車体前部構造
【課題】 通常使用時の剛性確保と衝突体への衝撃緩和性能向上とを両立する。
【解決手段】 リブEA材54を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されており、リブEA材54は、車体前後方向に所定の間隔を開けて配設された複数のリブ56を備えている。複数のリブ56は車体上下方向から所定以上の荷重が作用した場合に、屈曲部57が破断することで、潰れるようになっている。
【解決手段】 リブEA材54を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されており、リブEA材54は、車体前後方向に所定の間隔を開けて配設された複数のリブ56を備えている。複数のリブ56は車体上下方向から所定以上の荷重が作用した場合に、屈曲部57が破断することで、潰れるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両の車体前部構造に関し、特に、フェンダ等の外板部材のフード寄り部分における外部からの衝撃を吸収することが考慮された車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フェンダ等の外板部材のフード寄り部分に外部から衝突があった場合に、この衝撃を吸収することが考慮された車体前部構造がある。この構造では、フェンダパネルの折曲部の下面とフェンダーシールドパネルの上部との間に衝撃吸収構造を設けていて、この衝撃吸収構造は、少なくとも2つ以上の衝撃吸収具を、前記フェンダーシールドパネルの上面に沿って、一定間隔で設けている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−178953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の車体前部構造では、衝撃吸収具の中央部に形成した折曲部の剛性によって通常使用時の外板部材パネル上部の剛性が確保される一方、衝撃吸収具が折曲部を中心に変形することで、衝突体が上方からフェンダパネル上部に衝突した際の衝撃を吸収するようになっている。この結果、通常使用時の剛性確保と、衝突時の衝撃吸収性能向上と、の両立が難しい。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、通常使用時の外板部材支持剛性確保と衝突体への衝撃緩和性能向上とを両立できる車体前部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の車体前部構造は、車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、前記外板部材を支持する複数のリブを有し、前記複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記複数のリブが潰れることを特徴とする。
【0006】
従って、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用し、荷重が所定値以上となった場合には、複数のリブにおける屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、複数のリブが潰れる。この結果、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形せず、外板部材の支持剛性を確保できる。また、衝突体が衝突して、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となった場合には、複数のリブの屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、複数のリブが低荷重で潰れる。このため、衝突初期に多くのエネルギを吸収し、衝突後半の変形荷重を下げることができるので、限られたスペースを有効に利用し、より少ないスペースで衝突体への衝撃緩和性能を向上できる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車体前部構造において、前記構造部材と前記外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、前記構造部材と前記外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、前記縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れることを特徴とする。
【0008】
従って、請求項1記載の内容に加えて、縦壁部を構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って配設し、構造部材と外板部材との間の隙間を閉塞したため、フードを開いた際に、構造部材と外板部材との間の隙間が見えなくなる。このため、別途カバーを配設すること無しに、フードを開いた際の見栄えを向上できると共に、エンジンルーム内の熱風がフェンダーパネル上部から外へ出るのを防ぐことができる。また、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用し、荷重が所定値以上となった場合には、縦壁部における屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、縦壁部が潰れる。この結果、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、縦壁部が破断もしくは変形せず、外板部材の支持剛性を確保できると共に、衝突体が衝突して、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となった場合には、縦壁部の屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、縦壁部が低荷重で潰れる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記複数のリブの間隔は、前記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されていることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、複数のリブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しないため、衝突後半での大きな荷重発生や潰れ残りを最小限に抑えることができるため、衝突体への衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0011】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項1〜3の何れか1項に記載の内容に加えて、略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用した場合に、複数のリブがく字状の開き角が狭くなる方向へ潰れようとすることで、屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができる。
【0013】
請求項5記載の本発明は、請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする。
【0014】
