車載カメラ用自動露出装置
【課題】配光可変型前照灯システムを備えた車両の夜間における走行状態にかかわらず、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさを適度な明るさにすることができる「車載カメラ用自動露出装置」を提供すること。
【解決手段】車載カメラ15の測光領域を設定する測光領域設定手段38が、ハンドル21の操舵角の変化にともなう車載カメラ15の撮像範囲1内における前照灯25の照射領域の撮像に用いる照射領域撮像範囲40の変動に応じて、測光領域7,41を変更可能とされていること。
【解決手段】車載カメラ15の測光領域を設定する測光領域設定手段38が、ハンドル21の操舵角の変化にともなう車載カメラ15の撮像範囲1内における前照灯25の照射領域の撮像に用いる照射領域撮像範囲40の変動に応じて、測光領域7,41を変更可能とされていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ用自動露出装置に係り、特に、自車両に搭載されたカメラ(以下、車載カメラと称する)の自動露出を行うのに好適な車載カメラ用自動露出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載カメラを用いた技術として、車載カメラによる路面等の撮像画像を用いて、自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像を車内のディスプレイに表示する車両周辺監視装置が採用されるようになった。
【0003】
このような車両周辺監視装置に用いられる車載カメラとしては、魚眼レンズ等の超広角レンズを備えたものが一般的であった。
【0004】
そして、このような車両周辺監視装置においては、例えば、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像(路面等の画像)を、マッピングテーブルと称される変換テーブルを用いて、カメラ(撮像面)座標系上の画像からディスプレイ座標系上の画像へと変換(座標変換)することによって、車両周辺監視画像を生成するようになっていた。
【0005】
ところで、従来、このような車両周辺監視装置に用いられる車載カメラにおいて、自動露出(AE:auto exposure)を行う際には、車載カメラの撮像範囲(換言すれば、CCD受光面における光電変換が行われる有効画素領域等の撮像面)の中央部に重みを置きつつ、撮像範囲全体を測光領域とした測光を行うようになっていた。このような測光方法は、中央部重点測光(center-weighted metering)と呼称されていた。
【0006】
例えば、夜間走行中に、車両周辺監視画像の一例として、自車両の左前方を監視するための左サイドビュー画像を生成する場合には、例えば、左ドアミラー等に取り付けられた車載カメラとしての左サイドカメラによって、自車両の左側方の路面を撮像していたが、図7に示すように、左サイドカメラの撮像範囲1内には、路面や自車両の左側部等の左サイドビュー画像の生成に必要な物体のみでなく、空や建物等の不要な物体も捉えられることがあった。
【0007】
そこで、従来は、まず、左サイドカメラに搭載された赤外LED照明の照射範囲として、車載カメラの撮像範囲1における中央部2(図7破線枠内)に重みを置きつつ撮像範囲1全体を測光領域3とした測光を行って露出を自動的に決定し、決定された露出の下で、撮像範囲1内に捉えられている物体を撮像していた。
【0008】
そして、撮像画像のうちの、自車両の左前方の路面および自車両の一部が含まれた画像、すなわち、図7の一点鎖線で囲まれた一部の撮像範囲4内に捉えられた撮像画像を、マッピングテーブルを用いて座標変換することによって、左サイドビュー画像を生成するようになっていた。なお、前記一部の撮像範囲4が樽型に歪んでいるのは、左サイドカメラに搭載された超広角レンズのディストーションを考慮しているためである。一方、撮像画像のうちの空や建物等の不要な物体の画像は捨てるようになっていた。
【0009】
しかるに、このように、撮像範囲1全体を測光領域3としたのでは、露出を決定する際に、空等の不要な物体の明るさを考慮してしまうだけでなく、左サイドビュー画像の生成に用いる物体(路面等)の明るさを十分に考慮した測光を行うことができなかった。
【0010】
すなわち、図7のように、左サイドカメラによって夜間に路面を撮像する場合には、撮像範囲1内に、路面に比べて明るさが非常に暗い空が捉えられるが、このような状況において、撮像範囲1の中央部2に重みを置いた測光を行うと、空の暗さに引きずられて、撮像範囲1内に捉えられている物体の明るさが平均的に暗い(路面よりも暗い)と判断されてしまっていた。
【0011】
この結果、図7の場合には、路面の撮像画像が必要以上に明るく(オーバーとなる)ように露出が決定されてしまっていた。
【0012】
そして、このように露出を決定した上で撮像された撮像画像に基づいて生成されてディスプレイに表示された左サイドビュー画像は、図8に示すように、路面が非常に明るい粗悪なサイドビュー画像5となってしまっていた。
【0013】
そこで、このような不具合を是正すべく、本出願人は、特願2006−133747号において、車載カメラの撮像範囲における使用される範囲の画像の撮像に用いられる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定する車載カメラ用自動露出装置を提案した。
【0014】
このような車載カメラ用自動露出装置によれば、例えば、図9における実線の枠内の領域に示すように、左サイドカメラの撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像(路面等の画像)の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定することにより、空等の不要な物体の明るさを除外した測光が可能であった。
【0015】
なお、図9においては、測光領域7を設定するための最小単位として、縦複数ドット(例えば、15ドット)×横複数ドット(例えば、20ドット)の画素の集合である画素群8ごとに撮像範囲1が区画されている。
【0016】
【特許文献1】特開平9−142210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、近年、車両には、AFS(Adaptive Front Lighting System)あるいは配光可変型前照灯システムと称される前照灯システムが採用されるようになった。
【0018】
この前照灯システムは、車両のハンドルの操舵方向に前照灯の光の照射方向(換言すれば、光軸方向)を追従させるようになっており、これにより、カーブ走行や右左折等の曲線走行時においても、自車両の進行方向前方に前照灯の光が照射される状態を維持することが可能とされている。
【0019】
ここで、この種の配光可変型前照灯システムを備えた車両においては、図10に示すように、左折や左方向へのカーブ走行時において、左サイドカメラの撮像範囲1内に、前照灯(図10においては左前照灯)の光が照射される領域(以下、照射領域10と称する)が捉えられることがある。
【0020】
一方、直線走行時においては、左サイドカメラの撮像範囲1内に、照射領域10はほとんど捉えられることはない。
【0021】
したがって、直線走行時において設定した測光領域7を、曲線走行時にそのまま適用した場合には、照射領域10の明るさまでを十分に考慮した測光を行うことができない虞があり、図11に示すように、照射領域10に相当する部分が必要以上に明るい(白とびが生じた)粗悪な左サイドビュー画像11が生成されてしまう虞があった。
【0022】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、配光可変型前照灯システムを備えた自車両の夜間における走行状態にかかわらず、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさを適度な明るさにすることができる車載カメラ用自動露出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載カメラ用自動露出装置は、自車両のハンドルの操舵方向に自車両の前照灯の光の照射方向を追従させることによって、自車両の進行方向に前記前照灯の光が照射される状態を維持する配光可変型前照灯システムを備えた自車両に搭載され、前記自車両の周辺における所定の領域を撮像する車載カメラと、この車載カメラの自動露出に用いる測光領域として、前記車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定する測光領域設定手段と、前記ハンドルの操舵角に関する情報および前記ハンドルの操舵角に対応する前記前照灯の光の照射方向に関する情報の少なくとも一方を取得する操舵角/照射方向情報取得手段と、この操舵角/照射方向情報取得手段の取得情報に基づいて、前記車載カメラの撮像範囲における前記前照灯の光が照射される領域の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲についての、前記車載カメラの撮像範囲内における占有範囲を、前記車載カメラの撮像範囲内における前記照射領域撮像範囲の存否も含めて推定する照射領域撮像範囲推定手段とを備え、前記測光領域設定手段が、前記ハンドルの操舵角の変化にともなう前記照射領域撮像範囲推定手段の推定結果の変動に応じて、前記測光領域を変更可能に形成されていることを特徴としている。
【0024】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなって車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記測光領域設定手段が、前記測光領域として、測光領域全体の面積に対する測光領域内に含まれる前記照射領域撮像範囲の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域を設定するように形成されていることを特徴としている。
【0026】
そして、このような構成によれば、照射領域の明るさを十分に考慮した測光領域を設定することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記使用される範囲の画像が、前記自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像とされていることを特徴としている。
【0028】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することが可能となる。
【0029】
さらにまた、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記車載カメラが、前記自車両における側部に取り付けられたサイドカメラとされ、前記車両周辺監視画像が、前記自車両の前側方を監視するサイドビュー画像とされていることを特徴としている。
【0030】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することが可能となる。
