説明

車体構造

【課題】ドアを確実にロックできる上に、スライドドア用とヒンジドア用の車体後部部材を共用化できる車体構造を提供することにを提供する。
【解決手段】車両に形成されたドア開口部3を開閉するドア4と、ドア開口部3を閉じる閉鎖位置D1でドアを保持するラッチ661とストライカ662から成るロック部J1,J2,J3を複数備え、同複数のロック部のうちでドア開口部の縁部を構成するピラーに設けられるピラーロック部を少なくとも1つ備えた車体構造において、ピラーにはドア4がスライドドア4である場合でピラーロック部のストライカが取付けられる第1の取付け面kf1と、ドアがヒンジドア4rである場合でピラーロック部のストライカが取付けられる第2の取付け面kf2とが上下に並設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側壁に設けられる乗降口をドアにより開閉する車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の側面には、乗降口を形成するドア開口部が設けられ、このドア開口部はドアにより開閉され、乗員の乗降を可能としている。
ドア開口を開閉するドアの開閉方式には、ヒンジによる回動開閉式やスライド機構を備えた支持ユニットによるスライド式などがある。スライドドアを備えた車両の構造では、スライドドアを車両前後方向にスライドさせるのに、ドア開口部の上部を形成するサイドルーフレール、ドア開口部の下部を形成するサイドシル内、スライドドアの後端側の上下での中央にスライド機構を設けているものが多い。ところで、サイドルーフレールやサイドシル内にスライド機構を設ける場合、サイドルーフレールやサイドシルの断面が大きくなってドア開口部の高さが制限を受ける場合や車室内に対する張り出し量が大きくなってしまうこととなる。
【0003】
そこで、特許文献1に示すように、スライドドアをその中央部のみで車両前後方向にスライド自在に支持し、サイドルーフレールやサイドシル内からスライド機構をなくしたスイングスライドドアを備えた車体構造が提案されている。
ところで、車両には、フロントドアとリアドアの間にセンターピラを有するものと、乗降性の向上を図る目的ならセンターピラーを持たないものがある。車体側にセンターピラーを持たない例としては、例えば特許文献2が挙げられる。センターピラーを持つ車体構造においては、スイングスライドドアを閉鎖状態に保持する場合、ラッチ110とストライカ114で構成されたロック部を、センターピラー209とリアドア204のパネル前端部間に上下に一対取付け、固定している。
【0004】
ところで、図12に示すように、スイングスライドドア204を支持して車両前後方向Xに移動とした車体構造において、スイングスライドドア204は平行リンク200等により、揺動変位して閉鎖位置に達した上で閉鎖位置D1に達する。その際、前側の上下2箇所のロック部Jfと、後方の後側ロック部Jrにおける各ラッチが各ストライカに噛合うことで、スイングスライドドアをドア開口にロックされる。
【0005】
この際、図11に示すように、前後のロック部におけるラッチ110を取付けたドア204の後縦壁縁111は車幅方向Yに対して傾斜して後部ピラー112のドア開口対向壁113の先端エッジ部を車体後方より前方に向けて移動する軌跡R1を取り、その上で、閉鎖位置D1に達し、ラッチ110がストライカ114に噛合う。
【0006】
これに対し、不図示のヒンジドアの場合は、ヒンジドアの回動端となる後縦壁縁が閉鎖位置D1に向かう際、ほぼ車幅方向Yに沿って前方外側より車室中央側に回動する軌跡R2を取り、ほぼ、車幅方向Y外側より内側に異動変位する。
このように、スイングスライドドアとヒンジドアとでは閉鎖軌跡、特に、ドアにおける後縦壁縁111が閉鎖位置D1に向かう際の軌跡が異なる。
【0007】
【特許文献1】特許第2049752号公報
【特許文献2】特開2004−148024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、スイングスライドドアとヒンジドアとでは後側ロック部におけるラッチとストライカの噛合い方向が異なるため、車両にスライドドアを用いる場合、このスライドドアに代えてヒンジドアを容易に装着することはできず、個別に車両を開発せざるを得なかった。
このため、スライドドアとヒンジドアを選択的に装着する車両を製作する場合、ドアの相違に加え、ドア開口部を形成する車体側の部材である、リアアウターパネルも共用できず、ラッチとストライカの共用も出来ず、これら各部材をそれぞれ別途に設計するのに伴う準備費が増加し、コスト増の要因となっている。
【0009】
