説明

車両用遠隔制御装置

【課題】本発明は、データ改ざんを防止できる車両用遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両130に備えられ、ワイヤレスキー120から送信されたキー信号を受信し、ワイヤレスキーが所定作動範囲内にあることを検出するワイヤレスキー検出手段10と、
該ワイヤレスキー検出手段が検出した前記キー信号に対応するキー情報を、前記車両から離れて存在するセンタ140に送信するキー情報送信手段20と、
前記センタに備えられ、受信した前記キー情報に基づいて、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内にあるか否かを判定するキー有効判定手段80と、
該キー有効判定手段により、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内でないと判定されたときには、前記車両のドアロックを解錠させない指令を前記車両に送信する制御指令送信手段90と、
前記指令に基づいて、前記車両のドアロックを解錠させない制御を行う車両制御手段40と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用遠隔制御装置に関し、特に、ワイヤレスキー検出手段を有する車両用遠隔制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートキーを用いたレンタカーの盗難防止を図る盗難防止システムにおいて、スマートキー内のメモリに、個々の車両を識別するための識別情報と、レンタカー車両の使用期限を示す使用期限情報を記憶し、識別情報及び使用期限情報を暗号化することにより、第3者によって識別情報及び使用期限情報が改ざんされるおそれをなくし、セキュリティ性を向上させた盗難防止システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−210557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、スマートキー内に使用期限情報等の重要な情報が記憶されているため、例えば暗号を解く等の何らかの手段によりデータが改ざんされるおそれがやはり残ってしまうという問題があった。また、キー自体が保持できる情報には、メモリ上限に限りがあるため、例えば車両内システム追加や新規増加等の新規に登録したい情報がある場合には、キー変更をしなければならないという問題があった。特に、ユーザが複数のキーを保有する場合には、運転者情報は車両又はキーに保持されているため、上述の問題が発生するおそれが多かった。
【0004】
そこで、本発明は、データ改ざんを防止でき、新規データの追加にも容易に対応できる車両用遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両用遠隔制御装置は、車両に備えられ、ワイヤレスキーから送信されたキー信号を受信し、ワイヤレスキーが所定作動範囲内にあることを検出するワイヤレスキー検出手段と、
該ワイヤレスキー検出手段が検出した前記キー信号に対応するキー情報を、前記車両から離れて存在するセンタに送信するキー情報送信手段と、
前記センタに備えられ、受信した前記キー情報に基づいて、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内にあるか否かを判定するキー有効判定手段と、
該キー有効判定手段により、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内でないと判定されたときには、前記車両のドアロックを解錠させない指令を前記車両に送信する制御指令送信手段と、
前記指令に基づいて、前記車両のドアロックを解錠させない制御を行う車両制御手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
これにより、複数のワイヤレスキーをユーザが保有している場合であっても、ワイヤレスキーの使用有効期限情報を、センタに保持させることができ、使用有効期限の改ざんを防ぐことができる。
【0007】
第2発明は、第1の発明に係る車両用遠隔制御装置において、
前記ワイヤレスキー検出手段は、前記車両の運転席側に設けられた運転席側ワイヤレスキー検出手段を含む複数のワイヤレスキー検出手段を有することを特徴とする。
【0008】
これにより、各々が異なるワイヤレスキーを所持した複数の乗員が同時に車両に乗り込もうとしているときにも、各ワイヤレスキーについてキー使用有効期限を確認することができるので、キー使用有効期限判定の精度を向上させることができる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に係る車両用遠隔制御装置において、
前記キー情報送信手段は、前記複数のワイヤレスキー検出手段が検出した各々の前記キー信号の信号強度情報と、前記キー信号を受信した前記ワイヤレスキー検出手段の位置情報を前記センタに送信し、
前記キー有効判定手段は、前記信号強度情報及び前記位置情報に基づいて、運転席側のワイヤレスキーを特定し、
前記制御指令送信手段は、前記運転席側のワイヤレスキーに紐付けられたドライバ情報を前記車両に送信し、
前記車両制御手段は、前記ドライバ情報に基づいて、車両設定をドライバ向けになるように制御することを特徴とする。
【0010】
これにより、ドライバに適した状態に車両設定を行うことができ、ドライバにとって快適な運転環境を提供することができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明に係る車両用遠隔制御装置において、
前記キー有効判定手段が、前記運転者側のワイヤレスキーを、マスターキーを含めて複数特定したときには、
前記制御指令送信手段は、前記マスターキーに紐付けられたドライバ情報を前記車両に送信することを特徴とする。
【0012】
これにより、ドライバがマスターキーを含めて複数のワイヤレスキーを所持しているときでも、ドライバとなる可能性が高いマスターキーの所持者に合わせた車両環境を提供することができる。
【0013】
第5の発明は、第2〜4のいずれかの発明に係る車両用遠隔制御装置において、
前記複数のワイヤレスキー検出手段は2つからなり、他方のワイヤレスキー検出手段は、助手席側に設けられていることを特徴とする。
