説明

車両用送風機

【課題】熱交換器の中心に対して軸流ファンが熱交換器長手方向にずれて配置されていても、騒音を低レベルに抑えることができる車両用送風機を提供する。
【解決手段】ダクト部41および軸流ファン2が、ラジエータ1の中心に対してラジエータ長手方向にずれた位置に配置されている車両用送風機において、ダクト部41および軸流ファン2を、ラジエータ1の中心に対してラジエータ短手方向にずれた位置に配置し、ラジエータ1の一方の長辺側端部とダクト部41との間の隙間を第1隙間とし、ラジエータ1の他方の長辺側端部とダクト部41との間の隙間を第2隙間としたとき、ラジエータ1の2つの短辺側端部のうちダクト部41に近い方から見た際に、第1隙間を軸流ファン2の回転方向前方側に配置し、第2隙間を軸流ファン2の回転方向後方側に配置し、第2隙間のラジエータ短手方向の距離を、第1隙間のそれより長くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車のエンジン冷却用ラジエータや、車両用空調装置のコンデンサ等の熱交換器に冷却風を送風する車両用送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン冷却用ラジエータや、車両用空調装置のコンデンサのような熱交換器には、その背後にシュラウドとともに軸流ファンを設置して、熱交換器を通して外部から空気を吸引し、その気流によって熱交換器を冷却する構造をとるものが多い。このとき、熱交換器への送風量を増加させるため、軸流ファンの径を熱交換器のコア部からはみ出さない範囲で極力大きく設定するとともに、軸流ファンを熱交換器の上下・左右方向の中心位置に配置することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、ラジエータはコア部の長手方向が左右方向に一致する、いわゆる横長の長方形状に構成されているため、ラジエータに冷却風を送風するための軸流ファンの径は、コア部の短手方向(上下方向)の長さ以下に設定されている。このとき、軸流ファンの空気流れ上流側において上下部分の抵抗が他の部分より大きくなるため、軸流ファンが一回転する間に周期的な圧力変動が生じ、ファンブレードの回転次数に一致する周波数に騒音のピークが生じる。この回転騒音の次数成分は、理論的には、軸流ファンを熱交換器の上下方向の中心に配置することで最も抑制することができる。
【0004】
ところで、軸流ファンの設置に当たって、エンジンルーム内の過密化等の理由から、軸流ファンをラジエータの中心に合わせてその正面の背後に設けることが困難となる場合がしばしばあり、やむを得ず、ラジエータの中心に対して左右方向に偏心した(ずれた)位置に軸流ファンを設置することがある。このような場合、軸流ファンの空気流れ上流側において圧力の分布状態がアンバランスになっているため、回転騒音が増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、熱交換器の中心に対して軸流ファンが熱交換器長手方向にずれて配置されていても、騒音を低レベルに抑えることができる車両用送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ダクト部(41)および軸流ファン(2)が、熱交換器(1)の中心に対して熱交換器(1)の長手方向にずれた位置に配置されている車両用送風機において、ダクト部(41)および軸流ファン(2)は、熱交換器(1)の中心に対して熱交換器(1)の短手方向にずれた位置に配置されており、熱交換器(1)の一方の長辺側端部とダクト部(41)との間の隙間を第1隙間とし、熱交換器(1)の他方の長辺側端部とダクト部(41)との間の隙間を第2隙間としたとき、熱交換器(1)の2つの短辺側端部のうちダクト部(41)に近い方から見た際に、第1隙間は軸流ファン(2)の回転方向前方側に配置され、第2隙間は軸流ファン(2)の回転方向後方側に配置されており、第2隙間は、第1隙間より、熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなっていることを特徴としている。
【0007】
軸流ファン(2)を熱交換器(1)の中心に対して熱交換器(1)の長手方向にずれた位置に配置した場合には、一般に軸流ファン(2)の回転騒音が大きくなるが、その原因は、軸流ファン(2)の空気流れ上流側において、部分的な圧力のアンバランス状態が発生するためである。そこで、軸流ファン(2)を、熱交換器(1)の上下方向の中心位置ではなく、熱交換器(1)の中心に対して熱交換器(1)の短手方向にずれた位置に配置することで、軸流ファン(2)の空気流れ上流側において圧力がバランスして、回転騒音の次数成分が低減する。このため、熱交換器の中心に対して軸流ファンが熱交換器長手方向にずれて配置されていても、騒音を低レベルに抑えることが可能となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、車両後方側から見たときに、ダクト部(41)が熱交換器(1)の中心に対して左側にオフセットして配置されるとともに、軸流ファン(2)が時計方向に回転しており、熱交換器(1)の長辺側端部とダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、下側の隙間が上側の隙間より熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、ダクト部(41)および軸流ファン(2)が熱交換器(1)の中心に対して上側にずれて設定されていてもよい。