従って、請求項2〜4の何れか1項に記載の内容に加えて、略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用した場合に、縦壁部がく字状の開き角が狭くなる方向へ潰れようとすることで、屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の本発明の車体前部構造は、車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、外板部材を支持する複数のリブを有し、複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで複数のリブが潰れるため、通常使用時の外板部材支持剛性確保と衝突体への衝撃緩和性能向上とを両立できるという優れた効果を有する。
【0016】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車体前部構造において、構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、構造部材と外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れるため、請求項1記載の効果内容に加えて、別途カバーを配設すること無しに、フードを開いた際の見栄えを向上できると共に、エンジンルーム内の熱風がフェンダーパネル上部から外へ出るのを防ぐことができるという優れた効果を有する。
【0017】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造において、複数のリブの間隔は、記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されているため、請求項1、2の何れか1項に記載の効果に加えて、衝突体への衝撃緩和性能を更に向上できるという優れた効果を有する。
【0018】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造において、リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたため、請求項1〜3の何れか1項に記載の効果に加えて、リブの屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができるという優れた効果を有する。
【0019】
請求項5記載の本発明は、請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造において、縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたため、請求項2〜4の何れか1項に記載の効果に加えて、縦壁部の屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の車体前部構造の第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0021】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0022】
図8に示される如く、本実施形態では、車体10のフード12と外板部材としてのフェンダ14との境界16が、フード12の車幅方向両端部において、車体前後方向に沿って延びている。なお、図8では、車体右側の境界16のみを示している。
【0023】
図6に示される如く、フード12は車体外側のフードアウタパネル18と車体内側のフードインナパネル20とで構成されている。フードインナパネル20の車幅方向外側端部20Aには、フードアウタパネル18の車幅方向外側縁部18Aがヘミング加工によって固定されている。
【0024】
また、フード12におけるヘミング部12Aに対向しているフェンダ14の見切り部(車幅方向内側縁部)14Aは、下方に向かって屈曲されており、上下方向に伸びる縦壁部14Bが形成されている。この縦壁部14Bはできる限り短くなっており、縦壁部14Bの下端部には、車幅方向内側へ向かってフランジ14Cが形成されている。また、フランジ14Cの車幅方向内側端部には、車体上方向へ膨らんだ半円状断面の湾曲部14Dが形成されている。
【0025】
また、フード12におけるヘミング部12Aの下方には、車体前部の骨格を構成する構造部材としてのエプロンアッパメンバ24が車体前後方向に沿って配設されている。このエプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバ24の上部を構成するエプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバ24の下部を構成するエプロンアッパメンバロア28とで構成されている。エプロンアッパメンバアッパ26の車体前後方向から見た断面形状は開口部を下方へ向けたコ字形状となっており、エプロンアッパメンバアッパ26における車幅方向外側の縦壁部26Aの下端部には、フランジ26Bが車幅方向外側下方へ向けて形成されている。また、エプロンアッパメンバアッパ26における車幅方向内側の縦壁部26Cの下端部には、フランジ26Dが車幅方向内側下方へ向けて形成されている。
【0026】
一方、エプロンアッパメンバロア28における横壁部28Aは車幅方向に沿って配設されている。エプロンアッパメンバロア28の横壁部28Aの車幅方向外側端部28Bは、車幅方向外側下方へ向かって形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26のフランジ26Bに溶着されている。また、エプロンアッパメンバロア28の横壁部28Aの車幅方向内側端部28Cは車幅方向内側下方へ向かって形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26のフランジ26Dと溶着されている。
【0027】
従って、エプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバロア28とで車体前後方向に延びる閉断面部30を形成している。また、エプロンアッパメンバ24は、車体前後方向両端部及び車体下方において他の構造部材へ固定されている。
【0028】
図1に示される如く、エプロンアッパメンバアッパ26の上面前端部にはブラケット32が配設されており、このブラケット32を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されている。
【0029】
図2に示される如く、ブラケット32は前壁部32Aと後壁部32Bと、前壁部32Aの上端と後壁部32Bの上端とを連結する上壁部32Cと、を備えている。また、ブラケット32の前壁部32Aの中央部には、車体前後方向から見た形状が略三角形状の貫通孔34が形成されている。更に、前壁部32Aの上下方向中間部には屈曲部36が形成されており、この屈曲部36によって、前壁部32Aは、車幅方向から見た形状が車体前方へ凸のく字状となっている。
【0030】
一方、ブラケット32の後壁部32Bの中央部には、車体前後方向から見た形状が略三角形状の貫通孔38が形成されている。更に、後壁部32Bの上下方向中間部には屈曲部40が形成されており、この屈曲部40によって、後壁部32Bは、車幅方向から見た形状が車体後方へ凸のく字状となっている。
【0031】
また、ブラケット32の前壁部32Aの下端部には、車体前方へ向かってフランジ32Dが形成されており、ブラケット32の後壁部32Bの下端部には、車体後方へ向かってフランジ32Eが形成されている。
【0032】
図1に示される如く、ブラケット32の上壁部32Cは、フェンダ14のフランジ14Cの下面にボルト13とナット15とで固定されている。また、ブラケット32のフランジ32Dとフランジ32Eは、エプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eに溶着されている。
【0033】
