説明

車両

【課題】フロアにシートの収納部を設けた車両において、車両の大型化を抑制しながら、乗降用の踏み台を設ける。
【解決手段】開口部4と、開口部4を開閉するドア5と、を備えた車両において、開口部4と、車室内のフロア6上に設けたシートSL3と、の間において、フロア6から凹むようにして形成され、シートSL3を収納可能な収納部10と、収納部10の、開口部4側の壁部を形成する壁部形成位置と、壁部形成位置から傾倒して前記開口部4から外部へ突出し、乗降用の踏み台となる踏み台形成位置と、の間で変位可能な可動壁部11と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降用の踏み台を設けた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両への乗降性を向上するために、ドア開口部に乗降を補助する構成を設けたものがある。例えば特許文献1には、車内に格納可能な車いすの乗降を補助する構成を備えた車両が開示されている。特許文献1のものは車いす用のものであるが、乗員の足場となるより小型のものを設けた車両も実用化されている。
【0003】
一方、車室内のシートレイアウトをユーザが選択できるよう、フロアに設けた凹部を収納部としてシートを収納可能としたものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4246140号公報
【特許文献2】実開平5−40029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3列シートのようにシート列が多岐にわたるものでは、複数の乗員の乗降性を向上する観点で、乗降口が多い方が好ましい。例えば、特許文献2において、後部開口部を乗降口として利用できれば便利である。その際、乗降性向上のため、乗降用のステップ等の踏み台を設けることが好ましい。
【0006】
しかし、踏み台は車両前後方向に一定の長さを有することから、単に踏み台を車両に設けた場合、車両の前後長が長くなってその大型化を招く。そこで、踏み台を車室内に収納可能とすると、特許文献2のように、フロアにシートを収納可能な収納部を設けた構成にあっては、収納部のスペースを確保すると共に収容時の踏み台のスペースも確保しなければならなくなり、やはり車両の大型化を招く。
【0007】
そこで、本発明の目的は、フロアにシートの収納部を設けた車両において、車両の大型化を抑制しながら、乗降用の踏み台を設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば開口部と、該開口部を開閉するドアと、を備えた車両において、前記開口部と、車室内のフロア上に設けたシートと、の間において、前記フロアから凹むようにして形成され、前記シートを収納可能な収納部と、前記収納部の、前記開口部側の壁部を形成する壁部形成位置と、前記壁部形成位置から傾倒して前記開口部から外部へ突出し、乗降用の踏み台となる踏み台形成位置と、の間で変位可能な可動壁部と、を備えた車両が提供される。
【0009】
本発明の車両では、前記可動壁部を前記収納部の壁部と踏み台とで兼用できる。よって、フロアにシートの収納部を設けた車両において、車両の大型化を抑制しながら、乗降用の踏み台を設けることができる。
【0010】
本発明においては、前記可動壁部は、前記収納部の底面のうち、前記可動壁部に隣接する部分よりも下方の回動軸を回動中心として回動するようにしてもよい。この構成によれば、前記可動壁部が前記踏み台形成位置にあるとき、前記収納部をより大きく開放して荷物の出し入れを容易化することができる。
【0011】
また、本発明においては、前記可動壁部は、前記踏み台形成位置において、前記収納部の底面と連続した上面を形成する面を有するようにしてもよい。この構成によれば、前記可動壁部が前記踏み台形成位置にあるとき、前記上面を利用して前記収納部への荷物の出し入れができ、荷物の出し入れを容易化することができる。
【0012】
また、本発明においては、前記ドアの開放を契機として、前記可動壁部を前記壁部形成位置から前記踏み台形成位置へ変位させる自動変位手段を備えてもよい。この構成によれば、ドアの開放を契機として前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ自動的に変位するため、乗降時のユーザの利便性を向上できる。
【0013】
