説明

車両用照明装置

【課題】
発熱量が少なくて発光効率の向上を図り長寿命の光源部を用いることにより燃費の少ないかつ安全性の高い車両を提供すべくした車両用照明装置の技術を提供する。
【解決手段】
ケース8Aは光源部37Dとしての発光ダイオードを固定した反射部材8Bと光ファイバー29を所定の位置に位置決めして固定する機能を持つもので、金属又は樹脂で形成する。ケース8Aは複数の上記反射部材8Bと光ファイバー29を固定するもので、自動車7に装備されるランプ類を照射する全ての光源部37Dとしての発光ダイオードと光ファイバー29を収納している。前記ケース8Aは前方、後方又はいずれかの部位に開口が略円形又は四角形等の空洞部8cを形成し、この空洞部8c内に反射部材8Bを固定する。該空洞部8cは段差8A1を設け、この段差8A1に反射部材8Bの外周面8B1を嵌着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を光ファイバーを介して車両の所定位置に配光する車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用照明装置の例としては図4(a)ないし(c)に示す特開昭56−120425号公開特許公報に開示された技術がある。
これについて説明すれば、図4(a)に示すように光源部1は例えば35〜55(W)程度のハロゲン電球1aとその電球からの光を効率よく光ファイバー2内へ導入させるための反射鏡1bとからなり、必要に応じて電球1aと光ファイバー2との間に熱を遮ぎる防熱フィルター3を設け、この光源部1を車体4内の適宜個所に設置し、光ファイバー2を介してレンズ系5に光を送る。光ファイバー2は光源部1からの光をレンズ系5に導くもので、照明灯の形状や大きさに応じて複数の光ファイバー2を束ねたものを使用し、その入射口2aを光源部1の反射鏡1bの集光範囲内に設置し、照射口2bをレンズ系5の焦点位置に設置せしめ、光源部1からの光を効率よくレンズ系5に導く、即ち、各光ファイバー2、2、・・・の入射口2a、2a、・・・は束ねて一つの光源部1の集光範囲内に設置し、各光ファイバー2、2、・・・の照射口2b、2b・・・は図4(b)に示す灯体枠6内で分離分枝させて各々レンズ系5の焦点位置に設置せしめるものである。レンズ系5としては図4(a)ないし(c)に示す如く集光用コンデンサーレンズ5aと左右
方向拡散用のレンチキュラーレンズ5bとの組合せて構成する。
【特許文献1】特開昭56−120425号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術は、叙上の構成であるので次の課題が存在した。
すなわち、光源部1に例えば35〜55(W)程度のハロゲン電球1aを用いているので、発熱量が多く光源部1と光ファイバー2との間に防熱フィルター3を設ける必要があり、このハロゲン電球1aによる不要な発熱量のためにエンジンが余分に駆動して発電を行っているので当該車両の燃費を悪化させるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る車両用照明装置は叙上の問題点を解決すべく発明したものであり、発熱量が少なく光ファイバーからのて発光伝達効率を高くしまた、長寿命の光源を用いることにより車両の燃費を向上させ照明装置の発光を適切にして安全性の高い車両用照明装置を提供すること目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
【0005】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、車両のランプボックスに於いてケースと、該ケースに形成した空洞部に固定されかつ一方の端面に凹部を及び他方の端面に円筒孔部及び中空部を形成を形成した反射部材と、該凹部に位置決め固定されかつ該反射部材の中空部に形成し平面体及び曲面体でなる反射層に射光する光源部と、該反射部材の反射層に面一に配置固定したコア部及びクラッド部を備えた光ファイバーとで構成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によれば、車両用照明装置に於いてケースと、該ケースに形成した空洞部に固定されかつ一方の端面に凹部を及び他方の端面に円筒孔部及び中空部を形成を形成した反射部材と、該凹部に位置決め固定されかつ該反射部材の中空部に形成し平面体及び曲面体でなる反射層に射光する光源部と、該反射部材の反射層に面一に配置固定したコア部及びクラッド部を備えた光ファイバーとで構成した車両のランプボックスを車体に備え、前記光ファイバーを分岐して車両の所定の位置に配設した複数の照明灯に接続し前記光源部が発した光を前記複数の照明灯に照射することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の車両用照明装置に於いて、前記光源部は赤色、緑色の2原色をそれぞれ発光する素子を単一の基板に集積した2原色混合型の発光ダイオード又は、赤色、緑色、青色の3原色を発光する素子を単一の基板に集積した3原色混合型の発光ダイオードであって、赤色及び緑色、又は赤色、緑色、及び青色の任意の発光ダイオードの素子の発光量を変化させて車両の所定の位置に配設した複数の照明灯の色彩を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両用照明装置は上述した構成を有するので次の効果がある。
【0009】
すなわち、単一の光源を用いて車両の複数箇所に配設したランプを照明することができるので省エネルギーと省資源を達成でき、また低消費電力で発熱量の少ない長寿命の光源を用いることにより、複雑な光学素子を用いずに光源からの光の伝達効率を向上させて照明に使用でき、車両の走行中に道路状況や他車両の運行状況に合わせて外部へ放射する照明の色彩を変化させ最適な照明条件を得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る車両用照明装置の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は、車両としての乗用車の平面図を示すものであって、本発明に係る車両照明装置の全体配置及び車両すなわち自動車の内部に設置した各ランプボックスと車体すなわち自動車の所定位置に配設された各照明装置としてのランプ類との接続関係を示す本発明の実施の形態である。
【0012】
本発明に係る車両用照明装置は、車体すなわち自動車7の各部に配設した各種ランプ類に光ファイバー29、30、31、32、33、34、34A、35、36を介して光を送る光源を収納しているランプボックス8、9、10、11、12、13、13A、14、15と、自動車7の前方の左・右角に配設した方向指示器としての前部の左・右ターンシグナルランプ16a、16bと、自動車7の前部に配設した車幅灯としてのスモールランプ17、17と、前照灯としてのヘッドランプ18、18と、前部の霧灯としてのフォッグランプ19、19と、左右のドア40、41のヒンジ部に配設したドアミラー42、43に内蔵した方向指示器としての左側面・右側面ターンシグナルランプ20a、20bと、自動車7の後方の左・右角に配設した方向指示器としての後部の左・右ターンシグナルランプ21a、21bと、自動車7の後部に配設した制動灯として左・右のブレーキランプ22、22と、エンジンへの燃料供給を停止している状態を表示する燃料供給停止表示ランプ22Aと、尾灯としての左・右テールランプ23,23と、番号灯としてのライセンスランプ24と、後退灯としてのリバースランプ25と、車室内のグローブボックスに配設したグローブボックスランプ26と、車室内の天井部に配設したルームランプ27と、自動車7の後部の荷物収納室に配設したトランクルームランプ28等とからなる。
【0013】
次に、各ランプボックス8、9、10、11、12、13、14、15、13Aと自動車7の各部に配設した上述した各種ランプ類との接続構成について詳しく説明する。
ランプボックス8は光ファイバー29を介して左右のヘッドランプ18、18に接続している。このランプボックス8により左右のヘッドランプ18、18を点灯するので、一方のヘッドランプ18だけが不点灯になることはなく、また左右のヘッドランプ18、18の光の色温度即ち色調がばらつくことはない。次のランプボックス9は光ファイバー30を介して左右のフォッグランプ19、19に接続しており左右のフォッグランプ19、19を同時に点灯する。次のランプボックス10は光ファイバー31を介して左右のスモールランプ17、17と左右のテールランプ23、23及びライセンスランプ24に接続しており、上記左右のスモールランプ17、17と左右のテールランプ23、23及びライセンスランプ24を同時に点灯する。
