説明

軟カプセル剤の粉付けシステム及び方法

カプセル粉付けシステムは管理された方法でカプセルを打ち粉にさらすよう設計されたものである。このシステムは、筐体内に設置された回転かごを内蔵する。回転かごにはカプセルが投入され、駆動軸に回転接続されている。粉噴射システムは、粉噴射システムに入れる打ち粉を計量する。粉噴射システムは、二点間を移動する粉噴射機を含む。一点では、粉供給システムにより、打ち粉が粉噴射機に投入される。もう一点では、粉噴射機は、回転かご内の打ち粉を噴射する場所に位置する。ガスは粉噴射機と流動的に連結しているため、回転かご内に打ち粉を散布することができる。浮遊微小粒子に関連した環境上、健康上そして安全上の危険を軽減するために、筐体がシステム内に打ち粉を収容している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して打ち粉による軟カプセル剤の粉付けに関連し、特に、安全性の向上と同時に、粉塵に関連した環境上の問題を減らす目的で、管理され、封じ込められた軟カプセル剤の粉付けのために回転かごに入れる打ち粉を計量するよう設計された、軟カプセル剤への粉付けシステム及び方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
軟カプセル剤は一般に、ゼラチン、可塑剤、水の混合物を薄いシート状に伸ばして作られるゼラチンシェルから成る。通常そのような調合で利用されるゼラチンは、皮膚、腱、靭帯、及び骨などの哺乳類のコラーゲン組織の部分加水分解によって得られたたんぱく質と形成されている。また、ゼラチンは魚にも由来する。そのようなゼラチンシートから形成されたカプセルは幅広い物質を保持することができる。軟カプセル剤のシェルは通常、ゼラチンに対して30〜40重量%の量の可塑剤をゼラチンに加え、含水量が5〜10%になるまでシェルを乾燥させることによって作られる。使用される調合に応じて、一旦軟カプセル剤が口中にふくまれると、ゼラチンは剤形の急速な分散を可能にする。
【0003】
「咀嚼可能軟」カプセルは、特に、快い咀嚼体験と口腔内において短時間に完全又は殆ど完全に溶解することの両者によって特徴付けられる、軟性ゼラチンカプセルの一種である。また、そのようなカプセルは、たとえば回転式金型によるカプセル化の際の過度の粘性やカプセル化後の取り扱い中の他のカプセルとの製品の粘着というような、特定の製造上の問題によっても特徴づけられる。高完成時含水量のゼラチンカプセルは通常、保管性能が悪く、ばら包装内で互いにくっつき塊を形成し、保管中に溶けてしまうことが多い。包装及び保管のためにカプセルを準備するために、カプセルは通常、カプセルを転動させつつ、制御された湿度水準にて加熱されたガスにさらす、1つ以上の乾燥器によって乾燥される。
【0004】
カプセル化の工程とタンブル乾燥工程に続いて、カプセルは包装のための最終準備における数々の工程に移すことができる。カプセルの粘性に対抗するひとつの追加工程は、打ち粉でカプセルをコーティングするつや出し器にカプセルを移すことである。ほとんどの場合、打ち粉はでんぷん、通常はじゃがいもやとうもろこしのでんぷんだが、タピオカでんぷん、小麦粉、もちとうもろこし(waxy corn)のでんぷん粉、部分アルファ化でんぷん及び他のでんぷんも有効である。次いで、カプセルを、均一なでんぷんのコーティングを生成するために転動させる。でんぷんコーティングは、カプセルが互いに粘着するのを防ぐ。コーティングされたカプセルから余分なでんぷんを除くために、カプセルは余分なコーティング材が振動によって取り除かれる振動ふるいに移される。
【0005】
追加の工程と装置を製造過程に有するという、明らかな不都合さに加え、コーティング過程に関連する他の問題がある。それらの問題のひとつは、でんぷん粒子が浮遊することによって起こる過度の粒子状物質による大気汚染である。浮遊微粒子は、呼吸の危険性だけではなく、同時に爆発の危険性もある。他の問題には、装置を操作する必要のある機械担当員の粉塵によって起こる呼吸に関連する問題、及びそれほどではないにしても、製造環境における不局限の粉に関連するメンテナンスの問題が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人と不可欠な装置とへの打ち粉の暴露を減らし、浮遊打ち粉によって引き起こされる爆発の可能性を減らす、打ち粉用の筐体を有するカプセルの粉付けシステムが求められている。また、この技術には、ふるう必要がなく、効率的に打ち粉を使用し、着実で制御可能なコーティングのできるシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
最も一般的な構成において、本発明は多様な新機能によって最先端の技術を促進し、新しく、今までにない方法により従来の装置の欠点を克服する。最も一般的な意味において、本発明は多くの通常有効な構成における従来技術の欠点と制限を克服する。本発明はこれら機能を明示し、新しく今までにない方法で、従来の方法の多くの欠点を克服する。
【0008】
打ち粉でカプセルをコーティングするカプセルの粉付けシステムは、回転かご、少なくともひとつの駆動軸、筐体、粉噴射システムを有する。本発明の一実施形態においては、回転かごは、かご内面とかご外面とによって円筒状に形成されているとともに、それぞれの側には外面から内面に延在する口を有している。かご内面には少なくともひとつの邪魔板が設けることができ、この邪魔板は、回転かごが回る際にカプセルと接触するように、かご内面から突出している。
【0009】
駆動軸は、回転かごと回転式に連結されている。回転かごは、かご内面に沿ってカプセルを転動させる駆動軸に対して回転する。筐体は回転かごを収容する区画を作っている。一実施形態においては、筐体は隔壁と閉じ蓋とを有する。隔壁と閉じ蓋とは協働し、閉鎖収納面と外面とを形成している。筐体は、打ち粉をシステム内部に収容するように作動する。
【0010】
粉噴射システムは粉噴射機を有することができる。粉噴射機は打ち粉を回転かご内に移動させる。本発明の一実施形態においては、筐体は、閉鎖収納面から外面に伸びる粉噴射口を有している。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、粉噴射システムは粉供給システムを備えている。粉供給システムは粉噴射機に入れる打ち粉を計量する。本発明の1つの特定の実施形態においては、粉噴射機はポケットとガス通路とを有する。ポケットは打ち粉を保持する。ガス通路はポケットとガス供給部とを流動的に連通している。粉噴射機は二点間を移動する。第1の位置は、粉を装填する位置である。粉噴射機が粉装填位置にある場合には、打ち粉が粉噴射機のポケットに計量されて装入される。打ち粉がポケット内に配置されると、粉噴射機は粉装填位置から粉噴射口を通じて噴射位置に移動する。噴射位置は、打ち粉の放出により打ち粉がカプセルと混合される場所に位置している。