【0031】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記測光領域設定手段が、前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記測光領域として、前記車載カメラの撮像範囲における前記使用される範囲の画像の撮像に用いる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定し、前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の曲線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合における測光領域に対して、前記照射領域撮像範囲の方向にずらされた測光領域を設定するように形成されていることを特徴としている。
【0032】
そして、このような構成によれば、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるようにするために更に好適な測光領域を設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなって車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる結果、配光可変型前照灯システムを備えた車両の夜間における走行状態にかかわらず、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさを適度な明るさにすることができる。
【0034】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、照射領域の明るさを十分に考慮した測光領域を設定することができる結果、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさをさらに適度な明るさにすることができる。
【0035】
さらに、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することができる結果、白とび等の明度の異常がない良好な車両周辺監視画像を得ることができる。
【0036】
さらにまた、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することができる結果、白とび等の明度の異常がない良好なサイドビュー画像を得ることができる。
【0037】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるようにするために更に好適な測光領域を設定することができる結果、さらに良好なサイドビュー画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0039】
なお、従来と基本的な構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0040】
図1は、本実施形態における車載カメラ用自動露出装置を備えた車両周辺監視装置14を示したものである。
【0041】
この車両周辺監視装置14は、車載カメラとして、自車両の左側部(例えば、左ドアミラー)に取り付けられた左サイドカメラ15を有しており、この左サイドカメラ15は、自車両の周辺における自車両の左側方を中心とした所定の視野角(画角)内の領域に存在する物体を撮像するようになっている。この左サイドカメラ15は、車載カメラ用自動露出装置の一部を構成するようになっている。
【0042】
この左サイドカメラ15には、ECU(Electronic Control Unit)16が、ケーブル等の通信接続手段17を介して接続されており、このECU16には、ケーブル等の通信接続手段18を介してディスプレイ20が接続されている。
【0043】
ECU16には、左サイドカメラ15の撮像画像のデータが入力されるようになっている。
【0044】
そして、ECU16は、左サイドカメラ15から入力された撮像画像のデータに基づいて、車両周辺監視画像としての自車両の左前方(前側方)を監視するための左サイドビュー画像を生成し、生成された左サイドビュー画像をディスプレイ20に表示するようになっている。
【0045】
また、図1に示すように、ECU16には、自車両のハンドル21に配設された操舵角検出センサ22が、ケーブル等の通信接続手段23を介して接続されており、この操舵角検出センサ22は、ハンドル21の操舵角を検出するようになっている。
【0046】
さらに、ECU16には、ケーブル等の通信接続手段24を介して、左前照灯25および右前照灯26がそれぞれ接続されている。
【0047】
次に、図2は、図1の構成をさらに詳細に示したものであり、この図2に示すように、ECU16は、左サイドカメラ画像入力部27を有しており、この左サイドカメラ画像入力部27の入力側には、左サイドカメラ15が接続されている。左サイドカメラ画像入力部27には、左サイドカメラ15の撮像画像のデータが、アナログデータとして入力されるようになっている。そして、左サイドカメラ画像入力部27は、入力された左サイドカメラ15の撮像画像のデータをA−D変換した上でECU16のさらに内部に出力するようになっている。
【0048】
左サイドカメラ画像入力部27の出力側には、カメラ画像取得部28が接続されており、このカメラ画像取得部28は、左サイドカメラ画像入力部27から、左サイドカメラ15の撮像画像のデータを取得するようになっている。
【0049】
カメラ画像取得部28の出力側には、左サイドビュー画像生成部30が接続されており、この左サイドビュー画像生成部30には、カメラ画像取得部28によって取得された左サイドカメラ15の撮像画像のデータが入力されるようになっている。
【0050】
左サイドビュー画像生成部30には、データ格納部31が接続されており、このデータ格納部31には、左サイドカメラ15の撮影画像と左サイドビュー画像との画素の座標の対応関係が記述されたマッピングテーブルが格納されている。
【0051】
そして、左サイドビュー画像生成部30は、データ格納部31に格納されたマッピングテーブルを読み出すとともに、読み出されたマッピングテーブルを用いて、左サイドカメラ15の撮影画像に対する座標変換を行うことによって、左サイドビュー画像を生成するようになっている。
【0052】
なお、マッピングテーブルには、左サイドカメラ15の撮像画像のうちの左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が、カメラ(撮像面)座標系上の画素の座標を指定した状態として規定されており、このマッピングテーブルに記述されていない左サイドカメラ15の撮像画像は、左サイドビュー画像の生成には用いられずに捨てられることになる。
【0053】
左サイドビュー画像生成部30の出力側には、前述したディスプレイ20が接続されており、このディスプレイ20には、左サイドビュー画像生成部30によって生成された左サイドビュー画像のデータが出力されるようになっている。
【0054】
このようにして、左サイドビュー画像がディスプレイ20に表示されるようになっている。
【0055】
また、ECU16は、AFS制御部34を有しており、このAFS制御部34の入力側には、前述した操舵角検出センサ22が、出力側には、前述した左前照灯25および右前照灯26が、それぞれ接続されている。
【0056】
なお、図2に示すように、左前照灯25は、AFS制御部34に接続された左前照灯アクチュエータ25aと、この左前照灯アクチュエータ25aによって駆動されることによって光の照射方向を左右(車幅方向)に偏向させる左前照灯本体25bとによって構成されている。
【0057】
同様に、右前照灯26は、AFS制御部34に接続された右前照灯アクチュエータ26aと、この右前照灯アクチュエータ26aによって駆動されることによって光の照射方向を左右に偏向させる右前照灯本体26bとによって構成されている。
【0058】
これらの操舵角検出センサ22、左前照灯25、右前照灯26およびAFS制御部34は、配光可変型前照灯システムとしてのAFSを構成するようになっている。
【0059】
すなわち、AFS制御部34には、操舵角検出センサ22側から、操舵角検出センサ22によって検出されたハンドル21の操舵角のデータ(以下、操舵角データと称する)が入力されるようになっている。
【0060】
そして、AFS制御部34は、操舵角データに基づいて、ハンドル21の操舵方向に各前照灯25,26の光の照射方向が追従するような各前照灯アクチュエータ25a,26aの駆動量(以下、アクチュエータ駆動量と称する)を決定し、決定されたアクチュエータ駆動量にしたがって、各前照灯アクチュエータ25a,26aを駆動制御するようになっている。
【0061】
これにより、ハンドル21の操舵角の変化にかかわらず、自車両の進行方向前方に各前照灯25,26の光が照射される状態を維持することができる。
【0062】
AFS制御部34には、操舵角/照射方向情報取得手段としてのAFS情報取得部36が接続されており、このAFS情報取得部36は、AFS制御部34から、ハンドル21の操舵角に関する情報としての操舵角データを取得するようになっている。
【0063】
なお、AFS制御部34は、操舵角データとともに、または、操舵角データに代り、AFS情報取得部36から、ハンドル21の操舵角に対応する前照灯25,26の光の照射方向に関する情報として、前述したアクチュエータ駆動量のデータを取得するようにしてもよい。
【0064】
AFS情報取得部36には、照射領域撮像範囲推定手段の一部を構成する照射領域撮像範囲推定部37が接続されており、この照射領域撮像範囲推定部37には、AFS情報取得部36の取得情報が入力されるようになっている。
【0065】
照射領域撮像範囲推定部37には、前述したデータ格納部31が接続されており、このデータ格納部31には、左サイドカメラ15の撮像範囲における左前照灯25の光が照射される照射領域10(図10参照)の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲のデータ(以下、照射領域撮像範囲データと称する)が、操舵角データと対応関係を有した状態(例えばテーブル)として格納されている。このようなデータ格納部31は、照射領域撮像範囲推定部37とともに照射領域撮像範囲推定手段を構成するようになっている。
【0066】
なお、データ格納部31には、照射領域撮像範囲データが、アクチュエータ駆動量のデータとも対応関係を有した状態として格納されているようにしてもよいし、あるいは、照射領域撮像範囲データが、アクチュエータ駆動量のデータのみと対応関係を有した状態として格納されているようにしてもよい。
【0067】
そして、このように、照射領域撮像範囲推定部37とデータ格納部31とによって構成された照射領域撮像範囲推定手段は、AFS情報取得部36から入力された取得情報に基づいて、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲の占有範囲(換言すれば、撮像範囲1全体に対して照射領域撮像範囲が占める大きさ、形状および位置)を推定するようになっている。
【0068】
この照射領域撮像範囲の占有範囲の推定には、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の存否(すなわち、占有範囲の有無)の推定が含まれている。
【0069】
照射領域撮像範囲推定手段についてさらに詳述すると、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較するようになっている。
【0070】
この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定するようになっている。
