説明

車載バッテリの過放電防止方法及び電源制御装置

【課題】電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる車載バッテリの過放電防止方法の提供。
【解決手段】エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する方法。車載バッテリの開放電圧値を検出して記憶しておき(S1)、車載バッテリの電圧値を検出し(S5)、検出した電圧値が、記憶している開放電圧値未満であるか否かを判定し(S7)、判定した結果に基づき、車載バッテリの過放電を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する車載バッテリの過放電防止方法、及びこの車載バッテリの過放電防止方法を実行する電源制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電装品は、安全性、利便性、快適さ及び商品力の各面から、増加の一途を辿っている。ウインドーデフォッガ及び寒冷地向けのシートヒータ等の大容量の電気負荷が採用されたり、また、油圧又はエンジン動力で作動させていた機器を電動化して、制御性能及び効率の向上を図る動きが進んでいる。電動ブレーキ及び電動パワーステアリング装置(EPS)等、高い信頼性が要求される電気負荷も採用されて来ており、車両が車載バッテリへ依存する度合いは高まっている。
【0003】
車両の電源システムでは、オルタネータ(発電機)の発電能力はエンジン回転数に依存しており、渋滞等で長時間のアイドリングを行う場合、図6に示すように、出力電流は低下する。この状態で、図7に示すように、負荷を使用し過ぎると、発電量より全負荷の総使用電力が大きくなり、電源電圧は発電機の出力電圧から(車載)バッテリの出力電圧へ低下する。電源電圧がバッテリの出力電圧へ低下している場合、図6に示すように、負荷電流の不足分をバッテリの放電電流が補助しており、これらの関係を纏めると、図8(a)の(車載)発電機及び(車載)バッテリの出力特性図、並びに図8(b)の(車載)バッテリの充放電特性図に示すようになる。
【0004】
図8(a)(b)において、発電機の出力電流(負荷電流)を増加させて行くと、出力電流が小さい間は、バッテリの充放電電流は略0(僅かに充電している)である。出力電流が例えば約19Aを超えると、レギュレータ調整電圧は、発電電圧指令値を維持できなくなって急低下し、それに伴いバッテリの端子電圧も急低下する。
発電機は、レギュレータ調整電圧を急低下させながらも、バッテリの端子電圧が開放電圧VOC(充放電電流0時の電圧)になる迄は、出力電流を増加させる。バッテリの端子電圧が開放電圧VOC以下になると、負荷電流の不足分は、バッテリが放電する。
【0005】
特許文献1には、バッテリの出力電圧を監視し、その監視結果に基づいて、プランジャの駆動が可能か、クランキング回転数がエンジンの着火可能回転数以上か、クランキング回転数がエンジン始動まで維持されるか、という3つの条件判断を行い、その判断結果によりバッテリが正常であるか否かを判断するバッテリ状態検知装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−240541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両の電源システムでは、長時間のアイドリング時に、負荷を使用し過ぎると、エンジンが回転中であるにも関わらず、バッテリ上がりが発生し、エンジンが停止してしまうという問題がある。この対策として、電流検出器を用いてバッテリの充放電を検知し、過放電を防止するシステムも実用化されているが、電流検出器は高価であり、部品コストが上昇するという問題がある。
また、電圧検出器のみで過放電を防止する方法もあるが、電圧検出器ではバッテリの放電を検知できないので、電流検出器を使用する場合と比較して、バッテリを正常状態に維持するという目的の為には精度が低いという問題がある。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1〜4発明では、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる車載バッテリの過放電防止方法を提供することを目的とする。
第5〜8発明では、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる電源制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る車載バッテリの過放電防止方法は、エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する方法において、前記車載バッテリの開放電圧値を検出して記憶しておき、前記車載バッテリの電圧値を検出し、検出した電圧値が、記憶している前記開放電圧値未満であるか否かを判定し、判定した結果に基づき、前記車載バッテリの過放電を防止することを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る車載バッテリの過放電防止方法は、前記エンジンが始動する直前に検出した前記車載バッテリの電圧値に基づき、前記開放電圧値を推定することを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る車載バッテリの過放電防止方法は、前記エンジンのアイドリング期間に、抵抗値が既知である前記電気負荷を増減制御して、前記推定した開放電圧値より低い領域の電流電圧特性を算出し、該開放電圧値及び低い領域の電流電圧特性に基づき