【0012】
本発明の別の実施形態においては、回転かごはかごの外面に接触する導電ガスケットを有する。導電ガスケットは回転かごから駆動軸への電力経路を供給している。
【0013】
関連する実施形態においては、筐体は閉鎖収納面と回転かごの近位面との間に位置する少なくともひとつの抗スパーク緩衝器と、閉鎖収納面と回転かごの遠位面との間に位置する少なくともひとつの抗スパーク緩衝器を有する。抗スパーク緩衝器は回転かごが閉鎖収納面と接触するのを防いでいる。
【0014】
カプセルの粉付けシステムは打ち粉によってゼラチンカプセルを粉付けする方法の一部である。このような方法は、全体として、回転かごにカプセルを装填するステップ、回転かごを回転するステップ、回転かごの中に打ち粉を噴射するステップを使用する。
【0015】
カプセルを回転かごに装填した後、回転かごは回転する。駆動軸による回転かごの回転により、カプセルはかご内面に沿って転動する。この方法の次のステップは、粉噴射システムにより打ち粉を回転かごに噴射するステップである。回転かご境界内への打ち粉の噴射により打ち粉はカプセルと混合される。
【0016】
特定の一実施形態においては、打ち粉が回転かご内に噴射されるステップ中に、粉噴射機は粉装填位置から噴射位置に移動する。粉噴射機が粉装填位置にある場合には、打ち粉が粉噴射機内に配置される。粉噴射機が噴射位置にある場合には、ガスがガス供給器から制御可能に放出され、ガス通路を通過し、ポケットを通じて粉噴射機から排出されることにより、回転かご内に打ち粉が分散される。
【0017】
本発明の他の実施形態においては、打ち粉を噴射するステップ中に、粉噴射機はカプセルの表面積に関連する量の打ち粉を回転かご内に噴射する。関連する実施形態においては、打ち粉を噴射するステップ中に、粉供給システムはカプセルの表面積にしたがった所定の割合でポケット内に打ち粉の量を計量して装填する。
【0018】
本発明のシステムは、最新の技術における飛躍的な進歩を可能にする。さらに、本発明は、数多くの応用例に広く適用できる。様々な好適な実施形態の変化形、改良形、代替形、改変形は、好ましい実施形態の詳細説明と添付の図面とを参考にすることにより、当分野の技術者にはすぐに明らかであるので、単体の形で、又は互いの組み合わせの形で用いることができる。
【0019】
下記の特許請求の範囲に記載の本発明の技術的範囲を限定することなく、図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】乾燥かご、回転かご、及び筐体を原寸に比例していない形で表示する乾燥タンブラーと回転かごとの実施形態の透視図である。
【図2】乾燥かごと筐体内に設置された回転かごとを原寸に比例していない形で表示する乾燥タンブラーと回転かごとの実施形態の透視図である。
【図3】原寸に比例していない形で表示されている、粉装填位置にある粉噴射機を有するカプセルの粉付けシステムの実施形態を図2の平面3−3に沿った断面図である。
【図4】原寸に比例していない形で表示されている、噴射位置にある粉噴射機を有するカプセルの粉付けシステムの実施形態を図2の平面3−3で切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のカプセルの粉付けシステム及び方法は、最新の技術における飛躍的に進歩を可能にする。この装置の好ましい実施形態は、新しく今までにない要素の構成と、以前まで推奨され望まれていた機能だが利用できないとされていた、独自で今までにないやり方で構成された方法とによって実施形態を達成している。図面に関連して後述される詳細な説明は、単に本発明の好ましい実施形態についての説明を意図したものであり、本発明が構成され利用される唯一の形を説明したものではない。図示された実施形態に関連して発明を実行する設計、機能、手段、方法を説明する。しかし、同一又は同等の機能、特徴は、特許請求の範囲に記載した発明の精神と技術的範囲とに含まれることを意図された、異なる実施形態によって達成され得るということが理解されるべきである。
【0022】
図1及び2を一般的に参照すると、打ち粉(20)によって多数のカプセル(10)をコーティングするためのカプセル粉付けシステム(50)は、回転かご(100)、少なくとも一つの駆動軸(200)、筐体(300)、及び粉噴射システム(400)を有する。一例であり限定はしないが、打ち粉(20)は通常軟カプセルのコーティングに使用される多種のでんぷん、例えばじゃがいも、とうもろこし、タピオカ、小麦、もちとうもろこし、部分アルファ化でんぷん粉、及び他の食品用でんぷんなどのうちのいずれかひとつとすることができる。これら構成要素のそれぞれ及び相互関係については、より詳述される。
【0023】
図1に示すように、本発明の一実施形態において、回転かご(100)は円筒状形状であり、近位面(110)、遠位面(120)、及び近位面(110)を遠位面(120)に接続する少なくとも一つの側面(130)を有する。近位面(110)、遠位面(120)、及び側面(130)からなる組立品は、かご内面(140)とかご外面(150)とを形成する。当業者が気づくように、回転かご(100)は複数の要素から構成されたものというよりも、単一物することができ、非円筒形形状に構成することができる。図1に示す回転かご(100)の実施形態においては、近位面(110)は、かご内面(140)からかご外面(150)へ通じる近位面口(112)を有する。同様に、遠位面(120)はかご内面(140)からかご外面(150)へ通じる遠位面口(122)を有する。本発明の特定の一実施形態においては、カプセル(10)は近位面口(112)から回転かご(100)の中に入り、遠位面口(122)から排出されるが、その口のひとつだけを、回転かご(100)への出し入れに使用することもできる。
【0024】
