説明

車両用外装部品

【課題】自己発光することができる車両用外装部品を提供する。
【解決手段】フロントバンパ2の開口部11にグリル部品4を取り付ける。グリル部品4の部品本体21における車両後方R側に灯体31を設け、灯体31からの光41を部品本体21の裏面側から当該部品本体21内へ投光可能に構成する。グリル部品4を透明性を有した樹脂61で形成し、樹脂61内に、光41を反射するフレーク状の反射片62を多数設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられる車両用外装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図2の(a)に示すように、車両のフロントバンパ801には、バンパグリル802が設けられており、当該バンパグリル802に変化を付ける為に、本願出願人によってバンパグリル802を全体的に光らせる技術が発明されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
すなわち、前記フロントバンパ801の開口部811には、グリル部品812,812が取り付けられている。該グリル部品812は、図2の(b)に示すように、車両前方F側を構成する前面813と、該前面813の上縁より車両後方R側へ延出する上面814と、前記前面813の下縁より車両後方R側へ延出する下面815とを備えており、当該グリル部品812は、車両後方R側に開口した断面コ字状に形成されている。
【0004】
このグリル部品812は、透明色の樹脂によって形成されており、その表面には、表面処理部821が形成されている。前記表面処理部821には、裏側に設けられた灯体822からの光823を当該グリル部品812の表面側に透過する透過部824が設けられている。
【0005】
これにより、前記灯体822からの光823を透明性を有した前記グリル部品812を通過させるとともに、前記表面処理部821に設けられた前記透過部824を介して表面側へ透過することにより、当該グリル部品812の表面を発光できるように構成されている。
【特許文献1】特願2006−290596号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の車両用外装部品にあっては、前記灯体822からの光823を前記グリル部品812の表面で反射して光られる構造上、光かたが間接的であった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、自己発光することができる車両用外装部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の車両用外装部品においては、車両に取り付けられる部品本体の裏側に該部品本体へ光を当てる発光手段が設けられた車両用外装部品であって、前記部品本体を、光を反射するフレーク状の反射片を含有した透明性を有する樹脂で形成した。
【0009】
すなわち、車両に取り付けられる部品本体は、透明性を有した樹脂によって形成されており、この樹脂内には、光を反射するフレーク状の反射片が設けられている。
【0010】
このため、この部品本体の裏側に設けられた発光手段によって該部品本体に光を当てた際には、その光が前記部品本体を透過することで、当該部品本体が発光する。
【0011】
このとき、前記部品本体を形成する前記樹脂内には、フレーク状の反射片が設けられている。このため、前記発光手段からの光が前記反射片で反射することによって、当該部品本体内の前記反射片が光り輝く。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明の請求項1の車両用外装部品にあっては、前記部品本体の裏側に設けられた発光手段で当該部品本体に光を当てた際に、その光を前記部品本体を透過させることで、当該部品本体自体を発光させることができる。
【0013】
このため、灯体からの光をグリル部品の表面で反射して光らせる構造上、光かたが間接的であった従来と比較して、前記部品本体を全体的に均一に光らせることができる。
【0014】
このとき、前記部品本体を形成する前記樹脂内には、フレーク状の反射片が設けられている。このため、前記発光手段からの光が前記反射片で反射することで、当該部品本体内の前記反射片を光り輝かせることができる。
【0015】
これにより、前記部品本体を見る角度によって、当該部品本体をキラキラ光らせることができる。
【0016】
このため、走行等によって見る角度が変化する本願発明の車両用外装部品においては、前記部品本体がキラキラ光るように見せることができるため、その意外性によってインパクトを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる車両用外装部品の一例を示す図である。該車両用外装部品は、車両1の外側に取り付けられる部品で、その一例として車両のフロントバンパ2に設けられたバンパグリル3を構成するグリル部品4,4が示されている。
【0018】
すなわち、前記フロントバンパ2には、通気用の開口部11が設けられており、該開口部11には、前記グリル部品4,4が取り付けられている。
