車載通信モジュール及び車載情報通信装置
【課題】アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部111と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部112と、を有するアンテナ部110と、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部120と、前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部150と、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体140と、を備えたことを特徴とする車載通信モジュールが提供される。
【解決手段】実施形態によれば、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部111と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部112と、を有するアンテナ部110と、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部120と、前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部150と、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体140と、を備えたことを特徴とする車載通信モジュールが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車載通信モジュール及び車載情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)機器や、ノンストップ自動料金支払いシステムなどの高度道路交通システム用の情報機器の車両への搭載が進んでいる。また、各種のデータ通信や音声通話が可能な車載用の車載通信モジュールも開発されている。
【0003】
このような車載用の情報機器において、車両外との通信のためのアンテナが情報機器の本体とは別体として設けられるので、アンテナの設置作業が繁雑である。また、情報機器の本体とアンテナとの接続ケーブルが車両内に敷設されるため、接続ケーブルが邪魔になり、また、アンテナが露出するため、車両の居住性や見た目が劣化する。
【0004】
また、車両用の情報機器の通信仕様は標準化されているため、情報機器の通信仕様の変更の際には、情報機器の本体の交換が必要になる。情報機器の本体は、例えばナビゲーション装置などとして車両に組み込まれるため、情報機器の本体を交換することは、非常に大変な作業であり、また、装置が無駄になり、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−307293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有するアンテナ部と、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部と、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体と、を備えたことを特徴とする車載通信モジュールが提供される。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、アンテナ部と、前記アンテナ部に電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続されたモジュールコネクタ部と、を有する車載通信モジュールと、前記モジュールコネクタ部に接続される装置コネクタ部と、前記装置コネクタ部を露出させた状態を有する装置筐体と、を有する装置本体と、表示部を有する入出力部と、を備え、前記車載通信モジュールは、前記装置筐体から分離可能であることを特徴とする車載情報通信装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の動作状態を例示する模式的斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の1つの状態を例示する模式的斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る車載情報通信装置に用いられる車載通信モジュールの構成を例示する模式的斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の特性を例示するグラフ図である。
【図7】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の別の特性を例示するグラフ図である。
【図8】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図11】第3の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図12】第4の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図1に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201は、車載通信モジュール101と、装置本体230と、入出力部220と、を備える。
【0012】
入出力部220は、表示部221を有する。表示部221には、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置が用いられる。ただし、本実施形態において、表示部221には任意の表示装置を用いることができる。
【0013】
入出力部220は、さらに入力部222を有していても良い。本具体例では、入力部222として、押しボタンなどが用いられている。だたし、本実施形態はこれに限らず、例えば表示部221の表面にタッチパネルなどの入力素子が設けられ、この入力素子が入力部222として用いられても良い。なお、入力部222は、必要に応じて設けられ、場合によっては省略可能である。また、表示部221が入力の機能を有していても良い。
【0014】
なお、入出力部220は、音による出力(例えばスピーカの動作)や、音による入力(例えばマイクロフォンの動作)を行っても良い。
【0015】
入出力部220は、例えば、装置本体230と接続される。なお、後述するように、入出力部220の、装置本体230に対する角度は、可変とすることができる。
【0016】
装置本体230及び入出力部220は、例えば、車両に搭載される。すなわち、車両に搭載される車載装置210は、装置本体230及び入出力部220を含む。車載装置210は、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置として用いられる。
【0017】
装置本体230は、例えば、車両のダッシュボードなどに格納される。入出力部220は、例えば、車両の室内の側に露出して設置される。すなわち、入出力部220は、車両の運転者などの車両の搭乗者に表示を行う。また、搭乗者によって、入出力部220から、入力が行われることができる。
【0018】
装置本体230は、後述する装置コネクタ部(図1では図示しない)と、装置筐体231と、を有する。装置筐体231は、この装置コネクタ部を露出させた状態を有する。
【0019】
装置筐体231には、例えば金属などの、機械的な強度が高い材料が用いられる。ただし、本実施形態はこれに限らず、装置筐体231に用いられる材料は任意である。
【0020】
装置本体230から入出力部220に向かう方向を便宜的に「前方向」とする。入出力部220から装置本体230に向かう方向を便宜的に「後方向」とする。ここで、前後方向をZ軸方向とし、Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とし、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0021】
Z軸方向は、例えば、装置本体230の奥行き方向である。X軸方向は、例えば、装置本体230の左右方向である。Y軸方向は、例えば、装置本体230の高さ方向である。
【0022】
装置本体230(例えば装置筐体231)の奥行き方向の長さ201zは、例えば、約165ミリメートル(mm)である。装置本体230(例えば装置筐体231)の左右方向の長さ201xは、例えば、約170mmである。装置本体230(例えば装置筐体231)の高さ方向の長さ201yは、例えば、約100mmである。ただし、本実施形態はこれに限らず、長さ201z、長さ201x及び長さ201yは、任意である。
【0023】
図1に例示したように、本具体例においては、装置本体230の装置筐体231には、後退部235が設けられている。すなわち、本具体例では、装置筐体231は、略直方体の形状から一部が後退した後退部235を有する略直方体の形状を有している。そして、この後退部235に、車載通信モジュール101が格納されている。これにより、装置筐体231と車載通信モジュール101とが合体したときの形状は、略直方体の形状となる。これにより、車載情報通信装置201の全体が小型化できる。
【0024】
車載通信モジュール101は、例えば、略直方体の形状を有している。例えば、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは、例えば、約40mmである。車載通信モジュール101の左右方向の長さ101xは、例えば、約170mmである。車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yは、例えば、約20mmである。ただし、本実施形態はこれに限らず、長さ101z、長さ101x及び長さ101yは、任意である。
【0025】
装置筐体231の後退部235の形状は、例えば、車載通信モジュール101の形状に対応する。すなわち、後退部235の奥行き方向の長さは、例えば、長さ101zと同程度で、例えば長さ101zよりも若干大きい長さである。後退部235の左右方向の長さは、例えば、長さ101xと同程度である。後退部235の高さ方向の長さは、例えば、長さ101yと同程度で、例えば長さ101yよりも若干大きい長さである。これにより、装置筐体231と車載通信モジュール101とが合体したときの形状は、略直方体の形状となる。
【0026】
ただし、本実施形態はこれに限らず、後退部235の形状及び大きさ、並びに、車載通信モジュール101の形状及び大きさは任意である。また、後述するように、後退部235は必要に応じて設けられ、場合によっては省略されても良い。
【0027】
また、図1においては、装置筐体231の複数の辺は、互いに平行、または、互いに直交しているが、本実施形態はこれに限らず、装置筐体231において、互いに非平行な複数の辺が設けられても良く、また、互いに非直交な複数の辺が設けられても良い。また、車載通信モジュール101の複数の辺は、互いに平行、または、互いに直交しているが、本実施形態はこれに限らず、車載通信モジュール101において、互いに非平行な複数の辺が設けられても良く、また、互いに非直交な複数の辺が設けられても良い。
【0028】
図1においては、装置本体230の前面(装置本体前面230f)の側において、入出力部220によって、装置本体230及び車載通信モジュール101が覆われている。すなわち、図1に例示した状態は、車載情報通信装置201を使用する使用者が、入出力部220の表示部221を見る場合や、入出力部220から必要な入力を行う場合に対応する。
【0029】
なお、図1に例示した状態においては、車載通信モジュール101の前面は、入出力部220の背面に対向し、車載通信モジュール101の背面は、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fに対向し、車載通信モジュール101の底面は、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに対向している。すなわち、車載通信モジュール101の前面、背面及び底面の3つの面が、例えば、電波遮蔽性を有する装置本体230または入出力部220によって覆われている。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の動作状態を例示する模式的斜視図である。
すなわち、本実施形態においては、入出力部220が可動であり、図2は、入出力部220の1つの状態を例示している。すなわち、図1においては、入出力部220の表示部221の表示面が、装置本体230の装置本体前面230fに対して実質的に平行な状態であったの対し、図2においては、入出力部220の表示部221の表示面は、装置本体230の装置本体前面230fに対して実質的に垂直な状態である。
【0031】
すなわち、図1は、入出力部220が、装置本体230の装置本体前面230fを覆う面積が大きい第1状態ST1を例示している。そして、図2は、入出力部220が装置本体230の装置本体前面230fを覆う面積が、第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2を例示している。
このように、本実施形態においては、入出力部220の装置本体230に対する角度が可変とされる。
【0032】
これにより、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、装置本体230の前面の側に入出力部220が配置され、例えば入出力部220によって装置本体230が隠れる第1状態ST1と、入出力部220によって装置本体230が隠れる面積が第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2と、が存在できる。
【0033】
これにより、第2状態ST2においては、例えば、装置本体前面230fの少なくとも一部が車両の室内側に露出できる。装置本体前面230fには、例えば、CDやDVDなどの種々の情報記憶ディスクを挿入するディスク挿入口271や、磁気ディスクなどを挿入する磁気ディスク挿入口272や、ユニバーサル・シリアル・バスなどを接続するための接続端子273などが設けられる。そして、第2状態ST2においては、装置本体前面230fに設けられた、上記のディスク挿入口271、磁気ディスク挿入口272及び接続端子273などが露出される。
【0034】
そして、車載情報通信装置201の使用者は、ディスク挿入口271及び磁気ディスク挿入口272にディスクを挿入し、または、取り出しを行い、また、接続端子273を使用する。
【0035】
なお、図1においては、表示部221の表示面が装置本体前面230fに対して実質的に平行であり、図2においては、表示部221の表示面が、装置本体前面230fに対して実質的に直交である例であるが、本実施形態はこれに限らない。第1状態ST1及び第2状態ST2のそれぞれにおける、入出力部220と装置本体230との相対的な角度は任意である。
【0036】
なお、図2に例示した状態(第2状態ST2)においては、車載通信モジュール101のモジュール前面101fは、車両の室内側に露出している。そして、車載通信モジュール101のモジュール背面101rは、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fに対向し、車載通信モジュール101のモジュール底面101bは、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに対向している。すなわち、図2に例示した状態は、車載通信モジュール101のモジュール前面101fが電波遮蔽性を有する入出力部220によって覆われていない状態である。
【0037】
なお、本具体例では、車載通信モジュール101に含まれる後述するアンテナ接地部112(の少なくとも一部)が、車載通信モジュール101のモジュール前面101fの側において、露出している。
【0038】
図2に例示した状態において、車載通信モジュール101は、入出力部220で覆われず、車両の室内側に露出するので、車載通信モジュール101を装置本体230から取り外すことが容易に可能になる。すなわち、例えば、車載通信モジュール101はZ軸方向に沿って移動させられ、車載通信モジュール101を装置本体230から取り外すことができる。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の1つの状態を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図3は、本実施形態に係る車載通信モジュール101が、装置本体230から取り外され、車載通信モジュール101と装置本体230とが互いに分離されている状態を例示している。
【0040】
図3に表したように、装置本体230の装置筐体231は、装置筐体231の上部において、装置筐体231の装置筐体前面231f(装置本体前面230fと実質的に一致する)から後退した後退部235を有している。後退部235の、装置筐体前面231fから後退した後退部前面235fにおいて、装置コネクタ部250が装置筐体231から露出可能とされている。車載情報通信装置201においては、後退部235に車載通信モジュール101が格納可能とされる。車載通信モジュール101は、装置本体230から分離可能である。
【0041】
すなわち、車載通信モジュール101と装置本体230とが、互いに分離されている状態(図3に例示した状態)と、車載通信モジュール101と装置本体230とが互いに接続された状態(図1及び図2に例示した状態)と、が実現される。
【0042】
なお、図3に例示したように、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに、Z軸方向に沿って延在する凹凸部235pを設け、一方、車載通信モジュール101のモジュール底面101bに凹凸部235pに対応した形状の凹凸(図示しない)を設けることで、車載通信モジュール101のZ軸方向に沿った移動が容易になり、また、車載通信モジュール101の後述するモジュールコネクタ部と、装置コネクタ部250と、の位置合わせが容易になる。このような凹凸部235p及び凹凸の形状や大きさは任意である。なお、凹凸部235p及び凹凸は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0043】
また、図3に例示したように、車載通信モジュール101は、モジュール筐体140を有する。
本具体例では、モジュール筐体140には、車載通信モジュール101を装置本体230に取り付けるための、モジュール側取り付け治具142及び143が設けられている。一方、装置本体230の装置筐体231の後退部前面235fには、装置側取り付け治具242及び243が設けられている。モジュール側取り付け治具142及び143は例えばネジであり、装置側取り付け治具242及び243は例えばネジ用の溝である。これにより、モジュール側取り付け治具142が装置側取り付け治具242と噛合し、モジュール側取り付け治具143が装置側取り付け治具243と噛合し、車載通信モジュール101は、装置本体230に強固に取り付けられる。これにより、車載情報通信装置201が搭載される車両の使用中に車載情報通信装置201に加えられる振動などによって、車載通信モジュール101と装置本体230との接続状態が劣化することが抑制できる。
