説明

転写装置及び画像形成装置

【課題】転写ベルト表面と転写ローラー表面とが直接接触することが生じるとしても、転写ベルトから転写ローラーへのトナー付着量が少なくでき、紙裏汚れや画質の劣化、濃度低下等の画像欠陥のない転写装置を提供する。
【解決手段】液体現像剤により現像された像を担持する転写ベルト40と、転写ベルトを巻きかけるローラー41,42と、弾性層を有し、周面側からナノインデンターにより10mgfの荷重で測定した時の硬度が第1の硬度であり、かつ周面側から測定されるIRHD硬度が第2の硬度であり、転写ベルトを介してローラーと当接する転写ローラー61とを備え、転写ベルトがローラーに巻きかけられた状態で、転写ベルト表層側から同様に測定されるナノインデンター硬度を第3の硬度、及び同様に転写ベルト表層側から測定されるIRHD硬度を第4の硬度とした時に、第3の硬度<第1の硬度、第4の硬度>第2の硬度の関係を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式において中間転写ベルトを使用した転写装置及び画像形成装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中間転写ベルト(転写ベルト)を使用した転写装置にあっては、ベルト駆動ロー
ラー(バックアップローラー)に支持されると共に液体現像剤からなるトナー像を担持し
た転写ベルトを、転写材を介して転写ローラーに当接させ、また、転写ローラーとベルト
駆動ローラーとを圧接させて転写ニップ部を形成し、転写ベルトに担持されたトナー像を
転写材に転写させている。そして、転写ローラーとしては、良好な転写性を求めて、例え
ば特許文献1〔0056〕に記載されるように、導電性ゴム等の弾性材が使用されること
が知られ、また、転写ベルトにおいても、例えば特許文献2〔請求項9〕に記載されるよ
うに、ベース層、弾性層、表層が順次積層され、その表層側にトナー像を担持させた転写
ベルトが知られている。
【0003】
しかしながら、この種の転写装置にあっては、転写ベルト表面と転写ローラー表面とが
転写材を介さずに直接接触する場合がある。例えば(1)紙等の転写材のない紙幅外また
、紙長さ外の領域において、転写ベルト表面と転写ローラー表面とが転写材を介さずに直
接接触する場合である。このような場合には、転写ベルトにおける画像部のトナー粒子が
転写ニップ部で転写バイアスにより転写ローラー側に引き寄せられる現象が生じる。これ
により、トナー粒子が転写ローラーに付着し、クリーニングが不十分であると紙裏汚れが
発生するという問題がある。
【0004】
また、(2)両面印刷をする場合、例えば転写材に転写されたトナー粒子が、転写材裏
面への印刷時に、転写ローラー側に圧接されることになり、その押圧力や転写電界により
転写ローラー側に付着してしまい、画質の劣化、濃度低下等の画像欠陥を発生させてしま
うという問題がある。
【0005】
また、(3)転写ローラーに凹部が形成され、その凹部内に転写材把持部材が設けられ
、転写に際して転写材を把持して転写し、転写後には、転写材を剥離する機構を設けたも
のとして、転写材の剥離性や転写効率の向上を図ることが知られているが、例えばAサイ
ズの印刷後にA3サイズの印刷を行うような場合、A4サイズの紙幅外また、紙長さ外の
領域においては、(1)同様に紙裏汚れが発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−271198号公報
【特許文献2】特許第3248455号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、転写ベルトを使用した転写装置、画像形成装置において、転写効率の向上を
図ると共に、転写ベルト表面と転写ローラー表面とが直接接触することが生じるとしても
、転写ベルトから転写ローラーへのトナー付着量が少なくでき、紙裏汚れや画質の劣化、
濃度低下等の画像欠陥のない転写装置および画像形成装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の転写装置は、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層を有し、液体現像
剤により現像された像を担持する転写ベルトと、
該転写ベルトを巻きかけるローラーと、
弾性層を有し、周面側からナノインデンターにより10mgfの荷重で測定した時の硬
度が第1の硬度であり、かつ周面側から測定されるIRHD硬度が第2の硬度であり、前
記転写ベルトを介して前記ローラーと当接する転写ローラーと、を備え、
前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から前記ナノインデンターにより10mgf荷重時で測定される硬度を第3の硬度、及
び前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から測定されるIRHD硬度を第4の硬度とした時に、
第3の硬度<第1の硬度
第4の硬度>第2の硬度
の関係を有することを特徴とする。
【0009】
前記転写ローラーは、前記転写ローラーの周面と当接するクリーニング部材を有するこ
とを特徴とする。
【0010】
前記転写ローラーは、前記転写ローラーの周面の軸方向に形成された凹部、前記凹部に
配設された弾性シート支持部材を有し、前記弾性シート支持部材で支持された弾性シート
により前記弾性層を構成することを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像を液体現像剤で現像する現像部と、
ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層を有し、前記現像部で現像された像が転
写される転写ベルトと、
該転写ベルトを巻きかけるローラーと、
弾性層を有し、周面側からナノインデンターにより10mgfの荷重で測定した時の硬
度が第1の硬度であり、かつ周面側から測定されるIRHD硬度が第2の硬度であり、前
記転写ベルトを介して前記ローラーと当接する転写ローラーと、を備え、
前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から前記ナノインデンターにより10mgf荷重時で測定される硬度を第3の硬度、及
び前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から測定されるIRHD硬度を第4の硬度とした時に、
第3の硬度<第1の硬度
第4の硬度>第2の硬度
の関係を有することを特徴とする。
【0012】
前記転写ベルトと前記転写ローラーとの当接により形成される転写ニップに転写材を搬
送し、前記転写材の第1面に前記像を転写させる転写部と、前記転写材の前記第1面に転
写された前記像を定着させる定着部と、
前記定着部で前記像が定着された前記転写材を搬送し、前記転写材の前記第1面の反対
の面である第2面が前記転写部を構成する前記転写ベルトと当接するように搬送する搬送
部と、
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の転写装置、および画像形成装置において、転写ローラーにおける表層からのナ
ノインデンター硬度を、ベルト駆動ローラーに転写ベルトを巻き付けた状態での転写ベル
ト表層側からのナノインデンター硬度よりも高く設定することで、液体現像剤中のトナー
粒子が転写ローラーに付着しにくくすることができ、転写ローラー表面を清浄に保持する
