説明

車載装置

【課題】ポータブル端末のTV放送の予約録画を、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で行われるように支援する「車載装置」を提供する。
【解決手段】車載システム1において接続されたポータブル端末2に登録されている録画予約を読み出し、読み出した録画予約のうちの、録画終了時刻が車載システム1が備えるナビゲーション装置104が算出している目的地到着予想時刻より前の予約のみを代行予約として登録する。そして、車載システム1において、登録した代行予約の録画開始時刻から録画終了時刻まで録画指定チャネルのTV放送の録画を、車載システム1が備えるTVチューナ101を用いて行い、当該録画が完了したならば、録画が完了した動画データがポータブル端末2に転送する。ポータブル端末2は転送された動画データを記憶部205に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TV放送の予約録画機能を備えたポータブル端末を接続可能な車載装置において、ポータブル端末のTV放送の予約録画の実行を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポータブル端末のTV放送の予約録画の実行を支援する技術としては、ポータブル端末よりも高品質なTV放送の受信機能を備えたパーソナルコンピュータにおいて、ポータブル端末が接続されているときに、当該ポータブル端末のTV放送の録画予約時間帯に、録画予約された放送チャネルのTV放送を受信して、受信したTV放送の動画データをポータブル端末に転送し、ポータブル端末において転送された動画データを記録する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006-13707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1記載の技術によれば、ポータブル端末のTV放送の録画予約時間帯中に、パーソナルコンピュータからポータブル端末が取り外されてしまうと、当該録画予約された番組を途中までしか録画できなくなってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、TV放送の予約録画機能を備えたポータブル端末を接続可能な車載装置において、ポータブル端末のTV放送の予約録画を、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で行われるように支援することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題達成のために、本発明は、TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置に、TV放送を受信するTVチューナと、ユーザに対する目的地までの経路案内を行うと共に、推定される前記目的地の到着時刻を目的地到着予測時刻として算出するナビゲーション手段と、接続されたポータブル端末に設定されている録画予約のうちの、録画終了時刻が前記目的地到着予想時刻以前である録画予約を取得し、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを備えたものである。
【0005】
このような車載装置によれば、ポータブル端末で設定された録画予約のうち、目的地に到着しポータブル端末の接続が解除されるまでに録画の完了が見込まれるものの録画のみを、車載装置において車載装置のTVチューナを用いて行うと共に、録画終了時刻まで完全に録画が完了した録画データのみをポータブル端末に転送して格納することができる。また、車載装置のTVチューナは、ポータブル端末が備えるTV受信機に比べ、高速移動時にも安定してTV放送を受信することができるように構成されることが一般的である。
【0006】
よって、このような車載装置によれば、ポータブル端末のTV放送の録画予約に従った録画が、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で、良好に行われるように、効率的に支援することができる。
また、前記課題達成のために、本発明は、TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置に、TV放送を受信するTVチューナと、接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、前記ポータブル端末の接続が解除されるまで、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを備えたものである。
【0007】
このような車載装置よれば、ポータブル端末で設定された録画予約の録画を車載装置において車載装置のTVチューナを用いて行うと共に、ポータブル端末の接続解除までに録画終了時刻まで録画が完了した録画データのみをポータブル端末に転送して格納することができる。よって、このような車載装置によっても、ポータブル端末のTV放送の録画予約に従った録画が、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で、良好に行われるように支援することができる。
【0008】
また、本発明は、併せて、TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置であって、TV放送を受信するTVチューナと、接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、取得した録画予約のうちの録画時間帯が重複している録画予約を識別し、録画時間帯が重複している録画予約のうちのいずれか一つの録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを備えた車載装置を提供する。