【0044】
なお、本実施形態はこれに限らず、モジュール側取り付け治具142及び143の構成、及び、装置側取り付け治具242及び243の構成は、任意である。また、モジュール側取り付け治具142及び143、及び、装置側取り付け治具242及び243は必要に応じて設けられ、場合によっては省略可能である。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置に用いられる車載通信モジュールの構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図4は、車載通信モジュール101を分解した状態であり、モジュール筐体140の中の構成の例を示している。
【0046】
図4に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201に設けられる車載通信モジュール101は、アンテナ部110と、回路部120と、モジュールコネクタ部150と、を有する。なお、車載通信モジュール101は、モジュール筐体140をさらに有しても良い。
【0047】
アンテナ部110は、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部111と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部112と、を有する。アンテナ接地部112は、例えば、アンテナ素子部111に近接して設けられる。アンテナ素子部111には、例えば、絶縁基板113の上に、所定の形状で設けられた導電膜などを用いることができる。ただし、本実施形態はこれに限らず、アンテナ素子部111の構成は任意である。上記の固定電位は、例えば、車載情報通信装置201及び車載通信モジュール101が搭載される車両の車体グランドの電位とすることができる。アンテナ接地部112が設定される固定電位は、大地と同じ電位ではないことがあり得る。
【0048】
本具体例では、アンテナ接地部112の延在方向と、アンテナ素子部111が設けられる絶縁基板113の延在方向と、は互いに交差している。ただし、本実施形態はこれに限らず、アンテナ接地部112の延在方向と、絶縁基板113の延在方向と、の角度は、任意である。
【0049】
回路部120は、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続される。図4においては、回路部120と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれと、の間の電気的な接続のための配線は省略されている。回路部120と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれと、の間の電気的な接続のための配線には、例えば同軸ケーブルが用いられる。例えば、回路部120とアンテナ接地部112との間の接続には、同軸ケーブルの被覆線(例えば外部導体)が用いられ、回路部120とアンテナ素子部111との間の接続には、同軸ケーブルの芯線(例えば内部導体)が用いられる。
【0050】
本具体例では、回路部120は、RF部121と、ベースバンド部122と、を含む。RF部121は、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続される。ベースバンド部122は、RF部121に電気的に接続される。
RF部121は、例えば、中間周波数からRF周波数へのアップコンバート、および、RF周波数から中間周波数へのダウンコンバートなどを行う。ベースバンド部122は、例えば、所定の無線通信プロトコルに従って、送信データの変調、および受信データの復調を行う。なお、RF部121及びベースバンド部122は、一体化された集積回路として形成されても良い。
【0051】
モジュールコネクタ部150は、回路部120に電気的に接続され、車載情報通信装置201の装置本体230に接続されるためのものである。本具体例では、モジュールコネクタ部150は、ベースバンド部122に、図示しない配線によって、電気的に接続されている。
【0052】
モジュール筐体140は、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納する。本具体例では、モジュール筐体140は、モジュール蓋部147と、モジュール底部146と、を有している。ただし、本実施形態はこれに限らず、モジュール筐体140の構成は任意である。例えば、モジュール筐体140は、回路部120の周囲の全体を必ずしも覆う必要ななく、回路部120を内部に保持できればよく、例えば、回路部120の一部の面の側がモジュール筐体140から露出していても良い。すなわち、モジュール筐体140は、蓋の無い筐体や、側面の一部の無い筐体や、フレームなどでも良い。
【0053】
本具体例では、モジュール筐体140は、アンテナ素子部111をさらに格納している。このとき、モジュール筐体140のうち、少なくともアンテナ素子部111を格納する部分の少なくとも一部は、電波透過性を有することができる。これにより、アンテナ素子部111の適正な動作が確保できる。本実施形態においては、モジュール筐体140のモジュール蓋部147は、樹脂などの電波透過性を有する材料が用いられている。なお、モジュール底部146にも樹脂などを用いても良く、また、モジュール底部146には、金属などを含有する材料を用いても良い。
【0054】
モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、モジュール筐体前面140fとモジュール筐体背面140rとに接続されたモジュール筐体底面140bと、を有している。なお、モジュール筐体140のモジュール筐体前面140f、モジュール筐体背面140r及びモジュール筐体底面140bは、それぞれ、車載通信モジュール101のモジュール前面101f、モジュール背面101r及びモジュール底面101bのそれぞれと実質的に一致する。また、本具体例では、モジュール筐体底面140bは、モジュール底部146の面に実質的に一致する。
【0055】
本具体例においては、アンテナ接地部112が、モジュール筐体140のモジュール筐体前面140fの側において、モジュール筐体140から露出している。また、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体140のモジュール筐体背面140rの側において、モジュール筐体140から露出している。
本実施形態はこれに限らず、後述するように、アンテナ接地部112は、例えば、モジュール筐体底面140bの側において、モジュール筐体140から露出しても良い。
【0056】
図5は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式図である。
図5に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201は、車載通信モジュール101と、車載装置210と、を備える。車載装置210は、車両に搭載される。車載装置210は、装置本体230と、入出力部220と、を有する。装置本体230は、モジュールコネクタ部150に接続される装置コネクタ部250と、装置コネクタ部250を露出させた状態を有する装置筐体231と、を有する。入出力部220は、表示部を有する。入出力部220は、例えば、タッチパネルやキースイッチなどの入力部をさらに有しても良い。入出力部220は、例えば装置本体230に接続される。
【0057】
車載通信モジュール101は、アンテナ部110と、アンテナ部110に電気的に接続された回路部120と、回路部120に電気的に接続されたモジュールコネクタ部150と、を有する。なお、アンテナ部110は、アンテナ素子部111と、アンテナ接地部112と、を有することができる。また、回路部120は、RF部121とベースバンド部122とを含むことができる。
【0058】
そして、車載通信モジュール101は、装置筐体231(すなわち、装置本体230)から分離可能である。具体的には、モジュールコネクタ部150と装置コネクタ部250とを接続することにより、車載通信モジュール101と装置筐体231(すなわち、装置本体230)とが互いに接続され、また、モジュールコネクタ部150と装置コネクタ部250とを切り離すことにより、車載通信モジュール101と装置筐体231(すなわち、装置本体230)とが互いに分離される。
【0059】
これにより、必要に応じて、車載装置210から車載通信モジュール101を取り外して、別の車載通信モジュールを車載装置210に装着することができる。このとき、例えば、図2及び図3に例示したように、入出力部220から、装置本体230を露出させることで、車載通信モジュール101は車両の室内側に露出されるため、車載通信モジュール101の取り外し及び取り付けは簡単に実施できる。
【0060】
通信技術は急速に進歩しており、車両の使用年数(例えば10年以上)の間に、新たな通信方式が普及される。また、古い通信方式のサービスは、車両の使用年数の間に停止されることもある。しかしながら、車載装置210は、例えばナビゲーション装置などとして車両に組み込まれるため、車載装置210は簡単には交換できない。
【0061】
発明者は、車載装置210が簡単には交換できないために、車載装置210が最新の通信技術に追従し難いことに着目した。すなわち、新たな通信方式の導入及び古い通信方式の停止に追従でき、また、使用者の望む通信仕様の選択的な利用に対応できる、通信仕様の変更に対応可能な車載情報通信装置を提供するための新たな課題の解決に取り組んだ。なお、「通信仕様の変更」は、通信仕様の追加を含むことができる。
【0062】
本実施形態においては、アンテナ部110を内蔵する車載通信モジュール101を、車載装置210から分離可能に設計することで、通信仕様の変更の際には、車載通信モジュール101を交換するだけで、車載装置210を交換しないで、通信仕様の変更に対応できる。そして、車載通信モジュール101は、アンテナ部110を内蔵しているので、アンテナの設置作業を不要にできる。
【0063】
このように、本実施形態によれば、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置が提供できる。通信仕様の変更に対応可能であることにより、例えば、新たな通信方式の導入や、古い通信方式の停止に対応できる。また、通信仕様の変更に対応可能であることにより、例えば、使用者は所望の通信仕様を選択的に追加し利用できる。
【0064】
なお、本実施形態においては、車載通信モジュール101は、車載装置210の装置本体230に接続される。具体的には、車載通信モジュール101は、装置筐体231の後退部235に格納される。このとき、車載通信モジュール101は、装置筐体231に熱的に接続されることができる。装置筐体231には、例えば金属などの熱伝導率が高い材料を用いることができるため、車載通信モジュール101の例えば回路部120で発生する熱を、効率良く装置筐体231に伝導させることができる。これにより、例えば回路部120の温度が過度に上昇し、回路部120の動作が不安定になることを抑制できる。
【0065】
例えば、車載通信モジュール101は、回路部120と装置筐体231とに熱的に接続される熱伝導体部をさらに有していても良い。本具体例では、モジュール底部146をこの熱伝導体部とすることができる。これにより、例えば回路部120で発生する熱を、さらに効率良く装置筐体231に伝導させ、回路部120の動作をさらに安定化できる。
【0066】
また、本実施形態においては、車載通信モジュール101は、車載装置210の装置本体230に接続されるため、車載通信モジュール101の取り付けの安定性が高い。すなわち、入出力部220に比べて、装置本体230の機械的強度を高くすることが容易である。このため、車載通信モジュール101を装置本体230に接続すると、より安定した強固な取り付けが可能となる。
【0067】
上記のような構成を有する車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、良好な通信状態を確保するために、アンテナ部110のアンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することが望ましい。すなわち、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに電気的に接続され、直流的に接続される状態を有することが望ましい。また、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに近接し、交流的に接続される状態を有することが望ましい。このときの交流の周波数は、例えば、車載通信モジュール101が受発信する電波の周波数と同程度の周波数である。すなわち、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直接的に接触して直流的に接続されるだけではなく、高周波的に接続されても良い。これにより、車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201における電波の受発信の特性が向上する。
【0068】
例えば、車載情報通信装置201に用いられる車載通信モジュール101においては、アンテナ接地部112の少なくとも一部がモジュール筐体140から露出されることが望ましい。
【0069】
すなわち、モジュール筐体140は、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納することが望ましい。
すなわち、車載通信モジュール101は、アンテナ部110、回路部120及びモジュールコネクタ部に加え、アンテナ部110のアンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納するモジュール筐体140をさらに有することが望ましい。
【0070】
これにより、アンテナ接地部112が、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することが容易となる。
【0071】
本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、受発信の対象となる電波の周波数帯は、例えば、470メガヘルツ(MHz)以上770MHz以下(ワンセグ、すなわち、1segの携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス、及び、地上デジタルテレビ放送の12セグなど用)、800MHz(例えば携帯電話用)、1.5ギガヘルツ(GHz)(例えば携帯電話用やGPS用)、1.7GHz(例えば携帯電話用)、1.9GHz(例えばPersonal Handy-phone System用)、2.0GHz(例えば携帯電話用)、2.4GHz(例えばWireless Local Area Network用やデジタル機器用の近距離無線通信用)、2.5GHz(例えばWorldwide Interoperability for Microwave Access用や、道路交通情報通信システムの電波ビーコンなど用)、5.0GHz(例えばWireless Local Area Network用)、及び、5.8GHz(例えばDedicated Short Range Communication用)の少なくともいずれかを含むことができる。ただし、本実施形態はこれに限らず、受発信の対象となる電波の周波数帯は任意である。
【0072】
なお、本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、搭載される車両の事故などの際の衝撃に基づいて自動的に電波を発信する機能を設けても良い。例えば、車両のエアバッグの動作に連動して、電波を発信するように設計しても良い。また、車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、緊急用の電池や、防水機構を設けることで、このような事故に際しても適正な動作が実施できる。
【0073】
以下、本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201の特性の例について説明する。
【0074】
図6は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、図6(a)及び図6(b)は、車載情報通信装置201に関する特性のシミュレーション結果を例示している。本シミュレーションにおいては、図1〜図3に関して説明したように、装置筐体231に後退部235が設けられ、後退部235に車載通信モジュール101が格納される構成が適用された。そして、装置本体230の奥行き方向の長さ201zは165mmで、左右方向の長さ201xは170mmで、高さ方向の長さ201yは100mmとされた。
【0075】
一方、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは40mmで、左右方向の長さ101xは170mmとされた。そして、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが2種類の場合がシミュレーションされた。すなわち、高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10と、高さ方向の長さ101yが20mmの場合Y20と、がシミュレーションされた。そして、後退部235の形状及びサイズは、車載通信モジュール101の形状及びサイズと同等とした。
【0076】
そして、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の内部の一番上の部分に設置されるものとした。すなわち、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yに係わらず、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の一番上に配置され、高さ方向の長さ101yが大きくなると、アンテナ素子部111と、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tと、の距離が離れる。
【0077】
そして、本シミュレーションにおいては、第1状態ST1の特性がシミュレーションされた。第1状態ST1は、車載通信モジュール101のモジュール前面101fが入出力部220によって覆われる状態であり、相対的に電波の送受信に関する特性が悪い状態である。そして、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112は、入出力部220に電気的に(直流的及び交流的に)接続されるものとした。すなわち、入出力部220には、接地電極となる導電部が設けられ、アンテナ接地部112が、この導電部に接続される。
