説明

車両走行支援装置および車両走行支援方法

【課題】交通流の悪化を抑制する車両走行支援装置および車両走行支援方法を提供する。
【解決手段】
本発明に係る車両走行支援方法は、対象信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両11が対象信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援方法であって、信号機状態情報を得るステップS11と、信号機状態情報を得た後に、車両11の停止を検出する停止検出ステップS12と、停止を検出したときに、その停止が車両周囲の交通状況に応じた停止か否かを判定する判定ステップS13、S15、S16、S18とを含んでいる。そして、その停止が車両周囲の交通状況に応じているときには信号機状態情報をドライバに報知し、一方、その停止が車両周囲の交通状況に応じていないときには信号機状態情報をドライバに報知しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行を支援する車両走行支援装置および車両走行支援方法に関し、特に信号機手前における走行を支援する車両走行支援装置および車両走行支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、信号機のある道路を通行するドライバは、信号機で停止することを避けたいという心理的傾向にあるため、その点灯状態や信号サイクルなどの情報を事前に取得することを望んでいる。
【0003】
そこで、下記特許文献1〜3等には、走行方向前方にある交差点の信号機の点灯状態や点灯時間に関する情報を、信号機手前の路側に設けられた光ビーコン等のインフラから受信して、ドライバに報知する技術が開示されている。これらの特許文献には、また、インフラから受信した信号機に関する情報(点灯状態と変化タイミング、停止目安時間など)を、車載ディスプレイに表示する技術が開示されている。さらに、その情報を受信した後でも、一般的なナビゲーションシステム同様、運転走行中にはその情報を表示せず、停止状態になってからはじめて情報を表示するという態様が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−171459号公報
【特許文献2】特開2008−318053号公報
【特許文献3】特開2004−252718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術においては、信号機に関する情報を受信した後、ドライバによっては、すぐにその情報を表示させようとして、停止すべき状況でないにも構わずに車を停止しようとすることが起こりうる。このような停止により、交通流の悪化が招かれてしまう。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、交通流の悪化を抑制する車両走行支援装置および車両走行支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両走行支援装置は、信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両が信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援装置であって、信号機状態情報を得る情報取得手段と、情報取得手段が前記信号機状態情報を得た後に、車両の車速が所定の速度以下になったことを検出する車速検出手段と、車速検出手段が所定の速度以下になったことを検出したときに、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する判定手段と、判定手段により、所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていると判定されたときには信号機状態情報をドライバに報知し、所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないと判定されたときには信号機状態情報をドライバに報知しない報知手段とを備える。ここで、車速が所定の速度以下となることは、速度ゼロの停止も含むものである。
【0008】
この車両走行支援装置においては、情報取得手段によって信号機状態情報を得た後に車両の車速が所定の速度以下になったとき、その所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないと判定された場合には、報知手段による報知が行われないため、ドライバは信号機状態情報を得ることができない。そのため、情報取得を目的とする不要な低速走行や車両停止が起こらなくなり、そのような低速走行や車両停止に起因する交通流の悪化が抑制される。
【0009】
また、判定手段は、車両の停止位置と信号機の位置との関係から、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する態様であってもよい。判定手段は、たとえば、信号機から所定の閾値以上離れた位置で所定の速度以下となった場合には、それは交通状況に応じた低速走行や停止ではないものと見なすことができる。
【0010】