エプロンアッパメンバアッパ26の後端部にはブラケット42が配設されており、このブラケット42を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されている。このブラケット42はブラケット32と同形状であり、フェンダ14とエプロンアッパメンバアッパ26への取付けも同様になっている。
【0034】
エプロンアッパメンバアッパ26の前後方向中間部にはリブEA(エネルギ吸収)材54が配設されている。このリブEA材54は所定の剛性及び強度を有していると共に、屈曲部(もしくは湾曲部)に所定値以上の荷重が作用した場合には、前記屈曲部(もしくは湾曲部)が破断する(もしくは延びる)脆性を有している樹脂材等で構成されている。また、リブEA材54を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に支持されている。
【0035】
図3に示される如く、リブEA材54は、車体前後方向に所定の間隔を開けて配設され、車幅方向に沿って延設された薄板状の複数のリブ56と、車体前後方向に沿って配設された薄板状の縦壁部58とを備えている。
【0036】
複数のリブ56の車幅方向から見た形状は、上下方向中間部(本実施形態では、上下方向中央付近)に屈曲部57が形成され、車体後方へ凸のく字状となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、図5に示される如く、各リブ56は、屈曲部57の凸側となる頂部57A側に矢印Gで示す引張り力が作用し破断する(破れる)ことで、く字状の開き角θが狭くなる方向へ潰れるようになっている。なお、屈曲部57に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0037】
図6に示される如く、縦壁部58の車体前後方向から見た形状は、上下方向中間部(本実施形態では、上下方向中央付近)に屈曲部59が形成され、車幅方向外方へ凸のく字状となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、縦壁部58は、屈曲部59の凸側となる頂部59A側から破断することで、く字状の開き角α(図6参照)が狭くなる方向へ潰れようになっている。なお、屈曲部59に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0038】
このため、複数のリブ56又は縦壁部58のく字状の開き角、板厚、形状及び複数のリブ56の間隔等を変えることで、リブEA材54の変形荷重を容易にコントロールできるようになっている。
【0039】
図3に示される如く、複数のリブ56における車幅方向外側端部56Aは、縦壁部58のく字状内側面58Aに連結され連結部69となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離するようになっている。
【0040】
図3に示される如く、隣接するリブ56の間隔L(図3参照)は、図4に示される如く、リブEA材54が完全に潰れた場合に、隣接するリブ56同士が互いに干渉しない広さに設定されている。
【0041】
リブEA材54は、複数のリブ56における車体上方の端部56Bに連結され、車体前後方向に沿って延設された上壁部60を有している。また、リブEA材54は、複数のリブ56における車体下方の端部56Cに連結され、車体前後方向に沿って延設された下壁部62を有しており、リブEA材54は、車幅方向内側が開口した箱形状となっている。
【0042】
従って、箱形状とされたリブEA材54における前後の壁部と、内部とにリブ56が配設されており、箱形状とされたリブEA材54の車幅方向外側壁部に、縦壁部58が配設されている。
【0043】
リブEA材54の上壁部60には、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット貫通用の孔61と、ボルト締結用作業孔とボルト逃げ孔とを兼ねた貫通孔63が形成されている。また、リブEA材54の下壁部62には、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット逃げ孔65と、ボルト締結孔67が形成されている。
【0044】
図2に示される如く、フェンダ14のフランジ14Cには、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット貫通用の孔73が形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eには、車体前後方向に沿って所定の間隔でボルト締結孔77が形成されている。
【0045】
図1に示される如く、リブEA材54の上壁部60は、フェンダ14のフランジ14Cにリベット71で結合されており、リブEA材54の下壁部62は、ボルト73とナット75によってエプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eに固定されている。
【0046】
図7に示される如く、リブEA材54が潰れた場合には、リブEA材54の上壁部60に形成した貫通孔63にボルト73の頭部が入るようになっている。また、リブEA材54の下壁部62に形成した貫通孔65にリベット71の下部が入るようになっている。
【0047】
図6に示される如く、各リブ56の車体前後方向から見た形状は、車幅方向外側端部56Aが、屈曲部57の車幅方向外側部を頂部とする三角形状に膨らんだ略矩形状となっており、縦壁部58は、上壁部60、下壁部62に比べて薄肉になっている。また、図6の符号80はウエザストリップを示している。
【0048】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0049】
本実施形態では、図6に示される如く、フード12とフェンダ14との境界16におけるリブEA材54の上方となる部位に、略車体上方から略車体下方へ向けて、フード12のヘミング部12Aとフェンダ14の見切り部14Aに荷重Fが作用した場合には、フード12のヘミング部12Aとフェンダ14の見切り部14Aとが下方へ変形しようとする。
【0050】
この際、リブEA材54では、車体略上方(図3の矢印A方向)からの入力により、リブ56はく字状の開き角θが狭くなる方向へ潰れようとし、縦壁部58もく字状の開き角αが狭くなる方向へ潰れようとするが、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、複数のリブ56の屈曲部57と縦壁部58の屈曲部59が破断しない。
【0051】
一方、衝突体Kが衝突して、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重Fが所定値以上となった場合には、図5に示される如く、各リブ56は、屈曲部57の凸側となる頂部57A側に矢印Gで示す所定値以上の引張り力が作用し破断する。同様に、縦壁部58の屈曲部59も破断する。
【0052】
なお、屈曲部57、59に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0053】
また、図7に示される如く、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離し、その後、複数のリブ56と縦壁部58とが低荷重で潰れる。
【0054】
このため、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、複数のリブ56と縦壁部58とが潰れず、フェンダ14の支持剛性を確保でき、荷重Fが所定値以上となった場合には、複数のリブ56の屈曲部57と縦壁部58の屈曲部59とが破断すると共に、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離し、その後、複数のリブ56と縦壁部58とが低荷重で潰れる。