【0009】
このような車載装置によれば、ポータブル端末に録画時間帯が重複している録画予約が設定されている場合には、その一部の録画予約に従った録画を車載装置において代行して行うので、このような録画時間帯が重複している録画予約についても、できるだけ各録画予約に従った録画が行えるようになる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、TV放送の予約録画機能を備えたポータブル端末を接続可能な車載装置において、ポータブル端末のTV放送の予約録画を、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で行われるように支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態をとり説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
図示するように、車載システム1は、自動車に搭載され、移動電話機などのポータブル端末2を接続可能な装置であり、図示するように、TVチューナ101、TV録画再生処理部102、代行予約テーブル103、ナビゲーション装置104、HDDなどの記憶装置105、表示装置106、スピーカ107、入力装置108、表示装置106やスピーカ107や入力装置108との間の入出力を制御する入出力制御部109、制御部110、ポータブル端末2と無線もしくは有線インタフェースで接続する端末インタフェース111とを備えている。
【0012】
ここで、ナビゲーション装置104は、進行方位センサや車速センサなどの自律航法センサやGPS受信機を備えており、自律航法センサやGPS受信機の出力より推定される自動車の位置と、記憶装置105に記憶されている地図データとのマップマッチングによって現在位置を算出し、算出した現在位置を地図データが表す地図上で表した画像を、表示装置106に表示する案内画像として生成する。また、ナビゲーション装置104は、設定された目的地までの経路を探索し、探索した経路を前記案内画像中に描画することによりユーザを目的地まで経路誘導する処理や、探索した経路より推定される目的地への到着時刻を目的地到着予想時刻として算出する処理などを行う。
【0013】
TVチューナ101は、たとえば、マルチアンテナ、マルチチューナ構成をとるTVチューナ101であって、自動車の高速移動中も高品質かつ安定的にTV放送を受信することができる。
次に、TV録画再生処理部102は、TVチューナ101で受信したTV放送の動画データの記憶装置105への記憶や、記憶装置105に記憶されている動画データの再生を行う。
そして、制御部110は、入出力制御部109、入力装置108を介して受け取ったユーザ操作に応じて、ナビゲーション装置104に目的地を設定したり、TVチューナ101の受信チャネルを制御したり、TV録画再生処理部102における動画データの再生動作を制御する処理を行う。また、制御部110は、ユーザ操作に応じて、入出力制御部109の、ナビゲーション装置104が生成した案内画像や、TVチューナ101が受信したTV放送の動画や、TV録画再生処理部102が再生した動画の、表示装置106やスピーカ107への出力形態を制御する。
【0014】
次に、ポータブル端末2は、図示するように、内蔵TVチューナ201、録画再生部202、予約テーブル203、移動電話網を用いた電話機能を提供する電話機能部204、HDDやフラッシュメモリなどの記憶部205、表示部206、内蔵スピーカ207、入力部208、マイク209、表示部206や内蔵スピーカ207や入力部208やマイク209との間の入出力を制御する入出力処理部210、端末制御部211、車載システム1に無線もしくは有線インタフェースで接続する外部インタフェース212とを備えている。
【0015】
ここで、内蔵TVチューナ201は、たとえば、車載システム1のTVチューナ101よりも簡易な構成を備え、高速移動時には安定的にTV放送を受信することができないものである。
次に、録画再生部202は、内蔵TVチューナ201で受信したTV放送の動画データの記憶部205への記憶や、記憶部205に記憶されている動画データの再生を行う。
そして、端末制御部211は、入出力処理部210、入力部208を介して受け取ったユーザ操作に応じて、内蔵TVチューナ201の受信チャネルを制御したり、録画再生部202における動画データの再生動作を制御したり、電話機能部204による電話通信を制御する処理を行う。また、端末制御部211は、ユーザ操作に応じて、入出力処理部210の、内蔵TVチューナ201が受信したTV放送の動画や、録画再生部202が再生した動画や、電話機能部204が出力する電話通信で受信した音声の、表示装置106やスピーカ107への出力形態や、マイク209から入力する電話通信で送信する音声の電話機能部204への出力を制御する。
【0016】
また、このポータブル端末2において、端末制御部211は、ユーザから、入出力制御装置、入力部208を介して、ユーザからTV放送の録画予約を受け付け、受け付けた各録画予約を予約データとして予約テーブル203に格納する。ここで、図2aに示すように、予約データは、録画予約毎に設けられ、各予約データには、録画予約の識別子となる予約番号と、予約された録画の時間帯と、当該時間帯に録画するTV放送チャネルを表すチャネルとが登録される。
【0017】