また、本発明においては、前記シートが前記収納部に収納されているか否かを検知するシート位置検知手段を備え、前記自動変位手段は、前記シート位置検知手段により前記シートが前記収納部に収納されていないことが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないようにしてもよい。この構成によれば、乗降が予定されていない場合に不必要に前記可動壁部が自動変位することを防止できる。
【0014】
また、本発明においては、前記車両の傾斜状態を検知する傾斜状態検知手段を備え、前記自動変位手段は、前記傾斜状態検知手段により前記車両が前記開口部側が下になるように傾斜していることが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないようにしてもよい。この構成によれば、車両の傾斜により荷物が前記収納部から落下するおそれがある場合に前記可動壁部を自動変位させないことで、荷物の落下を防止できる。
【0015】
また、本発明においては、前記収納部に荷物が収納されているか否かを検知する荷物検知手段を備え、前記自動変位手段は、前記荷物検知手段により荷物が収納されていることが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないようにしてもよい。この構成によれば、前記収納部に荷物が存する場合には、直ちに乗員が前記開口部から乗降しないと考えられることから、前記可動壁部を不必要に自動変位させることを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フロアにシートの収納部を設けた車両において、車両の大型化を抑制しながら、乗降用の踏み台を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両1を車両後部から見た斜視図。
【図2】車両1の後部の構造の説明図。
【図3】車両1の動作説明図。
【図4】車両1の動作説明図。
【図5】車両1の動作説明図。
【図6】制御部100のブロック図。
【図7】CPU101が実行する自動変位制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<車両の構造>
図1は本発明の一実施形態に係る車両1を車両後部から見た斜視図、図2は車両1の後部の構造の説明図である。本実施形態の場合、車両1は車両側部の乗降口を開閉するドア2及び3を備え、車室内のフロア6上には、3列のシート(前列シートSL1、中列シートSL2、後列シートSL3)を備えたミニバンタイプの車両であるが、各種タイプの車両或いは各種のシート配列の車両にも本発明は適用可能である。
【0019】
車両1は、その後部に開口部4と、開口部4を開閉するドア5とを備える。乗員は開口部4を介して荷物等を車室内に出し入れ可能である。ドア5はその上部を回動中心として上下方向に回動して開口部4を開閉する。図2に示すドアセンサ112はドア5が開放状態にあるか閉鎖状態にあるかを検出するセンサであり、例えば、ドア5の状態に応じて機械的にオンオフされるメカニカルスイッチである。なお、図1はドア5を開放した状態を示し、図2はドア5を閉鎖した状態を示す。
【0020】
開口部4と後列シートSL3との間には、収納部10が形成されている。収納部10はフロア6から凹むようにして形成されている。収納部10は前壁10aと、側壁10b、10bと、底面10cとを有し、開口部4側の壁部となるその後壁は後述する可動壁部11により形成されている。
【0021】
後列シートSL3は、車幅方向に併設された2つのシートSL31、SL32を備える。シートSL31、SL32は、それぞれ、シートクッションに対してシートバックを回動軸PV1回りに回動可能なだけでなく、シート全体が回動軸PV2回りに回動可能になっている。このため、シートバックをシートクッション側に回動させてシートを折り畳んだ状態で、乗員がシート全体を回動軸PV2回りに回動することで、シートSL31、SL32を収納部10に収納可能となっている。
【0022】
なお、シートの収納方式は、これだけに限られず、例えば、シートSL31、SL32をフロア6から取り外し、続いてシートSL31、SL32をシートクッションとシートバックが重なるように折りたたんで、収納部10に収納する方式等でもよい。
【0023】
図3及び図4は、2つのシートSL31、SL32のうち、シートSL31を収納部10に収納した態様(収納状態)を示す。シートSL31は回動軸PV2を回動中心として、図4の矢印d1方向に回動することで収納部10に収納される。収納状態において、折り畳まれたシートSL31の上面(シートクッションの底面)はフロア6の上面と略面一となって、互いに連続した面を構成するよう、収納部10の深さが設定されている。