【0078】
そして、図6(a)は、周波数Faが820MHz以上、950MHz以下の特性を例示し、図6(b)は、周波数Faが1900MHz以上、2200MHz以下の特性を例示している。図6(a)及び図6(b)の横軸は、周波数Faであり、縦軸は、アンテナ効率Eaである。
【0079】
そして、図6(a)においては、800MHzの周波数帯におけるアンテナ効率Eaに関する推奨値及び最低要求値が示されている。すなわち、周波数Faが約835MHzのときの推奨値A835と、周波数Faが約835MHzのときの最低要求値B835と、が示されている。そして、周波数Faが約880MHzのときの推奨値A880と、周波数Faが約880MHzのときの最低要求値B880と、が示されている。
【0080】
そして、図6(b)においては、2GHzの周波数帯におけるアンテナ効率Eaに関する推奨値と最低要求値とが示されている。すなわち、周波数Faが約1950MHzのときの推奨値A1950と、周波数Faが約1950MHzのときの最低要求値B1950と、が示されている。そして、周波数Faが約2140MHzのときの推奨値A2140と、周波数Faが約2140MHzのときの最低要求値B2140と、が示されている。
【0081】
アンテナ効率Eaが最低要求値よりも高いことが要求される。そして、アンテナ効率Eaが推奨値よりも高いことがより望ましい。
【0082】
図6(a)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10、及び、20mmの場合Y20のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約835MHzにおいては、推奨値A835を下回るものの、最低要求値B835よりも高い。そして、周波数Faが約880MHzにおいては、最低要求値B880及び推奨値A880よりもアンテナ効率Eaは高い。
【0083】
そして、図6(b)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10、及び、20mmの場合Y20のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約1950MHz及び約2140MHzにおいて、最低要求値B1950及びB2140、並びに、推奨値A1950及びA2140よりも高い。
【0084】
このように、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、良好な電波特性が得られる。
なお、図6(a)及び図6(b)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10よりも20mmの場合Y20の方が、アンテナ効率Eaが高くなる傾向を示す。車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yは、電波の受発信に関する特性と、車載通信モジュール101の小型化と、の観点で適正に設定される。
【0085】
図7は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の別の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、図7(a)及び図7(b)は、車載情報通信装置201に関する特性のシミュレーション結果を例示している。本シミュレーションにおいては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが3種類に変化された。
【0086】
すなわち、車載通信モジュール101の左右方向の長さ101xは170mmとされ、高さ方向の長さ201yは20mmとされた。そして、奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20と、長さ101zが30mmの場合Z30と、長さ101zが40mmの場合Z40と、がシミュレーションされた。なお、長さ101zが20mmの場合Z20は、図6に例示した高さ方向の長さ101yが20mmの場合Y20と同じ状態である。
【0087】
そして、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の内部の一番前側の部分に設置されるものとした。すなわち、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zに係わらず、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の一番前に配置され、奥行き方向の長さ101zが大きくなると、アンテナ素子部111と、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fと、の距離が離れる。
【0088】
なお、この場合も、後退部235の形状及びサイズは、車載通信モジュール101の形状及びサイズと同等とした。装置本体230のサイズは、図6(a)及び図6(b)に関して説明したものと同様である。
【0089】
そして、本シミュレーションにおいても、第1状態ST1の特性がシミュレーションされた。この場合も、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112は、入出力部220に電気的に(直流的及び交流的に)接続されるものとした。
【0090】
図7(a)に表したように、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20、30mmの場合Z30、及び、40mmの場合Z40のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約835MHzにおいては、推奨値A835を下回るものの、最低要求値B835よりも高い。そして、周波数Faが約880MHzにおいては、最低要求値B880及び推奨値A880よりもアンテナ効率Eaは高い。
【0091】
そして、図7(b)に表したように、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20、30mmの場合Z30、及び、40mmの場合Z40のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約1950MHz及び約2140MHzにおいて、最低要求値B1950及びB2140、並びに、推奨値A1950及びA2140よりも高い。
【0092】
このように、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、良好な電波特性が得られる。
【0093】
なお、図7(a)に表したように、周波数Faが820MHz以上950MHz以下の範囲においては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが大きいと、アンテナ効率Eaが高くなる傾向を示す。一方、図7(b)に表したように、周波数Faが約1950MHzにおいては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zに係わらずアンテナ効率Eaはほぼ一定であり、周波数Faが約2050MHz以上2200MHz以下の範囲においては、長さ101zが大きいと、アンテナ効率Eaが低くなる傾向を示す。車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは、電波の受発信に関するこのような特性と、車載通信モジュール101の小型化と、の観点で適正に設定される。
【0094】
図8は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図8(a)〜図8(c)は、本実施形態に係る3種類の車載情報通信装置201a〜201c、及び、3種類の車載通信モジュール301a〜301cの構成を例示している。これらの図は、図1のA1−A2線断面の一部に相当する断面図である。なお、これらの図において、車載通信モジュールに含まれるアンテナ接地部112以外の要素、装置本体230に含まれる装置筐体231以外の要素、及び、入出力部220に含まれる導電部220c以外の要素は、省略されている。
【0095】
図8(a)に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201aにおいては、車載通信モジュール301aのモジュール前面101f(すなわち、モジュール筐体前面140f)から、アンテナ接地部112が露出している。本具体例では、アンテナ接地部112に、導電性の凸部112pが設けられている。これにより、凸部112pと、入出力部220の導電部220cと、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続されることができる。
【0096】
なお、導電部220cは、入出力部220の例えば接地電極とすることができる。または、導電部220cは、例えば、入出力部220の接地電極と電気的に接続されている部分とすることができる。また、導電部220cは、接地電極とは異なる電位に設定されていても良い。さらに、導電部220cは、電位が固定されていない浮遊電位に設定されていてもよい。このように、導電部220cの電位は任意に設定できる。導電部220cとアンテナ接地部112とが、直流的に、または、交流的に接続されることで、導電部220cがアンテナ接地部の一部として動作することができる。これにより、電波の送受信の特性が向上できる。
【0097】
図8(b)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201bにおいては、車載通信モジュール301bのアンテナ接地部112に、導電性の板バネ状のバネ部112sが設けられている。これにより、バネ部112sと、入出力部220の導電部220cと、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続される。バネ部112sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部112sは、アンテナ接地部112と一体的に設けられても良い。
【0098】
図8(c)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201cにおいては、車載通信モジュール301cのアンテナ接地部112の表面は、平坦であるが、入出力部220の背面の側に、導電性のバネ部220sが設けられている。バネ部220sは、入出力部220の導電部220cに電気的に接続されている。これにより、バネ部220sと、アンテナ接地部112と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続される。この場合も、バネ部220sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部220sは、導電部220cと一体的に設けられても良い。
【0099】
このように、モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、を有し、アンテナ接地部112の少なくとも一部は、モジュール筐体前面140fの側においてモジュール筐体140から露出する。なお、この場合に、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体背面140rの側においてモジュール筐体140から露出する。
【0100】
そして、アンテナ接地部112は、導電性の凸部112p、及び、導電性のバネ部112sの少なくともいずれかを有することができる。また、入出力部220は、入出力部220の例えば接地電極となる導電部220cを有することができる。また、入出力部220は、導電部220cに接続されたバネ部220sをさらに有することができる。これにより、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易くなり、安定した動作が実現できる。
【0101】
図9は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図9(a)〜(c)は、本実施形態に係る別の3種類の車載情報通信装置201d〜201f、及び、3種類の車載通信モジュール301d〜301fの構成を例示している。これらの図は、図1のA1−A2線断面の一部に相当する断面図である。
【0102】
図9(a)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201dにおいては、車載通信モジュール301dのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。本具体例では、アンテナ接地部112が装置本体230の装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。そして、本具体例においては、アンテナ接地部112に、導電性の凸部112pが設けられている。これにより、凸部112pと、装置本体230の装置筐体231と、が互いに接触し、または、近接できる。
【0103】
図9(b)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201eにおいても、車載通信モジュール301eのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。そして、アンテナ接地部112に、導電性の板バネ状のバネ部112sが設けられている。これにより、バネ部112sと、装置筐体231と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。バネ部112sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と装置筐体231との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部112sは、アンテナ接地部112と一体的に設けられても良い。
【0104】
図9(c)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201fにおいても、車載通信モジュール301fのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。そして、装置筐体231の上面(車載通信モジュール301fに対向する面)に、導電性のバネ部231sが設けられている。これにより、バネ部231sと、アンテナ接地部112と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。この場合も、バネ部231sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と装置筐体231との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部231sは、装置筐体231と一体的に設けられても良い。
【0105】
このように、モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、モジュール筐体前面140fとモジュール筐体背面140rとに接続されたモジュール筐体底面140bと、を有し、アンテナ接地部112の少なくとも一部は、モジュール筐体底面140bの側においてモジュール筐体140から露出することができる。なお、この場合に、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体背面140rの側においてモジュール筐体140から露出することができる。
【0106】
そして、アンテナ接地部112は、導電性の凸部112p、及び、導電性のバネ部112sの少なくともいずれかを有することができる。また、装置筐体231は、バネ部231sをさらに有することができる。これにより、アンテナ接地部112と装置筐体231(装置本体230)との電気的な接続が維持し易くなり、安定した動作が実現できる。
【0107】
なお、車載情報通信装置201及び201a〜201fにおいて、装置筐体231には金属などの導電材料を用いることができるが、装置筐体231として樹脂材料を用いても良い。この場合において、アンテナ素子部111を装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続させる場合には、例えば装置筐体231の一部として導電材料を用い、この導電材料の部分とアンテナ素子部111とを、直流的に、または、交流的に接続させることができる。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る車載通信モジュール(例えば車載通信モジュール101)は、アンテナ素子部111と、アンテナ接地部112と、を有するアンテナ部110と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続された回路部120と、回路部120に電気的に接続され、車載情報通信装置201の装置本体230に接続されるためのモジュールコネクタ部150と、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納するモジュール筐体140と、を備えることができる。
【0109】
なお、アンテナ素子部111は、アンテナ接地部112と電気的に接続されていない導電体から離して配置されることが望ましい。これにより、電波の受発信の特性が向上する。車載通信モジュール101が装置本体230に接続されている状態において、例えば、アンテナ素子部111は、装置筐体231から離れた位置に配置されるように設計される。例えば、アンテナ素子部111は、モジュール筐体140から離間している。これにより、アンテナ素子部111は、装置筐体231から離れた位置に配置されることができる。
【0110】
なお、本実施形態に係る車載通信モジュール101は、複数の電波の受発信を行うことができる。
すなわち、車載通信モジュール101は、例えば、第1アンテナ素子部と、第1アンテナ接地部と、を有する第1アンテナ部と、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第1回路部と、を有することができる。第1回路部は、例えば、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第1RF波部と、第1RF部に電気的に接続された第1ベースバンド部と、を含むことができる。
【0111】
