説明

転写箔及びIDカード並びにIDカードの製造方法

【課題】コレステリック液晶層を用い、偽造変造を防止すると共に、水による画像乱れを低減させる。
【解決手段】転写箔101は、離型層103、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有する。この受像層105は、透過濃度が0.2以下である。この転写箔101の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を形成した後、カード基材110上にコレステリック液晶層104、受像層105、書誌情報及び識別情報層106を転写し、IDカード120を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、転写箔及びIDカード並びにIDカードの製造方法に関し、詳しくは、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する接触式又は非接触式の電子または磁気等の個人認証を行なうカードの作成に用いる転写箔及びIDカード並びにIDカードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば銀行、会社、学校及び官公庁等のサービス産業分野では、接触式又は非接触式の電子または磁気等のカードを発行する場合が多くなってきた。これらの分野で使用されるキャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種免許証等には個人情報が記録されるために、容易に偽造、変造できないようにセキュリティ処理が施されている。
【0003】
低コストで偽造防止を図るために、見る角度によって色が変化する色変化印刷層を設ける偽造防止技術が普及してきている。このような色変化印刷層は、例えば、パールインキなどのように、見る角度によって色が変化する色変化インキで印刷して形成されている。例えば、特開平10−24677、特開2003−145911が開示されているが、パール顔料は、手に入りやすく容易に偽造が行われ偽造防止手段としては不十分であった。
【0004】
ホログラムとしては、特公平6−46340、特許第2798619号の様にホログラム転写シートをカード上に形成したが、工程数が多いため高コストとなり使用上用途は限定されていた。また、仕上がったホログラム層付与したカードを水に入れるとカード表面から水が混入し、回析構造に水が混入し回析構造が乱れが発生し、効果が著しく低下し偽造防止としては、使用不可能であった。
【0005】
コレステリック液晶を用いた偽造防止手段が特開2003−337218等で知られているが、材料の入手が困難で偽造防止手段としては有効であったが、仕上がったカードを水に入れるとカード表面から水が混入しコレステリック液晶による配向状態の乱れが発生し、効果が著しく低下し偽造防止としては、使用不可能であった。
【特許文献1】特開平10−24677号公報(第1頁〜第5頁、図1〜図5)
【特許文献2】特開2003−145911号公報(第1頁〜第33頁、図1〜図30)
【特許文献3】特公平6−46340号公報(第1頁〜第7頁、図1〜図2)
【特許文献4】特許第2798619号(第1頁〜第4頁、図1〜図2)
【特許文献5】特開2003−337218号公報(第1頁〜第9頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、コレステリック液晶層を用い、偽造変造を防止すると共に、水による画像乱れを低減させたカード作成する転写箔及びIDカード並びにIDカードの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有することを特徴とする転写箔である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記受像層は、透過濃度が0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の転写箔である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成した後、
カード基材上に前記コレステリック液晶層、受像層、書誌情報及び識別情報層を転写して作成されたことを特徴とするIDカードである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成したことを特徴とするIDカードである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有するカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成した後、
カード基材上に、離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を転写し、
前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカードである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、透過濃度が0.2以下である受像層からなる転写箔を用いたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のIDカードである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の前記受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写またはインクジェットにより形成した後、
前記転写箔の熱転写によりカード基材上に前記コレステリック液晶層、前記受像層、前記書誌情報及び識別情報層を形成したことを特徴とするIDカード作成方法である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の前記受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写またはインクジェットにより形成した後、熱転写によりカード基材上に前記コレステリック液晶層、前記受像層、前記書誌情報及び識別情報層を形成し、
次いで離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を熱転写により、前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカード作成方法である。
【0016】
請求項9に記載の発明は、コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に書誌情報及び識別情報層を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成したことを特徴とするIDカード作成方法である。
【0017】
請求項10に記載の発明は、コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成し、
次いで離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を熱転写により、前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカード作成方法である。
【0018】
請求項11に記載の発明は、透過濃度が0.2以下である受像層を用いた請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のIDカードの作成方法である。
【発明の効果】
【0019】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔を用い、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、透過濃度が0.2以下の受像層にコレステリック液晶層を設けることによってコレステリック液晶層の見栄えが向上し、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0022】
請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、請求項1,2からなる転写箔を用い作成されたIDカードであり、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上する。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、コレステリック液晶層の見栄えが向上し、偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術になるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上する。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術としてIDカードを作成することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上することができるIDカードを作成することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、コレステリック液晶層含むカード作成後、書誌情報及び識別情報層を形成し、偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を上層に設けるため高度な偽造変造技術としてIDカードを作成することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、コレステリック液晶層含むカード作成後、書誌情報及び識別情報層を形成し、偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を上層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、透過濃度が0.2以下の受像層にコレステリック液晶層を設けることによってコレステリック液晶層の見栄えが向上し、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の転写箔及びIDカード並びにIDカードの製造方法の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0031】
<離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔>
[請求項1及び請求項2に記載の発明]
図1は転写箔の層構成を示す図である。この発明の転写箔101は、支持体102上に、離型層103、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有する。この転写箔101を用い、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0032】
受像層105は、透過濃度が0.2以下である。透過濃度が0.2以下の受像層105にコレステリック液晶層104を設けることによってコレステリック液晶層104の見栄えが向上し、偽造防止機能をいDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0033】
[転写箔用支持体]
この発明の離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔用支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
【0034】
この発明の支持体の厚みは10〜200μm望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作成手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。コレステリック液晶層を転写剥離する際にマット加工の凹凸により箔切れ(転写後のコレステリック液晶層の破断性)をより良好にすることができる。
【0035】
この発明では、好ましくはマット加工することが好ましい。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また、複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。この発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。
【0036】
この発明では、離型層と支持体間、前記記載の支持体片側の少なくとも一部、コレステリック液晶層と離型層間または離型層及びコレステリック液晶層等の転写層に帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層を設けることにより、剥離帯電等によるごみ付着が起こらなくなる。更に、コレステリック液晶層上にさらに光硬化樹脂層等からなる転写箔を形成した場合、その間にごみの混入を防止し、水などが入りずらくなり、この発明の課題である耐水性を更に改善することができる。
【0037】
帯電防止剤として、一般的なa)イオン性樹脂、c)金属酸化物微粒子、d)導電性粉末又は導電性樹脂の何れか1つ以上を含んでいる層を表し特に制限はなく、膜厚は、0.00001−2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.0001−2.0μmである。
【0038】
[転写箔用離型層]
この発明の離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔用離型層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物、等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。この離型層は、0.000005〜2.0g/m2であることが好ましい。特に好ましくは、0.00001〜2.0g/m2、より好ましくは0.00005〜2.0g/m2である。
【0039】
この発明の離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔上に更に光硬化樹脂層等からなる転写箔を形成する場合は離型層に熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が上げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。
【0040】
この発明で好適に用いられる、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性エラストマーとは、スチレンおよび炭素数10以下の直鎖または分岐の飽和アルキルのブロックからなる熱可塑性樹脂(以下熱可塑性樹脂S1ともいう)を言う。特に、ポリスチレン相とポリオレフィンを水素添加した相をもつブロックポリマーであるスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)のブロックポリマー等があげられる。
【0041】
また、必要に応じて、この発明の離型層と支持体間或いは後述するコレステリック液晶層と離型層間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0042】
[転写箔用コレステリック液晶層]
次いで、離型層に隣接しコレステリック液晶層を設けることが好ましく用いられる。
【0043】
この発明で用いるコレステリック液晶層は、コレステリック高分子液晶やコレステリック低分子液晶またはその混合物を用いてコレステリック配向を固定化しコレステリック液晶層を形成することができる。
【0044】
この発明で用いることのできるコレステリック高分子液晶性の例としては、コレステリック配向が固定化できるものであれば特に制限はなく、側鎖に液晶形成基を有するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖型高分子液晶、主鎖に液晶形成基をもつポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド、等の主鎖型高分子液晶を例示することができる。いずれも公知の高分子液晶を使用でき、なかでも、国際出願(WO)第94/22976号、特開平6−186534号公報、特開平11−124492号公報に記載されたコレステリック配向を形成する上で配向性が良く、合成も比較的容易である特定な液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0045】
また、コレステリック液晶性フィルムのフィルム材料となる低分子液晶としては、例えばアクリロイル基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。また低分子液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピック性のどちらも用いることができる。
【0046】
この発明でいうところの、コレステリック液晶層とはコレステリック配向が固定化されたコレステリック液晶1層以上となることが好ましい。
【0047】
コレステリック層の全層合わした膜厚は、0.3μm〜20μmの範囲が好ましい。更に好ましくは、0.5μm〜15μmが好ましい。20μm以上であると耐水性が劣化し問題となる。1μm以下であると、見栄えが悪くなり偽造防止性が劣化する。なお、選択反射させる中心波長は、コレステリック液晶性高分子の螺旋ピッチと平均屈折率の積によって決定される。
【0048】
コレステリック配向を固定化する方法は公知の方法を使用することができる。具体的には、(a)低分子液晶をコレステリック配向後、光又は熱などで低分子液晶を架橋し配向固定化する方法。(b)側鎖型あるいは主鎖型のサーモトロピック高分子液晶を液晶状態でコレステリック配向後、液晶転移点以下の温度に冷却し、配向状態を固定化する方法。(c)リオトロピック高分子液晶を液中でコレステリック配向後、溶液除去することによって配向状態を固定化する方法。(d)コレステリック液晶性高分子を粉砕し微粉末状にし塗料用樹脂や印刷用インキ等含有させ塗布あるいは印刷する方法などにより形成することができる。
【0049】