図1と3に示す回転かご(100)のほかの実施形態においては、かご内面(140)は、邪魔板(142)が回転かご(100)が回転する際にカプセル(10)と接触するように、かご内面(140)から突き出した少なくともひとつの邪魔板(142)を有し、カプセル(10)を一時的に浮遊物にすることができる。回転かご(100)のさらにもうひとつの実施形態においては、回転かご(100)の側面(130)は連続的とすることができ、又は、言い換えれば、図1に示すように、打ち粉(20)が通り抜けることができないようにすることができ、これは従来の乾燥かごと著しく相違する。回転かご(100)の実施形態においては、近位面(110)、遠位面(120)、及び側面(130)は実質的に導電性である。一例であり限定はしないが、これらの面(110、120、130)は、例えば金属のような導電体で作られるか、又はこれら面(110、120、130)は導電コーティング層を有するプラスチックのような絶縁体で作ることができる。
【0025】
図1を参照すると、本発明の一実施形態においては、駆動軸(200)は回転かご(100)と回転的に連結されている。したがって、 回転かご(100)は、カプセル(10)をかご内面(140)に沿って転動させる駆動軸(200)に対して回転する。当業者には理解できるように、回転かご(100)は、図1によく見られるように、ひとつ以上の駆動軸(200)に直接機械的に接触させることができるか、又は、回転かご(100)は、例えばチェーン、ベルト、又はギアなどにより間接的に駆動軸(200)に接続することができる。
【0026】
図1、2及び3を参照すると、筐体(300)は、回転かご(100)を収容する区画を作っている。1つの実施形態においては、図1に示すように、回転かご(100)は筐体(300)から取り外し可能であり、カプセル(10)を外部から筐体(300)に出し入れできるが、当業者には理解できるように、回転かご(100)は、カプセル(10)の移動が出入り用フラップによって行われる状態で筐体(300)にしっかりと固定されており、このフラップは回転かご(100)を出し入れするために、抜き差しを遠隔制御されている。1つの実施形態においては、図3に示すように筐体(300)は隔壁(310)と閉じ蓋(320)とを有する。隔壁(310)と閉じ蓋(320)とは協働して閉鎖収納面(330)と外面(340)とを形成している。通常、筐体(300)は打ち粉(20)をシステム(50)内に収容するように作用し、これによって危険な健康上の問題や爆発のおそれを防ぐ助けになっている。
【0027】
本発明の一実施形態においては、図3及び4によく示されているように、粉噴射システム(400)は粉噴射機(410)を有する。粉噴射機(410)は打ち粉(20)を回転かご(100)内に移動させ、これによりカプセル(10)を打ち粉(20)にさらしている。引き続き図3及び4に示されるように、筐体(300)は、閉鎖収納面(330)から外面(340)に延在する粉噴射口(350)を有する。粉噴射口(350)は、打ち粉(20)を移動させるための筐体(300)内への通路を提供している。当業者には理解できるように、粉噴射口(350)は、閉じ蓋(320)を含む筐体(300)中の別の場所に配置することができる。粉噴射システム(400)の配置は、回転かご(100)に対する筐体(300)の構造に依存する。たとえば、噴射システムは、チューブを通じて筐体(300)や回転かご(100)に入るガス(35)によって押し出される打ち粉(20)を有するシステム(50)から離して配置することができる。
【0028】
本発明の他の実施形態においては、図3及び4に示されるように、粉噴射システム(400)は粉供給システム(470)を有する。粉供給システム(470)は、打ち粉(20)を計量して粉噴射機(410)に入れ、これにより所定の間隔でカプセル(10)に一定投入量の打ち粉(20)を提供することができる。当業者にはわかるように、粉供給システム(470)は、打ち粉(20)を蓄えるじょうご状の器と、スクリューフィーダや重量基準の振動フィーダなどの計量装置、又は粉噴射機(410)中に打ち粉(20)の量を計量し入れるように粉を分配するために使用される他の機器などから成り得る。
【0029】
本発明の1つの特定の実施形態においては、図3及び4に示すように、粉噴射機(410)はポケット(420)とガス通路(430)とを有する。ポケット(420)は、打ち粉(20)を保持する粉噴射機(410)内にあるくぼみ又は切り欠きである。ガス通路(430)は、ポケット(420)と図3のみに示されるガス供給機(30)とに流動的に連通している。打ち粉(20)の回転かご(100)への噴射を容易にするために、粉噴射機(410)は二点間を移動する。ひとつめの位置は、図3に示した粉装填位置(450)である。粉噴射機(410)が粉装填位置(450)にあるときには、打ち粉(20)は粉噴射機(410)のポケット(420)に計量されて入る。打ち粉(20)がポケット(420)内に収まると、粉噴射機(410)は粉装填位置(450)から粉噴射口(350)を通り噴射位置(460)へ移動する。噴射位置(460)は、図4に示すように、打ち粉(20)の散布がカプセル(10)と混合されるような場所に位置している。従って、噴射位置(460)では、ガス(35)はガス供給機(30)からガス通路(430)を通じてポケット(420)及び回転かご(100)に入り、カプセル(10)と混ざるよう打ち粉(20)を分散させる。粉噴射機(410)の粉装填位置(450)から噴射位置(460)への移動は、様々な機器によって行うことができる。一例であり限定はしないが、粉噴射機(410)の移動は、数例をあげると、空気圧又は油圧シリンダー、サーボモータ、及びソレノイドによって行うことができる。
【0030】
1つの特定の実施形態においては、図4の拡大図に示すように、粉噴射機(410)は、カプセル(10)がポケット(420)へ進入したり妨害したりするのを防ぐように配置されたカプセルバリア(440)を有する。しかし、カプセルバリア(400)は打ち粉(20)がポケット(420)から出て、回転かご(100)内に分散するのを許容している。一例であり限定はしないが、カプセルバリア(440)は、ワイヤ同士の間隔が一番小さいカプセルの大きさより小さい状態で、ポケット(420)に一方向にかけられた一連の実質的に平行なワイヤとすることができる。また、カプセルバリア(440)はポケット(420)より上に配置されたワイヤの網でもよい。
【0031】
本発明の他の実施形態においては、図4に示すように、回転かご(100)は、かご外面(150)に接触する導電ガスケット(160)を有することができる。図4に示すように、導電ガスケット(160)は、回転かご(100)から駆動軸(200)への電気経路を提供する。従って、導電ガスケット(160)は電荷、特に静電的な帯電の分散を容易化する。当業者が気づき、理解するように、静電エネルギーを打ち粉(20)の煙の中で解放することは爆発を生じさせる場合がある。従って、導電ガスケット(160)は、帯電を分散する手段とすることができる。本発明の一実施形態においては、システム(50)は電気的に接地され、導電ガスケット(160)は電気的に回転かご(100)を駆動軸(200)又は筐体(300)へ接続している。
