車両用調光システム
【課題】車両乗員の嗜好に適した調光を実現する車両用調光システムの提供。
【解決手段】計器板20の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度の調整段階である発光輝度段階は、それぞれ同数ずつ設定される。電飾パネル30に対する照明光源32の消灯下において調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階を調光スイッチ5の操作に応じて変更し且つ電飾パネル30の発光輝度段階を当該操作に拘らず保持する。また一方、照明光源32の点灯下において調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階が相異なる状態で調光スイッチ5が操作されることを条件として、表示輝度段階を当該操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【解決手段】計器板20の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度の調整段階である発光輝度段階は、それぞれ同数ずつ設定される。電飾パネル30に対する照明光源32の消灯下において調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階を調光スイッチ5の操作に応じて変更し且つ電飾パネル30の発光輝度段階を当該操作に拘らず保持する。また一方、照明光源32の点灯下において調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階が相異なる状態で調光スイッチ5が操作されることを条件として、表示輝度段階を当該操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用調光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、車室内において車両情報を表示する計器部の表示輝度を、調光操作部の操作に応じて段階的に調整するようにした車両用調光システムが、知られている。
【0003】
このような車両用調光システムでは、計器部の表示輝度の調整段階が複数段階、用意されている。これにより、車室内の乗員は表示輝度の調整段階を、自身の嗜好に適した段階と合致するまで、調光操作部の操作によって変更し得る。
【0004】
さて、車室内において一般には、ライトスイッチといった切換操作部の操作に応じて点消灯する電飾部が、エアコン、オーディオ機器、シフタ等に設けられている。そして、こうした電飾部については、近年、その発光輝度を調光操作部の操作に応じて段階的に調整することが、検討されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−318050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、電飾部の点灯下、その発光輝度を計器部の表示輝度と同じ調光操作部により段階的に調整するようにした場合、それら発光輝度及び表示輝度の段階をそれぞれ同数ずつに設定することが、望ましい。なぜなら、発光輝度及び表示輝度のうち一方が調光操作部の操作に応じて明るくなるにも拘らず、それら輝度のうち他方が暗くなるような場合、車室内の乗員に違和感を与えるおそれがあることから、両輝度段階の明暗の程度を合わせておくことが必要となるためである。
【0007】
しかし、電飾部の消灯下では、当該電飾部の発光輝度を変更する必要はない。故に、電飾部の消灯下、調光操作部の操作に応じて計器部の表示輝度のみが変更されると、当該計器部の表示輝度段階が電飾部の発光輝度段階とはずれてしまい、その後の電飾部の点灯下において乗員に違和感を与えるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両乗員の嗜好に適した調光を実現する車両用調光システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、車室内において車両情報を表示する計器部と、車室内において点消灯する電飾部と、電飾部の点消灯を切換えるために操作される切換操作部と、計器部の表示輝度及び電飾部の発光輝度を段階的に調整するために操作される調光操作部と、切換操作部及び調光操作部の操作に応じて計器部及び電飾部を制御する調光制御部と、を備え、計器部の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び電飾部の発光輝度の調整段階である発光輝度段階がそれぞれ同数ずつ設定され、それら表示輝度段階及び発光輝度段階に合わせて計器部の表示輝度及び電飾部の発光輝度が制御される車両用調光システムであって、調光制御部は、切換操作部による電飾部の消灯下、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持する消灯状態制御手段と、切換操作部による電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されることを条件として、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる点灯状態制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような請求項1に記載の発明によると、切換操作部の操作により電飾部が消灯した車室内では、車両情報を表示する計器部の表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、当該電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持される。故に、表示輝度段階と発光輝度段階とが同数ずつ設定される構成では、電飾部の消灯下において表示輝度段階が発光輝度段階とはずれてしまい、その後の電飾部の点灯下において車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0011】
しかし、請求項1に記載の発明によると、切換操作部の操作により電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態にて調光操作部が操作されることを条件として、当該操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。これによれば、電飾部の点灯下、相異なる表示輝度段階及び発光輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更しても、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0012】
請求項2に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び点灯部の発光輝度段階の合致状態で調光操作部が操作されることにより、それら表示輝度段階及び発光輝度段階を合致状態のまま変更する。この発明によると、切換操作部の操作により電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の合致状態で調光操作部が操作されることで、それら輝度段階が同一の段階に変更させられ得る。これによれば、電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階を相異状態からだけでなく、合致状態から変更する場合にも、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を確実に抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0013】
請求項3に記載の発明において調光制御部は、車両環境の明暗を判定する判定手段を備え、消灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の消灯下、判定手段により判定された車両環境が明状態である場合に、計器部の表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ電飾部の発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、判定手段により判定された車両環境が明状態である場合に、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されることを条件として、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0014】
このような請求項3に記載の発明によると、昼間時等、車両環境が明状態と判定される場合に電飾部が消灯した車室内では、計器部の表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるのに対し、当該電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持される。故に、電飾部の消灯下において表示輝度段階が発光輝度段階とはずれてしまい、その後、車両環境が明状態であるにも拘らず電飾部が点灯されたときに、車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0015】
しかし、請求項3に記載の発明によると、車両環境が明状態と判定される一方で電飾部が点灯状態となった車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されると、その操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。これによれば、車両環境が明状態であるにも拘らず電飾部が点灯されたときに、相異なる表示輝度段階及び発光輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更しても、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0016】
請求項4に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び電飾部の発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出することにより、表示輝度段階を調光操作部の当該トリガ操作及び当該トリガ操作後における調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。この発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でトリガ操作が行われることにより表示輝度段階が変更されると、当該変更後の表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。さらにトリガ操作後においても、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作に応じて、相異なった表示輝度段階及び発光輝度段階の明暗の程度が即座に合わせられることとなる。したがって、車室内の乗員に違和感を与えることなく、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0017】