【0071】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲の占有範囲の推定結果のデータを出力するようになっている。
【0072】
なお、照射領域撮像範囲推定部37は、データ格納部31から読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力されたアクチュエータ駆動量のデータとを比較することによって、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を推定するようにしてもよい。
【0073】
照射領域撮像範囲推定部37の出力側には、測光領域設定手段としての測光領域設定部38が接続されており、この測光領域設定部38には、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータが入力されるようになっている。
【0074】
そして、測光領域設定部38は、入力された推定結果のデータに基づいて、左サイドカメラ15の自動露出に用いる測光領域として、左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が、適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定するようになっている。
【0075】
さらに、測光領域設定部38は、ハンドル21の操舵角の変化にともなう照射領域撮像範囲推定部37の推定結果の変動に応じて、設定する測光領域を変更するようになっている。
【0076】
より具体的には、本実施形態における測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から、自車両の直線走行状態に対応する推定結果のデータが入力された場合には、図3(a)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定するようになっている。なお、本実施形態において、自車両の直線走行状態に対応する照射領域撮像範囲推定部37の推定結果は、図3(a)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲が存在しないであろうこと、換言すれば、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域10が捉えられないであろうことを示す推定結果とされている。
【0077】
一方、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から、自車両の進行方向左方への曲線走行(例えば、左折や左方向へのカーブ走行)状態に対応する推定結果のデータが入力された場合には、図3(b)に示すように、図3(a)に示した測光領域7に対して照射領域撮像範囲40の方向にずらされた測光領域41を設定するようになっている。なお、本実施形態において、自車両の曲線走行状態に対応する照射領域撮像範囲推定部37の推定結果は、図3(b)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲40が操舵角に対応する所定の占有範囲で存在するであろうこと、換言すれば、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における所定の位置に所定の大きさおよび形状を有する照射領域10が捉えられるであろうことを示す推定結果とされている。また、測光領域設定部38は、左前照灯25の点灯状態を確認したうえで、図3(b)に示すような測光領域41を設定するようにしてもよい。
【0078】
したがって、本実施形態によれば、ハンドル21の操舵角の変化にともなって左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲10の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる。
【0079】
さらに、本実施形態において、自車両の曲線走行状態における測光領域41は、測光領域41全体の面積に対する測光領域41内に含まれる照射領域撮像範囲40の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域41とされている。この閾値は、コンセプトに応じて適宜変更することができる。なお、図3(b)においては、測光領域41内に照射領域撮像範囲40が完全に包含されている。
【0080】
したがって、本実施形態によれば、照射領域10の明るさを十分に考慮した測光領域41を設定することができる。
【0081】
ところで、前述した左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲40の占有範囲、すなわち、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域10の位置や大きさは、ハンドル21の操舵角の変化に応じて連続的に変動するものである。
【0082】
例えば、左折時においては、ハンドル21が左に切られるにしたがって、照射領域撮像範囲40が撮像範囲1における左方へ次第に移動するような連続的な変動を示すことになる。
【0083】
そこで、このような照射領域撮像範囲40の占有範囲の連続的な変動に対応するために、測光領域設定部38は、設定する測光領域41を、照射領域撮像範囲40の連続的な変動に追従して連続的に変更するようになっている。
【0084】
これにより、照射領域10の明るさをさらに十分に考慮した測光領域41を設定することができる。
【0085】
そして、本実施形態において、測光領域設定部38は、このようにして設定した測光領域のデータを、左サイドカメラ15に対して出力するようになっている。
【0086】
次に、左サイドカメラ15について詳述すると、図4に示すように、左サイドカメラ15は、超広角レンズ46を有しており、この超広角レンズ46は、外界から入射した光を集光するようになっている。
【0087】
また、左サイドカメラ15は、CCD(Charged Coupled Device:電荷結合素子)47を有しており、このCCD47の受光面には、超広角レンズ46によって集光された光が結合するようになっている。
【0088】
CCD47は、受光面に結合された光をRAWデータ(生データ)に光電変換して左サイドカメラ15のさらに内部に出力するようになっている。
【0089】
CCD47の出力側には、AFE(Analog Front End)49が接続されており、このAFE49には、CCD47から出力されたRAWデータが入力されるようになっている。
【0090】
AFE49は、CDS(Cor-related Double Sampling)回路53と、このCDS回路53の後段に接続されたAGC(Auto Gain Control)回路54と、このAGC回路54の後段に接続されたA−Dコンバータ(A/D55)と、TG(Timing Generator)56とを有している。
【0091】
CDS回路53は、CCD47から入力されたRAWデータに対してノイズを除去する処理を行い、処理後のRAWデータをAGC回路54に出力するようになっている。
【0092】
AGC回路54は、後段のA/D55がRAWデータをA−D変換する際の入力ゲインを、決定された露出に応じた値に制御することによって、左サイドカメラ15の自動露出を行うようになっている。
【0093】
A/D55は、AGC回路54による入力ゲインの制御の下でRAWデータをA−D変換してAFE49から出力するようになっている。
【0094】
TG56は、CCD47における水平CCDを駆動するようになっている。
【0095】
AFE49には、DSP(Digital Signal Processor)50が接続されており、このDSP50には、A/D55から出力されたA−D変換後のRAWデータが入力されるようになっている。
【0096】
DSP50は、入力されたRAWデータに対して信号の加工や補正(γ補正等)を行うことによって、RAWデータをYUV信号に変換して出力するようになっている。
【0097】
DSP50には、測光領域設定部38によって出力された測光領域のデータが入力されるようになっている。そして、DSP50は、入力された測光領域のデータにしたがった測光領域を用いて測光を行って露出を決定し、決定された露出についての情報(以下、露出情報と称する)をAFE49のAGC回路54に出力するようになっている。
【0098】
ここで、DSP50によって決定された露出は、測光領域設定部38によって設定された測光領域に基づくものであるため、左サイドカメラ15の撮影画像における左サイドビュー画像の生成に使用する範囲の画像を適正露出の下で撮像することができる露出となっている。具体的には、DSP50によって決定された露出は、図3(a)(b)における路面を撮像する場合に、照射領域10の明るさを十分に考慮して路面の実際の明るさを忠実に反映させることができる露出となっている。
【0099】
DSP50の出力側には、ビデオエンコーダ51が接続されており、このビデオエンコーダ51には、DSP50から出力されたYUV信号が入力されるようになっている。
【0100】
そして、ビデオエンコーダ51は、入力されたYUV信号をD−A変換によってNTSC(National Television Standards Committee)信号に変換してECU16に出力するようになっている。このNTSC信号が、左サイドカメラ15の撮像画像のデータとなっている。
【0101】
その他、本実施形態において、AFE49のTG56とCCD47との間には、V−Driver57が接続されており、このV−Driver57は、TG56の出力電圧の電圧レベルを変換し、変換後の電圧を用いることによって、CCD47における垂直CCDを駆動するようになっている。
【0102】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0103】
まず、図5(a)に示すように、自車両60が前照灯25,26の点灯状態において直線道路61を走行している際に、ユーザが、例えば、押しボタンやリモコン等の図示しない入力装置を用いることによって、ECU16に対して、左サイドビュー画像を表示するための入力操作を行ったとする。
【0104】
この入力操作により、AFS情報取得部36は、AFS制御部34から操舵角データを取得し、取得された操舵角データを照射領域撮像範囲推定部37に出力する。
【0105】
次いで、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から出力された操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較する。
【0106】
次いで、この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定する。
【0107】
このとき、自車両60は直線走行状態であるため、図3(a)に示したように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲は存在しないと推定される。
【0108】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲が存在しないことを示す推定結果のデータを、測光領域設定部38に対して出力する。
【0109】