ことができる。すなわち、10mgf荷重時でのナノインデンター硬度は、測定試料の表
面から数ミクロン程度の押し込み深さに相当する硬度を示すもので、数ミクロン程度の粒
径のトナー粒子に対する包み込み性を示すものと考えられ、転写ローラーの硬度を高くす
ることにより、転写ベルトに比して転写ローラーに付着しにくくできるものと考えられる

【0014】
また、ベルト駆動ローラーに巻き付けた状態での転写ベルト表層側からのIRHD硬度
を、転写ローラー表層からのIRHD硬度よりも大きくすることにより、転写に必要な転
写ニップ部を確保することができる。これは、IRHD硬度は測定試料の表面から160
ミクロン程度の押し込み深さに相当する硬度を示すもので、転写ベルト表層側から測定さ
れるIRHD硬度を、転写ローラーの表面から同じく測定されるIRHD硬度より大きく
することにより、転写に必要なニップ部を大きくでき、転写効率の向上に資するものと考
えられる。すなわち、本発明の転写装置は、転写ベルトにおける層構成と転写ローラーに
おける層構成との関係を調整して、それぞれのナノインデンター硬度とIRHD硬度にお
ける大小関係を逆とすることにより、転写効率を向上すると共に転写ローラーへのトナー
付着量を減少して紙裏汚れや画質の劣化、濃度低下等の画像欠陥のない転写装置および画
像形成装置とできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の転写装置及び画像形成装置の第1例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の転写装置及び画像形成装置の第2例を模式的に示す図である。
【図3】第2例の二次転写ローラーにおける斜視図である。
【図4】第2例の二次転写ローラーにおける断面図である。
【図5】第2例の二次転写ローラーの一部断面図である。
【図6】本発明の転写装置及び画像形成装置の第3例を模式的に示す図である。
【図7】転写ベルトの斜視図である。
【図8】転写ベルトの断面図である。
【図9】ナノインデンテーション法による、ベルト駆動ローラーに巻きかけられた状態での転写ベルトにおける表層からの硬度測定方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施例8で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法で得られる荷重−変位曲線図である。
【図11】本発明の実施例8で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法で得られる硬度−変位曲線図であり、10mgf(100μN)荷重時の硬度(mgf/μm2 )との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の転写装置および画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の転写装置及び画像形成装置の第1例を模式的に示す図である。画像形成装
置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、3
0Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニ
ット)60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特
に、定着ユニット90が、転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成
装置全体としての設置面積を抑制することが可能となっている。本実施形態においては、
2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材は、転写材搬送装置230や吸
引装置210、270などによって吸引されつつ、定着ユニット90へと搬送される構成
となっているためにこのようなレイアウトを実現することができる。
【0017】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感
光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、
LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロ
ナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10
Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された
画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に
静電潜像を形成する。
【0018】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、2
0C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からな
る各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K
、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ
ー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー
32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10
M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0019】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラ
ー42に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M
、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。1次転写部5
0Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト
40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体
10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10
Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し
、フルカラーのトナー像を形成する。
【0020】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動
ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からな
るクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置に
おいて、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材
搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。
【0021】
さらに、転写材搬送経路Lの下流には、第1のガイド部材210、転写材搬送装置23