そして、録画再生部202は、予約テーブル203に登録されている、いずれかの予約データに登録された時間帯の開始時刻となったならば、当該予約データを録画制御データとした上で、当該予約データを予約テーブル203から削除し、当該録画制御データの時間帯の終了時刻まで、当該録画制御データに登録されたチャネルが表すTV放送チャネルを内蔵TVチューナ201に受信させると共に、内蔵TVチューナ201で受信したTV放送の動画データを、適当な管理データ(録画時間帯や録画チャネル等のデータ)を付加した形態で記憶部205に記録し、記録が完了したならば、当該録画制御データを破棄する処理を行う。
【0018】
さて、このような構成において車載システム1の制御部110は、図3に示す、録画代行処理を行う。なお、この録画代行処理は、車載システム1の起動時に起動される。
図示するように、この録画代行処理において制御部110は、端末インタフェース111へのポータブル端末2の接続の有無を監視し(ステップ302)、ポータブル端末2が接続されているか、もしくは、ポータブル端末2が接続されたならば、さらに、ナビゲーション装置104において、現在、目的地までの経路が設定されていうかどうか、すなわち、ナビゲーション装置104において経路誘導中であるかどうかを調べ(ステップ304)、経路誘導中でなければステップ302の監視に戻る。
【0019】
一方、経路誘導中であれば、ナビゲーション装置104が推定している目的地到着予想時刻を取得する(ステップ306)。
そして、ポータブル端末2の端末制御部211に、端末インタフェース111を介して予約データ要求を発行することにより、ポータブル端末2の予約テーブル203に登録されている予約データを取得する(ステップ318)。ここで、ポータブル端末2の端末制御部211は外部インタフェース212を介して予約データ要求を受け取ると予約テーブル203に登録されている予約データを全て読み出して、外部インタフェース212を介して車載システム1に送信する。
【0020】
次に、ポータブル端末2より予約データを取得したならば、取得した予約データのうちの、登録されている時間帯の終了時刻がナビゲーション装置104から取得した目的地到着予想時刻より前である予約データを全て、図2bに示すような代行予約データとして代行予約テーブル103に登録する(ステップ310)。但し、既に代行予約テーブル103に登録されている代行予約データと同一内容の予約データは、代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。
【0021】
ここで、車載システム1のTV録画再生処理部102は、代行予約テーブル103に登録されている、いずれかの代行予約データに登録された時間帯の開始時刻となったならば、当該代行予約データを代行録画制御データとした上で、当該代行予約データを代行予約テーブル103から削除し、当該代行録画制御データに登録されている時間帯の終了時刻まで、当該代行録画制御データに登録されたチャネルが表すTV放送チャネルをTVチューナ101に受信させると共に、TVチューナ101で受信したTV放送の動画データを、適当な管理データ(録画時間帯や録画チャネル等のデータ)を付加した形態で記憶装置105に記録し、記録が完了したならば、当該代行録画制御データを破棄すると共に、録画完了を制御部110に通知する処理を行う。
【0022】
一方、制御部110は、ナビゲーション装置104で算出されている目的地到着予想時刻の変化の発生(ステップ312)と、TV録画再生処理部102からの録画完了通知の発生(ステップ314)と、端末インタフェース111とポータブル端末2との接続の解除の発生を監視する(ステップ316)。
【0023】
そして、ナビゲーション装置104で算出されている目的地到着予想時刻の変化が発生したならば(ステップ312)、代行予約テーブル103を更新する(ステップ324)。この更新では、ステップ308でポータブル端末2より取得した予約データのうちの、登録されている時間帯の終了時刻が、変化後の目的地到着予想時刻より前である予約データであって、代行予約テーブル103に代行予約データとして既に登録されていない予約データを代行予約データとして代行予約テーブル103に登録する。また、代行予約テーブル103に登録されている代行予約データのうちの、登録されている時間帯の終了時刻が、変化後の目的地到着予想時刻より後である代行予約データを代行予約テーブル103から削除する。
【0024】
一方、TV録画再生処理部102からの録画完了通知が発生した場合には(ステップ314)、当該録画が完了した動画データを、記憶装置105から読み出して、端末インタフェース111を介してポータブル端末2に、必要に応じて動画データの解像度の変更などを行った上で転送し(ステップ326)、転送した動画データを記憶装置105から削除し(ステップ328)、ステップ312、314、316の監視に戻る。
【0025】
ここで、ポータブル端末2の端末制御部211は、車載システム1から動画データが転送されたならば、これを記憶部205に格納する。また、ポータブル端末2の端末制御部211は、車載システム1から転送された動画データを記憶部205に格納したときに、格納した動画データと同じ時間帯、同じTV放送チャネルの、録画再生部302が録画した動画データが記憶部205に既に記録されている場合には、この既に記録されている動画データを記憶部205から削除する。
【0026】
一方、ポータブル端末2との接続の解除が発生した場合には(ステップ316)、現在代行録画制御データに従った録画中であれば(ステップ318)、録画を中止して、代行録画制御データを破棄し、録画中であった録画データを記憶装置105から削除した上で(ステップ320)、代行予約テーブル103に登録されている全ての代行予約データを消去し(ステップ322)、ステップ302の監視に戻る。また、ポータブル端末2との接続の解除が発生した場合に(ステップ316)、現在代行録画制御データに従った録画中でない場合には(ステップ318)、代行録画制御データと代行予約テーブル103に登録されている全ての代行予約データを消去し(ステップ322)、ステップ302の監視に戻る。