【0014】
これにより、簡素なワイヤレスキー検出手段の構成で、実用に即した十分な効果を上げることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ワイヤレスキーの使用有効期限の改ざんを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明を適用した実施例1に係る車両用遠隔制御装置200の全体構成の一例を示した図である。図1において、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200は、車両130側は、ワイヤレスキー検出手段10と、キー情報送信手段20と、車両側受信手段30と、車両制御手段40とを備え、センタ140側は、センタ側受信手段70と、キー有効判定手段80と、制御指令送信手段90とを備える。また、センタ側には、データベース100と、データベース100の情報を書き換え可能な計算機110が備えられていてもよい。また、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200の関連構成要素として、車両130のユーザは、ワイヤレスキー120を所持する。
【0018】
まず、車両130側の構成要素について説明する。
【0019】
ワイヤレスキー120は、車両130の施錠・解錠を、車両130の外部から制御する手段である。ワイヤレスキー120は、車両130に対して認証用のID信号をキー信号として送信する。そして、車両130側では、キー信号が所定の認証コードに一致したときに、車両130がドアの解錠又は施錠を行う制御が実行可能に構成されているが、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200においては、認証コードの一致・不一致だけでなく、ワイヤレスキー120の使用有効期限内であるか否かも判定する。よって、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200は、認証用のID信号が認証コードに一致しただけでは、車両130のドアは施錠、又は解錠されないように構成されている。この点については、後述する。
【0020】
ワイヤレスキー120は、1台の車両130に対し、複数用意されていてよい。例えば、1台の車両130に対し、家族のうち1人がマスターキーを保有し、他の家族がサブキーを保有しているような場合がある。本実施例に係る車両用遠隔制御装置200は、このような、1台の車両130に対して、ユーザが複数のワイヤレスキー120を保有している場合に好適に適用され得る。
【0021】
ワイヤレスキー検出手段10は、ワイヤレスキー120が送信したキー信号を受信し、ワイヤレスキー120が所定の検出領域内に存在するか否かを検出する手段である。ワイヤレスキー検出手段10は、ワイヤレスキー120が、例えば70〔cm〕、1〔m〕又は2〔m〕といった所定範囲内にあるときに、ワイヤレスキーのキー信号を受信し、ワイヤレスキーの存在を検出する。ワイヤレスキー検出手段10は、このようなワイヤレスキー120が送信したキー信号を受信して検出できる種々のセンサが適用されてよい。
【0022】
ワイヤレスキー検出手段10は、車両130に準備された、複数のワイヤレスキー120について、総てワイヤレスキー120の存在を検出することができる。上述のように、車両130には、複数のワイヤレスキー120が用意され、どのワイヤレスキー120の所持者がドライバとなるか分からないので、用意又は登録された総てのワイヤレスキー120に対して、検出可能に構成されている。
【0023】
ワイヤレスキー検出手段10は、複数設けられていてもよいが、図1に示すように、単数設けられていてもよい。例えば、図1に示すように、車両130の運転席側に1つのワイヤレスキー検出手段10が備えられていれば、車両130を運転しようとして接近してくるユーザの所持するワイヤレスキー120を検出することができ、ドアの解錠及び施錠の制御を行うことができるので、例えば運転席側にワイヤレスキー検出手段10が1個設けられていてもよい。実施例1においては、ワイヤレスキー検出手段10が1個だけ設けられている例について説明する。
【0024】
キー情報送信手段20は、ワイヤレスキー検出手段10が検出したキー信号に対応するワイヤレスキーのキー情報を、センタ140に送信する手段である。ワイヤレスキー120は、複数の該当可能性があるが、ワイヤレスキー検出手段10が検出したキー信号により、どのワイヤレスキー120が車両130に接近しているかが分かる。よって、キー情報送信手段20は、該当するワイヤレスキー120がどのワイヤレスキー120であるかのキー情報を、センタ140に送信する。本実施例に係る車両用遠隔制御装置200においては、使用有効期限データの改ざんを防ぐため、ワイヤレスキー120及び車両130自体はキー使用有効期限の情報を持っておらず、センタ140がこれを管理しているので、キー情報は、検出されたワイヤレスキー120がどのワイヤレスキーであるかの情報について送信するようにすれば良い。
【0025】
キー情報送信手段20は、キー情報をセンタ140に送信するために必要な手段や機能を備えてよく、例えば、送信信号を生成する送信機21や、電波を送信するアンテナ22等を必要に応じて備えてよい。
【0026】
車両側受信手段30は、センタ140から送信された制御指令信号を受信する手段である。ドアを解錠するか、ロック状態を維持して解錠を許可しないかは、センタ140から指令信号が送信され、これに従って車両130のドアロック・アンロックの制御は実行されるので、車両側受信手段30は、センタ140からの制御指令信号を受信する。
【0027】
車両側受信手段30は、制御指令信号を受信するのに必要な手段を備えてよく、例えば、電波を受信するアンテナ32や、受信した制御指令信号を復調する受信機31を必要に応じて備えてよい。なお、アンテナ32は、キー情報送信手段20に用いられているアンテナ22と併用で一体的に構成されていてもよい。
【0028】