【0032】
図3及び4に示すように、他の実施形態においては、筐体(300)は、閉鎖収納面(330)と回転かご(100)の近位面(110)との間に位置する少なくともひとつの近位抗スパーク緩衝器(372)及び、閉鎖収納面(330)と回転かご(100)の遠位面(120)との間に位置する少なくともひとつの遠位抗スパーク緩衝器(374)を有する。抗スパーク緩衝器(372、374)は、回転かご(100)が筐体(300)と接触するのを防ぐ。当業者が気づき、理解するように、二つの面の接触により、又は互いの接近によってでさえ、スパーク又は放電が発生する場合がある。抗スパーク緩衝器(372、374)は、スパークを防ぐように配置される。導電ガスケット(160)と同様に、抗スパーク緩衝器(372、374)は打ち粉(20)の発火を防ぐように設計されている。抗スパーク緩衝器(372、374)は、図3及び4に示すように、閉鎖収納面(330)上に位置しているか、又はその代わりに、抗スパーク緩衝器(372、374)は、かご外面(150)上に配置することができる。
【0033】
引き続き図3及び4を参照すると、筐体(300)は、閉鎖収納面(330)から外面(340)に延在する排気口(360)を有する。図3に示すように、排気口(360)は真空システム(500)と流動的に連通している。回転かご(100)への打ち粉(20)の噴射に引き続き、打ち粉(20)の一部は、この打ち粉の一部が閉鎖収納面(330)によって捕捉される包囲空間に出てしまう場合がある。カプセルの粉付工程中に、真空システム(500)を作動しカプセルに付着しなかった余分な打ち粉(20)を取り除くことができる。定期的に真空システム(500)を作動させることにより、閉鎖収納面(330)を通過して打ち粉(20)が漏れ出すのを軽減、又は予防することができ、従って打ち粉(20)の発火の確率を減らし、かつできる限り予防することができる。
【0034】
図1に示すように、カプセル粉付けシステム(50)の一実施形態は乾燥かご(600)を含んでも良い。乾燥かご(600)は回転かご(100)と同様の形状とすることができる。従って、図1に示す実施形態においては、乾燥かご(600)は乾燥かご近位面(610)、乾燥かご遠位面(620)、及び乾燥かご側面(630)を有する。乾燥かご側面(630)は、二つの面(610、620)を連結して、円筒形のかごを形成している。乾燥かご側面(630)は、網、スクリーン又は穴のあいた他の形態とすることができ、筐体(300)と乾燥かご(600)との間の直接的なガス交換を許容する。
【0035】
三面(610、620、630)は乾燥かご内面(640)と乾燥かご外面(650)とを形成している。また、乾燥かご近位面(610)は、乾燥かご内面(640)から乾燥かご外面(650)へ延在する乾燥かご近位面口(612)を有し、乾燥かご遠位面(620)は、 乾燥かご内面(640)から乾燥かご外面(650)へ延在する乾燥かご遠位面口(622)を有する。さらに、回転かご(100)と同様に、乾燥かご(600)は駆動軸(200)と回転的に連結されている。当業者が気付くように、乾燥かご(600)内のカプセル(10)は、乾燥かご(600)が回転する間に乾燥かご側面(630)を通過する際に、ガスの湿度と温度とを管理することにより乾燥することができる。カプセル(10)は、目標とされた含水量の許容範囲内まで乾燥することができ、次いでカプセル(10)は回転かご(100)に移動することができる。乾燥かご(600)によるカプセル(10)の含水量制御は、粉付けの効果を向上し、システム(50)の費用を少なくすることができる。図1に示すように、本発明の一実施形態においては、カプセル(10)は隔壁(310)を通じて、回転かご(100)内に移動される。他の実施形態においては、乾燥かご(600)を筐体(300)から取り出し、カプセル(10)を回転かご(100)に投入することにより、カプセル(10)は乾燥かご(600)から移動することができる。
【0036】
上記に述べたカプセル粉付けシステム(50)は打ち粉(20)でゼラチンカプセルの粉付けを行う方法の一部とすることができる。このような方法は全体として、回転かご(100)にカプセル(10)を装入するステップと、回転かご(100)を回転するステップと、回転かご(100)に打ち粉(20)を噴射するステップとを使用する。
【0037】
打ち粉(20)によるカプセルの粉付け方法の一実施形態においては、図3に示すように、カプセル(10)は近位面口(112)を通じて回転かご(100)に投入される。回転かご(100)は、隔壁(310)と閉じ蓋(320)とを有する筐体(300)内に配置され、隔壁(310)と閉じ蓋(320)とは協働して閉鎖収納面(330)と外面(340)とを形成している。
【0038】
駆動軸(200)により回転かご(100)を回転させることによって、カプセル(10)はかご内面(140)に沿って転動する。本発明の特定の一実施形態においては、回転かご(100)の回転により、カプセル(10)が、かご内面(140)から突出するひとつ以上の邪魔板(142)に接触する。邪魔板(142)はカプセル(10)をかき回し、一時的な浮遊物にすることができる。
【0039】
この方法の次のステップは、回転かご(100)の回転中に、粉噴射システム(400)によって打ち粉(20)を回転かご(100)に噴射するステップである。閉じられた回転かご(100)内に打ち粉(20)を噴射することにより、打ち粉(20)をカプセル(10)と混合することができる。先に述べたように、粉噴射システム(400)は、筐体(300)を通り回転かご(100)中への打ち粉の移動がガス(35)によって行われる状態で、管によって筐体(300)に連結された、離隔して配置された打ち粉(20)の供給機から構成することができる。筐体(300)は実質的に、打ち粉(20)が筐体(300)外の周辺の環境に漏れるのを防いでいる。
【0040】