【0019】
該グリル部品4の部品本体21は、長尺状に形成されており、当該グリル部品4は、前記開口部11内に配置された状態で、その両端部が前記フロントバンパ2に固定されている。この固定状態において、前記開口部11内は、前記部品本体21によって上下に区画されており、当該フロントバンパ2に前記バンパグリル3が形成されている。
【0020】
前記部品本体21の車両後方R側には、発光手段としての灯体31,31がナンバープレート32を境とした左右の二箇所に設けられており、該灯体31は、図外のステーで前記フロントバンパ2に固定された例えばLEDによって構成されている。各灯体31,・・・は、例えばヘッドライトのスイッチ操作に連動して通電されるように構成されており、通電時に発光するように構成されている。
【0021】
これにより、前記各灯体31,・・・は、図1の(b)に示すように、発光した光41を前記部品本体21の裏面側から当該部品本体21内部へ投光するように構成されている。
【0022】
このグリル部品4の前記部品本体21は、車両前方F側を構成する前面51と、該前面51の上縁より車両後方R側へ延出する上面52と、前記前面51の下縁より車両後方R側へ延出する下面53とを備えてなり、当該部品本体21は、車両後方R側に開口した断面コ字状に形成されている。
【0023】
当該グリル部品4は、透明性を有した樹脂61によって形成されており、例えば無色透明に形成されている。このグリル部品4を形成する前記樹脂61には、光41を反射するフレーク状の反射片62が多数設けられており、これら反射片62,・・・は、メタリックのフレークや金属片によって構成されている。
【0024】
すなわち、このグリル部品4を形成する際には、固化前の樹脂61に所定量の前記反射片62,・・・を投入して混合する。このとき、この反射片62の色や混合量を調整することによって、当該グリル部品4の色合いを調整する。
【0025】
そして、この反射片62,・・・を含有した前記樹脂61を金型に流し込む。この状態で、当該樹脂61を固化することによって、前記反射片62,・・・が満遍なく行き渡った透明性を有する樹脂61からなる前記グリル部品4が形成される。
【0026】
以上の構成にかかる本実施の形態において、車両1に取り付けられる車両用外装部品としての前記グリル部品4,4は、透明性を有した樹脂61によって形成されており、この樹脂61内には、光41を反射するフレーク状の反射片62,・・・が設けられている。
【0027】
このため、このグリル部品4,4の裏側に設けられた灯体31,・・・によって当該グリル部品4,4に光41を当てた際には、その光41が前記グリル部品4,4を透過することで、当該グリル部品4,4自体を発光させることができる。
【0028】
したがって、灯体からの光をグリル部品の表面で反射して光らせる構造上、光かたが間接的であった従来と比較して、前記グリル部品4,4を全体的に均一に光らせることができる。
【0029】
このとき、前記部品本体21を形成する前記樹脂61内には、フレーク状の反射片62,・・・が設けられている。このため、前記灯体31からの光41が前記反射片62,・・・で反射することによって、当該部品本体21内の前記反射片62,・・・を光輝かせることができる。
【0030】
これにより、前記部品本体21を見る角度によって、当該部品本体21をキラキラ光らせることができる。
【0031】
このため、走行等によって見る角度が変化する本願発明のグリル部品4においては、前記部品本体21がキラキラ光るように見せることができる。このため、その意外性によってインパクトを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、(a)は取付状態を示す正面図であり、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図2】(a)は従来のフロントバンパを示す正面図であり、(b)は(a)のB−Bに沿った断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 車両
4 グリル部品(車両用外装部品)
21 部品本体
31 灯体
41 光
61 樹脂
62 反射片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられる部品本体の裏側に該部品本体へ光を当てる発光手段が設けられた車両用外装部品であって、
前記部品本体を、光を反射するフレーク状の反射片を含有した透明性を有する樹脂で形成したことを特徴とする車両用外装部品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−162417(P2008−162417A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354418(P2006−354418)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)
【Fターム(参考)】