【0014】
次のランプボックス11は光ファイバー32を介して前部の左ターンシグナルランプ16a、左側面ターンシグナルランプ20a及び後部の左ターンシグナルランプ21aに接続しており、前部の左ターンシグナルランプ16a、左側面ターンシグナルランプ20a及び後部の左ターンシグナルランプ21aを自動車7に配置している点滅器(図示せず)の働きにより同時に点滅することができる。次のランプボックス12は光ファイバー33を介して前部の右ターンシグナルランプ16b、右側面ターンシグナルランプ20b及び後部の右ターンシグナルランプ21bに接続しており、前部右ターンシグナルランプ16b、右側面ターンシグナルランプ20b及び後部の右ターンシグナルランプ21bを自動車7に配置している点滅器の働きにより同時に点滅することができる。また、前部の左・右ターンシグナルランプ16a、16b、左側面・右側面ターンシグナルランプ20a、20b及び後部の左・右ターンシグナルランプ21a、21bを同時に点滅させて非常点滅表示灯としての機能を有する。
【0015】
次のランプボックス13は光ファイバー34を介して左・右のブレーキランプ22、22に接続しており、左・右のブレーキランプ22、22を同時に点灯することができる。次のランプボックス14は光ファイバー35を介してリバースランプ25に接続しており、自動車7が後退するとき点灯する。次のランプボックス15は光ファイバー36を介してグローブボックスランプ26、ルームランプ27及びトランクルームランプ28に接続しており、グローブボックスランプ26及びトランクルームランプ28はグローブボックス又はトランクルームを開けたときに自動的に点灯し、ルームランプ27は夜間などに運転者等の操作や自動車7の左・右ドア40、41の開放操作等で任意に点灯することができる。次のランプボックス13Aは光ファイバー34Aを介して燃料供給停止表示ランプ22Aに接続しており、該燃料供給停止表示ランプ22Aの動作等は後述する。
【0016】
次に、図2に示すランプボックスの模式図に基づき説明する。自動車7に於ける室内や底部等の適宜場所、例えば自動車7の前方や中央位置等に上述したランプボックス8ないし15及び13Aを列設する。このランプボックス8ないし15及び13Aは概ね同一の構成であるので、その一例として図に2に示す該ランプボックス8について説明すれば、該ランプボックス8は例えば、ケース8Aと、該ケース8Aの空洞内側面に隣接して備えその4隅に曲面体8a及び該曲面体8aに連なる平面体8bを一体形成した反射部材8Bと、該反射部材8Bの内部に配置した一方、他方の光源部37A、37Bと、該一方、他方の光源部37A、37Bから放出された光を取入れる光ファイバー29の光取入れ部29Aとで構成される。前記光源部37A、37Bや光ファイバー29は図2に於いて2個又は4群配置したがこれに限定されるものではなく、自動車7の設計仕様により増減可能である。一方、他方の光源部37A、37Bから発した光37Cは反射部材8Bの曲面体8a及び平面体8bで反射し、光ファイバー29光取入れ部29Aから光ファイバー29の中に進入・透過して図1に示す自動車7の左右のヘッドランプ18、18に誘導される。ランプボックス8には図2に示すように、多くの光量を得るために必要に応じて光源部37A、37Bを複数設置し、ケース8Aの複数箇所に光ファイバー29を配設する。一方、他方の光源部37A、37Bは低消費電力が可能であって長寿命が特徴である発光ダイオード(LED)若しくは高輝度放電ランプ(HID)を用いる。
尚、上記一方、他方の光源部37A、37Bは単一のもので構成してもよい。
【0017】
次に図3に基づきランプボックス8の具体的構成例について詳細に説明する。
図3は本発明に係る車両用照明装置に適用するランプボックス8の一例を示す水平断面図である。