本発明の一実施形態においては、図4のみに示すように、回転かご(100)に打ち粉(20)を噴射するステップ中に、粉噴射機(410)は粉装填位置(450)から噴射位置(460)へ移動する。関連する実施形態においては、粉噴射機(410)はガス通路(430)と流動的に連通しているポケット(420)を有する。同様に、ガス通路(430)はガス供給機(30)と流動的に連通しており、筐体(300)は、閉鎖収納面(330)から外面(340)へ延在する粉噴射口(350)を有する。従って、噴射ステップ中は、粉噴射機(410)は最初に粉装填位置(450)に配置され、そこで粉供給システム(470)が打ち粉(20)をポケット(420)に投入する。打ち粉(20)が装入されると、粉噴射機(410)は次いで、粉噴射口(350)を通じて回転かご(100)中に移動される。ガス(35)はガス供給機(30)から制御されて解放され、ガス通路(430)を通り、 回転かご(100)内に打ち粉(20)分散させながらポケット(420)を通り粉噴射機(410)から出ていく。
【0041】
本発明の別の実施形態においては、回転かご(100)への打ち粉(20)の噴射のステップに引き続き、筐体(300)の真空引きのステップがある。先に述べたように、図3に示すように、真空システム(500)が排気口(360)を通じて閉鎖収納面(330)と流動的に連通している。真空システム(500)は余分な打ち粉(20)を筐体(300)から取り除く。真空システム(500)の作動は打ち粉(20)の各噴射後に行うことができるが、余分な打ち粉(20)が複数回の打ち粉(20)の噴射後にしか堆積しないので、真空システム(500)の作動はより少ない頻度でしか必要とされない場合がある。
【0042】
本発明の関連する実施形態においては、真空システム(500)は、筐体(300)内の空間を、筐体(300)外部のガス圧、すなわち外気圧より低い圧力に維持している。この実施形態においては、わずかな隙間を通じる筐体(300)内への空気の進入が、余分な打ち粉(20)を真空システム(500)へ運部場合がある。筐体がしっかりシールされていない場合には、この空気の進入は、ほとんどすべての余分な粉を筐体から排出するのに十分である。しかし、筐体(300)がしっかりシールされている場合には、筐体(300)外部から筐体(300)内部への空気の流れは、余分な打ち粉(20)を移動するには不十分である場合がある。一例だが、これは、進入する空気の全量が筐体(300)の壁又は回転かご(100)の外側に付着する場合のある粉をかき混ぜるのに、十分でない場合に生じる。しかし、例えば、流出フラップを開けるか閉じ蓋(320)を開けることによって、回転かご(100)の中身が排出された際に、筐体(300)内に最初に勢いよく入ってくる空気は余分な打ち粉(20)のほとんどを取り除くのに十分な流量である。したがって、前記実施形態によって、真空システム(500)は筐体(300)から打ち粉(20)が漏れ出すのを実質的に防ぎ、安全上又は環境上の問題を引き起こす量の打ち粉(20)が蓄積するのを防ぐことができる。
【0043】
本発明の他の実施形態においては、打ち粉(20)の噴射ステップ中に、粉噴射機(410)は、回転かご(100)中にカプセル(10)の表面積に関連した量の打ち粉(20)を噴射することができる。その時々で、回転かご(100)中のカプセル(10)の数は、許容誤差範囲内でわかっているか、確かめることができる。カプセル(10)の数と各カプセルの大きさを正確に推定することにより、カプセル(10)の正確な表面積が計算できる。また、カプセルの重さに対する打ち粉(20)の最適比もわかる。本発明のこの実施形態においては、打ち粉(20)の量は、効果的かつ正確な方法で、カプセル(10)の最適値を提供するように調整される。関連する実施形態においては、打ち粉(20)の噴射ステップ中に、粉供給システム(470)が、カプセル(10)の表面積に従った所定の割合でポケット(420)内に打ち粉(20)を計量して入れることができる。当業者が気づき、理解するように、粉供給システム(470)は、スタンドアロンコンピュータを組み込むか、又はプログラム可能なロジックコントローラ(PLC)又は同様のコンピュータコントロールシステム上でのプログラムの実行により制御することができる。コンピュータは、ポケット(420)内に入れる打ち粉(20)の計量、粉噴射機(410)の粉装填位置(450)から噴射位置(460)への移動開始、及び回転かご(100)へ打ち粉(20)を噴射するためのガス(35)の循環、さらには、回転かご(100)の中身の出し入れに伴う打ち粉(20)の噴射の調整を制御することができる。
【0044】
本発明の一実施形態においては、カプセルの粉付け方法は、回転かご(100)からのカプセルの装出によって完了する。装出は、多様な同等に好ましい動作によって行われる。一例であり限定はしないが、筐体から回転かご(100)を取り出しカプセル(10)を空にする一つの方法は、遠位面口又は近位面口(112、122)を通じて行うことができる。他の同等に効果的な方法は、所定時間、流出フラップを近位面口(122)を通じて回転している回転かご(100)中に伸ばし、カプセル(10)が、流出フラップ上において回転かご(100)に接触し、そこから滑って出るのを可能にすることである。
【0045】
本発明のさらに別の実施形態においては、カプセル(10)の粉付け方法は、図1で示すように、乾燥かご(600)内においてカプセルを乾燥するステップから始まる。乾燥かご(600)内において、カプセル(10)は制御された温度及び湿度の乾燥ガスにさらされる。次いでカプセル(10)は、乾燥かご(600)から移動され回転かご(100)に装入される前に、目標の含水量及び温度範囲内にもたらされる。この時点で、カプセル(10)は、噴射ステップ中に打ち粉(20)が回転かご(100)内に噴射されるときに、打ち粉(20)を効果的に受容するのに最適な範囲内にある含水量を含むことができる。カプセル(10)の含水量を制御することによって、カプセル(10)の粉付け方法において、粉付け課程の効率が上がり、カプセルの質を向上させると同時に、環境上と安全上の危険とともに費用を減らすことができる。
【0046】
ここで開示された、好ましい実施形態の多数の、改造、改良、及び変形は、当業者には明白であり、そのすべては本発明の精神と技術的範囲のなかにあると予想され、検討されたものである。例えば、特定の実施形態が詳細に説明されているが、当業者は、前記実施形態と変形とが、さまざまな形式の代用品及び、追加又は別の材料、要素の相対配置、寸法構成を組み込むように改良することができることを理解するだろう。したがって、ここには本発明の変形が少ししか記載されていなくても、これらの追加改造、変形、同等品の実行は、添付の特許請求の範囲に定義された発明の精神及び技術的範囲内にあることが理解されるだろう。添付の特許請求の範囲に記載された発明における、対応する構造、材料、作用及び、すべての手段又は機能要素を加えたステップの同等物は、特定的に特許請求の範囲に記載された他の項目との組み合わせにおける機能を実施するためのいずれの構造、材料又は作用を含むことを意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
