識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS5)。すると、当該動作指示信号の識別IDと一致する識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を受信して当該距離情報の値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する(ステップS6)。
【0037】
このように本実施形態における車両用周辺監視装置では、同時検知モードで、障害物までの距離情報を超音波センサ11,12から得る場合に、6ステップで処理を完了することができ、図22に示す従来の車両用周辺監視装置に比べて動作指示信号の送受信回数が少ないので、通信に負荷がかからず、短時間で障害物の検知・報知処理を行うことができる。
【0038】
また、動作指示信号に送波時間情報が含まれていることから、超音波の送信指示を受けた超音波センサ11,12が、超音波の送信を開始する時間を特定することができる。
【0039】
加えて、最大検知距離設定値の等しい二つの超音波センサ1を用いた場合には、2つの超音波センサ1が超音波を送信してから障害物までの距離を導出するのに要する時間を略等しくすることができるので、ECU2が各超音波センサ1へ距離情報の出力指示を送信するタイミングを容易に管理することができる。
【0040】
また、上記同時検知モードにおいて、図8に示すように、識別ID情報の識別ID2に00が設定された場合には、動作指示信号の識別ID情報に超音波センサ11の識別ID11のみが含まれるので、図9に示すように、超音波の送受信は超音波センサ11のみが行い、1つの超音波センサ11によって障害物の検知が行われる。
【0041】
次に、図10に示すように、超音波センサ11,12を用いて渡り検知モードにて障害物の検知を行う場合の動作について図11を用いて説明を行う。まずECU2が、図12に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS11)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、超音波センサ11が送信した超音波の障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出して記憶回路1dに距離情報を格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS12)。
【0042】
次に、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS13)。すると、当該動作指示信号の識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は当該距離情報を格納する(ステップS14)。続いて、ECU2が、識別IDに識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS15)。すると、当該動作指示信号の識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて距離情報を記憶回路1dから読み出してECU2へ送信し、ECU2は、当該距離情報を受信して当該距離情報を格納する。(ステップS16)。
【0043】
このように渡り検知モードにおいても、ECU2から送出される一度の動作指示信号によって、2つの超音波センサ11,12へ動作指示を行うことができ、動作指示信号の送受信回数が少ないため通信に負荷がかからず、短時間で障害物6の検知・報知処理を行うことができる。
【0044】
次にECU2が、上記超音波センサ11,12から取得する距離情報に基づいて警報を報知する動作について説明する。まず、図13(a)で示すように、ECU2が1つの超音波センサ11を用いて車両と障害物6との間の距離Dを算出する場合は、1つの超音波センサ11によって導出される障害物6までの距離L1と、車両から障害物6までの最短距離Dとの間に差が生じて距離Dが正確に検知できず、障害物6の検知・報知処理が正しく行えない可能性がある。しかしながら、ECU2は、上記渡り検知モードを用いて障害物6の各距離情報を取得することで、図13(b)で示すように、2つの超音波センサ11、12によって導出される障害物6までの距離をL1、L2とすると、車両から障害物6までの最短距離Dは、D≒√{((L1+L2)/2)2−W2}で近似的に求めることができ、車両から障害物6までの最短距離Dを精度よく算出することができる。そして、ECU2は、当該最短距離Dが所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発することで、障害物6の検知・報知処理を正しく行うことができる。
【0045】
更に、上記渡り検知モードでは、超音波センサ11から送信された超音波を、超音波センサ11に加えて超音波センサ12でも受信することから、図14(a)に示すように障害物7が超音波センサ11の検知可能エリア外にある場合や、障害物7が角張っていて障害物7からの反射波を超音波センサ11が得られないような場合であっても、図14(b)で示すように、超音波センサ12が障害物7からの反射波を受信することで障害物7の検知を行うことができる。従って、2つの超音波センサ11,12で渡り検知モードによって障害物7を検知することで、超音波センサ11単独で障害物7の検知を行う場合に比べて、障害物7の検知可能エリアを拡大することができる。
【0046】
(実施形態2)
本発明の実施形態3について図15〜20を用いて説明を行う。なお、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態における車両用周辺監視装置では、図15(a)、(b)で示すように、2つの超音波センサ11,12を用いて、最初に超音波センサ11が超音波の送信を行う渡り検知モードにて障害物6の検知を行い、次に、超音波センサ12が超音波の送信を行う渡り検知モードにて障害物6の検知を行う複数回検知を行っている。
【0048】
そして、超音波センサ1は、図16に示すように記憶回路1dに、自ら超音波を送信して当該超音波の障害物6から反射波を受信することで導出した距離情報1を格納する第一のメモリ部1mと、自らは超音波を送信せず他の超音波センサが送信した超音波の障害物6からの反射波を受信することで導出した距離情報2を格納する第二のメモリ部1nとを有している。
【0049】
以下、本実施形態における車両用周辺監視装置の動作について図17を用いて説明を行う。まず、ECU2が、図18(a)に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に11、識別ID2に12、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS21)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を演算処理し距離データを第一のメモリ部1mに格納する(図19(a)参照)。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物6までの距離を導出し距離データを第二のメモリ部1nに格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS22)。