この発明においては、コレステリック液晶層の耐水性等を向上させるために、架橋促進剤、機能性色素、染料、顔料、UV吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤などを適宜添加することができる。コレステリック相の発現を妨げない範囲においては、特に制限はない。
【0050】
[転写箔用受像層]
この発明における転写箔用受像層とは、書誌情報及び識別情報を熱転写(a)又はインクジェット(b)により形成することができる層のことを表す。
【0051】
熱転写(a)により情報を記録する方式としては一般的に知られている昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が挙げられる。インクジェット方式(b)で記録する方法としては、一般的に知られている方法を用いることができ具体的には特開2000−44857、特開平9−71743で記載されているような情報記録することができる。
【0052】
この発明では、(a)昇華型熱転写方式により階調情報含有画像を形成すると共に、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式により文字情報含有画像を形成する方法、(b)インクジェット方式により階調情報含有画像、文字情報含有画像を記載する方法が好ましく用いられる。
【0053】
(a)昇華型熱転写の方式であると昇華性色素の染着性、または昇華性色素の染着性とともに熱溶融性インクの接着性も良好でなければならない。かかる特別な性質を受像層に付与するには、後述するように、バインダー、及び各種の添加剤の種類およびそれらの配合量を適宜に調整することが必要である。
【0054】
(b)インクジェットの方式であるとインクジェットインクが十分に浸透、染着することが重要であり、後述するように、バインダー、及び各種の添加剤の種類およびそれらの配合量を適宜に調整することが必要である。
【0055】
以下、この発明に用いられる受像層を形成する成分について詳述する。
【0056】
この発明における受像層用のバインダーは、通常に知られている昇華型感熱転写記録受像層用のバインダーを適宜に用いることができる。例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。
【0057】
また、受像層を形成するに際して、熱移行性化合物と金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成し、画像を形成する方式を用いてもよい。例えば、前記記載の受像層用バインダーに加え金属イオン含有化合物を含有させるのが好ましい。
【0058】
前記金属イオン含有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周期律表の第I、第VIII族に属する2価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Zn等が好ましく、特にNi、Cu、Co、Cr、Zn等が好ましい。これらの金属イオンを含有する化合物としては、金属の無機または有機の塩及び金属の錯体が好ましい。具体例を挙げると、Ni2+、Cu2+、Co2+、Cr2+及びZn2+を含有した下記一般式で表される錯体が好ましく用いられる。
【0059】
[M(Q1)k(Q2)m(Q3)n]p+p(L-
ただし、式中Mは金属イオンを表し、Q1、Q2、Q3は、各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、これらの配位化合物としては例えば「キレート化学(5)(南江堂)」に記載されている配位化合物から選択することができる。特に好ましくは、金属と配位結合する少なくとも一個のアミノ基を有する配位化合物を挙げることができ、更に具体的には、エチレンジアミン及びその誘導体、グリシンアミド及びその誘導体、ピコリンアミド及びその誘導体が挙げられる。
【0060】
Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、Cr、SO4、ClO4等の無機化合物アニオンやベンゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等の有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくはテトラフェニルホウ素アニオン及びその誘導体、ならびにアルキルベンゼンスルホン酸アニオン及びその誘導体である。kは1、2または3の整数を表し、mは1、2または0を表し、nは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。pは1、2または3を表す。
【0061】
この種の金属イオン含有化合物としては、米国特許第4,987,049号明細書に例示されたものを挙げることができる。金属イオン含有化合物を添加する場合、その添加量は受像層に対して、0.5〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましい。
【0062】
また、受像層には、離型剤を添加をしても良い。離型剤としては、バインダーと相溶性のあるものが好ましく、具体的には変性シリコーンオイル、変性シリコーンポリマーが代表的であり、例えばアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ワックスなどが挙げられる。
【0063】
インクジェット記録用受像層を形成する場合、一般的に知られている膨潤型、空隙型のいずれの形態をとってもよく、前記記載のバインダーや添加剤のほかに無機微粒子や有機微粒子等の微粒子を含有させても良い。無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。膜強度を向上させるために硬膜剤、カチオン媒染剤、退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0064】
受像層は、1層以上の受像機能がある層があれば良いが、場合により特開平6−286350号、特開平5−64989号に記載のように1層以上の受像層から形成されていても良い。
【0065】
この発明における受像層は、その形成成分を溶媒に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を前記記載のホログラム層上に塗工し、乾燥する塗工法によって製造することができる。
【0066】
支持体に形成される受像層の厚みは、一般に0.01〜30μm、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.03〜20μm程度である。
【0067】
この発明では、受像層として機能する層の透過濃度は0.2以下であることが好ましい。より好ましくは0.0〜0.2の範囲であることが好ましい。0.2以下であると、積層されているコレステリック液晶層の見栄えが劣化し、真偽判別しずらくなり問題となる。尚、透過濃度は濃度計(X−Rite社製、カラー透過濃度計310T)で測定し、Visual濃度で測定した。
【0068】
この発明の転写箔は、離型層、コレステリック液晶層、受像層のほかに転写用基材と接着可能な接着層を少なくとも有することが好ましく、より好ましくは接着層の他に、中間層、バリヤー層、プライマー層等を付与してもよく、特に制限はない。
【0069】
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく場合によりプライマー層、バリヤ−層として介在しても層間の接着性をさらに向上させてもよい。
【0070】
中間層、プライマー層、バリヤー層などに使用されるバインダーとしては、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂、およびそれらの変性物などを用いることができる。
【0071】
上述した樹脂の中でもこの発明の目的に好ましいのは、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂である。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0072】
具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。この発明の中間層において、重合度が1000以上のポリビニルブチラール樹脂としては積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はなく低重合度の樹脂でもよく、熱硬化にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。中間層、プライマー層、バリヤー層中間層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましい。
【0073】
転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられ、それらの共重合体や混合物でもよい。
【0074】
具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の重量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0075】
転写箔の被転写材への転写は通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどの加熱しながら加圧を行える手段を用い転写を行うことができる。具体的にはホットスタンプマシーンを使用する場合、表面温度150−300℃に加熱し、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力50−500kg/cm2で0.5〜10秒間熱をかけて転写を行なうことができる。
【0076】
この発明の具体的な使用例として転写用カートリッジ、ホットスタンプ装置を図2及び図3に示す。
【0077】
[熱転写シート用のカートリッジ]
図2は転写用カートリッジ400の構成例を示す斜視図である。この例では、転写用カートリッジ400の所定位置に剥離用の棒状体を取り付け、転写箔コア451から繰り出された熱転写シート410からカード基板の外形状をなす大きさの硬化型保護部材を剥離するようにして、この転写時に、カード基板の外形状の大きさに見合う分の硬化型保護部材のみを熱転写シート410から剥離できるようにすると共に、硬化型保護層の外周端部でのバリの発生を低減できるようにしたものである。
【0078】
転写用カートリッジ400は筐体としてコ字状のテープ収容部421を有している。このテープ収容部421には部材供給部としてボビン状の転写箔コア451が可動自在に取り付けられ、接着剤付きの硬化型保護部材を施したテープ状の熱転写シート410がコ字状部423へ繰り出される。
【0079】
テープ収容部421の所定位置には剥離用の棒状体として従動ローラ部422が取り付けられる。従動ローラ部422には硬化型保護部材に負荷をかけない部材、例えば、外径が5mmφ程度の円筒状のプラスティックを使用する。
【0080】
更に、この例では、従動ローラ部422に隣接した位置のテープ収容部421の側面にカード浮き上り防止用の突出部としてカード浮上防止板424が設けられ、硬化型保護部材の剥離時、特に、カード基板の終端部の剥離時に、カード基板の終端部の跳ね上がりを押さえ込むようになされる。この終端部の跳ね上がりを押さえ込むことにより、バリの発生を抑えることができる。
【0081】
[ホットスタンプ装置]
図3はホットスタンプ装置500の構成例を示す概念図である。この例ではホットスタンプ装置500に対して転写用カートリッジ400が脱着自在に取り付けられる。図5はホットスタンプ装置500に転写用カートリッジ400を装填した状態を示している。
【0082】
ホットスタンプ装置500にはカード給紙口425及びカード排出口426が設けられ、熱ローラ装置427が取り付けられる。熱転写シート410が、転写用カートリッジ400の元巻きコア451Aから繰り出される。例えば、熱転写シート410はテープ収容部421内の案内部材428Aにガイドされて、コ字状部423から熱ローラ装置427の下部を通って従動ローラ部422を経由し、テープ収容部421内の他の案内部材428Bにガイドされて、巻取りコア451Bに至るようになされる。
【0083】
この発明は、転写箔を用いてIDカードが作成される。
【0084】
[請求項3に記載の発明]
図4に示す実施の形態は、離型層103、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有する転写箔101を用い、この転写箔101の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を形成する。このように、転写箔101上に、書誌情報及び識別情報層106を形成した後、カード基材110上に転写箔101を転写し、離型層103から剥離して形成されたIDカード120である。転写箔101を用い作成されたIDカード120であり、偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0085】
[請求項4に記載の発明]
図5に示す実施の形態は、カード基材110上にコレステリック液晶層104、受像層105が順に形成され、このカード基材110の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を形成したIDカード120である。偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上する。
【0086】
[請求項5に記載の発明]
図6に示す実施の形態は、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有するカード基材110の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を形成した後、支持体102上に離型層103、光硬化樹脂層107、接着層108を少なくとも有する転写箔101を転写し、光硬化樹脂層107、接着層108を少なくとも設けたIDカード120である。コレステリック液晶層104の見栄えが向上し、偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術になるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上する。
【0087】
[請求項6に記載の発明]
図4乃至図6の実施の形態では、透過濃度が0.2以下である受像層105からなる転写箔101を用いている。透過濃度が0.2以下の受像層105にコレステリック液晶層104を設けることによってコレステリック液晶層104の見栄えが向上し、偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。 [請求項7に記載の発明]
図7の実施の形態では、支持体102、離型層103、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有する転写箔101を用いる。この転写箔101の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を熱転写またはインクジェットにより形成する。この転写箔101の熱転写によりカード基材110上にコレステリック液晶層104、受像層105、書誌情報及び識別情報層106を形成してIDカード120を作成する。偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術としてIDカード120を作成することができる。
【0088】
[請求項8に記載の発明]
図8の実施の形態では、支持体102上に、離型層103、コレステリック液晶層104、受像層105を少なくとも有する転写箔101を用いる。この転写箔101の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を熱転写またはインクジェットにより形成する。この転写箔101を熱転写によりカード基材110上にコレステリック液晶層104、受像層105、書誌情報及び識別情報層106を形成する。
【0089】
次いで、支持体141上に離型層142、光硬化樹脂層143、接着層144を少なくとも有する転写箔140を用い、この転写箔140を熱転写により、コレステリック液晶層104上に接着層144、光硬化樹脂層143を少なくとも設け、IDカード120を作成する。偽造防止機能をカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上することができるIDカード120を作成することができる。
【0090】
[請求項9に記載の発明]
図9の実施の形態では、コレステリック液晶層104、受像層105が順に形成されたカード基材110を用いる。このカード基材110の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成し、IDカード120を作成する。コレステリック液晶層104含むIDカード120を作成後、書誌情報及び識別情報層106を形成し、偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を上層に設けるため高度な偽造変造技術としてIDカード120を作成することができる。
【0091】
[請求項10に記載の発明]
図10の実施の形態では、コレステリック液晶層104、受像層105が順に形成されたカード基材110を用いる。このカード基材110の受像層105上に、書誌情報及び識別情報層106を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成する。次いで、支持体141上に、離型層142、光硬化樹脂層143、接着層144を少なくとも有する転写箔140を用い、この転写箔140の熱転写により、光硬化樹脂層143、接着層144を少なくとも設け、IDカード120を作成する。コレステリック液晶層104含むカード作成後、書誌情報及び識別情報層106を形成し、偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を上層に設けるため高度な偽造変造技術となるとともに、カード耐久性(スクラッチ強度)及び従来問題であった耐水性(仕上がりカードの水浸漬後の見栄え性)が向上することができる。
【0092】
[請求項11に記載の発明]