37Dは単一の光源部としての発光ダイオードである。光源部37Dは後述する反射部材8Bに接着手段や固定具等で固定する。ランプボックス8に接続される自動車7に装備したランプ類は左・右のヘッドランプ18、18であるからその光源部は白色の発光ダイオードを用いる。また、他のランプについてはその用途に応じて発光色を適宜選択する。即ち、前部の左・右ターンシグナルランプ16a、16bと左側面・右側面ターンシグナルランプ20a、20bと後部の左・右ターンシグナルランプ21a、21bはその光源部に橙色の発光ダイオードを用いる。左・右のブレーキランプ22、22はその光源部に赤色の発光ダイオードを用い、燃料供給停止表示ランプ22Aは法令等によって定めがないので、例えばその光源部に緑色もしくは青色発光ダイオードを用いてもよい。左・右のフォッグランプ19、19の光源部は例えば白色又は淡黄色の発光ダイオードを用いる。左・右のスモールランプ17、17とライセンスランプ24、リバースランプ25、グローブボックスランプ26、ルームランプ27及びトランクルームランプ28等の光源部は例えば白色の発光ダイオードを用いる。左・右のテールランプ23、23のランプカバーを透明赤色にすることにより左・右のテールランプ23,23も図1に示すように左・右のスモールランプ17、17とライセンスランプ24と同一のランプボックス10に接続することも可能である。
【0018】
前記ヘッドランプ18等の光源部37Dに用いる白色の発光ダイオードは先ずイットリウム・アルミニウム・ガーネット系の蛍光体で青色発光ダイオードを覆うことにより得られる赤から緑に渉って発せられた蛍光と前記蛍光体を透過した青が混合して白色を呈する蛍光体方式の白色発光ダイオードを使用する。また、光の三原色である赤色、緑色、青色の発光ダイオードのそれぞれのチップを一つの基板に集積して擬似的に単一の発光源とみなして、三原色を混合することにより白色を得る三原色混合方式の白色発光ダイオードを使用してもよい。蛍光体方式の白色発光ダイオードは均一な白色光を得られる反面、青色発光ダイオードの発熱で蛍光体が劣化する欠点を持つ。一方、三原色混合方式の白色発光ダイオードは、見る角度で色が変化する欠点と3つの駆動回路が必要な欠点を有するが各色の発光ダイオードの光量を自由に変化することが可能なので任意の発色を得られる長所を有する。これらの観点から光源部37Dとして適宜の白色発光ダイオードを選定する。
図3に於いて38は該光源部37D(発光ダイオード)の一方のリード端子、39は該光源部37D(発光ダイオード)の他方のリード端子である。
【0019】
次に図3に示すランプボックス8のケース8A等について説明する。
該ケース8Aは例えば、前方、後方又はいずれかの部位に開口が略円形又は四角形等の空洞部8cを形成し、この空洞部8c内に反射部材8Bを固定する。該空洞部8cは段差8A1を設け、この段差8A1に反射部材8Bの外周面8B1を嵌着する。そして反射部材8Bは樹脂成形、金属の切削加工、ダイキャスト、ロストワックス等の製造手段で製作する。反射部材8Bの外形は例えば、略円筒形又は直方体で形成し、一方の端面に光源部37Dとしての発光ダイオードを位置決めして固定する凹部8B2を有する。反射部材8Bの他方の端面には光ファイバー29の外径寸法即ちクラッド部29bが嵌入するためのその外形寸法より少し大きい内径でなる円筒孔部8B3を有する。さらに円筒孔部8B3の開口底部に衝当する光ファイバー29のコア部29aと面一になる平面体を有する反射層8B4を中空部に備えている。この反射層8B4は曲面体を形成し、光源部37Dとしての発光ダイオードに近づくに従って該反射層8B4の直径が漸減する曲面体としての中空湾曲部8B5を形成している。該中空湾曲部8B5は光源部37Dとしての発光ダイオードから発せられる光の内で最も広がった光37Cが該中空湾曲部8B5に入射したとき該中空湾曲部8B5で反射した反射光37Cが光ファイバー29のコア部29aの内側即ち中心側に入射するような湾曲形状に形成する。
【0020】
反射層8B4が該中空湾曲部8B5を形成することにより光源部37Dとしての発光ダイオードから発せられる全ての光37Cが光ファイバー29のコア部29aに入射するので効率のよい車両用照明装置を構築することができる。上記の反射層8B4に中空湾曲部8B5を設けることで、光源部37Dとしての発光ダイオードと光ファイバー29の間に集光レンズ等複雑な光学素子を設ける必要がなくまた、集光レンズを配置したことによる光損失が生じないという長所を有する。さらに一部に平面体を形成した反射層8B4はその中空の内面に光が効率よく反射する処理を施工するのがよい。例えば電解めっきや無電解めっき等による表面処理である。
【0021】
光ファイバー29はガラス又はプラスティックの光ファイバーであり図3に於いては一本の太い光ファイバーを示しているが、多数本の細い光ファイバー群を円筒状に束ねたものでもよい。いずれの光ファイバーでもその各本は屈折率の高い内側のコア部29aとその外側を取り巻く屈折率の低いクラッド部29bで構成されている。
