説明

車高検出装置

【課題】 従来の車高検出装置は、レバーの回動角度を検知する車高センサを車体フレーム外面に取付け、該レバーを連結ロッドの一端に連結し、該連結ロッドの他端を車軸に固着して構成されていた。この車高検出装置は可動部分や開口部が露出しており、タイヤにより巻き上げられる汚泥や水により、故障し易かった。
【解決手段】 車体フレーム30と前車軸32との間のサスペンションとしては板バネ31が用いられ、後車軸35との間のサスペンションとしてはエアサスペンション34が用いられている。車体フレーム30に、モールド型の前後方向用バネ上傾斜角センサ3を設置する。高さHの基準車高位置Aから前後方向車高検出位置Bまでの長さをLとすると、エアサスペンション34が車体フレーム30を押し上げ、前後方向の傾斜角αが検出された場合、前後方向車高検出位置Bの車高は、H+L・sinαと算出される。前後方向用バネ上傾斜角センサ3には、露出した可動部分や開口部がないので、汚泥や水により故障することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアサスペンションを具備する車両における車高検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車高検出装置は、レバーの回動角度を検知する車高センサを車体フレーム外面に取付け、該レバーを、車軸に一端を固着した連結ロッドの他端に回動自在に接続して構成されていた。そして、通常、車高が基準車高(その車両において正常とされる所定車高)である時、レバーは水平方向となるよう設定されている。
車軸に対して車体フレームが上ると(つまり車高が高くなると)、レバーが連結ロッドにより引き下げられて下方に回動されるので、その回動角度により車高が高くなったことが検出される。同様に、車軸に対して車体フレームが下がると(つまり車高が低くなると)、レバーが連結ロッドに押し上げられて上方に回動されるので、その回動角度により車高が高くなったことが検出される。
このような車高センサが開示されている文献としては、次のようなものがある。
【特許文献1】特開平11−005422号公報
【特許文献2】特開2002−307925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した従来の車高検出装置には、次のような問題点があった。
(1)第1の問題点は、可動部分が多く、それらに関係した機械的な故障が発生し易いという点である。
例えば、前記した連結ロッドやレバーは勿論可動部分であるし、レバーに接続された車高センサ内の部分も可動部分である。車軸から連結ロッドを介してレバーに急激に大きな力が加えられたりすると、レバーが破損することがある。それを防止するためにレバーを太くして強度を向上させると、重量が増加してしまうという難点も出て来る。
【0004】
(2)第2の問題点は、汚泥や水が侵入し易いという点である。
従来の車高検出装置は、車軸と車体フレーム外面との間にかけて設置されているので、タイヤにより巻き上げられた汚泥や水がかかり易い所に位置することになる。ところが、車高センサにはレバーが回動するための余地を与えるための開口部がどうしても必要であり、その開口部から汚泥や水が侵入し易く、故障の原因となる。
【0005】
(3)第3の問題点は、可動部分が氷結により破損することがあるという点である。
冬季には、タイヤにより巻き上げられた雪や水が可動部分に付着するが、停車中等にこれらが氷結し、車高センサを作動不能に陥らせたり、破損させてしまったりする。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明では、前車軸のサスペンションとして板バネを具え、後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置であって基準車高の高さにある基準車高位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、前後方向車高変化分を演算する前後方向車高変化演算部と、基準車高と該前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部とを具えることとした。
【0007】
また、前車軸のサスペンションとして板バネを具え、後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ下傾斜角センサと、前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置であって基準車高の高さにある基準車高位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記前後方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、前後方向車高変化分を求める前後方向車高変化演算部と、基準車高と該前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部とを具えることとした。
【0008】
前記した車高検出装置それぞれにおいて、エアサスペンションのエア圧を検出するエア圧センサと、検出されたエア圧を基にサスペンションより上の重量を求めるバネ上重量演算部と、演算した該重量を基に基準車高位置の基準車高を修正する前軸車高演算部とを更に具え、車高演算部での演算時に基準車高の代わりに修正された基準車高を用いて、前後方向車高検出位置の車高を求めるようにしてもよい。