【0024】
なお、図3及び図4ではシートSL31のみを収納部10に収納した態様を示したがシートSL32も同様に収納部10に収納可能である。尤も、2つのシートSL31、SL32のうちのいずれか一方のみを収納部10に収納可能に可動とし、他方を固定としてもよい。
【0025】
本実施形態の場合、図2に示すように、シートSL31、SL32が収納部10に収納された収納状態にあるか否かを検知するためのシート位置センサ113が設けられている。本実施形態の場合、シート位置センサ113は、シートSL31、SL32の各回動軸PV2の回動量を検知することでこれらが収納状態にあるか否かを個別に検知する構成を想定しているが、シートSL31、SL32が収納状態にあるか否かを検出できればどのようなセンサでもよく、その配設部位も適宜選択すればよい。
【0026】
収納部10には、このようにシートSL31、SL32を収納できるが、シートSL31、SL32の一方が、使用状態(図1、図2の状態)にある場合には、荷物の収納空間として利用できる。図2に示すように、収納部10の下部には荷物センサ115が配設されている。
【0027】
荷物センサ115は、収納部10に荷物が収納されているか否かを検知するセンサであり、例えば、底面10cに作用する重量を検知する重量センサや、底面10c上に物体が存在するか否かを検知する光センサ或いはメカニカルスイッチ等が適用可能である。荷物センサ115は、収納部10の全体に渡って荷物の有無を検知すべく、車両前後方向及び車幅方向に複数配設されることが好ましい。なお、収納部10内の物体が荷物か、シートSL31、SL32か否かの区別は、シート位置センサ113の検知結果により区別できる。
【0028】
次に、車両1は可動壁部11を備える。可動壁部11は板状をなしており、壁部形成位置と踏み台形成位置との間で変位可能であり、本実施形態の場合、回動軸11c回りに回動自在に支持することで変位可能としている。
【0029】
壁部形成位置とは、図1及び図2に示すように可動壁部11が起立状態となって、その表面11aが収納部10の前壁10aに対向し、収納部10の後壁を形成する位置である。可動壁部11がこの壁部形成位置に位置している場合には、収納部10内の荷物が後方に脱落することが防止される。なお、本実施形態では、壁部形成位置において、可動壁部11の上端は、フロア6の延長線上と略同じ高さにあることから、収納部10への荷物の出し入れを大きく妨げることもない。
【0030】
踏み台形成位置とは、図3及び図4に示すように、壁部形成位置から後方へ傾倒して開口部4から車両後方外部へ突出し、可動壁部11の表面11aが上を、裏面11bが下を向いて略水平な姿勢となる位置である。可動壁部11がこの踏み台形成位置に位置している場合には、可動壁部11を乗降用の踏み台として利用できる。
【0031】
車両1への乗降は、基本的にはドア2又は3の開放により車両1の側部を介して行うが、後列シートSL3はドア2又は3から少し離れた位置にあるため、乗降性がよくない場合がある。そこで、本実施形態では開口部4を乗降口としても利用し、可動壁部11を乗員の踏み台として利用する。
【0032】
図5は開口部4を介した乗員の降車態様の例を示している。同図の例では、シートSL32に着座していた乗員が開口部4から降車する状態を示している。シートSL31は収納状態とされて、これも踏み台として利用している。乗員はシートSL31、可動壁部11をそれぞれ踏み台として降車することができる。乗車の場合も同様である。
【0033】
このように本実施形態では、可動壁部11を収納部10の壁部と踏み台とで兼用できる。よって、踏み台と収納部10の後壁とを別々に設けた場合と比べて車両の前後長を短縮でき、車両1の大型化を抑制しながら、乗降用の踏み台を設けることができる。
【0034】
次に、可動壁部11が踏み台形成位置に位置している場合、収納部10が後方に開放されるので、収納部10への荷物の出し入れが容易になる。特に、本実施形態の場合、図2や図4に示すように、回動軸11cが収納部10の底面10cのうち、可動壁部11に隣接する部分(底面10cの後方端部)よりも下方に位置していることから、可動壁部11がこの踏み台形成位置に位置している場合に、収納部10をより大きく後方に開放され、荷物の出し入れを容易化することができる。
【0035】
加えて、本実施形態の場合、図2や図4に示すように、可動壁部11は、可動壁部11が踏み台形成位置に位置している場合、収納部10の底面10cの後端部と略面一となり、両者が連続した上面を形成する面である表面11aを有している。このため、可動壁部11の表面11aを利用し、底面10cとの間で荷物を滑らせながら移動して収納部10への荷物の出し入れができ、荷物の出し入れを更に容易化することができる。