透過濃度が0.2以下である受像層105を用いた請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のIDカード120の作成であり、透過濃度が0.2以下の受像層105にコレステリック液晶層104を設けることによってコレステリック液晶層104の見栄えが向上し、偽造防止機能をIDカード120に任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層106を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【0093】
<IDカード用シート部材>
この発明に使用される被着体としてはIDカード(個人認証用カード)を意味し、ICカード、磁気カード、光記録カードも含みこれに限定されるものではない。この発明で用いられるIDカード用の基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。本発明の支持体の厚みは30〜300μm望ましくは50〜200μmである。
【0094】
IDカードを作成する際、同一又は配向角を合わしても良く、場合によっては異なる基材又は厚さの異なる支持体を複数積層し、貼り合わせ等により構成されたカードを作成しても良い。
【0095】
また、支持体上に、易接化処理を施してもよく、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂、帯電防止樹脂などの樹脂層より形成される。場合により支持体をコロナ処理、プラズマ処理等の易接処理を施しても良い。また、熱収縮を低減するためにアニール処理などを行っても良い。
【0096】
前記支持体には必要に応じてエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、偽変造防止用印刷層(パール顔料層、透かし印刷層、マイクロ文字等)、エンボス印刷層、ICチップ隠蔽層等を設けることができる。
【0097】
ICカードを作成する場合、特開2002−222403、特開2003−58847、特開2003−108959等で実施されているように電子部品を用い、後述する第1シート部材又は第2シート部材間に挿入してICカードを作成することができる。
【0098】
請求項9、請求項10に記載のように前記記載のコレステリック液晶層含有転写箔を用いずIDカード上に設けられている場合、前記記載のIDカード用シート部材上に形成することができる。
【0099】
[IDカード用材料]
前記記載のIDカード用シート部材には必要に応じて、受像層、コレステリック液晶層、クッション層、筆記層、フォーマット印刷層、電子部品などを設けることができる。請求項9、10に記載されているような材料であれば、前述した転写箔用に使用した受像層、コレステリック液晶層を少なくとも設けることが好ましい。尚筆記層を設ける場合、受像層とは反対側のカード面に筆記性を持たせるため筆記層を設けなくてはならない。
【0100】
受像層、コレステリック液晶層とは具体的には、前記転写箔で記載された受像層材料及びコレステリック液晶層と同様な材料を示す。
【0101】
[IDカード用クッション層]
この発明には必要に応じて、印字性を良化させるためにクッション層を設けることができる。クッション層を構成する材質としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、特開2002−207822記載の光硬化型樹脂の様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。この発明のクッション層を得るためには、100℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以下であって、170℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上で有ることである。クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
【0102】
この発明でいうクッション層とは、IDカード用に作成した(a)受像シートと基材の間、(b)受像層と電子部品の間、(c)筆記層と支持体の間、(d)筆記層と電子部品の間にクッション層を有するかいずれの形態であればよく特に制限はなく、複数層合ってもかまわない。
【0103】
[IDカード用筆記層]
この発明には必要に応じて、カードに追加情報を記録するために筆記層を設けてもよい。筆記層は、バインダーと各種の添加剤で形成することができる。筆記層は、IDカードの裏面に筆記をすることができるようにした層であこの層が筆記性を有するため少なくとも1層以上からなることが好ましく、好ましくは1〜5層より形成されていることが好ましい。このような筆記層としては、例えば無機微細粉末、多孔質物質等を用いることができる。多孔質物質としては、例えば、シリカ(沈降性、またはゲルタイプ)、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、ケイソウ土、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を使用することができる。なお、上記多孔質物質としては、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質を含むことができ特に限定はない。
【0104】
また、他にバインダーを用いることができ、例えばセラック、ロジンおよびその誘導体、硝化綿および繊維素誘導体、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、水溶性樹脂等を用いることができる。また、紫外線により共重合し硬化するプレポリマーを含有するUV硬化型樹脂を用いてもよい。それに用いる共重合性化合物としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアックリレート、ウレタンアクリレート、アルキドアクリレートがあげられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、が好ましく用いられる。なお、上記樹脂としては、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質の粒径としては、1〜10μmのものを用いることができ、好ましくは平均粒径が1〜8μmであることが好ましい。樹脂に対する多孔質物質の重量比は、固形分比で樹脂100重量部に対し、20重量部〜100重量部であることが好ましい。その他の添加剤としてワックス、界面活性剤、溶剤、水を含んでいてもよく特にに制限はない。
【0105】
この筆記層の厚さは、好ましくは、5〜40μm、更に好ましくは5〜30μmである。筆記層を形成する場合、場合により支持体との密着性を良好にするために接着層、又は筆記性を良好にするためにクッション層などを設けてもよい。本発明の場合、仕上がった筆記層の表面Raが2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μm、更に好ましくは0.3〜1.8μmである。表面粗さが0.2μm以下であると筆記性が劣化し問題となる。2.0μm以上であると本発明の筆記可能層への表面保護材料との密着性劣化と、表面の粗さが粗いために筆記可能層に手作業又は昇華熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式に昇華熱転写、溶融熱転写、インクジェット、油性ペン、水性ペン、印鑑等により個人識別情報を記載した場合が滲んだりし判別がしずらく問題となる。
【0106】
[IDカード用フォーマット印刷層]
この発明においては、受像層上又は筆記層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体層を設けることができる。フォーマット印刷からなる情報坦持体とは、識別情報及び書籍情報を記録した複数の選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体を表し、具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等を表す。
【0107】
この発明のフォーマット印刷層は目視による偽造防止の為に透かし印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、燐片顔料層、IC隠蔽層、透かし印刷層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
【0108】
フォーマット印刷からなる情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
【0109】
この発明においては、フォーマット印刷層に使用することができる印刷層は、バインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。この発明においては光硬化型樹脂層であることが好ましく、更に好ましくは(a)一個以上の不飽和結合を有するモノマーもしくはオリゴマーの一種類以上からなるバインダー成分25〜95重量部、(b)開始剤1〜20重量部とを含む組成物からなる光硬化型樹脂組成物からなる印刷インキ層を用いることがカード表面強度の点から特に好ましいものである。
【0110】
活性光線硬化樹脂を用いる場合、水銀灯、UVランプ、キセノン等の光源により、100mj〜500mjの露光で硬化し用いることができる。
【0111】
[IDカード用電子部品材料]
この発明においては、必要に応じ電子部品を設けることができる。電子部品とは、情報記録部材のことを示し具体的には当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチップに接続されたコイル状のアンテナ体である。ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピューターなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。この発明はこれに限定はされず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
【0112】
ICモジュールはアンテナコイルを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、銅の巻き線によるコイルや、銀ペースト等の導体ペーストを絶縁性の基盤上に渦巻き状に印刷したものや、銅箔等の金属箔をエッチングしたコイル等が用いられている。この発明では、通信性から銅の巻き線によるコイルを使用することが好ましい。場合により樹脂、絶縁層などで被覆していても良い。
【0113】
アンテナコイルを含む回路パターンは巻き線タイプであることが好ましく、場合により途中のコイルパターンと短絡することないよう別工程で電気的に接続することも可能である。アンテナコイルのターン回数は2〜10ターンであることが好ましいが、この発明では特に制限はない。プリント基板としては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業のEN−4000シリーズ、東芝ケミカルのXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業製アニソルム等)を用いる方法、或いは半田接合、ACF接合を行う方法が知られているがいずれの方法を用いてもよい。
【0114】
予めICチップを含む部品を所定の位置に載置してから樹脂を充填するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて該樹脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状に使用されることが好ましい。例えば特願平11−105476号等の記載されている方法等を用いることができる。
【0115】
例えば、不織シート部材として、不織布などのメッシュ状織物や、平織,綾織,繻子織の織物などがある。また、モケット、プラッシュベロア、シール、ベルベット、スウェードと呼ばれるパイルを有する織物などを用いることができる。材質としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン8等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系等の合成樹脂、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテート)、アラミド繊維の中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた繊維が上げられる。これらの繊維材料において好ましくは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアイド等のアクリル系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨン及びアセテート、アラミド繊維があげられる。
【0116】
また、ICチップは点圧強度が弱いためにICチップ近傍に補強板を有することも好ましい。
【0117】
電子部品の全厚さは10〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜450μm、更に好ましくは10〜350μmが好ましい。
【0118】
[電子部品を備えたIDカード用作成方法]
この発明において、電子部品を設ける方法としては、前記記載のIDカード用シート部材として少なくとも2つ以上の支持体を用いその間に接着剤を介して電子部品を封入する方法が挙げられる。第1シート部材と第2シート部材との間に所定の電子部品とを備えるために製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で貼り合わせてもよい。また、第1シート部材と第2シート部材は張り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
【0119】
この発明のIC搭載カード基材の製造方法は、特開2000−036026、特開2000−219855、特開2000−211278、特開2000−219855、特開平10−316959、特開平11−5964等のように貼り合わせ、塗設方法が開示されている。いずれの貼り合わせ方式、塗設方法等を用いることができ、この発明には特制限ない。
【0120】
具体的な製造方法としては、少なくとも、常温状態では固形物又は粘調体であり、加熱状態では軟化する接着部材をカード用の電子部品に施して電子部品保持体を形成する工程と、この電子部品保持体を基板用の部材上に配置する工程と、この基板用の部材上の電子部品保持体を覆うように表面用の部材を配置する工程と、所定の加圧加温条件の下で基板用の部材、電子部品保持体及び表面用の部材とを貼り合わせる工程とを有し貼り合わせることを特徴とするものである。
【0121】
固形物又は粘調体の加熱状態で軟化する接着部材とは、接着剤自身をシート状に形成し具備する方法と接着剤自身を加熱又は常温で溶融し射出成型によって貼り合わせることが好ましい。この発明の場合支持体の熱変形、コレステリック液晶層の熱による視覚低下を低減するために低温接着剤が好ましく、より好ましくは反応型接着剤、ホットメルト接着剤、更に好ましくは反応型ホットメル接着剤を用いることが好ましい。
【0122】
貼り合わせ時には、基材の表面平滑性、第1シート部材と第2シート部材との間に所定の電子部品の密着性をあげるために加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式、キャタピラ方式等で製造することが好ましい、更にはIC部品の割れを考慮して、線接触に近く、僅かなズレでも無理な曲げ力が加わるローラを避けて平面プレス型とするのが好ましい。加熱は、10〜120℃が好ましく、より好ましくは30〜100である。温度が高すぎるとコレステリック液晶層を設けている場合、破壊し視覚性が低減し偽造防止効果がなくなり問題となってしまう。加圧は、0.05〜300kgf/cm2が好ましく、より好ましくは0.05〜100kgf/cm2である。これより圧が高いとICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは、0.1〜180secより好ましくは0.1〜120secである。これより時間が長いと製造効率が低下する。
【0123】
前記接着剤貼合法や樹脂射出法で貼り合わせた枚葉シート又は連続塗工ラミロールは、接着剤の所定硬化時間に合わした時間内放置後、認証識別画像や書誌事項を記録しても良く、その後所定のカードサイズに成形しても良い。所定のカードサイズに成形する方法としては打ち抜く方法、断裁する方法等が主に選択されICカード基材を作成することができる。
【0124】
電子部品を封入するための接着剤とは、光硬化型接着剤若しくは湿気硬化型接着剤、弾性エポキシ接着剤等を表す。この発明では、湿気硬化型接着剤を用いることが好ましい。
【0125】
反応型ホットメルト接着剤として、湿気硬化型の材料が好ましく、湿気硬化型の材料は特開2000−036026、特開2000−219855、特開2000−211278、特開2002−175510で開示されている。光硬化型接着剤としては、特開平10−316959、特開平11−5964等が開示されているものを用いることができる。これら接着剤のいずれも使用してもよく、この発明には制限はない材料を用いることが好ましい。接着剤の膜厚は、電子部品と含めた厚さで10〜600μmが好ましく、より好ましくは10〜500μm、更に好ましくは10μ〜450μmである。
【0126】
[IDカード厚さ]
この発明では前記記載の材料から構成されIDカード被着体を作成することが出来る。この発明対象IDカードは、厚さ300〜1200μmの厚さを有することが好ましく、更に好ましくは300〜1000μmであり、より好ましくは400〜1000μmであることがこのましい。1200μm以上であると、カードケース及び財布に入れる際に厚い分、わずらわしさを感じ非常に不便であった。300μm以下であると携帯性は向上するものの、電子部品等を入れた際に電子部品の耐久性が劣化し問題であった。
【0127】
<画像形成方法の一般記載>
この発明では、前記記載(a)離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の接着層側、(b)IDカードへ受像層上に書誌情報及び識別情報記録として、画像要素すなわち顔画像等の顔画像等の認証識別画像、属性情報画像から選ばれる少なくとも1つを設けることができる。