【0009】
また、前車軸および後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、前後方向車高変化分を演算する前後方向車高変化演算部と、前車軸上方の前記所定位置の高さを検出するよう設置された車高センサと、該車高センサで検出した高さと前記前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部とを具えるように構成することも出来る。
【0010】
更に、前車軸および後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ下傾斜角センサと、前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記前後方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、前後方向車高変化分を求める前後方向車高変化演算部と、前車軸上方の前記所定位置の高さを検出するよう設置された車高センサと、前記車高センサで検出した高さと前記前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部とを具えるように構成することも出来る。
【0011】
前記した各車高検出装置において、前後方向車高検出位置から左右いずれかの方向に離れて設置され、左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ上傾斜角センサと、前後方向車高検出位置から車体部分の左右方向に離れて定められた左右方向車高検出位置までの左右方向所定長と、前記左右方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、左右方向車高変化分を演算する左右方向車高変化演算部とを更に具え、車高演算部で前後方向車高検出位置の車高に更に左右方向車高変化分を加算して左右方向車高検出位置の車高を求めるようにすれば、サスペンションにより車体が左右方向に傾斜した場合でも、車高を正確に求めらることが可能となる。
【0012】
同様に、前後方向車高検出位置から左右いずれかの方向に離れてサスペンションより上方にある車体部分に設置され、左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ上傾斜角センサと、サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ下傾斜角センサと、前後方向車高検出位置から車体部分の左右方向に離れて定められた左右方向車高検出位置までの左右方向所定長と、前記左右方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記左右方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、左右方向車高変化分を演算する左右方向車高変化演算部とを更に具え、車高演算部で前後方向車高検出位置の車高に更に左右方向車高変化分を加算して左右方向車高検出位置の車高を求めるようにすれば、地面の左右方向の傾斜およびサスペンションにより車体が左右方向に傾斜した場合でも、車高を正確に求めらることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車高検出装置によれば、次のような効果を奏する。
(1)外部に出ている可動部分もなく、外部に開いた開口部もない傾斜角センサを用いて車高を検出するようにしたので、車軸等から大きな力が加えられることがなく、それに起因する機械的故障というものが皆無となった。
(2)開口部がない傾斜角センサを用いたので、タイヤにより巻き上げられる汚泥や水が侵入することがなく、それらを原因とする故障もなくなった。
(3)可動部分がないので、タイヤにより巻き上げられた雪や水が表面にかかって氷結したとしても、作動不能に陥ったり、破損させられたりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。図1において、30は車体フレーム、31は板バネ、32は前車軸、33は地面、34はエアサスペンション、35は後車軸である。また、点A〜Eは、それぞれ次のような点である。
A…基準車高位置(この例では、前車軸32の上方の車体フレーム30上の位置とする)B…前後方向車高検出位置(車両を前後方向に見て車高を検出したいとして定められた位置。この例では、後車軸35の上方の車体フレーム30上の位置としている)
C…点Aから地面33に垂直に下ろした垂線の足
D…点Bから地面33に垂直に下ろした垂線の足
E…点Aから直線BDに垂直に下ろした垂線の足
【0015】
更に、H,Lは次のような長さを表している。
H…基準車高の高さ(点Aの高さは、ほぼこの高さに保たれる。点Aが基準車高を保っている時、直線ACの長さは基準車高を表すことになる。)
L…基準車高位置Aから前後方向車高検出位置Bまでの長さ
図1(1)は、車両が水平な地面33上にあり、前後方向車高検出位置Bの高さも、基準車高Hとなっている状態を示している。左が前方、右が後方である。図面が煩雑となるのを避けるため、車両は車軸,車体フレームおよびサスペンションのみで簡略に示している。
【0016】