車両制御手段40は、車両側受信手段30が受信した制御指令信号に従い、車両130のドアの解錠及び施錠を制御する手段である。車両制御手段40は、ドアのロック・アンロックを制御するため、ドアに設けられたドアロック手段50に接続され、これに指令を送ってドアの解錠及び施錠を制御する。車両制御手段40は、演算処理手段として構成されてよい。車両制御手段40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶手段を有し、プログラムにより動作するコンピュータとして構成されてもよい。また、車両制御手段40は、所定の電子回路を有するASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されてよい。車両制御手段40は、これらの演算処理手段を有するECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)として構成されてよい。
【0029】
ドアロック手段50は、ドアをロック又はアンロックする手段であり、車両制御手段40の指令により制御されてよい。
【0030】
次に、センタ140側の構成要素について説明する。
【0031】
センタ140は、車両130に関する情報や、各種の関連情報等を管理する機関であり、例えば、G−Book等が適用されてよい。本実施例に係る車両用遠隔制御装置200においては、センタ140が車両情報及びキー情報を有し、ワイヤレスキー120の使用有効期限情報も保持するため、車両130から受信したキー情報から車両130を特定し、その車両130のワイヤレスキー120に設定されている使用有効期限を確認することができる。
【0032】
センタ側受信手段70は、車両130側のキー情報送信手段20から送信されたキー情報を受信する手段である。センタ側受信手段70は、キー情報の信号を受信するのに必要な手段を備えてよく、例えば、キー情報の電波信号を受信するアンテナ72や、受信した電波を復調してキー情報を取得する受信機71等を必要に応じて備えてよい。
【0033】
キー有効判定手段80は、センタ側受信手段70で受信したキー情報に基づいて、ワイヤレスキー120が使用有効期限内にあるか否かを判定する手段である。キー有効判定手段80は、取得したキー情報に基づいて、センタ140内のデータベース100に記憶されている各車両の車両情報やワイヤレスキーに関する情報から、ワイヤレスキー120がどの車両130のキーであるのかを特定し、その車両130の車両情報、キー情報を取得する。
【0034】
ここで、データベース100は、センタ140に登録された車両に関する種々の情報を記憶している。そして、ワイヤレスキー120の使用有効期限情報も、この情報の1つに含まれる。ワイヤレスキー120の情報は、1台の車両130に複数のワイヤレスキー120が用意されていたら、それらの個々のワイヤレスキー120に対して、情報が記憶されている。なお、データベース100に記憶される情報は、キー有効期限情報の他、車両が右ハンドル車か否か等の車両仕様に関する車両情報、またワイヤレスキー120の所持者の好みのシート位置や、ハンズフリー携帯の接続パターン等の個別設定的な情報等も記憶してよい。このように、車両130と離れた位置で車両130及びユーザの情報を管理することにより、車両130又はワイヤレスキー120に種々の重要な情報を保持させる必要が無くなる。これにより、例えば車両130が盗難に遭ったとしても、盗難者が車両130又はワイヤレスキー130からは情報を得ることができず、種々の重要な情報は保護されることになる。
【0035】
本実施例に係る車両用遠隔制御装置200においては、ワイヤレスキー120の使用有効期限をセンタ140側のデータベース100に記憶することにより、車両130が盗難に遭ったときに、ユーザがワイヤレスキー120の使用有効期限を変更して使用停止となるようにし、盗難者が、盗難した車両130を使用できないような処置をとることができる。そして、その際、キー使用有効期限が、車両130又はワイヤレスキー120に記憶されていれば、盗難者は、何らかの手段によりそれらのデータを改ざんして、車両130を使用可能にするおそれが残ってしまうが、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200では、ワイヤレスキー120の使用有効期限の情報は、センタ140側にのみ保持されているので、そのようなデータ改ざんのおそれを完全に無くすることができる。なお、データベース100内の使用期限情報の変更は、計算機110により行うようにしてよい。
【0036】
キー有効判定手段80は、データベース100にアクセスし、センタ側受信手段70から送られてきたキー情報に基づいて、ワイヤレスキー120を特定して登録されているキー使用有効期限を確認し、ワイヤレスキー120がキー使用有効期限内にあるか否かを判定する。そして、キー有効判定手段80は、判定結果を、制御指令送信手段90に送る。なお、キー有効判定手段80は、データベース100にアクセスし、キー情報に合致するワイヤレスキー120を特定してキー使用有効期限を検索し、これがアクセス時においてキー使用期限内にあるか否かを判定できる演算処理手段であれば、種々の手段が適用されてよく、例えば、CPU等を備えたECU等で構成されてもよい。
【0037】
制御指令送信手段90は、キー有効判定手段80の判定結果に基づいて、車両130に制御指令を送信する手段である。制御指令送信手段90は、キー有効判定手段80において、ワイヤレスキー120がキー使用有効期限内にあると判定されたら、車両130のドアの解錠を許可するロック解除指令信号を送信する。一方、制御指令送信手段90は、キー有効判定手段80によりワイヤレスキー120がキー使用有効期限内にないと判定されたら、車両130のドアの解錠を許可しないロック維持指令信号を送信する。
【0038】
制御指令送信手段90は、制御指令信号を車両130に送信するのに必要な手段を備えてよく、例えば制御指令の送信信号を生成する指令信号送信機91や、電波を送信するアンテナ92等を必要に応じて備えてよい。
【0039】
制御指令送信手段90から送信された制御指令信号は、車両130に備えられた車両側受信手段30に受信され、車両制御手段40によりドアロック・アンロック制御が実行されることは、上述の通りである。
【0040】
次に、図2を用いて、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200の動作フローについて説明する。図2は、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200の処理フローの一例を示した図である。図2において、その処理が車両130側で実行されるのか、センタ140側で実行されるのかが理解容易なように、両者を分けて処理フローを示している。