【0128】
顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記録方式、インクジェット方式等により作製される。また、文字情報画像は二値画像よりなり、例えば溶融型感熱転写記録方式、昇華型感熱転写記録方式、インクジェット方式等により作製されることが好ましい。より好ましくは昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像を記録し、溶融型感熱転写記録方式で、属性情報画像を記録することが好ましい。
【0129】
属性情報は具体的には氏名、住所、生年月日、資格等を示す。
【0130】
この発明に用いられる書誌情報及び識別情報記録材料を説明する。
【0131】
[昇華画像形成方法]
昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された昇華性色素含有インク層とで構成することができる。
−支持体−
支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える限り特に制限がなく、従来から公知のものを使用することができる。
−昇華性色素含有インク層−
上記昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。
【0132】
前記昇華性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
【0133】
前記シアン色素としては、特開昭59−78896号公報、同59−227948号公報、同60−24966号公報、同60−53563号公報、同60−130735号公報、同60−131292号公報、同60−239289号公報、同61−19396号公報、同61−22993号公報、同61−31292号公報、同61−31467号公報、同61−35994号公報、同61−49893号公報、同61−148269号公報、同62−191191号公報、同63−91288号公報、同63−91287号公報、同63−290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0134】
前記マゼンタ色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−30392号公報、同60−30394号公報、同60−253595号公報、同61−262190号公報、同63−5992号公報、同63−205288号公報、同64−159号、同64−63194号公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0135】
イエロー色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−27594号公報、同60−31560号公報、同60−53565号公報、同61−12394号公報、同63−122594号公報等の各公報に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素およびアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
【0136】
また、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン色素およびフェノールまたはナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体のとのカップリング反応により得られるインドアニリン色素である。
【0137】
また、受像層中に金属イオン含有化合物が配合されているときには、この金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク層中に含めておくのが良い。このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、同平4−094974号、同4−097894号、同4−089292号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができる。
【0138】
X1−N=N−X2−G
ただし、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わす。Gはキレート化基を表わす。
【0139】
いずれの昇華性色素に関しても前記昇華性色素含有インク層に含有される昇華性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良く、形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んでいても良い。前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体1m2当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。また、インクシート用支持体には、バインダーとの接着性の改良や色素のインクシート用支持体側への転写、染着を防止する目的で下引層を有していてもよい。更にインクシート用支持体の裏面(インク層と反対側)には、ヘッドのインクシート用支持体に対する融着やスティッキング、熱昇華型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層厚みは、通常0.1〜1μmである。
【0140】
[熱溶融画像形成方法]
<熱溶融性インク層>
熱溶融転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された熱溶融含有インク層とで構成することができる。熱溶融性インク層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂および着色剤等から構成される。また、昇華型感熱転写記録用インクシート同様、熱溶融型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層の厚みは、通常0.1〜1μmである。
【0141】
前記熱溶融性化合物としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを任意に使用することができ、具体的には、たとえば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂の低分子量物、特開昭63−193886号公報の第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行までに例示の物質を挙げることができ、さらにこれらの他に、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グリセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂およびエステルガム等のロジン誘導体、ならびにフェノ−ル樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香族炭化水素樹脂などを挙げることができる。なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるものが好ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記熱可塑性樹脂としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものなど各種のものが使用可能であり、例えば、特開昭63−193886号公報の第4頁右上欄第16行から第5頁左上欄第18行に例示の物質を挙げることができる。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記着色剤としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限なく使用することができ、たとえば、特開昭63−193886号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の無機顔料、有機顔料等の顔料、ならびに有機染料等の染料を挙げることができる。
【0142】
これら各種の着色剤は、一種単独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。前記熱溶融性インク層には、必要に応じてこの発明の目的を阻害しない範囲で、上記以外の他の添加成分を適宜添加することができる。たとえば、この熱溶融性インク層には、フッ素系界面活性剤を含有させても良い。フッ素系界面活性剤の含有により、前記熱溶融性インク層のブロッキング現象を防止することができる。また、転写した文字情報含有画像の先鋭性すなわち、文字境界部の切れを良くするために有機微粒子、無機微粒子、非相溶性樹脂を添加するのも効果的である。前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、0.6〜5.0μmであり、特に1.0〜4.0μmであるのが好ましい。この熱溶融性インク層は、形成成分を有機溶媒に分散あるいは溶解して塗布する方法(有機溶剤法)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化あるいは溶融状態にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採用して塗設されていても良いが、形成成分を水や有機溶媒に分散もしくは溶解させたエマルジョン、もしくは溶液などを用いて塗工されてなるのが好ましい。前記熱溶融性インク層の塗設に用いる塗工液中の層形成成分の合計の含有率は、通常は、5〜50重量%の範囲内に設定される。塗布方法は、通常の方法を利用して行なうことができる。塗布方法の例としては、ワイヤーバーを用いた方法、スクイズコート法およびグラビアコート法などを挙げることができる。また、熱溶融性インク層は、少なくとも一層で設けられていることが必要であるが、たとえば着色剤の種類および含有率、あるいは熱可塑性樹脂と熱溶融性化合物との配合比率などの異なる二層以上の熱溶融性インク層を積層して構成してもよい。
【0143】
[認証識別画像の形成]
認証識別画像を形成するには、昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層と基材における受像層とを重ねあわせ、熱拡散性色素含有インク層と受像層とにイメージワイズに熱エネルギーを与える。すると、熱拡散性色素含有インク層中の熱拡散性色素は、この画像形成時に加えられた熱エネルギーに応じた量だけ気化あるいは昇華し、受像層側に移行し、受容される結果、受像層に階調情報含有画像が形成される。
【0144】
熱エネルギーを与える熱源としては、サーマルヘッドが一般的であるが、このほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものを使用することができる。熱エネルギーを与える熱源としてサーマルヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに印加する電圧あるいはパルス幅を変調することにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることができる。熱エネルギーを与える熱源としてレーザー光を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させることにより与える熱エネルギーを変化させることができる。
【0145】
この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レーザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カーボンブラックや近赤外線吸収物質など)をインク層中、もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。なお、レーザー光を用いるときは昇華型感熱転写記録用インクシートと基材における受像層とを充分に密着させて行うとよい。
【0146】
音響光学素子を内蔵したドットジェネレーターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与えることもできる。熱エネルギーを与える熱源として赤外線フラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用いる場合と同様に、加熱を黒色などの着色層を介して行うとよい。あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的に表現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱を行なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前記のパターンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて加熱を行なってもよい。
【0147】
熱エネルギーの与え方としては昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なっても、感熱転写記録用受像シート側から行なっても、あるいは両側から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を優先させるなら、昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なうのが望ましい。以上の熱転写記録により、感熱転写記録用受像シートの受像層に一色の画像を記録することができるが、下記の方法によると、各色の掛け合せからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。たとえばイエロー、マゼンタ、シアンおよび必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱シートを順次取り換えて、各色に応じた熱転写を行なうと、各色のかけあわせからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。
【0148】
それから、次の方法も有効である。すなわち、上記のように各色の昇華型感熱転写記録用インクシートを用いるかわりに、予め各色に塗り分けて形成した区域を有する昇華型感熱転写記録用インクシートを用いるのである。そして、まずイエローの区域を用いてイエローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用いてマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返すことによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要により黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。
【0149】
さらに上記方法で画像を形成した後に、画像保存性の向上の目的で、上記記載の方法で加熱処理を施してもよい。たとえば、画像形成面全面にわたって、サーマルヘッドで昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層を設けていない部分を用いて、加熱処理したり、あるいは新たにヒートロール等の加熱処理を行ってもよい。また、近赤外線吸収剤を含有している場合には、赤外線フラッシュランプを用いて画像形成面を露光させてもよい。いずれの場合も、加熱手段は問わないが、受像層内部に色素をさらに拡散させるのが目的であるので、加熱方向は受像層の支持体側から加熱するのが効果的で、本発明ではサーマルヘッドを用いることが好ましい。
【0150】
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わし、画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm2〜0.01の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.01、更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.02である。
【0151】
[属性情報画像の形成]
前記熱溶融型感熱転写記録用インクシートを用いる熱溶融型転写方法は、通常の感熱転写記録方法と異なるものではないが、熱源として最も典型的な熱ヘッドを使用する場合を例にして説明する。まず、熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層と基材の受像層面とを密着させ、必要に応じてさらに熱溶融性インク層にサーマルヘッドによって熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パターンに対応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
【0152】
熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度が上昇し、速やかに軟化して基材の受像面に転写される。なお、この文字、図形、記号あるいは罫線等の階調性を必要としない非階調情報含有画像の形成は、前記した階調情報含有画像の形成に先立って行われても良く、また、階調情報含有画像が形成されてからこの非階調情報含有画像の形成が行われてもよい。また、この文字情報含有画像は、前記昇華型感熱転写記録用インクシートを使用することによっても形成することができる。
【0153】
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わし、文字情報画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm2〜0.01の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.01、更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.02である。
【0154】
[インクジェット]