この例では、前車軸32に対するサスペンションとしては、板バネ31が用いられ、後車軸35に対するサスペンションとしては、エアサスペンション34が用いられている。トラック等では、前車軸32には主として運転席,エンジンルーム等の重量がかかるが、後車軸側に比べて重量の変化が少ないため、板バネ31で支持する場合がある。その場合、基準車高位置Aの高さはそれほど変化せず、ほぼ基準車高Hに保たれる(そう保たれるように、使用する板バネ31の種類,強さ等が予め選定されている)。
後車軸35にかかる重量は、積載される荷物の重量により大幅に変わる。荷重に応じてエアサスペンション34へのエア圧が調節され、車高が調節される。その調節されるべき車高がどの位置の車高かは、任意に設定することが出来るが、本発明では後車軸35上方の前記した点Bとしている。従って、車高調節のためには、B点の車高を検出する必要がある。
【0017】
図1(1)で車高を検出するのに使用するセンサは、前後方向用バネ上傾斜角センサ3であるが、これには、連結ロッドやレバー等といった可動部分がなく、開口部もないところの傾斜角センサを用いる。そのようなものとしては、例えば、プリモールドパッケージ型シリコーン容量式低加速度センサがある。
このセンサでは、傾斜が生じると(つまり加速度が変化すると)、センサ内の可動電極が変位して固定電極との間隔が変わり、両電極間の静電容量が変化する仕組みとなっている。そして、その変化を利用して傾斜角を検出する。検出信号の取り出しは、静電容量(C)の変化を電圧(V)に変換し(CV変換)、その電圧を増幅することによって行っている。なお、このようなセンサは公知である。
【0018】
図1(2)は、図1(1)において車体フレーム30を、X−Xの所で切断して矢印方向に見た断面を示している。車体フレーム30は、断面コの字型をしているが、前後方向用バネ上傾斜角センサ3は、その内側に取り付けられている。これは、前後方向用バネ上傾斜角センサ3の取付け位置の1例を示したものである。このような位置に、モールドされた傾斜角センサが取り付けられていれば、汚泥や水がかかることも少なく、それらがセンサ内部に侵入することもない。
【0019】
図1(3)は、エアサスペンション34のエア圧が大にされ、前後方向車高検出位置Bが押し上げられた状態を示している。車体フレーム30は前のめりに傾くから、車両全体としても前のめりの姿勢となっている。この傾斜角αは、前後方向用バネ上傾斜角センサ3によって検出されるが、このαと長さLと基準車高Hとに基づいて、前後方向車高検出位置Bの車高は、以下のようにして求められる。
【0020】
図1(4)は、前後方向車高検出位置Bの車高を求めるための解析図である。点A〜Eは前記した通りのものであり、hは点B,E間の長さである。エアサスペンション34の押し上げによる前後方向車高検出位置Bの変化分(上昇分)は、hである。直角三角形BAEにおいて、角Aはαであり、A,B間の長さはLであるから、hは次の(1)式で求められる。
h=L・sinα (1)
従って、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)は、次の(2)式で求められる。
H+h=H+L・sinα (2)
エアサスペンション34のエア圧が小にされた場合は、車体フレーム30の後方は下がり、傾斜角は「−α」として検出されるので、前後方向車高検出位置Bの車高はH−hとなる(このことは、以下の実施形態でも同様である。)。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態のブロック構成図である。図2において、1は車高検出装置、2は車高演算装置、21は前後方向車高変化演算部、22は車高演算部である。車高演算装置2は、運転席周辺に設置される車両のコントローラ(図示せず)内に構成される。コントローラは、CPUやメモリ等でコンピュータ的に構成されている。
車高検出装置1は、前後方向用バネ上傾斜角センサ3と車高演算装置2とから構成されている。そして、車高演算装置2は、更に前後方向車高変化演算部21と車高演算部22とにより構成されている。前後方向車高変化演算部21では、前後方向用バネ上傾斜角センサ3から検出されてくる傾斜角α等を基に、前記(1)式の演算を行う。車高演算部22は、前後方向車高変化演算部21の演算結果(h)を利用し、前記(2)式の演算を行う。即ち、前後方向車高検出位置Bの車高を最終的に演算する。
【0022】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。符号は図1のものに対応し、4は前後方向用バネ下傾斜角センサ、36,37は水平方向線である。前後方向用バネ下傾斜角センサ4も、前後方向用バネ上傾斜角センサ3と同様の傾斜センサであるが、これは前車軸32上に設置されている。これは必ずしも前車軸32上でなければならないというものではなく、サスペンションの伸縮により傾斜が影響されない位置であればよい。本願で「バネ下」との語は、その意味で使っている。
(なお、本願で「バネ上」との語は、サスペンションの伸縮によって傾斜が影響される位置という意味で使っている。前後方向用バネ上傾斜角センサ3は、車体フレーム30に取り付けられているが、この位置は、サスペンションの伸縮により傾斜が影響される位置である。)
【0023】
図5(1)は、車両が坂道等のように傾斜している地面33上にあり、前後方向車高検出位置Bの高さも、基準車高Hとなっている状態を示している。。
図5(2)は、エアサスペンション34のエア圧が大にされ、前後方向車高検出位置Bが押し上げられた状態を示している。車体フレーム30は地面33の傾斜も加わり、図1(3)の場合よりも更に前のめりに傾く。