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、ドアを確実にロックできる上に、スライドドア用とヒンジドア用の車体後部部材を共用化でき、更には、ラッチとストライカの共用化も可能な車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の請求項1は、車両に形成されたドア開口部を開閉するドアと、前記ドア開口部を閉じる閉鎖位置で前記ドアを保持するラッチとストライカから成るロック部を複数備え、同複数のロック部のうちで前記ドア開口部の縁部を構成するピラーにピラーロック部を少なくとも1つ備えた車体構造において、前記ピラーには前記ドアがスライドドアである場合で前記ピラーロック部のストライカが取付けられる第1の取付け面と、前記ドアがヒンジドアである場合で前記ピラーロック部のストライカが取付けられる第2の取付け面とが上下に並設されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の車体構造において、前記スライドドアが採用された場合に用いる第1の取付け面は前記ドア開口部外側に向け開口部が拡大するような傾斜角で形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2記載の車体構造において、前記第2の取付け面は第1の取付け面の傾斜角より小さく形成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3記載の車体構造において、前記後部ピラーに設けられ前記スライドドアの上下方向における中央部近傍を車両前後方向に移動自在に支持する支持ユニットを備え、前記ドアの閉鎖方向に位置する前部ピラー側に上下一対の前部ピラーロック部と前記ドアの全開方向に位置する後部ピラー側に後部ピラーロック部を備え、前記支持ユニットよりも上方に後部ピラーロック部とその前方に前記上側の前部ロック部を配備し、前記支持ユニットよりも下方に前記下側の前部ロック部を配備するとともに、前記後部ピラーに前記第1の取付け面と前記第2の取付け面を形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4記載の車体構造において、前記後部ピラーの前記第1の取付け面と前記第2の取付け面の裏面に接合されるピラー補強リンフォースを備え、前記ピラー補強リンフォースは、前記支持ユニットが取付けられる前記後部ピラーの裏面まで延出形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明は、スライドドアが採用された場合に選択する第1の取付け面とヒンジドアが採用された場合に選択する第2の取付け面とを上下に共に並設して形成し、選択されたドアのピラーロック部に応じて形成された取付け面を選択的に用いることが出来る。このため、車体組付けにおいて、予め、ピラーを形成するアウターパネル部材を、スライドドア用とヒンジドア用とで別途に設計する必要がなく、その際の設計に伴う準備費を大幅に低減でき、スライドドア用とヒンジドア用のアウターパネルを別途製造することなく共用でき、共通した車体組付けが出来、大幅なコストダウンを図れる。
【0016】
請求項2の発明は、第1の取付け面は開口部が拡大するような傾斜角で形成されるので、スライドドアが閉鎖位置に向かう場合におけるスライドドアのラッチを備えた面の閉鎖軌跡と傾斜角に形成された第1の取付け面の傾斜とが略並行状態となり、ラッチとストライカの噛合いがスムーズと成り、ドアが閉鎖位置に容易に達することが出来る。
【0017】
請求項3の発明は、第2の取付け面と第1の取付け面の傾斜角を大小調整することで、スライドドアとヒンジドアの各ピラーロック部のストライカを共用可能となり、この点でコスト低減を図れる。
【0018】
請求項4の発明は、スライドドアがその中央部近傍を支持ユニットで支持された状態でドア開口部を閉めたときに、このスライドドアが支持ユニットの上側の後部ピラーロック部と上側の前部ピラーロックと支持ユニットに対して下側の前部ピラーロック部とにより3点でロック状態に保持されるので、スライドドアの回転モーメントの発生を効果的に抑制して振動の発生を少なくしながら、スライドドアのロック状態を強固に保持できる。
【0019】
請求項5の発明は、ピラー補強リンフォースは支持ユニットのピラー取付面を補強するので、この点でコスト低減を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1にはこの発明の一実施形態としての車体構造が適用された車両Bを示す。
この車両Bはセンターピラー5のある4ドアの自動車であり、左右の各前乗降口1を開閉するフロントドア2と、左右の各後乗降口3を開閉するスイングスライドドア(以後単にリアドアと記す)4とを備える。
ここで、車両Bの左右側壁はフロントフェンダパネルM1と、前後乗降口1,3の上下に配備されたルーフサイドレールM2及びサイドシルM3、リアピラーを含むリアサイドパネルM4と、ルーフサイドレールM2及びサイドシルM3間を上下に結合するセンターピラー5とで形成される。
【0021】
特に、図5、図6に示すように、車体後部部材であるリアサイドパネルM4は後乗降口3(ドア開口部)の車体後方側のリアピラー(後部ピラー)60bと、その下部が後方に延出したリアフェンダー60aと、その上側に連続形成されたリアウインドウ枠部60wと、ルーフサイドレールM2の後方延長部60fとを有し、これらは一体的にプレス成形されている。