【0041】
ステップ100では、車両130に備えられたワイヤレスキー検出手段10により、ワイヤレスキー120が検出される。ワイヤレスキー120の検出は、ワイヤレスキー検出手段10の所定検出領域内にワイヤレスキー120が存在するときに、ワイヤレスキー120がID信号等のキー信号を送信し、ワイヤレスキー検出手段10がこのキー信号を受信することにより行われてよい。これにより、車両130にワイヤレスキー120を所持したユーザが接近したことを検出できる。
【0042】
ステップ110では、キー情報送信手段20により、ワイヤレスキー検出手段10で検出されたキー信号に対応するキー情報が、センタ140側に送信される。送信されるキー情報は、キー信号に対応するワイヤレスキー120がどれであるかについての情報であってよい。
【0043】
ステップ120では、センタ140に備えられたセンタ側受信手段70により、キー情報の信号が受信されてキー有効判定手段80にキー情報が送られる。次いで、キー有効判定手段80により、キー情報に基づいて、センタ140内のデータベース100に保持されている車両情報から、ワイヤレスキー120の持ち主であるユーザの車両130が特定される。
【0044】
ステップ130では、キー有効判定手段80により、ユーザの車両130の情報から、ワイヤレスキー120がキー使用有効期限内にあるか否かの判定が行われる。ワイヤレスキー120がキー使用有効期限内にないと判定されたときには、ステップ140に進み、ワイヤレスキー120が使用有効期限内にあると判定されたときには、ステップ150に進む。
【0045】
ステップ140では、制御指令送信手段90により、ドアロックの解錠を許可せず、ドアロックを維持するロック維持指令が車両130に送信される。これにより、車両130が盗難等にあった場合には、確実にドアロックを遠隔制御できる。
【0046】
一方、ステップ150では、制御指令送信手段90により、ドアロックの解錠を許可し、ドアロックを解錠するロック解除指令が車両130に送信される。これにより、通常時においては、スムーズなアンロック制御を行うことができる。
【0047】
ステップ160では、車両側受信手段30により、センタ140側から送信されたロック維持指令信号を受信し、車両制御手段40において、ドアのアンロックを維持する制御が実行され、ドアロック手段50のロック状態が維持されて処理フローを終了する。車両130が盗難されている場合に、盗難者が、ワイヤレスキー120のキー使用有効期限を改ざんしようとしても、センタ140にキー使用有効期限データがあるので、改ざんが不可能となる。
【0048】
ステップ170では、車両側受信手段30により、センタ140側から送信されたロック解除指令信号を受信し、車両制御手段40において、ドアのロックを解除する制御が実行され、ドアロック手段50が解錠されて処理フローを終了する。ワイヤレスキー120が有効期限内であるときには、通常通りドアロックの解錠を行うことができ、容易な乗車が可能となる。
【0049】
このように、実施例1によれば、センタ140側にワイヤレスキー120のキー使用有効期限を管理させることにより、盗難対策を確実にしつつ、ワイヤレスキー120の通常のドアロック解除機能を果たさせることができる。また、新規のデータの追加等を行う場合にも、ワイヤレスキー120を変更することなく、データベース100の書き込みによりデータ追加も容易に行うことができる。
【実施例2】
【0050】
図3は、本発明を適用した実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aの全体構成を示した図の一例である。図3において、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aは、車両130a側において、ワイヤレスキー検出手段10aが、複数のワイヤレスキー検出手段11、12を備えている点で、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200と異なっている。また、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aは、車両130側において、キー情報送信手段20と、車両側受信手段30と、車両制御手段40とを備えている点は、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200と同様である。更に、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aは、車両130a側において、ユーザが所持するワイヤレスキー120aについて、複数のワイヤレスキー121、122が示されている点においても、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200と異なっている。
【0051】
一方、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aは、センタ140側では、センタ側受信手段70と、キー有効判定手段80と、制御指令送信手段90と、データベース100と、計算機110が備えられている点で、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200と同様である。
【0052】
このように、本実施例に係る車両用遠隔制御装置200aのように、ワイヤレスキー検出手段10aについて、複数のワイヤレスキー検出手段11、12を設けるようにしてもよい。図3においては、ワイヤレスキー検出手段11、12は、運転者側と助手席側の2つに設けられている。これにより、ワイヤレスキー120aを所持した複数のユーザが、同時に車両130に接近しているときであっても、運転者側に接近してきたワイヤレスキー121は運転者側のワイヤレスキー検出手段11が検出し、助手席側に接近してきたワイヤレスキー122は助手席側のワイヤレスキー検出手段12が検出することにより、双方を区別して検出することができる。これにより、車両130に接近して来るワイヤレスキーが複数ある場合には、それらに対して対応する検出領域を有するワイヤレスキー検出手段11、12がキー信号を受信することができ、より精度高く車両130の周囲状況を検出することができる。