【0027】
以上、録画代行処理について説明した。
ここで、このような録画代行処理の処理例を図4に示す。
いま、200x年xx月yy日の12時16分においてポータブル端末2が車載システム1に接続されたものとする。
そして、この時点において、ポータブル端末2に、14:00-15:00の#03チャネルのTV放送録画の予約と、16:30-17:30の#12チャネルのTV放送録画の予約との二つの予約が登録されているものとする。
また、この時点において、車載システム1のナビゲーション装置104は経路誘導中であって、目的地到着予想時刻として17:12分が算出されているものとする。また、この後、ポータブル端末2は、12時16分において車載システム1に接続された後、17時10分に自動車が目的地に到着して、ユーザによって車載システム1との接続が解除されるまで、車載システム1に接続され続けたものとする。
【0028】
この場合、車載システム1は、ポータブル端末2が接続された時点で、ポータブル端末2に登録されている二つの予約を読み出し、二つの予約のうちの、録画終了時刻が目的地到着予想時刻より前の、14:00-15:00の#03チャネルのTV放送録画の予約のみを代行予約として登録する。
そして、車載システム1において、登録した代行予約(14:00-15:00、#03チャネル)の録画開始時刻から録画終了時刻まで、当該#03チャネルのTV放送の録画が行われ、当該録画が完了したならば、録画が完了した動画データがポータブル端末2に転送され、ポータブル端末2の記憶部205に格納される。
【0029】
したがって、この場合、17:10の車載システム1との接続解除時に、ポータブル端末2の記憶部205には、車載システム1のTVチューナ101を用いて安定的に録画した14:00-15:00、#03チャネルのTV放送の動画データが記録されていることになる。また、さらに、17:30の時点となると、ポータブル端末2の記憶部205には、ポータブル端末2自身で録画した16:30-17:30、#12チャネルのTV放送の動画データが記録されていることになる。よって、本車載システム1によれば、ポータブル端末2のTV放送の録画予約に従った録画が、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で、良好に行われるように効率的に支援することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態における録画代行処理は、図5に示すように行うようにしてもよい。
【0030】
すなわち、この場合には、制御部110は、端末インタフェース111へのポータブル端末2の接続の有無を監視し(ステップ502)、ポータブル端末2が接続されているか、もしくは、ポータブル端末2が接続されたならば、ポータブル端末2の予約テーブル203に登録されている予約データを取得する(ステップ504)。
そして、取得した予約データの全てを、代行予約データとして代行予約テーブル103に登録する(ステップ506)。但し、既に代行予約テーブル103に登録されている代行予約データと同一内容の予約データは、代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。
【0031】
そして、TV録画再生処理部102からの録画完了通知の発生(ステップ508)と、端末インタフェース111とポータブル端末2との接続の解除の発生を監視し(ステップ510)、TV録画再生処理部102からの録画完了通知が発生したならば(ステップ508)、当該録画が完了した動画データを、記憶装置105から読み出して、端末インタフェース111を介してポータブル端末2に転送した上で(ステップ518)、当該動画データを記憶装置105から削除し(ステップ520)、ステップ508、510の監視に戻る。
【0032】
ここで、ポータブル端末2の端末制御部211は、車載システム1から動画データが転送されたならば、これを記憶部205に格納する。
一方、ポータブル端末2との接続の解除が発生した場合には(ステップ510)、現在代行録画制御データに従った録画中であれば(ステップ512)、録画を中止して、代行録画制御データを破棄し、録画中であった録画データを記憶装置105から削除した上で(ステップ514)、代行予約テーブル103に登録されている全ての代行予約データを消去し(ステップ516)、ステップ502の監視に戻る。また、ポータブル端末2との接続の解除が発生した場合に(ステップ510)、現在代行録画制御データに従った録画中でない場合には(ステップ512)、代行予約テーブル103に登録されている全ての代行予約データを消去し(ステップ516)、ステップ502の監視に戻る。
【0033】
ここで、図5に示した録画代行処理の処理例を図6aに示す。
いま、200x年xx月yy日の12時16分においてポータブル端末2が車載システム1に接続されたものとする。
そして、この時点において、ポータブル端末2に、14:00-15:00の#03チャネルのTV放送録画の予約と、16:30-17:30の#12チャネルのTV放送録画の予約との二つの予約が登録されているものとする。
また、この後、ポータブル端末2は、12時16分において車載システム1に接続された後、17時12分に自動車が目的地に到着して、ユーザによって車載システム1との接続が解除されるまで、車載システム1に接続され続けたものとする。