、前記車載バッテリの放電電流を算出し、算出した放電電流を積算し、積算した放電電流に基づき、作動中の電気負荷を削減することを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る車載バッテリの過放電防止方法は、前記車載バッテリの検出した開放電圧値に所定電圧値を加算して、加算後の開放電圧値を記憶しておき、前記車載バッテリの検出した電圧値が、前記加算後の開放電圧値未満であるか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る電源制御装置は、エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する電源制御装置において、前記車載バッテリの開放電圧値を検出する開放電圧検出手段と、該開放電圧検出手段が検出した開放電圧値を記憶する記憶手段と、前記車載バッテリの電圧値を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧値が、前記記憶手段が記憶している開放電圧値未満であるか否かを判定する手段とを備え、該手段が判定した結果に基づき、前記車載バッテリの過放電を防止するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第1発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び第5発明に係る電源制御装置では、エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する。開放電圧検出手段が、車載バッテリの開放電圧値を検出し、記憶手段が、開放電圧検出手段が検出した開放電圧値を記憶する。電圧検出手段が、車載バッテリの電圧値を検出し、判定する手段が、電圧検出手段が検出した電圧値が、記憶手段が記憶している開放電圧値未満であるか否かを判定し、その判定した結果に基づき、車載バッテリの過放電を防止する。
【0014】
第6発明に係る電源制御装置は、前記開放電圧検出手段は、前記エンジンが始動する直前に、前記電圧検出手段が検出した電圧値に基づき、前記開放電圧値を推定するように構成してあることを特徴とする。
【0015】
第2発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び第6発明に係る電源制御装置では、開放電圧検出手段は、エンジンが始動する直前に、電圧検出手段が検出した電圧値に基づき、開放電圧値を推定する。
【0016】
第7発明に係る電源制御装置は、前記エンジンのアイドリング期間に、抵抗値が既知である前記電気負荷を増減制御して、前記推定した開放電圧値より低い領域の電流電圧特性を算出する算出手段と、前記開放電圧値、及び該算出手段が算出した電流電圧特性に基づき、前記車載バッテリの放電電流を算出する手段と、該手段が算出した放電電流を積算する手段とを更に備え、該手段が積算した放電電流に基づき、作動中の電気負荷を削減するように構成してあることを特徴とする。
【0017】
第3発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び第7発明に係る電源制御装置では、算出手段が、エンジンのアイドリング期間に、抵抗値が既知である電気負荷を増減制御して、推定した開放電圧値より低い領域の電流電圧特性を算出し、算出する手段が、開放電圧値、及び算出手段が算出した電流電圧特性に基づき、車載バッテリの放電電流を算出する。積算する手段が、その算出した放電電流を積算し、その積算した放電電流に基づき、作動中の電気負荷を削減する。
【0018】
第8発明に係る電源制御装置は、前記開放電圧検出手段が検出した開放電圧値に所定電圧値を加算する手段を更に備え、該手段による加算後の開放電圧値を前記記憶手段が記憶し、前記電圧検出手段が検出した電圧値が、前記記憶手段が記憶している加算後の開放電圧値未満であるか否かを判定するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
第4発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び第8発明に係る電源制御装置では、加算する手段が、開放電圧検出手段が検出した開放電圧値に所定電圧値を加算し、記憶手段が、その加算後の開放電圧値を記憶する。電圧検出手段が検出した電圧値が、記憶手段が記憶している加算後の開放電圧値未満であるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0020】
第1〜3発明に係る車載バッテリの過放電防止方法によれば、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる車載バッテリの過放電防止方法を実現することができる。
【0021】
第4発明に係る車載バッテリの過放電防止方法によれば、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる車載バッテリの過放電防止方法を実現することができる。また、車載バッテリの充電量をより大きく維持できるので、より長期間の放置に対しても、車載バッテリの過放電を防止することができる。
【0022】
第5〜7発明に係る電源制御装置によれば、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる電源制御装置を実現することができる。
【0023】