請求項5に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び電飾部の発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、表示輝度段階が発光輝度段階と合致するまで、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、トリガ操作後、さらに表示輝度段階が発光輝度段階と合致した後において点灯状態制御手段は、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0018】
このような請求項5に記載の発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でのトリガ操作が行われると、それらの輝度段階は、合致状態となるまで電飾部の消灯時と同様に制御される。即ち、表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持され得る。さらにトリガ操作後、かかる保持状態の発光輝度段階に対して表示輝度段階が合致した後においては、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作後においては、当該トリガ操作時に保持された発光輝度段階の明暗に対して、表示輝度段階の明暗を合わせることが可能になる。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0019】
請求項6に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、予め設定された基準段階に対して発光輝度段階が異なる間は、表示輝度段階及び発光輝度段階を相異状態のまま調光操作部の操作に応じて変更し、トリガ操作後、さらに発光輝度段階が基準段階と合致した後において、点灯状態制御手段は、表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致するまで、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、トリガ操作後、さらに発光輝度段階が基準段階と合致し且つ表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致した後において、点灯状態制御手段は、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0020】
このような請求項6に記載の発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でのトリガ操作が行われると、それらの輝度段階は、相異状態のままの変更により基準段階と合致した発光輝度段階に対して表示輝度段階も合致するまで、電飾部の消灯時と同様に制御される。即ち、表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、基準段階と合致した後の電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持され得る。さらにトリガ操作後、かかる保持状態の発光輝度段階に対して表示輝度段階が合致した後においては、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作後においては、基準段階に保持された発光輝度段階の明暗に対して、表示輝度段階の明暗を合わせることが可能になる。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの計器を示す正面図である。
【図3】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの車載機器を示す正面図である。
【図4】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置について説明するための模式図である。
【図5】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【図9】本発明の第二実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートであって、図6に対応する図である。
【図10】本発明の第二実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【図11】本発明の第三実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートであって、図6に対応する図である。
【図12】本発明の第三実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0023】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による車両用調光システム1を示している。四輪乗用車等の車両に搭載される車両用調光システム1は、計器2、車載機器3、点消灯スイッチ4、調光スイッチ5、照度センサ6及び調光制御装置7等から構成されている。
【0024】
図1,2に示すように計器2は、車両において車室内前方のインストルメントパネルに設置されるアナログ式メータであり、計器板20、指針21、表示光源22及び駆動源23を有している。
【0025】
図2に示す計器板20は、例えば透光性基板に遮光印刷層を積層してなり、車室内の前方から後方へ向かう方向を表示方向として設置されている。計器板20には、車室内の乗員へ向けて表示する指標として、目盛20a及び文字20bがそれぞれ複数ずつ形成されている。これらの指標20a,20bは、例えば透光性基板において遮光印刷層の貫通孔から露出する部分(図1参照)からなり、表示光源22からの光を表示方向後側から前側へ透過させる。ここで本実施形態の指標20a,20bは、車両情報としての車速情報を表示するものであるが、その他の車両情報、例えば燃料の残量情報、エンジンの回転数情報、エンジン冷却水の温度情報を表示するものであってもよい。
【0026】
指針21は、計器板20の表示方向前側に設置されている。指針21の回転軸21aは、計器板20を表示方向前側から後側へと貫通して駆動源23に連結されており、それによって指針21が回転可能となっている。指針21は、回転軸21aの回転方向に沿って並ぶ指標20a,20bを、当該軸21aの回転位置に応じて指示する。
【0027】
図1に示す表示光源22は、例えば発光ダイオードを主体に構成され、計器板20の表示方向後側に設置されている。表示光源22は、通電により駆動されて点灯することで、光を計器板20へ向けて出射する。こうして表示光源22から出射された光は、計器板20の指標20a,20bを表示方向後側から前側へ透過することで、それらの指標20a,20bを発光表示させる。したがって、指標20a,20bによる計器板20の表示輝度は、表示光源22の発光輝度に応じて決まるようになっている。
【0028】
図2に示す駆動源23は、例えばステッピングモータであり、計器板20の表示方向後側に設置されている。駆動源23の出力軸23aは、指針21の回転軸21aに連結されている。通電によって駆動源23は、出力軸23aと共に指針21を回転駆動する。
【0029】
図1,3に示すように車載機器3は、車室内前方のインストルメントパネルに設置されるオーディオ機器であり、電飾パネル30及び照明光源32を有している。
【0030】
図3に示す電飾パネル30は、例えば複数の液晶画素を2次元方向に配列してなる液晶パネルであり、車室内の前方から後方へ向かう方向を表示方向として設置されている。電飾パネル30は、例えば車載機器3の動作状態といった複数の情報画像30aを、車室内の乗員へ向けて表示する。尚、電飾パネル30については、図1に二点鎖線で示すように調光制御装置7と電気接続して当該制御装置7により制御してもよいし、車載機器3に専用の別の制御装置により制御してもよい。
【0031】
図1に示す照明光源32は、例えば発光ダイオードを主体に構成され、電飾パネル30の表示方向後側に設置されている。照明光源32は、通電により駆動されて点灯することで、光を電飾パネル30へ向けて出射する。こうして照明光源32から出射された光は、電飾パネル30を表示方向後側から前側へと透過照明することで、当該パネル30の表示画像30aを発光させる。したがって、電飾パネル30の発光輝度は、照明光源32の点灯輝度に応じて決まるようになっている。
【0032】
点消灯スイッチ4は、車両のライト及び照明光源32の点消灯を切換えるために、運転席上の乗員により操作可能に車室内に配置されている。ここで本実施形態の点消灯スイッチ4には、照明光源32と共にテールランプを点灯させる車幅灯オン位置及び前照灯オン位置と、照明光源32と共にテールランプを消灯させる全灯オフ位置とが、操作位置として設定されている。
【0033】
図1,2に示す調光スイッチ5は、計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度を段階的に調整するために、運転席上の乗員により操作可能に車室内に配置されている。調光スイッチ5は、例えばプッシュスイッチであり、計器板20の表示輝度の調整段階(表示輝度段階)及び電飾パネル30の発光輝度の調整段階(発光輝度段階)を、一回の操作によって一段階変更可能となっている。ここで、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階は、それぞれ同数ずつ(本実施形態では七段階ずつ)用意されている。そして、本実施形態において各輝度段階は、図4に示す如く調光スイッチ5の操作毎に暗くなる側へと変更され、最暗段階(図4のStep7)に達すると、次の調光スイッチ5の操作によって最明段階(図4のStep1)へと戻るように設定されている。
【0034】
図1に示す照度センサ6は、例えば光検出手段としてのフォトトランジスタ又はフォトダイオードからなり、車室内前方のインストルメントパネルの上部に設置されている。照度センサ6は、車両のフロントウィンドシールドを通して受ける外光の照度を、検出する。こうして検出される外光照度に基づくことにより、車両環境の明暗判定が可能となっている。
【0035】
調光制御装置7は、メモリ70を有する例えばマイクロコンピュータであり、計器板20の表示方向後側において計器2に内蔵されている。調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階に関するテーブルを、メモリ70に予め記憶している。
【0036】
ここで図4に示すように、計器板20の表示輝度段階に関するテーブルとしては、車両環境が明状態となる昼間時等に適用される明状態調光テーブルTaと、車両環境が暗状態となる夜間時等に適用される暗状態調光テーブルTbとが、メモリ70に記憶されている。また、電飾パネル30の発光輝度段階に関するテーブルとしては、照明光源32の点灯時に適用される電飾調光テーブルTcが、メモリ70に記憶されている。そして、特に本実施形態の各調光テーブルTa,Tb,Tcは、対象とする輝度段階につき、最明段階(図4の各Step1)の輝度を基準として、残りの段階の輝度を百分率にて規定している。以上より、各調光テーブルTa,Tb,Tcが規定する輝度段階間の輝度変化率は、相異なるものとなっている。
【0037】