【0036】
次に、可動壁部11の変位は手動でも可能であるが、自動化されることが好ましい。そこで、本実施形態では、可動壁部11を壁部形成位置と踏み台形成位置との間で自動変位する自動変位装置20を設けている。
【0037】
図1及び図2を参照して、本実施形態の場合、自動変位装置20は電動シリンダであり、駆動源となるモータ21とシリンダ部22とシリンダ部22に対して進退するロッド部23とを備える。ロッド部23の先端にはアーム部材24が回動自在に連結されている。自動変位装置20は車幅方向に離間して2つ配設されており、各アーム部材24は、開口部4を画定する底部側の周縁4aに形成した孔4b、4bを挿通して可動壁部11の裏面11bに接続されている。
【0038】
しかして、図2の状態からモータ21を駆動して、図4に示すように矢印d3方向にロッド部23をシリンダ部22内に後退、可動壁部11を壁部形成位置から踏み台形成位置に矢印d2方向に回動させることができる。ロッド部23を逆方向に移動すれば可動壁部11を踏み台形成位置から壁部形成位置に戻すことができる。なお、本実施形態では自動変位装置20として電動シリンダを採用したが、これに限られず、油圧シリンダや他の駆動機構であってもよいことは言うまでもない。
【0039】
図1に示すように、開口部4の近傍には、操作スイッチ111が配設されている。乗員は操作スイッチ111を操作することで、可動壁部11の位置を壁部形成位置とするか、踏み台形成位置とするかを指示できる。
【0040】
<制御部の構成>
次に、図6を参照して自動変位装置20のモータ21を制御する制御部について説明する。図6は制御部100のブロック図である。制御部100は、CPU101、記憶部102及びI/F(インターフェース)103を備える。
【0041】
CPU101は、操作スイッチ111、ドアセンサ112、シート位置センサ113、傾斜センサ114及び荷物センサ115の検知結果を取得し、記憶部102に記憶されたプログラムにしたがって、モータ21の制御を行う。傾斜センサ114は車両1の傾斜状態を検知し、特にピッチ方向の傾斜を検知する。記憶部102には、例えば、ROM、RAM等が含まれる。I/F103はCPU101と、外部デバイスとのインターフェースである。
【0042】
CPU101は、例えば、操作スイッチ111により乗員の操作が検知されると、モータ21を駆動して、乗員の指示にしたがって可動壁部11を踏み台形成位置又は壁部形成位置に移動する。また、ドア5が開放された場合には、乗員が開口部4を介して車室内に乗降する可能性がある。そこで、ドア5の開放を契機として、モータ21を駆動し、可動壁部11を壁部形成位置から踏み台形成位置へ変位させることもできる。そうすることで、開口部4を介した乗降時の乗員の利便性を向上できる。図7はこのような自動変位制御の例を示す、CPU101が実行するフローチャートである。
【0043】
S1ではドアセンサ112の検知結果を取得してドア5が開放されたか否か(閉鎖状態から開放状態に変化したか)を判定する。該当する場合はS2へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S2ではシート位置センサ113の検知結果を取得して、シートSL31、SL32のうちの少なくともいずれか一方が収納状態か否かを判定する。一つでも収納状態である場合はS3へ進み、2つのシートSL31、SL32がいずれも使用状態である場合は、開口部4を介した乗降が予定されていないとみなして、不必要な踏み台形成位置への自動変位を防止すべく、一単位の処理を終了する。
【0044】
S3では、予め定めた自動変位禁止条件が成立しているか否かを判定し、成立している場合は一単位の処理を終了し、成立していない場合はS4へ進む。自動変位禁止条件については後述する。S4ではモータ21を駆動し、可動壁部11を壁部形成位置から踏み台形成位置へ変位させる処理を行う。これにより、ドア5の開放に連動するようにして可動壁部11が踏み台形成位置に変位するので、開口部4を介して乗降を予定している乗員の利便性を向上できる。
【0045】
次に、S3の自動変位禁止条件の例について説明する。収納部10に荷物が存する場合には、可動壁部11を踏み台形成位置に変位すると、荷物が収納部10から脱落する可能性がある。そこで、収納部10に荷物が存する場合を踏み台形成位置への自動変位禁止条件とすることができる。収納部10に荷物が存するか否かは、シート位置センサ113及び荷物センサ115の検知結果に基づき判定することができる。