また、判定手段は、車両の前方の一定範囲内に前車が存在するか否かにより、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する態様であってもよい。判定手段は、たとえば、車両の前方の所定範囲内に前車が存在しないときに所定の速度以下となったのは、交通状況に応じたものではないと見なすことができる。
【0011】
また、判定手段により、車両の前方の一定範囲内に前車が存在する場合であっても、該前車が右左折する車両であると判定された場合には、報知手段は信号機状態情報をドライバに報知しない態様であってもよい。判定手段は、前車が右左折する際には、後続車が一時停止する可能性があるため、このような場合には交通状況に応じた停止であると見なすことができる。
【0012】
本発明に係る車両走行支援方法は、信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両が信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援方法であって、信号機状態情報を得るステップと、信号機状態情報を得た後に、車両の車速が所定の速度以下になったことを検出する車速検出ステップと、車両の車速が所定の速度以下になったことが検出されたときに、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する判定ステップと、を含み、所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じているときには信号機状態情報をドライバに報知し、所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないときには信号機状態情報をドライバに報知しない。
【0013】
この車両走行支援方法においては、信号機状態情報を得た後に車両の車速が所定の速度以下となったとき、その所定の速度以下となったことが車両周囲の交通状況に応じていないと判定された場合には、ドライバは信号機状態情報を得ることができない。そのため、情報取得を目的とする不要な低速走行や車両停止が起こらなくなり、そのような低速走行や車両停止に起因する交通流の悪化が抑制される。
【0014】
また、判定ステップでは、車両の位置と信号機の位置との関係から、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下となったか否かを判定する態様であってもよい。たとえば、信号機から所定の閾値以上離れた位置で所定の速度以下となった場合には、それは交通状況に応じた低速走行や停止ではないものと見なすことができる。
【0015】
また、判定ステップでは、車両の前方の一定範囲内に前車が存在するか否かにより、車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する態様であってもよい。たとえば、車両の前方の所定範囲内に前車が存在しないときに所定の速度以下となったのは、交通状況に応じたものではないと見なすことができる。
【0016】
また、車両の前方の一定範囲内に前車が存在する場合であっても、該前車が右左折する車両である場合には、信号機状態情報をドライバに報知しない態様であってもよい。前車が右左折する際には、後続車が一時停止する可能性があるため、このような場合には交通状況に応じた停止であると見なすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、交通流の悪化を抑制する車両走行支援装置および車両走行支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、信号機状態情報の表示態様を示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る車両走行支援装置の概略構成を示した図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る車両走行支援方法を示したフローチャートである。
【図4】図4は、信号機状態情報の表示態様を示した図である。
【図5】図5は、信号機状態情報の表示態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0020】
図1には、対象信号機に向かって走行している自車11が示されている。従来技術に係る走行支援方法においては、対象信号機の手前で、光ビーコンBから信号機状態情報を受信すると、光ビーコンBを通過した直後であって対象信号機よりかなり手前の位置において停止した場合であっても、モニタに信号機状態情報が表示される(図1(a)参照)。
【0021】
そのため、ドライバによっては、信号機状態情報を光ビーコンBから受信した後、すぐにその情報を表示させようとして、停止すべき状況でないにも構わずに停止したり低速走行しようとすることが起こりうる。このような停止や低速走行により交通流の悪化が招かれてしまう。
【0022】
そこで、発明者らは、このような状況下において、対象信号機の信号機状態情報をモニタに表示させない技術(図1(b)参照)について鋭意研究を重ね、その結果、以下に示すような車両走行支援装置および車両走行支援方法を見いだすに至った。