第8発明に係る電源制御装置によれば、電流検出器を用いることなく部品コストが低く、精度良く、車載バッテリの過放電を防止することができる電源制御装置を実現することができる。また、車載バッテリの充電量をより大きく維持できるので、より長期間の放置に対しても、車載バッテリの過放電を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
この電源制御装置では、車載の発電機(オルタネータ、交流発電機)7が発電し整流した直流電力が、発電機7に並列接続された車載のバッテリ5に供給される。発電機7は、発電機本体8及び内部抵抗Raを有しており(レギュレータは図示を省略)、バッテリ5は、開放電圧(起電力)VOC及び内部抵抗Rbを有している。
【0025】
発電機7が発電し整流した直流電力、及びバッテリ5が出力した電力は、また、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチと記載)S5、及び図示しない電源分配ボックス内に配設された各スイッチS1〜S4を通じて各電気負荷RL1〜RL4に供給され、IGスイッチS5のみを通じて点火装置2へ供給される。尚、ここでは、IGスイッチS5にアクセサリスイッチも含まれるものとする。
【0026】
IGスイッチS5は、イグニッションキー(以下、IGキーと記載)1がオン/オフされることにより、オン/オフされ、IGキー1のオン/オフ信号は、電源制御部3へも与えられる。電源制御部3へは、図示しない車速センサからの車速信号も与えられる。
電源制御部3は、電源分配ボックス内に配設されており、各スイッチS1〜S4をオン/オフ制御する。
電圧検出器4が、バッテリ5の端子電圧値を検出して、電源制御部3に与える。
【0027】
以下に、このような構成の電源制御装置の動作を、それを示す図2,3のフローチャートを参照しながら説明する。
電源制御部3は、IGキー1がオンされる(S3)前に、逐次、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧を開放電圧VOCとして読込み、更新して記憶する(S1)。IGキー1がオンされると(S3)、更新して記憶した開放電圧VOC(S1)に所定電圧Vdを加算し、加算後の開放電圧Vaを記憶しておく(S4)。
【0028】
電源制御部3は、次に、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込み(S5)、読込んだ電圧Vが、加算後の開放電圧Vaより低いか否かを判定する(S7)。読込んだ電圧Vが、開放電圧Vaより低ければ車速信号を読込み(S9)、その車速が0であるか否かを判定し(S11)、車速が0であれば、時間Tを計時する(S13)。
電源制御部3は、次に、計時した時間T(S13)が所定時間以上であるか否かを判定し(S15)、時間Tが所定時間以上であれば、時間Tをリセットした(S17)後、バッテリ5のI−V特性を学習する(S19)。
【0029】
電源制御部3は、読込んだ電圧Vが、開放電圧Vaより低くないとき(S7)、又は車速が0でないとき(S11)、時間Tをリセットした(S25)後、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込む(S5)。
電源制御部3は、時間Tが所定時間以上でなければ(S15)、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込む(S5)。
上述したように、加算後の開放電圧Vaを、バッテリ5の過放電防止動作を実行する条件とすることにより、図5に示すように、加算した電圧分、バッテリ5の充電量をより大きく維持することができるので、より長期間の放置に対しても、車載バッテリの過放電を防止することができる。
【0030】
電源制御部3は、バッテリ5のI−V特性を学習する際(S19)、スイッチS1〜S4をオン/オフ制御して、既知である電気負荷RL1〜RL4をオン/オフし、それらの単独抵抗又は合成抵抗に電流を供給したときに、電圧検出器4が検出した電圧Vを読込む。
例えば、スイッチS1のみをオンにして、電気負荷RL1に電流を供給したとき、電圧検出器4が検出した電圧をV1、電気負荷RL1に流れた電流をI1とすると、V1=RL1×I1より、
I1=V1/RL1 (1)
【0031】
ここで、バッテリ5のI−V特性は、図4に示すように、V=−a×I+bで表され、V=VOCのとき(ここでは、加算後の開放電圧Vaは使用しない)、I=0であるから、VOC=bであり、
V=−a×I+VOC (2)
I=I1,V=V1のとき、(1),(2)式から、
V1=−a×V1/RL1+VOC
故に、a=(VOC−V1)RL1/V1
これを(2)式に代入して、Iについて纏めると、(3)式が求まる。
I=(VOC−V)V1/(VOC−V1)RL1 (3)
(3)式より、電圧検出器4が検出した電圧Vから、バッテリ5の出力電流(放電電流)Iを求める(推定する)ことができる。
【0032】
電源制御部3は、バッテリ5のI−V特性を学習して、(3)式を求めた(S19)後、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込み(S21)、(3)式によりバッテリ5の放電電流Iを推定する(S23)。
電源制御部3は、次に、推定した放電電流I(S23)の積算値Itを演算し(S27)、演算した積算置Itが所定値以上になっているか否かを判定する(S29)。積算置Itが所定値以上になっていれば、積算置Itをリセットした後(S38)、スイッチS1〜S4をオン/オフ制御して、オンになっている電気負荷RL1〜RL4を削減する負荷制御を実行して(S39)、放電電流を削減した後、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込む(S5)。