このよう場合、車載システム1は、接続された時点においてポータブル端末2に登録されている二つの予約を読み出し、二つの予約の双方を代行予約として登録する。
そして、車載システム1において、登録した一つ目の代行予約(14:00-15:00、#03チャネル)の録画開始時刻から録画終了時刻まで、当該#03チャネルのTV放送の録画が行われ、当該録画が完了したならば、録画が完了した動画データがポータブル端末2に転送され、ポータブル端末2の記憶部205に格納される。
【0034】
一方、登録した二つ目の代行予約(16:30-17:30、#12チャネル)の録画開始時刻となったならば、車載システム1において、当該#12チャネルのTV放送の録画が開始されるが、録画終了時刻前の、17時12分にポータブル端末2の接続が解除されるために、当該録画は17時12分で中止され、録画した動画データのポータブル端末2への転送も行われない。
【0035】
結果、この場合、17:12の車載システム1との接続解除時に、ポータブル端末2の記憶部205には、車載システム1のTVチューナ101を用いて安定的に録画した14:00-15:00、#03チャネルのTV放送の動画データが記録されることになる。また、さらに、17:30の時点となると、ポータブル端末2の記憶部205には、ポータブル端末2自身で録画した16:30-17:30、#12チャネルのTV放送の動画データが記録されることになる。よって、このようにしても、ポータブル端末2のTV放送の録画予約に従った録画が、録画予約された番組の録画が途中で終了することのない形態で、良好に行われるように支援することができる。
【0036】
ところで、以上の実施形態における録画代行処理では、車載システム1に接続されたポータブル端末2に登録されている、時間帯が重複している予約データが存在している場合にのみ、当該予約を代行予約データとして予約管理テーブルに登録するようにしてもよい。
【0037】
すなわち、たとえば、図5の録画代行処理において、図6bに示すように、14:00-15:00、#03チャネルの予約と、14:30-15:30、#05チャネルの予約との時間帯が一部重複する予約データがポータブル端末2に登録されている場合には、これらいずれか一方のみを予約データ(図6bでは14:00-15:00、#03チャネルの予約の予約データ)を代行予約データとして代行予約テーブル103に登録し、他の予約データは代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。なお、ここでは、より録画終了時刻が早い方の予約データを、代行予約データとして代行予約テーブル103に登録することが好ましい。また、時間帯が一部重複する予約データがポータブル端末2に登録されてない場合には、一切の予約データを代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。
【0038】
そして、録画代行処理において、代行予約データとして登録した予約データと重なる時間帯については、ポータブル端末2において、代行予約データとして登録した予約データの録画は行わず、それ以外の予約データに従った録画を行うように、ポータブル端末2を制御するようにする。
なお、図3の代行録画処理においても同様であり、録画終了時刻が目的地到着予想時刻以前の時間帯の予約データのうちの、時間帯が一部重複する予約データが存在する場合には、これら時間帯が一部重複する予約データのうちのいずれか一方の予約データを代行予約データとして代行予約テーブル103に登録し、他の予約データは代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。また、録画終了時刻が目的地到着予想時刻以前の時間帯の予約データのうちに、時間帯が一部重複する予約データがポータブル端末2に登録されてない場合には、一切の予約データを代行予約データとして代行予約テーブル103に登録しない。そして、録画代行処理において、代行予約データとして登録した予約データと重なる時間帯については、ポータブル端末2において、代行予約データとして登録した予約データの録画は行わず、それ以外の予約データに従った録画を行うように、ポータブル端末2を制御するようにする。
【0039】
このようにすることにより、ポータブル端末に録画時間帯が重複している予約データが設定されている場合には、その一部の予約データに従った録画を車載システムにおいて代行して行うので、このような録画時間帯が重複している録画予約についても、できるだけ各録画予約に従った録画が行えるようになる。
なお、以上の実施形態ではポータブル端末2が移動電話機であるものとして示したが、当該ポータブル端末2は、TV放送受信機能と予約録画機能を備えたものであれば、ポータブルTVやポータブルミュージックプレイヤやPDAなどの任意の装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る予約テーブルと代行予約テーブルを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る録画代行処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る録画代行処理の処理例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る録画代行処理の他の構成例をフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る録画代行処理の他の構成例による処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1…車載システム、2…ポータブル端末、101…TVチューナ、102…TV録画再生処理部、103…代行予約テーブル、104…ナビゲーション装置、105…記憶装置、106…表示装置、107…スピーカ、108…入力装置、109…入出力制御部、110…制御部、111…端末インタフェース、201…内蔵TVチューナ、202…録画再生部、203…予約テーブル、204…電話機能部、205…記憶部、206…表示部、207…内蔵スピーカ、208…入力部、209…マイク、210…入出力処理部、211…端末制御部、212…外部インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置であって、