【0009】
また、請求項3に記載の発明のように、熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、車両後方側から見たときに、ダクト部(41)が熱交換器(1)の中心に対して左側にオフセットして配置されるとともに、軸流ファン(2)が反時計方向に回転しており、熱交換器(1)の長辺側端部とダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、上側の隙間が下側の隙間より熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、ダクト部(41)および軸流ファン(2)が熱交換器(1)の中心に対して下側にずれて設定されていてもよい。
【0010】
また、請求項4に記載の発明のように、熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、車両後方側から見たときに、ダクト部(41)が熱交換器(1)の中心に対して右側にオフセットして配置されるとともに、軸流ファン(2)が時計方向に回転しており、熱交換器(1)の長辺側端部とダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、上側の隙間が下側の隙間より熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、ダクト部(41)および軸流ファン(2)が熱交換器(1)の中心に対して下側にずれて設定されていてもよい。
【0011】
また、請求項5に記載の発明のように、熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、車両後方側から見たときに、ダクト部(41)が熱交換器(1)の中心に対して右側にオフセットして配置されるとともに、軸流ファン(2)が反時計方向に回転しており、熱交換器(1)の長辺側端部とダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、下側の隙間が上側の隙間より熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、ダクト部(41)および軸流ファン(2)が熱交換器(1)の中心に対して上側にずれて設定されていてもよい。
【0012】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す正面図である。
【0014】
図1に示すように、ラジエータ1の空気流れ下流側には、軸流ファン2が設けられている。本実施形態のラジエータ1は、冷却水が上下方向(鉛直方向)に流れるダウンフロータイプの熱交換器であり、図示しないコア部の上下端部にタンク部11が配置されている。コア部は、左右方向(水平方向)の長さが上下方向の長さよりも長くなっている。したがって、左右方向が本発明の熱交換器の長手方向に相当し、上下方向が本発明の熱交換器の短手方向に相当している。
【0015】
軸流ファン2は、図示しないボス部から放射状に延びる複数枚(本実施形態では9枚)のファンブレード21を有している。また、軸流ファン2は、空気が軸方向を通り抜けるファンであり、軸流ファン2を回転駆動する駆動源であるモータ3を有している。
【0016】
本実施形態の車両用送風機は、ファンシュラウド4により支持されている。ちなみに、ファンシュラウド4は、車両用送風機とラジエータ1との隙間を閉塞して軸流ファン2にて誘起された空気流がラジエータ1を迂回して流れることを防止するもので、通常、車両用送風機をラジエータ1または車両ボディに固定するための取付ブラケットを兼ねている。なお、ファンシュラウド4の詳細な構成については後述する。
【0017】
図2(a)は図1のA部拡大図で、(b)は図1のB部拡大図である。図1および図2(a)、(b)に示すように、軸流ファン2は、ファンシュラウド4を介してラジエータ1に固定されている。具体的には、ラジエータタンク11には、空気流れ下流側、すなわちファンシュラウド4側に向けて突出する突起部11aが設けられている。また、ファンシュラウド4には、突起部11aと係合する切り欠き部4aが設けられている。そして、突起部11aに切り欠き部4aを係合させることで、ファンシュラウド4をラジエータ1に固定する際の位置決めをすることができる。
【0018】
図3は、本実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。なお、図3において、鎖線はラジエータ1の上下方向中心線を示しており、一点鎖線は軸流ファン2の上下方向中心線を示している。
【0019】
図3に示すように、軸流ファン2はラジエータ1に対向してはいるが、ラジエータ1の中心に対して左右方向、すなわちコア部長手方向にずれた(オフセットした)位置において、それに近接して配置されている。本実施形態では、軸流ファン2は、車両後方側から見た際に、ラジエータ1の中心に対して左側にずれて(オフセットして)配置されている。なお、ラジエータ1は、その全面のどの点においても、単位面積当たりほぼ等しい大きさの流路抵抗を有するものとする。