【0053】
なお、図3においては、運転者側ワイヤレスキー検出手段11と、助手席側ワイヤレスキー検出手段12が示されているが、更に数を増やし、例えば後部座席付近にも、助手席側にワイヤレスキー検出手段10aを設けて3つとしてもよいし、更に後部座席運転席側にもワイヤレスキー検出手段10aを設けて、合計4つのワイヤレスキー検出手段10aを備えるようにしてもよい。これにより、後部座席にワイヤレスキー120aを所持したユーザが接近してきた場合にも、これらのキー信号を各々のワイヤレスキー検出手段10aが個別に検出できる。また、逆に、運転席側ワイヤレスキー検出手段11及び助手席側ワイヤレスキー検出手段12の検出領域を拡大し、これらで後部座席に接近してくるワイヤレスキー120aを検出するようにしてもよい。更に、運転席側に接近するワイヤレスキー121と、助手席側に接近するワイヤレスキー122を検出できれば十分と考える場合には、図3に示すように、ワイヤレスキー検出手段10aの周辺に存在するワイヤレスキー120aを検出できるワイヤレスキー検出手段11、12を、運転席側と助手席側に各々設けるように構成すればよい。
【0054】
実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aのように、ワイヤレスキー検出手段10aが、複数のワイヤレスキー検出手段11、12を有する場合には、そのうちの1つは、運転席側に設けられた運転席側ワイヤレスキー検出手段11を含むことが好ましい。車両130を走行させるときには、必ず誰かは運転席に座ることになるので、最もワイヤレスキー121を検出し易い位置だからである。
【0055】
運転席側に接近するワイヤレスキー121から送信されたID信号等のキー信号は、運転席側ワイヤレスキー検出手段11に検出され、助手席側に接近するワイヤレスキー122から送信されたキー信号は、助手席側ワイヤレスキー検出手段12に各々検出される。そして、検出された複数のキー信号に対応するワイヤレスキー121、122のキー情報が、キー情報送信手段20によりセンタ140側に送信され、複数のキー情報が、センタ140側に送られる。
【0056】
センタ140側では、複数のキー情報をセンタ側受信手段70が受信し、これをキー有効判定手段80に送る。キー有効判定手段80では、受信したキー情報に基づいて、データベース100に保存された車両情報から、車両130aを特定し、検出したワイヤレスキー121、122がキー有効使用期限内にあるか否かを判定する。この処理は、実施例1に係る車両用遠隔制御装置200と同様であるが、複数のワイヤレスキー121、122について、キー使用有効期限内あるか否かの判定を行う点で、実施例1の処理と異なっている。
【0057】
本実施例においては、複数のキー使用有効期限を確認するので、より信頼性高くキー使用有効期限を確認することができ、遠隔制御の精度を高めることができる。つまり、複数のワイヤレスキー121、122についてキー使用有効期限内にあるか否かを判定する場合であっても、複数のワイヤレスキー121、122のキー使用有効期限は、通常は同一である場合が多いので、両者が一致するか否かで、キー使用有効期限の判定が適切に行われているか否かの確認を行うことができる。
【0058】
また、複数のワイヤレスキー121、122のキー有効使用期限が異なって設定されている場合も有り得るが、この場合には、例えば、短く設定されている方のキー有効使用期限を優先させたり、運転席側ワイヤレスキー検出手段11で検出されたワイヤレスキー121の情報を優先させたり、検出した複数のワイヤレスキー121、122間に、マスターキーとサブキーというように階層関係が有る場合には、上位階層のワイヤレスキー120aを優先させる、というようなルールを予め定めておけばよい。
【0059】
なお、その後の制御指令送信手段90の構成及び機能、車両側の車両側受信手段30と車両制御手段40の構成及び機能は、実施例1と同様であるので、実施例1と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
次に、図4を用いて、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aの動作フローについて説明する。図4は、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aの処理フローの一例を示した図である。図4においても、実施例1の図2と同様に、動作主体が理解容易なように、車両130a側とセンタ140側で分けて処理フローを示している。
【0061】
ステップ105では、複数のワイヤレスキー検出手段11、12により、所定検出領域内にある複数のワイヤレスキー121、122が検出される。なお、複数のワイヤレスキー121、122ではなく、例えば、運転席側にだけワイヤレスキー121が接近してきたときには、運転席側ワイヤレスキー検出手段11でのみワイヤレスキー121のキー信号を検出すればよい。
【0062】
ステップ111では、複数のワイヤレスキー検出手段11、12で検出した各キー信号に対応するワイヤレスキー121、122のキー情報が、キー情報送信手段20によりセンタ140側に送信される。キー情報は、どのワイヤレスキー121、122が検出されたかの情報を含んでいればよい。
【0063】
ステップ120では、センタ側受信手段70により、複数のキー情報が受信され、次いでキー有効判定手段80により、受信した複数のキー情報に基づいて、データベース100内に保存されている車両情報から、ユーザの車両130aが特定される。
【0064】
ステップ130では、キー有効判定手段80により、複数のワイヤレスキー121、122について、キー使用有効期限内にあるか否かが判定される。ここで、複数のワイヤレスキー121、122についてキー使用有効期限の確認を行うので、これらのキー使用有効期限が一致するか否かの確認も行うことができ、判定の精度及び信頼性を高めることができる。
【0065】
なお、複数のワイヤレスキー121、122について、異なるキー使用有効期限が設定されている場合には、どの期限を優先させるかの処理を予め定めて処理を行うようにすればよい。また、そのような場合には、異なる制御を実行させるように予め定めておいてもよい。
【0066】
