説明

車両用常時噛合式変速機の同期切換装置

【課題】簡易な構成でギヤ抜けを抑制できる車両用常時噛合式変速機の同期切換装置を提供する。
【解決手段】前記常時噛合式の手動変速機に設けられた同期切換装置10は、図1の軸心C方向において、ニードル長手中心とドグ歯24の歯幅中心位置とが一致するように構成されている、すなわち、図1で「オフセット量L=0」となるように構成されている。そして、図2から、様々なギヤ諸元で検討しても、ギヤ抜け力指標IDEは、「オフセット量L=0」の場合に最も小さくなり、「オフセット量L=0」で最もギヤ抜けが抑制されることが判る。従って、同期切換装置10は、特別な機構を付加すること無く簡易な構成でギヤ抜けを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用常時噛合式変速機の同期切換装置においてギヤ抜けを防止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
常時噛合式変速機は、車両用の手動変速機やトランスファなどとして用いられる。上記常時噛合式変速機には、駆動力を伝達する回転軸に一体的に設けられたハブと、そのハブに対し軸心方向に移動可能で且つ軸心まわりに相対回転不能に設けられたスリーブと、そのスリーブの内周歯と係合可能なドグ歯を有し前記回転軸に相対回転可能に支持された動力伝達歯車とを、含む同期切換装置、いわゆる、周知のシンクロ機構が備えられている。上記同期切換装置では、前記駆動力を伝達するためには、前記スリーブの内周歯と前記動力伝達歯車のドグ歯とが相互に係合している必要があるが、前記スリーブが軸心方向に移動してしまい上記内周歯とドグ歯との係合が外れるという所謂ギヤ抜けが従来から課題となっている。この課題を解決する同期切換装置が種々提案されており、例えば、特許文献1の同期切換装置でも上記ギヤ抜けの抑制が図られている。
【0003】
前記特許文献1の同期切換装置では、前記スリーブがそのスリーブの内周歯と動力伝達歯車のドグ歯とが相互に係合する係合位置へ摺動したときに相互に対向するする孔と凹部とがそれぞれ、上記スリーブとハブに設けられている。更に、上記孔には、上記スリーブの軸心方向移動を規制するための規制部材としてロックボールが収容されている。そして、上記スリーブがシフトフォークによって前記係合位置に移動させられた場合には、そのシフトフォークに設けられた突部によって上記孔と相対向する凹部に上記ロックボールの一部が押し込められる。このように、上記ロックボールの一部が上記凹部に押し込められると、そのロックボールは上記孔と凹部との両方にわたって収容されることとなり、上記スリーブの係合位置でそのロックボールがスリーブの軸心方向移動を規制するので、前記特許文献1の同期切換装置では、前記ギヤ抜けを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−84898号公報
【特許文献2】特開2005−36836号公報
【特許文献3】特開2001−289261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1の同期切換装置は、特許文献1の図3および図4に示されるような構造であり、その構造は複雑なものであり、そのため、コスト高になるものであった。このような課題は未公知のことである。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡易な構成でギヤ抜けを抑制できる車両用常時噛合式変速機の同期切換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1に係る発明では、(a)駆動力を伝達する回転軸に一体的に設けられたハブの外周歯と噛み合う内周歯を有してそのハブに対し軸心方向に移動可能で且つ軸心まわりに相対回転不能に設けられたスリーブと、そのスリーブの内周歯と係合可能なドグ歯を有するギヤピースと前記駆動力を伝達するための駆動ギヤとを一体として備え前記回転軸に針状ころ軸受を介して相対回転可能に支持された動力伝達歯車とを、含み、前記スリーブの内周歯と前記ギヤピースのドグ歯とが相互に係合することにより前記回転軸と前記駆動ギヤとの間で前記駆動力が伝達される車両用変速機の同期切換装置であって、(b)前記軸心方向において、前記針状ころ軸受の転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが一致するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、(a)駆動力を伝達する回転軸に一体的に設けられたハブの外周歯と噛み合う内周歯を有してそのハブに対し軸心方向に移動可能で且つ軸心まわりに相対回転不能に設けられたスリーブと、そのスリーブの内周歯と係合可能なドグ歯を有するギヤピースと前記駆動力を伝達するための駆動ギヤとを一体として備え前記回転軸に針状ころ軸受を介して相対回転可能に支持された動力伝達歯車とを、含み、前記スリーブの内周歯と前記ギヤピースのドグ歯とが相互に係合することにより前記回転軸と前記駆動ギヤとの間で前記駆動力が伝達される車両用変速機の同期切換装置であって、(b)前記軸心方向において、前記針状ころ軸受の転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが一致するように構成されたものである。