図2、3に示すように、リアピラー60bは車体の後部のリアサイドパネルM4(クオーターパネル)の前端部分とその車内側のインナーパネル29(図3参照)の前端部分と、ピラー補強リンフォース65とで形成され、外向き縁部poと、後乗降口3に対向する前方対向壁pfとをそれぞれ上下に連続形成されている。
【0022】
リアピラー60の上下方向で後乗降口3との対向端には、平らな縦壁を成すインナーパネル29とインナーパネル29に接合されたアウターパネル60bとを互いに溶着させてなる縦フランジ部(以後単に後方縦フランジ部)f1が形成される。
図1、3に示すように、後方縦フランジ部f1の上下方向での中間部には取付け凹部Tが形成される。この取付け凹部Tは車外側(図1で手前側)に向けて開口するよう形成され、後述の後ロック部J3の下方に位置し、上述のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUを取付け可能に形成される。なお、後方縦フランジ部f1及びその車内側のインナーパネル29の縦壁面に亘りクオータートリム120(図7参照)が装着される。
【0023】
一方、リアドア4は上下方向における中央部近傍に配置されたスイングスライドユニットU(支持ユニット)に支持され、これによってリアドア4は車両前後方向Xに移動自在に支持されている。
即ち、スイングスライドユニットUに支持されたリアドア4は、後乗降口3を閉鎖する閉鎖位置D1と、閉鎖位置D1より車外に突出た突出し位置(突出し位置)D2と、突出し位置D2より後方に移動した全開位置D3とに移動可能に支持される。
【0024】
図1に示すように、後乗降口3の周囲には、後乗降口3を閉じる閉鎖位置D1において、前部ピラーロック部であるリアドア4の前側を保持する前上下ロック部J1,J2と、後側を保持する後部ピラーロック部である後側ロック部(以後単に後ロック部と記す)J3が配置されている。各ピラーロック部は、周知のラッチとストライカの組み合わせでそれぞれ構成されている。
本形態において、前部ピラーロック部である前上ロック部J1は、後乗降口3の閉鎖方向である前側に位置し、後乗降口3の上部と下部を構成するルーフサイドレール10とサイドシル101とを連結するセンターピラー5寄り、ここではセンターピラー5上部に配置される。後部ピラーロック部である後ロック部J3は、後乗降口3の車体後方側に位置するリアピラー(後部ピラー)60bに配置される。前部ピラーロック部である前下ロック部J2は、センターピラー5寄り、ここではセンターピラー5の下部に配置されている。
【0025】
前上ロック部J1と後部ピラーロック部である後ロック部J3はスイングスライドユニットUを構成する後述のドア支持レール22の上方に、前下ロック部J2はドア支持レール22よりも下方に配置されている。本形態において、ロック部J1,J2,J3は、互いを頂点として結ぶと三角形状を形成するように後乗降口3の周部に配置されている。これにより、ほぼ重心部分をスイングスライドユニットUに支持されたリアドアの上下左右への回動変位を確実に抑制できるようにしている。
【0026】
リアドア4は、ドア閉鎖位置D1において、図4に示すように、その前上ロック部J1(前下ロック部J2も同様の構成)を構成するラッチ661とストライカ662を用いてセンターピラー5に離脱可能にロックされる。更に、図2に示すように、後ロック部J3を構成するラッチ671とストライカ672を用いてリアピラー(後部ピラー)60bに離脱可能にロックされる。
本形態において、前上、前下のロック部J1、J2の各ストライカ662はセンターピラー5のアウターパネル5aにボルト(不図示)で締結固定され、後ロック部J3のストライカ672はリアピラー(後部ピラー)60bのアウターパネル60baにボルト(不図示)で締結固定されている。
【0027】
前上、前下ロック部J1、J2のラッチ661と、後ロック部J3のラッチ661とは、各ロック部のストライカ662と対向するリアドア4のインナーパネル402にそれぞれ固定されている。本形態において、ロック部J1,J2,J3は、図1に示すように、互いに三角形状を形成するように後乗降口3の周部に配置されている。
なお、リアドア4の外周縁部には不図示のウエザーストリップが取付けられ、このウエザーストリップによりリアドア4が閉鎖位置D1に保持された際に、三角形状に配備されたロック部J1,J2,J3の働きを受け、後乗降口3の周縁壁面の全周に対して密に圧接でき、シール性を確保できるようにしている。
【0028】
図2に示す後ロック部J3はスイングスライドドアであるリアドア4用であり、その後ロック部J3のストライカ662を支持する第1取付け面kf1がリアピラー(後部ピラー)60bにおける前方対向壁pfの上下方向での中間部に形成される。
更に、図5,6に示すように第1取付け面kf1(図2(a)参照)の下方には第2取付け面kf2が並設されている。第2取付け面kf2(図2(b)参照)は後乗降口3を開閉するドアがスイングスライドドアに代えてヒンジドアが採用された場合に、そのドアの後ロック部J3のストライカ662を取付ける際にのみ用いられる。