図1に示すように調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階につき、調光テーブルTa,Tb,Tc(図4参照)に従って変更された値Ma,Mb,Mcを逐次メモリ70に記憶する。具体的に調光制御装置7は、明状態調光テーブルTaに従って計器板20の表示輝度段階を変更する毎に、当該変更後の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maとして更新する。また、調光制御装置7は、暗状態調光テーブルTbに従って計器板20の表示輝度段階を変更する毎に、当該変更後の表示輝度段階をメモリ70の暗状態記憶値Mbとして更新する。さらにまた、調光制御装置7は、電飾調光テーブルTcに従って電飾パネル30の発光輝度段階を変更する毎に、当該変更後の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcとして更新すると共に、当該変更後の発光輝度段階を暗状態記憶値Mbとしても更新する。
【0038】
さらに調光制御装置7は、車両用調光システム1の電気要素、即ち光源22,32、駆動源23、スイッチ4,5及び照度センサ6と電気接続されている。それと共に調光制御装置7は、計器2による表示情報(本実施形態では、車速情報)を取得するための車両センサ8にも、電気接続されている。こうした電気接続形態の調光制御装置7は、スイッチ4,5の操作と照度センサ6の出力に応じて光源22,32への通電を制御すると共に、車両センサ8の出力に応じて駆動源23への通電を制御する。ここで特に、光源22,32への通電制御によれば、それぞれ計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度を、メモリ70の記憶値Ma,Mb,Mcのいずれかと合わせるようにして制御可能である。そこで、以下においては、計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度の調光制御装置7による制御について、詳細に説明する。
【0039】
調光制御装置7は、メモリ70に予め記憶の制御プログラムを実行することにより、図5〜7に示す制御フローを実現する。尚、この制御フローは、車両のエンジンスイッチがオン状態となるのに応じて開始され、当該エンジンスイッチがオフ状態となるのに応じて終了する。
【0040】
まず、図5に示すように制御フローのS100では、照度センサ6の出力に基づいて車両環境の明暗を判定する。その結果、外光照度が設定照度以上であって車両環境が明状態にあると判定されると、S101へ移行する一方、外光照度が当該設定照度未満であって車両環境が暗状態にあると判定されると、S119(図7参照)へ移行する。
【0041】
明状態判定が下された場合のS101では、表示光源22を点灯させることで、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maに合致させる。さらに続くS102では、点消灯スイッチ4の操作位置が全灯オフ位置にあるか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S103へ移行する一方、否定判定が下された場合には、S110(図6参照)へ移行する。
【0042】
点消灯スイッチ4の操作位置が全灯オフ位置にある場合のS103では、照明光源32を消灯させる。さらに続くS104では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S105へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに保持する。これに対し、否定判定が下された場合には、S106へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の明状態記憶値Ma及び電飾記憶値Mcに保持する。
【0043】
これらS105,S106のいずれの実行後にあっても、S107へ移行する。S107では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の明状態記憶値Maを更新する。尚、このとき、メモリ70の電飾記憶値Mc及び暗状態記憶値Mbは、互いに合致した状態となっている。
【0044】
さらにS107の後、S100,S102と同一内容のS108,S109によりそれぞれ明状態判定及び肯定判定が下される間は、S104へと戻ることになる。したがって、明状態判定下にて照明光源32が消灯しているときには、電飾パネル30の発光輝度段階を調光スイッチ5の操作に拘らずに保持しながら、計器板20の表示輝度段階を当該操作に応じて変更することができるのである。
【0045】
尚、S108により暗状態判定が下された場合には、S100と同様、S119(図7参照)へ移行する。また、S109により否定判定が下された場合には、S102と同様、S110(図6参照)へと移行することになる。
【0046】
以上に対し、点消灯スイッチ4の操作位置が車幅灯オン位置又は前照灯オン位置にある場合には、図6に示すS110において照明光源32を点灯させることにより、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに合致させる。さらに続くS111では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S112へ移行する一方、否定判定が下された場合には、S115へ移行する。
【0047】
調光スイッチ5の操作により実行されるS112では、現在の計器板20の表示輝度段階であるメモリ70の明状態記憶値Maと、現在の電飾パネル30の発光輝度段階であるメモリ70の電飾記憶値Mcとにつき、合致しているか否かを判定する。その結果、否定判定が下された場合には、S113へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階を当該変更後の表示輝度段階に合致させる。これに対し、肯定判定が下された場合には、S114へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、互いに合致したメモリ70の記憶値Ma,Mcから調光テーブルTa,Tcに従って一段階変更する。即ち、両輝度段階を合致状態のまま変更する。尚、調光スイッチ5が操作されないことにより実行されるS115では、S106と同様、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の記憶値Ma,Mcに保持する。
【0048】
以上、S113,S114,115のいずれの実行後にあっても、S116へ移行する。S116では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の明状態記憶値Maを更新する。それと共にS116では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階により、メモリ70の電飾記憶値Mc及び暗状態記憶値Mbを更新する。さらにS116の後、S100,S102と同一内容のS117,S118によりそれぞれ明状態判定及び否定判定が下される間は、S111へと戻ることになる。したがって、明状態判定下にて照明光源32が点灯しているときには、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階の相異状態にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作から、それらの輝度段階を合致させつつ変更することができるのである。
【0049】
尚、S117により暗状態判定が下された場合には、S100と同様、S119(図7参照)へと移行する。また、S118により肯定判定が下された場合には、S102と同様、S103(図5参照)へと移行することになる。
【0050】
ここまで、S100により明状態判定が下された場合について説明したが、S100により暗状態判定が下された場合には、図7に示すS119において表示光源22を点灯させることにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の暗状態記憶値Mbに合致させる。さらに続くS120では、照明光源32を点灯させることにより、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに合致させる。尚、このとき本実施形態では、メモリ70の暗状態記憶値Mbと電飾記憶値Mcとが合致するようになっているため、計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とについても合致することとなる。
【0051】
この後、S121では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S122へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階を、互いに合致したメモリ70の記憶値Mb,Mcから、それぞれ調光テーブルTb,Tcに従って一段階変更する。これに対し、否定判定が下された場合には、S123へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の記憶値Ma,Mcに保持する。
【0052】
これらS122,S123のいずれの実行後にあっても、S124へ移行する。S124では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の暗状態記憶値Mbを更新する。それと共にS124では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階により、メモリ70の電飾記憶値Mcを更新する。尚、S124の後、S100と同一内容のS125により暗状態判定が下される間は、S121へと戻るが、S125により明状態判定が下された場合には、S100と同様、S101(図5参照)へと移行することになる。
【0053】
以上説明した第一実施形態によると、明状態の車両環境下、電飾パネル30に対する照明光源32が消灯した車室内では、計器板20の表示輝度段階が調光スイッチ5の操作に応じて変更されるのに対し、電飾パネル30の発光輝度段階は当該操作に拘らず保持される。故に、例えば図8に示すように、計器板20の表示輝度段階(図8のStep1)が電飾パネル30の発光輝度段階(図8のStep5)とはずれてしまい、その後、車両環境が明状態であるにも拘らず照明光源32が点灯されたときに、車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0054】
しかし、第一実施形態によると、明状態の車両環境下、照明光源32が点灯状態となった車室内では、図8に示すように、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階が相異なる状態(図8のStep1,5)にて調光スイッチ5がトリガ操作されると、それらの輝度段階が即座に合致させられる(図8の各輝度段階のStep2)。これによれば、照明光源32の消灯状態において両輝度段階が互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を照明光源32の点灯状態において確実に合わせ得る。したがって、車室内の乗員に違和感を与えることなく、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0055】