また、未公知のことではあるが、前記動力伝達歯車およびスリーブの挙動シミュレーションにより、上記転動体の中心位置と上記ドグ歯の歯幅中心位置との間の前記軸心方向での間隔が零にされることが、前記ギヤ抜けの抑制に有効であることが見出された。従って、本発明のように、上記転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが前記軸心方向において一致するように構成されることで、特別な機構を付加すること無く簡易な構成でギヤ抜けを抑制できる。
【0009】
ここで、前記軸心方向において、前記転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが一致するように構成されることとは、具体的に言えば、各々の中心位置がその軸心方向で相互に略同一位置とされることである。そして、その略同一位置とされることとは、例えば、上記各々の中心位置の相互間の差を零とする設計目標で、前記同期切換装置が構成されることである。従って、前記軸心方向において、前記針状ころ軸受の転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが同一位置であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が適用された車両用常時噛合式変速機の同期切換装置の模式的な断面図である。
【図2】車両用常時噛合式変速機の同期切換装置における相互に異なる4つのギヤ諸元のもとでの、ギヤ抜け力指標と図1に示すオフセット量Lとの関係を示した図である。
【図3】図1の同期切換装置の挙動イメージを模式的に示した挙動模式図である。
【図4】図3の挙動模式図をXY平面上に平面的に表したXY平面模式図である。
【図5】図3の挙動模式図をXZ平面上に平面的に表したXZ平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
エンジンなどを駆動力源とする車両では、そのエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機が設けられている。その変速機の一種として、常時噛合式の手動変速機(以下、単に「手動変速機」という)が広く知られている。その手動変速機には、運転者によるシフトレバーの操作に従って駆動力を伝達するためのギヤが滑らかに切り換わるように、いわゆるシンクロ機構と称される同期切換装置10が設けられている。図1は、本発明が適用された同期切換装置10を表した模式的な断面図である。この図1の断面図では、本発明の特徴についての理解を容易にするため、本発明の特徴には拘わりの無い周知の部分および部材を省略して図示している。
【0013】
同期切換装置10は、図1に示すように、スリーブ12と、駆動力を伝達する動力伝達歯車14と、駆動力を伝達する回転軸16に対して相対回転可能に動力伝達歯車14を支持するために設けられた針状ころ軸受18と、ハブ19(図3参照)とを備えている。更に、同期切換装置10は、図示されていないが、よく知られたシンクロナイザリングとシンクロナイザキーとを備えている。
【0014】
ハブ19は、回転軸16の軸心Cと同じ軸心を有する短円筒状であり、その外周面に軸心Cに平行であってその軸心Cまわりに等角度間隔で突設された複数の外周歯を備えている。また、そのハブ19は、スプライン嵌合によって回転軸16に一体的に設けられ、その回転軸16と一体回転させられるとともに、スナップリングや動力伝達歯車14によって回転軸16に対し軸心C方向へ移動不可能にされている。
【0015】
スリーブ12は、軸心Cと同じ軸心を有する短円筒状であり、ハブ19の外周歯と噛み合う複数の内周歯を有してそのハブ19にスプライン嵌合させられることにより、そのハブ19に対して軸心C方向に相対移動可能で且つ軸心Cまわりに相対回転不能に設けられている。また、スリーブ12は、前記シフトレバーの操作に連動して軸心Cと平行に移動するシフトフォークに対して軸心C方向に相対移動不能で且つ軸心Cまわりに相対回転可能に設けられている。
【0016】
動力伝達歯車14は、軸心Cと同じ軸心を有するギヤピース20と駆動ギヤ22とを一体として備えている。動力伝達歯車14は、回転軸16に針状ころ軸受18を介して支持されることにより、その回転軸16に対して軸心Cまわりに相対回転可能とされており、また、スナップリングなどにより、回転軸16に対して軸心C方向に相対移動不能とされている。
【0017】