インクジェット方式を採用する場合、例えば、バブルジェット(登録商標)方式で400dpi程度の解像度で足りるし、顔画像については剪断モード方式で多階調とすることができる。特開平9−71743のように、アルキル基の炭素数18〜36の脂肪酸エステルと、ダイマー酸ベースのポリアミドを併用する方法や、特開2000−44857のように、光硬化性組成物中にバインダーを分散させるインク又は、特開平9−71743、特開2000−297237、特開2000−85236、特開平5−1254等に記載されているインキを用い製造することが出来る。又後加工としてインクジェットで文字情報、顔画像等を書き込んだ後に後加熱、後露光等などを行っても良く、特にインキ種類、画像形成方法に制限はない。
<コレステリック液晶層上へ付与可能な転写箔>
[転写箔用支持体]
支持体としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。この発明の支持体の厚みは10〜200μm望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。この発明の特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作成手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。本発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。また必要に応じて帯電棒思想を具備していてもよい。
【0155】
[転写箔離型層]
剥離層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物、等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。この離型層は、離型層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.000g/m2〜3.00g/m2であり、より好ましくは0.000005g/m2〜2.00g/m2であり、さらに好ましくは0.00001g/m2〜2.00g/m2である。
【0156】
転写箔を2枚以上転写する場合は熱可塑性エラストマーを添加してもよい。
【0157】
また、必要に応じて、本発明の離型層と樹脂層或いは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0158】
また、前述のようにカードのゴミ付着、装置バグ防止を行うために、c)金属酸化物微粒子、d)導電性粉末又は導電性樹脂の何れか1つ以上を含んでいてもよい。
【0159】
[光硬化済硬化層]
次いで離型層に隣接し光硬化済硬化層を設けることが好ましく用いられる。
【0160】
光硬化型樹脂層としては、活性光線硬化性樹脂を用いることができる。活性光線硬化性樹脂は、付加重合性または開環重合性を有するものであり、付加重合性化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982、特開平9−134011号、特開平9−227793号、特開平10−863号公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料などである。付加重合性化合物とは、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137公報等に公開されている。ラジカル重合性化合物には通常の光重合性化合物及び熱重合性化合物が包含される。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性組成物中の添加量は好ましくは1〜97重量%であり、より好ましくは30〜95重量%である。これらの中で特に好ましいものは、常温での安定性に優れ、加熱時の分解速度が速く、かつ分解時に無色となる化合物であり、このようなものとしては、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
【0161】
また、この発明では、これらの熱重合開始剤を1種又は2種以上混合して用いることができる。更に、熱重合開始剤は、熱重合性の組成物中通常0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%の範囲がより好ましい。カチオン重合系光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。紫外線硬化保護層形成用コーティング剤中の、エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%以上であるのが好ましい。カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(4)N−ビニル化合物類
例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等。上記カチオン重合性化合物のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97重量%が好ましくは、より好ましくは30〜95重量%である。
【0162】
カチオン重合系光硬化樹脂の開始剤としては、芳香族オニウム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(たとえばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(たとえばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、および第VIIa族元素の塩たとえばヨードニウム塩(たとえば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。
【0163】
このような芳香族オニウム塩をエポキシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用することは、米国特許第4,058,401号、同第4,069,055号、同第4,101,513号および同第4,161,478号公報に詳述されている。好ましいカチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好ましい。またフォトポリマーハンドブック(フォトポリマー懇話会編 工業調査会発行 1989年)の39〜56頁に記載の公知の光重合開始剤、特開昭64−13142号、特開平2−4804号に記載されている化合物を任意に用いることが可能である。活性光線硬化型樹脂層には必要に応じて、増感剤、重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加できる。
【0164】
この光硬化済硬化層は、3.0〜15g/m2であることが好ましい。特に好ましくは、3.0〜13g/m2、より好ましくは5.0〜13g/m2である。3.0g/m2以下であるとスクラッチ強度が低下し問題となる。光硬化済層の膜厚15g/m2以上であるとスクラッチ強度は良好であるもののカード転写後時の剥離力変化によりバリが発生しやすくなり装置内でのゴミ発生量が増しゴミ付着量が増大し問題となる。
【0165】
上記光硬化層を硬化させる方法としては、製造時に硬化させる方法などいずれの方式を採用してもよい。活性光線としては、重合開始剤に対し活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類のより、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。また活性光線は、場合により、窒素置換、減圧下等による方法で空気を遮断し重合速度を向上させてもよい。レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。レーザー光源としてはアルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。
【0166】
偽変造防止の目的で光硬化済層に次いで、光学変化素子層転写層設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long Lasting Economical Anticopy Device)のような画像が変化して見えるもの、5)ストライブ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻第6号P482〜P496記載に有るような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。この発明においては、ホログラムがとくに好ましい。
[中間層及びプライマー層、バリヤ層]
この発明帯電防止層付き転写箔は、該光硬化済硬化層に隣接したポリビニルブチラール樹脂又はポリブチラールの中間層又は/及び接着層を有し、且つ中間層又は/及び接着層に紫外線吸収剤を含有することが好ましい。中間層の他にバリヤー層、ホログラム層、光学変化素子層、プライマー層等を層間密着性、カード密着性のために付与してもよく制限はない。
【0167】
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく、場合によりプライマー層、バリヤ層として介在しても層間の接着性をさらに向上させてもよい。
【0168】
この発明で用いられる中間層は、画像の耐光性をあげるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0169】
紫外線吸収剤としては、色素画像の紫外線吸収用として機能し、かつ熱転写が可能であればよく、例えば特開昭59−158287号、同63−74686号、同63−145089号、同59−196292号、同62−229594号、同63−122596号、同61−283595号、特開平1−204788号等の各公報に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を使用することができる。
【0170】
具体的にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系のものが挙げられ、例えばTinuvin P、Tinuvin123、234、320、326、327、328、312、315、384、400(チバガイギー社製)、Sumisorb−110、130、140、200、250、300、320、340、350、400(住友化学工業(株)製)、MarkLa−32、36、1413(アデカア−ガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。
【0171】
また、ベンゾフェノン誘導体等を側鎖に持つペンダントポリマーも好ましく用いられる。また、紫外線領域に吸収を持つ無機微粒子、超微粒子金属酸化物粉末分散剤等も使用することができる。無機微粒子としては酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ素化合物等が挙げられる。超微粒子金属酸化物粉末分散剤としては、超微粒子酸化亜鉛粉末、超微粒子酸化チタン粉末、等を水又はアルコール混合液又は各種油性分散媒体と、界面活性剤や水溶性高分子や溶剤可溶性高分子等の分散剤を用いて作られたものが挙げられる。
【0172】
酸化防止剤としては、特開昭59−182785号、同60−130735号、特開平1−127387号等の各公報に記載の酸化防止剤、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。具体的にはフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、アミン系等の一次酸化防止剤、或いは硫黄系、リン系等の二次酸化防止剤が挙げられ、例えばSumilizerBBM−S、BHT、BP−76、MDP−S、GM、WX−R、BP−179、GA、TPM、TP−D、TNP(住友化学工業(株)製)、Irganox−245、259、565、1010、1035、1076、1081、1098、3114(チバガイギー社製)、MarkAQ−20、AO−30、AO−40(アデカアーガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。
【0173】
光安定化剤としては、特開昭59−158287号、同63−74686号、同63−145089号、同59−196292号、同62−229594号、同63−122596号、同61−283595号、特開平1−204788号等の各公報に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。具体的にはヒンダードアミン系等が挙げられ、例えばTinuvin622LD、144、Chimassob 944 LD(チバガイギー社製)、サノール LS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−114、LS−774(三共(株)製)、Mark LA−62、LA−67、LA−63、LA−68、LA−82、LA−87(アデカアーガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。
【0174】
上記紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤の他にバインダーを用いることができ、この発明では、中間層として光硬化済層への密着性等からポリビニルブチラール樹脂又はポリブチラールを用いることが特に好ましい。
【0175】
併用して、例えば熱可塑性樹脂として塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が挙げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されているSEBS樹脂、SEPS樹脂およびそれらの変性物などを用いることができる。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0176】
具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。
【0177】
この発明のポリビニルブチラール樹脂としては、積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、BL−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はい。皮膜強度UPのために熱硬化性化合物を添加してもよい。具体的にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。
【0178】
紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤はバインダーに100重量%に対し0.05〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05重量%〜10重量%以下となる。
【0179】
紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤を含有している中間層膜厚は、0.05〜15.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10g/m2、更に好ましくは0.1〜10.0g/m2である。
【0180】
[接着層]
前記熱接着性樹脂としては、転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられそれらの共重合体や混合物でもよい。
【0181】
具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の重量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。またこの層には、前記記載の紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤を含有していてよい。
【0182】
[IDカード上へ転写箔付与方法]
<転写方法>
転写箔の被転写材への転写は通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどの加熱しながら加圧を行える手段を用い転写を行うことができる。具体的にはホットスタンプマシーンを使用する場合、表面温度150〜300℃に加熱し、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力50〜500kg/cm2で0.5〜10秒間熱をかけて転写を行なうことができる。この発明の具体的な使用例として転写用カートリッジ400、ホットスタンプ装置500を図2及び図3に示した。
【0183】
この発明においては、カードへの転写方法、カードからの転写箔剥離方法は特に制限がなく、特開2001−063294、特開2001−1672、2001−1674等の装置を使用することができる。この発明では、転写箔の転写は少なくとも1回以上転写することが好ましく、スクラッチ強度を向上させるためには複数使用することが好ましい。
【0184】
[実施例]
[IDカード基材1の作成]
厚さ350μmのポリエチレンテレフタレート〔帝人(株)製:テトロンHS350〕の両面に白色ポリプロピレン樹脂〔三菱油化(株)製:ノーブレンFL25HA〕をエクストルージョンラミネート法で厚み50μmになる様に設けた。得られた複合樹脂シートの一方の面に25W/m2・分でコロナ放電処理を施し、シートを作成し、下記a)、b)、c)の順に積層した。
<(a)受像層の形成>
(昇華型感熱転写記録用の受像層の作成)前記支持体のコロナ放電処理した面に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 9部 〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
<(b)筆記層の作成>
支持体上の受像層とは反対面に王子油化(株)製:ユポDFG−65シートを貼合し下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 6部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 2部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
上記方法により、受像層、筆記層を有するシートを得ることができた。