次いで、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータに基づいて、図3(a)に示すような左サイドカメラ15の撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定する。
【0110】
次いで、測光領域設定部38は、設定された測光領域7のデータを、左サイドカメラ15のDSP50に出力する。
【0111】
次いで、DSP50は、測光領域設定部38から出力された測光領域7のデータにしたがった測光領域7を用いて測光を行って露出を決定し、決定された露出の露出情報をAFE49のAGC回路54に出力する。
【0112】
次いで、AGC回路54は、DSP50によって出力された露出情報にしたがって、CCD47から入力されたRAWデータをA−D変換する際の入力ゲインの値を制御する。
【0113】
これにより、自車両60の直線走行状態における自動露出が行われる。
【0114】
次いで、A/D55は、このような自動露出の下でA−D変換を行った後のRAWデータを、DSP50に出力する。
【0115】
次いで、DSP50は、A/D55から出力されたRAWデータをYUV信号に変換してビデオエンコーダ51に出力する。
【0116】
次いで、ビデオエンコーダ51は、DSP50から出力されたRAWデータをNTSC信号に変換し、これを左サイドカメラ15の撮像画像のデータとしてECU16に出力する。
【0117】
左サイドカメラ15からECU16に出力された左サイドカメラ15の撮像画像のデータは、左サイドカメラ画像入力部27に入力され、この左サイドカメラ画像入力部27によってA−D変換される。
【0118】
次いで、カメラ画像取得部28は、左サイドカメラ画像入力部27から左サイドカメラ15の撮像画像のデータを取得し、取得されたデータを左サイドビュー画像生成部30に出力する。
【0119】
次いで、左サイドビュー画像生成部30は、カメラ画像取得部28から出力された左サイドカメラ15の撮影画像のデータが入力されると、データ格納部31からマッピングテーブルを読み出す。
【0120】
そして、左サイドビュー画像生成部30は、データ格納部31から読み出されたマッピングテーブルを用いて、カメラ画像取得部28側から入力された左サイドカメラ15の撮影画像に対する座標変換を行うことによって、左サイドビュー画像を生成し、生成された左サイドビュー画像をディスプレイ20に表示する。
【0121】
これにより、自車両60の直線走行状態において、ディスプレイ20に、適度な明るさの左サイドビュー画像を表示することができる。
【0122】
次に、図5(b)に示すように、前照灯25,26の点灯状態において自車両60が左カーブ道路62を走行している際に、ユーザが、図示しない入力装置を用いることによって、ECU16に対して、左サイドビュー画像を表示するための入力操作を行ったとする。
【0123】
この入力操作により、AFS情報取得部36は、AFS制御部34から操舵角データを取得し、取得された操舵角データを照射領域撮像範囲推定部37に出力する。
【0124】
次いで、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から出力された操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較する。
【0125】
次いで、この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定する。
【0126】
このとき、自車両60は曲線走行状態であるため、図3(b)に示したように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に操舵角に対応した所定の占有範囲の照射領域撮像範囲40が存在すると推定される。
【0127】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲40が存在することを示す推定結果のデータを、測光領域設定部38に対して出力する。
【0128】
次いで、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータに基づいて、図3(b)に示すような直線走行状態における測光領域7よりも照射領域撮像範囲40側にずらされた測光領域41を設定する。
【0129】
測光領域41を設定した後の車両周辺監視画像14の動作は、直線走行状態の場合と同様であるため詳しい説明は省略するが、このようにして設定された測光領域41を用いた自動露出の下で撮像を行い、撮像画像を左サイドビュー画像の生成に用いることによって、ディスプレイ20に、図6に示すような照射領域10が白とびしない実際の路面の明るさを忠実に反映した適度な明るさとなるような左サイドビュー画像64を表示することができる。
【0130】
以上述べたように、本実施形態によれば、ハンドル21の操舵角の変化にともなって左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲の占有範囲に変動が生じたとしても、この変動に追従して左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる。
【0131】
この結果、AFSを備えた車両の夜間における走行状態にかかわらず、左サイドビュー画像の生成に使用される画像の明るさを適度な明るさにすることができ、ひいては、白とび等の明度の異常がない良好な左サイドビュー画像を得ることができる。
【0132】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0133】
例えば、前述した実施形態においては、車両周辺監視画像の一例として左サイドビュー画像を挙げていたが、本発明は、このような構成に限定される必要はなく、例えば、車両周辺監視画像として、自車両の右ドアミラーに取り付けられた図示しない右サイドカメラの撮像画像に基づいて生成される自車両の右前方(前側方)を監視するための右サイドビュー画像等を採用するようにしてもよい。
【0134】
また、本発明は、例えば、交通情報センタ等に対して事故現場付近の状況を知らせるための画像等の車両周辺監視画像以外の目的で使用される画像を撮像する際の自動露出にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、車載カメラ用自動露出装置を備えた車両周辺監視装置を示す概要図
【図2】図1の詳細な構成を示すブロック図
【図3】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、(a)は、自車両の直線走行状態における測光領域の設定方法を示す説明図であり、(b)は、自車両の曲線走行状態における測光領域の設定方法を示す説明図である。
【図4】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、左サイドカメラの詳細な構成を示すブロック図
【図5】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、(a)は、前照灯の点灯状態における自車両の直線走行状態を示す説明図であり、(b)は、前照灯の点灯状態における自車両の曲線走行(左カーブ走行)状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、図3(b)の測光領域に対応する左サイドビュー画像を示す説明図
【図7】中央部測光による夜間の道路における左サイドカメラの測光領域の設定状態を示す説明図
【図8】図7の測光領域に対応する左サイドビュー画像を示す説明図
【図9】不要な物体の明るさを除外した測光領域の設定状態を示す説明図
【図10】AFSの影響による左サイドカメラの撮像範囲内への照射領域の捕捉状態を示す説明図
【図11】図10に示したAFSの影響による左サイドカメラの撮像範囲内への照射領域の捕捉状態によってによって引き起こされる問題点を示す説明図
【符号の説明】
【0136】
1 撮像範囲
15 左サイドカメラ
21 ハンドル
25 左前照灯
31 データ格納部
36 AFS情報取得部
37 照射領域撮像範囲推定部
38 測光領域設定部
40 照射領域撮像範囲
41 測光領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ用自動露出装置に係り、特に、自車両に搭載されたカメラ(以下、車載カメラと称する)の自動露出を行うのに好適な車載カメラ用自動露出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載カメラを用いた技術として、車載カメラによる路面等の撮像画像を用いて、自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像を車内のディスプレイに表示する車両周辺監視装置が採用されるようになった。
【0003】
このような車両周辺監視装置に用いられる車載カメラとしては、魚眼レンズ等の超広角レンズを備えたものが一般的であった。
【0004】
そして、このような車両周辺監視装置においては、例えば、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像(路面等の画像)を、マッピングテーブルと称される変換テーブルを用いて、カメラ(撮像面)座標系上の画像からディスプレイ座標系上の画像へと変換(座標変換)することによって、車両周辺監視画像を生成するようになっていた。
【0005】
ところで、従来、このような車両周辺監視装置に用いられる車載カメラにおいて、自動露出(AE:auto exposure)を行う際には、車載カメラの撮像範囲(換言すれば、CCD受光面における光電変換が行われる有効画素領域等の撮像面)の中央部に重みを置きつつ、撮像範囲全体を測光領域とした測光を行うようになっていた。このような測光方法は、中央部重点測光(center-weighted metering)と呼称されていた。
【0006】
例えば、夜間走行中に、車両周辺監視画像の一例として、自車両の左前方を監視するための左サイドビュー画像を生成する場合には、例えば、左ドアミラー等に取り付けられた車載カメラとしての左サイドカメラによって、自車両の左側方の路面を撮像していたが、図7に示すように、左サイドカメラの撮像範囲1内には、路面や自車両の左側部等の左サイドビュー画像の生成に必要な物体のみでなく、空や建物等の不要な物体も捉えられることがあった。
【0007】
そこで、従来は、まず、左サイドカメラに搭載された赤外LED照明の照射範囲として、車載カメラの撮像範囲1における中央部2(図7破線枠内)に重みを置きつつ撮像範囲1全体を測光領域3とした測光を行って露出を自動的に決定し、決定された露出の下で、撮像範囲1内に捉えられている物体を撮像していた。
【0008】
そして、撮像画像のうちの、自車両の左前方の路面および自車両の一部が含まれた画像、すなわち、図7の一点鎖線で囲まれた一部の撮像範囲4内に捉えられた撮像画像を、マッピングテーブルを用いて座標変換することによって、左サイドビュー画像を生成するようになっていた。なお、前記一部の撮像範囲4が樽型に歪んでいるのは、左サイドカメラに搭載された超広角レンズのディストーションを考慮しているためである。一方、撮像画像のうちの空や建物等の不要な物体の画像は捨てるようになっていた。
【0009】
しかるに、このように、撮像範囲1全体を測光領域3としたのでは、露出を決定する際に、空等の不要な物体の明るさを考慮してしまうだけでなく、左サイドビュー画像の生成に用いる物体(路面等)の明るさを十分に考慮した測光を行うことができなかった。