この場合、前後方向用バネ下傾斜角センサ4が検出する角は、前車軸32の傾斜角であるが、この傾斜角は地面33自体の傾斜角に他ならない(なぜなら、前車軸32はエアサスペンション34の押し上げによる影響を受けてない)。水平線に対する地面33の傾斜角をα1 とすると、前後方向用バネ上傾斜角センサ3はα1 を検出する。
【0024】
一方、前後方向用バネ上傾斜角センサ3が検出した角をαとすると、この角は、地面33自体の傾斜角(α1 )に、エアサスペンション34の押し上げによる車体フレーム30の傾斜角が加わった角ということになる。
これらのセンサによって検出される角度(α,α1 )と長さLと基準車高Hとに基づいて、前後方向車高検出位置Bの車高は、以下のようにして求められる。
【0025】
図5(3)は、前後方向車高検出位置Bの車高を求めるための図である。符号は図1(4)のものに対応している。水平方向線37は点Cを通る水平線であるから、これと地面33とのなす角は、前後方向用バネ下傾斜角センサ4で検出された角α1 である。同様に、水平方向線36は点Aを通る水平線であるから、これと直線AE(地面33と平行な直線)とのなす角もα1 である。
前後方向用バネ上傾斜角センサ3で検出された角αは、車体フレーム30の水平に対する傾斜角であるから、水平方向線36と直線ABとのなす角ということになる。
従って、直角三角形BAEにおいて、角Aは(α−α1 )となり、A,B間の長さはLであるから、エアサスペンション34の押し上げによる前後方向車高検出位置Bの変化分(上昇分)hは、次の(3)式で求められる。
h=L・sin(α−α1 ) (3)
従って、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)は、次の(4)式で求められる。
H+h=H+L・sin(α−α1 ) (4)
【0026】
エアサスペンション34のエア圧が小にされた場合は、車体フレーム30の後方は下がり、傾斜角は「−α」として検出され、前後方向車高検出位置Bの車高は(H−h)となる。
図3は、本発明の第2の実施形態のブロック構成図である。符号は図2のものに対応している。前後方向車高変化演算部21では、前後方向用バネ上傾斜角センサ3,前後方向用バネ下傾斜角センサ4から検出されてくる傾斜角α,α1 等を基に、前記(3)式の演算を行う。車高演算部22は、前後方向車高変化演算部21の演算結果(h)を利用し、前記(4)式の演算を行う。即ち、前後方向車高検出位置Bの車高を最終的に演算する。
【0027】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。符号は図1のものに対応し、5はエア圧センサである。エア圧センサ5は、エアサスペンション34のエア圧(内圧)を検出するセンサである。
この実施形態は、積載される荷重が増加すると基準車高位置Aの高さは少し低くなるが、その低下も考慮に入れて、前後方向車高検出位置Bの車高を正確に検出しようとするものである。積載荷重が増加するにつれて板バネ31にかかる荷重も増え、板バネ31は沈み込むので、基準車高位置Aの高さは低くなる。即ち、厳密に言えば、基準車高Hより低くなる。前記した第1,第2の実施形態では、この低下分は無視していた。
【0028】
しかし、荷重が幾らかかった時には基準車高位置Aの低下量は幾らということは、予め実験等により知ることが出来る。一方、荷重の大きさは、その荷重に耐えるよう供給されるエアサスペンション34のエア圧と相関関係があるから、逆にエア圧を検出することにより、かけられた荷重を知ることが出来る。
従って、エア圧→荷重→低下量という順序で、基準車高位置Aの車高の低下量を知ることが出来る。
【0029】
この低下量をΔHとすると、その時の基準車高位置Aの高さH1 は、次の(5)式で求められる。
1 =H−ΔH (5)
図6で荷重がかけられ、それに応じてエアサスペンション34にエア圧が供給されて前後方向車高検出位置Bが押し上げられた場合の図は、図1(3)でHをH1 と読み替えた図となる。そして、図6の前後方向用バネ上傾斜角センサ3で検出された傾斜角をαだとすると、前後方向車高検出位置Bの車高を求めるための解析図は、図1(4)でHをH1 と読み替えた図となり、前後方向車高検出位置Bの車高(H1 +h)は、次の(6)式で求められる。
1 +h=(H−ΔH)+L・sinα (6)
【0030】
図4は、本発明の第3の実施形態のブロック構成図である。符号は図2のものに対応し、23はバネ上重量演算部、24は前軸車高演算部である。
前後方向車高変化演算部21は、車高変化分hの算出を行う。これは図1の場合と同じである(前記(1)式参照。h=L・sinα)
バネ上重量演算部23は、エア圧センサ5で検出されて来るエア圧を基に、バネ上重量(サスペンションの上にかかっている重量)を演算する。これは、エア圧と重量との関係を予めマップにして格納しておき、それを利用して求めてもよい。
【0031】
前軸車高演算部24は、バネ上重量演算部23で求めたバネ上重量を基に、前車軸32の上方にある基準車高位置Aの車高を演算する(前記(5)式の演算)。これも、バネ上重量と前記低下量ΔHとの関係(あるいは前記H1 との関係)を、予めマップにして格納しておき、それを利用して求めてもよい。
車高演算部22は、前後方向車高変化演算部21で演算した車高変化分hと、前軸車高演算部24で演算した基準車高位置Aの車高H1 とを基に、前後方向車高検出位置Bの車高(H1 +h)を求める演算を行う(前記(6)式の演算)。