【0185】
筆記層塗布後の最表面のRaは、1.56μmであった。
<(c)IDカード基材1へのフォーマット印刷層の形成>
受像層上、筆記層上に樹脂凸印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名、罫線、発行者名、発行者電話番号)を行った。印刷インキはUV墨インキを用い印刷を行った。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。フォーマット印刷済シートはカード打ち抜き機 図11のカード打抜き機により、カード基材厚さ500μm、55mm×85mmサイズのIDカード基材1を得ることができた。
[IDカード基材2の作成]
厚さ350μmのポリエチレンテレフタレート〔帝人(株)製:テトロンHS350〕の両面に白色ポリプロピレン樹脂〔三菱油化(株)製:ノーブレンFL25HA〕をエクストルージョンラミネート法で厚み50μmになる様に設けた。得られた複合樹脂シートの一方の面に25W/m2・分でコロナ放電処理を施し、シートを作成し、下記a)、b)、c)、d)の順に積層した。
<(a) コレステリック液晶層の作成>
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。乾燥膜厚は5μmとした。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料
ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル) 90重量部
<(b)受像層の形成>
(昇華型感熱転写記録用の受像層の作成)
前記コレステリック液晶層上に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 9部 〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
<(c)筆記層の作成>
支持体上の受像層とは反対面に王子油化(株)製:ユポDFG−65シートを貼合し下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが第1筆記層から5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部 〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 6部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 2部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
上記方法により、コレステリック液晶層、受像層、筆記層を有するシートを得ることができた。
<(d)IDカード基材2へのフォーマット印刷層の形成>
受像層上、筆記層上に樹脂凸印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名、罫線、発行者名、発行者電話番号)を行った。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。フォーマット印刷済シートはカード打ち抜き機 図11のカード打抜き機により、カード基材厚さ500μm、55mm×85mmサイズのIDカード基材2を得ることができた。
[IDカード基材3の作成]
厚さ350μmのポリエチレンテレフタレート〔帝人(株)製:テトロンHS350〕の両面に白色ポリプロピレン樹脂〔三菱油化(株)製:ノーブレンFL25HA〕をエクストルージョンラミネート法で厚み50μmになる様に設けた。得られた複合樹脂シートの一方の面に25W/m2・分でコロナ放電処理を施し、シートを作成し、下記a)、b)、c)の順に積層した。これをカード製造用の基材として用いるとき、筆記層でない面に本発明転写箔及びインクシートを用いコレステリック液晶層や、書誌情報、識別情報を設け作成した。
<a)易接着層の形成>
前期得られた複合体の両面に下記易接着層を0.5μmを形成した。
【0186】
ポリビニルブチラール樹脂 8部 〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 2部 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部
<(b)筆記層の作成>
支持体上の片面側に王子油化(株)製:ユポDFG−65シートを貼合し下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 6部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 2部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
上記方法により、受像層、筆記層を有するシートを得ることができた。
【0187】
筆記層塗布後の最表面のRaは、1.56μmであった。
<(c)IDカード基材1へのフォーマット印刷層の形成>
筆記層上に樹脂凸印刷法により、フォーマット印刷(罫線、発行者名、発行者電話番号)を行った。印刷インキはUV墨インキを用い印刷を行った。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。フォーマット印刷済シートは図11のカード打抜き機により、カード基材厚さ500μm、55mm×85mmサイズのIDカード基材3を得ることができた。
[IDカード基材4の作成]
下記作成の受像層を有する第1シート部材、筆記層を有する第2シート部材作成方法シートを作成し、下記ICカード基材作成方法によりIDカード基材4を作成した。
<第1シート部材作成方法>
表面シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上に下記組成の光硬化型クッション層、コレステリック液晶層、第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みがクッション層10.0μm、コレステリック液晶層5μm、第2受像層2.5μm、第3受像層0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
<(a)光硬化型クッション層)>
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA512) 6.5部
ポリエステルアクリレート(東亞合成社製:アロニックスM6200) 1部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA4000) 2部
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ:イルガキュア184) 0.5部
メチルエチルケトン 90部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
<b)コレステリック液晶層の作成>
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料 ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ 90重量部
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル)
<c)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部 〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部 〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
(受像層へのフォーマット印刷層の形成)
受像層上に樹脂凸印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名)を行いフォーマット印刷済第1シート部材を作成した。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
<第2シート部材の作成方法>
裏面シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上に第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが第1筆記層から5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。尚、クッションを設けないため針入変位量は測定しなかった。
筆記層の塗布後の最表面のRaは、1.56μmであった。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 6部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 2部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
(筆記層へのフォーマット印刷層の形成)
筆記層上に樹脂凸印刷法により、樹脂凸印刷(罫線、発行者名、発行者電話番号)を行いフォーマット印刷済第2シート部材1を作成した。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
【0188】
前記作成された、第1シート部材、第2シート部材を用い下記の製造方法でIDカード基材4(ICカード)を得ることができた。
<IDカード基材の製造方法>
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態としての画像記録体、その製造装置及びその製造方法について説明をする。
【0189】
図12乃至図15は、この発明で使用することができるICモジュール断面図を示す図である。
【0190】
図12に示すICモジュールは、モジュール支持体203dが樹脂シートであり、例えばPET−Gシートを用いている。この樹脂シートにアンテナ203a1が形成される。ICチップ203a2は、リードフレーム203eに固定され、このリードフレーム203eが密着剤294によってモジュール支持体203dに固定されている。
【0191】
図13に示すICモジュールは、モジュール支持体203dがPETシートである。このICモジュールは、モジュール支持体203d上に設けたアンテナ203a1に、ICチップ203a2の回路面203a21に設けた接続用バンプ203a23を、導電性接着剤290である異方導電性接着剤により電気接続している。このICチップ203a2の回路面203a21と反対側に補強板203bを密着剤297を介して加圧加熱密着させてICモジュールを作成する。ICチップ203a2と補強板203bは密着剤によって接着してもよい。
【0192】
図14に示すICモジュールは、モジュール支持体203dが不織布である。このICモジュールは、モジュール支持体203d上に補強板203bを密着剤294によって接着する。この補強板203bに、ICチップ203a2の回路面203a21と反対面側を密着剤295により接続している。このICチップ203a2の回路面203a21に設けた接続用バンプ203a23をアンテナ203a1に電気接続する。
【0193】
図15に示すICモジュールは、モジュール支持体203d1,203d2が不織布である。このICモジュールは、モジュール支持体203d1,203d2の間にアンテナ203a1と、補強板203bに密着剤296によって接着したICチップ203a2とを配置している。
【0194】
図16及び図17はICモジュールの模式図であり、銅線を4回巻いたアンテナコイル300にICチップ301が接合されている。図16は不織布タイプであり、アンテナパターンが挿入されている不織布302とICチップ301がボンディング等で接合され、ICチップ301には補強板303が少なくとも一方にICチップ301を50%以上覆うようにして介在している模式図である。日立マクセル株式会社製ICカードシート「FTシリーズ」も使用することも可能である。図17はプリント基板タイプであり、プリントパターンが形成されたプリント基板310とICチップ301がボンディング等で接合され、ICチップ301には補強板303が少なくとも一方にICチップ301を50%以上覆うようにして介在している模式図である。この発明では、図16、図17の何れかを用いてもよいがこの実施例では、図16のICモジュールを用いてIDカードを作成した。
【0195】
[具体的なICカード作成方法]
第1シート部材、第2シート部材を用い図18のICカード製造装置によりIDカード基材4(ICカード)を作成した。
【0196】
以下ICカード基材作成装置について説明する。図19は代表的な第1シート部材を示し、図20は第2シート部材を示す。
【0197】
この発明のICカード基材作成装置は、長尺シート状で厚さ188μmの第1シート部材(裏面シート)と、枚葉シート状で厚さ188μmの第2シート部材(表面シート)とが配備される。第1シート部材(受像シート)搬送工程と第2シート部材(筆記シート)搬送工程を配備し、第1シート部材(受像シート)供給部600から第1シート部材を供給し、第2シート部材(筆記シート)供給部601から第2シート部材を供給する。
【0198】
第1シート部材に低温接着剤供給部610からICカード用接着剤、具体的にはヘンケルジャパン株式会社製、湿気硬化型ホットメルト接着剤マクロプラストQR3460接着剤を130℃で窒素下で溶融し、低温接着剤供給部610からTダイ塗布方式により接着剤供給し、その塗布部上に厚さ約300μmの電子部品をIC/固定部材供給部612から配置される。
【0199】
長尺シート状で厚さ188μmの第2シート部材に低温接着剤供給部611からICカード用接着剤、具体的にはヘンケルジャパン株式会社製、湿気硬化型ホットメルト接着剤マクロプラストQR3460接着剤を130℃で窒素下で溶融し、低温接着剤供給部611からTダイ塗布方式により接着剤供給した。
【0200】
低温接着剤塗工された第1シート部材を第1シート搬送部材620で搬送し、この第1シート部材と第2シート部材を加熱/加圧ロール621(圧力3kg/cm2、ロール表面温度70℃)により貼合され、膜厚制御ロール622により740μmに制御されたICカード基材原版が作成され、IC搭載カード基材搬送部材623で取り出される。
【0201】
このICカード基材原版は、接着剤の硬化、支持体との密着性が十分に行われてから化粧断裁することが好ましく、この発明では、23℃/55%環境下で14日硬化促進させた後、原版を図11のカード打ち抜き機により55mm×85mmサイズ、厚さ760μmのIDカード基材4を得ることができた。
[A転写箔(離型層、コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)1の作成]
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、A転写箔1を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、
ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)コレステリック液晶層 膜厚5.0μm >
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料 ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ 90重量部
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル)
<c)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部 〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部 〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0202】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0203】
その結果、透過濃度は0.012であった。
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、コレステリック液晶層、受像層、中間層、接着層で構成されるA転写箔1を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)2の作成]
ユニチカ(株)製ポリエチレンテレフタレート(AS(T))25μmの帯電防止層とは反対側面にケイ砂を用い、中心線平均粗さ(Ra)が0.4μmとなるようにサンドマット加工処理を行った。その後、ケイ砂及び研磨カス等の残渣を取り除く為に水で処理面を洗浄し、乾燥し作製した。仕上がった支持体の一般式(1)は0.016、表面固有抵抗値は1.1×108Ω/□となった。
【0204】
サンドマット面とは逆面の帯電防止層上に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、A転写箔2を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、
ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)コレステリック液晶層 膜厚5.0μm >
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料 ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ 90重量部
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル)
<c)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部 〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0205】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0206】
その結果、透過濃度は0.012であった。
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、コレステリック液晶層、受像層、中間層、接着層で構成されるA転写箔2を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)3の作成]