ギヤピース20は、前記スリーブ12の内周歯と周方向の相対回転不能に係合可能すなわちスプライン嵌合可能な複数のドグ歯24を有し、駆動ギヤ22よりもハブ19側に配置されている。そして、ギヤピース20は、そのドグ歯24よりもそのハブ19側に、そのドグ歯24に接近するほど大径となるテーパ状外周面(コーン面)26を備えている。ドグ歯24よりも軸心C方向でハブ19側にその軸心Cと同一軸心を有して設けられた前記シンクロナイザリングがドグ歯24側に押圧されることにより、テーパ状外周面26は、それと相対向する前記シンクロナイザリングのテーパ状内周面と摩擦係合する。
【0018】
駆動ギヤ22は、回転軸16と平行なカウンタ軸に固定された歯車と常時噛み合っている駆動力を伝達するための歯車である。
【0019】
針状ころ軸受18は、動力伝達歯車14の内周面と回転軸16の外周面との間に設けられた複数の針状ころ(ニードル)である転動体28を備えている。その複数の転動体28は、軸心Cと平行な軸心を有してその軸心Cまわりに例えば周方向に等間隔で配置されており、それの長手寸法は、動力伝達歯車14の軸心C方向の幅と略同じである。
【0020】
このように構成された同期切換装置10では、前記シフトフォークによりスリーブ12が軸心Cに沿ってギヤピース20側に所定の変速位置にまで移動させられた場合には、前記スリーブ12の内周歯とギヤピース20のドグ歯24とが相互に係合することにより、回転軸16と駆動ギヤ22との間で駆動力が伝達される。図1に示されたスリーブ12は、上記所定の変速位置にまで移動させられた状態を模式的に示したものである。
【0021】
図1に示された各寸法について説明する。図1の「D」は駆動ギヤ22のピッチ円直径を示しており、「r」はギヤピース20のピッチ円半径を示しており、「B」は転動体28の軸心C方向の長さであるニードル長さを示しており、「L」は転動体28の軸心C方向における中心位置(ニードル長手中心)に対する駆動ギヤ22の歯幅中心位置のオフセット量(ずれ量)を示しており、「L」は前記ニードル長手中心に対するドグ歯24の歯幅中心位置のオフセット量(ずれ量)を示しており、「d」は動力伝達歯車14の内径を示しており、「d」は回転軸16の外径を示しており、「d」は転動体28の外径であるニードル外径を示している。
【0022】
本実施例において、同期切換装置10は、軸心C方向において、前記ニードル長手中心とドグ歯24の歯幅中心位置とが一致するように構成されている。換言すれば、同期切換装置10では、そのニードル長手中心とその歯幅中心位置とが軸心C方向で相互に略同一位置とされている。その略同一位置とされていることとは、例えば、上記各々の中心位置の相互間の差を零とする設計目標で、同期切換装置10が構成されていることである。望ましくは、軸心C方向において、上記ニードル長手中心とドグ歯24の歯幅中心位置とが同一位置とされている。すなわち、同期切換装置10の前記オフセット量Lは零である。なお、図1では、前記オフセット量Lを判り易く示すため、意図的に、実際とは異なりそのオフセット量Lが零では無いように描かれている。
【0023】
上記のように、前記オフセット量Lを零乃至は略零とするのは、所謂ギヤ抜けを防止するためである。つまり、そのギヤ抜けの生じやすさを示すギヤ抜け力指標IDEと前記オフセット量Lとの関係から、「L=0」とすることがギヤ抜けを防止する上で有効であると考えられるからである。そのギヤ抜け力指標IDEと前記オフセット量Lとの関係を示したものが、図2である。ギヤ抜け力指標IDEは、その値が大きいほどギヤ抜けが生じ易いことを示す指標である。
【0024】
図2は、相互に異なる4つのギヤ諸元A,B,C,Dのもとでの、ギヤ抜け力指標IDEと前記オフセット量Lとの関係を示した図である。上記4つのギヤ諸元A,B,C,Dは何れも複数の設計パラメータから構成されている。この図2は、同期切換装置10の種々の設計パラメータがギヤ抜け防止性能に及ぼす寄与度を明らかにするために、動力伝達歯車14およびスリーブ12の挙動シミュレーションに品質工学を適用して求められたものである。上記設計パラメータを具体的に例示すれば、それは、図1に示した駆動ギヤ22のピッチ円直径D、ギヤピース20のピッチ円半径r、ニードル長さB、オフセット量L,L、動力伝達歯車14の内径d、回転軸16の外径d、ニードル外径dの他に、駆動ギヤ22の外周歯の捩れ角Ψ、駆動ギヤ22の外周歯の圧力角α、ギヤピース20のドグ歯24の圧力角α、ギヤピース20のドグ歯24のギヤ抜け防止テーパ角α、下記式(1)で算出されるラジアルクリアランスCradなどである。
【数1】

【0025】
前記挙動シミュレーションでは、例えば、図3の挙動模式図に示すような状態が想定される。スリーブ12、ギヤピース20、駆動ギヤ22は何れも、設計上は回転軸16の軸心Cと同一の軸心を有し、そうなるのが理想ではあるが、実際には、各部材間の隙間や製作誤差などに起因してその軸心Cに対して僅かに傾いて支持されるので、それを模式的に示したのが図3である。図3においてX軸が回転軸16の軸心Cである。図3の矢印LN01は駆動ギヤ22の傾きを示しており、矢印LN02はスリーブ12の傾きを示している。そして、図4は、上記図3のX軸とそれに直交するY軸との両方を含むXY平面上に、図3の挙動模式図を平面的に示した模式図である。また、図5は、上記図3のX軸とそのX軸及び上記Y軸の両方に直交するZ軸とを含むXZ平面上に、図3の挙動模式図を平面的に示した模式図である。図3、図4、図5の何れでも、矢印方向が各X,Y,Z軸の正方向であり、図5は、上記Y軸の負方向から正方向に向かって見た図である。