そして、車載通信モジュール101は、例えば、第1アンテナ素子部とは異なる通信方式及び異なる周波数帯の少なくともいずれかに対応した第2アンテナ素子部と、第2アンテナ接地部と、を有する第2アンテナ部と、第2アンテナ素子部及び第2アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第2回路部と、をさらに有することができる。第2回路部は、例えば、第2アンテナ素子部及び第2アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第2RF部と、第2RF部に電気的に接続された第2ベースバンド部と、を含むことができる。
【0112】
そして、モジュールコネクタ部150は、第1回路部及び第2回路部に電気的に接続される。そして、モジュール筐体140は例えば、第1アンテナ接地部の少なくとも一部と、第2アンテナ接地部の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、第1回路部及び第2回路部を格納する。
【0113】
これにより、本実施形態に係る車載通信モジュール101は、複数の電波の受発信を行うことができる。
例えば、800MHz(例えば携帯電話用)と、1.5GHz(例えば携帯電話用やGPS用)と、の2つの周波数帯の受発信を行うことができる。また、1.5GHz(例えば携帯電話用やGPS用)と、2.5GHz(例えばWorldwide Interoperability for Microwave Access用や、道路交通情報通信システムの電波ビーコンなど用)と、の2つの周波数帯の受発信を行うことができる。本実施形態はこれに限らず、任意の2つ以上の周波数帯の受発信を行うことができる。
【0114】
(第2の実施の形態)
図10は、第2の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図10に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置202も、装置本体230と、入出力部220と、を備える。
【0115】
そして、装置本体230は、複数の装置コネクタ部を有する。本具体例では、装置本体230は、第1〜第4装置コネクタ部250a〜250dを有する。そして、装置筐体231は、これらの複数の装置コネクタ部(第1〜第4装置コネクタ部250a〜250d)を露出する。
【0116】
そして、複数の装置コネクタ部(第1〜第4装置コネクタ部250a〜250d)のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能である。
【0117】
本具体例では、第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dが用いられる。
第1車載通信モジュール302aは、第1アンテナ素子部(図示しない)と、第1アンテナ接地部312aと、を有する第1アンテナ部(図示しない)と、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部312aのそれぞれに電気的に接続された第1回路部(図示しない)と、第1回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置202の装置本体230に接続されるための第1モジュールコネクタ部(図示しない)と、第1アンテナ接地部312aの少なくとも一部と、第1モジュールコネクタ部と、を露出させ、第1回路部を格納する第1モジュール筐体340aと、を備えることができる。
【0118】
同様に、第2〜第4車載通信モジュール302b〜302dのそれぞれは、第2〜第4アンテナ素子部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dと、を有する第2〜第4アンテナ部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ素子部及び第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dのそれぞれに電気的に接続された第2〜第4回路部(図示しない)と、第2〜第4回路部のそれぞれに電気的に接続され、車載情報通信装置202の装置本体230に接続されるための第2〜第4モジュールコネクタ部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dの少なくとも一部と、第2〜第4モジュールコネクタ部と、をそれぞれ露出させ、第2〜第4回路部を格納する第2〜第4モジュール筐体340b〜340dと、をそれぞれ備えることができる。
【0119】
第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、例えば車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
そして、第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、互いに異なる特性を有することができる。第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、互いに異なる通信方式及び互いに異なる周波数帯の少なくともいずれかの電波の受発信を行うことができる。
【0120】
本具体例では、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数は4つであるが、装置コネクタ部の数は任意である。また、装置本体230に接続される車載通信モジュールの数は任意である。例えば、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数が4つである場合において、1つの装置コネクタ部のみに車載通信モジュールが接続され、3つの装置コネクタ部には車載通信モジュールが接続されていない状態で、車載情報通信装置202が使用されても良い。
【0121】
すなわち、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数がN(Nは1以上の整数)である場合において、装置本体230に接続される車載通信モジュールの数は、1以上、N以下の任意の数とすることができる。
【0122】
そして、装置本体230に複数の車載通信モジュールが接続される場合において、複数の車載通信モジュールの仕様(例えば、通信方式及び周波数帯の少なくともいずれかを含む)は、互いに異なることができる。ただし、本実施形態において、互いに同じ仕様を有する複数の車載通信モジュールが、装置本体230に接続されても良い。
【0123】
このように、装置本体230に複数の車載通信モジュールが接続される場合においても、複数の車載通信モジュールのそれぞれにおいて、それぞれのアンテナ接地部(例えば、第1〜第4アンテナ接地部312a〜312dの少なくともいずれか)の少なくとも一部は、それぞれのモジュール前面の側においてモジュール筐体から露出することができる。そして、それぞれのモジュールコネクタ部は、それぞれのモジュール背面の側においてモジュール筐体から露出することができる。
【0124】
また、それぞれのアンテナ接地部(例えば、第1〜第4アンテナ接地部312a〜312dの少なくともいずれか)の少なくとも一部は、それぞれのモジュール底面の側においてモジュール筐体から露出することができる。
【0125】
本実施形態に係る車載情報通信装置202によれば、車載通信モジュールの仕様を単純化することができるため、車載通信モジュールの開発期間を短縮でき、また、車載通信モジュールを低価格化できる。そして、使用者は、必要とする仕様の車載通信モジュールを選択して用いれば良く、より便利になる。これにより、より短期間でより安価に、車載通信モジュールの通信仕様の変更を行うことができる。これにより、使用者は、通信技術の進歩をより享受し易くなる。
【0126】
本実施形態においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供できる。
【0127】
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図11(a)及び図11(b)は、本実施形態に係る車載情報通信装置203の2つの状態を例示している。
図11(a)及び図11(b)に表したように、車載情報通信装置203は、装置本体230と、入出力部220と、車載通信モジュール303と、を備える。車載通信モジュール303は、車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
【0128】
車載情報通信装置203においては、入出力部220の装置本体230に対する角度は固定されている。すなわち、通常の使用状態においては、入出力部220は、装置本体230の装置本体前面230fを覆う。そして、入出力部220は、装置本体230から比較的容易に取り外しが可能とされている。
【0129】
図11(a)は、入出力部220が、装置本体230の装置本体前面230fを覆う、通常の使用状態を例示しており、図11(b)は、入出力部220が装置本体230から取り外された状態を例示している。
【0130】
図11(b)に表したように、例えば、装置本体前面230fには、入出力部220に接続されるための装置本体前面コネクタ部230fcが設けられている。そして、入出力部220の背面の側(表示部221の表示面とは反対の側)には、図示しないコネクタが設けられており、このコネクタが、装置本体前面コネクタ部230fcと接続される。そして、入出力部220は、装置本体230に、図示しないビスなどの治具により、取り付けられることができる。そして、ビスなどの治具を外すことで、入出力部220は、装置本体230から取り外される。
【0131】
図11(a)に例示した状態は、入出力部220が装置本体230の装置本体前面230f(装置コネクタ部250が設けられる側の面)を覆う面積が大きい第1状態ST1に相当し、図11(b)に例示した状態は、入出力部220が装置本体前面230fを覆う面積が、第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2に相当する。
【0132】
そして、第2状態ST2において、車載通信モジュール303は入出力部220から露出しているので、車載通信モジュール303は、装置本体230(装置筐体231)から分離可能である。
【0133】
そして、この場合も、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112が入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続されることができる。
【0134】
本実施形態においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供できる。
本実施形態においても、第1実施形態に関して説明したように、車載通信モジュールは、異なる通信方式及び異なる周波数帯の少なくともいずれかの電波を受発信することができる。また、本実施形態においても、第2実施形態に関して説明したように、装置本体230は、複数の装置コネクタ部を有し、装置筐体231は、複数の装置コネクタ部を露出させ、複数の装置コネクタ部のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能とすることができる。
【0135】
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図12(a)及び図12(b)は、本実施形態に係る車載情報通信装置204の2つの状態、すなわち、第1状態ST1及び第2状態ST2をそれぞれ例示している。
【0136】
図12(a)及び図12(b)に表したように、車載情報通信装置204は、装置本体230と、入出力部220と、車載通信モジュール304と、を備える。車載通信モジュール304は、車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
【0137】
図12(b)に表したように、本実施形態においては、装置筐体231は、略直方体の形状を有しており、第1の実施形態に関して説明した後退部235が設けられていない。そして、装置筐体231の上面に、装置コネクタ部250が設けられている。
【0138】
車載通信モジュール304は、装置筐体231の前面の側で、装置筐体231の上に設置される。そして、車載通信モジュール304の図示しないモジュールコネクタ部150が、装置筐体231の上面の装置コネクタ部250に接続される。
【0139】
このような構成を有する車載情報通信装置204においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応できる。
【0140】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、車載通信モジュールに含まれるアンテナ部、アンテナ素子部、アンテナ接地部、回路部、RF部、ベースバンド部、モジュールコネクタ部及びモジュール筐体、並びに、車載情報通信装置に含まれる装置本体、装置コネクタ部、装置筐体、入出力部及び表示部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0141】
その他、本発明の実施の形態として上述した車載通信モジュール及び車載情報通信装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての車載通信モジュール及び車載情報通信装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0142】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0143】
101…車載通信モジュール、 101b…モジュール底面、 101f…モジュール前面、 101r…モジュール背面、 101x、101y、101z…長さ、 110…アンテナ部、 111…アンテナ素子部、 112…アンテナ接地部、 112p…凸部、 112s…バネ部、 113…絶縁基板、 120…回路部、 121…RF部、 122…ベースバンド部、 140…モジュール筐体、 140b…モジュール筐体底面、 140f…モジュール筐体前面、 140r…モジュール筐体背面、 142、143…取り付け治具、 146…モジュール底部、 147…モジュール蓋部、 150…モジュールコネクタ部、 201、201a〜201f、202、203、240…車載情報通信装置、 201x、201y、201z…長さ、 210…車載装置、 220…入出力部、 220c…導電部、 220s…バネ部、 221…表示部、 222…入力部、 230…装置本体、 230f…装置本体前面、 230fc…装置本体前面コネクタ部、 231…装置筐体、 231f…装置筐体前面、 231s…バネ部、 235…後退部、 235f…後退部前面、 235p…凹凸部、 235t…後退部上面、 242、243…取り付け治具、 250…装置コネクタ部、 250a〜250d…第1〜第4装置コネクタ部、 271…ディスク挿入口、 272…磁気ディスク挿入口、 273…接続端子、 301a〜301f、303、304…車載通信モジュール、 302a〜302d…第1〜第4車載通信モジュール、 312a〜312d…第1〜第4アンテナ接地部、 340a〜340d…第1〜第4モジュール筐体、 A835、A880、A1950、A2140…推奨値、 B835、B880、B1950、B2140…最低要求値、 Ea…アンテナ効率、 Fa…周波数、 ST1、ST2…第1及び第2状態、 Y10、Y20、Z20、Z30、Z40…場合
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車載通信モジュール及び車載情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)機器や、ノンストップ自動料金支払いシステムなどの高度道路交通システム用の情報機器の車両への搭載が進んでいる。また、各種のデータ通信や音声通話が可能な車載用の車載通信モジュールも開発されている。
【0003】
このような車載用の情報機器において、車両外との通信のためのアンテナが情報機器の本体とは別体として設けられるので、アンテナの設置作業が繁雑である。また、情報機器の本体とアンテナとの接続ケーブルが車両内に敷設されるため、接続ケーブルが邪魔になり、また、アンテナが露出するため、車両の居住性や見た目が劣化する。
【0004】
また、車両用の情報機器の通信仕様は標準化されているため、情報機器の通信仕様の変更の際には、情報機器の本体の交換が必要になる。情報機器の本体は、例えばナビゲーション装置などとして車両に組み込まれるため、情報機器の本体を交換することは、非常に大変な作業であり、また、装置が無駄になり、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−307293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有するアンテナ部と、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部と、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体と、を備えたことを特徴とする車載通信モジュールが提供される。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、アンテナ部と、前記アンテナ部に電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続されたモジュールコネクタ部と、を有する車載通信モジュールと、前記モジュールコネクタ部に接続される装置コネクタ部と、前記装置コネクタ部を露出させた状態を有する装置筐体と、を有する装置本体と、表示部を有する入出力部と、を備え、前記車載通信モジュールは、前記装置筐体から分離可能であることを特徴とする車載情報通信装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の動作状態を例示する模式的斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の1つの状態を例示する模式的斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る車載情報通信装置に用いられる車載通信モジュールの構成を例示する模式的斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の特性を例示するグラフ図である。
【図7】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の別の特性を例示するグラフ図である。