ステップ130において、複数のワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内にないと判定されたら、ステップ140に進み、複数のワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内にあると判定されたら、ステップ150に進む。
【0067】
ステップ140〜ステップ170においては、実施例1と同様の処理が実行されるので、実施例1と同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0068】
実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aによれば、車両130aに複数のワイヤレスキー検出手段11、12を設けているので、より高精度にドアをロック・アンロックさせる遠隔制御を実行することができる。
【実施例3】
【0069】
図5は、本発明を適用した実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bの全体構成の一例を示した図である。図5において、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bは、車両130b側においては、複数のワイヤレスキー検出手段11、12を含むワイヤレスキー検出手段10aと、キー情報送信手段20bと、車両側受信手段30と、車両制御手段40と、ドアロック手段50とを備える点では、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aと共通する。実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bは、車両130b側において、車両設定手段60を更に備えている点と、キー情報送信手段20bに機能が追加された点で、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aと異なっている。
【0070】
また、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bは、センタ140b側においては、センタ側受信手段70と、キー有効判定手段80aと、制御指令送信手段90aと、データベース100と、計算機110とを備えている点では、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aと同様であるが、キー有効判定手段80a及び制御指令送信手段90aに機能が追加されている点で、実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aと異なっている。
【0071】
まず、車両130b側の変更点について説明する。なお、実施例2と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
キー情報送信手段20bは、複数のワイヤレスキー検出手段11、12が検出したキー信号から、ワイヤレスキー検出手段10a全体でどのワイヤレスキー121、122を検出したかのキー情報に加えて、各ワイヤレスキー検出手段11、12がワイヤレスキー121、122から受信して検出したキー信号の信号強度情報と、どのワイヤレスキー検出手段11、12がそのキー信号を検出したかのワイヤレスキー検出位置情報も併せて送信する。つまり、実施例2においては、ワイヤレスキー検出手段10a全体で検出した複数のワイヤレスキー121、122の情報のみを送信しており、ワイヤレスキー121、122の位置に関する情報は送信していなかった。しかしながら、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bにおいては、ワイヤレスキー検出手段11、12で検出したキー信号のキー情報と、そのキー信号の信号強度情報と、どのワイヤレスキー検出手段11、12がそのキー情報を検出したのかの検出位置に関する位置情報も合わせて送信する。
【0073】
これにより、センタ140b側で、キー情報と、信号強度情報と、これに対応する検出位置情報を取得することができるので、どのワイヤレスキー121、122が車両130bの運転者側に接近していて、どのワイヤレスキー121、122が助手席側に接近している、という車両130b側の位置状況まで把握することが可能となる。そうすると、例えば、車両130bの運転者が誰であるかまで特定できるので、データベース100に、各ワイヤレスキー121、122の所持者の運転時の好みの設定等のドライバ情報を登録しておけば、運転者に合わせて車両の種々の設定を変更する、という制御が可能となる。本実施例に係る車両用遠隔制御装置100bにおいては、ワイヤレスキー121、122の使用有効期限の確認に加えて、キーが有効期限内であったときには、ドライバの好みの設定に車両設定を変更するというきめ細かい制御を実行する例について説明する。
【0074】
なお、キー情報送信手段20bにおいては、そのようなキー信号の信号強度情報と、その信号強度を有するキー信号をどのワイヤレスキー検出手段11、12が検出したのかという検出手段情報を追加して併せて送信するようにさえすればよく、送信機21bについては、送信可能なデータ量を増加させるようにすればよい。また、アンテナ22については、実施例2と同様のアンテナ22を使用できるので、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0075】
車両設定手段60は、車両130bの各種設定を、ドライバの体格や好みに合わせて設定変更する手段である。車両設定手段60は、例えば、シートを移動させるシート移動手段61や、ハンズフリー携帯の接続先を変更する携帯電話設定手段62や、車両内の画像や照明を好みの色彩に設定する色彩設定手段63等を含んでよい。これらは、例示として挙げた手段であり、車両設定手段60は、ドライバの体格や好み等により設定変更が有り得る種々の設定手段が適用されてよい。
【0076】
なお、これらの車両設定手段60は、車両制御手段40により制御され、車両制御手段40は、車両側受信手段30が受信したセンタ140b側からの制御指令信号に従って制御を実行する点は、実施例1及び実施例2と同様である。
【0077】
次に、センタ140b側の構成要素の機能説明を行う。
【0078】