【0032】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。符号は図6のものに対応し、4は前後方向用バネ下傾斜角センサである。前後方向用バネ下傾斜角センサ4は、図5の場合と同様、前車軸32上に設置されている。これは必ずしも前車軸32上でなければならないというものではなく、サスペンションが伸縮しても傾斜が変わらない位置であればよい。
図7は、図6で示したような実施形態の車両が、坂道等のように傾斜している地面33上に位置したとしても、地面の傾斜の影響を排除して、前後方向車高検出位置Bの車高を検出し得るようにしたものである。
【0033】
即ち、前後方向用バネ下傾斜角センサ4は、図5の場合と同様、地面33の水平線に対する傾斜角α1 を検出する役割を果している。従って、前記(3)式の場合と同様にして、車高変化分hは次の(7)式で求められる。
h=L・sin(α−α1 ) (7)
一方、基準車高位置Aの車高は、図6の場合と同様にしてエア圧センサ5の検出結果等を利用して、H1 (=H−ΔH)と求められるから、前後方向車高検出位置Bの車高(H1 +h)は、次の(8)式で求められる。
1 +h=(H−ΔH)+L・sin(α−α1 ) (8)
【0034】
図8は、本発明の第4の実施形態のブロック構成図である。符号は図3,図4のものに対応している。
前後方向車高変化演算部21は、車高変化分hの演算を行う(h=L・sin(α−α1 )の演算。前記(7)式参照)。
バネ上重量演算部23と前軸車高演算部24とは、図4で述べたように、基準車高位置Aの低下した車高H1 を求める演算を行う(H1 =H−ΔHの演算)。
車高演算部22は、前後方向車高変化演算部21で演算した車高変化分hと、前軸車高演算部24で演算した基準車高位置Aの車高H1 とを基に、前後方向車高検出位置Bの車高(H1 +h)を求める演算を行う(前記(8)式の演算)。
【0035】
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。符号は図1のものに対応し、6は車高センサ、38は連結ロッド、39はレバー、40はエアサスペンションである。
第1〜4の実施形態は、前車軸のサスペンションとしては板バネを用い、後車軸のサスペンションとしてはエアサスペンションを用いた車両(いわゆるリアエアサス車)についてのものであった。しかし、第5の実施形態は、全てのサスペンションとしてエアサスペンションを用いた車両(いわゆるフルエアサス車)についてのものである。
【0036】
フルエアサス車の場合、車体フレーム30の前部および後部は、エアサスペンションによりそれぞれ独立して上下させられるので、車体フレーム30の傾斜を検出するだけでは、前後方向車高検出位置Bの車高を求めることが出来ない(リアエアサス車の場合は、前車軸32のサスペンションが板バネ31であったので、基準車高位置Aは殆ど変化しないと見ることが出来、車体フレーム30の傾斜を手掛かりに前後方向車高検出位置Bの車高を求めることが出来た。)。
そこで、第5の実施形態では、基準車高位置Aの車高(H)は従来の車高センサ6を用いて検出し、前後方向車高検出位置Bの車高は第1の実施形態のように、前後方向用バネ上傾斜角センサ3で検出する傾斜角αを用いて求めることとしたものである。
【0037】
図9は、本発明の第5の実施形態のブロック構成図であり、符号は図2のものに対応している。図2の場合(第1の実施形態の場合)、基準車高位置Aの車高は予めHという所定値が与えられていたわけであるが、第5の実施形態では、車高センサ6により検出した値を、基準車高位置Aの車高として使用する。車高センサ6による検出車高値をHとすると、第5の実施形態の前後方向車高検出位置Bの車高を求める解析図は、第1の実施形態の解析図(図1(4))と同じになる。従って、第1の実施形態と同様の計算により、求めることが出来る(前記(2)式参照。H+h=H+L・sinα)。
【0038】
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。符号は図10のものに対応している。図10と相違する点は、前車軸32に前後方向用バネ下傾斜角センサ4が設置してある点である。
図11は、図10で示したような第5の実施形態の車両が、坂道等のように傾斜した地面33に位置したとしても、地面の傾斜の影響を排除して、前後方向車高検出位置Bの車高を検出し得るようにしたものである。
【0039】
前後方向用バネ下傾斜角センサ4は、図5の場合と同様、地面33の水平線に対する傾斜角α1 を検出する役割を果している。従って、前記(3)式の場合と同様にして、車高変化分hは次の(7)式で求められる。
h=L・sin(α−α1 ) (9)
一方、基準車高位置Aの車高は車高センサ6により検出されるが、その検出値をHとすると、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)は、次の(10)式で求められる。
H+h=H+L・sin(α−α1 ) (10)
【0040】
図12は、本発明の第6の実施形態のブロック構成図である。符号は図3,図9のものに対応している。前後方向車高変化演算部21は、地面33の傾斜角α1 を考慮に入れて、車高変化分hの演算を行う(h=L・sin(α−α1 )の演算。前記(9)式参照)。