【図8】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図11】第3の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図12】第4の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図1に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201は、車載通信モジュール101と、装置本体230と、入出力部220と、を備える。
【0012】
入出力部220は、表示部221を有する。表示部221には、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置が用いられる。ただし、本実施形態において、表示部221には任意の表示装置を用いることができる。
【0013】
入出力部220は、さらに入力部222を有していても良い。本具体例では、入力部222として、押しボタンなどが用いられている。だたし、本実施形態はこれに限らず、例えば表示部221の表面にタッチパネルなどの入力素子が設けられ、この入力素子が入力部222として用いられても良い。なお、入力部222は、必要に応じて設けられ、場合によっては省略可能である。また、表示部221が入力の機能を有していても良い。
【0014】
なお、入出力部220は、音による出力(例えばスピーカの動作)や、音による入力(例えばマイクロフォンの動作)を行っても良い。
【0015】
入出力部220は、例えば、装置本体230と接続される。なお、後述するように、入出力部220の、装置本体230に対する角度は、可変とすることができる。
【0016】
装置本体230及び入出力部220は、例えば、車両に搭載される。すなわち、車両に搭載される車載装置210は、装置本体230及び入出力部220を含む。車載装置210は、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置として用いられる。
【0017】
装置本体230は、例えば、車両のダッシュボードなどに格納される。入出力部220は、例えば、車両の室内の側に露出して設置される。すなわち、入出力部220は、車両の運転者などの車両の搭乗者に表示を行う。また、搭乗者によって、入出力部220から、入力が行われることができる。
【0018】
装置本体230は、後述する装置コネクタ部(図1では図示しない)と、装置筐体231と、を有する。装置筐体231は、この装置コネクタ部を露出させた状態を有する。
【0019】
装置筐体231には、例えば金属などの、機械的な強度が高い材料が用いられる。ただし、本実施形態はこれに限らず、装置筐体231に用いられる材料は任意である。
【0020】
装置本体230から入出力部220に向かう方向を便宜的に「前方向」とする。入出力部220から装置本体230に向かう方向を便宜的に「後方向」とする。ここで、前後方向をZ軸方向とし、Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とし、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0021】
Z軸方向は、例えば、装置本体230の奥行き方向である。X軸方向は、例えば、装置本体230の左右方向である。Y軸方向は、例えば、装置本体230の高さ方向である。
【0022】
装置本体230(例えば装置筐体231)の奥行き方向の長さ201zは、例えば、約165ミリメートル(mm)である。装置本体230(例えば装置筐体231)の左右方向の長さ201xは、例えば、約170mmである。装置本体230(例えば装置筐体231)の高さ方向の長さ201yは、例えば、約100mmである。ただし、本実施形態はこれに限らず、長さ201z、長さ201x及び長さ201yは、任意である。
【0023】
図1に例示したように、本具体例においては、装置本体230の装置筐体231には、後退部235が設けられている。すなわち、本具体例では、装置筐体231は、略直方体の形状から一部が後退した後退部235を有する略直方体の形状を有している。そして、この後退部235に、車載通信モジュール101が格納されている。これにより、装置筐体231と車載通信モジュール101とが合体したときの形状は、略直方体の形状となる。これにより、車載情報通信装置201の全体が小型化できる。
【0024】
車載通信モジュール101は、例えば、略直方体の形状を有している。例えば、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは、例えば、約40mmである。車載通信モジュール101の左右方向の長さ101xは、例えば、約170mmである。車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yは、例えば、約20mmである。ただし、本実施形態はこれに限らず、長さ101z、長さ101x及び長さ101yは、任意である。
【0025】
装置筐体231の後退部235の形状は、例えば、車載通信モジュール101の形状に対応する。すなわち、後退部235の奥行き方向の長さは、例えば、長さ101zと同程度で、例えば長さ101zよりも若干大きい長さである。後退部235の左右方向の長さは、例えば、長さ101xと同程度である。後退部235の高さ方向の長さは、例えば、長さ101yと同程度で、例えば長さ101yよりも若干大きい長さである。これにより、装置筐体231と車載通信モジュール101とが合体したときの形状は、略直方体の形状となる。
【0026】
ただし、本実施形態はこれに限らず、後退部235の形状及び大きさ、並びに、車載通信モジュール101の形状及び大きさは任意である。また、後述するように、後退部235は必要に応じて設けられ、場合によっては省略されても良い。
【0027】
また、図1においては、装置筐体231の複数の辺は、互いに平行、または、互いに直交しているが、本実施形態はこれに限らず、装置筐体231において、互いに非平行な複数の辺が設けられても良く、また、互いに非直交な複数の辺が設けられても良い。また、車載通信モジュール101の複数の辺は、互いに平行、または、互いに直交しているが、本実施形態はこれに限らず、車載通信モジュール101において、互いに非平行な複数の辺が設けられても良く、また、互いに非直交な複数の辺が設けられても良い。
【0028】
図1においては、装置本体230の前面(装置本体前面230f)の側において、入出力部220によって、装置本体230及び車載通信モジュール101が覆われている。すなわち、図1に例示した状態は、車載情報通信装置201を使用する使用者が、入出力部220の表示部221を見る場合や、入出力部220から必要な入力を行う場合に対応する。
【0029】
なお、図1に例示した状態においては、車載通信モジュール101の前面は、入出力部220の背面に対向し、車載通信モジュール101の背面は、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fに対向し、車載通信モジュール101の底面は、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに対向している。すなわち、車載通信モジュール101の前面、背面及び底面の3つの面が、例えば、電波遮蔽性を有する装置本体230または入出力部220によって覆われている。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の動作状態を例示する模式的斜視図である。
すなわち、本実施形態においては、入出力部220が可動であり、図2は、入出力部220の1つの状態を例示している。すなわち、図1においては、入出力部220の表示部221の表示面が、装置本体230の装置本体前面230fに対して実質的に平行な状態であったの対し、図2においては、入出力部220の表示部221の表示面は、装置本体230の装置本体前面230fに対して実質的に垂直な状態である。
【0031】
すなわち、図1は、入出力部220が、装置本体230の装置本体前面230fを覆う面積が大きい第1状態ST1を例示している。そして、図2は、入出力部220が装置本体230の装置本体前面230fを覆う面積が、第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2を例示している。
このように、本実施形態においては、入出力部220の装置本体230に対する角度が可変とされる。
【0032】
これにより、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、装置本体230の前面の側に入出力部220が配置され、例えば入出力部220によって装置本体230が隠れる第1状態ST1と、入出力部220によって装置本体230が隠れる面積が第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2と、が存在できる。
【0033】
これにより、第2状態ST2においては、例えば、装置本体前面230fの少なくとも一部が車両の室内側に露出できる。装置本体前面230fには、例えば、CDやDVDなどの種々の情報記憶ディスクを挿入するディスク挿入口271や、磁気ディスクなどを挿入する磁気ディスク挿入口272や、ユニバーサル・シリアル・バスなどを接続するための接続端子273などが設けられる。そして、第2状態ST2においては、装置本体前面230fに設けられた、上記のディスク挿入口271、磁気ディスク挿入口272及び接続端子273などが露出される。
【0034】
そして、車載情報通信装置201の使用者は、ディスク挿入口271及び磁気ディスク挿入口272にディスクを挿入し、または、取り出しを行い、また、接続端子273を使用する。
【0035】
なお、図1においては、表示部221の表示面が装置本体前面230fに対して実質的に平行であり、図2においては、表示部221の表示面が、装置本体前面230fに対して実質的に直交である例であるが、本実施形態はこれに限らない。第1状態ST1及び第2状態ST2のそれぞれにおける、入出力部220と装置本体230との相対的な角度は任意である。
【0036】
なお、図2に例示した状態(第2状態ST2)においては、車載通信モジュール101のモジュール前面101fは、車両の室内側に露出している。そして、車載通信モジュール101のモジュール背面101rは、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fに対向し、車載通信モジュール101のモジュール底面101bは、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに対向している。すなわち、図2に例示した状態は、車載通信モジュール101のモジュール前面101fが電波遮蔽性を有する入出力部220によって覆われていない状態である。
【0037】
なお、本具体例では、車載通信モジュール101に含まれる後述するアンテナ接地部112(の少なくとも一部)が、車載通信モジュール101のモジュール前面101fの側において、露出している。
【0038】
図2に例示した状態において、車載通信モジュール101は、入出力部220で覆われず、車両の室内側に露出するので、車載通信モジュール101を装置本体230から取り外すことが容易に可能になる。すなわち、例えば、車載通信モジュール101はZ軸方向に沿って移動させられ、車載通信モジュール101を装置本体230から取り外すことができる。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の1つの状態を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図3は、本実施形態に係る車載通信モジュール101が、装置本体230から取り外され、車載通信モジュール101と装置本体230とが互いに分離されている状態を例示している。
【0040】
図3に表したように、装置本体230の装置筐体231は、装置筐体231の上部において、装置筐体231の装置筐体前面231f(装置本体前面230fと実質的に一致する)から後退した後退部235を有している。後退部235の、装置筐体前面231fから後退した後退部前面235fにおいて、装置コネクタ部250が装置筐体231から露出可能とされている。車載情報通信装置201においては、後退部235に車載通信モジュール101が格納可能とされる。車載通信モジュール101は、装置本体230から分離可能である。
【0041】
すなわち、車載通信モジュール101と装置本体230とが、互いに分離されている状態(図3に例示した状態)と、車載通信モジュール101と装置本体230とが互いに接続された状態(図1及び図2に例示した状態)と、が実現される。
【0042】
なお、図3に例示したように、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tに、Z軸方向に沿って延在する凹凸部235pを設け、一方、車載通信モジュール101のモジュール底面101bに凹凸部235pに対応した形状の凹凸(図示しない)を設けることで、車載通信モジュール101のZ軸方向に沿った移動が容易になり、また、車載通信モジュール101の後述するモジュールコネクタ部と、装置コネクタ部250と、の位置合わせが容易になる。このような凹凸部235p及び凹凸の形状や大きさは任意である。なお、凹凸部235p及び凹凸は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0043】
また、図3に例示したように、車載通信モジュール101は、モジュール筐体140を有する。
本具体例では、モジュール筐体140には、車載通信モジュール101を装置本体230に取り付けるための、モジュール側取り付け治具142及び143が設けられている。一方、装置本体230の装置筐体231の後退部前面235fには、装置側取り付け治具242及び243が設けられている。モジュール側取り付け治具142及び143は例えばネジであり、装置側取り付け治具242及び243は例えばネジ用の溝である。これにより、モジュール側取り付け治具142が装置側取り付け治具242と噛合し、モジュール側取り付け治具143が装置側取り付け治具243と噛合し、車載通信モジュール101は、装置本体230に強固に取り付けられる。これにより、車載情報通信装置201が搭載される車両の使用中に車載情報通信装置201に加えられる振動などによって、車載通信モジュール101と装置本体230との接続状態が劣化することが抑制できる。
【0044】
なお、本実施形態はこれに限らず、モジュール側取り付け治具142及び143の構成、及び、装置側取り付け治具242及び243の構成は、任意である。また、モジュール側取り付け治具142及び143、及び、装置側取り付け治具242及び243は必要に応じて設けられ、場合によっては省略可能である。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置に用いられる車載通信モジュールの構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図4は、車載通信モジュール101を分解した状態であり、モジュール筐体140の中の構成の例を示している。
【0046】
図4に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201に設けられる車載通信モジュール101は、アンテナ部110と、回路部120と、モジュールコネクタ部150と、を有する。なお、車載通信モジュール101は、モジュール筐体140をさらに有しても良い。
【0047】
アンテナ部110は、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部111と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部112と、を有する。アンテナ接地部112は、例えば、アンテナ素子部111に近接して設けられる。アンテナ素子部111には、例えば、絶縁基板113の上に、所定の形状で設けられた導電膜などを用いることができる。ただし、本実施形態はこれに限らず、アンテナ素子部111の構成は任意である。上記の固定電位は、例えば、車載情報通信装置201及び車載通信モジュール101が搭載される車両の車体グランドの電位とすることができる。アンテナ接地部112が設定される固定電位は、大地と同じ電位ではないことがあり得る。
【0048】
本具体例では、アンテナ接地部112の延在方向と、アンテナ素子部111が設けられる絶縁基板113の延在方向と、は互いに交差している。ただし、本実施形態はこれに限らず、アンテナ接地部112の延在方向と、絶縁基板113の延在方向と、の角度は、任意である。
【0049】
回路部120は、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続される。図4においては、回路部120と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれと、の間の電気的な接続のための配線は省略されている。回路部120と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれと、の間の電気的な接続のための配線には、例えば同軸ケーブルが用いられる。例えば、回路部120とアンテナ接地部112との間の接続には、同軸ケーブルの被覆線(例えば外部導体)が用いられ、回路部120とアンテナ素子部111との間の接続には、同軸ケーブルの芯線(例えば内部導体)が用いられる。
【0050】
本具体例では、回路部120は、RF部121と、ベースバンド部122と、を含む。RF部121は、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続される。ベースバンド部122は、RF部121に電気的に接続される。
RF部121は、例えば、中間周波数からRF周波数へのアップコンバート、および、RF周波数から中間周波数へのダウンコンバートなどを行う。ベースバンド部122は、例えば、所定の無線通信プロトコルに従って、送信データの変調、および受信データの復調を行う。なお、RF部121及びベースバンド部122は、一体化された集積回路として形成されても良い。
【0051】
モジュールコネクタ部150は、回路部120に電気的に接続され、車載情報通信装置201の装置本体230に接続されるためのものである。本具体例では、モジュールコネクタ部150は、ベースバンド部122に、図示しない配線によって、電気的に接続されている。
【0052】
モジュール筐体140は、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納する。本具体例では、モジュール筐体140は、モジュール蓋部147と、モジュール底部146と、を有している。ただし、本実施形態はこれに限らず、モジュール筐体140の構成は任意である。例えば、モジュール筐体140は、回路部120の周囲の全体を必ずしも覆う必要ななく、回路部120を内部に保持できればよく、例えば、回路部120の一部の面の側がモジュール筐体140から露出していても良い。すなわち、モジュール筐体140は、蓋の無い筐体や、側面の一部の無い筐体や、フレームなどでも良い。