【0033】
電源制御部3は、積算置Itが所定値以上になっていなければ(S29)、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込み(S31)、読込んだ電圧Vが、加算後の開放電圧Vaより低いか否かを判定する(S33)。読込んだ電圧Vが、開放電圧Vaより低ければ車速信号を読込み(S35)、その車速が0であるか否かを判定する(S37)。車速が0であれば、バッテリ5の過放電防止動作を実行する条件がまだ成立しているので、再度、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込み(S21)、(3)式によりバッテリ5の放電電流Iを推定する(S23)。
電源制御部3は、読込んだ電圧Vが、開放電圧Vaより低くないとき(S33)、又は車速が0でないとき(S37)、電圧検出器4が検出したバッテリ5の電圧Vを読込む(S5)。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び電源制御装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る車載バッテリの過放電防止方法及び電源制御装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】車載バッテリのI−V特性を示す特性図である。
【図5】車載バッテリの充電量をより大きく維持して、より長期間の放置に対しても過放電を防止することを説明する為の説明図である。
【図6】車載発電機の回転数−出力電流特性を示す特性図である。
【図7】負荷電流と電源電圧との関係を示す説明図である。
【図8】車載発電機及び車載バッテリの出力特性を示す特性図、並びに車載バッテリの充放電特性を示す特性図である。
【符号の説明】
【0035】
1 イグニッションキー(IGキー)
3 電源制御部
4 電圧検出器
5 (車載)バッテリ
7 (車載)発電機
S1〜S4 スイッチ
S5 イグニッションスイッチ(IGスイッチ)
L1〜RL4 電気負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する方法において、
前記車載バッテリの開放電圧値を検出して記憶しておき、前記車載バッテリの電圧値を検出し、検出した電圧値が、記憶している前記開放電圧値未満であるか否かを判定し、判定した結果に基づき、前記車載バッテリの過放電を防止することを特徴とする車載バッテリの過放電防止方法。
【請求項2】
前記エンジンが始動する直前に検出した前記車載バッテリの電圧値に基づき、前記開放電圧値を推定する請求項1記載の車載バッテリの過放電防止方法。
【請求項3】
前記エンジンのアイドリング期間に、抵抗値が既知である前記電気負荷を増減制御して、前記推定した開放電圧値より低い領域の電流電圧特性を算出し、該開放電圧値及び低い領域の電流電圧特性に基づき、前記車載バッテリの放電電流を算出し、算出した放電電流を積算し、積算した放電電流に基づき、作動中の電気負荷を削減する請求項1又は2記載の車載バッテリの過放電防止方法。
【請求項4】
前記車載バッテリの検出した開放電圧値に所定電圧値を加算して、加算後の開放電圧値を記憶しておき、前記車載バッテリの検出した電圧値が、前記加算後の開放電圧値未満であるか否かを判定する請求項1乃至3の何れか1項に記載の車載バッテリの過放電防止方法。
【請求項5】
エンジンに連動して発電し、発電した電力を複数の電気負荷に供給する発電機により充電される車載バッテリの過放電を防止する電源制御装置において、
前記車載バッテリの開放電圧値を検出する開放電圧検出手段と、該開放電圧検出手段が検出した開放電圧値を記憶する記憶手段と、前記車載バッテリの電圧値を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧値が、前記記憶手段が記憶している開放電圧値未満であるか否かを判定する手段とを備え、該手段が判定した結果に基づき、前記車載バッテリの過放電を防止するように構成してあることを特徴とする電源制御装置。
【請求項6】
前記開放電圧検出手段は、前記エンジンが始動する直前に、前記電圧検出手段が検出した電圧値に基づき、前記開放電圧値を推定するように構成してある請求項5記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記エンジンのアイドリング期間に、抵抗値が既知である前記電気負荷を増減制御して、前記推定した開放電圧値より低い領域の電流電圧特性を算出する算出手段と、前記開放電圧値、及び該算出手段が算出した電流電圧特性に基づき、前記車載バッテリの放電電流を算出する手段と、該手段が算出した放電電流を積算する手段とを更に備え、該手段が積算した放電電流に基づき、作動中の電気負荷を削減するように構成してある請求項5又は6記載の電源制御装置。
【請求項8】
前記開放電圧検出手段が検出した開放電圧値に所定電圧値を加算する手段を更に備え、該手段による加算後の開放電圧値を前記記憶手段が記憶し、前記電圧検出手段が検出した電圧値が、前記記憶手段が記憶している加算後の開放電圧値未満であるか否かを判定するように構成してある請求項5乃至7の何れか1項に記載の電源制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−296689(P2008−296689A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143685(P2007−143685)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】