【0055】
この結果、衝突初期に多くのエネルギを吸収し、衝突後半の変形荷重を下げることができるので、限られたスペースを有効に利用し、より少ないスペースで衝突体Kへの衝撃緩和性能を向上できる。
【0056】
この時、図9に示される如く、衝突体KのストロークSと衝突体Kの減速度となる負の加速度Gとの関係は、ストロークSの増加に伴って加速度Gが上昇し、ストロークS0で加速度Gが最大値に達した後、ストロークSの増加に伴い加速度Gが下降し、ストロークSがS1以上になると加速度Gは略一定になる。
【0057】
また、本実施形態では、隣接するリブ56の間隔L(図3参照)が、リブEA材54が完全に潰れた場合に、隣接するリブ56同士が互いに干渉しない広さに設定されており、複数のリブ56がく字状の開き角が狭くなる方向へ完全に潰れた際に、隣接するリブ56と干渉しない。この結果、衝突後半での大きな荷重発生や潰れ残りを最小限に抑えることができるため、衝突体Kへの衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0058】
また、本実施形態では、車体10のエプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間に車体前後方向に沿って配設された縦壁部58によって、エプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間の隙間を塞ぐことができる。この結果、別途カバーを配設すること無しに、フード12を開放した際の見栄えを向上できる。更に、本実施形態では、リブEA材54の縦壁部58によって、エンジンルーム内の熱風がフェンダ14側に廻り込むのも防止できる。
【0059】
次に、本発明の車体前部構造の第2実施形態を図10及び図11に従って説明する。
【0060】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図10及び図11に示される如く、本実施形態では、リブEA材54の複数のリブ56と縦壁部58との連結部69における縦壁部58の車幅方向外側面58Bに溝84やノッチ85を形成することで、連結部69に薄肉の脆弱部69Aを形成している。
【0062】
このため、衝突体Kが衝突して、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重Fが所定値以上となった場合には、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が脆弱部69Aにおいて容易に破断するので、衝突体Kへの衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0063】
なお、溝84に代えて、リブ56における連結部69側の端部の板厚を薄くする等の他の構成によって脆弱部を形成しても良い。
【0064】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、複数のリブ56の車幅方向から見た形状を、車体後方へ凸のく字状としたが、これに代えて、図12に示される第3実施形態の如く、複数のリブ56の車幅方向から見た形状を、車体前方へ凸のく字状としても良い。また、複数のリブ56の一部の車幅方向から見た形状を車体後方へ凸のく字状とし、他のリブ56の車幅方向から見た形状を車体前方へ凸のく字状とした構成としても良い。
【0065】
また、上記各実施形態では、縦壁部58の車体前後方向から見た形状を幅方向外方へ凸のく字状とし、複数のリブ56における車幅方向外側端部56Aを縦壁部58のく字状内側面58Aに連結したが、これに代えて、縦壁部58の車体前後方向から見た形状を車幅方向内方へ凸のく字状とし、複数のリブ56における車幅方向内側端部を縦壁部58のく字状内側面に連結した構成としても良い。即ち、リブEA材54の車幅方向内側部に縦壁部58がある構成とすることで、縦壁部58によってリブ56をエンジンルーム側から見えないようにして、フード12を開放した際の見栄えを更に向上できる構成としても良い。
【0066】
また、複数のリブ56と縦壁部58とを連結しない構成としても良い。
【0067】
また、リブEA材54は、少なくとも、複数のリブ56を有していれば良いため、箱形状には限定されず、縦壁部58、上壁部60、下壁部62のうちの少なくと一つが無い構成としても良い。
【0068】
また、上記各実施形態では、車体前部の骨格を構成する構造部材としてのエプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間に複数のリブ56と縦壁部58とを有するリブEA材54を配設したが、車体前部の骨格を構成する構造部材はエプロンアッパメンバ24に限定されず、フェンダーシールドパネル等の他の部材でも良い。また、外板パネルもフェンダ14に限定されず、バンパー等の他の外板部材でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブEA材を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブEA材の変形状態を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブの変形状態を示す側面図である。
【図6】図8の6−6線に沿った拡大断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造の変形状態を示す図6に対応する断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体を示す斜め前方から見た斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造における衝突体のストロークと加速度との関係を簡素化した波形で示すグラフである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方外側から見た斜視図である。
【図11】図10の11−11線に沿った拡大断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
12 フード
14 フェンダ(外板部材)
24 エプロンアッパメンバ(構造部材)
26 エプロンアッパメンバアッパ
54 リブEA材
56 リブEA材のリブ
56A リブの車幅方向外側端部
57 リブの屈曲部
58 リブEA材の縦壁部
58A 縦壁部のく字状内側面
59 縦壁部の屈曲部
69 リブと縦壁部との連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両の車体前部構造に関し、特に、フェンダ等の外板部材のフード寄り部分における外部からの衝撃を吸収することが考慮された車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フェンダ等の外板部材のフード寄り部分に外部から衝突があった場合に、この衝撃を吸収することが考慮された車体前部構造がある。この構造では、フェンダパネルの折曲部の下面とフェンダーシールドパネルの上部との間に衝撃吸収構造を設けていて、この衝撃吸収構造は、少なくとも2つ以上の衝撃吸収具を、前記フェンダーシールドパネルの上面に沿って、一定間隔で設けている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−178953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の車体前部構造では、衝撃吸収具の中央部に形成した折曲部の剛性によって通常使用時の外板部材パネル上部の剛性が確保される一方、衝撃吸収具が折曲部を中心に変形することで、衝突体が上方からフェンダパネル上部に衝突した際の衝撃を吸収するようになっている。この結果、通常使用時の剛性確保と、衝突時の衝撃吸収性能向上と、の両立が難しい。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、通常使用時の外板部材支持剛性確保と衝突体への衝撃緩和性能向上とを両立できる車体前部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の車体前部構造は、車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、前記外板部材を支持する複数のリブを有し、前記複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記複数のリブが潰れることを特徴とする。