【0053】
本具体例では、モジュール筐体140は、アンテナ素子部111をさらに格納している。このとき、モジュール筐体140のうち、少なくともアンテナ素子部111を格納する部分の少なくとも一部は、電波透過性を有することができる。これにより、アンテナ素子部111の適正な動作が確保できる。本実施形態においては、モジュール筐体140のモジュール蓋部147は、樹脂などの電波透過性を有する材料が用いられている。なお、モジュール底部146にも樹脂などを用いても良く、また、モジュール底部146には、金属などを含有する材料を用いても良い。
【0054】
モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、モジュール筐体前面140fとモジュール筐体背面140rとに接続されたモジュール筐体底面140bと、を有している。なお、モジュール筐体140のモジュール筐体前面140f、モジュール筐体背面140r及びモジュール筐体底面140bは、それぞれ、車載通信モジュール101のモジュール前面101f、モジュール背面101r及びモジュール底面101bのそれぞれと実質的に一致する。また、本具体例では、モジュール筐体底面140bは、モジュール底部146の面に実質的に一致する。
【0055】
本具体例においては、アンテナ接地部112が、モジュール筐体140のモジュール筐体前面140fの側において、モジュール筐体140から露出している。また、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体140のモジュール筐体背面140rの側において、モジュール筐体140から露出している。
本実施形態はこれに限らず、後述するように、アンテナ接地部112は、例えば、モジュール筐体底面140bの側において、モジュール筐体140から露出しても良い。
【0056】
図5は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式図である。
図5に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201は、車載通信モジュール101と、車載装置210と、を備える。車載装置210は、車両に搭載される。車載装置210は、装置本体230と、入出力部220と、を有する。装置本体230は、モジュールコネクタ部150に接続される装置コネクタ部250と、装置コネクタ部250を露出させた状態を有する装置筐体231と、を有する。入出力部220は、表示部を有する。入出力部220は、例えば、タッチパネルやキースイッチなどの入力部をさらに有しても良い。入出力部220は、例えば装置本体230に接続される。
【0057】
車載通信モジュール101は、アンテナ部110と、アンテナ部110に電気的に接続された回路部120と、回路部120に電気的に接続されたモジュールコネクタ部150と、を有する。なお、アンテナ部110は、アンテナ素子部111と、アンテナ接地部112と、を有することができる。また、回路部120は、RF部121とベースバンド部122とを含むことができる。
【0058】
そして、車載通信モジュール101は、装置筐体231(すなわち、装置本体230)から分離可能である。具体的には、モジュールコネクタ部150と装置コネクタ部250とを接続することにより、車載通信モジュール101と装置筐体231(すなわち、装置本体230)とが互いに接続され、また、モジュールコネクタ部150と装置コネクタ部250とを切り離すことにより、車載通信モジュール101と装置筐体231(すなわち、装置本体230)とが互いに分離される。
【0059】
これにより、必要に応じて、車載装置210から車載通信モジュール101を取り外して、別の車載通信モジュールを車載装置210に装着することができる。このとき、例えば、図2及び図3に例示したように、入出力部220から、装置本体230を露出させることで、車載通信モジュール101は車両の室内側に露出されるため、車載通信モジュール101の取り外し及び取り付けは簡単に実施できる。
【0060】
通信技術は急速に進歩しており、車両の使用年数(例えば10年以上)の間に、新たな通信方式が普及される。また、古い通信方式のサービスは、車両の使用年数の間に停止されることもある。しかしながら、車載装置210は、例えばナビゲーション装置などとして車両に組み込まれるため、車載装置210は簡単には交換できない。
【0061】
発明者は、車載装置210が簡単には交換できないために、車載装置210が最新の通信技術に追従し難いことに着目した。すなわち、新たな通信方式の導入及び古い通信方式の停止に追従でき、また、使用者の望む通信仕様の選択的な利用に対応できる、通信仕様の変更に対応可能な車載情報通信装置を提供するための新たな課題の解決に取り組んだ。なお、「通信仕様の変更」は、通信仕様の追加を含むことができる。
【0062】
本実施形態においては、アンテナ部110を内蔵する車載通信モジュール101を、車載装置210から分離可能に設計することで、通信仕様の変更の際には、車載通信モジュール101を交換するだけで、車載装置210を交換しないで、通信仕様の変更に対応できる。そして、車載通信モジュール101は、アンテナ部110を内蔵しているので、アンテナの設置作業を不要にできる。
【0063】
このように、本実施形態によれば、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置が提供できる。通信仕様の変更に対応可能であることにより、例えば、新たな通信方式の導入や、古い通信方式の停止に対応できる。また、通信仕様の変更に対応可能であることにより、例えば、使用者は所望の通信仕様を選択的に追加し利用できる。
【0064】
なお、本実施形態においては、車載通信モジュール101は、車載装置210の装置本体230に接続される。具体的には、車載通信モジュール101は、装置筐体231の後退部235に格納される。このとき、車載通信モジュール101は、装置筐体231に熱的に接続されることができる。装置筐体231には、例えば金属などの熱伝導率が高い材料を用いることができるため、車載通信モジュール101の例えば回路部120で発生する熱を、効率良く装置筐体231に伝導させることができる。これにより、例えば回路部120の温度が過度に上昇し、回路部120の動作が不安定になることを抑制できる。
【0065】
例えば、車載通信モジュール101は、回路部120と装置筐体231とに熱的に接続される熱伝導体部をさらに有していても良い。本具体例では、モジュール底部146をこの熱伝導体部とすることができる。これにより、例えば回路部120で発生する熱を、さらに効率良く装置筐体231に伝導させ、回路部120の動作をさらに安定化できる。
【0066】
また、本実施形態においては、車載通信モジュール101は、車載装置210の装置本体230に接続されるため、車載通信モジュール101の取り付けの安定性が高い。すなわち、入出力部220に比べて、装置本体230の機械的強度を高くすることが容易である。このため、車載通信モジュール101を装置本体230に接続すると、より安定した強固な取り付けが可能となる。
【0067】
上記のような構成を有する車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、良好な通信状態を確保するために、アンテナ部110のアンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することが望ましい。すなわち、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに電気的に接続され、直流的に接続される状態を有することが望ましい。また、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに近接し、交流的に接続される状態を有することが望ましい。このときの交流の周波数は、例えば、車載通信モジュール101が受発信する電波の周波数と同程度の周波数である。すなわち、アンテナ接地部112は、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直接的に接触して直流的に接続されるだけではなく、高周波的に接続されても良い。これにより、車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201における電波の受発信の特性が向上する。
【0068】
例えば、車載情報通信装置201に用いられる車載通信モジュール101においては、アンテナ接地部112の少なくとも一部がモジュール筐体140から露出されることが望ましい。
【0069】
すなわち、モジュール筐体140は、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納することが望ましい。
すなわち、車載通信モジュール101は、アンテナ部110、回路部120及びモジュールコネクタ部に加え、アンテナ部110のアンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納するモジュール筐体140をさらに有することが望ましい。
【0070】
これにより、アンテナ接地部112が、装置本体230及び入出力部220の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することが容易となる。
【0071】
本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、受発信の対象となる電波の周波数帯は、例えば、470メガヘルツ(MHz)以上770MHz以下(ワンセグ、すなわち、1segの携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス、及び、地上デジタルテレビ放送の12セグなど用)、800MHz(例えば携帯電話用)、1.5ギガヘルツ(GHz)(例えば携帯電話用やGPS用)、1.7GHz(例えば携帯電話用)、1.9GHz(例えばPersonal Handy-phone System用)、2.0GHz(例えば携帯電話用)、2.4GHz(例えばWireless Local Area Network用やデジタル機器用の近距離無線通信用)、2.5GHz(例えばWorldwide Interoperability for Microwave Access用や、道路交通情報通信システムの電波ビーコンなど用)、5.0GHz(例えばWireless Local Area Network用)、及び、5.8GHz(例えばDedicated Short Range Communication用)の少なくともいずれかを含むことができる。ただし、本実施形態はこれに限らず、受発信の対象となる電波の周波数帯は任意である。
【0072】
なお、本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、搭載される車両の事故などの際の衝撃に基づいて自動的に電波を発信する機能を設けても良い。例えば、車両のエアバッグの動作に連動して、電波を発信するように設計しても良い。また、車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201において、緊急用の電池や、防水機構を設けることで、このような事故に際しても適正な動作が実施できる。
【0073】
以下、本実施形態に係る車載通信モジュール101及び車載情報通信装置201の特性の例について説明する。
【0074】
図6は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、図6(a)及び図6(b)は、車載情報通信装置201に関する特性のシミュレーション結果を例示している。本シミュレーションにおいては、図1〜図3に関して説明したように、装置筐体231に後退部235が設けられ、後退部235に車載通信モジュール101が格納される構成が適用された。そして、装置本体230の奥行き方向の長さ201zは165mmで、左右方向の長さ201xは170mmで、高さ方向の長さ201yは100mmとされた。
【0075】
一方、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは40mmで、左右方向の長さ101xは170mmとされた。そして、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが2種類の場合がシミュレーションされた。すなわち、高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10と、高さ方向の長さ101yが20mmの場合Y20と、がシミュレーションされた。そして、後退部235の形状及びサイズは、車載通信モジュール101の形状及びサイズと同等とした。
【0076】
そして、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の内部の一番上の部分に設置されるものとした。すなわち、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yに係わらず、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の一番上に配置され、高さ方向の長さ101yが大きくなると、アンテナ素子部111と、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部上面235tと、の距離が離れる。
【0077】
そして、本シミュレーションにおいては、第1状態ST1の特性がシミュレーションされた。第1状態ST1は、車載通信モジュール101のモジュール前面101fが入出力部220によって覆われる状態であり、相対的に電波の送受信に関する特性が悪い状態である。そして、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112は、入出力部220に電気的に(直流的及び交流的に)接続されるものとした。すなわち、入出力部220には、接地電極となる導電部が設けられ、アンテナ接地部112が、この導電部に接続される。
【0078】
そして、図6(a)は、周波数Faが820MHz以上、950MHz以下の特性を例示し、図6(b)は、周波数Faが1900MHz以上、2200MHz以下の特性を例示している。図6(a)及び図6(b)の横軸は、周波数Faであり、縦軸は、アンテナ効率Eaである。
【0079】
そして、図6(a)においては、800MHzの周波数帯におけるアンテナ効率Eaに関する推奨値及び最低要求値が示されている。すなわち、周波数Faが約835MHzのときの推奨値A835と、周波数Faが約835MHzのときの最低要求値B835と、が示されている。そして、周波数Faが約880MHzのときの推奨値A880と、周波数Faが約880MHzのときの最低要求値B880と、が示されている。
【0080】
そして、図6(b)においては、2GHzの周波数帯におけるアンテナ効率Eaに関する推奨値と最低要求値とが示されている。すなわち、周波数Faが約1950MHzのときの推奨値A1950と、周波数Faが約1950MHzのときの最低要求値B1950と、が示されている。そして、周波数Faが約2140MHzのときの推奨値A2140と、周波数Faが約2140MHzのときの最低要求値B2140と、が示されている。
【0081】
アンテナ効率Eaが最低要求値よりも高いことが要求される。そして、アンテナ効率Eaが推奨値よりも高いことがより望ましい。
【0082】
図6(a)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10、及び、20mmの場合Y20のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約835MHzにおいては、推奨値A835を下回るものの、最低要求値B835よりも高い。そして、周波数Faが約880MHzにおいては、最低要求値B880及び推奨値A880よりもアンテナ効率Eaは高い。
【0083】
そして、図6(b)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10、及び、20mmの場合Y20のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約1950MHz及び約2140MHzにおいて、最低要求値B1950及びB2140、並びに、推奨値A1950及びA2140よりも高い。
【0084】
このように、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、良好な電波特性が得られる。
なお、図6(a)及び図6(b)に表したように、車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yが10mmの場合Y10よりも20mmの場合Y20の方が、アンテナ効率Eaが高くなる傾向を示す。車載通信モジュール101の高さ方向の長さ101yは、電波の受発信に関する特性と、車載通信モジュール101の小型化と、の観点で適正に設定される。
【0085】
図7は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の別の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、図7(a)及び図7(b)は、車載情報通信装置201に関する特性のシミュレーション結果を例示している。本シミュレーションにおいては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが3種類に変化された。
【0086】
すなわち、車載通信モジュール101の左右方向の長さ101xは170mmとされ、高さ方向の長さ201yは20mmとされた。そして、奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20と、長さ101zが30mmの場合Z30と、長さ101zが40mmの場合Z40と、がシミュレーションされた。なお、長さ101zが20mmの場合Z20は、図6に例示した高さ方向の長さ101yが20mmの場合Y20と同じ状態である。
【0087】
そして、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の内部の一番前側の部分に設置されるものとした。すなわち、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zに係わらず、アンテナ素子部111は、車載通信モジュール101の一番前に配置され、奥行き方向の長さ101zが大きくなると、アンテナ素子部111と、装置本体230(装置筐体231)の後退部235の後退部前面235fと、の距離が離れる。
【0088】