【0029】
図2(a)、(b)に示すように、リアピラー(後部ピラー)60bの前方対向壁pfの裏面で、上下に並設された第1取付け面kf1及び第2取付け面kf2と対向する部位にはピラー補強リンフォース65が一体接合される。これによりピラー補強リンフォース65が第1の取付け面kf1と第2の取付け面kf2〔図5参照〕を連続して補強することが出来、第1取付け面kf1や第2取付け面kf2にストライカ662、662rが選択的に取付けられた場合に、その基部となる第1取付け面kf1や第2取付け面kf2を確実に剛性強化できる。
【0030】
ここで、スイングスライドドア用の後ロック部J3のラッチ661は、図2(a)を用いて後述するように、ストライカ662に斜め後方より前方車内側に向けて移動する軌跡R1に沿って移動し、ストライカ662に噛合う。この点を考慮し、第1取付け面kf1は車幅方向線Lyに対して、傾斜角θ1を保って形成される。即ち、第1取付け面kf1は開口部が拡大するような傾斜角で形成されている。これにより、U字型のストライカ662は平面視において、前後方向線Lxに対して、傾斜角θ1傾いて取付けられ、ラッチ661との噛合いをスムーズに行えるようにしている。
【0031】
一方、図2(b)に2点差線で部分的に記載のヒンジドア4rがスイングスライドドア4に代えて用いられた場合には、同ヒンジドア4rの後ロック部J3のラッチ661rは、後述するように、ほぼ車幅方向Yに沿って前方外側より車室中央側に回動する軌跡R2に沿って移動し、ストライカ662rに噛合う。この点を考慮し、第2取付け面kf2は車幅方向線Lyに対して、傾斜角がほぼゼロに近いθ2を保って、形成される。これにより、U字型のストライカstは平面視において、前後方向線Lxに対して、傾斜角θ2(ほぼゼロ)傾いて取付けられ、ラッチrc2との噛合いをスムーズに行えるようにしている。
【0032】
このように、車体後部部材であるリアサイドパネルM4に、スライドドア用とヒンジドア用のストライカ662,662rの取付け面を上下に並設状態で第1取付け面kf1と第2取付け面kf2をして一体形成し、選択的に第1取付け面kf1と第2取付け面kf2をストライカ取付け面として用いられるようにした。
このため、車体後部部材であるリアサイドパネルM4をスライドドア用とヒンジドア用とに共用できる。更に、車体後部部材であるリアサイドパネルM4を別途に設計する必要がなく、その際の設計に伴う準備費を大幅に低減できる。しかも、共通した車体組付け作業が出来、大幅なコストダウンを図れる。
【0033】
更に、第1取付け面kf1第1の取付け面は開口部が拡大するような傾斜角で形成されるので、スライドドアが閉鎖位置に向かう場合におけるスライドドアのラッチを備えた後部縦壁面の閉鎖軌跡と傾斜角に形成された第1の取付け面の傾斜とが略並行状態となり、ラッチとストライカの噛合いがスムーズと成り、ドアが閉鎖位置に容易に達することが出来る。
このように、スイングスライドドア用とヒンジドア用のU字型のストライカ662,662r及びラッチ661,661rは第1取付け面kf1や第2取付け面kf2に選択的に取付けられ、共用化でき、コスト低減に寄与できる。
【0034】
上述のリアドア4の外周縁部には不図示のウエザーストリップが取付けられ、このウエザーストリップによりリアドア4が閉鎖位置D1に保持された際に、後乗降口3の周縁壁面に対して密に圧接でき、シール性を確保できるようにしている。
図1、3に示すように、リアドア4のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUは車体の後乗降口3に沿って配備されたリアピラー60における上下方向での中間部近傍に形成された取付け凹部Tに取付けられる。
【0035】
図3に示すように、車体の取付け凹部Tの低壁601にはスイングスライドユニットUの基部であるベース部材15が固着される。ベース部材15は車体側壁の固定部材を成しており、平行リンク16の基端部と、ドア荷重支持アーム18の基端部と、同ドア荷重支持アーム18(図8参照)に支持されたワイヤーハーネス20の車体側配線部20bと、開閉駆動機構19のケーブルエンドpoe、pce(図7参照)等が取付けられる。
【0036】
図3、7に示すように、ベース部材15は剛性を保持した形状を有し、前後一対の平行リンク16を枢支する下部取付け部151とそれより上方に延びドア荷重支持アーム18を枢支する上部縦柱部152とを備える。下部取付け部151は前後一対の平行リンク16を枢支する横向きフランジ部15aとその横向きフランジ部15aを補強するよう溶着され下方に斜めに延びる下方傾斜部15bと、下方傾斜部15bより屈曲して延出し、取付け凹部Tの一部をなす前向段状部601にボルト止めされる締結フランジ15cとを備える。
上部縦柱部152はドア荷重支持アーム18における第1支持アーム44の第1枢支端(基端)が縦ピン43を介して枢支される基端ボス部41(図7参照)を備える。