本発明に係る車両用照明装置では発熱の少ない光源部37Dとしての発光ダイオードを用いているので、発光ダイオードと光ファイバー29の間に防熱フィルターは不要であり、更に高価なガラス製の光ファイバーでなく、廉価で耐熱性の低いプラスティック製の光ファイバーを使用することが可能である。光ファイバー29は図1に示すとおり2つに分岐して左・右のヘッドランプ18、18を照射する。
【0022】
ケース8Aは光源部37Dとしての発光ダイオードを固定した反射部材8Bと光ファイバー29を所定の位置に位置決めして固定する機能を持つもので、金属又は樹脂で形成する。ケース8Aは複数の上記反射部材8Bと光ファイバー29を固定するもので、前記の自動車7に装備されるランプ類を照射する全ての光源部37Dとしての発光ダイオードと光ファイバー29を収納している。
【0023】
以上、左・右のヘッドランプ18、18に係るランプボックス8の内部構成の具体例について詳細に説明したがランプボックス9、10、11、12、13、13A、14,15についても略同一の構成である。
【0024】
また左・右のヘッドランプ18、18に接続するランプボックス8と左・右のフォッグランプ19、19に接続するランプボックス9に於いて、前記の三原色混合方式の白色発光ダイオードを用いて、光の色彩を変化させることで左・右のヘッドランプ18、18に左・右のフォッグランプ19、19の機能を付加させることもできる。該左・右のフォッグランプ19、19にヘッドランプの機能を補助させることが可能である。即ち、濃霧の中を走行する場合、運転者が任意にスイッチを切り替えることで左・右のヘッドランプ18、18の発光色を白色から淡黄色に変化させて左・右のフォッグランプ19、19だけのときよりもより明るい光量で前方を照射することができる。また見通しの条件がよい場合は左・右のフォッグランプ19、19の発光色を淡黄色から白色に変化させて左・右のヘッドランプ18、18だけのときよりもより明るい光量で前方を照射することができる。
【0025】
次に燃料供給停止表示ランプ22Aについて詳細に説明する。自動車7のエンジンへの燃料供給システムとして電子制御式燃料噴射システムを採用している自動車は、エンジンが例えば1200(rpm)から1500(rpm)以上で回転しているときにアクセルペダルから足を離すと、電子制御式燃料噴射システムのプログラムは自動的に燃料噴射装置への燃料供給を停止する。このときエンジンは回転しているのでエンジンブレーキの機能で自動車は徐々に減速するがブレーキの倍力装置等は作動するので、下り勾配の高速道路走行においてはこの燃料供給停止機能は燃費向上に寄与するものである。一方、後続車両から先行車両を観察すると先行車両がアクセルペダルを踏んで一定の速度で巡航走行しているのか、アクセルペダルから足を離して惰性で走行して徐々に減速しているのか判別が困難であり、先行車両との車間距離を適正に確保することが困難になっている。燃料供給停止表示ランプ22Aはアクセルペダルから足を離して走行しているとき例えば緑色ないし青色で点灯させて、後続車両に惰性で走行していることを表示し追突防止の注意を喚起するものである。
【0026】
また燃料供給停止表示ランプ22Aに接続するランプボックス13Aは、光源部37Dとして緑色と赤色の発光ダイオードのそれぞれのチップを一つの基板に集積してなる2色発光型の発光ダイオードを用いると、例えば緑色と赤色の発光色を切り替えることにより、燃料供給停止表示ランプ22Aにブレーキランプの機能を付加させることが可能である。即ち、燃料供給停止表示ランプ22Aはアクセルペダルを踏んでいるとき緑色と赤色の発光ダイオードを消灯し、アクセルペダルから足を離して走行しているとき緑色の発光ダイオードを点灯し、ブレーキペダルを踏むと緑色発光ダイオードを消灯して赤色の発光ダイオードを点灯して、ブレーキランプとしての機能を担う。燃料供給停止表示ランプ22Aを自動車7の後方窓の上部または下部に設置することにより、いわゆるハイマウントストップランプとしての作用を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る車両照明装置の実施の形態を示す図面であって自動車の平面図である。
【図2】本発明に係る車両照明装置に適用するランプボックスの模式図である。