【0020】
ファンシュラウド4は、軸流ファン2の外周を覆う略円筒状のダクト部41と、このダクト部41とラジエータ1とを滑らかに接続するように変形し、空気通路の一部をなすシュラウド部42とを備えている。ダクト部41は、シュラウド部42が縮小した後に大気に開放する空気通路の出口開口部となっている。また、車両前後方向から投影したとき、ダクト部41の中心位置は、軸流ファン2の中心位置と一致している。
【0021】
そして、軸流ファン2はモータ3によって回転駆動され、軸流ファン2が回転することによって、ファンシュラウド4内の空気が吸引排出されて、ラジエータ1を通過して軸流ファン2に向かう空気流が発生する。また、本実施形態では、軸流ファン2は、車両後方側からみた際に時計方向に回転している。なお、本実施形態の軸流ファン2おいて、軸流ファン2下流側の空気流れ方向は、軸流ファン2上流側の抵抗が大きいため、より斜流に近い流れ方向となっている。
【0022】
ところで、ラジエータ1の上側の長辺側端部とダクト部41との間の隙間を第1隙間とし、ラジエータ1の下側の長辺側端部とダクト部41との間の隙間を第2隙間としたとき、ラジエータ1の2つの短辺側端部のうちダクト部41に近い方(図3における左側)から見た際に、第1隙間は軸流ファン2の回転方向前方側に配置され、第2隙間は軸流ファン2の回転方向後方側に配置されている。そして、ダクト部41および軸流ファン2は、第2隙間が第1隙間よりコア部短手方向の距離が長くなるように、ラジエータ1の中心に対して上側にずれて(オフセットして)配置されている。
【0023】
これにより、後述するようにファンブレードの次数成分の騒音を抑制することができるが、軸流ファン2のラジエータ1の中心に対するずれ量(以下、オフセット量という)には最適値範囲が存在する。ここで、軸流ファン2がラジエータ1の中心に対して上方側にずれていることをプラス側にオフセットといい、軸流ファン2がラジエータ1の中心に対して下方側にずれていることをマイナス側にオフセットという。そして、オフセット量の最適値範囲は、ファンシュラウド4の形状、軸流ファン2の回転方向、および軸流ファン2の下流側の空気流れ方向等により、プラス側になる場合や、マイナス側になる場合がある。
【0024】
ここで、図4に、ラジエータ1に対する軸流ファン2のオフセット量と、騒音レベルとの関係を示す。図4は、軸流ファン2が、その中心がラジエータ1の中心に対して空気流れ下流側から見て左側にずれており、回転方向が時計方向である吸い込み型のファンである場合に、モータ3に13.5Vの電圧を印加したときの315Hzにおける測定結果であり、縦軸の騒音レベルは、周波数補正をA特性により行ったものである。なお、315Hzは、本実施形態におけるファンブレード21の回転一次成分の周波数に一致しており、騒音のピークとなる周波数である。
【0025】
図4から明らかなように、騒音レベルの極小値が中心(オフセット量0mm)からプラス側にずれている。このため、軸流ファン2を、ラジエータ1の上下方向の中心に配置するよりも、ラジエータ1の中心に対して上方にずらして配置する方が、ファンブレード21の次数成分の騒音を低減できることがわかる。なお、本実施形態では、騒音レベルの目標値を57dBAとしているため、軸流ファン2をラジエータ1の中心に対して1(許容誤差±1.7)mm上方側にずらして配置している。
【0026】
ところで、図3に示すように、軸流ファン2を、ラジエータ1の中心に対して左右方向にずれた位置に配置した場合には、軸流ファン2の空気流れ上流側において、部分的な圧力のアンバランス状態が発生する。
【0027】
この圧力のアンバランス状態が発生している領域を軸流ファン2のファンブレード21が一定間隔で通過することにより、回転騒音の次数成分が増大し、これが軸流ファン2の回転騒音の主たる原因になっているものと考えられる。
【0028】
これに対し、本実施形態では、ダクト部41および軸流ファン2を、ラジエータ1の上下方向の中心位置ではなく、ラジエータ1の2つの短辺側端部のうちダクト部41に近い方から見た際に、軸流ファン2の回転方向後方側にある第2隙間(本実施形態では下方側)が、軸流ファン2の回転方向前方側にある第1隙間(本実施形態では上方側)より、コア部短手方向の距離が長くなるように、上下方向にオフセットして配置している。このように、ラジエータ1の上下方向(短手方向)における中心線に対して、上下方向にずれた位置に配置することで、軸流ファン2の空気流れ上流側において圧力がバランスして、回転騒音の次数成分が低減する。
【0029】
このため、ラジエータ1の中心に対して軸流ファン2がラジエータ1の左右方向(長手方向)にずれて配置されていても、騒音を低レベルに抑えることが可能となる。すなわち、従来、回転騒音の次数成分は、軸流ファン2をラジエータ1の上下方向の中心位置に配置することで低減できると考えられていたのに対し、本実施形態では、軸流ファン2をラジエータ1の中心に対して上下方向にずれた位置に積極的に配置することで、回転騒音の次数成分を低減させることができる。