尚、ここまでの第一実施形態では、計器板20及び表示光源22を有する計器2が特許請求の範囲に記載の「計器部」に相当し、電飾パネル30及び照明光源32を有する車載機器3が特許請求の範囲に記載の「電飾部」に相当する。また、第一実施形態では、点消灯スイッチ4が特許請求の範囲に記載の「切換操作部」に相当し、調光スイッチ5が特許請求の範囲に記載の「調光操作部」に相当し、調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「調光制御部」に相当する。さらにまた、第一実施形態では、制御フローのS103〜S109を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「消灯状態制御手段」に相当し、制御フローのS110〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当し、制御フローのS100,S108,S117,S125を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「判定手段」に相当する。
【0056】
(第二実施形態)
図9,10に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の制御フローでは、メモリ70の記憶値Ma,Mcが相異なることにより図9のS112にて否定判定が下された場合に、第一実施形態のS113に代えてS213を実行する。
【0057】
具体的にS213では、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに保持する。そして、S213の実行後にS116へ移行する本実施形態によると、例えば図10の如く表示輝度段階は、両輝度段階の相異状態(図10のStep1,5)にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作後、当該トリガ操作に応じて保持される発光輝度段階(図10のStep5)と合致させることが可能となる。
【0058】
以上説明した第二実施形態によれば、照明光源32の消灯状態で計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とが互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能である。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0059】
尚、ここまでの第二実施形態では、制御フローのS110〜S112、S213、S114〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当する。
【0060】
(第三実施形態)
図11,12に示すように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。第三実施形態の制御フローでは、メモリ70の記憶値Ma,Mcが相異なることにより図11のS112にて否定判定が下された場合に、第二実施形態のS213の実行に先立ってS313を実行する。
【0061】
S313では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階であるメモリ70の電飾記憶値Mcについて、所定の基準段階Mcbと合致しているか否かを判定する。ここで基準段階Mcbは、複数の発光輝度段階のうち予め選択された一つの段階に設定されるものであり、例えば本実施形態では、最暗段階(図12のStep7)に設定されている。
【0062】
メモリ70の電飾記憶値Mcが基準段階Mcbと異なっていることによりS313にて否定判定が下された場合には、S314へ移行する。S314では、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、相異なるメモリ70の記憶値Ma,Mcから調光テーブルTa,Tcに従って一段階変更する。即ち、両輝度段階を相異状態のまま変更する。
【0063】
一方、メモリ70の電飾記憶値Mcが基準段階Mcbと合致していることによりS313にて肯定判定が下された場合には、電飾パネル30の発光輝度段階を保持して計器板20の表示輝度段階のみを変更するS213が、実行される。故に、第三実施形態のS213では特に、メモリ70の電飾記憶値Mcと合致した基準段階Mcbに、電飾パネル30の発光輝度段階が合致させられることとなる。
【0064】
これらS313,S213のいずれの実行後においても、本実施形態では、S116へと移行する。このような本実施形態によると、例えば図12に示すように、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階の相異状態(図12のStep1,5)にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作後、発光輝度段階が基準段階Mcb(図12のStep7)と異なる間は、両輝度段階が相異したまま変更される。さらにその結果、発光輝度段階が基準段階Mcb(図12のStep7)に合致すると、表示輝度段階は、当該基準段階Mcbに保持された発光輝度段階と合致させることが可能となる。
【0065】
以上説明した第三実施形態によれば、照明光源32の消灯状態で計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とが互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能である。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0066】
尚、ここまでの第三実施形態では、制御フローのS110〜S112、S313、S314、S213、S114〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当する。
【0067】
(他の実施形態)
さて、以上において本発明の第一〜第三実施形態を詳細に説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
【0068】
具体的に「計器部」としては、計器2の如きアナログ式メータ以外にも、例えば液晶パネル等を有するデジタル式メータを採用してもよい。また、「電飾部」としては、車載機器3の如き電飾パネル30及び光源32を有するオーディオ機器以外にも、例えばエアコン等の車載機器の他、車両のシフトレバーやスイッチ類等のうち、「計器部」とは別に点消灯可能な部分を有するものを、採用してもよい。さらにまた、「切換操作部」としては、点消灯スイッチ4の如く「電飾部」を車両のライトと共に点消灯するもの以外にも、例えば「電飾部」の点消灯に専用に設けられたスイッチ等を採用してもよい。加えて、「調光操作部」の操作に応じて調整される各輝度段階については、その操作毎に明るくなる側へと変更され、最明段階に達すると、次の操作によって最暗段階へと戻るように設定してもよい。さらに加えて、「調光制御部」による制御フローについては、例えば図6,9,11に示す明状態判定下でのフロー部分に準じた制御を、図7に示す暗状態判定下でのフロー部分の制御に代えて実現するように、変更してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 車両用調光システム、2 計器(計器部)、3 車載機器(電飾部)、4 点消灯スイッチ(切換操作部)、5 調光スイッチ(調光操作部)、6 照度センサ、7 調光制御装置(調光制御部・消灯状態制御手段・点灯状態制御手段)、8 車両センサ、20 計器板、22 表示光源、30 電飾パネル、32 照明光源、70 メモリ、Ma 明状態記憶値、Mb 暗状態記憶値、Mc 電飾記憶値、Mcb 基準段階、Ta 明状態調光テーブル、Tb 暗状態調光テーブル、Tc 電飾調光テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用調光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、車室内において車両情報を表示する計器部の表示輝度を、調光操作部の操作に応じて段階的に調整するようにした車両用調光システムが、知られている。
【0003】
このような車両用調光システムでは、計器部の表示輝度の調整段階が複数段階、用意されている。これにより、車室内の乗員は表示輝度の調整段階を、自身の嗜好に適した段階と合致するまで、調光操作部の操作によって変更し得る。
【0004】
さて、車室内において一般には、ライトスイッチといった切換操作部の操作に応じて点消灯する電飾部が、エアコン、オーディオ機器、シフタ等に設けられている。そして、こうした電飾部については、近年、その発光輝度を調光操作部の操作に応じて段階的に調整することが、検討されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−318050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、電飾部の点灯下、その発光輝度を計器部の表示輝度と同じ調光操作部により段階的に調整するようにした場合、それら発光輝度及び表示輝度の段階をそれぞれ同数ずつに設定することが、望ましい。なぜなら、発光輝度及び表示輝度のうち一方が調光操作部の操作に応じて明るくなるにも拘らず、それら輝度のうち他方が暗くなるような場合、車室内の乗員に違和感を与えるおそれがあることから、両輝度段階の明暗の程度を合わせておくことが必要となるためである。
【0007】
しかし、電飾部の消灯下では、当該電飾部の発光輝度を変更する必要はない。故に、電飾部の消灯下、調光操作部の操作に応じて計器部の表示輝度のみが変更されると、当該計器部の表示輝度段階が電飾部の発光輝度段階とはずれてしまい、その後の電飾部の点灯下において乗員に違和感を与えるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両乗員の嗜好に適した調光を実現する車両用調光システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、車室内において車両情報を表示する計器部と、車室内において点消灯する電飾部と、電飾部の点消灯を切換えるために操作される切換操作部と、計器部の表示輝度及び電飾部の発光輝度を段階的に調整するために操作される調光操作部と、切換操作部及び調光操作部の操作に応じて計器部及び電飾部を制御する調光制御部と、を備え、計器部の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び電飾部の発光輝度の調整段階である発光輝度段階がそれぞれ同数ずつ設定され、それら表示輝度段階及び発光輝度段階に合わせて計器部の表示輝度及び電飾部の発光輝度が制御される車両用調光システムであって、調光制御部は、切換操作部による電飾部の消灯下、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持する消灯状態制御手段と、切換操作部による電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されることを条件として、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる点灯状態制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような請求項1に記載の発明によると、切換操作部の操作により電飾部が消灯した車室内では、車両情報を表示する計器部の表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、当該電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持される。故に、表示輝度段階と発光輝度段階とが同数ずつ設定される構成では、電飾部の消灯下において表示輝度段階が発光輝度段階とはずれてしまい、その後の電飾部の点灯下において車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0011】