【0010】
すなわち、図7のように、左サイドカメラによって夜間に路面を撮像する場合には、撮像範囲1内に、路面に比べて明るさが非常に暗い空が捉えられるが、このような状況において、撮像範囲1の中央部2に重みを置いた測光を行うと、空の暗さに引きずられて、撮像範囲1内に捉えられている物体の明るさが平均的に暗い(路面よりも暗い)と判断されてしまっていた。
【0011】
この結果、図7の場合には、路面の撮像画像が必要以上に明るく(オーバーとなる)ように露出が決定されてしまっていた。
【0012】
そして、このように露出を決定した上で撮像された撮像画像に基づいて生成されてディスプレイに表示された左サイドビュー画像は、図8に示すように、路面が非常に明るい粗悪なサイドビュー画像5となってしまっていた。
【0013】
そこで、このような不具合を是正すべく、本出願人は、特願2006−133747号において、車載カメラの撮像範囲における使用される範囲の画像の撮像に用いられる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定する車載カメラ用自動露出装置を提案した。
【0014】
このような車載カメラ用自動露出装置によれば、例えば、図9における実線の枠内の領域に示すように、左サイドカメラの撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像(路面等の画像)の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定することにより、空等の不要な物体の明るさを除外した測光が可能であった。
【0015】
なお、図9においては、測光領域7を設定するための最小単位として、縦複数ドット(例えば、15ドット)×横複数ドット(例えば、20ドット)の画素の集合である画素群8ごとに撮像範囲1が区画されている。
【0016】
【特許文献1】特開平9−142210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、近年、車両には、AFS(Adaptive Front Lighting System)あるいは配光可変型前照灯システムと称される前照灯システムが採用されるようになった。
【0018】
この前照灯システムは、車両のハンドルの操舵方向に前照灯の光の照射方向(換言すれば、光軸方向)を追従させるようになっており、これにより、カーブ走行や右左折等の曲線走行時においても、自車両の進行方向前方に前照灯の光が照射される状態を維持することが可能とされている。
【0019】
ここで、この種の配光可変型前照灯システムを備えた車両においては、図10に示すように、左折や左方向へのカーブ走行時において、左サイドカメラの撮像範囲1内に、前照灯(図10においては左前照灯)の光が照射される領域(以下、照射領域10と称する)が捉えられることがある。
【0020】
一方、直線走行時においては、左サイドカメラの撮像範囲1内に、照射領域10はほとんど捉えられることはない。
【0021】
したがって、直線走行時において設定した測光領域7を、曲線走行時にそのまま適用した場合には、照射領域10の明るさまでを十分に考慮した測光を行うことができない虞があり、図11に示すように、照射領域10に相当する部分が必要以上に明るい(白とびが生じた)粗悪な左サイドビュー画像11が生成されてしまう虞があった。
【0022】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、配光可変型前照灯システムを備えた自車両の夜間における走行状態にかかわらず、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさを適度な明るさにすることができる車載カメラ用自動露出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載カメラ用自動露出装置は、自車両のハンドルの操舵方向に自車両の前照灯の光の照射方向を追従させることによって、自車両の進行方向に前記前照灯の光が照射される状態を維持する配光可変型前照灯システムを備えた自車両に搭載され、前記自車両の周辺における所定の領域を撮像する車載カメラと、この車載カメラの自動露出に用いる測光領域として、前記車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定する測光領域設定手段と、前記ハンドルの操舵角に関する情報および前記ハンドルの操舵角に対応する前記前照灯の光の照射方向に関する情報の少なくとも一方を取得する操舵角/照射方向情報取得手段と、この操舵角/照射方向情報取得手段の取得情報に基づいて、前記車載カメラの撮像範囲における前記前照灯の光が照射される領域の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲についての、前記車載カメラの撮像範囲内における占有範囲を、前記車載カメラの撮像範囲内における前記照射領域撮像範囲の存否も含めて推定する照射領域撮像範囲推定手段とを備え、前記測光領域設定手段が、前記ハンドルの操舵角の変化にともなう前記照射領域撮像範囲推定手段の推定結果の変動に応じて、前記測光領域を変更可能に形成されていることを特徴としている。
【0024】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなって車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記測光領域設定手段が、前記測光領域として、測光領域全体の面積に対する測光領域内に含まれる前記照射領域撮像範囲の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域を設定するように形成されていることを特徴としている。
【0026】
そして、このような構成によれば、照射領域の明るさを十分に考慮した測光領域を設定することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記使用される範囲の画像が、前記自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像とされていることを特徴としている。
【0028】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することが可能となる。
【0029】
さらにまた、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記車載カメラが、前記自車両における側部に取り付けられたサイドカメラとされ、前記車両周辺監視画像が、前記自車両の前側方を監視するサイドビュー画像とされていることを特徴としている。
【0030】
そして、このような構成によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することが可能となる。
【0031】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置は、前記測光領域設定手段が、前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記測光領域として、前記車載カメラの撮像範囲における前記使用される範囲の画像の撮像に用いる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定し、前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の曲線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合における測光領域に対して、前記照射領域撮像範囲の方向にずらされた測光領域を設定するように形成されていることを特徴としている。
【0032】
そして、このような構成によれば、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるようにするために更に好適な測光領域を設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなって車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる結果、配光可変型前照灯システムを備えた車両の夜間における走行状態にかかわらず、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさを適度な明るさにすることができる。
【0034】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、照射領域の明るさを十分に考慮した測光領域を設定することができる結果、車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像の明るさをさらに適度な明るさにすることができる。
【0035】
さらに、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像における車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することができる結果、白とび等の明度の異常がない良好な車両周辺監視画像を得ることができる。
【0036】
さらにまた、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、ハンドルの操舵角の変化にともなう車載カメラの撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲の変動にかからわず、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となる状態を維持することができる結果、白とび等の明度の異常がない良好なサイドビュー画像を得ることができる。
【0037】
また、本発明に係る他の車載カメラ用自動露出装置によれば、車載カメラの撮像画像におけるサイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるようにするために更に好適な測光領域を設定することができる結果、さらに良好なサイドビュー画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0039】
なお、従来と基本的な構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0040】
図1は、本実施形態における車載カメラ用自動露出装置を備えた車両周辺監視装置14を示したものである。
【0041】
この車両周辺監視装置14は、車載カメラとして、自車両の左側部(例えば、左ドアミラー)に取り付けられた左サイドカメラ15を有しており、この左サイドカメラ15は、自車両の周辺における自車両の左側方を中心とした所定の視野角(画角)内の領域に存在する物体を撮像するようになっている。この左サイドカメラ15は、車載カメラ用自動露出装置の一部を構成するようになっている。
【0042】
この左サイドカメラ15には、ECU(Electronic Control Unit)16が、ケーブル等の通信接続手段17を介して接続されており、このECU16には、ケーブル等の通信接続手段18を介してディスプレイ20が接続されている。
【0043】
ECU16には、左サイドカメラ15の撮像画像のデータが入力されるようになっている。
【0044】