このカプセル粉付けシステム及び方法は、ゼラチンカプセルを打ち粉によってコーティングするシステム及び方法に関しての長年の要望に応えるものである。このシステムは、カプセルを回転かごの中で転動させながら、打ち粉を噴射することによりカプセルに粉付けを行うために使用される。本発明は、カプセルの乾燥中又はその後に粉噴射システムを実行するシステムと方法を開示する。回転かごは、打ち粉を含むため、筐体の中に配置される。打ち粉は、カプセルと打ち粉とを接触させるために回転かごの中に噴射される。従って、このシステム及び方法は、つやだし機や打ち粉で充填された他の容器の中においてカプセルをコーティングする際の、環境上、健康上、安全上、及び効率上の問題を回避する。本発明のシステムは、均一に、安全に、そして反復可能かつ費用効果のある方法で、カプセルの粉付けを行う。
【符号の説明】
【0048】
10 カプセル
20 打ち粉
30 ガス供給機
50 カプセル粉付けシステム
100 回転かご
110 近位面
112 近位面口
120 遠位面
122 遠位面口
130 側面
140 かご内面
142 邪魔板
150 かご外面
160 導電ガスケット
200 駆動軸
300 筐体
310 隔壁
320 閉じ蓋
330 閉鎖収納面
340 外面
350 粉噴射口
360 排気口
372 近位抗スパーク緩衝器
374 遠位抗スパーク緩衝器
400 粉噴射システム
410 粉噴射機
420 ポケット
430 ガス通路
440 カプセルバリア
450 粉装填位置
460 噴射位置
470 粉供給システム
500 真空システム
600 乾燥かご
610 乾燥かご近位面
620 乾燥かご遠位面
630 乾燥かご側面
640 乾燥かご内面
650 乾燥かご外面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカプセル(10)を打ち粉(20)によりコーティングするカプセル粉付けシステム(50)であって、
(A)近位面(110)、遠位面(120)、及び前記近位面(110)と前記遠位面(120)とを接続する少なくともひとつの側面(130)を有する回転かご(100)であって、前記近位面(110)、前記遠位面(120)及び前記側面(130)が共にかご内面(140)とかご外面(150)とを形成し、前記近位面(110)は前記かご内面(140)から前記かご外面(150)へ延在する近位面口(112)を有し、前記遠位面(120)は前記かご内面(140)から前記かご外面(150)へ延在する遠位面口(122)を有し、前記カプセル(10)は、前記回転かご(100)内に前記近位面口(112)を通じて装入され、前記遠位面口(122)を通じて取り出される、回転かご(100)と、
(B)前記回転かご(100)と回転可能に連結された少なくともひとつの駆動軸(200)であって、該駆動軸(200)に対して前記回転かご(100)が回転することにより、前記カプセル(10)が前記かご内面(140)に沿って転動する、少なくともひとつの駆動軸(200)と、
(C)隔壁(310)と閉じ蓋(320)とを有する筐体(300)であって、前記隔壁(310)と前記閉じ蓋(320)とは協働して閉鎖収納面(330)及び外面(340)を形成し、前記回転かご(100)が前記筐体(300)内部に配置される、筐体(300)と、
(D)粉噴射機(410)を有する粉噴射システム(400)であって、該粉噴射機(410)は前記回転かご(100)内に前記打ち粉(20)を移動させ、前記カプセル(10)を前記打ち粉(20)にさらす、粉噴射システム(400)と、
を備えるカプセル粉付けシステム。
【請求項2】
(A)前記筐体(300)は、前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)へ延在する粉噴射口(350)をさらに含み、
(B)前記粉噴射システム(400)は、前記粉噴射機(410)内に前記打ち粉(20)を計量して装入する粉供給システム(470)をさらに含み、
(C)前記粉噴射機(410)は、ポケット(420)、ガス通路(430)、粉装填位置(450)、及び噴射位置(460)を有し、
(i)前記ポケット(420)は前記粉供給システム(470)により供給された前記打ち粉(20)を保持し、
(ii)前記ガス通路(430)は前記ポケット(420)及びガス供給機(30)に流動的に連通し、必要に応じてガス(35)は前記ガス供給機(30)から前記ガス通路(430)を通じて前記ポケット(420)内に移動し、
(iii)前記粉噴射機(410)は、前記ポケット(420)が前記粉供給システム(470)からの前記打ち粉(20)を受容するように配置されているときには、前記粉装填位置(450)に位置し、
(iv)前記粉噴射機(410)は、前記ポケット(420)が前記回転かご(100)内にあるときには、前記噴射位置(460)に位置して、前記粉噴射機(410)が前記粉噴射口(350)を通じて移動することにより、前記粉装填位置(450)と前記噴射位置(460)との間を移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項3】
前記粉噴射機(410)がさらにカプセルバリア(440)を含み、該カプセルバリア(440)は、前記粉噴射機(410)が前記噴射位置(460)にあるときに、前記打ち粉(20)が前記ポケット(420)から出るのを許容するが、前記カプセル(10)が実質的に前記ポケット(420)へ進入するのを防ぐように配置されている、請求項2に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項4】
前記回転かご(100)が、前記かご外面(150)と前記駆動軸(200)に接触する導電ガスケット(160)をさらに含み、前記回転かご(100)が前記駆動軸(200)に対して実質的に電気的に接地する、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項5】