車高演算部22は、前後方向車高変化演算部21で演算した車高変化分hと、車高センサ6で検出した基準車高位置Aの車高値Hとを基に、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)を求める演算を行う(前記(10)式の演算)。
【0041】
(第7の実施形態)
図14,15は、本発明の第7の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。ここでは再びリアエアサス車を例にとっている。符号は図1のものに対応し、41は車体フレーム、42,43は左右方向車体部材、44はエアサスペンションである。
第1〜第6の実施形態は、平地または前後方向に傾斜している地面上において、車両が前後方向に傾く場合の前後方向車高検出位置Bの車高を求めるものであった。しかし、エアサスペンションによる押し上げが左右で異なったり、地面が左右方向に傾斜していたりして、車体が左右方向に傾く場合もある。
第7の実施形態は、前後方向車高検出位置Bから左右方向に所定長だけ進んだ所定位置を左右方向車高検出位置Fと定め、地面33は傾斜していないが、エアサスペンションによる押し上げが左右で異なる場合において、その位置の車高を求めるものである(なお、後で説明する第8の実施形態は、地面33も傾斜している場合において、上記した左右方向車高検出位置Fの車高を求めるものである。図16参照)。
【0042】
さて、図14(1)は、第7の実施形態の車両を側方から見た図であり、側方から見た限りでは図1(1)と同じである。車体フレーム30には、前後方向用バネ上傾斜角センサ3が取り付けられている。
図14(2)は、その車両を上方から見た図である。車体フレーム30は車両の左側のフレームであり、車体フレーム41は右側のフレームである。左右方向車体部材42は、前車軸32の上方付近で左右のフレームを連結する部材であり、左右方向車体部材43は、後車軸35の上方付近で左右のフレームを連結する部材である。
【0043】
左右方向車高検出位置Fは、前後方向したように、前後方向車高検出位置Bより左右方向に、任意の所定長Kだけ離れた位置だと予め定めておく。左右方向車高検出位置Fの車高を求める手順は、次の通りである。
(1)まず、基準車高位置Aを基点とし、前後方向の傾斜を考慮に入れ、前後方向車高検出位置Bの車高を求める
(2)次に、前後方向車高検出位置Bを基点とし、左右方向の傾斜を考慮に入れ、左右方向車高検出位置Fの車高を求める
【0044】
左右方向用バネ上傾斜角センサ7は、前後方向車高検出位置Bを基点として、左右方向の傾斜を検出するためのセンサとして設置される。そのような検出を行い得る所であればどこでも設置してよいが、図では車体フレーム41の後車軸35上方付近に設置してある。なお、センサの種類は、前後方向用バネ上傾斜角センサ3と同種の傾斜センサである。
図14(3)は、車両の後方から見た図であり、44は車体フレーム41の下に配設されているエアサスペンションである。前後方向車高検出位置Bの車高H+hは、第1の実施形態の如くして求められる。この図の状態では、地面33も車体も左右方向には傾斜していないから、左右方向車高検出位置Fの車高は、前後方向車高検出位置Bのそれと同じでH+hである。
【0045】
図15(1)は、エアサスペンション44の方がより多く押し上げられ、車体が左右方向に傾斜している場合を示している。この場合の左右方向車高検出位置Fの車高は、図15(2)の解析図によって求められる。符号は図15(1),図1(4)のものに対応し、βは左右方向用バネ上傾斜角センサ7で検出された傾斜角、点Gは点Fから地面33に下ろした垂線の足、点Nは点Aより直線FGに下ろした垂線の足である。左右方向車高検出位置Fにおける車高変化分は、線分NF、つまりmである。
この車高変化分mは、直角3角形FBNに注目し、次の(11)式で求められる。
m=K・simβ (11)
左右方向車高検出位置Fの車高HF は、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)に、車高変化分mを足して求められるから、次の(12)式で求められる。
F =(H+h)+K・simβ (12)
【0046】
図13は、第7の実施形態のブロック構成図である。符号は図2のものに対応し、25は左右方向車高変化演算部である。
前後方向車高変化演算部21は、前後方向用バネ上傾斜角センサ3で検出した傾斜角αを基に、前後方向の車高変化分hを算出する演算(L・sinα)を行う。
左右方向車高変化演算部25は、左右方向用バネ上傾斜角センサ7で検出した傾斜角βを基に、左右方向の車高変化分mを算出する演算(K・simβ)を行う部分である。
車高演算部22は、予め与えられている基準車高Hと、算出したhとmとの3者を合計する(前記(12)式の演算)。
【0047】
(第8の実施形態)
図16は、本発明の第8の実施形態での車高検出メカニズムを示す図である。図16(1)の符号は図15(1)のものに対応し、8は左右方向用バネ下傾斜角センサである。図15(1)の図と相違している点は、地面33が傾斜しているという点と、後車軸35上に左右方向用バネ下傾斜角センサ8が設置されているという点である。後車軸35上では、サスペンションの伸縮により傾斜角が影響されることはなく、ここで検出される傾斜角は、地面33の傾斜角である。
【0048】
図16(2)は、左右方向車高検出位置Fの車高を求めるための解析図である。符号は図5(3),図15(2)のものに対応し、β1 は左右方向用バネ下傾斜角センサ8で検出される傾斜角、45は点Bを通る水平方向線、46は点Dを通る水平方向線である。