【0037】
基端ボス部41の一側にはコ字型締結ブラケット53が重ねられ、相互にボルト止めされる。更に、図7に示すように、コ字型締結ブラケット53は第1枢支端(基端)より離れて延出する縦壁面が取付け凹部Tの縦壁に重ねられ、両部材が不図示のボルトによって止められる。
なお、リアピラー(後部ピラー)60bの前方対向壁pfの裏面に一体接合されているピラー補強リンフォース65の一部は取付け凹部Tの一部をなす前向段状部601の裏面側にも重なるように延出形成されており、このピラー補強リンフォース65の働きでより強固にベース部材15が取付け凹部Tに取付けられている。また、別途にリーンフォースを用いずに、共用でき、部品点数の増加をも防止できる。
【0038】
図3、図5に示すように、平行リンク16は搖動するリアドア4の移動軌跡や各位置を位置決めする機能を備える。平行リンク16の前アーム31及び後アーム32の前、後連結ピン246、245はスライダー24の前後端近傍とそれぞれピン結合される。前アーム31及び後アーム32は相互に前後及び上下に所定間隔を保持し、その位置関係をほぼ保持したままで揺動でき、これによって両アーム相互の干渉を防止するようにしている。
図3に示すように、リアドア4のアウターパネル401とドア内空間を介して配備されるインナーパネル402とは互いの前後及び下部の外周縁部が相互に一体接合処理され、更に、両パネルの上方周縁部間には開口が形成される。この開口は、不図示のドアガラスの昇降作動域及びその支持部材のサッシュ55を装着可能なように形成される。
【0039】
リアドア4内の空間にはドアガラスの他に、ドア支持レール22や、ドア支持レール22に嵌着されるスライダー24や、開閉駆動機構19のドア側部材や、リアドア4内に設けた電装機器である制御手段としてのコントローラ30(図1参照)が配備される。
図1、図9、10に示すように、リアドア4側には開閉駆動機構19の駆動源Mを成すモータ101及び巻き取りドラム102と複数の中間ローラPo2,Pc2が配備される。
【0040】
リアドア4内電装機器はドア荷重支持アーム18に支持されたワイヤーハーネス20のドア側配線部20dと、アーム側配線部20aを経て車体側の電源(不図示)及びメインコントローラ300を含む車体側配線部20bに連結される。
【0041】
図3、7に示すように、平行リンク16の上方にはドア荷重支持アーム18が取付けられる。
ドア荷重支持アーム18は車体側に枢支されたベース部材15の上部の上部縦柱部152に形成された基端ボス部41に第1縦ピン43を介して第1支持アーム44の第1枢支端(基端)441が枢支される。第1支持アーム44の回動端には第2縦ピン62を介して第2支持アーム61の第2枢支端(基端部)611が枢支され、その他端である第2支持アームの揺動端612がリアドア4の重心位置近傍のドア側枢支部37を第3縦ピン36を介して枢支している。
【0042】
このようなドア荷重支持アーム18を成す第1支持アーム44と第2支持アーム61とは縦長断面のバー状部材として剛性材で形成される。これによって、ドア荷重支持アーム18は上下方向のドア荷重を受けても変形を抑え、リアドア4の重心部の荷重を常にベース部材15に伝達できる。このドア荷重支持アーム18にワイヤーハーネス200の要部が支持されている。
【0043】
ところで、図3、9に示すように、平行リンク16の揺動端に枢着されたスライダー24はドア支持レール22に嵌着される。ドア支持レール22はリアドア4のインナーパネル402に締結された取付けブラケット35に固着されている。なお、取付けブラケット35はインナーパネル402の内壁の中央主要部を覆うような形状の屈曲板材であり、ドア重心位置近傍に後述のドア側枢支部37を一体的に取付けている。
【0044】
図3、9に示すように、ドア支持レール22はその内部に下向き主、従レール溝33u1,33u2と下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2とを前後方向Xに長く形成した形成され、このドア支持レール22の内部に前後ローラ23f、23r、複数のローラrを介してスライダー24が嵌挿される。
スライダー24は前後方向Xに長い板状の上下基板241a、241b及びそれらを互いに結合する連結基板241cと、上基板241aの上面より突き出す前後方向Xに長い一対の並列状の縦長壁242,243と、上下基板241a、241bの隙間t1に上下に配設され後アーム32の揺動端を揺動可能にピン結合する後連結ピン245と、下基板241bの前よりの下向き壁より下方に延び前アーム31の揺動端を揺動可能にピン結合する前連結ピン246とを備える。
【0045】
縦長壁242の要部には後ローラ23rを遊嵌する切欠孔が形成され、後ローラ23rは縦向きの後枢支ピンを介して縦長壁242に枢支される。この後枢支ピンは後連結ピン245と共通の後揺動中心線Lrr上に配備される。
下基板241bの前よりの前連結ピン246と共通の前揺動中心線Lrf上に前ローラ23fの縦向きの前枢支ピンが配備され、同前枢支ピンが前アーム31の分岐揺動端に前ローラ23fを枢支する。