【0023】
図2に、本発明の実施形態に係る車両走行支援装置の概略構成図を示す。図2に示すように、本実施形態に係る車両走行支援装置1は、車両の走行を支援するものであり、車両に搭載されている。車両走行支援装置1は、ECU(電子制御ユニット)2、ナビゲーション部3、通信部4、センサ部5、走行駆動部6、制動部7、報知部8を備えている。
【0024】
ECU2は、制御装置の装置全体の制御を行うものであり、たとえば、CPU、ROM、RAM等を含むコンピュータで構成されている。ECU2は、後述する各種情報に基づいて、各種機能を発現する。
【0025】
ナビゲーション部3は、自車両の位置の位置情報を検出する部分であり、たとえば、GPS機能や、道路情報を含む地図データベースを備えたものが用いられ、目的地検索や走行案内経路を利用することができる。
【0026】
通信部4は、自車の周囲を走行している周辺車両や走行する道路の路側に設けられたインフラ(ビーコン、交通監視システム等)との間で各種情報を送受信したり、交通情報センター(VICSセンター等)から渋滞情報等を受信したりする部分である。この通信部4は、インフラから信号機状態情報を取得可能となっている。信号機状態情報とは、対象となる信号機の点灯状態を示した情報であり、たとえば、現在の点灯色や点灯サイクル、停止目安時間といった情報を含んでいる。また、通信部4は、車車間通信により周辺車両からその位置(たとえば、相対位置)や走行方向に関する情報を受信する。
【0027】
センサ部5は、車両に搭載された複数のセンサによって構成されており、例えば車輪速センサやレーダー測距センサ、車載カメラ等が含まれる。このセンサ部5においても、先行車両との間の車間距離や先行車両の車速、走行方向が検出可能となっている。さらに、センサ部5は、先行車両が走行している車線を検出可能となっている。
【0028】
走行駆動部6は、車両の走行駆動を行う部分であり、例えばエンジンECU、スロットルモータ、インジェクタなどにより構成される。この走行駆動部6は、ECU2の走行駆動信号を受けて作動し、その走行駆動信号に応じた車両走行駆動を実行する。また、走行駆動部6は、スロットルセンサによってアクセル開度に関する情報を取得し、その情報はECU2へ送られる。
【0029】
制動部7は、車両の制動を行う部分であり、例えばブレーキECU、ブレーキ油圧を調整する電磁弁、ブレーキ油圧を生成するポンプモータにより構成される。この制動部7は、ECU2の制動指令信号を受けて作動し、その制動指令信号に応じた車両制動を実行する。
【0030】
報知部8は、ドライバに対して各種メッセージを伝えるモニタ等の表示デバイスやスピーカー等の音声デバイスで構成されている。この報知部8は、ECU2からの制御信号に応じて作動し、上記信号機状態情報をモニタ等に表示する。
【0031】
車両走行支援装置1は、以上で説明したとおりの構成であるため、ECU2は、単独でもしくは各部3〜8との協働により、以下のような機能を実現することができる。すなわち、信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を得る情報取得手段としての機能、情報取得手段が信号機状態情報を得た後に、車両の停止を検出する停止検出手段としての機能、停止検出手段が停止を検出したときに、その停止が車両周囲の交通状況に応じた停止か否かを判定する判定手段としての機能、判定手段により、停止が車両周囲の交通状況に応じていると判定されたときには信号機状態情報をドライバに報知し、停止が車両周囲の交通状況に応じていないと判定されたときには信号機状態情報をドライバに報知しない報知手段としての機能が実現される。
【0032】
続いて、図3のフローチャートを参照しつつ、上述した車両走行支援装置1のECU2が主体となって実行される車両走行支援方法について説明する。
【0033】
まず、ステップS11として光ビーコンB等のインフラから信号機状態情報を受信し、その後に、自車11が停止したか否かの判定を始める(ステップS12)。
【0034】
車両の停止が検知されると、続くステップS13において、停止位置から対象信号機の停止線までの距離が一定距離以内か(すなわち、所定の閾値以下であるか否か)を判定する。この距離が一定距離以内(閾値以下)であれば、その停止が信号機に応じた停止であり、車両周囲の交通状況に応じた停止であるものとして、信号機状態情報として停止目安時間をモニタに表示する(ステップS14)。
【0035】
一方、停止位置から対象信号機の停止線までの距離が一定距離以内でない(閾値より大きい)場合には、ステップS15に進み、前方の所定距離内に前車が存在するか否かを判定する。前車を検知する方法は、レーダーの他、カメラ等の画像解析や車車間通信を用いる方法であってもよい。このように、停止位置から対象信号機の停止線までの距離を判定した後、さらに前方の状況を確認することで、対象信号機の交差点から離れた地点で渋滞等のために停止を余儀なくされた車両に対処することができる。なお、停止位置から対象信号機の停止線までの距離を判定せずに、前方の状況を確認するだけだと、信号の先頭車両に対処できなくなってしまうため、交差点付近では前車の条件を見ないようにするために停止位置から対象信号機の停止線までの距離を併せて判定する必要がある。