センタ側受信手段70は、受信する情報の種類と数は増加するが、それらの増加した情報信号を受信して復調し、情報を復元すれば良いので、機能的には、実施例1及び実施例2と同様である。同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
キー有効判定手段80bは、複数のワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内にあるか否かを判定する機能は、実施例2と同様であるが、ワイヤレスキー121、122が有効期限内であった場合に、更に運転席側のワイヤレスキー121を特定し、運転席側のワイヤレスキー121の所持者のドライバ情報を取得して、これを制御指令送信手段90bに送る機能が追加されている。
【0080】
1台の車両130bに対して、複数のワイヤレスキー121、122が設定されており、データベース100に各ワイヤレスキー121、122の所持者のドライバ情報が登録されており、ドライバの車両の設定に関する情報が入手できる場合には、キー有効判定手段80bは、運転者となるワイヤレスキー121、122の所持者のドライバ情報を制御指令送信手段90bに送る。図5においては、メインキー121が運転席側で検出されているので、メインキーに登録されているシート位置情報や、ハンズフリー携帯接続情報等を送るようにする。これにより、ドライバに最適な車両設定環境を提供することが可能となる。
【0081】
なお、キー有効判定手段80bによる運転席側のワイヤレスキー121の特定は、運転席側ワイヤレスキー検出手段11により検出されたキー信号のうち、最も信号強度の大きいキー信号が検出されたものが運転席側のワイヤレスキー121であるから、例えば、運転席側ワイヤレスキー検出手段11により検出されたキー情報のうち、信号強度が最も高いキー情報が、運転席側に接近するワイヤレスキー121であると判定するようにしてもよい。
【0082】
制御指令送信手段90bは、車両130b側に送信する情報の種類及び数が増加するが、これも増加するデータ量が送信可能なように構成すればよい。また、アンテナ92は、実施例1及び実施例2で適用したものをそのまま適用することができるので、実施例1及び実施例2と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
次に、図6を用いて、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bの動作フローの一例について説明する。図6は、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bの処理フローの一例を示した図である。図6において、車両130b側とセンタ140b側でフローを分けて表現している点は、実施例1及び実施例2の図2及び図4と同様である。
【0084】
ステップ105では、複数のワイヤレスキー検出手段11、12が、各々複数のワイヤレスキー121、122の存在を検出する。なお、本ステップは、実施例2の図4と同様の処理内容であるので、図4と同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0085】
ステップ115では、キー情報送信手段20bにより、キー情報、キー信号の信号強度情報、及び信号強度情報に対応する検出位置情報がセンタ140b側に送信される。
【0086】
ステップ120では、受信したキー情報に基づいて、データベース100に管理されている車両情報から、ユーザの車両130bが特定される。なお、本ステップは、実施例2と同様の処理内容であるので、同一のステップ番号を付し、その詳細説明を省略する。
【0087】
ステップ130では、キー有効判定手段80bにより、ワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内にあるか否かの判定がなされる。なお、本ステップは、実施例2と同様の処理内容であるので、同一のステップ番号を付し、その詳細説明を省略する。
【0088】
ステップ130において、ワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内にないと判定されたときには、ステップ140に進む。
【0089】
ステップ140では、制御指令送信手段90bにより、ロック維持指令が車両130b側に送信される。
【0090】
車両130b側では、ステップ160でドアロックを維持する制御が実行される。この点は、実施例1及び実施例2と同様であるので、実施例1及び実施例2と同一のステップ番号を付しその説明を省略する。
【0091】
ステップ130に戻り、キー有効判定手段80bにおいて、ワイヤレスキー121、122がキー使用有効期限内であると判定されたときには、ステップ155に進む。
【0092】
ステップ155では、キー有効判定手段80bにより、運転席側で、キー信号の信号強度が高いワイヤレスキー121、122の数が1つであるか否かが判定される。本ステップは、運転席に接近するユーザが、1人で複数のワイヤレスキー121、122を所持しているか否かを判定するためのステップである。つまり、例えば、運転席に接近するユーザが複数のワイヤレスキー121、122を所持している場合には、運転席側ワイヤレスキー検出手段11で略同一の信号強度のキー信号が複数検出されることになり、通常の判定では、ドライバを判定できないので、特別な処理が必要となる。本ステップでは、その特別な処理が必要か不要かを判定している。
【0093】
ステップ155において、運転席側ワイヤレスキー検出手段11の信号強度が高いワイヤレスキー121、122が1つであった場合には、ステップ156に進み、複数存在した場合には、ステップ157に進む。
【0094】
ステップ156では、運転席側ワイヤレスキー検出手段11の受信したキー信号の信号強度が高いワイヤレスキー121に紐付けられた車両設定に関するドライバ情報が、キー有効判定手段80bによりデータベース100から選択され、制御指令送信手段90bに送られる。そして、制御指令送信手段90bにより、ドアロック解除指令信号ともに、車両130b側に送信される。これにより、ドアの解錠が可能になるともに、ドライバに適した車両設定となる制御が可能となる。
【0095】