【0026】
そして、図2の各ギヤ諸元A,B,C,Dでのギヤ抜け力指標IDEと前記オフセット量Lとの関係は、前記設計パラメータ(D,r,Bなど)が、任意に設定される基準となるギヤ諸元(基準ギヤ諸元)およびギヤ諸元A,B,C,Dごとにそれぞれ設定されて、幾何学的・力学的関係式を解くことにより求められる。このとき、前記基準ギヤ諸元のもとで算出されたギヤ抜け力Fが「F0」として定義され、各ギヤ諸元A,B,C,Dのもとでそれぞれ算出されたギヤ抜け力Fがそれぞれ「F1」,「F1」,「F1」,「F1」として定義される。そして、各ギヤ諸元A,B,C,Dでのギヤ抜け力指標IDEは、上記F0とF1,F1,F1,F1のそれぞれとの比(=F1/F0,=F1/F0,=F1/F0,=F1/F0)として算出される。
【0027】
以上のことから、本実施例によれば、前記常時噛合式の手動変速機に設けられた同期切換装置10は、図1の軸心C方向において、前記ニードル長手中心とドグ歯24の歯幅中心位置とが一致するように構成されている、すなわち、図1で「オフセット量L=0」となるように構成されている。そして、図2から、様々なギヤ諸元で検討しても、ギヤ抜け力指標IDEは、「オフセット量L=0」の場合に最も小さくなり、「オフセット量L=0」で最もギヤ抜けが抑制されることが判る。従って、同期切換装置10は、特別な機構を付加すること無く簡易な構成で前記ギヤ抜けを抑制できる。
【0028】
また、同期切換装置10の各設計パラメータは実際には公差を有するものであるが、「オフセット量L=0」とされる同期切換装置10では、前記オフセット量Lがその公差の範囲内で零(公差中心値)からずれたとした場合のギヤ抜け力指標IDEへの影響度は、オフセット量Lの公差中心値が零でない場合と比較して小さい。すなわち、ロバスト性が高い。この点も図2から判断できる。例えば、図2のギヤ諸元Aで「オフセット量L=0±1」の場合と「オフセット量L=5±1」の場合とで、前記公差「±1」がギヤ抜け力指標IDEへ及ぼす影響度を比較してみる。その結果、図2において、「オフセット量L=0(公差中心値)」の場合には、オフセット量Lの公差「±1」の変動に対してギヤ抜け力指標IDEの振れ幅が0.2程度である。これに対し、「オフセット量L=5(公差中心値)」の場合には、オフセット量Lの公差「±1」の変動に対してギヤ抜け力指標IDEの振れ幅が0.5程度と増加している。このことから、「オフセット量L=0(公差中心値)」の場合の方がロバスト性が高いと判断できる。従って、本実施例の同期切換装置10は、製品のばらつきが前記ギヤ抜けに影響することを抑えて、安定的にギヤ抜けを抑制できる。
【0029】
また、本実施例によれば、同期切換装置10が前記手動変速機に用いられることで、ギヤ抜け防止性能の高い手動変速機を提供することができる。
【0030】
また、同期切換装置10では、前記ギヤ抜けを生じさせるギヤ抜け力の発生を根本的に抑制することができるので、例えば、所謂ロックボール機構の保持荷重を低減でき、その結果として、シフト操作力の軽減に寄与することが可能である。
【0031】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0032】
10:同期切換装置
12:スリーブ
14:動力伝達歯車
16:回転軸
18:針状ころ軸受
19:ハブ
20:ギヤピース
22:駆動ギヤ
24:ドグ歯
28:転動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を伝達する回転軸に一体的に設けられたハブの外周歯と噛み合う内周歯を有して該ハブに対し軸心方向に移動可能で且つ軸心まわりに相対回転不能に設けられたスリーブと、該スリーブの内周歯と係合可能なドグ歯を有するギヤピースと前記駆動力を伝達するための駆動ギヤとを一体として備え前記回転軸に針状ころ軸受を介して相対回転可能に支持された動力伝達歯車とを、含み、前記スリーブの内周歯と前記ギヤピースのドグ歯とが相互に係合することにより前記回転軸と前記駆動ギヤとの間で前記駆動力が伝達される車両用常時噛合式変速機の同期切換装置であって、
前記軸心方向において、前記針状ころ軸受の転動体の中心位置と前記ドグ歯の歯幅中心位置とが一致するように構成された
ことを特徴とする車両用常時噛合式変速機の同期切換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−164166(P2010−164166A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8384(P2009−8384)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】