【0036】
そして、前方の所定距離内に前車が存在する場合にはステップS16に進み、前車が存在しない場合にはステップS18に進む。
【0037】
ステップS16では、さらに、前車の右左折の状況から、自車がすぐに再発進するか否かを判定する。すなわち、前車が存在する場合であっても、右左折などで前車がすぐにいなくなる場合には、一時的な停止だと判断して、信号機状態情報の表示をおこなわないようにする。そのため、自車がすぐに再発進できる状況のときは、信号機状態情報の表示をおこなわないステップS17に進み、反対に、すぐに再発進できない状況のときは、信号機状態情報の表示をおこなうステップS14に進む。ステップS17に進んだ場合には、自車が前進して再度停止したときに、信号機状態情報が表示されることとなる。
【0038】
たとえば一つの対象信号機に対して一度の表示しかおこなわない仕様である場合には、対象信号機手前での前車の右左折のために自車が停止すると、そのタイミングで信号機状態情報が表示されてしまい、実際に対象信号機に到達した際には表示されないこととなる。そこで、上記ステップS16を設けることで、不要なタイミングで信号機状態情報が表示される事態を回避することができる。
【0039】
なお、前車の右左折行動は、ウインカーの検知や、ナビゲーションで設定した目的地に対する案内経路を車車間通信で取得することによって、検知することができる。また、前車の右左折行動は、前車のハンドル角やヨーレートの情報等を受信して検知してもよい。
【0040】
ステップS18では、停止位置から対象信号機の停止線までの距離が一定距離以内でない場合であって、さらに、前方の所定距離内に前車が存在しない場合であっても、その他の理由により停止する理由があるか否かを判定する。この停止理由としては、たとえば、図4に示すように、自車と対象信号機との間に停止禁止部分が存在する状況であり、信号機から離れた位置でかつ前車検知範囲Aに前車21、22が存在しない位置で自車11が停止する事態が起こりうる。このような状況は、インフラやナビゲーションシステムを経由して得られる道路地図情報から判定したり、車載カメラで画像認識して判定したりすることができる。そして、ステップS18において、停止する合理的な理由があると判定されたときは、信号機状態情報の表示をおこなうステップS14に進み、反対に、停止する合理的な理由がないと判定されたときは、信号機状態情報の表示をおこなわないステップS17に進む。
【0041】
同様に、図5に示すように自車と対象信号機との間に脇道がある状況でも、脇道に関する交通流をドライバが考慮して、脇道手前の信号機から離れた位置でかつ前車検知範囲Aに前車21、22、23が存在しない位置で自車11が停止することが起こりうる。このときも、停止禁止部分がある図4に示した状況と同様に、信号機状態情報の表示をおこなう。このような状況は、道路地図情報や他車両の走行ルートを、インフラやナビゲーションシステムを経由して得たり、車載カメラで画像認識したりすることで、判定することができる。
【0042】
ステップS18におけるその他の理由としては、自車11の後方に車両が存在しない場合などがあり、安全/環境上の問題が少ないと思われる場合には、信号機状態情報の表示をおこなうようにしてもよい。
【0043】
以上で説明したとおり、本発明の実施形態に係る車両走行支援方法は、対象信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両11が対象信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援方法であって、信号機状態情報を得るステップS11と、信号機状態情報を得た後に、車両11の停止を検出する停止検出ステップS12と、停止を検出したときに、その停止が車両周囲の交通状況に応じた停止か否かを判定する判定ステップS13、S15、S16、S18とを含んでいる。そして、その停止が車両周囲の交通状況に応じているときには信号機状態情報をドライバに報知し、一方、その停止が車両周囲の交通状況に応じていないときには信号機状態情報をドライバに報知しない。
【0044】
従って、信号機状態情報を得た後に車両11が停止したとき、その停止が車両周囲の交通状況に応じていないと判定された場合には、ドライバは信号機状態情報を得ることができないため、情報取得を目的とする不要な停止が起こらなくなり、そのような停止に起因する交通流の悪化が抑制される。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。たとえば、信号機状態情報をドライバに報知する方法として、モニタに表示する態様のみを示したが、報知用ランプを点灯させたり、スピーカーから音声を流したり、といった各種の報知方法に適宜変更してもよい。また、報知する信号機状態情報は、停止目安時間に限らず、現在の点灯色や点灯サイクル等に代替可能であり、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。
【0046】
また、本実施形態では、車両が停止した場合に交通状況に応じた停止か否かを判定し、その停止が車両周囲の交通状況に応じていないときに信号機状態情報をドライバに報知しないものについて説明したが、車両の車速が所定の速度以下となった場合に適用してもよい。