しかし、請求項1に記載の発明によると、切換操作部の操作により電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態にて調光操作部が操作されることを条件として、当該操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。これによれば、電飾部の点灯下、相異なる表示輝度段階及び発光輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更しても、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0012】
請求項2に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び点灯部の発光輝度段階の合致状態で調光操作部が操作されることにより、それら表示輝度段階及び発光輝度段階を合致状態のまま変更する。この発明によると、切換操作部の操作により電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の合致状態で調光操作部が操作されることで、それら輝度段階が同一の段階に変更させられ得る。これによれば、電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階を相異状態からだけでなく、合致状態から変更する場合にも、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を確実に抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0013】
請求項3に記載の発明において調光制御部は、車両環境の明暗を判定する判定手段を備え、消灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の消灯下、判定手段により判定された車両環境が明状態である場合に、計器部の表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ電飾部の発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、判定手段により判定された車両環境が明状態である場合に、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されることを条件として、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0014】
このような請求項3に記載の発明によると、昼間時等、車両環境が明状態と判定される場合に電飾部が消灯した車室内では、計器部の表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるのに対し、当該電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持される。故に、電飾部の消灯下において表示輝度段階が発光輝度段階とはずれてしまい、その後、車両環境が明状態であるにも拘らず電飾部が点灯されたときに、車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0015】
しかし、請求項3に記載の発明によると、車両環境が明状態と判定される一方で電飾部が点灯状態となった車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されると、その操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。これによれば、車両環境が明状態であるにも拘らず電飾部が点灯されたときに、相異なる表示輝度段階及び発光輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更しても、両輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能となる。したがって、車室内の乗員に違和感を与える事態を抑制して、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0016】
請求項4に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び電飾部の発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出することにより、表示輝度段階を調光操作部の当該トリガ操作及び当該トリガ操作後における調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。この発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でトリガ操作が行われることにより表示輝度段階が変更されると、当該変更後の表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。さらにトリガ操作後においても、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作に応じて、相異なった表示輝度段階及び発光輝度段階の明暗の程度が即座に合わせられることとなる。したがって、車室内の乗員に違和感を与えることなく、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0017】
請求項5に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、計器部の表示輝度段階及び電飾部の発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、表示輝度段階が発光輝度段階と合致するまで、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、トリガ操作後、さらに表示輝度段階が発光輝度段階と合致した後において点灯状態制御手段は、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0018】
このような請求項5に記載の発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でのトリガ操作が行われると、それらの輝度段階は、合致状態となるまで電飾部の消灯時と同様に制御される。即ち、表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持され得る。さらにトリガ操作後、かかる保持状態の発光輝度段階に対して表示輝度段階が合致した後においては、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作後においては、当該トリガ操作時に保持された発光輝度段階の明暗に対して、表示輝度段階の明暗を合わせることが可能になる。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0019】
請求項6に記載の発明において点灯状態制御手段は、切換操作部による電飾部の点灯下、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態で調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、予め設定された基準段階に対して発光輝度段階が異なる間は、表示輝度段階及び発光輝度段階を相異状態のまま調光操作部の操作に応じて変更し、トリガ操作後、さらに発光輝度段階が基準段階と合致した後において、点灯状態制御手段は、表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致するまで、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を調光操作部の操作に拘らず保持し、トリガ操作後、さらに発光輝度段階が基準段階と合致し且つ表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致した後において、点灯状態制御手段は、表示輝度段階を調光操作部の操作に応じて変更し且つ発光輝度段階を表示輝度段階に合致させる。
【0020】
このような請求項6に記載の発明によると、電飾部が点灯した車室内では、表示輝度段階及び発光輝度段階の相異状態でのトリガ操作が行われると、それらの輝度段階は、相異状態のままの変更により基準段階と合致した発光輝度段階に対して表示輝度段階も合致するまで、電飾部の消灯時と同様に制御される。即ち、表示輝度段階は調光操作部の操作に応じて変更されるが、基準段階と合致した後の電飾部の発光輝度段階は調光操作部の操作に拘らず保持され得る。さらにトリガ操作後、かかる保持状態の発光輝度段階に対して表示輝度段階が合致した後においては、調光操作部の操作に応じて変更される表示輝度段階に発光輝度段階が合致させられ得る。以上によれば、電飾部が消灯状態から点灯状態となって最初のトリガ操作後においては、基準段階に保持された発光輝度段階の明暗に対して、表示輝度段階の明暗を合わせることが可能になる。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの計器を示す正面図である。
【図3】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの車載機器を示す正面図である。
【図4】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置について説明するための模式図である。
【図5】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第一実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【図9】本発明の第二実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートであって、図6に対応する図である。
【図10】本発明の第二実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【図11】本発明の第三実施形態による車両用調光システムの調光制御装置が実現する制御フローを示すフローチャートであって、図6に対応する図である。
【図12】本発明の第三実施形態による車両用調光システムの特徴について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0023】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による車両用調光システム1を示している。四輪乗用車等の車両に搭載される車両用調光システム1は、計器2、車載機器3、点消灯スイッチ4、調光スイッチ5、照度センサ6及び調光制御装置7等から構成されている。
【0024】