TV放送を受信するTVチューナと、
ユーザに対する目的地までの経路案内を行うと共に、推定される前記目的地の到着時刻を目的地到着予測時刻として算出するナビゲーション手段と、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約のうちの、録画終了時刻が前記目的地到着予想時刻以前である録画予約を取得し、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、
前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置であって、
TV放送を受信するTVチューナと、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、前記ポータブル端末の接続が解除されるまで、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、
前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを有することを特徴とする車載装置。
【請求項3】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置であって、
TV放送を受信するTVチューナと、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、取得した録画予約のうちの録画時間帯が重複している録画予約を識別し、録画時間帯が重複している録画予約のうちのいずれか一つの録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行う連動録画手段と、
前記連動録画手段が録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納する転送手段とを有することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置において、車載装置が備えるTV放送を受信するTVチューナを用いて、ポータブル端末の録画予約に従った録画を支援する録画支援方法であって、
ユーザに対する目的地までの経路案内を行うと共に、推定される前記目的地の到着時刻を目的地到着予測時刻として算出するステップと、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約のうちの、録画終了時刻が前記目的地到着予想時刻以前である録画予約を取得し、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行うステップと、
録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納するステップとを有することを特徴とする車載装置における録画支援方法。
【請求項5】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置において、車載装置が備えるTV放送を受信するTVチューナを用いて、ポータブル端末の録画予約に従った録画を支援する録画支援方法であって、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、前記ポータブル端末の接続が解除されるまで、取得した録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行うステップと、
録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納するステップとを有することを特徴とする車載装置における録画支援方法。
【請求項6】
TV放送受信機を備えると共にユーザから設定された録画予約に従って前記TV放送受信機を用いたTV放送の予約録画を行うポータブル端末を接続可能な車載装置において、車載装置が備えるTV放送を受信するTVチューナを用いて、ポータブル端末の録画予約に従った録画を支援する録画支援方法であって、
接続されたポータブル端末に設定されている録画予約を取得し、取得した録画予約のうちの録画時間帯が重複している録画予約を識別し、録画時間帯が重複している録画予約のうちのいずれか一つの録画予約に従った、TV放送の録画を前記TVチューナを用いて行うステップと、
録画予約に従った録画終了時刻までの録画を完了したTV放送の録画データを、前記ポータブル端末に転送して、当該ポータブル端末に格納するステップとを有することを特徴とする車載装置における録画支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−207038(P2009−207038A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49250(P2008−49250)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】