左右方向用バネ上傾斜角センサ7は、水平方向線45に対しての傾斜角βを検出し、左右方向用バネ下傾斜角センサ8は水平方向線46に対しての地面33の傾斜角β1 を検出する。従って、直角三角形FBNにおいて、角Bは(β−β1 )となり、B,F間の長さはKであるから、前後方向車高検出位置Bに対する左右方向車高検出位置Fの変化分(上昇分)mは、次の(13)式で求められる。
m=K・sim(β−β1 ) (13)
従って、左右方向車高検出位置Fの車高HF は、前後方向車高検出位置Bの車高(H+h)に、車高変化分mを足して求められるから、次の(14)式で求められる。
F =(H+h)+K・sim(β−β1 ) (14)
【0049】
図17は、第8の実施形態のブロック構成図である。符号は図13のものに対応している。図13と相違する点は、左右方向車高変化演算部25に、左右方向用バネ下傾斜角センサ8で検出した傾斜角β1 も、入力されている点である。これにより前記(13)式の演算を行うことが出来る。車高演算部22は、予め与えられている基準車高Hと、算出したhとmとの3者を合計する(前記(14)式の演算)。
【0050】
左右方向の傾斜をも考慮して所定位置の車高を求める例としては、第1の実施形態について適用する場合のみを説明した(第7,第8の実施形態)。しかし、第2〜第6の実施形態についても同様に適用し得ることは、もはや説明するまでもなく明らかであろう。本願は、そのように適用したものをも、開示技術としてカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図2】本発明の第1の実施形態のブロック構成図
【図3】本発明の第2の実施形態のブロック構成図
【図4】本発明の第3の実施形態のブロック構成図
【図5】本発明の第2の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図6】本発明の第3の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図7】本発明の第4の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図8】本発明の第4の実施形態のブロック構成図
【図9】本発明の第5の実施形態のブロック構成図
【図10】本発明の第5の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図11】本発明の第6の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図12】本発明の第6の実施形態のブロック構成図
【図13】本発明の第7の実施形態のブロック構成図
【図14】本発明の第7の実施形態での車高検出メカニズム(前半)を示す図
【図15】本発明の第7の実施形態での車高検出メカニズム(後半)を示す図
【図16】本発明の第8の実施形態での車高検出メカニズムを示す図
【図17】本発明の第8の実施形態のブロック構成図
【符号の説明】
【0052】
1…車高検出装置、2…車高演算装置、3…前後方向用バネ上傾斜角センサ、4…前後方向用バネ下傾斜角センサ、5…エア圧センサ、6…車高センサ、7…左右方向用バネ上傾斜角センサ、8…左右方向用バネ下傾斜角センサ、21…前後方向車高変化演算部、22…車高演算部、23…バネ上重量演算部、24…前軸車高演算部、25…左右方向車高変化演算部、30…車体フレーム、31…板バネ、32…前車軸、33…地面、34…エアサスペンション、35…後車軸、36,37…水平方向線、38…連結ロッド、39…レバー、40…エアサスペンション、41…車体フレーム、42,43…左右方向車体部材、44…エアサスペンション、45,46…水平方向線、H…基準車高、h…車高変化分、L…長さ、α,α1 ,β,β1 …傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前車軸のサスペンションとして板バネを具え、後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、
サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、
前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置であって基準車高の高さにある基準車高位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、前後方向車高変化分を演算する前後方向車高変化演算部と、
基準車高と該前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部と
を具えたことを特徴とする車高検出装置。
【請求項2】
前車軸のサスペンションとして板バネを具え、後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、
サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、
サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ下傾斜角センサと、
