説明

車載充電ユニットおよび該車載充電ユニットを備えた充電システム

【課題】充電制御ユニットの追従性を高め、安全にバッテリーの急速充電を行うことができる車載充電ユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係る車載充電ユニット1Aは、バッテリー3の状態に関するバッテリー状態データを送信するバッテリー制御ユニット7と、バッテリー状態データに基づいて生成した充電指令データを送信する充電制御ユニット8と、少なくともバッテリー制御ユニット7および充電制御ユニット8をノードとし、両ユニット7、8間のデータの送受信を可能にする第1CAN通信ライン10と、充電制御ユニット8と車両外部に設置された設置型充電器2との間のデータの送受信を可能にする、第2CAN通信ライン11とを備え、設置型充電器2から充電状況データが送信されると、該充電状況データに基づいて充電制御ユニット8が充電指令データを変化させ得るよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両外部に設置された設置型充電器から供給される電力を用いて、前記車両に搭載されたバッテリーを充電する車載充電ユニットおよび該車載充電ユニットを備えた充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車には、走行用モーターのみを用いて走行するタイプと、走行用モーターとエンジンとを併用して走行するタイプとがある。
いずれのタイプの電気自動車においても、走行用モーターに供給するための電力を蓄えるバッテリーが備えられ、バッテリーの残存容量(SOC)が低下した場合には、車両外部から供給される電力や、走行用モーターを回生制御することにより得た電力等を用いてバッテリーを充電する必要がある。
【0003】
車両外部から供給される電力を用いてバッテリーを充電する手法は、車両に搭載された車載充電器を用いる手法と、充電ステーション等にある設置型充電器(発電機能を有するもの、運搬可能なものを含む)を用いる手法とに大別される。
このうち前者の手法においては、車載充電器と家庭用コンセントとを接続し、車載充電器によりAC100Vを例えばDC200Vに変換し、DC200Vの電力で比較的ゆっくりとバッテリーを充電する。
一方、後者の手法においては、設置型充電器により例えばAC200VをDC400Vに変換し、DC400Vの電力でバッテリーを急速充電する。
【0004】
後者の手法により充電を行う充電システムとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
図2に示すように、この充電システム100は、走行用モーター5を駆動するインバーター4に電源ライン12、13を介して直流電力を供給するバッテリー3と、バッテリー3を制御するとともに、バッテリー3の状態(電圧、SOC、温度等)に関するバッテリー状態データを送信するバッテリー制御ユニット7と、受信したバッテリー状態データに基づいて生成した充電指令データ(例えば、充電電流指令値)を送信する充電制御ユニット8と、バッテリー制御ユニット7、充電制御ユニット8、充電器2、インバーター4および車両制御ユニット6等をノードとするCAN(Controller Area Network)通信ライン10とを備える。
【0005】
CAN通信ライン10および電源ライン12、13は、車両外部に現れたコネクタ部9を介して車両内部から引き出され、設置型充電器2に接続されている。
設置型充電器2は、充電制御ユニット8が送信した充電指令データを受信し、受信した充電指令データに基づいてバッテリー3を充電するほか、自己診断機能により取得した自己の故障情報や、設置型充電器2からバッテリー3に向けて出力されている充電電流の値等に関するデータ(以下、「充電状況データ」という)を送信する。
充電制御ユニット8は、CAN通信ライン10(10’)を介して受信した充電状況データやバッテリー状態データに基づいて、充電を停止させたり、充電指令データを変化させたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−77557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電気自動車の分野では充電時間の更なる短縮が課題であり、これを解決すべく設置型充電器2の高出力化が進められている。