そして、ECU16は、左サイドカメラ15から入力された撮像画像のデータに基づいて、車両周辺監視画像としての自車両の左前方(前側方)を監視するための左サイドビュー画像を生成し、生成された左サイドビュー画像をディスプレイ20に表示するようになっている。
【0045】
また、図1に示すように、ECU16には、自車両のハンドル21に配設された操舵角検出センサ22が、ケーブル等の通信接続手段23を介して接続されており、この操舵角検出センサ22は、ハンドル21の操舵角を検出するようになっている。
【0046】
さらに、ECU16には、ケーブル等の通信接続手段24を介して、左前照灯25および右前照灯26がそれぞれ接続されている。
【0047】
次に、図2は、図1の構成をさらに詳細に示したものであり、この図2に示すように、ECU16は、左サイドカメラ画像入力部27を有しており、この左サイドカメラ画像入力部27の入力側には、左サイドカメラ15が接続されている。左サイドカメラ画像入力部27には、左サイドカメラ15の撮像画像のデータが、アナログデータとして入力されるようになっている。そして、左サイドカメラ画像入力部27は、入力された左サイドカメラ15の撮像画像のデータをA−D変換した上でECU16のさらに内部に出力するようになっている。
【0048】
左サイドカメラ画像入力部27の出力側には、カメラ画像取得部28が接続されており、このカメラ画像取得部28は、左サイドカメラ画像入力部27から、左サイドカメラ15の撮像画像のデータを取得するようになっている。
【0049】
カメラ画像取得部28の出力側には、左サイドビュー画像生成部30が接続されており、この左サイドビュー画像生成部30には、カメラ画像取得部28によって取得された左サイドカメラ15の撮像画像のデータが入力されるようになっている。
【0050】
左サイドビュー画像生成部30には、データ格納部31が接続されており、このデータ格納部31には、左サイドカメラ15の撮影画像と左サイドビュー画像との画素の座標の対応関係が記述されたマッピングテーブルが格納されている。
【0051】
そして、左サイドビュー画像生成部30は、データ格納部31に格納されたマッピングテーブルを読み出すとともに、読み出されたマッピングテーブルを用いて、左サイドカメラ15の撮影画像に対する座標変換を行うことによって、左サイドビュー画像を生成するようになっている。
【0052】
なお、マッピングテーブルには、左サイドカメラ15の撮像画像のうちの左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が、カメラ(撮像面)座標系上の画素の座標を指定した状態として規定されており、このマッピングテーブルに記述されていない左サイドカメラ15の撮像画像は、左サイドビュー画像の生成には用いられずに捨てられることになる。
【0053】
左サイドビュー画像生成部30の出力側には、前述したディスプレイ20が接続されており、このディスプレイ20には、左サイドビュー画像生成部30によって生成された左サイドビュー画像のデータが出力されるようになっている。
【0054】
このようにして、左サイドビュー画像がディスプレイ20に表示されるようになっている。
【0055】
また、ECU16は、AFS制御部34を有しており、このAFS制御部34の入力側には、前述した操舵角検出センサ22が、出力側には、前述した左前照灯25および右前照灯26が、それぞれ接続されている。
【0056】
なお、図2に示すように、左前照灯25は、AFS制御部34に接続された左前照灯アクチュエータ25aと、この左前照灯アクチュエータ25aによって駆動されることによって光の照射方向を左右(車幅方向)に偏向させる左前照灯本体25bとによって構成されている。
【0057】
同様に、右前照灯26は、AFS制御部34に接続された右前照灯アクチュエータ26aと、この右前照灯アクチュエータ26aによって駆動されることによって光の照射方向を左右に偏向させる右前照灯本体26bとによって構成されている。
【0058】
これらの操舵角検出センサ22、左前照灯25、右前照灯26およびAFS制御部34は、配光可変型前照灯システムとしてのAFSを構成するようになっている。
【0059】
すなわち、AFS制御部34には、操舵角検出センサ22側から、操舵角検出センサ22によって検出されたハンドル21の操舵角のデータ(以下、操舵角データと称する)が入力されるようになっている。
【0060】
そして、AFS制御部34は、操舵角データに基づいて、ハンドル21の操舵方向に各前照灯25,26の光の照射方向が追従するような各前照灯アクチュエータ25a,26aの駆動量(以下、アクチュエータ駆動量と称する)を決定し、決定されたアクチュエータ駆動量にしたがって、各前照灯アクチュエータ25a,26aを駆動制御するようになっている。
【0061】
これにより、ハンドル21の操舵角の変化にかかわらず、自車両の進行方向前方に各前照灯25,26の光が照射される状態を維持することができる。
【0062】
AFS制御部34には、操舵角/照射方向情報取得手段としてのAFS情報取得部36が接続されており、このAFS情報取得部36は、AFS制御部34から、ハンドル21の操舵角に関する情報としての操舵角データを取得するようになっている。
【0063】
なお、AFS制御部34は、操舵角データとともに、または、操舵角データに代り、AFS情報取得部36から、ハンドル21の操舵角に対応する前照灯25,26の光の照射方向に関する情報として、前述したアクチュエータ駆動量のデータを取得するようにしてもよい。
【0064】
AFS情報取得部36には、照射領域撮像範囲推定手段の一部を構成する照射領域撮像範囲推定部37が接続されており、この照射領域撮像範囲推定部37には、AFS情報取得部36の取得情報が入力されるようになっている。
【0065】
照射領域撮像範囲推定部37には、前述したデータ格納部31が接続されており、このデータ格納部31には、左サイドカメラ15の撮像範囲における左前照灯25の光が照射される照射領域10(図10参照)の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲のデータ(以下、照射領域撮像範囲データと称する)が、操舵角データと対応関係を有した状態(例えばテーブル)として格納されている。このようなデータ格納部31は、照射領域撮像範囲推定部37とともに照射領域撮像範囲推定手段を構成するようになっている。
【0066】
なお、データ格納部31には、照射領域撮像範囲データが、アクチュエータ駆動量のデータとも対応関係を有した状態として格納されているようにしてもよいし、あるいは、照射領域撮像範囲データが、アクチュエータ駆動量のデータのみと対応関係を有した状態として格納されているようにしてもよい。
【0067】
そして、このように、照射領域撮像範囲推定部37とデータ格納部31とによって構成された照射領域撮像範囲推定手段は、AFS情報取得部36から入力された取得情報に基づいて、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲の占有範囲(換言すれば、撮像範囲1全体に対して照射領域撮像範囲が占める大きさ、形状および位置)を推定するようになっている。
【0068】
この照射領域撮像範囲の占有範囲の推定には、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の存否(すなわち、占有範囲の有無)の推定が含まれている。
【0069】
照射領域撮像範囲推定手段についてさらに詳述すると、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較するようになっている。
【0070】
この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定するようになっている。
【0071】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲の占有範囲の推定結果のデータを出力するようになっている。
【0072】
なお、照射領域撮像範囲推定部37は、データ格納部31から読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力されたアクチュエータ駆動量のデータとを比較することによって、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を推定するようにしてもよい。
【0073】
照射領域撮像範囲推定部37の出力側には、測光領域設定手段としての測光領域設定部38が接続されており、この測光領域設定部38には、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータが入力されるようになっている。
【0074】
そして、測光領域設定部38は、入力された推定結果のデータに基づいて、左サイドカメラ15の自動露出に用いる測光領域として、左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が、適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定するようになっている。
【0075】
さらに、測光領域設定部38は、ハンドル21の操舵角の変化にともなう照射領域撮像範囲推定部37の推定結果の変動に応じて、設定する測光領域を変更するようになっている。
【0076】
より具体的には、本実施形態における測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から、自車両の直線走行状態に対応する推定結果のデータが入力された場合には、図3(a)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定するようになっている。なお、本実施形態において、自車両の直線走行状態に対応する照射領域撮像範囲推定部37の推定結果は、図3(a)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲が存在しないであろうこと、換言すれば、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域10が捉えられないであろうことを示す推定結果とされている。
【0077】
一方、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から、自車両の進行方向左方への曲線走行(例えば、左折や左方向へのカーブ走行)状態に対応する推定結果のデータが入力された場合には、図3(b)に示すように、図3(a)に示した測光領域7に対して照射領域撮像範囲40の方向にずらされた測光領域41を設定するようになっている。なお、本実施形態において、自車両の曲線走行状態に対応する照射領域撮像範囲推定部37の推定結果は、図3(b)に示すように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲40が操舵角に対応する所定の占有範囲で存在するであろうこと、換言すれば、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における所定の位置に所定の大きさおよび形状を有する照射領域10が捉えられるであろうことを示す推定結果とされている。また、測光領域設定部38は、左前照灯25の点灯状態を確認したうえで、図3(b)に示すような測光領域41を設定するようにしてもよい。
【0078】