【0030】
また、本実施形態では、軸流ファン2を支持するファンシュラウド4をラジエータ1の中心に対して上下方向の一方にずらして設けるだけで対応でき、実質的にシュラウド部42に構造的変更を加える必要がなく、その簡便性という点でも優れている。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5は、本第2実施形態に車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【0032】
図5に示すように、本実施形態の軸流ファン2は、反時計方向に回転するようになっている。また、ラジエータ1の長辺側端部とダクト部41との間の上側および下側の隙間のうち、上側の隙間が下側の隙間よりコア部短手方向の距離が長くなるように、ダクト部41および軸流ファン2が、ラジエータ1の中心に対して下側にずれて(オフセットして)配置されている。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図6は、本第3実施形態に車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【0034】
図6に示すように、本実施形態の軸流ファン2は、車両後方側から見た際に、ラジエータ1の中心に対して右側にずれて(オフセットして)配置されている。また、ラジエータ1の長辺側端部とダクト部41との間の上側および下側の隙間のうち、上側の隙間が下側の隙間よりコア部短手方向の距離が長くなるように、ダクト部41および軸流ファン2が、ラジエータ1の中心に対して下側にずれて(オフセットして)配置されている。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7は、本第4実施形態に車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【0036】
図7に示すように、本実施形態の軸流ファン2は、車両後方側から見た際に、ラジエータ1の中心に対して右側にずれて(オフセットして)配置されている。また、軸流ファン2は、反時計方向に回転するようになっている。そして、ラジエータ1の長辺側端部とダクト部41との間の上側および下側の隙間のうち、下側の隙間が上側の隙間よりコア部短手方向の距離が長くなるように、ダクト部41および軸流ファン2が、ラジエータ1の中心に対して上側にずれて(オフセットして)配置されている。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0037】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、ラジエータ1を、冷却水が上下方向に流れるダウンフロー型の熱交換器とした例について説明したが、冷却水が水平方向に流れるクロスフロー型の熱交換器としてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、ラジエータ1のコア部は、左右方向(水平方向)の長さが上下方向の長さよりも長くなっていた例について説明したが、上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなっていてもよい。この場合、上下方向が本発明の熱交換器の長手方向に相当し、左右方向が熱交換器の短手方向に相当する。
【0039】
また、上記実施形態では、本発明に係る熱交換器をラジエータ1に適用した例について説明したが、これに限らず、コンデンサ等の各種の熱交換器に適用してもよい。この場合、熱媒体としては、エンジン冷却水以外のものを用いてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、軸流ファン2はモータ3によって直接回転駆動されるようにした例について説明したが、これに限らず、例えばエンジンからベルトのような伝動手段によって回転駆動されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す正面図である。
【図2】(a)は図1のA部拡大図で、(b)は図1のB部拡大図である。
【図3】第1実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【図4】ラジエータ1に対する軸流ファン2のオフセット量と、騒音レベルとの関係を示す。
【図5】第2実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【図6】第3実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【図7】第4実施形態に係る車両用送風機を空気流れ下流側からみた状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1…ラジエータ(熱交換器)、2…軸流ファン、4…ファンシュラウド、41…ダクト部、42…シュラウド部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器(1)と対向するように配置された軸流ファン(2)と、