【0006】
従って、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用し、荷重が所定値以上となった場合には、複数のリブにおける屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、複数のリブが潰れる。この結果、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形せず、外板部材の支持剛性を確保できる。また、衝突体が衝突して、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となった場合には、複数のリブの屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、複数のリブが低荷重で潰れる。このため、衝突初期に多くのエネルギを吸収し、衝突後半の変形荷重を下げることができるので、限られたスペースを有効に利用し、より少ないスペースで衝突体への衝撃緩和性能を向上できる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車体前部構造において、前記構造部材と前記外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、前記構造部材と前記外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、前記縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れることを特徴とする。
【0008】
従って、請求項1記載の内容に加えて、縦壁部を構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って配設し、構造部材と外板部材との間の隙間を閉塞したため、フードを開いた際に、構造部材と外板部材との間の隙間が見えなくなる。このため、別途カバーを配設すること無しに、フードを開いた際の見栄えを向上できると共に、エンジンルーム内の熱風がフェンダーパネル上部から外へ出るのを防ぐことができる。また、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用し、荷重が所定値以上となった場合には、縦壁部における屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、縦壁部が潰れる。この結果、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、縦壁部が破断もしくは変形せず、外板部材の支持剛性を確保できると共に、衝突体が衝突して、外板部材に略車体上方から略車体下方へ向けて作用する荷重が所定値以上となった場合には、縦壁部の屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形し、その後、縦壁部が低荷重で潰れる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記複数のリブの間隔は、前記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されていることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、複数のリブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しないため、衝突後半での大きな荷重発生や潰れ残りを最小限に抑えることができるため、衝突体への衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0011】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項1〜3の何れか1項に記載の内容に加えて、略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用した場合に、複数のリブがく字状の開き角が狭くなる方向へ潰れようとすることで、屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができる。
【0013】
請求項5記載の本発明は、請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造において、前記縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする。
【0014】
従って、請求項2〜4の何れか1項に記載の内容に加えて、略車体上方から略車体下方へ向けて荷重が作用した場合に、縦壁部がく字状の開き角が狭くなる方向へ潰れようとすることで、屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の本発明の車体前部構造は、車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、外板部材を支持する複数のリブを有し、複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで複数のリブが潰れるため、通常使用時の外板部材支持剛性確保と衝突体への衝撃緩和性能向上とを両立できるという優れた効果を有する。
【0016】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車体前部構造において、構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、構造部材と外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れるため、請求項1記載の効果内容に加えて、別途カバーを配設すること無しに、フードを開いた際の見栄えを向上できると共に、エンジンルーム内の熱風がフェンダーパネル上部から外へ出るのを防ぐことができるという優れた効果を有する。
【0017】
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造において、複数のリブの間隔は、記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されているため、請求項1、2の何れか1項に記載の効果に加えて、衝突体への衝撃緩和性能を更に向上できるという優れた効果を有する。
【0018】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造において、リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたため、請求項1〜3の何れか1項に記載の効果に加えて、リブの屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができるという優れた効果を有する。