したがって、本実施形態によれば、ハンドル21の操舵角の変化にともなって左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲10の占有範囲(存否を含む)に変動が生じたとしても、この変動に追従して左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる。
【0079】
さらに、本実施形態において、自車両の曲線走行状態における測光領域41は、測光領域41全体の面積に対する測光領域41内に含まれる照射領域撮像範囲40の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域41とされている。この閾値は、コンセプトに応じて適宜変更することができる。なお、図3(b)においては、測光領域41内に照射領域撮像範囲40が完全に包含されている。
【0080】
したがって、本実施形態によれば、照射領域10の明るさを十分に考慮した測光領域41を設定することができる。
【0081】
ところで、前述した左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲40の占有範囲、すなわち、左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域10の位置や大きさは、ハンドル21の操舵角の変化に応じて連続的に変動するものである。
【0082】
例えば、左折時においては、ハンドル21が左に切られるにしたがって、照射領域撮像範囲40が撮像範囲1における左方へ次第に移動するような連続的な変動を示すことになる。
【0083】
そこで、このような照射領域撮像範囲40の占有範囲の連続的な変動に対応するために、測光領域設定部38は、設定する測光領域41を、照射領域撮像範囲40の連続的な変動に追従して連続的に変更するようになっている。
【0084】
これにより、照射領域10の明るさをさらに十分に考慮した測光領域41を設定することができる。
【0085】
そして、本実施形態において、測光領域設定部38は、このようにして設定した測光領域のデータを、左サイドカメラ15に対して出力するようになっている。
【0086】
次に、左サイドカメラ15について詳述すると、図4に示すように、左サイドカメラ15は、超広角レンズ46を有しており、この超広角レンズ46は、外界から入射した光を集光するようになっている。
【0087】
また、左サイドカメラ15は、CCD(Charged Coupled Device:電荷結合素子)47を有しており、このCCD47の受光面には、超広角レンズ46によって集光された光が結合するようになっている。
【0088】
CCD47は、受光面に結合された光をRAWデータ(生データ)に光電変換して左サイドカメラ15のさらに内部に出力するようになっている。
【0089】
CCD47の出力側には、AFE(Analog Front End)49が接続されており、このAFE49には、CCD47から出力されたRAWデータが入力されるようになっている。
【0090】
AFE49は、CDS(Cor-related Double Sampling)回路53と、このCDS回路53の後段に接続されたAGC(Auto Gain Control)回路54と、このAGC回路54の後段に接続されたA−Dコンバータ(A/D55)と、TG(Timing Generator)56とを有している。
【0091】
CDS回路53は、CCD47から入力されたRAWデータに対してノイズを除去する処理を行い、処理後のRAWデータをAGC回路54に出力するようになっている。
【0092】
AGC回路54は、後段のA/D55がRAWデータをA−D変換する際の入力ゲインを、決定された露出に応じた値に制御することによって、左サイドカメラ15の自動露出を行うようになっている。
【0093】
A/D55は、AGC回路54による入力ゲインの制御の下でRAWデータをA−D変換してAFE49から出力するようになっている。
【0094】
TG56は、CCD47における水平CCDを駆動するようになっている。
【0095】
AFE49には、DSP(Digital Signal Processor)50が接続されており、このDSP50には、A/D55から出力されたA−D変換後のRAWデータが入力されるようになっている。
【0096】
DSP50は、入力されたRAWデータに対して信号の加工や補正(γ補正等)を行うことによって、RAWデータをYUV信号に変換して出力するようになっている。
【0097】
DSP50には、測光領域設定部38によって出力された測光領域のデータが入力されるようになっている。そして、DSP50は、入力された測光領域のデータにしたがった測光領域を用いて測光を行って露出を決定し、決定された露出についての情報(以下、露出情報と称する)をAFE49のAGC回路54に出力するようになっている。
【0098】
ここで、DSP50によって決定された露出は、測光領域設定部38によって設定された測光領域に基づくものであるため、左サイドカメラ15の撮影画像における左サイドビュー画像の生成に使用する範囲の画像を適正露出の下で撮像することができる露出となっている。具体的には、DSP50によって決定された露出は、図3(a)(b)における路面を撮像する場合に、照射領域10の明るさを十分に考慮して路面の実際の明るさを忠実に反映させることができる露出となっている。
【0099】
DSP50の出力側には、ビデオエンコーダ51が接続されており、このビデオエンコーダ51には、DSP50から出力されたYUV信号が入力されるようになっている。
【0100】
そして、ビデオエンコーダ51は、入力されたYUV信号をD−A変換によってNTSC(National Television Standards Committee)信号に変換してECU16に出力するようになっている。このNTSC信号が、左サイドカメラ15の撮像画像のデータとなっている。
【0101】
その他、本実施形態において、AFE49のTG56とCCD47との間には、V−Driver57が接続されており、このV−Driver57は、TG56の出力電圧の電圧レベルを変換し、変換後の電圧を用いることによって、CCD47における垂直CCDを駆動するようになっている。
【0102】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0103】
まず、図5(a)に示すように、自車両60が前照灯25,26の点灯状態において直線道路61を走行している際に、ユーザが、例えば、押しボタンやリモコン等の図示しない入力装置を用いることによって、ECU16に対して、左サイドビュー画像を表示するための入力操作を行ったとする。
【0104】
この入力操作により、AFS情報取得部36は、AFS制御部34から操舵角データを取得し、取得された操舵角データを照射領域撮像範囲推定部37に出力する。
【0105】
次いで、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から出力された操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較する。
【0106】
次いで、この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定する。
【0107】
このとき、自車両60は直線走行状態であるため、図3(a)に示したように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に照射領域撮像範囲は存在しないと推定される。
【0108】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲が存在しないことを示す推定結果のデータを、測光領域設定部38に対して出力する。
【0109】
次いで、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータに基づいて、図3(a)に示すような左サイドカメラ15の撮像範囲1における左サイドビュー画像の生成に使用される画像の撮像に用いる一部の撮像範囲4に近似するような領域範囲を有する測光領域7を設定する。
【0110】
次いで、測光領域設定部38は、設定された測光領域7のデータを、左サイドカメラ15のDSP50に出力する。
【0111】
次いで、DSP50は、測光領域設定部38から出力された測光領域7のデータにしたがった測光領域7を用いて測光を行って露出を決定し、決定された露出の露出情報をAFE49のAGC回路54に出力する。
【0112】
次いで、AGC回路54は、DSP50によって出力された露出情報にしたがって、CCD47から入力されたRAWデータをA−D変換する際の入力ゲインの値を制御する。
【0113】
これにより、自車両60の直線走行状態における自動露出が行われる。
【0114】
次いで、A/D55は、このような自動露出の下でA−D変換を行った後のRAWデータを、DSP50に出力する。
【0115】
次いで、DSP50は、A/D55から出力されたRAWデータをYUV信号に変換してビデオエンコーダ51に出力する。
【0116】
次いで、ビデオエンコーダ51は、DSP50から出力されたRAWデータをNTSC信号に変換し、これを左サイドカメラ15の撮像画像のデータとしてECU16に出力する。
【0117】
左サイドカメラ15からECU16に出力された左サイドカメラ15の撮像画像のデータは、左サイドカメラ画像入力部27に入力され、この左サイドカメラ画像入力部27によってA−D変換される。
【0118】
次いで、カメラ画像取得部28は、左サイドカメラ画像入力部27から左サイドカメラ15の撮像画像のデータを取得し、取得されたデータを左サイドビュー画像生成部30に出力する。
【0119】
次いで、左サイドビュー画像生成部30は、カメラ画像取得部28から出力された左サイドカメラ15の撮影画像のデータが入力されると、データ格納部31からマッピングテーブルを読み出す。
【0120】
そして、左サイドビュー画像生成部30は、データ格納部31から読み出されたマッピングテーブルを用いて、カメラ画像取得部28側から入力された左サイドカメラ15の撮影画像に対する座標変換を行うことによって、左サイドビュー画像を生成し、生成された左サイドビュー画像をディスプレイ20に表示する。
【0121】
これにより、自車両60の直線走行状態において、ディスプレイ20に、適度な明るさの左サイドビュー画像を表示することができる。
【0122】
次に、図5(b)に示すように、前照灯25,26の点灯状態において自車両60が左カーブ道路62を走行している際に、ユーザが、図示しない入力装置を用いることによって、ECU16に対して、左サイドビュー画像を表示するための入力操作を行ったとする。
【0123】
この入力操作により、AFS情報取得部36は、AFS制御部34から操舵角データを取得し、取得された操舵角データを照射領域撮像範囲推定部37に出力する。
【0124】
次いで、照射領域撮像範囲推定部37は、AFS情報取得部36から出力された操舵角データが入力されると、データ格納部31から照射領域撮像範囲データを読み出し、読み出された照射領域撮像範囲データと、AFS情報取得部36から入力された操舵角データとを比較する。
【0125】
次いで、この比較の結果に基づいて、照射領域撮像範囲推定部37は、左サイドカメラ15の撮像範囲内における照射領域撮像範囲の占有範囲を、その有無を含めて推定する。
【0126】