図1,2に示すように計器2は、車両において車室内前方のインストルメントパネルに設置されるアナログ式メータであり、計器板20、指針21、表示光源22及び駆動源23を有している。
【0025】
図2に示す計器板20は、例えば透光性基板に遮光印刷層を積層してなり、車室内の前方から後方へ向かう方向を表示方向として設置されている。計器板20には、車室内の乗員へ向けて表示する指標として、目盛20a及び文字20bがそれぞれ複数ずつ形成されている。これらの指標20a,20bは、例えば透光性基板において遮光印刷層の貫通孔から露出する部分(図1参照)からなり、表示光源22からの光を表示方向後側から前側へ透過させる。ここで本実施形態の指標20a,20bは、車両情報としての車速情報を表示するものであるが、その他の車両情報、例えば燃料の残量情報、エンジンの回転数情報、エンジン冷却水の温度情報を表示するものであってもよい。
【0026】
指針21は、計器板20の表示方向前側に設置されている。指針21の回転軸21aは、計器板20を表示方向前側から後側へと貫通して駆動源23に連結されており、それによって指針21が回転可能となっている。指針21は、回転軸21aの回転方向に沿って並ぶ指標20a,20bを、当該軸21aの回転位置に応じて指示する。
【0027】
図1に示す表示光源22は、例えば発光ダイオードを主体に構成され、計器板20の表示方向後側に設置されている。表示光源22は、通電により駆動されて点灯することで、光を計器板20へ向けて出射する。こうして表示光源22から出射された光は、計器板20の指標20a,20bを表示方向後側から前側へ透過することで、それらの指標20a,20bを発光表示させる。したがって、指標20a,20bによる計器板20の表示輝度は、表示光源22の発光輝度に応じて決まるようになっている。
【0028】
図2に示す駆動源23は、例えばステッピングモータであり、計器板20の表示方向後側に設置されている。駆動源23の出力軸23aは、指針21の回転軸21aに連結されている。通電によって駆動源23は、出力軸23aと共に指針21を回転駆動する。
【0029】
図1,3に示すように車載機器3は、車室内前方のインストルメントパネルに設置されるオーディオ機器であり、電飾パネル30及び照明光源32を有している。
【0030】
図3に示す電飾パネル30は、例えば複数の液晶画素を2次元方向に配列してなる液晶パネルであり、車室内の前方から後方へ向かう方向を表示方向として設置されている。電飾パネル30は、例えば車載機器3の動作状態といった複数の情報画像30aを、車室内の乗員へ向けて表示する。尚、電飾パネル30については、図1に二点鎖線で示すように調光制御装置7と電気接続して当該制御装置7により制御してもよいし、車載機器3に専用の別の制御装置により制御してもよい。
【0031】
図1に示す照明光源32は、例えば発光ダイオードを主体に構成され、電飾パネル30の表示方向後側に設置されている。照明光源32は、通電により駆動されて点灯することで、光を電飾パネル30へ向けて出射する。こうして照明光源32から出射された光は、電飾パネル30を表示方向後側から前側へと透過照明することで、当該パネル30の表示画像30aを発光させる。したがって、電飾パネル30の発光輝度は、照明光源32の点灯輝度に応じて決まるようになっている。
【0032】
点消灯スイッチ4は、車両のライト及び照明光源32の点消灯を切換えるために、運転席上の乗員により操作可能に車室内に配置されている。ここで本実施形態の点消灯スイッチ4には、照明光源32と共にテールランプを点灯させる車幅灯オン位置及び前照灯オン位置と、照明光源32と共にテールランプを消灯させる全灯オフ位置とが、操作位置として設定されている。
【0033】
図1,2に示す調光スイッチ5は、計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度を段階的に調整するために、運転席上の乗員により操作可能に車室内に配置されている。調光スイッチ5は、例えばプッシュスイッチであり、計器板20の表示輝度の調整段階(表示輝度段階)及び電飾パネル30の発光輝度の調整段階(発光輝度段階)を、一回の操作によって一段階変更可能となっている。ここで、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階は、それぞれ同数ずつ(本実施形態では七段階ずつ)用意されている。そして、本実施形態において各輝度段階は、図4に示す如く調光スイッチ5の操作毎に暗くなる側へと変更され、最暗段階(図4のStep7)に達すると、次の調光スイッチ5の操作によって最明段階(図4のStep1)へと戻るように設定されている。
【0034】
図1に示す照度センサ6は、例えば光検出手段としてのフォトトランジスタ又はフォトダイオードからなり、車室内前方のインストルメントパネルの上部に設置されている。照度センサ6は、車両のフロントウィンドシールドを通して受ける外光の照度を、検出する。こうして検出される外光照度に基づくことにより、車両環境の明暗判定が可能となっている。
【0035】
調光制御装置7は、メモリ70を有する例えばマイクロコンピュータであり、計器板20の表示方向後側において計器2に内蔵されている。調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階に関するテーブルを、メモリ70に予め記憶している。
【0036】
ここで図4に示すように、計器板20の表示輝度段階に関するテーブルとしては、車両環境が明状態となる昼間時等に適用される明状態調光テーブルTaと、車両環境が暗状態となる夜間時等に適用される暗状態調光テーブルTbとが、メモリ70に記憶されている。また、電飾パネル30の発光輝度段階に関するテーブルとしては、照明光源32の点灯時に適用される電飾調光テーブルTcが、メモリ70に記憶されている。そして、特に本実施形態の各調光テーブルTa,Tb,Tcは、対象とする輝度段階につき、最明段階(図4の各Step1)の輝度を基準として、残りの段階の輝度を百分率にて規定している。以上より、各調光テーブルTa,Tb,Tcが規定する輝度段階間の輝度変化率は、相異なるものとなっている。
【0037】
図1に示すように調光制御装置7は、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階につき、調光テーブルTa,Tb,Tc(図4参照)に従って変更された値Ma,Mb,Mcを逐次メモリ70に記憶する。具体的に調光制御装置7は、明状態調光テーブルTaに従って計器板20の表示輝度段階を変更する毎に、当該変更後の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maとして更新する。また、調光制御装置7は、暗状態調光テーブルTbに従って計器板20の表示輝度段階を変更する毎に、当該変更後の表示輝度段階をメモリ70の暗状態記憶値Mbとして更新する。さらにまた、調光制御装置7は、電飾調光テーブルTcに従って電飾パネル30の発光輝度段階を変更する毎に、当該変更後の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcとして更新すると共に、当該変更後の発光輝度段階を暗状態記憶値Mbとしても更新する。
【0038】
さらに調光制御装置7は、車両用調光システム1の電気要素、即ち光源22,32、駆動源23、スイッチ4,5及び照度センサ6と電気接続されている。それと共に調光制御装置7は、計器2による表示情報(本実施形態では、車速情報)を取得するための車両センサ8にも、電気接続されている。こうした電気接続形態の調光制御装置7は、スイッチ4,5の操作と照度センサ6の出力に応じて光源22,32への通電を制御すると共に、車両センサ8の出力に応じて駆動源23への通電を制御する。ここで特に、光源22,32への通電制御によれば、それぞれ計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度を、メモリ70の記憶値Ma,Mb,Mcのいずれかと合わせるようにして制御可能である。そこで、以下においては、計器板20の表示輝度及び電飾パネル30の発光輝度の調光制御装置7による制御について、詳細に説明する。
【0039】
調光制御装置7は、メモリ70に予め記憶の制御プログラムを実行することにより、図5〜7に示す制御フローを実現する。尚、この制御フローは、車両のエンジンスイッチがオン状態となるのに応じて開始され、当該エンジンスイッチがオフ状態となるのに応じて終了する。
【0040】
まず、図5に示すように制御フローのS100では、照度センサ6の出力に基づいて車両環境の明暗を判定する。その結果、外光照度が設定照度以上であって車両環境が明状態にあると判定されると、S101へ移行する一方、外光照度が当該設定照度未満であって車両環境が暗状態にあると判定されると、S119(図7参照)へ移行する。
【0041】
明状態判定が下された場合のS101では、表示光源22を点灯させることで、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maに合致させる。さらに続くS102では、点消灯スイッチ4の操作位置が全灯オフ位置にあるか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S103へ移行する一方、否定判定が下された場合には、S110(図6参照)へ移行する。
【0042】
点消灯スイッチ4の操作位置が全灯オフ位置にある場合のS103では、照明光源32を消灯させる。さらに続くS104では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S105へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに保持する。これに対し、否定判定が下された場合には、S106へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の明状態記憶値Ma及び電飾記憶値Mcに保持する。
【0043】
これらS105,S106のいずれの実行後にあっても、S107へ移行する。S107では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の明状態記憶値Maを更新する。尚、このとき、メモリ70の電飾記憶値Mc及び暗状態記憶値Mbは、互いに合致した状態となっている。
【0044】
さらにS107の後、S100,S102と同一内容のS108,S109によりそれぞれ明状態判定及び肯定判定が下される間は、S104へと戻ることになる。したがって、明状態判定下にて照明光源32が消灯しているときには、電飾パネル30の発光輝度段階を調光スイッチ5の操作に拘らずに保持しながら、計器板20の表示輝度段階を当該操作に応じて変更することができるのである。
【0045】
尚、S108により暗状態判定が下された場合には、S100と同様、S119(図7参照)へ移行する。また、S109により否定判定が下された場合には、S102と同様、S110(図6参照)へと移行することになる。
【0046】
以上に対し、点消灯スイッチ4の操作位置が車幅灯オン位置又は前照灯オン位置にある場合には、図6に示すS110において照明光源32を点灯させることにより、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに合致させる。さらに続くS111では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S112へ移行する一方、否定判定が下された場合には、S115へ移行する。