前記軸流ファン(2)の外周を覆うように配される筒状のダクト部(41)と、前記ダクト部(41)と前記熱交換器(1)との間を閉塞して前記軸流ファン(2)によって誘起された空気流を前記熱交換器(1)から前記ダクト部(41)へ導く空気通路を形成するシュラウド部(42)とを有するファンシュラウド(4)とを備え、
車両前後方向から投影した際に、前記軸流ファン(2)の中心位置が前記ダクト部(41)の中心位置と一致しており、
前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)が、前記熱交換器(1)の中心に対して前記熱交換器(1)の長手方向にずれた位置に配置されている車両用送風機であって、
前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)は、前記熱交換器(1)の中心に対して前記熱交換器(1)の短手方向にずれた位置に配置されており、
前記熱交換器(1)の一方の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の隙間を第1隙間とし、前記熱交換器(1)の他方の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の隙間を第2隙間としたとき、
前記熱交換器(1)の2つの短辺側端部のうち前記ダクト部(41)に近い方から見た際に、前記第1隙間は前記軸流ファン(2)の回転方向前方側に配置され、前記第2隙間は前記軸流ファン(2)の回転方向後方側に配置されており、
前記第2隙間は、前記第1隙間より、前記熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなっていることを特徴とする車両用送風機。
【請求項2】
前記熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、
車両後方側から見たときに、前記ダクト部(41)が前記熱交換器(1)の中心に対して左側にオフセットして配置されるとともに、前記軸流ファン(2)が時計方向に回転しており、
前記熱交換器(1)の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、前記下側の隙間が前記上側の隙間より前記熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)が前記熱交換器(1)の中心に対して上側にずれて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用送風機。
【請求項3】
前記熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、
車両後方側から見たときに、前記ダクト部(41)が前記熱交換器(1)の中心に対して左側にオフセットして配置されるとともに、前記軸流ファン(2)が反時計方向に回転しており、
前記熱交換器(1)の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、前記上側の隙間が前記下側の隙間より前記熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)が前記熱交換器(1)の中心に対して下側にずれて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用送風機。
【請求項4】
前記熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、
車両後方側から見たときに、前記ダクト部(41)が前記熱交換器(1)の中心に対して右側にオフセットして配置されるとともに、前記軸流ファン(2)が時計方向に回転しており、
前記熱交換器(1)の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、前記上側の隙間が前記下側の隙間より前記熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)が前記熱交換器(1)の中心に対して下側にずれて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用送風機。
【請求項5】
前記熱交換器(1)が略長方形で、車両の幅方向に短辺側端部が位置するように横長に配置され、
車両後方側から見たときに、前記ダクト部(41)が前記熱交換器(1)の中心に対して右側にオフセットして配置されるとともに、前記軸流ファン(2)が反時計方向に回転しており、
前記熱交換器(1)の長辺側端部と前記ダクト部(41)との間の上側および下側の隙間のうち、前記下側の隙間が前記上側の隙間より前記熱交換器(1)の短手方向の距離が長くなるように、前記ダクト部(41)および前記軸流ファン(2)が前記熱交換器(1)の中心に対して上側にずれて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−114948(P2009−114948A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288531(P2007−288531)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】