一方、ステップ157では、キー有効判定手段80bにより、事前に設定されたマスターキーに紐付けられた車両設定に関するドライバ情報が選択され、制御指令送信手段90bに送られる。そして、制御指令送信手段90bにおいては、キー有効判定手段80bから送られてきたドライバ情報に加えて、ロック解除制御指令を車両130bに送信する。
【0096】
通常、複数のワイヤレスキー121、122を所持する状況が考えられるのは、マスターキーの所持者であり、複数のワイヤレスキー121、122には、マスターキーが含まれている場合が多いと考えられる。よって、本ステップにおいては、ドライバが複数のワイヤレスキーを所持している場合には、マスターキーに紐付けられている車両設定に関するドライバ情報を選択して送るようにする。これにより、運転席側ワイヤレスキーキー検出手段11により複数のワイヤレスキー121、122が高い信号強度で検出され、ドライバを特定できない場合であっても、ドライバを適切に推定し、適切な制御を行うことができる。
【0097】
ステップ185では、車両側受信手段30が受信したロック解錠指令信号及びドライバ情報に基づいて、車両制御手段40が、ドアロック解除制御を実行するともに、車両130bの設定をドライバの車両設定に適合するように車両130b内の変更制御を行う。
【0098】
このとき、ドアロック手段50を作動させて解錠を行うとともに、例えば、シート移動手段61、携帯電話設定手段62、及び色彩設定手段63等を有する車両設定手段60をドライバに合わせた設定とすることにより、制御を行う。これにより、登録された正規のドライバが車両130bを運転する場合には、ドライバに快適な運転環境を提供することができる。
【0099】
このように、実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bによれば、車両130bの盗難時のワイヤレスキー121、122のキー使用有効期限等のデータの改ざんを防止するとともに、盗難ではなく、正規のユーザが車両130bを運転する場合には、ドライバに適合した最適な車両設定とすることができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例1に係る車両用遠隔制御装置200の全体構成図の一例である。
【図2】実施例1に係る車両用遠隔制御装置200の処理フロー図の一例である。
【図3】実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aの全体構成図の一例である。
【図4】実施例2に係る車両用遠隔制御装置200aの処理フロー図の一例である。
【図5】実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bの全体構成図の一例である。
【図6】実施例3に係る車両用遠隔制御装置200bの処理フロー図の一例である。
【符号の説明】
【0102】
10、10a、11、12 ワイヤレスキー検出手段
20、20b キー情報送信手段
21、21b 送信機
22、32、72、92 アンテナ
30 車両側受信手段
31、71 受信機
40 車両制御手段
50 ドアロック手段
60 車両設定手段
61 シート移動手段
62 携帯電話設定手段
63 色彩設定手段
80、80b キー有効判定手段
90 制御指令送信手段
91 指令信号送信機
100 データベース
110 計算機
120、120a、121、122 ワイヤレスキー
130、130a、130b 車両
140、140b センタ
200、200a、200b 車両用遠隔制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられ、ワイヤレスキーから送信されたキー信号を受信し、ワイヤレスキーが所定検出領域内にあることを検出するワイヤレスキー検出手段と、
該ワイヤレスキー検出手段が検出した前記キー信号に対応するキー情報を、前記車両から離れて存在するセンタに送信するキー情報送信手段と、
前記センタに備えられ、受信した前記キー情報に基づいて、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内にあるか否かを判定するキー有効判定手段と、
該キー有効判定手段により、前記ワイヤレスキーが使用有効期限内でないと判定されたときには、前記車両のドアロックを解錠させない指令を前記車両に送信する制御指令送信手段と、
前記指令に基づいて、前記車両のドアロックを解錠させない制御を行う車両制御手段と、を有することを特徴とする車両用遠隔制御装置。
【請求項2】
前記ワイヤレスキー検出手段は、前記車両の運転席側に設けられた運転席側ワイヤレスキー検出手段を含む複数のワイヤレスキー検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用遠隔制御装置。
【請求項3】
前記キー情送信手段は、前記複数のワイヤレスキー検出手段が検出した各々の前記キー信号の信号強度情報と、前記キー信号を受信した前記ワイヤレスキー検出手段の位置情報を前記センタに送信し、
前記キー有効判定手段は、前記信号強度情報及び前記位置情報に基づいて、運転席側のワイヤレスキーを特定し、
前記制御指令送信手段は、前記運転席側のワイヤレスキーに紐付けられたドライバ情報を前記車両に送信し、
前記車両制御手段は、前記ドライバ情報に基づいて、車両設定をドライバ向けになるように制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用遠隔制御装置。
【請求項4】
前記キー有効判定手段が、前記運転者側のワイヤレスキーを、マスターキーを含めて複数特定したときには、
前記制御指令送信手段は、前記マスターキーに紐付けられたドライバ情報を前記車両に送信することを特徴とする請求項3に記載の車両用遠隔制御装置。
【請求項5】
前記複数のワイヤレスキー検出手段は2つからなり、他方のワイヤレスキー検出手段は、助手席側に設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の車両用遠隔制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−228290(P2009−228290A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74443(P2008−74443)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】