すなわち、車両の車速が所定の速度以下となった場合にその所定の速度以下となったことが交通状況に応じたものか否かを判定し、所定の速度以下となったことが車両周囲の交通状況に応じていないときに信号機状態情報をドライバに報知しない。このようなものであっても、上述した車両走行支援装置および方法と同様に、情報取得を目的とする不要な低速走行が起こらなくなり、そのような低速走行に起因する交通流の悪化を抑制することができる。
このとき、ECU2は、車両の車速が所定の速度以下となったことを検出する車速検出手段、所定の速度以下になった場合に車両周囲の交通状況に応じて所定の速度以下になったか否かを判定する判定手段として機能し、所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていると判定されたときには信号機状態情報を報知部8報知させ所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないと判定されたときには信号機状態情報を報知部8に報知させない報知制御手段として機能する。
また、所定の速度は、予めECU2に設定される設定値であり、微低速の速度を検出できるような速度値が設定され、例えば1〜10km/hで設定される。
【符号の説明】
【0047】
1…車両走行支援装置、2…ECU、11…自車、21、22、23…前車、S11〜S18…ステップ、A…前車検知範囲、B…ビーコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両が信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援装置であって、
前記信号機状態情報を得る情報取得手段と、
前記情報取得手段が前記信号機状態情報を得た後に、前記車両の車速が所定の速度以下になったことを検出する車速検出手段と、
前記車速検出手段が前記所定の速度以下になったことを検出したときに、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていると判定されたときには前記信号機状態情報をドライバに報知し、前記所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないと判定されたときには前記信号機状態情報をドライバに報知しない報知手段と
を備える、車両走行支援装置。
【請求項2】
前記判定手段は、車両の位置と信号機の位置との関係から、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する、請求項1記載の車両走行支援装置。
【請求項3】
前記判定手段は、車両の前方の一定範囲内に前車が存在するか否かにより、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する、請求項1記載の車両走行支援装置。
【請求項4】
前記判定手段により、車両の前方の一定範囲内に前車が存在する場合であっても、該前車が右左折する車両であると判定された場合には、前記報知手段は前記信号機状態情報をドライバに報知しない、請求項3記載の車両走行支援装置。
【請求項5】
信号機の点灯状態を示す信号機状態情報を、車両が信号機に到達する前にドライバに報知する車両走行支援方法であって、
前記信号機状態情報を得るステップと、
前記信号機状態情報を得た後に、前記車両の車速が所定の速度以下になったことを検出する車速検出ステップと、
前記車両の車速が所定の速度以下になったことが検出されたときに、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する判定ステップと、
を含み、
前記所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じているときには前記信号機状態情報をドライバに報知し、前記所定の速度以下になったことが車両周囲の交通状況に応じていないときには前記信号機状態情報をドライバに報知しない、
車両走行支援方法。
【請求項6】
前記判定ステップでは、車両の位置と信号機の位置との関係から、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する、請求項5記載の車両走行支援方法。
【請求項7】
前記判定ステップでは、車両の前方の一定範囲内に前車が存在するか否かにより、車両周囲の交通状況に応じて前記所定の速度以下になったか否かを判定する、請求項5記載の車両走行支援方法。
【請求項8】
車両の前方の一定範囲内に前車が存在する場合であっても、該前車が右左折する車両である場合には、前記信号機状態情報をドライバに報知しない、請求項7記載の車両走行支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−282343(P2010−282343A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134020(P2009−134020)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】