なお、この場合も、後退部235の形状及びサイズは、車載通信モジュール101の形状及びサイズと同等とした。装置本体230のサイズは、図6(a)及び図6(b)に関して説明したものと同様である。
【0089】
そして、本シミュレーションにおいても、第1状態ST1の特性がシミュレーションされた。この場合も、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112は、入出力部220に電気的に(直流的及び交流的に)接続されるものとした。
【0090】
図7(a)に表したように、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20、30mmの場合Z30、及び、40mmの場合Z40のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約835MHzにおいては、推奨値A835を下回るものの、最低要求値B835よりも高い。そして、周波数Faが約880MHzにおいては、最低要求値B880及び推奨値A880よりもアンテナ効率Eaは高い。
【0091】
そして、図7(b)に表したように、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが20mmの場合Z20、30mmの場合Z30、及び、40mmの場合Z40のいずれの場合も、アンテナ効率Eaは、周波数Faが約1950MHz及び約2140MHzにおいて、最低要求値B1950及びB2140、並びに、推奨値A1950及びA2140よりも高い。
【0092】
このように、本実施形態に係る車載情報通信装置201においては、良好な電波特性が得られる。
【0093】
なお、図7(a)に表したように、周波数Faが820MHz以上950MHz以下の範囲においては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zが大きいと、アンテナ効率Eaが高くなる傾向を示す。一方、図7(b)に表したように、周波数Faが約1950MHzにおいては、車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zに係わらずアンテナ効率Eaはほぼ一定であり、周波数Faが約2050MHz以上2200MHz以下の範囲においては、長さ101zが大きいと、アンテナ効率Eaが低くなる傾向を示す。車載通信モジュール101の奥行き方向の長さ101zは、電波の受発信に関するこのような特性と、車載通信モジュール101の小型化と、の観点で適正に設定される。
【0094】
図8は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図8(a)〜図8(c)は、本実施形態に係る3種類の車載情報通信装置201a〜201c、及び、3種類の車載通信モジュール301a〜301cの構成を例示している。これらの図は、図1のA1−A2線断面の一部に相当する断面図である。なお、これらの図において、車載通信モジュールに含まれるアンテナ接地部112以外の要素、装置本体230に含まれる装置筐体231以外の要素、及び、入出力部220に含まれる導電部220c以外の要素は、省略されている。
【0095】
図8(a)に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置201aにおいては、車載通信モジュール301aのモジュール前面101f(すなわち、モジュール筐体前面140f)から、アンテナ接地部112が露出している。本具体例では、アンテナ接地部112に、導電性の凸部112pが設けられている。これにより、凸部112pと、入出力部220の導電部220cと、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続されることができる。
【0096】
なお、導電部220cは、入出力部220の例えば接地電極とすることができる。または、導電部220cは、例えば、入出力部220の接地電極と電気的に接続されている部分とすることができる。また、導電部220cは、接地電極とは異なる電位に設定されていても良い。さらに、導電部220cは、電位が固定されていない浮遊電位に設定されていてもよい。このように、導電部220cの電位は任意に設定できる。導電部220cとアンテナ接地部112とが、直流的に、または、交流的に接続されることで、導電部220cがアンテナ接地部の一部として動作することができる。これにより、電波の送受信の特性が向上できる。
【0097】
図8(b)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201bにおいては、車載通信モジュール301bのアンテナ接地部112に、導電性の板バネ状のバネ部112sが設けられている。これにより、バネ部112sと、入出力部220の導電部220cと、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続される。バネ部112sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部112sは、アンテナ接地部112と一体的に設けられても良い。
【0098】
図8(c)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201cにおいては、車載通信モジュール301cのアンテナ接地部112の表面は、平坦であるが、入出力部220の背面の側に、導電性のバネ部220sが設けられている。バネ部220sは、入出力部220の導電部220cに電気的に接続されている。これにより、バネ部220sと、アンテナ接地部112と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続される。この場合も、バネ部220sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部220sは、導電部220cと一体的に設けられても良い。
【0099】
このように、モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、を有し、アンテナ接地部112の少なくとも一部は、モジュール筐体前面140fの側においてモジュール筐体140から露出する。なお、この場合に、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体背面140rの側においてモジュール筐体140から露出する。
【0100】
そして、アンテナ接地部112は、導電性の凸部112p、及び、導電性のバネ部112sの少なくともいずれかを有することができる。また、入出力部220は、入出力部220の例えば接地電極となる導電部220cを有することができる。また、入出力部220は、導電部220cに接続されたバネ部220sをさらに有することができる。これにより、アンテナ接地部112と入出力部220との電気的な接続が維持し易くなり、安定した動作が実現できる。
【0101】
図9は、第1の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図9(a)〜(c)は、本実施形態に係る別の3種類の車載情報通信装置201d〜201f、及び、3種類の車載通信モジュール301d〜301fの構成を例示している。これらの図は、図1のA1−A2線断面の一部に相当する断面図である。
【0102】
図9(a)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201dにおいては、車載通信モジュール301dのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。本具体例では、アンテナ接地部112が装置本体230の装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。そして、本具体例においては、アンテナ接地部112に、導電性の凸部112pが設けられている。これにより、凸部112pと、装置本体230の装置筐体231と、が互いに接触し、または、近接できる。
【0103】
図9(b)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201eにおいても、車載通信モジュール301eのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。そして、アンテナ接地部112に、導電性の板バネ状のバネ部112sが設けられている。これにより、バネ部112sと、装置筐体231と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。バネ部112sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と装置筐体231との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部112sは、アンテナ接地部112と一体的に設けられても良い。
【0104】
図9(c)に表したように、本実施形態に係る別の車載情報通信装置201fにおいても、車載通信モジュール301fのモジュール底面101b(すなわち、モジュール筐体底面140b)から、アンテナ接地部112が露出している。そして、装置筐体231の上面(車載通信モジュール301fに対向する面)に、導電性のバネ部231sが設けられている。これにより、バネ部231sと、アンテナ接地部112と、が互いに接触し、または、近接できる。これにより、アンテナ接地部112は、装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続される。この場合も、バネ部231sを用いることにより、振動などの機械的な力が加えられても、アンテナ接地部112と装置筐体231との電気的な接続が維持し易い。なお、バネ部231sは、装置筐体231と一体的に設けられても良い。
【0105】
このように、モジュール筐体140は、モジュール筐体前面140fと、モジュール筐体前面140fとは反対の側のモジュール筐体背面140rと、モジュール筐体前面140fとモジュール筐体背面140rとに接続されたモジュール筐体底面140bと、を有し、アンテナ接地部112の少なくとも一部は、モジュール筐体底面140bの側においてモジュール筐体140から露出することができる。なお、この場合に、モジュールコネクタ部150は、モジュール筐体背面140rの側においてモジュール筐体140から露出することができる。
【0106】
そして、アンテナ接地部112は、導電性の凸部112p、及び、導電性のバネ部112sの少なくともいずれかを有することができる。また、装置筐体231は、バネ部231sをさらに有することができる。これにより、アンテナ接地部112と装置筐体231(装置本体230)との電気的な接続が維持し易くなり、安定した動作が実現できる。
【0107】
なお、車載情報通信装置201及び201a〜201fにおいて、装置筐体231には金属などの導電材料を用いることができるが、装置筐体231として樹脂材料を用いても良い。この場合において、アンテナ素子部111を装置筐体231に、直流的に、または、交流的に接続させる場合には、例えば装置筐体231の一部として導電材料を用い、この導電材料の部分とアンテナ素子部111とを、直流的に、または、交流的に接続させることができる。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る車載通信モジュール(例えば車載通信モジュール101)は、アンテナ素子部111と、アンテナ接地部112と、を有するアンテナ部110と、アンテナ素子部111及びアンテナ接地部112のそれぞれに電気的に接続された回路部120と、回路部120に電気的に接続され、車載情報通信装置201の装置本体230に接続されるためのモジュールコネクタ部150と、アンテナ接地部112の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、回路部120を格納するモジュール筐体140と、を備えることができる。
【0109】
なお、アンテナ素子部111は、アンテナ接地部112と電気的に接続されていない導電体から離して配置されることが望ましい。これにより、電波の受発信の特性が向上する。車載通信モジュール101が装置本体230に接続されている状態において、例えば、アンテナ素子部111は、装置筐体231から離れた位置に配置されるように設計される。例えば、アンテナ素子部111は、モジュール筐体140から離間している。これにより、アンテナ素子部111は、装置筐体231から離れた位置に配置されることができる。
【0110】
なお、本実施形態に係る車載通信モジュール101は、複数の電波の受発信を行うことができる。
すなわち、車載通信モジュール101は、例えば、第1アンテナ素子部と、第1アンテナ接地部と、を有する第1アンテナ部と、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第1回路部と、を有することができる。第1回路部は、例えば、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第1RF波部と、第1RF部に電気的に接続された第1ベースバンド部と、を含むことができる。
【0111】
そして、車載通信モジュール101は、例えば、第1アンテナ素子部とは異なる通信方式及び異なる周波数帯の少なくともいずれかに対応した第2アンテナ素子部と、第2アンテナ接地部と、を有する第2アンテナ部と、第2アンテナ素子部及び第2アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第2回路部と、をさらに有することができる。第2回路部は、例えば、第2アンテナ素子部及び第2アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された第2RF部と、第2RF部に電気的に接続された第2ベースバンド部と、を含むことができる。
【0112】
そして、モジュールコネクタ部150は、第1回路部及び第2回路部に電気的に接続される。そして、モジュール筐体140は例えば、第1アンテナ接地部の少なくとも一部と、第2アンテナ接地部の少なくとも一部と、モジュールコネクタ部150と、を露出させ、第1回路部及び第2回路部を格納する。
【0113】
これにより、本実施形態に係る車載通信モジュール101は、複数の電波の受発信を行うことができる。
例えば、800MHz(例えば携帯電話用)と、1.5GHz(例えば携帯電話用やGPS用)と、の2つの周波数帯の受発信を行うことができる。また、1.5GHz(例えば携帯電話用やGPS用)と、2.5GHz(例えばWorldwide Interoperability for Microwave Access用や、道路交通情報通信システムの電波ビーコンなど用)と、の2つの周波数帯の受発信を行うことができる。本実施形態はこれに限らず、任意の2つ以上の周波数帯の受発信を行うことができる。
【0114】
(第2の実施の形態)
図10は、第2の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図10に表したように、本実施形態に係る車載情報通信装置202も、装置本体230と、入出力部220と、を備える。
【0115】
そして、装置本体230は、複数の装置コネクタ部を有する。本具体例では、装置本体230は、第1〜第4装置コネクタ部250a〜250dを有する。そして、装置筐体231は、これらの複数の装置コネクタ部(第1〜第4装置コネクタ部250a〜250d)を露出する。
【0116】
そして、複数の装置コネクタ部(第1〜第4装置コネクタ部250a〜250d)のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能である。
【0117】
本具体例では、第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dが用いられる。
第1車載通信モジュール302aは、第1アンテナ素子部(図示しない)と、第1アンテナ接地部312aと、を有する第1アンテナ部(図示しない)と、第1アンテナ素子部及び第1アンテナ接地部312aのそれぞれに電気的に接続された第1回路部(図示しない)と、第1回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置202の装置本体230に接続されるための第1モジュールコネクタ部(図示しない)と、第1アンテナ接地部312aの少なくとも一部と、第1モジュールコネクタ部と、を露出させ、第1回路部を格納する第1モジュール筐体340aと、を備えることができる。
【0118】
同様に、第2〜第4車載通信モジュール302b〜302dのそれぞれは、第2〜第4アンテナ素子部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dと、を有する第2〜第4アンテナ部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ素子部及び第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dのそれぞれに電気的に接続された第2〜第4回路部(図示しない)と、第2〜第4回路部のそれぞれに電気的に接続され、車載情報通信装置202の装置本体230に接続されるための第2〜第4モジュールコネクタ部(図示しない)と、第2〜第4アンテナ接地部312b〜312dの少なくとも一部と、第2〜第4モジュールコネクタ部と、をそれぞれ露出させ、第2〜第4回路部を格納する第2〜第4モジュール筐体340b〜340dと、をそれぞれ備えることができる。
【0119】
第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、例えば車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
そして、第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、互いに異なる特性を有することができる。第1〜第4車載通信モジュール302a〜302dのそれぞれは、互いに異なる通信方式及び互いに異なる周波数帯の少なくともいずれかの電波の受発信を行うことができる。
【0120】
本具体例では、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数は4つであるが、装置コネクタ部の数は任意である。また、装置本体230に接続される車載通信モジュールの数は任意である。例えば、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数が4つである場合において、1つの装置コネクタ部のみに車載通信モジュールが接続され、3つの装置コネクタ部には車載通信モジュールが接続されていない状態で、車載情報通信装置202が使用されても良い。
【0121】
すなわち、装置本体230に設けられる装置コネクタ部の数がN(Nは1以上の整数)である場合において、装置本体230に接続される車載通信モジュールの数は、1以上、N以下の任意の数とすることができる。