【0046】
これによって、並行リンクに対してその外側前、後揺動中心線Lrf、Lrrを介し枢支されたスライダー24が並行リンクにより搖動すると共にスライダー24の前後ローラ23f、23rに対してドア支持レール22が前後方向Xに容易に摺動できる。なお、後揺動中心線Lrf、Lrrの平面視での点を図8においては前後搖動中心点prf、prrとして示す。
【0047】
ここでドア支持レール22の上部の下向きレール溝33u1,33u2は前後方向Xに長く形成される。一方、下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2は、図10に示すように、ドア支持レール22の長手方向のほぼ中間部まで形成され、その後方(図10で左側)には形成されていない。下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2はこれに嵌合する前アーム31の搖動端の前ローラ23f及びその近傍の従前ローラ23fsを嵌挿する。特に、前ローラ23fが下部の主下向きレール溝33l1のストッパ壁部rs0に当接することで、相対的なドア支持レール22(リアドア4)の更なる前摺動を阻止し、ドア支持レール22(リアドア4)の突出し位置D2を規制する。
【0048】
このため、前アーム31が前アーム搖動基点pcfまわりに搖動した際、即ち、突出し位置D2における前ローラ23fの中心線回り(外側搖動中心点prf回り)に前アーム31が相対的に搖動すると、前ローラ23fの近傍の従前ローラ23fs側が前ローラ23fの中心線回りに円弧(図の2点差線の矢示参照)q1を描くように回動する。この状態において、従前ローラ23fsはストッパ壁部rs0の外側にコロ接触状態を保持して変位し、前ローラ23fの中心線は前後方向Xにずれることを阻止することが出来る。この前ローラ23fの中心線回りに前アーム31が相対的に搖動することで、ドア支持レール22(リアドア4)が突出し位置D2より、図11に示す閉鎖位置D1にまで搖動可能であり、この際、従前ローラ23fsは、図11に示すように、従上向きレール溝33l2の湾曲最深部に達する。
【0049】
一方、前アーム31が前アーム搖動基点pcfまわりに搖動し、前ローラ23fが主下向きレール溝33l1のストッパ壁部rs0に当接し、ドア支持レール22(リアドア4)が突出し位置D2に達し、ドア支持レール22(リアドア4)が全開位置D3に向けて後方にスライドする場合、図9に示すように、近傍の従前ローラ23fsは従上向きレール溝33l2の湾曲部より直状部に対向しており、前ローラ23f、従前ローラ23fsはスムーズに主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2に沿って相対的に摺動し、図11に示すように、ドア支持レール22(リアドア4)を全開位置D3に移動させることが出来る。
【0050】
次に、リアドア4には開閉駆動機構19が配備される。
図3、9、10に示すように、開閉駆動機構19はリアドア4を駆動源を成すモータ101、巻き取りドラム102の回転力で閉鎖載置D1より突出し位置D2を介して全開位置D3へと移動する機能を備える。
【0051】
即ち、開閉駆動機構19はリアドア4内部に配設されたモータ101と、モータ101に巻取り、巻戻し可能に駆動される巻き取りドラム46と、巻き取りドラム46に引き出し自在に巻き取られる開ケーブル49及び閉ケーブル51と、開ケーブル49を巻きがけるドア支持レール22前端の端部プーリpo1と、閉ケーブル51を巻きがけるドア支持レール22後端の端部プーリpc1と、スライダー24の前側の第1プーリpo2と、前アーム31上の第2プーリpo3(前中間プーリ)と、横向きフランジ部15aに支持され開ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドpoeと、スライダー24の後側の第1プーリpc2と、後アーム32上の第2プーリpc3(後中間プーリ)と、コ字型締結ブラケット53の下フランジ53dに支持され閉ケーブル51のアンカー部を連結したケーブルエンドpceと、を備える。
【0052】
次に、リアドア4の作動を説明する。
コントローラ30がドア開指令を受ける前において、リアドア4が閉鎖位置D1(図8(a)、図11参照)に保持されている。
その際、リアドア(スイングスライドドア)4側の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各ラッチ661、661rがロック状態を保持したまま非通電状態に保持されている。即ち、リアドア4はセンターピラー5に前上ロック部J1(前下ロック部J2も同様)のラッチ661とストライカ662を用いてロックされる。更に、スイングスライドドア用の後ロック部J3のラッチ661rはストライカ662rに噛合っている。この場合、図8(a)に示すように、後アーム32と前アーム31の搖動端は車内側に引き込まれ、両アームの搖動端のスライダー24と共にドア支持レール22がリアドア4を閉鎖位置(図1参照)D1を保持する状態に保つ。