【0050】
次に、ECU2が、図18(b)に示すように、データ種別に01、動作モードに02、識別ID情報の識別ID1に12、識別ID2に11、送波時間に10(ms)が設定された動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS23)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12が、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、当該動作指示信号の受信後10ms後に超音波を送信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出し距離データを第一のメモリ部1mに格納する(図19(b)参照)。また、動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11は、当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、障害物6からの反射波を受信することで障害物までの距離を導出し距離データを第二のメモリ部1nに格納する。ECU2は、動作指示信号を送信してから予め決められた所定時間が経過するまでの期間は待機状態となる。この待機状態期間中に超音波センサ11、12が上記のように距離情報の格納を完了するのである(ステップS24)。
【0051】
続いて、待機状態を終えたECU2が、識別ID情報に識別ID11を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号(図18(c)参照)をシリアル通信線3へ送出する(ステップS25)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID11を有する超音波センサ11が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている2つの距離情報(距離情報1、距離情報2)をECU2へ出力し(図20(a)参照)、ECU2は当該2つの距離情報を受信して当該距離情報を格納する(ステップS26)。そして、ECU2へ距離データを送信した後、超音波センサ11の記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nは、共に空きとなる(図19(c)参照)。
【0052】
更に、ECU2が、図18(d)に示すように、識別ID情報に識別ID12を設定し、距離情報の出力を指示する動作指示信号をシリアル通信線3へ送出する(ステップS27)。すると、当該動作指示信号の識別ID情報に設定された識別ID12を有する超音波センサ12が当該動作指示信号をシリアル通信線3から受信し、動作指示信号に基づいて記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている2つの距離情報(距離情報1、距離情報2)をECU2へ出力し(図20(b)参照)、ECU2は当該2つの距離情報を受信して当該距離情報を格納する(ステップS28)。そして、ECU2へ距離データを送信した後、超音波センサ12の記憶回路1dの第一、第二のメモリ部1m、1nは、共に空きとなる(図19(d)参照)。
【0053】
そして、ECU2は、距離情報1をL1、距離情報2をL2として、車両から障害物6までの最短距離Dを、D≒√{((L1+L2)/2)2−W2}で近似的に求めて、最短距離Dの値が所定の値よりも小さい(車両と障害物6との距離が所定の距離よりも近い)場合には、警報を発する。
【0054】
以上のように、本実施形態における車両用周辺監視装置では、ECU2から送出される一度の動作指示信号(送波指示)によって、2つの超音波センサ11,12へ超音波の送受信命令を行うことができ、動作指示信号の送受信回数が少ないため通信に負荷がかからず、短時間で障害物6の検知・報知処理を行うことができ、更には、一度の動作指示信号(距離情報出力の指示)で、超音波センサ11、または超音波センサ12の、第一、第二のメモリ部1m、1nに格納されている距離情報1、距離情報2の両方の出力が行われるので、動作指示信号の出力指示回数が減少し、通信負荷の低減と障害物6の検知・報知速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態1における車両用周辺監視装置の概略構成図を示す。
【図2】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの配置概略図を示す。
【図3】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの概略構成図を示す。
【図4】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号の構成図を示し、(a)は、超音波センサに距離情報を導出される時、(b)は、超音波センサに距離情報を出力させる時の構成を示す。
【図5】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの概略図を示す。
【図6】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの動作を示すフローチャートである。
【図7】同上における車両用周辺監視装置のステップS1で送出される動作指示信号のデータ値を示す。
【図8】同上における車両用周辺監視装置で1つの超音波センサ11のみに動作指示を与える場合の動作指示信号のデータ値を示す。
【図9】同上における車両用周辺監視装置で1つの超音波センサ11のみを動作させた場合の概略図を示す。
【図10】同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードの概略図を示す。
【図11】同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードの動作を示すフローチャートである。
【図12】同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号のデータ値を示す。
【図13】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードでの構成概略図を示し、(a)は、一つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合、(b)は、2つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合を示す。
【図14】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の渡り検知モードでの構成概略図を示し、(a)は、一つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合、(b)は、2つの超音波センサで超音波の送受信を行う場合を示す。