【0019】
請求項5記載の本発明は、請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造において、縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたため、請求項2〜4の何れか1項に記載の効果に加えて、縦壁部の屈曲部もしくは湾曲部を容易に破断もしくは変形することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の車体前部構造の第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0021】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0022】
図8に示される如く、本実施形態では、車体10のフード12と外板部材としてのフェンダ14との境界16が、フード12の車幅方向両端部において、車体前後方向に沿って延びている。なお、図8では、車体右側の境界16のみを示している。
【0023】
図6に示される如く、フード12は車体外側のフードアウタパネル18と車体内側のフードインナパネル20とで構成されている。フードインナパネル20の車幅方向外側端部20Aには、フードアウタパネル18の車幅方向外側縁部18Aがヘミング加工によって固定されている。
【0024】
また、フード12におけるヘミング部12Aに対向しているフェンダ14の見切り部(車幅方向内側縁部)14Aは、下方に向かって屈曲されており、上下方向に伸びる縦壁部14Bが形成されている。この縦壁部14Bはできる限り短くなっており、縦壁部14Bの下端部には、車幅方向内側へ向かってフランジ14Cが形成されている。また、フランジ14Cの車幅方向内側端部には、車体上方向へ膨らんだ半円状断面の湾曲部14Dが形成されている。
【0025】
また、フード12におけるヘミング部12Aの下方には、車体前部の骨格を構成する構造部材としてのエプロンアッパメンバ24が車体前後方向に沿って配設されている。このエプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバ24の上部を構成するエプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバ24の下部を構成するエプロンアッパメンバロア28とで構成されている。エプロンアッパメンバアッパ26の車体前後方向から見た断面形状は開口部を下方へ向けたコ字形状となっており、エプロンアッパメンバアッパ26における車幅方向外側の縦壁部26Aの下端部には、フランジ26Bが車幅方向外側下方へ向けて形成されている。また、エプロンアッパメンバアッパ26における車幅方向内側の縦壁部26Cの下端部には、フランジ26Dが車幅方向内側下方へ向けて形成されている。
【0026】
一方、エプロンアッパメンバロア28における横壁部28Aは車幅方向に沿って配設されている。エプロンアッパメンバロア28の横壁部28Aの車幅方向外側端部28Bは、車幅方向外側下方へ向かって形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26のフランジ26Bに溶着されている。また、エプロンアッパメンバロア28の横壁部28Aの車幅方向内側端部28Cは車幅方向内側下方へ向かって形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26のフランジ26Dと溶着されている。
【0027】
従って、エプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバロア28とで車体前後方向に延びる閉断面部30を形成している。また、エプロンアッパメンバ24は、車体前後方向両端部及び車体下方において他の構造部材へ固定されている。
【0028】
図1に示される如く、エプロンアッパメンバアッパ26の上面前端部にはブラケット32が配設されており、このブラケット32を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されている。
【0029】
図2に示される如く、ブラケット32は前壁部32Aと後壁部32Bと、前壁部32Aの上端と後壁部32Bの上端とを連結する上壁部32Cと、を備えている。また、ブラケット32の前壁部32Aの中央部には、車体前後方向から見た形状が略三角形状の貫通孔34が形成されている。更に、前壁部32Aの上下方向中間部には屈曲部36が形成されており、この屈曲部36によって、前壁部32Aは、車幅方向から見た形状が車体前方へ凸のく字状となっている。
【0030】
一方、ブラケット32の後壁部32Bの中央部には、車体前後方向から見た形状が略三角形状の貫通孔38が形成されている。更に、後壁部32Bの上下方向中間部には屈曲部40が形成されており、この屈曲部40によって、後壁部32Bは、車幅方向から見た形状が車体後方へ凸のく字状となっている。
【0031】
また、ブラケット32の前壁部32Aの下端部には、車体前方へ向かってフランジ32Dが形成されており、ブラケット32の後壁部32Bの下端部には、車体後方へ向かってフランジ32Eが形成されている。
【0032】
図1に示される如く、ブラケット32の上壁部32Cは、フェンダ14のフランジ14Cの下面にボルト13とナット15とで固定されている。また、ブラケット32のフランジ32Dとフランジ32Eは、エプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eに溶着されている。
【0033】
エプロンアッパメンバアッパ26の後端部にはブラケット42が配設されており、このブラケット42を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に固定されている。このブラケット42はブラケット32と同形状であり、フェンダ14とエプロンアッパメンバアッパ26への取付けも同様になっている。
【0034】
エプロンアッパメンバアッパ26の前後方向中間部にはリブEA(エネルギ吸収)材54が配設されている。このリブEA材54は所定の剛性及び強度を有していると共に、屈曲部(もしくは湾曲部)に所定値以上の荷重が作用した場合には、前記屈曲部(もしくは湾曲部)が破断する(もしくは延びる)脆性を有している樹脂材等で構成されている。また、リブEA材54を介してフェンダ14がエプロンアッパメンバアッパ26に支持されている。
【0035】
図3に示される如く、リブEA材54は、車体前後方向に所定の間隔を開けて配設され、車幅方向に沿って延設された薄板状の複数のリブ56と、車体前後方向に沿って配設された薄板状の縦壁部58とを備えている。
【0036】
複数のリブ56の車幅方向から見た形状は、上下方向中間部(本実施形態では、上下方向中央付近)に屈曲部57が形成され、車体後方へ凸のく字状となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、図5に示される如く、各リブ56は、屈曲部57の凸側となる頂部57A側に矢印Gで示す引張り力が作用し破断する(破れる)ことで、く字状の開き角θが狭くなる方向へ潰れるようになっている。なお、屈曲部57に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0037】
図6に示される如く、縦壁部58の車体前後方向から見た形状は、上下方向中間部(本実施形態では、上下方向中央付近)に屈曲部59が形成され、車幅方向外方へ凸のく字状となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、縦壁部58は、屈曲部59の凸側となる頂部59A側から破断することで、く字状の開き角α(図6参照)が狭くなる方向へ潰れようになっている。なお、屈曲部59に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0038】