【0053】
次に、コントローラ30がドア開指令を受けると、ワイヤーハーネス20を介して閉鎖位置D1のリアドア4の前上ロック部J1と前下ロック部J2と後ロック部J3の各ラッチ661、661rにロック解除の出力を発する。
これにより、前上ロック部J1と前下ロック部J2と後ロック部J3の各ラッチ661、661rが解除し、各ストライカ662,662rと離脱する。
【0054】
次いで、駆動源Mのモータ101が駆動され、図8(a)に2点差線で示すように、開作動ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドpoeと、ドア支持レール22上の固定プーリpo1との間に張設されたケーブルを巻き取りドラム46の不図示の開き巻き取り部が巻き取る。この際、閉作動ケーブル51の緩み側は不図示の閉じ巻き取り部に巻き戻される。
【0055】
これによって、前アーム31とこれに連動する後アーム32とを閉鎖位置D1より図8(b)に示す揺動位置D2に揺動変位させる。この際、前アーム31が前アーム搖動基点pcfまわりに搖動し、下部の主下向きレール溝33l1のストッパ壁部rs0に前アーム31の搖動端の前ローラ23fが当接した状態を保ち、更に、前ローラ23f近傍の従前ローラ23fsがストッパ壁部rsの外側にコロ接触状態を保持するので、前ローラ23fの中心線は前後方向Xにずれることを阻止され、確実に平行リンクの揺動変位が成される。
【0056】
次に、開閉駆動機構19の働きで、リアドア4が搖動位置D2を通過して、搖動が止まっている並行リンク16の揺動端のスライダー24に対して相対的にドア支持レール22側が図8(c)に示す全開位置D3にまで摺動操作される。
後乗降口3を乗員が通過し、乗降が終わり、コントローラ30がドア閉鎖指令を受けるとする。
この際、駆動源のモータ101が駆動され、図8(c)の状態より図8(b)の揺動位置に戻り、図8(a)の閉鎖位置D1にとリアドア4が移動する。
この閉鎖位置D1直前で、図8(a)に示すように、リアドア4の前上ロック部J1(前下ロック部J2も同様)のラッチ661はセンターピラー5に支持されるストライカ672に容易に噛合い、ロックされる。一方、リアドア4の後ロック部J3のラッチ661は、図2(a)に示すように、ストライカ662に斜め後方より前方車内側に向けて移動する軌跡R1に沿って移動し、ストライカ662に向かう。
【0057】
この際、図2(a)に示すように、リアピラー60bの外向き縁部poと前方対向壁pfとからなるエッジ部をドアのインナーパネル402の後端縁が回り込むように通過し、次いで、後ロック部J3のラッチ661rが第1取付け面kf1のストライカ662rに噛合う。
【0058】
この場合、ドアのインナーパネル402側の回動軌跡R1は閉鎖直前において、車幅方向線Lyに対して、概略傾斜角θ1を保っており、開口部が拡大するような傾斜角θ1を保つことが出来る。このため、第1取付け面kf1に直行するように取付けられた、即ち、前後方向線Lxに対して、傾斜角θ1傾いてリアピラー60bの第1取付け面kf1に取付けられたストライカ662rに、ラッチ661rがスムーズに噛合いを行える。
【0059】
この場合、各ロック部J1,J2,J3は、互いを頂点として三角形状をなするように後乗降口3の周縁部に配置されているので、重心部分をスイングスライドユニットUに支持されたリアドアの上下左右への回動変位を確実に抑制できる。さらに、三角形状に配備されたロック部J1,J2,J3の働きで、リアドア4を不図示のシール材を介して後乗降口3の周縁壁面の全周に対して密に圧接でき、シール性を確保できるようにしている。
【0060】
特に、この場合、ストライカ662rは第1取付け面kf1に対して垂直状態に取付けられ、その形状はU字状でよい。このため、図4に示す前上ロック部J1(前下ロック部J2も同様)を構成ストライカ662のようにラッチ661との対向角を90度とするように屈曲形成したストライカ662を用いる必要がない。
これに対し、リアドア4をヒンジドア4rとし、このヒンジドア4rの前端上下を不図示のヒンジを用いてセンターピラーに枢着する構成をとる場合には、リアピラー60bの第1取付け面kf1に代えて、図2(b)に示したように第2取付け面kf2に同一のストライカ662rを取付けできる。
【0061】
この場合も、ヒンジドア4rの回動端の回動軌跡R2に沿うような傾斜角θ2で第2取付け面kf2が形成される。即ち、閉鎖直前の回動軌跡R2は、車幅方向線Lyにほぼ沿うような、即ち、傾斜角θ2はほぼゼロに設定される。このため、第2取付け面kf2には、ほぼ前後方向線Lxに向けて突出する、U字状のストライカ662rが採用される。即ち、第1取付け面kf1と第2取付け面kf2に取付けるストライカ662は同一のものを採用できる。ストライカ662、662rが共用可能なため、これに噛合うヒンジドア4rの後ロック部J3のラッチ661rもリアドア4のラッチ661rを採用でき、このようにストライカとラッチを共用できるので後ロック部J3の製造コストを抑制できる。