【図15】(a)、(b)は、本発明の実施形態2における車両用周辺監視装置の概略図を示し、(a)は、一方の超音波センサが超音波の送信を行う場合、(b)は、他方の超音波センサが超音波の送信を行う場合を示す。
【図16】同上における車両用周辺監視装置の超音波センサの記憶回路の概略構成図を示す。
【図17】同上における車両用周辺監視装置において、2回にわたり渡り検知モードを行う際の動作を示すフローチャートである。
【図18】(a)〜(d)は、同上における車両用周辺監視装置の動作指示信号及び距離情報出力指示を示し、(a)は、動作指示信号の構成、(b)は、動作指示信号の構成、(c)は、距離情報出力指示の構成、(d)は、距離情報出力要求の構成を示す。
【図19】(a)〜(d)は、同上における車両用周辺監視装置の超音波センサのメモリ状態を示す。
【図20】(a)、(b)は、同上における車両用周辺監視装置の各超音波センサから得られた距離情報を示し、(a)は、超音波センサ11から得られた距離情報を示し、(b)は、超音波センサ12から得られた距離情報を示す。
【図21】従来例における車両用周辺監視装置の概略構成図を示す。
【図22】同上における車両用周辺監視装置の同時検知モードの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
2 ECU(制御装置)
3 シリアル通信線
4 電源線
11〜18 超音波センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に複数設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物から反射される超音波に基づいて障害物までの距離を演算して距離情報を導出する超音波センサと、
超音波センサへ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサから距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する制御装置とを備え、
前記動作指示信号は、2つ以上の超音波センサの識別IDからなる識別ID情報と、当該2つ以上の超音波センサに対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、前記超音波センサは、動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に、動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作することを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項2】
前記動作指示信号は、当該動作指示信号に基づいて超音波を送信する超音波センサが、動作指示信号を受けてから超音波を送信するまでの時間を示す待ち時間情報を含むことを特徴とする請求項1記載の車両用周辺監視装置。
【請求項3】
前記動作指示信号の識別ID情報は、第一、第二の超音波センサの識別IDに設定され、動作モード情報は少なくとも、第一、第二の超音波センサが、各々単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モード、または、第一の超音波センサが超音波の送信を行い障害物からの反射波を第一、第二の超音波センサで受信する渡り検知モードに設定されることを特徴とする請求項1または2記載の車両用周辺監視装置。
【請求項4】
前記動作指示信号の動作モード情報が同時検知モードの場合において、動作指示信号に含まれる識別ID情報は、最大検知距離が等しい2つ超音波センサの識別IDで構成されることを特徴とする請求項3記載の車両用周辺監視装置。
【請求項5】
前記動作指示信号の動作モード情報が渡り検知モードの場合において、前記超音波センサは、自らが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第一の距離情報を格納する第一のメモリ部と、他の超音波センサが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第二の距離情報を格納する第二のメモリ部とをそれぞれ備え、制御装置から距離情報の送信指示信号を受けると、第一、第二のメモリ部に格納している第一、第二の距離情報を制御装置へ出力することを特徴とする請求項3または4記載の車両用周辺監視装置。
【請求項1】
車両に複数設けられ、各設置位置に応じた識別IDを記憶すると共に、超音波を送受信し、障害物から反射される超音波に基づいて障害物までの距離を演算して距離情報を導出する超音波センサと、
超音波センサへ、動作指示信号を送信し、更に超音波センサから距離情報を取得して、当該距離情報に応じて警報を発する制御装置とを備え、
前記動作指示信号は、2つ以上の超音波センサの識別IDからなる識別ID情報と、当該2つ以上の超音波センサに対して指示する動作内容を示す動作モード情報とを含み、前記超音波センサは、動作指示信号に含まれる識別ID情報と自己の識別IDとが一致する場合に、動作指示信号に含まれる動作モード情報に基づいて動作することを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項2】
前記動作指示信号は、当該動作指示信号に基づいて超音波を送信する超音波センサが、動作指示信号を受けてから超音波を送信するまでの時間を示す待ち時間情報を含むことを特徴とする請求項1記載の車両用周辺監視装置。
【請求項3】
前記動作指示信号の識別ID情報は、第一、第二の超音波センサの識別IDに設定され、動作モード情報は少なくとも、第一、第二の超音波センサが、各々単独で超音波の送受信を行い障害物までの距離を演算する同時検知モード、または、第一の超音波センサが超音波の送信を行い障害物からの反射波を第一、第二の超音波センサで受信する渡り検知モードに設定されることを特徴とする請求項1または2記載の車両用周辺監視装置。
【請求項4】
前記動作指示信号の動作モード情報が同時検知モードの場合において、動作指示信号に含まれる識別ID情報は、最大検知距離が等しい2つ超音波センサの識別IDで構成されることを特徴とする請求項3記載の車両用周辺監視装置。
【請求項5】
前記動作指示信号の動作モード情報が渡り検知モードの場合において、前記超音波センサは、自らが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第一の距離情報を格納する第一のメモリ部と、他の超音波センサが送信した超音波の障害物からの反射波を自らが受信することで得られる障害物までの第二の距離情報を格納する第二のメモリ部とをそれぞれ備え、制御装置から距離情報の送信指示信号を受けると、第一、第二のメモリ部に格納している第一、第二の距離情報を制御装置へ出力することを特徴とする請求項3または4記載の車両用周辺監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−85277(P2010−85277A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255412(P2008−255412)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]