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、A転写箔3を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、
ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)コレステリック液晶層 膜厚5.0μm >
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料
ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ 90重量部
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル)
<c)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 5部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
カーボンブラック 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0207】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0208】
その結果、透過濃度は0.26であった。
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、コレステリック液晶層、受像層、中間層、接着層で構成されるA転写箔3を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)4の作成]
ユニチカ(株)製ポリエチレンテレフタレート(AS(T))25μmの帯電防止層とは反対側面にケイ砂を用い、中心線平均粗さ(Ra)が0.4μmとなるようにサンドマット加工処理を行った。その後、ケイ砂及び研磨カス等の残渣を取り除く為に水で処理面を洗浄し、乾燥し作製した。仕上がった支持体の一般式(1)は0.016、表面固有抵抗値は1.1×108Ω/□となった。
【0209】
サンドマット面とは逆面の帯電防止層上に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、A転写箔4を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0210】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0211】
その結果、透過濃度は0.012であった。
<c)コレステリック液晶層 膜厚5.0μm>
コレステリック液晶顔料を使用したインキとして下記材料を作成し、スクリーン印刷を行い、メタルハライドランプで300mj照射し固定化した。
[コレステリック液晶インキの作成]
コレステリック液晶顔料
ヘリコーンHC(ワッカーケミカル社製) 10重量部
スクリーンインキ 90重量部
(レイキュアーOP4300シリーズ クリヤー 十条ケミカル)
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、受像層、コレステリック液晶層、中間層、接着層で構成されるA転写箔4を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)5の作成]
(比較例)
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)を順に塗工乾燥して、A転写箔5を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0212】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0213】
その結果、透過濃度は0.012であった。
<c)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<d)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、コレステリック液晶層、受像層、中間層、接着層で構成されるA転写箔5を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)6の作成]
(比較例)
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)を順に塗工乾燥して、A転写箔6を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)受像層の形成>
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 5部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
カーボンブラック 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
第2受像層、第3受像層を乾燥膜厚2.5μm、0.5μmで形成した。
【0214】
ここで使用した受像層は、ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に第2受像層、第3受像層を積層し、透過濃度を測定し受像層自身の透過濃度を算出した。
【0215】
その結果、透過濃度は0.26であった。
<c)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<d)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
,〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、受像層、中間層、接着層で構成されるA転写箔6を作成した。
[A転写箔(離型層,コレステリック液晶層、受像層を有する転写箔)7の作成]
(比較例)
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)を順に塗工乾燥して、A転写箔5を形成した。
<(a)離型層) 膜厚0.5μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<c)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、中間層、接着層で構成されるA転写箔7を作成した。
【0216】
受像層はないので透過濃度は測定しなった。
[B転写箔(離型層,光硬化樹脂層、接着層を有する転写箔)1の作成]
[B転写箔用樹脂の合成]
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1.0部を加え、3時間反応させ目的のアクリル系共重合体のB転写箔用樹脂を得た。
[B転写箔1の作成]
ユニチカ(株)製ポリエチレンテレフタレート(AS(T))25μmの帯電防止層とは反対側面にケイ砂を用い、中心線平均粗さ(Ra)が0.4μmとなるようにサンドマット加工処理を行った。その後、ケイ砂及び研磨カス等の残渣を取り除く為に水で処理面を洗浄し、乾燥し作製した。仕上がった支持体の一般式(1)は0.016、表面固有抵抗値は1.1×108Ω/□となった。
【0217】
サンドマット面とは逆面の帯電防止層上に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、B転写箔1を形成した。
<(a)離型層の形成 膜厚0.2μm>
ポリビニルアルコール(GL−05)日本合成化学(株)製) 10部
水 90部
離型層は、90℃/30secの乾燥条件により塗工を行った。
<(b)光硬化済樹脂層の形成 膜厚7.0μm>
新中村化学社製 A−9300/新中村化学社製 EA−1020=35/11.75部
反応開始剤 イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
B転写箔用樹脂 48.25部
トルエン 500部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
<c)中間層の形成 膜厚0.5μm>
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 5部
タフテックスM−1913(旭化成) 3.5部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 70部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、光硬化済樹脂層、中間層、プライマー層、接着層で構成されるB転写箔1を作成した。
[B転写箔2の作成]
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)、e)を順に塗工乾燥して、B転写箔2を形成した。
<(a)離型層の形成 膜厚0.2μm>
ポリビニルアルコール(GL−05)(日本合成化学(株)製) 10部
水 90部
離型層は、90℃/30secの乾燥条件により塗工を行った。
<(b)光硬化済樹脂層の形成 膜厚7.0μm>
新中村化学社製 A−9300/新中村化学社製EA−1020=35/11.75部
反応開始剤 イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
B転写箔用樹脂 48.25部
トルエン 500部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
<c)中間層の形成 膜厚0.5μm>
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 5部
タフテックスM−1913(旭化成) 3.5部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 70部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
<d)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<e)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、光硬化済樹脂層、中間層、プライマー層、接着層で構成されるB転写箔2を作成した。
[B転写箔3の作成]
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにてa)、b)、c)、d)を順に塗工乾燥して、B転写箔3を形成した。
<(a)離型層の形成 膜厚1.0μm>
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
<b)中間層の形成 膜厚0.5μm>
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 5部
タフテックスM−1913(旭化成) 3.5部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン . 20部
トルエン 70部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
<c)プライマー層の形成 膜厚0.5μm>
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
〔積水化学(株)製:エスレックBシリーズ〕
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
<c)接着層の形成 膜厚0.3μm>
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の離型層、中間層、プライマー層、接着層で構成されるB転写箔3を作成した。
【0218】
[IDカード作成方法]
前記作成されたIDカード基材1〜3、A転写箔1〜7、B転写箔1〜3を用いてIDカードを作成するが、カード作成する形成する書誌情報及び識別情報を記載するための材料について説明する。
【0219】
図21はA転写箔の断面図、図22はB転写箔の断面図、図23はIDカード基材の断面図、図24は昇華感熱転写記録用インクシート材料を示す図、図25は溶融感熱転写記録用インクシート材料を示す図、図26は昇華、溶融一体型感熱転写記録用インクシート材料を示す図である。図27はB転写箔に使用された樹脂構造式を示す図である。
【0220】
図28はA転写箔を用いたIDカード作成プロセスを示す図である。A転写箔に、熱転写材料を用い書誌情報及び識別情報を記録し、A転写箔に形成された中間記録媒体を用いIDカード上に形成する。
【0221】
図29はフォーマット印刷済のIDカード基材の表面図、図30はフォーマット印刷済のIDカード基材の裏面図である。図31は書誌情報、識別情報記録済のIDカード基材の表面図、図32は書誌情報、識別情報記録済のIDカード基材の裏面図である。
【0222】
IDカードを作成する具体的な作成装置は、図33乃至図39に示す。
<書誌情報及び識別情報用材料の作成>
[昇華感熱転写記録用インクシート作成1と記録方法]
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、図24に示すようなイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
【0223】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有するA転写箔又はコレステリック液晶層、受像層を有するカード上への書誌情報及び識別情報の記録は、昇華感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を形成することができた。
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー染料(三井東圧染料(株)製MSYellow) 3部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ染料(三井東圧染料(株)製 MS Magenta) 2部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 2部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料(日本化薬(株)製 カヤセットブルー136) 3部
ポリビニルアセタール 5.6部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
(溶融感熱転写記録用のインクシートの作成(受像層面溶融印字用、筆記層側溶融印字用))
[溶融感熱転写記録用インクシート作成1と記録方法]
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥し、図25に示すようなインクシートを得た。
【0224】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有するA転写箔又はコレステリック液晶層、受像層を有するカード上への書誌情報及び識別情報の記録は、溶融感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報を形成することができた。
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部
メチルエチルケトン 90部
[昇華、溶融一体型感熱転写記録用インクシート作成1と記録方法]
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに上記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液の各々の厚みを1μm、ブラック層形成用塗工液を厚みを2μmになる様に図26の形態のように順次に設けインクシートを得た。図26に記載したPとは、プレ加熱用のシートを表す。使用する材料は特に制限はなく、未塗工PETもしくは耐熱層などが設けられていてもよく、特に制限はない。
【0225】
上記、昇華感熱転写記録用インクシート材料1、溶融感熱転写記録用インクシート材料1、昇華、溶融一体型感熱転写記録用インクシート1により顔画像と属性情報を設けた。
【0226】
[IDカード作成装置(図33)]
図33は、図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10と書誌情報と識別情報を記録する記録ユニット31と図21に示すコレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41とIDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0227】
記録ユニット31は、図26(a),(b)からなる記録用インクシートが収納され、繰り出し部33からインクシートが供給され、サーマルヘッド記録部51で印画し、印画し使用済みのインクリボンを巻き取る巻取り部32と搬送ロール35と剥離ロール34で構成される。この際、印画は図28に示すように画像が逆画像となるようにA転写箔に印画し、A転写箔に印画された逆画像をIDカードに印画することにより生画像のIDカードが作成される。
【0228】
コレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41は、図21(a)〜(l)からなるA転写箔を集積する集積部42とA転写箔を巻き取る巻き取り部43と搬送ロール44、45、46と記録ユニット31によりA転写箔上に印画された書誌情報と識別情報をIDカード基材1〜3上にヒートロール47により加熱加圧する転写工程と転写後、転写不要部を剥離する剥離ロール48で構成される。最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0229】
[IDカード作成装置(図34)]
図34は、図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10と書誌情報と識別情報を記録する記録ユニット31と図21に示すコレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41とカード上に図22に示す光硬化樹脂層含有B転写箔を付与する付与部60とIDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0230】