また、上記実施形態では、前上下ロック部J1,J2をピラーに設けたが、ルーフやサイドシル側に設けた車両でも良い。さらに、ドアを車体前方に回動またはスライドさせる車両にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態としての車体構造が採用された車両の概略側面図である。
【図2】図1の車体構造で用いる後ロック部を示し、(a)はリアドアの場合で、図5のG1での断面図、(b)はヒンジドアの場合で、図5のG2での部分断面図である。
【図3】図1の車体構造が適用されたリアドアに用いられるスイングスライドユニットの拡大部分切欠断面図である。
【図4】図1の車体構造で用いる前上ロック部の平断面図である。
【図5】図1の車両のリアサイドパネルの概略側面図である。
【図6】図5のリアサイドパネルの概略斜視図である。
【図7】図1の車体構造が採用されたリアドアに用いられるスイングスライドユニットの部分切欠平面図である。
【図8】図1の車体構造が採用されたリアドアのドア揺動位置を示す作動説明図である。
【図9】図1の車体構造が採用されたリアドアに用いられるスイングスライドユニットの揺動位置を示す作動説明図である。
【図10】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの全開位置を示す作動説明図である。
【図11】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの閉鎖位置を示す作動説明図である。
【図12】従来のスイングスライドドアの概略要部斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
3 後乗降口
4 リアドア
661,661r ラッチ
662,662r ストライカ
16 平行リンク
17 ドア摺動機構
19 開閉駆動機構(ドア開閉装置)
20 ワイヤーハーネス
22 ドア支持レール
30 コントローラ(制御機器)
60b リアピラー
J1 前上ロック部
J2 前下ロック部
J3 後ロック部
kf1 第1取付け面
pf 前方対向壁
kf2 第2取付け面
B 自動車(車体)
D1 ドア閉鎖位置
D2 搖動位置
D3 ドア開位置
M4 リアサイドパネル(体後部部材)
U スイングスライドユニット
X 前後方向
Y 車幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に形成されたドア開口部を開閉するドアと、前記ドア開口部を閉じる閉鎖位置で前記ドアを保持するラッチとストライカから成るロック部を複数備え、同複数のロック部のうちで前記ドア開口部の縁部を構成するピラーに設けられるピラーロック部を少なくとも1つ備えた車体構造において、
前記ピラーには前記ドアがスライドドアである場合で前記ピラーロック部のストライカが取付けられる第1の取付け面と、前記ドアがヒンジドアである場合で前記ピラーロック部のストライカが取付けられる第2の取付け面とが上下に並設されたことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
請求項1記載の車体構造において、
前記スライドドアが採用された場合に用いる第1の取付け面は前記ドア開口部外側に向け開口部が拡大するような傾斜角で形成されたことを特徴とする車体構造。
【請求項3】
請求項2記載の車体構造において、
前記第2の取付け面は第1の取付け面の傾斜角より小さく形成されたことを特徴とする車体構造。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の車体構造において、
前記後部ピラーに設けられ前記スライドドアの上下方向における中央部近傍を車両前後方向に移動自在に支持する支持ユニットを備え、
前記ドアの閉鎖方向に位置する前部ピラー側に上下一対の前部ピラーロック部と前記ドアの全開方向に位置する後部ピラー側に後部ピラーロック部を備え、
前記支持ユニットよりも上方に後部ピラーロック部とその前方に前記上側の前部ロック部を配備し、前記支持ユニットよりも下方に前記下側の前部ロック部を配備するとともに、前記後部ピラーに前記第1の取付け面と前記第2の取付け面を形成したことを特徴とする車体構造。
【請求項5】
請求項4記載の車体構造において、
前記後部ピラーの前記第1の取付け面と前記第2の取付け面の裏面に接合されるピラー補強リンフォースを備え、
前記ピラー補強リンフォースは、前記支持ユニットが取付けられる前記後部ピラーの裏面まで延出形成することを特徴とする車体構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−132335(P2009−132335A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311504(P2007−311504)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】