しかしながら、設置型充電器2を高出力化すると、バッテリー3の状態(電圧、SOC、温度等)や設置型充電器2の状態(故障の有無)が急激に変化し、充電制御ユニット8がこの変化に追従できないためにバッテリー3の劣化、場合によっては破損、コネクタ部9の溶断、火災等が発生するおそれがあるという別の問題が発生してしまう。
【0008】
そこで、近年では、バッテリー3や設置型充電器2の状態を検知する頻度、すなわちバッテリー状態データや充電状況データの送受信頻度を高めることにより充電制御ユニット8の追従性を高め、より早期に充電を停止させたり、充電指令データを変化させたりすることが検討されている。
【0009】
しかしながら、前記の通り、CAN通信ライン10(10’)は多数のノードを含んでおり、CAN通信ライン10(10’)を介して送受信されるデータの量は膨大であるため、バッテリー状態データや充電状況データの送受信頻度を高くすると、その分だけ他のデータの送受信頻度が低下して、他の制御に支障をきたすおそれがある。
また、CAN通信ライン10(10’)のデータ転送レートを上げると、エラーによるデータの再送信が頻発して、データ転送レートがかえって低下するおそれがある。すなわち、従来の充電システム100において、充電制御ユニット8の追従性を高めるのは非常に困難であった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、充電制御ユニットの追従性を高め、バッテリーの劣化を防止しながら安全にバッテリーの充電を行うことができる車載充電ユニットおよび該車載充電ユニットを備えた充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る車載充電ユニットは、車両外部に設置された設置型充電器から供給される電力を用いて、車両に搭載されたバッテリーを充電する車載充電ユニットであって、
バッテリーを監視して、該バッテリーの状態に関するバッテリー状態データを送信するバッテリー制御ユニットと、バッテリー状態データを受信し、該バッテリー状態データに基づいて生成した充電指令データを送信する充電制御ユニットと、少なくともバッテリー制御ユニットおよび充電制御ユニットをノードとし、バッテリー制御ユニットと充電制御ユニットとの間でのデータの送受信を可能にする第1CAN通信ラインと、
充電制御ユニットと設置型充電器とを接続し、充電制御ユニットと設置型充電器との間でのデータの送受信を可能にする、第1CAN通信ライン以上のデータ転送レートを有する高速通信ラインとを備え、
設置型充電器から、充電指令データにしたがって行われている充電の実行状況に関する充電状況データが送信されると、充電制御ユニットが、高速通信ラインを介して充電状況データを受信するとともに、該充電状況データに基づいて充電指令データを変化させ得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
この構成では、第1CAN通信ラインではなく、高速通信ラインによって充電制御ユニットと設置型充電器とが接続されており、この高速通信ラインを介して充電制御ユニットと設置型充電器との間でデータの送受信が行われる。
したがって、この構成によれば、第1CAN通信ラインを介して行われる他の制御に支障をきたすことなく、充電状況データおよび充電指令データの送受信頻度を高めることができる。すなわち、充電制御ユニットの追従性を高めて、バッテリーの劣化を防止しながら安全にバッテリーの急速充電を行うことができる。
【0013】
上記高速通信ラインは、第2CAN通信ラインであることが好ましい。
【0014】
通常、設置型充電器は、CANの規格の下でデータを送受信するためのコントローラーと、第1CAN通信ラインに接続するための接続用通信ラインとを有している。
したがって、この構成によれば、既存のコントローラーと接続用通信ラインを活用して設置型充電器と充電制御ユニットとの間のデータの送受信が実現されるので、設置型充電器自体の変更を最小限に抑えることができ、本発明に係る車載充電ユニットの導入が容易となる。
また、第2CAN通信ラインのノードを充電制御ユニットおよび設置型充電器のみとすれば、充電指令データおよび充電状況データの送受信頻度を高めても、他のデータの送受信が妨げられることはない。
【0015】
また、上記充電制御ユニットは、充電状況データとして、設置型充電器の故障情報および接続情報と、設置型充電器から出力されている充電電圧および充電電流の値とを含む情報を設置型充電器から受信することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、設置型充電器の故障情報および接続情報のほかに、設置型充電器からバッテリーに向けて出力されている充電電圧および充電電流の値が充電状況データに含まれているので、充電制御ユニットは、高速通信ラインを介して受信可能なこれらの値に基づいて、バッテリーに異常が発生しているか否かの兆候を早期につかむことができる。