このとき、自車両60は曲線走行状態であるため、図3(b)に示したように、左サイドカメラ15の撮像範囲1内に操舵角に対応した所定の占有範囲の照射領域撮像範囲40が存在すると推定される。
【0127】
そして、照射領域撮像範囲推定部37は、このような照射領域撮像範囲40が存在することを示す推定結果のデータを、測光領域設定部38に対して出力する。
【0128】
次いで、測光領域設定部38は、照射領域撮像範囲推定部37から出力された推定結果のデータに基づいて、図3(b)に示すような直線走行状態における測光領域7よりも照射領域撮像範囲40側にずらされた測光領域41を設定する。
【0129】
測光領域41を設定した後の車両周辺監視画像14の動作は、直線走行状態の場合と同様であるため詳しい説明は省略するが、このようにして設定された測光領域41を用いた自動露出の下で撮像を行い、撮像画像を左サイドビュー画像の生成に用いることによって、ディスプレイ20に、図6に示すような照射領域10が白とびしない実際の路面の明るさを忠実に反映した適度な明るさとなるような左サイドビュー画像64を表示することができる。
【0130】
以上述べたように、本実施形態によれば、ハンドル21の操舵角の変化にともなって左サイドカメラ15の撮像範囲1内における照射領域撮像範囲の占有範囲に変動が生じたとしても、この変動に追従して左サイドカメラ15の撮像画像における左サイドビュー画像の生成に使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるように測光領域を変更することができる。
【0131】
この結果、AFSを備えた車両の夜間における走行状態にかかわらず、左サイドビュー画像の生成に使用される画像の明るさを適度な明るさにすることができ、ひいては、白とび等の明度の異常がない良好な左サイドビュー画像を得ることができる。
【0132】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0133】
例えば、前述した実施形態においては、車両周辺監視画像の一例として左サイドビュー画像を挙げていたが、本発明は、このような構成に限定される必要はなく、例えば、車両周辺監視画像として、自車両の右ドアミラーに取り付けられた図示しない右サイドカメラの撮像画像に基づいて生成される自車両の右前方(前側方)を監視するための右サイドビュー画像等を採用するようにしてもよい。
【0134】
また、本発明は、例えば、交通情報センタ等に対して事故現場付近の状況を知らせるための画像等の車両周辺監視画像以外の目的で使用される画像を撮像する際の自動露出にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、車載カメラ用自動露出装置を備えた車両周辺監視装置を示す概要図
【図2】図1の詳細な構成を示すブロック図
【図3】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、(a)は、自車両の直線走行状態における測光領域の設定方法を示す説明図であり、(b)は、自車両の曲線走行状態における測光領域の設定方法を示す説明図である。
【図4】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、左サイドカメラの詳細な構成を示すブロック図
【図5】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、(a)は、前照灯の点灯状態における自車両の直線走行状態を示す説明図であり、(b)は、前照灯の点灯状態における自車両の曲線走行(左カーブ走行)状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る車載カメラ用自動露出装置の実施形態において、図3(b)の測光領域に対応する左サイドビュー画像を示す説明図
【図7】中央部測光による夜間の道路における左サイドカメラの測光領域の設定状態を示す説明図
【図8】図7の測光領域に対応する左サイドビュー画像を示す説明図
【図9】不要な物体の明るさを除外した測光領域の設定状態を示す説明図
【図10】AFSの影響による左サイドカメラの撮像範囲内への照射領域の捕捉状態を示す説明図
【図11】図10に示したAFSの影響による左サイドカメラの撮像範囲内への照射領域の捕捉状態によってによって引き起こされる問題点を示す説明図
【符号の説明】
【0136】
1 撮像範囲
15 左サイドカメラ
21 ハンドル
25 左前照灯
31 データ格納部
36 AFS情報取得部
37 照射領域撮像範囲推定部
38 測光領域設定部
40 照射領域撮像範囲
41 測光領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両のハンドルの操舵方向に自車両の前照灯の光の照射方向を追従させることによって、自車両の進行方向に前記前照灯の光が照射される状態を維持する配光可変型前照灯システムを備えた自車両に搭載され、
前記自車両の周辺における所定の領域を撮像する車載カメラと、
この車載カメラの自動露出に用いる測光領域として、前記車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定する測光領域設定手段と、
前記ハンドルの操舵角に関する情報および前記ハンドルの操舵角に対応する前記前照灯の光の照射方向に関する情報の少なくとも一方を取得する操舵角/照射方向情報取得手段と、
この操舵角/照射方向情報取得手段の取得情報に基づいて、前記車載カメラの撮像範囲における前記前照灯の光が照射される領域の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲についての、前記車載カメラの撮像範囲内における占有範囲を、前記車載カメラの撮像範囲内における前記照射領域撮像範囲の存否も含めて推定する照射領域撮像範囲推定手段と
を備え、
前記測光領域設定手段が、前記ハンドルの操舵角の変化にともなう前記照射領域撮像範囲推定手段の推定結果の変動に応じて、前記測光領域を変更可能に形成されていること
を特徴とする車載カメラ用自動露出装置。
【請求項2】
前記測光領域設定手段が、
前記測光領域として、測光領域全体の面積に対する測光領域内に含まれる前記照射領域撮像範囲の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域を設定するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項3】
前記使用される範囲の画像が、前記自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項4】
前記車載カメラが、前記自車両における側部に取り付けられたサイドカメラとされ、
前記車両周辺監視画像が、前記自車両の前側方を監視するサイドビュー画像とされていること
を特徴とする請求項3に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項5】
前記測光領域設定手段が、
前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記測光領域として、前記車載カメラの撮像範囲における前記使用される範囲の画像の撮像に用いる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定し、
前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の曲線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合における測光領域に対して、前記照射領域撮像範囲の方向にずらされた測光領域を設定するように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項1】
自車両のハンドルの操舵方向に自車両の前照灯の光の照射方向を追従させることによって、自車両の進行方向に前記前照灯の光が照射される状態を維持する配光可変型前照灯システムを備えた自車両に搭載され、
前記自車両の周辺における所定の領域を撮像する車載カメラと、
この車載カメラの自動露出に用いる測光領域として、前記車載カメラの撮像画像における使用される範囲の画像が適正露出の下で撮像された画像となるような測光領域を設定する測光領域設定手段と、
前記ハンドルの操舵角に関する情報および前記ハンドルの操舵角に対応する前記前照灯の光の照射方向に関する情報の少なくとも一方を取得する操舵角/照射方向情報取得手段と、
この操舵角/照射方向情報取得手段の取得情報に基づいて、前記車載カメラの撮像範囲における前記前照灯の光が照射される領域の撮像に用いる範囲である照射領域撮像範囲についての、前記車載カメラの撮像範囲内における占有範囲を、前記車載カメラの撮像範囲内における前記照射領域撮像範囲の存否も含めて推定する照射領域撮像範囲推定手段と
を備え、
前記測光領域設定手段が、前記ハンドルの操舵角の変化にともなう前記照射領域撮像範囲推定手段の推定結果の変動に応じて、前記測光領域を変更可能に形成されていること
を特徴とする車載カメラ用自動露出装置。
【請求項2】
前記測光領域設定手段が、
前記測光領域として、測光領域全体の面積に対する測光領域内に含まれる前記照射領域撮像範囲の面積の比率が所定の閾値以上となるような測光領域を設定するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項3】
前記使用される範囲の画像が、前記自車両の周辺における所定の監視範囲を監視するための車両周辺監視画像の生成に使用される範囲の画像とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項4】
前記車載カメラが、前記自車両における側部に取り付けられたサイドカメラとされ、
前記車両周辺監視画像が、前記自車両の前側方を監視するサイドビュー画像とされていること
を特徴とする請求項3に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【請求項5】
前記測光領域設定手段が、
前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記測光領域として、前記車載カメラの撮像範囲における前記使用される範囲の画像の撮像に用いる範囲に一致または近似するような領域範囲を有する測光領域を設定し、
前記照射領域撮像範囲推定手段によって、前記自車両の曲線走行状態に対応する推定結果が得られた場合に、前記自車両の直線走行状態に対応する推定結果が得られた場合における測光領域に対して、前記照射領域撮像範囲の方向にずらされた測光領域を設定するように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車載カメラ用自動露出装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図4】
【図5】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−230464(P2008−230464A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74631(P2007−74631)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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