【0047】
調光スイッチ5の操作により実行されるS112では、現在の計器板20の表示輝度段階であるメモリ70の明状態記憶値Maと、現在の電飾パネル30の発光輝度段階であるメモリ70の電飾記憶値Mcとにつき、合致しているか否かを判定する。その結果、否定判定が下された場合には、S113へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階を当該変更後の表示輝度段階に合致させる。これに対し、肯定判定が下された場合には、S114へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、互いに合致したメモリ70の記憶値Ma,Mcから調光テーブルTa,Tcに従って一段階変更する。即ち、両輝度段階を合致状態のまま変更する。尚、調光スイッチ5が操作されないことにより実行されるS115では、S106と同様、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の記憶値Ma,Mcに保持する。
【0048】
以上、S113,S114,115のいずれの実行後にあっても、S116へ移行する。S116では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の明状態記憶値Maを更新する。それと共にS116では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階により、メモリ70の電飾記憶値Mc及び暗状態記憶値Mbを更新する。さらにS116の後、S100,S102と同一内容のS117,S118によりそれぞれ明状態判定及び否定判定が下される間は、S111へと戻ることになる。したがって、明状態判定下にて照明光源32が点灯しているときには、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階の相異状態にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作から、それらの輝度段階を合致させつつ変更することができるのである。
【0049】
尚、S117により暗状態判定が下された場合には、S100と同様、S119(図7参照)へと移行する。また、S118により肯定判定が下された場合には、S102と同様、S103(図5参照)へと移行することになる。
【0050】
ここまで、S100により明状態判定が下された場合について説明したが、S100により暗状態判定が下された場合には、図7に示すS119において表示光源22を点灯させることにより、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の暗状態記憶値Mbに合致させる。さらに続くS120では、照明光源32を点灯させることにより、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに合致させる。尚、このとき本実施形態では、メモリ70の暗状態記憶値Mbと電飾記憶値Mcとが合致するようになっているため、計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とについても合致することとなる。
【0051】
この後、S121では、設定時間内に調光スイッチ5が操作されたか否かを判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S122へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階を、互いに合致したメモリ70の記憶値Mb,Mcから、それぞれ調光テーブルTb,Tcに従って一段階変更する。これに対し、否定判定が下された場合には、S123へ移行することにより、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、メモリ70の記憶値Ma,Mcに保持する。
【0052】
これらS122,S123のいずれの実行後にあっても、S124へ移行する。S124では、現在の計器板20の表示輝度段階により、メモリ70の暗状態記憶値Mbを更新する。それと共にS124では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階により、メモリ70の電飾記憶値Mcを更新する。尚、S124の後、S100と同一内容のS125により暗状態判定が下される間は、S121へと戻るが、S125により明状態判定が下された場合には、S100と同様、S101(図5参照)へと移行することになる。
【0053】
以上説明した第一実施形態によると、明状態の車両環境下、電飾パネル30に対する照明光源32が消灯した車室内では、計器板20の表示輝度段階が調光スイッチ5の操作に応じて変更されるのに対し、電飾パネル30の発光輝度段階は当該操作に拘らず保持される。故に、例えば図8に示すように、計器板20の表示輝度段階(図8のStep1)が電飾パネル30の発光輝度段階(図8のStep5)とはずれてしまい、その後、車両環境が明状態であるにも拘らず照明光源32が点灯されたときに、車室内の乗員に違和感を与えることが懸念される。
【0054】
しかし、第一実施形態によると、明状態の車両環境下、照明光源32が点灯状態となった車室内では、図8に示すように、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階が相異なる状態(図8のStep1,5)にて調光スイッチ5がトリガ操作されると、それらの輝度段階が即座に合致させられる(図8の各輝度段階のStep2)。これによれば、照明光源32の消灯状態において両輝度段階が互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を照明光源32の点灯状態において確実に合わせ得る。したがって、車室内の乗員に違和感を与えることなく、当該乗員の嗜好に適した調光を実現することができるのである。
【0055】
尚、ここまでの第一実施形態では、計器板20及び表示光源22を有する計器2が特許請求の範囲に記載の「計器部」に相当し、電飾パネル30及び照明光源32を有する車載機器3が特許請求の範囲に記載の「電飾部」に相当する。また、第一実施形態では、点消灯スイッチ4が特許請求の範囲に記載の「切換操作部」に相当し、調光スイッチ5が特許請求の範囲に記載の「調光操作部」に相当し、調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「調光制御部」に相当する。さらにまた、第一実施形態では、制御フローのS103〜S109を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「消灯状態制御手段」に相当し、制御フローのS110〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当し、制御フローのS100,S108,S117,S125を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「判定手段」に相当する。
【0056】
(第二実施形態)
図9,10に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の制御フローでは、メモリ70の記憶値Ma,Mcが相異なることにより図9のS112にて否定判定が下された場合に、第一実施形態のS113に代えてS213を実行する。
【0057】
具体的にS213では、計器板20の表示輝度段階をメモリ70の明状態記憶値Maから明状態調光テーブルTaに従って一段階変更すると共に、電飾パネル30の発光輝度段階をメモリ70の電飾記憶値Mcに保持する。そして、S213の実行後にS116へ移行する本実施形態によると、例えば図10の如く表示輝度段階は、両輝度段階の相異状態(図10のStep1,5)にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作後、当該トリガ操作に応じて保持される発光輝度段階(図10のStep5)と合致させることが可能となる。
【0058】
以上説明した第二実施形態によれば、照明光源32の消灯状態で計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とが互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能である。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0059】
尚、ここまでの第二実施形態では、制御フローのS110〜S112、S213、S114〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当する。
【0060】
(第三実施形態)
図11,12に示すように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。第三実施形態の制御フローでは、メモリ70の記憶値Ma,Mcが相異なることにより図11のS112にて否定判定が下された場合に、第二実施形態のS213の実行に先立ってS313を実行する。
【0061】
S313では、現在の電飾パネル30の発光輝度段階であるメモリ70の電飾記憶値Mcについて、所定の基準段階Mcbと合致しているか否かを判定する。ここで基準段階Mcbは、複数の発光輝度段階のうち予め選択された一つの段階に設定されるものであり、例えば本実施形態では、最暗段階(図12のStep7)に設定されている。
【0062】
メモリ70の電飾記憶値Mcが基準段階Mcbと異なっていることによりS313にて否定判定が下された場合には、S314へ移行する。S314では、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階をそれぞれ、相異なるメモリ70の記憶値Ma,Mcから調光テーブルTa,Tcに従って一段階変更する。即ち、両輝度段階を相異状態のまま変更する。
【0063】
一方、メモリ70の電飾記憶値Mcが基準段階Mcbと合致していることによりS313にて肯定判定が下された場合には、電飾パネル30の発光輝度段階を保持して計器板20の表示輝度段階のみを変更するS213が、実行される。故に、第三実施形態のS213では特に、メモリ70の電飾記憶値Mcと合致した基準段階Mcbに、電飾パネル30の発光輝度段階が合致させられることとなる。
【0064】
これらS313,S213のいずれの実行後においても、本実施形態では、S116へと移行する。このような本実施形態によると、例えば図12に示すように、計器板20の表示輝度段階及び電飾パネル30の発光輝度段階の相異状態(図12のStep1,5)にてなされた調光スイッチ5の最初のトリガ操作後、発光輝度段階が基準段階Mcb(図12のStep7)と異なる間は、両輝度段階が相異したまま変更される。さらにその結果、発光輝度段階が基準段階Mcb(図12のStep7)に合致すると、表示輝度段階は、当該基準段階Mcbに保持された発光輝度段階と合致させることが可能となる。
【0065】
以上説明した第三実施形態によれば、照明光源32の消灯状態で計器板20の表示輝度段階と電飾パネル30の発光輝度段階とが互いにずれても、それら輝度段階の明暗の程度を合わせることが可能である。このように両輝度段階の明暗を合わせることで、車室内の乗員に違和感を与える事態が抑制されて、当該乗員の嗜好に適した調光が実現され得るのである。