すなわち、この構成によれば、バッテリー状態データの代替として利用可能な情報が充電状況データに含まれているので、バッテリー状態データの送受信頻度が従来のままでも、バッテリーの異常の兆候を早期につかんで、充電を停止する等の措置をとることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、充電制御ユニットの追従性を高め、バッテリーの劣化を防止しながら安全にバッテリーの充電を行うことができる車載充電ユニットおよび該車載充電ユニットを備えた充電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る充電システムのブロック図である。
【図2】従来の充電システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る車載充電ユニットおよび充電システムの好ましい実施形態について説明する。
【0020】
[構成]
図1は、本発明に係る車載充電ユニットおよび充電システムのブロック図である。
同図に示すように、充電システム1は、車両に搭載された車載充電ユニット1Aと、設置型充電器2とを有する。
車載充電ユニット1Aは、走行用モーター5を駆動するインバーター4に電源ライン12、13を介して直流電力を供給するバッテリー3と、バッテリー3の近傍に配置されたバッテリー制御ユニット7と、充電制御ユニット8と、バッテリー制御ユニット7、充電制御ユニット8、インバーター4および車両制御ユニット6等をノードとする第1CAN通信ライン10と、充電制御ユニット8および設置型充電器2を接続する高速通信ライン11とを備える。
【0021】
高速通信ライン11および電源ライン12、13は、車両外部に現れたコネクタ部9を介して車両内部から引き出され、設置型充電器2に接続されている。
より詳しくは、高速通信ライン11は、設置型充電器2に一端が接続された高速通信ライン11’の他端にコネクタ9aを介して接続され、電源ライン12、13は、設置型充電器2に一端が接続された電源ライン12’、13’の他端にコネクタ9b、9cを介して接続されている。
【0022】
バッテリー制御ユニット7は、一般に「BCU」と呼ばれているもので、バッテリー3の状態(電圧、SOC、温度等)を制御・監視し、該状態に関するバッテリー状態データを所定フォーマットのデータフレームとして第1CAN通信ライン10に送信する。
【0023】
充電制御ユニット8は、一般に「OBC_CU(または、OBC)」と呼ばれているもので、第1CAN通信ライン10のバッテリー状態データを受信するとともに、該バッテリー状態データに基づいて充電指令データを生成し、生成した充電指令データを所定フォーマットのデータフレームとして高速通信ライン11に送信する。充電指令データには、例えば、充電電流の指令値が含まれている。
【0024】
また、充電制御ユニット8は、高速通信ライン11を介して充電状況データを受信するとともに、該充電状況データに基づいて充電指令データを変化させる。
後述するが、充電状況データには設置型充電器2の故障情報や、設置型充電器2からバッテリー3に向けて出力されている充電電流の値に関する情報等の充電の実行状況に関する各種情報が含まれている。
充電制御ユニット8は、バッテリー3が故障・劣化したり、火災等の事故が起こったりすることがないように、これらの情報に基づいて充電指令データを変化させる。
例えば、設置型充電器2の充電電流が予想値よりも高い場合は、バッテリー3の内部で何らかの異常が発生している可能性があることから、充電電流の指令値を下げるか、または0(充電停止)にする。
【0025】
第1CAN通信ライン10は、ノード(インバーター4、車両制御ユニット6、バッテリー制御ユニット7、充電制御ユニット8等)間におけるデータの送受信を可能にする。図1と図2(従来技術)の比較から明らかなように、本発明に係る車載充電ユニット1Aでは、設置型充電器2が第1CAN通信ライン10のノードとなっていない。この理由については、後で説明する。
【0026】
高速通信ライン11は、充電制御ユニット8および設置型充電器2の間のデータの送受信を可能にするもので、その通信方式は、データ転送レートを第1CAN通信ライン10のデータ転送レート以上とすることができる種々の通信方式から適宜選択することができる。