【0122】
そして、装置本体230に複数の車載通信モジュールが接続される場合において、複数の車載通信モジュールの仕様(例えば、通信方式及び周波数帯の少なくともいずれかを含む)は、互いに異なることができる。ただし、本実施形態において、互いに同じ仕様を有する複数の車載通信モジュールが、装置本体230に接続されても良い。
【0123】
このように、装置本体230に複数の車載通信モジュールが接続される場合においても、複数の車載通信モジュールのそれぞれにおいて、それぞれのアンテナ接地部(例えば、第1〜第4アンテナ接地部312a〜312dの少なくともいずれか)の少なくとも一部は、それぞれのモジュール前面の側においてモジュール筐体から露出することができる。そして、それぞれのモジュールコネクタ部は、それぞれのモジュール背面の側においてモジュール筐体から露出することができる。
【0124】
また、それぞれのアンテナ接地部(例えば、第1〜第4アンテナ接地部312a〜312dの少なくともいずれか)の少なくとも一部は、それぞれのモジュール底面の側においてモジュール筐体から露出することができる。
【0125】
本実施形態に係る車載情報通信装置202によれば、車載通信モジュールの仕様を単純化することができるため、車載通信モジュールの開発期間を短縮でき、また、車載通信モジュールを低価格化できる。そして、使用者は、必要とする仕様の車載通信モジュールを選択して用いれば良く、より便利になる。これにより、より短期間でより安価に、車載通信モジュールの通信仕様の変更を行うことができる。これにより、使用者は、通信技術の進歩をより享受し易くなる。
【0126】
本実施形態においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供できる。
【0127】
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図11(a)及び図11(b)は、本実施形態に係る車載情報通信装置203の2つの状態を例示している。
図11(a)及び図11(b)に表したように、車載情報通信装置203は、装置本体230と、入出力部220と、車載通信モジュール303と、を備える。車載通信モジュール303は、車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
【0128】
車載情報通信装置203においては、入出力部220の装置本体230に対する角度は固定されている。すなわち、通常の使用状態においては、入出力部220は、装置本体230の装置本体前面230fを覆う。そして、入出力部220は、装置本体230から比較的容易に取り外しが可能とされている。
【0129】
図11(a)は、入出力部220が、装置本体230の装置本体前面230fを覆う、通常の使用状態を例示しており、図11(b)は、入出力部220が装置本体230から取り外された状態を例示している。
【0130】
図11(b)に表したように、例えば、装置本体前面230fには、入出力部220に接続されるための装置本体前面コネクタ部230fcが設けられている。そして、入出力部220の背面の側(表示部221の表示面とは反対の側)には、図示しないコネクタが設けられており、このコネクタが、装置本体前面コネクタ部230fcと接続される。そして、入出力部220は、装置本体230に、図示しないビスなどの治具により、取り付けられることができる。そして、ビスなどの治具を外すことで、入出力部220は、装置本体230から取り外される。
【0131】
図11(a)に例示した状態は、入出力部220が装置本体230の装置本体前面230f(装置コネクタ部250が設けられる側の面)を覆う面積が大きい第1状態ST1に相当し、図11(b)に例示した状態は、入出力部220が装置本体前面230fを覆う面積が、第1状態ST1よりも小さい第2状態ST2に相当する。
【0132】
そして、第2状態ST2において、車載通信モジュール303は入出力部220から露出しているので、車載通信モジュール303は、装置本体230(装置筐体231)から分離可能である。
【0133】
そして、この場合も、第1状態ST1においては、アンテナ接地部112が入出力部220に、直流的に、または、交流的に接続されることができる。
【0134】
本実施形態においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応可能な車載通信モジュール及び車載情報通信装置を提供できる。
本実施形態においても、第1実施形態に関して説明したように、車載通信モジュールは、異なる通信方式及び異なる周波数帯の少なくともいずれかの電波を受発信することができる。また、本実施形態においても、第2実施形態に関して説明したように、装置本体230は、複数の装置コネクタ部を有し、装置筐体231は、複数の装置コネクタ部を露出させ、複数の装置コネクタ部のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能とすることができる。
【0135】
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施形態に係る車載情報通信装置の構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図12(a)及び図12(b)は、本実施形態に係る車載情報通信装置204の2つの状態、すなわち、第1状態ST1及び第2状態ST2をそれぞれ例示している。
【0136】
図12(a)及び図12(b)に表したように、車載情報通信装置204は、装置本体230と、入出力部220と、車載通信モジュール304と、を備える。車載通信モジュール304は、車載通信モジュール101と同様の構成を有することができる。
【0137】
図12(b)に表したように、本実施形態においては、装置筐体231は、略直方体の形状を有しており、第1の実施形態に関して説明した後退部235が設けられていない。そして、装置筐体231の上面に、装置コネクタ部250が設けられている。
【0138】
車載通信モジュール304は、装置筐体231の前面の側で、装置筐体231の上に設置される。そして、車載通信モジュール304の図示しないモジュールコネクタ部150が、装置筐体231の上面の装置コネクタ部250に接続される。
【0139】
このような構成を有する車載情報通信装置204においても、アンテナの設置作業を不要にし、通信仕様の変更に対応できる。
【0140】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、車載通信モジュールに含まれるアンテナ部、アンテナ素子部、アンテナ接地部、回路部、RF部、ベースバンド部、モジュールコネクタ部及びモジュール筐体、並びに、車載情報通信装置に含まれる装置本体、装置コネクタ部、装置筐体、入出力部及び表示部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0141】
その他、本発明の実施の形態として上述した車載通信モジュール及び車載情報通信装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての車載通信モジュール及び車載情報通信装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0142】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0143】
101…車載通信モジュール、 101b…モジュール底面、 101f…モジュール前面、 101r…モジュール背面、 101x、101y、101z…長さ、 110…アンテナ部、 111…アンテナ素子部、 112…アンテナ接地部、 112p…凸部、 112s…バネ部、 113…絶縁基板、 120…回路部、 121…RF部、 122…ベースバンド部、 140…モジュール筐体、 140b…モジュール筐体底面、 140f…モジュール筐体前面、 140r…モジュール筐体背面、 142、143…取り付け治具、 146…モジュール底部、 147…モジュール蓋部、 150…モジュールコネクタ部、 201、201a〜201f、202、203、240…車載情報通信装置、 201x、201y、201z…長さ、 210…車載装置、 220…入出力部、 220c…導電部、 220s…バネ部、 221…表示部、 222…入力部、 230…装置本体、 230f…装置本体前面、 230fc…装置本体前面コネクタ部、 231…装置筐体、 231f…装置筐体前面、 231s…バネ部、 235…後退部、 235f…後退部前面、 235p…凹凸部、 235t…後退部上面、 242、243…取り付け治具、 250…装置コネクタ部、 250a〜250d…第1〜第4装置コネクタ部、 271…ディスク挿入口、 272…磁気ディスク挿入口、 273…接続端子、 301a〜301f、303、304…車載通信モジュール、 302a〜302d…第1〜第4車載通信モジュール、 312a〜312d…第1〜第4アンテナ接地部、 340a〜340d…第1〜第4モジュール筐体、 A835、A880、A1950、A2140…推奨値、 B835、B880、B1950、B2140…最低要求値、 Ea…アンテナ効率、 Fa…周波数、 ST1、ST2…第1及び第2状態、 Y10、Y20、Z20、Z30、Z40…場合
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有するアンテナ部と、
前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部と、
前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部と、
前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体と、
を備えたことを特徴とする車載通信モジュール。
【請求項2】
前記モジュール筐体は、モジュール筐体前面と、前記モジュール筐体前面とは反対の側のモジュール筐体背面と、を有し、
前記アンテナ接地部の前記少なくとも一部は、前記モジュール筐体前面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項1記載の車載通信モジュール。
【請求項3】
前記モジュール筐体は、モジュール筐体前面と、前記モジュール筐体前面とは反対の側のモジュール筐体背面と、前記モジュール筐体前面と前記モジュール筐体背面とに接続されたモジュール筐体底面と、を有し、
前記アンテナ接地部の前記少なくとも一部は、前記モジュール筐体底面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項1記載の車載通信モジュール。
【請求項4】
前記モジュールコネクタ部は、前記モジュール筐体背面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項2または3に記載の車載通信モジュール。
【請求項5】
前記回路部は、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続されたRF部と、前記RF部に電気的に接続されたベースバンド部と、を有し、
前記モジュールコネクタ部は、前記ベースバンド部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車載通信モジュール。
【請求項6】
アンテナ部と、前記アンテナ部に電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続されたモジュールコネクタ部と、を有する車載通信モジュールと、
前記モジュールコネクタ部に接続される装置コネクタ部と、前記装置コネクタ部を露出させた状態を有する装置筐体と、を有する装置本体と、
表示部を有する入出力部と、
を備え、
前記車載通信モジュールは、前記装置筐体から分離可能であることを特徴とする車載情報通信装置。
【請求項7】
前記アンテナ部は、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有し、
前記アンテナ接地部は、前記装置本体及び前記入出力部の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することを特徴とする請求項6記載の車載情報通信装置。
【請求項8】
前記車載通信モジュールは、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体をさらに有することを特徴とする請求項7記載の車載情報通信装置。
【請求項9】
前記装置筐体は、前記装置筐体の上部において、前記装置筐体の装置筐体前面から後退した後退部を有し、
前記後退部の、前記装置筐体前面から後退した後退部前面において、前記装置コネクタ部が前記装置筐体から露出可能であり、
前記後退部に前記車載通信モジュールが格納可能であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【請求項10】
前記入出力部は、
前記装置本体の前記装置コネクタ部が設けられる側の装置本体前面を前記入出力部が覆う面積が大きい第1状態と、
前記装置本体前面を前記入出力部が覆う面積が、前記第1状態よりも小さい第2状態と、
を有し、
前記第1状態において、前記アンテナ接地部が前記入出力部に、直流的に、または、交流的に接続されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【請求項11】
前記装置本体は、複数の前記装置コネクタ部を有し、
前記装置筐体は、前記複数の前記装置コネクタ部を露出させ、
前記複数の前記装置コネクタ部のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の前記車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【請求項1】
電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有するアンテナ部と、
前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続された回路部と、
前記回路部に電気的に接続され、車載情報通信装置の装置本体に接続されるためのモジュールコネクタ部と、
前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体と、
を備えたことを特徴とする車載通信モジュール。
【請求項2】
前記モジュール筐体は、モジュール筐体前面と、前記モジュール筐体前面とは反対の側のモジュール筐体背面と、を有し、
前記アンテナ接地部の前記少なくとも一部は、前記モジュール筐体前面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項1記載の車載通信モジュール。
【請求項3】
前記モジュール筐体は、モジュール筐体前面と、前記モジュール筐体前面とは反対の側のモジュール筐体背面と、前記モジュール筐体前面と前記モジュール筐体背面とに接続されたモジュール筐体底面と、を有し、
前記アンテナ接地部の前記少なくとも一部は、前記モジュール筐体底面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項1記載の車載通信モジュール。
【請求項4】
前記モジュールコネクタ部は、前記モジュール筐体背面の側において前記モジュール筐体から露出することを特徴とする請求項2または3に記載の車載通信モジュール。
【請求項5】
前記回路部は、前記アンテナ素子部及び前記アンテナ接地部のそれぞれに電気的に接続されたRF部と、前記RF部に電気的に接続されたベースバンド部と、を有し、
前記モジュールコネクタ部は、前記ベースバンド部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車載通信モジュール。
【請求項6】
アンテナ部と、前記アンテナ部に電気的に接続された回路部と、前記回路部に電気的に接続されたモジュールコネクタ部と、を有する車載通信モジュールと、
前記モジュールコネクタ部に接続される装置コネクタ部と、前記装置コネクタ部を露出させた状態を有する装置筐体と、を有する装置本体と、
表示部を有する入出力部と、
を備え、
前記車載通信モジュールは、前記装置筐体から分離可能であることを特徴とする車載情報通信装置。
【請求項7】
前記アンテナ部は、電波の送信及び受信の少なくといずれかを行うアンテナ素子部と、固定電位または浮遊電位に設定されるアンテナ接地部と、を有し、
前記アンテナ接地部は、前記装置本体及び前記入出力部の少なくともいずれかに、直流的に、または、交流的に接続される状態を有することを特徴とする請求項6記載の車載情報通信装置。
【請求項8】
前記車載通信モジュールは、前記アンテナ接地部の少なくとも一部と、前記モジュールコネクタ部と、を露出させ、前記回路部を格納するモジュール筐体をさらに有することを特徴とする請求項7記載の車載情報通信装置。
【請求項9】
前記装置筐体は、前記装置筐体の上部において、前記装置筐体の装置筐体前面から後退した後退部を有し、
前記後退部の、前記装置筐体前面から後退した後退部前面において、前記装置コネクタ部が前記装置筐体から露出可能であり、
前記後退部に前記車載通信モジュールが格納可能であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【請求項10】
前記入出力部は、
前記装置本体の前記装置コネクタ部が設けられる側の装置本体前面を前記入出力部が覆う面積が大きい第1状態と、
前記装置本体前面を前記入出力部が覆う面積が、前記第1状態よりも小さい第2状態と、
を有し、
前記第1状態において、前記アンテナ接地部が前記入出力部に、直流的に、または、交流的に接続されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【請求項11】
前記装置本体は、複数の前記装置コネクタ部を有し、
前記装置筐体は、前記複数の前記装置コネクタ部を露出させ、
前記複数の前記装置コネクタ部のそれぞれは、互いに異なる特性を有する複数の前記車載通信モジュールのそれぞれのモジュールコネクタ部に接続可能であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の車載情報通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−228816(P2011−228816A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94414(P2010−94414)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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