【0066】
尚、ここまでの第三実施形態では、制御フローのS110〜S112、S313、S314、S213、S114〜S118を実行する調光制御装置7が特許請求の範囲に記載の「点灯状態制御手段」に相当する。
【0067】
(他の実施形態)
さて、以上において本発明の第一〜第三実施形態を詳細に説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
【0068】
具体的に「計器部」としては、計器2の如きアナログ式メータ以外にも、例えば液晶パネル等を有するデジタル式メータを採用してもよい。また、「電飾部」としては、車載機器3の如き電飾パネル30及び光源32を有するオーディオ機器以外にも、例えばエアコン等の車載機器の他、車両のシフトレバーやスイッチ類等のうち、「計器部」とは別に点消灯可能な部分を有するものを、採用してもよい。さらにまた、「切換操作部」としては、点消灯スイッチ4の如く「電飾部」を車両のライトと共に点消灯するもの以外にも、例えば「電飾部」の点消灯に専用に設けられたスイッチ等を採用してもよい。加えて、「調光操作部」の操作に応じて調整される各輝度段階については、その操作毎に明るくなる側へと変更され、最明段階に達すると、次の操作によって最暗段階へと戻るように設定してもよい。さらに加えて、「調光制御部」による制御フローについては、例えば図6,9,11に示す明状態判定下でのフロー部分に準じた制御を、図7に示す暗状態判定下でのフロー部分の制御に代えて実現するように、変更してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 車両用調光システム、2 計器(計器部)、3 車載機器(電飾部)、4 点消灯スイッチ(切換操作部)、5 調光スイッチ(調光操作部)、6 照度センサ、7 調光制御装置(調光制御部・消灯状態制御手段・点灯状態制御手段)、8 車両センサ、20 計器板、22 表示光源、30 電飾パネル、32 照明光源、70 メモリ、Ma 明状態記憶値、Mb 暗状態記憶値、Mc 電飾記憶値、Mcb 基準段階、Ta 明状態調光テーブル、Tb 暗状態調光テーブル、Tc 電飾調光テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内において車両情報を表示する計器部と、車室内において点消灯する電飾部と、前記電飾部の点消灯を切換えるために操作される切換操作部と、前記計器部の表示輝度及び前記電飾部の発光輝度を段階的に調整するために操作される調光操作部と、前記切換操作部及び前記調光操作部の操作に応じて前記計器部及び前記電飾部を制御する調光制御部と、を備え、前記計器部の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び前記電飾部の発光輝度の調整段階である発光輝度段階がそれぞれ同数ずつ設定され、それら表示輝度段階及び発光輝度段階に合わせて前記計器部の表示輝度及び前記電飾部の発光輝度が制御される車両用調光システムであって、
前記調光制御部は、
前記切換操作部による前記電飾部の消灯下、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持する消灯状態制御手段と、
前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されることを条件として、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させる点灯状態制御手段と、
を有することを特徴とする車両用調光システム。
【請求項2】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の合致状態で前記調光操作部が操作されることにより、それら表示輝度段階及び発光輝度段階を合致状態のまま変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用調光システム。
【請求項3】
前記調光制御部は、車両環境の明暗を判定する判定手段を備え、
前記消灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の消灯下、前記判定手段により判定された前記車両環境が明状態である場合に、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記判定手段により判定された前記車両環境が明状態である場合に、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されることを条件として、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用調光システム。
【請求項4】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出することにより、前記表示輝度段階を前記調光操作部の当該トリガ操作及び当該トリガ操作後における前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【請求項5】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、前記表示輝度段階が前記発光輝度段階と合致するまで、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記トリガ操作後、さらに前記表示輝度段階が前記発光輝度段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【請求項6】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、予め設定された基準段階に対して前記発光輝度段階が異なる間は、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階を相異状態のまま前記調光操作部の操作に応じて変更し、
前記トリガ操作後、さらに前記発光輝度段階が前記基準段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致するまで、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記トリガ操作後、さらに前記発光輝度段階が前記基準段階と合致し且つ前記表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【請求項1】
車室内において車両情報を表示する計器部と、車室内において点消灯する電飾部と、前記電飾部の点消灯を切換えるために操作される切換操作部と、前記計器部の表示輝度及び前記電飾部の発光輝度を段階的に調整するために操作される調光操作部と、前記切換操作部及び前記調光操作部の操作に応じて前記計器部及び前記電飾部を制御する調光制御部と、を備え、前記計器部の表示輝度の調整段階である表示輝度段階及び前記電飾部の発光輝度の調整段階である発光輝度段階がそれぞれ同数ずつ設定され、それら表示輝度段階及び発光輝度段階に合わせて前記計器部の表示輝度及び前記電飾部の発光輝度が制御される車両用調光システムであって、
前記調光制御部は、
前記切換操作部による前記電飾部の消灯下、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持する消灯状態制御手段と、
前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されることを条件として、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させる点灯状態制御手段と、
を有することを特徴とする車両用調光システム。
【請求項2】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の合致状態で前記調光操作部が操作されることにより、それら表示輝度段階及び発光輝度段階を合致状態のまま変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用調光システム。
【請求項3】
前記調光制御部は、車両環境の明暗を判定する判定手段を備え、
前記消灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の消灯下、前記判定手段により判定された前記車両環境が明状態である場合に、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記判定手段により判定された前記車両環境が明状態である場合に、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されることを条件として、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用調光システム。
【請求項4】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出することにより、前記表示輝度段階を前記調光操作部の当該トリガ操作及び当該トリガ操作後における前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【請求項5】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、前記表示輝度段階が前記発光輝度段階と合致するまで、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記トリガ操作後、さらに前記表示輝度段階が前記発光輝度段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【請求項6】
前記点灯状態制御手段は、前記切換操作部による前記電飾部の点灯下、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階の相異状態で前記調光操作部が操作されるトリガ操作を検出すると、予め設定された基準段階に対して前記発光輝度段階が異なる間は、前記表示輝度段階及び前記発光輝度段階を相異状態のまま前記調光操作部の操作に応じて変更し、
前記トリガ操作後、さらに前記発光輝度段階が前記基準段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致するまで、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記調光操作部の操作に拘らず保持し、
前記トリガ操作後、さらに前記発光輝度段階が前記基準段階と合致し且つ前記表示輝度段階が当該発光輝度段階と合致した後において、前記点灯状態制御手段は、前記表示輝度段階を前記調光操作部の操作に応じて変更し且つ前記発光輝度段階を前記表示輝度段階に合致させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用調光システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−173511(P2011−173511A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39090(P2010−39090)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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