前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置であって基準車高の高さにある基準車高位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記前後方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、前後方向車高変化分を求める前後方向車高変化演算部と、
基準車高と該前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部と
を具えたことを特徴とする車高検出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車高検出装置において、
エアサスペンションのエア圧を検出するエア圧センサと、
検出されたエア圧を基にサスペンションより上の重量を求めるバネ上重量演算部と、
演算した該重量を基に基準車高位置の基準車高を修正する前軸車高演算部と
を更に具え、
車高演算部での演算時に基準車高の代わりに修正された基準車高を用いて、前後方向車高検出位置の車高を求めることを特徴とする車高検出装置。
【請求項4】
前車軸および後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、
サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、
前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、前後方向車高変化分を演算する前後方向車高変化演算部と、
前車軸上方の前記所定位置の高さを検出するよう設置された車高センサと、
該車高センサで検出した高さと前記前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部と
を具えたことを特徴とする車高検出装置。
【請求項5】
前車軸および後車軸のサスペンションとしてエアサスペンションを具えた車両の車高検出装置において、
サスペンションより上方にある車体部分に設置され、車体の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ上傾斜角センサと、
サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の前後方向の傾斜を検出する前後方向用バネ下傾斜角センサと、
前車軸のサスペンションより上方にある車体部分の所定位置から該車体部分の前後方向に離れて定められた前後方向車高検出位置までの前後方向所定長と、前記前後方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記前後方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、前後方向車高変化分を求める前後方向車高変化演算部と、
前車軸上方の前記所定位置の高さを検出するよう設置された車高センサと、
前記車高センサで検出した高さと前記前後方向車高変化分とを加算して前後方向車高検出位置の車高を求める車高演算部と
を具えたことを特徴とする車高検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載された車高検出装置において、
前後方向車高検出位置から左右いずれかの方向に離れて設置され、左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ上傾斜角センサと、
前後方向車高検出位置から車体部分の左右方向に離れて定められた左右方向車高検出位置までの左右方向所定長と、前記左右方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角とから、左右方向車高変化分を演算する左右方向車高変化演算部と
を更に具え、
車高演算部で前後方向車高検出位置の車高に更に左右方向車高変化分を加算して左右方向車高検出位置の車高を求めるようにした
ことを特徴とする車高検出装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載された車高検出装置において、
前後方向車高検出位置から左右いずれかの方向に離れてサスペンションより上方にある車体部分に設置され、左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ上傾斜角センサと、
サスペンションより下方にある車体部分に設置され、地面の左右方向の傾斜を検出する左右方向用バネ下傾斜角センサと、
前後方向車高検出位置から車体部分の左右方向に離れて定められた左右方向車高検出位置までの左右方向所定長と、前記左右方向用バネ上傾斜角センサで検出される傾斜角と前記左右方向用バネ下傾斜角センサで検出される傾斜角との角度差とから、左右方向車高変化分を演算する左右方向車高変化演算部と
を更に具え、
車高演算部で前後方向車高検出位置の車高に更に左右方向車高変化分を加算して左右方向車高検出位置の車高を求めるようにした
ことを特徴とする車高検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−160054(P2006−160054A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353651(P2004−353651)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】