【0046】
なお、可動壁部11を踏み台形成位置に変位しても、車両1が後傾していなければ収納部10から荷物が落下しないとも考えられる。そこで、傾斜センサ114により、車両1が開口部4側が下になるように傾斜していることが検知された場合を踏み台形成位置への自動変位禁止条件とすることができる。或いは、傾斜センサ114により、車両1が開口部4側が下になるように傾斜していることが検知され、かつ、収納部10に荷物が存することが検知された場合を踏み台形成位置への自動変位禁止条件とすることができる。
【0047】
なお、ここで述べた車両1の傾斜の検知については、予め傾斜の度合いに対してしきい値を設け、そのしきい値を超えた場合を自動変位禁止条件とすることもできる。
【0048】
次に、収納部10に荷物が存する場合には、荷物が乗降の邪魔になる場合もありえることから、直ちに乗員が開口部4から乗降しないとも考えられる。そこで、可動壁部11を不必要に踏み台形成位置への自動変位することを防止する観点から、収納部10に荷物が存する場合を踏み台形成位置への自動変位禁止条件とすることもできる。
【0049】
<その他の実施形態>
以上の実施形態では、可動壁部11は、踏み台としてステップを形成していたが、例えば、車椅子用のスロープあるいは階段を形成するもの等でもよい。また、可動壁部11の変位方式は回動のみではなく、例えば、可動壁部11の下部に後方へ延びる水平面を設けL字型の断面形状として、可動壁部11が下方へスライドすることで、踏み台を形成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 車両
4 開口部
5 ドア
6 フロア
SL31、32 シート
10 収納部
11 可動壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と、該開口部を開閉するドアと、を備えた車両において、
前記開口部と、車室内のフロア上に設けたシートと、の間において、前記フロアから凹むようにして形成され、前記シートを収納可能な収納部と、
前記収納部の、前記開口部側の壁部を形成する壁部形成位置と、前記壁部形成位置から傾倒して前記開口部から外部へ突出し、乗降用の踏み台となる踏み台形成位置と、の間で変位可能な可動壁部と、
を備えた車両。
【請求項2】
前記可動壁部は、前記収納部の底面のうち、前記可動壁部に隣接する部分よりも下方の回動軸を回動中心として回動することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記可動壁部は、前記踏み台形成位置において、前記収納部の底面と連続した上面を形成する面を有することを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記ドアの開放を契機として、前記可動壁部を前記壁部形成位置から前記踏み台形成位置へ変位させる自動変位手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
前記シートが前記収納部に収納されているか否かを検知するシート位置検知手段を備え、
前記自動変位手段は、
前記シート位置検知手段により前記シートが前記収納部に収納されていないことが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないことを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記車両の傾斜状態を検知する傾斜状態検知手段を備え、
前記自動変位手段は、
前記傾斜状態検知手段により前記車両が前記開口部側が下になるように傾斜していることが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないことを特徴とする請求項4又は5に記載の車両。
【請求項7】
前記収納部に荷物が収納されているか否かを検知する荷物検知手段を備え、
前記自動変位手段は、
前記荷物検知手段により荷物が収納されていることが検知された場合は、前記可動壁部を前記踏み台形成位置へ変位しないことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−218509(P2012−218509A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84070(P2011−84070)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】