前記筐体(300)内に配置された乾燥かご(600)をさらに含み、該乾燥かご(600)は前記駆動軸(200)と回転可能に連結され、前記乾燥かご(600)は、前記回転かご(100)の近くに配置されているとともに、前記隔壁(310)によって前記回転かご(100)と隔てられおり、前記カプセル(10)は、前記回転かご(100)に装入される前に前記乾燥かご(600)に入れられ、前記カプセル(10)が前記乾燥かご(600)内にある間に、前記カプセル(10)は部分的に乾燥され、次いで前記回転かご(100)に移動される、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項6】
前記かご内面(140)が、前記かご内面(140)から突出する少なくともひとつの邪魔板(142)を有し、前記回転かご(100)が回転する際に、前記邪魔板(142)が前記カプセル(10)の一部に接触する、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項7】
前記回転かご(100)の前記側面(130)が連続的である、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項8】
前記近位面(110)、前記遠位面(120)及び前記側面(130)が実質的に導電性である、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項9】
前記回転かご(100)の前記近位面(110)と前記遠位面(120)が金属製である、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項10】
前記筐体(300)は、前記閉鎖収納面(330)と前記回転かご(100)の前記近位面(110)との間に配置された近位抗スパーク緩衝器(372)と、前記閉鎖収納面(330)と前記回転かご(100)の前記遠位面(120)との間に配置された遠位抗スパーク緩衝器(374)とをさらに含み、前記近位抗スパーク緩衝器(372)と前記遠位抗スパーク緩衝器(374)とは、前記回転かご(100)が前記閉鎖収納面(330)に接触することを防ぐ、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項11】
前記筐体(300)は、前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)へ延在する排気口(360)をさらに含み、該排気口(360)は真空システム(500)と流動的に連通しており、前記真空システム(500)は前記カプセル(10)に付着しなかった余分な前記打ち粉(20)を取り除く、請求項1に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項12】
複数のカプセル(10)を打ち粉(20)でコーティングするためのカプセル粉付けシステム(50)であって、
(A)近位面(110)、遠位面(120)、及び前記近位面(110)と前記遠位面(120)とを接続する少なくともひとつの側面(130)を有する回転かご(100)において、前記近位面(110)、前記遠位面(120)及び前記側面(130)が共にかご内面(140)とかご外面(150)とを形成する、回転かご(100)であって、
(i)前記近位面(110)は前記かご内面(140)から前記かご外面(150)へ延在する近位面口(112)を有し、前記カプセル(10)は前記近位面口(112)を通じて前記回転かご(100)内に装入され、
(ii)前記遠位面(120)は、前記かご内面(140)から前記かご外面(150)へ延在する遠位面口(122)を有し、前記カプセル(10)は前記遠位面口(122)を通じて前記回転かご(100)外に排出され、
(iii)前記回転かご(100)の前記側面(130)は連続的であり、
(iv)前記かご内面(140)は、該かご内面(140)から突出する少なくとも一つの邪魔板(142)を有し、前記回転かご(100)が回転する際に前記邪魔板(142)は前記カプセル(10)の一部に接触し、
(v)前記近位面(110)、前記遠位面(120)及び前記側面(130)は導電性である、
回転かご(100)と、
(B)前記回転かご(100)と回転可能に連結された少なくともひとつの駆動軸(200)であって、該駆動軸(200)に対して前記回転かご(100)が回転することにより、前記カプセル(10)が前記かご内面(140)に沿って転動する、少なくともひとつの駆動軸(200)と、
(C)隔壁(310)と閉じ蓋(320)を有する筐体(300)であって、
(i)前記隔壁(310)と前記閉じ蓋(320)とは協働して閉鎖収納面(330)及び外面(340)を形成し、
(a)粉噴射口(350)が前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)へ延在し、
(b)排気口(360)が前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)へ延在し、前記排気口(360)は真空システム(500)と流動的に連通しており、該真空システム(500)は前記カプセル(10)に付着しなかった余分な前記打ち粉(20)を取り除き、
(ii)前記回転かご(100)が前記筐体(300)内部に配置される、
筐体(300)と、
(D)粉噴射機(410)と粉供給システム(470)とを有する粉噴射システム(400)であって、前記粉噴射機(410)はポケット(420)、ガス通路(430)、粉装填位置(450)、及び噴射位置(460)を有し、
(i)前記ポケット(420)は前記粉供給システム(470)により供給された前記打ち粉(20)を保持し、
(ii)前記ガス通路(430)は前記ポケット(420)及びガス供給機(30)と流動的に連通して、必要に応じてガス(35)が前記ガス供給機(30)から前記ガス通路(430)を通じて前記ポケット(420)内に移動し、
(iii)前記粉噴射機(410)は、前記ポケット(420)が前記粉供給システム(470)からの前記打ち粉(20)を受容するように配置されているときには、前記粉装填位置(450)に位置し、
(iv)前記粉噴射機(410)は、前記ポケット(420)が前記回転かご(100)内にあるときには前記噴射位置(460)に位置して、前記粉噴射機(410)が前記粉噴射口(350)を通じて移動することにより、前記粉装填位置(450)と前記噴射位置(460)との間を移動する、
粉噴射システム(400)と、
を備えるカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項13】