このため、複数のリブ56又は縦壁部58のく字状の開き角、板厚、形状及び複数のリブ56の間隔等を変えることで、リブEA材54の変形荷重を容易にコントロールできるようになっている。
【0039】
図3に示される如く、複数のリブ56における車幅方向外側端部56Aは、縦壁部58のく字状内側面58Aに連結され連結部69となっている。また、図4に示される如く、車体略上方(図4の矢印A方向)からの入力により、リブEA材54が潰れる場合には、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離するようになっている。
【0040】
図3に示される如く、隣接するリブ56の間隔L(図3参照)は、図4に示される如く、リブEA材54が完全に潰れた場合に、隣接するリブ56同士が互いに干渉しない広さに設定されている。
【0041】
リブEA材54は、複数のリブ56における車体上方の端部56Bに連結され、車体前後方向に沿って延設された上壁部60を有している。また、リブEA材54は、複数のリブ56における車体下方の端部56Cに連結され、車体前後方向に沿って延設された下壁部62を有しており、リブEA材54は、車幅方向内側が開口した箱形状となっている。
【0042】
従って、箱形状とされたリブEA材54における前後の壁部と、内部とにリブ56が配設されており、箱形状とされたリブEA材54の車幅方向外側壁部に、縦壁部58が配設されている。
【0043】
リブEA材54の上壁部60には、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット貫通用の孔61と、ボルト締結用作業孔とボルト逃げ孔とを兼ねた貫通孔63が形成されている。また、リブEA材54の下壁部62には、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット逃げ孔65と、ボルト締結孔67が形成されている。
【0044】
図2に示される如く、フェンダ14のフランジ14Cには、車体前後方向に沿って所定の間隔でリベット貫通用の孔73が形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eには、車体前後方向に沿って所定の間隔でボルト締結孔77が形成されている。
【0045】
図1に示される如く、リブEA材54の上壁部60は、フェンダ14のフランジ14Cにリベット71で結合されており、リブEA材54の下壁部62は、ボルト73とナット75によってエプロンアッパメンバアッパ26の上面26Eに固定されている。
【0046】
図7に示される如く、リブEA材54が潰れた場合には、リブEA材54の上壁部60に形成した貫通孔63にボルト73の頭部が入るようになっている。また、リブEA材54の下壁部62に形成した貫通孔65にリベット71の下部が入るようになっている。
【0047】
図6に示される如く、各リブ56の車体前後方向から見た形状は、車幅方向外側端部56Aが、屈曲部57の車幅方向外側部を頂部とする三角形状に膨らんだ略矩形状となっており、縦壁部58は、上壁部60、下壁部62に比べて薄肉になっている。また、図6の符号80はウエザストリップを示している。
【0048】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0049】
本実施形態では、図6に示される如く、フード12とフェンダ14との境界16におけるリブEA材54の上方となる部位に、略車体上方から略車体下方へ向けて、フード12のヘミング部12Aとフェンダ14の見切り部14Aに荷重Fが作用した場合には、フード12のヘミング部12Aとフェンダ14の見切り部14Aとが下方へ変形しようとする。
【0050】
この際、リブEA材54では、車体略上方(図3の矢印A方向)からの入力により、リブ56はく字状の開き角θが狭くなる方向へ潰れようとし、縦壁部58もく字状の開き角αが狭くなる方向へ潰れようとするが、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、複数のリブ56の屈曲部57と縦壁部58の屈曲部59が破断しない。
【0051】
一方、衝突体Kが衝突して、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重Fが所定値以上となった場合には、図5に示される如く、各リブ56は、屈曲部57の凸側となる頂部57A側に矢印Gで示す所定値以上の引張り力が作用し破断する。同様に、縦壁部58の屈曲部59も破断する。
【0052】
なお、屈曲部57、59に代えて湾曲部とした場合には変形する(延びる)。
【0053】
また、図7に示される如く、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離し、その後、複数のリブ56と縦壁部58とが低荷重で潰れる。
【0054】
このため、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重が所定値以上となるまでの通常使用時には、複数のリブ56と縦壁部58とが潰れず、フェンダ14の支持剛性を確保でき、荷重Fが所定値以上となった場合には、複数のリブ56の屈曲部57と縦壁部58の屈曲部59とが破断すると共に、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が剥離し、その後、複数のリブ56と縦壁部58とが低荷重で潰れる。
【0055】
この結果、衝突初期に多くのエネルギを吸収し、衝突後半の変形荷重を下げることができるので、限られたスペースを有効に利用し、より少ないスペースで衝突体Kへの衝撃緩和性能を向上できる。
【0056】
この時、図9に示される如く、衝突体KのストロークSと衝突体Kの減速度となる負の加速度Gとの関係は、ストロークSの増加に伴って加速度Gが上昇し、ストロークS0で加速度Gが最大値に達した後、ストロークSの増加に伴い加速度Gが下降し、ストロークSがS1以上になると加速度Gは略一定になる。
【0057】
また、本実施形態では、隣接するリブ56の間隔L(図3参照)が、リブEA材54が完全に潰れた場合に、隣接するリブ56同士が互いに干渉しない広さに設定されており、複数のリブ56がく字状の開き角が狭くなる方向へ完全に潰れた際に、隣接するリブ56と干渉しない。この結果、衝突後半での大きな荷重発生や潰れ残りを最小限に抑えることができるため、衝突体Kへの衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0058】
また、本実施形態では、車体10のエプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間に車体前後方向に沿って配設された縦壁部58によって、エプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間の隙間を塞ぐことができる。この結果、別途カバーを配設すること無しに、フード12を開放した際の見栄えを向上できる。更に、本実施形態では、リブEA材54の縦壁部58によって、エンジンルーム内の熱風がフェンダ14側に廻り込むのも防止できる。
【0059】
次に、本発明の車体前部構造の第2実施形態を図10及び図11に従って説明する。
【0060】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図10及び図11に示される如く、本実施形態では、リブEA材54の複数のリブ56と縦壁部58との連結部69における縦壁部58の車幅方向外側面58Bに溝84やノッチ85を形成することで、連結部69に薄肉の脆弱部69Aを形成している。