【図3】本発明に係る車両照明装置に適用するランプボックスの具体的構成例を示す水平断面図である。
【図4】従来の技術に於ける光ファイバーを用いた車両用照明灯の一つの例を示す図面であって、(a)は光ファイバーによる光伝送経路を示す説明用図、(b)は車体の斜視図、(c)はレンズ等の詳細を示す説明用図である。
【符号の説明】
【0028】
7 自動車(車体)
8 ランプボックス
8A ランプボックスのケース
8A1 ランプボックスのケースの段差
8B ランプボックスの反射部材
8B1 ランプボックスの反射部材の外周面
8B2 ランプボックスの反射部材の凹部
8B3 ランプボックスの反射部材の円筒孔部
8B4 ランプボックスの反射部材の反射層
8B5 ランプボックスの反射部材の反射層の中空湾曲部
8a ランプボックスの反射部材の曲面体
8b ランプボックスの反射部材の平面体
8c ランプボックスのケースの空洞部
9 ランプボックス
10 ランプボックス
11 ランプボックス
12 ランプボックス
13 ランプボックス
13A ランプボックス
14 ランプボックス
15 ランプボックス
16a 前部の左ターンシグナルランプ
16b 前部の右ターンシグナルランプ
17 スモールランプ
18 ヘッドランプ
19 フォッグランプ
20a 左側面ターンシグナルランプ
20b 右側面ターンシグナルランプ
21a 後部の左ターンシグナルランプ
21b 後部の右ターンシグナルランプ
22 ブレーキランプ
22A 燃料供給停止表示ランプ
23 テールランプ
24 ライセンスランプ
25 リバースランプ
26 グローブボックスランプ
27 ルームランプ
28 トランクルームランプ
29 光ファイバー
29A 光ファイバーの光取入部
29a 光ファイバーのコア部
29b 光ファイバーのクラッド部
30 光ファイバー
31 光ファイバー
32 光ファイバー
33 光ファイバー
34 光ファイバー
34A 光ファイバー
35 光ファイバー
36 光ファイバー
37 光源部(発光ダイオード)
37A 一方の光源部
37B 他方の光源部
37C 光源部の光
38 光源部の一方のリード端子
39 光源部の他方のリード端子
40 自動車の左ドア
41 自動車の右ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、該ケースに形成した空洞部に固定されかつ一方の端面に凹部を及び他方の端面に円筒孔部及び中空部を形成を形成した反射部材と、該凹部に位置決め固定されかつ該反射部材の中空部に形成し平面体及び曲面体でなる反射層に射光する光源部と、該反射部材の反射層に面一に配置固定したコア部及びクラッド部を備えた光ファイバーとで構成したことを特徴とする車両のランプボックス。
【請求項2】
ケースと、該ケースに形成した空洞部に固定されかつ一方の端面に凹部を及び他方の端面に円筒孔部及び中空部を形成を形成した反射部材と、該凹部に位置決め固定されかつ該反射部材の中空部に形成し平面体及び曲面体でなる反射層に射光する光源部と、該反射部材の反射層に面一に配置固定したコア部及びクラッド部を備えた光ファイバーとで構成した車両のランプボックスを車体に備え、前記光ファイバーを分岐して車両の所定の位置に配設した複数の照明灯に接続し前記光源部が発した光を前記複数の照明灯に照射することを特徴とする車両用照明装置。
【請求項3】
前記光源部は赤色、緑色の2原色をそれぞれ発光する素子を単一の基板に集積した2原色混合型の発光ダイオード又は、赤色、緑色、青色の3原色を発光する素子を単一の基板に集積した3原色混合型の発光ダイオードであって、赤色及び緑色、又は赤色、緑色、及び青色の任意の発光ダイオードの素子の発光量を変化させて車両の所定の位置に配設した複数の照明灯の色彩を変化させることを特徴とする請求項2記載の車両用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−140625(P2009−140625A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313018(P2007−313018)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(500467596)
【出願人】(507398235)
【Fターム(参考)】