前記回転かご(100)が、前記かご外面(150)と前記駆動軸(200)とに接触する導電ガスケット(160)をさらに含み、前記回転かご(100)が前記駆動軸(200)に対して実質的に電気的に接地している、請求項12に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項14】
前記筐体(300)が、前記閉鎖収納面(330)と前記回転かご(100)の前記近位面(110)との間に配置された近位抗スパーク緩衝器(372)と、前記閉鎖収納面(330)と前記回転かご(100)の前記遠位面(120)との間に配置された遠位抗スパーク緩衝器(374)とをさらに含み、前記近位抗スパーク緩衝器(372)と前記遠位抗スパーク緩衝器(374)とは、前記回転かご(100)が前記閉鎖収納面(330)に接触することを防ぐ、請求項12に記載のカプセル粉付けシステム(50)。
【請求項15】
打ち粉(20)によるカプセル粉付け方法であって、
(A)近位面(110)、遠位面(120)、及び前記近位面(110)を前記遠位面(120)に接続する少なくともひとつの側面(130)を有し、それによりかご内面(140)とかご外面(150)を形成している回転かご(100)内へカプセル(10)を装入するステップであって、
(i)前記カプセル(10)は、前記かご外面(150)から前記かご内面(140)へ延在する近位面口(112)を通じて前記回転かご(100)内へ装入され、
(ii)前記回転かご(100)は、隔壁(310)と閉じ蓋(320)とを有す筐体(300)内に配置され、前記隔壁(310)と前記閉じ蓋(320)とは協働して閉鎖収納面(330)と外面(340)とを形成する、
回転かご(100)内へカプセル(10)を装入するステップと、
(B)前記回転かご(100)と回転可能に連結された少なくともひとつの駆動軸(200)によって前記回転かご(100)を回転させるステップであって、前記駆動軸(200)に対して前記回転かご(100)が回転することにより、前記カプセル(10)が前記かご内面(140)に沿って転動する、少なくともひとつの駆動軸(200)によって前記回転かご(100)を回転させるステップと、
(C)前記回転かご(100)を継続的に回転させつつ、粉噴射機(410)を有する粉噴射システム(400)によって前記回転かご(100)へ前記打ち粉(20)を噴射するステップであって、前記打ち粉(20)が前記カプセル(10)に接触し、前記閉鎖収納面(330)により前記打ち粉(20)が実質的に前記筐体(300)内に収容される、前記回転かご(100)へ前記打ち粉(20)を噴射するステップと、
を備える打ち粉(20)によるカプセル粉付け方法。
【請求項16】
前記回転かご(100)に前記打ち粉(20)を噴射するステップ中に、前記粉噴射機(410)は粉装填位置(450)から噴射位置(460)へ移動し、前記粉噴射機(410)は、ガス通路(430)と流動的に連通したポケット(420)を有し、前記ガス通路(430)はガス供給機(30)と流動的に連通し、前記筐体(300)は、前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)に延在する粉噴射口(350)を有する噴射するステップが、
(i)前記粉噴射機(410)が前記粉装填位置(450)にあるときに、粉供給システム(470)から前記粉噴射機(410)の前記ポケット(420)内へ前記打ち粉(20)を装入するステップと、
(ii)前記粉噴射機(410)を、前記粉装填位置(450)から前記粉噴射口(350)を通じて前記回転かご(100)内の前記噴射位置(460)へ移動するステップと、
(iii)前記ガス供給機(30)からガス(35)を放出するステップであって、前記ガス(35)は前記ガス通路(430)を通り、前記回転かご(100)内に前記打ち粉(20)を分散させながら、前記ポケット(420)を通じて前記粉噴射機(410)の外に出る、ガス(35)を放出するステップと、
をさらに含む、請求項15に記載のカプセル(10)粉付け方法。
【請求項17】
前記回転かご(100)を回転するステップ中に、前記回転かご(100)が、前記かご外面(150)と接触している導電ガスケット(160)により電気的に接地されている、請求項15に記載のカプセル(10)粉付け方法。
【請求項18】
前記回転かご(100)内へ前記打ち粉(20)を噴射するステップに引き続き、前記筐体(300)を真空引きするステップをさらに含み、真空システム(500)は、前記閉鎖収納面(330)から前記外面(340)へ延在する排気口(360)を通じて、前記閉鎖収納面(330)と流動的に連通しており、前記真空システム(500)は実質的に余分な前記打ち粉(20)が前記筐体(300)へ漏れ出すのを防ぐ、請求項15に記載のカプセル(10)粉付け方法。
【請求項19】
前記打ち粉(20)を噴射するステップ中に、前記粉噴射機(410)が前記回転かご(100)内に、前記回転かご(100)内の前記カプセル(10)の表面積に対応した量の前記打ち粉(20)を噴射する、請求項15に記載のカプセル(10)粉付け方法。
【請求項20】
前記打ち粉(20)を噴射するステップ中に、前記粉供給システム(470)が、前記ポケット(420)内に、前記回転かご(100)内の前記カプセル(10)の表面積に対応した前記打ち粉(20)の量を計量して入れる、請求項16に記載のカプセル(10)粉付け方法。
【請求項21】
前記回転かご(100)に前記カプセル(10)を装入するステップの前に、前記カプセル(10)を乾燥かご(600)において乾燥するステップをさらに含み、前記カプセル(10)が前記回転かご(100)に装入される前に前記カプセル(10)が目標の含水量範囲内の含水量を含むように、前記カプセル(10)が前記乾燥かご(600)において処理される、請求項15に記載のカプセル(10)粉付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−515460(P2010−515460A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545621(P2009−545621)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/050222
【国際公開番号】WO2008/086171
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(501477831)アール.ピー. シェーラー テクノロジーズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】