【0062】
このため、衝突体Kが衝突して、フード12とフェンダ14との境界16に加わる荷重Fが所定値以上となった場合には、複数のリブ56と縦壁部58との連結部69が脆弱部69Aにおいて容易に破断するので、衝突体Kへの衝撃緩和性能を更に向上できる。
【0063】
なお、溝84に代えて、リブ56における連結部69側の端部の板厚を薄くする等の他の構成によって脆弱部を形成しても良い。
【0064】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、複数のリブ56の車幅方向から見た形状を、車体後方へ凸のく字状としたが、これに代えて、図12に示される第3実施形態の如く、複数のリブ56の車幅方向から見た形状を、車体前方へ凸のく字状としても良い。また、複数のリブ56の一部の車幅方向から見た形状を車体後方へ凸のく字状とし、他のリブ56の車幅方向から見た形状を車体前方へ凸のく字状とした構成としても良い。
【0065】
また、上記各実施形態では、縦壁部58の車体前後方向から見た形状を幅方向外方へ凸のく字状とし、複数のリブ56における車幅方向外側端部56Aを縦壁部58のく字状内側面58Aに連結したが、これに代えて、縦壁部58の車体前後方向から見た形状を車幅方向内方へ凸のく字状とし、複数のリブ56における車幅方向内側端部を縦壁部58のく字状内側面に連結した構成としても良い。即ち、リブEA材54の車幅方向内側部に縦壁部58がある構成とすることで、縦壁部58によってリブ56をエンジンルーム側から見えないようにして、フード12を開放した際の見栄えを更に向上できる構成としても良い。
【0066】
また、複数のリブ56と縦壁部58とを連結しない構成としても良い。
【0067】
また、リブEA材54は、少なくとも、複数のリブ56を有していれば良いため、箱形状には限定されず、縦壁部58、上壁部60、下壁部62のうちの少なくと一つが無い構成としても良い。
【0068】
また、上記各実施形態では、車体前部の骨格を構成する構造部材としてのエプロンアッパメンバ24とフェンダ14との間に複数のリブ56と縦壁部58とを有するリブEA材54を配設したが、車体前部の骨格を構成する構造部材はエプロンアッパメンバ24に限定されず、フェンダーシールドパネル等の他の部材でも良い。また、外板パネルもフェンダ14に限定されず、バンパー等の他の外板部材でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブEA材を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブEA材の変形状態を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造のリブの変形状態を示す側面図である。
【図6】図8の6−6線に沿った拡大断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造の変形状態を示す図6に対応する断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造が適用された車体を示す斜め前方から見た斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造における衝突体のストロークと加速度との関係を簡素化した波形で示すグラフである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方外側から見た斜視図である。
【図11】図10の11−11線に沿った拡大断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方内側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
12 フード
14 フェンダ(外板部材)
24 エプロンアッパメンバ(構造部材)
26 エプロンアッパメンバアッパ
54 リブEA材
56 リブEA材のリブ
56A リブの車幅方向外側端部
57 リブの屈曲部
58 リブEA材の縦壁部
58A 縦壁部のく字状内側面
59 縦壁部の屈曲部
69 リブと縦壁部との連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、前記外板部材を支持する複数のリブを有し、前記複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記複数のリブが潰れることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記構造部材と前記外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、前記構造部材と前記外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、前記縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記複数のリブの間隔は、前記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されていることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造。
【請求項1】
車体前部の骨格を構成する構造部材と外板部材との間に車体前後方向に沿って所定の間隔で配設され、前記外板部材を支持する複数のリブを有し、前記複数のリブは車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記複数のリブが潰れることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記構造部材と前記外板部材との間に車体前後方向に沿って配設され、前記構造部材と前記外板部材との間の隙間を閉塞する縦壁部を有し、前記縦壁部は車体上下方向中間部に屈曲部もしくは湾曲部を有しており、車体上下方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記屈曲部もしくは湾曲部が破断もしくは変形することで前記縦壁部が潰れることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記複数のリブの間隔は、前記リブが完全に潰れた際に、隣接するリブと干渉しない広さに設定されていることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記リブは車幅方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記縦壁部は車体前後方向から見た形状がく字状に屈曲されたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車体前部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−44312(P2006−44312A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224239(P2004−224239)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(598059675)株式会社ヴイテック (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(598059675)株式会社ヴイテック (14)
【Fターム(参考)】
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