選択可能な通信方式としては、例えば、CAN、FlexRayがあるが、従来の設置型充電器2をそのまま活用するという観点から、本発明ではCANを選択することが好ましい。
【0027】
通常、設置型充電器2は、CANの規格の下でデータを送受信するためのコントローラーと、第1CAN通信ライン10のコネクタ9aに接続可能な通信ライン10’とを有している(図2参照)。
したがって、高速通信ライン11の通信方式としてCANを選択すれば、従来の通信ライン10’を第2CAN通信ライン11’として活用することができ、かつコネクタ9aを第2CAN通信ライン11と11’を接続するコネクタとして活用することができ、設置型充電器2自体の変更を最小限に抑えることができる。
また、設置型充電器2のコントローラーもそのまま活用することができ、無駄がない。
なお、コネクタ9aを用いて車両側の第2CAN通信ライン11と設置型充電器2側の第2CAN通信ライン11’を接続する場合は、第1CAN通信ライン10を車両外部に引き出すことはできない。したがって、この場合は、設置型充電器2を第1CAN通信ライン10のノードとすることはできない。
【0028】
設置型充電器2は、充電制御ユニット8が送信した充電指令データを受信し、受信した充電指令データに基づいてバッテリー3を充電する。
また、設置型充電器2は、バッテリー3に向けて出力している充電電流や充電電圧の値を検出するための検出手段を有し、検出した値を含む充電状況データを生成し、所定フォーマットのデータフレームとして第2CAN通信ライン11’(11)に送信する。
充電状況データには、自己診断機能により取得した自己の故障情報や、車両側の電源ライン12、13と設置型充電器2側の電源ライン12’、13’との接続状態に関する情報(以下、「接続情報」という)も含まれている。
【0029】
本発明の一実施形態では、充電状況データに、設置型充電器2の充電電圧、充電電流、および設置型充電器2の故障情報、接続情報が含まれているが、全部が含まれている必要はない。
また、バッテリー制御ユニット7、充電制御ユニット8および設置型充電器2は、上記以外のデータを送受信してもよい。
【0030】
[充電フロー]
続いて、本発明に係る車載充電ユニット1Aと、設置型充電器2とを用いて、バッテリー3を急速充電するフローについて説明する。
【0031】
まず、設置型充電器2側の各ライン11’、12’、13’と車両側の各ライン11、12、13をコネクタ部9において接続すると、設置型充電器2は、接続が完了した旨のデータと、設置型充電器2の特性に関するデータとを第2CAN通信ライン11’(11)に送信する。設置型充電器2の特性には、例えば、出力可能な最大電流、最大電圧の値が含まれる。
【0032】
上記のデータを受信した充電制御ユニット8は、所定時間(例えば、100ms)おきに送信されるバッテリー状態データを受信し、バッテリー3の状態(電圧、SOC、温度等)と設置型充電器2の特性に基づいて、充電指令データを生成する。
充電制御ユニット8は、車両制御ユニット6からの充電開始指令を受けると、生成した充電指令データを第2CAN通信ライン11(11’)に送信する。そして、設置型充電器2は、充電指令データに基づいて充電を開始する。
【0033】
充電制御ユニット8は、上記所定時間おきに送信されるバッテリー状態データを受信し、充電が行われている間、最新のバッテリー状態データに基づいて充電指令データを更新し続ける。
【0034】
充電中、設置型充電器2は、充電電圧、充電電流、故障情報および接続情報を含む充電状況データを生成し、所定時間(例えば、1ms)おきに最新の充電状況データを第2CAN通信ライン11’(11)に送信する。
そして、最新の充電状況データを受信した充電制御ユニット8は、バッテリー3が故障・劣化したり、火災等の事故が起こったりすることがないように、充電指令データを変化させる。
例えば、設置型充電器2の充電電流が予想値よりも高い場合は、バッテリー3の内部で何らかの異常が発生している可能性があることから、充電電流の指令値を下げるか、または0(充電停止)にする。設置型充電器2の出力電圧が高過ぎたり、設置型充電器2が故障したり、コネクタ部9の接続が外れかかっていたりする場合も、充電制御ユニット8は、充電電流の指令値を下げる等する。
【0035】
ここで、充電を停止するか否かを決定する権限は、本来、車両制御ユニット6が有しており、充電制御ユニット8はかかる権限を有していない。