記録ユニット31は、図26(a),(b)からなる記録用インクシートが収納され、繰り出し部33からインクシートが供給され、サーマルヘッド記録部51で印画し、印画し使用済みのインクリボンを巻き取る巻取り部32と搬送ロール35と剥離ロール34で構成される。この際、印画は図28に示すように画像が逆画像となるようにA転写箔に印画し、A転写箔に印画された逆画像をIDカードに印画することにより生画像のIDカードが作成される。
【0231】
コレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41は、図21(a)〜(l)からなるA転写箔を集積する集積部42とA転写箔を巻き取る巻き取り部43と搬送ロール44、45、46と記録ユニット31によりA転写箔上に印画された書誌情報と識別情報をIDカード基材1〜3上にヒートロール47により加熱加圧する転写工程と転写後、転写不要部を剥離する剥離ロール48で構成される。
【0232】
光硬化樹脂層を付与する付与部60では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置されている。図22に記載のB転写箔を熱転写して、最終的に図29乃至図32のIDカードが作成された。
【0233】
[IDカード作成装置(図35)]
図35は、図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10と書誌情報と識別情報を記録する記録ユニット31と図21に示すコレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41とカード上に図22に示す光硬化樹脂層含有B転写箔を付与する付与部60とIDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0234】
記録ユニット31は、図26(a),(b)からなる記録用インクシートが収納され、繰り出し部33からインクシートが供給され、サーマルヘッド記録部51で印画し、印画し使用済みのインクリボンを巻き取る巻取り部32と搬送ロール35と剥離ロール34で構成される。この際、印画は図28に示すように画像が逆画像となるようにA転写箔に印画し、A転写箔に印画された逆画像をIDカードに印画することにより生画像のIDカードが作成される。
【0235】
コレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット41は、図21(a)〜(l)からなるA転写箔を集積する集積部42とA転写箔を巻き取る巻き取り部43と搬送ロール44、45、46と記録ユニット31によりA転写箔上に印画された書誌情報と識別情報をIDカード基材1〜3上にヒートロール47により加熱加圧する転写工程と転写後、転写不要部を剥離する剥離ロール48で構成される。
【0236】
光硬化樹脂層を付与する付与部60では、転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置されている。図22に記載のB転写箔を熱転写して、最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0237】
更に機械的強度向上のために光硬化樹脂層を付与する付与部70では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。図22に記載のB転写箔を熱転写して、最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
[IDカード作成装置(図36)]
図36には、上方位置に図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10及び情報記録部20が配置され、下方位置に、IDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0238】
カード基材供給部10には、カード使用者の書籍情報や識別情報を書き込むために図23に示すようなIDカード基材50が、記録する面を上に向けてストックされている。カード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0239】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層52の所定領域にカード使用者のカード使用者の書籍情報や識別情報が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の識別情報が記録され、画像記録層が形成される。
【0240】
最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0241】
[IDカード作成装置(図37)]
図37には、上方位置に図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10及び情報記録部20が配置され、次に樹脂付与部60更に、IDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0242】
カード基材供給部10には、カード使用者の書籍情報や識別情報を書き込むために図12に示すようなIDカード基材50が、記録する面を上に向けてストックされている。カード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0243】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層の所定領域にカード使用者のカード使用者の書籍情報や識別情報が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の識別情報が記録され、画像記録層が形成される。
【0244】
光硬化樹脂層を付与する付与部60では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置されている。図22に記載のB転写箔を熱転写して、最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0245】
[IDカード作成装置(図38)]
図38には、上方位置に図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10及び情報記録部20が配置され、次に樹脂付与部70更に、IDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0246】
カード基材供給部10には、カード使用者の書籍情報や識別情報を書き込むために図23に示すようなIDカード基材50が、記録する面を上に向けてストックされている。カード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0247】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層の所定領域にカード使用者のカード使用者の書籍情報や識別情報が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の識別情報が記録され、画像記録層が形成される。
【0248】
光硬化樹脂層を付与する付与部70では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド772が配置されている。
【0249】
更に機械的強度向上のために光硬化樹脂層を付与する付与部70では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0250】
[IDカード作成装置(図39)]
図39には、上方位置に図23に示すようなIDカード基材を集積する集積部10及び図21に示すコレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット80、情報記録部20が配置され、次に樹脂付与部60更に、IDカードスタッカー部90を有する発行装置である。
【0251】
カード基材供給部10には、カード使用者の書籍情報や識別情報を書き込むために図23に示すようなIDカード基材50が、記録する面を上に向けてストックされている。カード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0252】
コレステリック液晶層を含むA転写箔を転写するユニット80は、図21(a)〜(l)からなるA転写箔を収納する転写箔カセット81に対応して熱転写ヘッド82が配置される。、図21(a)〜(l)からなるA転写箔を熱転写し所定のタイミングで、情報記録部20へ供給される。
【0253】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層52の所定領域にカード使用者のカード使用者の書籍情報や識別情報が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の識別情報が記録され、画像記録層が形成される。
【0254】
光硬化樹脂層を付与する付与部60では、図22に記載のB転写箔を収納する転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置されている。図22に記載のB転写箔を熱転写して、最終的に図29乃至図32の形態のIDカードが作成された。
【0255】
[評価方法]
<スクラッチ強度(耐摩耗性)測定方法>
耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、0.1mmφのサファイア針で0〜300gで荷重を変化させて、作成されたカードの表面を摺動させ、書誌情報、認証情報(顔画像等)に傷が付き始める時の荷重の測定を行った。荷重が大きいほど良好であることを表1す。
<偽造変造性>
偽造をされることが容易か否かをカード材料設計者以外の人10人に判断してもらい、偽造防止性を評価した。偽造できると答えた人数/回答者人数で算出し、容易性を%で記載した。
<耐水性評価>
仕上がったIDカードを水道水を投入したカップに投入し、23℃/7日、14日浸漬しカード初期から7,14日浸漬後のホログラム層の見栄えを評価した。
×:差異があり、コレステリック液晶層の機能が消失する
△:僅かに差異があるが、コレステリック液晶層の機能が低下していない
○:初期のカードと変化がない
表1

【産業上の利用可能性】
【0256】
この転写箔は、離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有し、この転写箔の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成した後、カード基材上にコレステリック液晶層、受像層、書誌情報及び識別情報層を転写して作成される。この転写箔を用い、偽造防止機能をIDカードに任意設けることができ、且つ書誌情報及び識別情報層を下層に設けるため高度な偽造変造技術となる。
【図面の簡単な説明】
【0257】
【図1】転写箔の層構成を示す図である。
【図2】箔カートリッジの斜視図である。
【図3】ホットスタンプ装置の拡大図である。
【図4】IDカードの作成を説明する図である。
【図5】IDカードの作成を説明する図である。
【図6】IDカードの作成を説明する図である。
【図7】IDカードの作成を説明する図である。
【図8】IDカードの作成を説明する図である。
【図9】IDカードの作成を説明する図である。
【図10】IDカードの作成を説明する図である。
【図11】カード打ち抜き機の斜視図である。
【図12】ICモジュールの断面図である。
【図13】ICモジュールの断面図である。
【図14】ICモジュールの断面図である。
【図15】ICモジュールの断面図である。
【図16】ICモジュールの平面図である。
【図17】ICモジュールの平面図である。
【図18】IDカード基材製造装置の平面図である。
【図19】代表的な第1のシート部材の斜視図である。
【図20】代表的な第2のシート部材の斜視図である。
【図21】離型層、コレステリック液晶層、受像層を有するA転写箔の断面図である。
【図22】離型層、光硬化樹脂層、接着層を有するB転写箔の断面図である。
【図23】IDカード基材の断面図である。
【図24】昇華感熱転写記録用インクシート材料を示す図である。
【図25】溶融感熱転写記録用インクシート材料を示す図である。
【図26】昇華、溶融一体型感熱転写記録用インクシートを示す図である。
【図27】離型層、光硬化樹脂層、接着層を有するB転写箔に使用された樹脂構造式を示す図である。
【図28】離型層、コレステリック液晶層、受像層含むA転写箔を用いたIDカード作成のプロセスを示すである。
【図29】フォーマット印刷済のIDカード基材の表面図である。
【図30】フォーマット印刷済のIDカード基材の裏面図である。
【図31】書誌情報、識別情報記録済のIDカード基材の表面図である。
【図32】書誌情報、識別情報記録済のIDカード基材の裏面図である。
【図33】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図34】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図35】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図36】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図37】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図38】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【図39】IDカードを作成する具体的な作成装置を示す図である。
【符号の説明】
【0258】
101 転写箔
103 離型層
104 コレステリック液晶層
105 受像層
106 書誌情報及び識別情報層
110 カード基材
120 IDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有することを特徴とする転写箔。
【請求項2】
前記受像層は、透過濃度が0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
【請求項3】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成した後、
カード基材上に前記コレステリック液晶層、受像層、書誌情報及び識別情報層を転写して作成されたことを特徴とするIDカード。
【請求項4】
コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成したことを特徴とするIDカード。
【請求項5】
コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有するカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を形成した後、
カード基材上に、離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を転写し、
前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカード。
【請求項6】
透過濃度が0.2以下である受像層からなる転写箔を用いたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のIDカード。
【請求項7】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の前記受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写またはインクジェットにより形成した後、
前記転写箔の熱転写によりカード基材上に前記コレステリック液晶層、前記受像層、前記書誌情報及び識別情報層を形成したことを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項8】
離型層、コレステリック液晶層、受像層を少なくとも有する転写箔の前記受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写またはインクジェットにより形成した後、熱転写によりカード基材上に前記コレステリック液晶層、前記受像層、前記書誌情報及び識別情報層を形成し、
次いで離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を熱転写により、前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項9】
コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に書誌情報及び識別情報層を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成したことを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項10】
コレステリック液晶層、受像層が順に形成されたカード基材の受像層上に、書誌情報及び識別情報層を熱転写方式、インクジェット方式などのいづれか1つ以上の方式で形成し、
次いで離型層、光硬化樹脂層、接着層を少なくとも有する転写箔を熱転写により、前記光硬化樹脂層、前記接着層を少なくとも設けたことを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項11】
透過濃度が0.2以下である受像層を用いた請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のIDカードの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−15498(P2006−15498A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192656(P2004−192656)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】