しかしながら、充電制御ユニット8が異常発生を車両制御ユニット6に報告(送信)し、車両制御ユニット6からの指令を待って充電を停止させるのでは、汎用の第1CAN通信ライン10とは別に高速な第2CAN通信ライン11(11’)を設けたメリットが損なわれてしまう。
そこで、本発明に係る車載充電ユニット1Aでは、車両制御ユニット6の権限を充電制御ユニット8に一部委譲しておき、緊急性の高い異常が発生したり、その兆候をつかんだりした場合は、充電制御ユニット8が速やかに充電を停止させ得るようにしておくことが好ましい。
【0036】
バッテリー3のSOCまたは電圧値が所定値を超えると、車両制御ユニット6から充電制御ユニット8に充電停止指令がなされ、充電は停止する。
【0037】
結局、本発明に係る車載充電ユニット1Aによれば、充電制御ユニット8と設置型充電器2との間のデータの送受信が密になるので、バッテリー状態データを受信してから次のバッテリー状態データを受信するまでの間も、充電状況データを通じてバッテリー3等に関する最新の情報を頻繁に取得し、充電指令データを変化させることができる。
すなわち、本発明に係る車載充電ユニット1Aおよび該車載充電ユニット1Aを備えた充電システム1によれば、充電制御ユニット8の追従性を高めることができ、バッテリー3の劣化を防止しながら安全にバッテリー3を急速充電することができる。
【0038】
以上、本発明に係る車載充電ユニットおよび充電システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る充電システムは、車載充電器により比較的ゆっくりとバッテリーを充電する機能を有していてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 充電システム
1A 車載充電ユニット
2 設置型充電器
3 バッテリー
4 インバーター
5 モーター
6 車両制御ユニット
7 バッテリー制御ユニット
8 充電制御ユニット
9 コネクタ部
10 第1CAN通信ライン
11 高速通信ライン(第2CAN通信ライン)
12、13 電源ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部に設置された設置型充電器から供給される電力を用いて、前記車両に搭載されたバッテリーを充電する車載充電ユニットであって、
前記バッテリーを監視して、該バッテリーの状態に関するバッテリー状態データを送信するバッテリー制御ユニットと、
前記バッテリー状態データを受信し、該バッテリー状態データに基づいて生成した充電指令データを送信する充電制御ユニットと、
少なくとも前記バッテリー制御ユニットおよび前記充電制御ユニットをノードとし、前記バッテリー制御ユニットと前記充電制御ユニットとの間でのデータの送受信を可能にする第1CAN通信ラインと、
前記充電制御ユニットと前記設置型充電器とを接続し、前記充電制御ユニットと前記設置型充電器との間でのデータの送受信を可能にする、前記第1CAN通信ライン以上のデータ転送レートを有する高速通信ラインと、を備え、
前記設置型充電器から、前記充電指令データにしたがって行われている充電の実行状況に関する充電状況データが送信されると、前記充電制御ユニットが、前記高速通信ラインを介して前記充電状況データを受信するとともに、該充電状況データに基づいて前記充電指令データを変化させ得るようにしたことを特徴とする車載充電ユニット。
【請求項2】
前記高速通信ラインが、第2CAN通信ラインであることを特徴とする請求項1に記載の車載充電ユニット。
【請求項3】
前記充電制御ユニットは、前記充電状況データとして、前記設置型充電器の故障情報および接続情報と、前記設置型充電器から出力されている充電電圧および充電電流の値とを含む情報を前記設置型充電器から受信することを特徴とする請求項1または2に記載の車載充電ユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車載充電ユニットと、
前記充電制御ユニットに対し前記高速通信ラインを介して前記充電状況データを送信する設置型充電器と、
を備えたことを特徴とする充電システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−50156(P2012−50156A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186747(P2010−186747)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】