0、第2のガイド部材270が順次配列されており、転写材を定着ユニット90に搬送す
るようになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナ
ー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0022】
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に転写ベルト40を張架
しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベル
トクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接・配置され、転写ベルト4
0上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。なお、転写ベルト4
0を駆動するための駆動力はテンションローラー42に持たせ、ベルト駆動ローラー41
を単なるベルト張架ローラーとして用いるようにすることもできる。
【0023】
画像形成装置に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このよう
な給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路L
に送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101及び転
写材ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40上に形成さ
れた単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2次転写され
た転写材は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手段によって
、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、こ
の加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており
、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカ
ラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0024】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIso
par(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度で、
常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性
を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性
樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μm〜3μmのトナー粒子を、有機溶媒
、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固
形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS60
0を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜30
0mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0025】
転写ベルト40は、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面
に向かって順次積層され、ベース層上に弾性層を設け、さらにその上に表層が設けられて
いる三層構造となっている。このような転写ベルト40では、ベース層側においてベルト
駆動ローラー41、テンションローラー42で張架され、表層側においてトナー像が転写
されるようにして用いられる。ベルト駆動ローラー41の外周表面には摩擦性を高めるた
めにウレタンコートが処理されている。また、弾性を有する転写ベルト40は、転写材表
面への追従性、応答性がよいために、2次転写時において、特に粒子径が小さいトナー粒
子を転写材の凹部に対して送り込み転写させるのに有効である。
【0026】
次に、2次転写ローラー61は、導電性の基材と、その外周面全面に固着された弾性層
とその弾性層上に形成された表層とからなる。管状の基材外周面に、例えば厚さ2mmで
JISA硬度が50の導電性ウレタンゴム層を固着させたものであり、また、その弾性層
の外周面に例えば水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業社製「GLS−213F)を塗布し
て15μmの膜厚の表層を形成して体積抵抗率1×106〜1×1011Ω・cm程度の抵
抗層が形成されている。
【0027】
本発明においては、図1に示す画像形成装置を含め、後述する図2、図6に示す画像形
成装置において、転写ベルト40と二次転写ローラー61の関係を共通とするが、図1、
図2、図6で使用される転写ベルト40についての構成、および転写ベルト40と二次転
写ローラー61におけるそれぞれのナノインデンター硬度、およびIRHD硬度の関係に
ついては後述する。
【0028】
次に、図2は、本発明の転写装置及び画像形成装置の第2例を模式的に示す図である。
図1に示される第1例とは、二次転写ローラー61を相違する以外は同様であり、図3は
2次転写ローラーの斜視図であり、図4は2次転写ローラーの断面図であり、図5は2次
転写ローラーの一部断面図である。
【0029】
図2〜図5に示すように、2次転写ローラー61は転写材把持部材64、把持部材受け
部65および剥離部材79の支持部としての凹部63を有している。この凹部63は、2
次転写ローラー61の軸方向に延設されている。また、2次転写ローラー61は、導電性
の基材61bの転写ベルト40との当接部61gである円弧部の外周面に巻きかけられた
弾性部材としてのゴムシート61cを有している。このゴムシート61cにより2次転写
ローラー61の円弧部の外周面に抵抗層が形成されている。
【0030】
ゴムシート61cは、基材層、弾性層及び表層の三層構造を有する。基材層は、厚さ約
80〜110μmであり、例えば、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂を用いて形成
され、その引張弾性率が1000MPa〜8000MPaのものである。
【0031】
また、弾性層は、厚さ約0.5〜5mmであり、例えば、導電性ウレタンゴムを用いて
形成されており、JISA硬度が30〜70である。また、表層は、厚さ約5μm〜25
μmであり、例えば、水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業社製「GLS−213F)を用
いて形成されている。ゴムシート61cの体積抵抗率1×106〜1×1011Ω・cmと
する。
【0032】
また、図5に示されるように、このゴムシート61cは、両端部61d、61eが基材
61bに形成された凹部内の壁面61b1,61b2に固定され、他の部分は巻きかけら
れているだけで、基材61に接着や固定されていない。例えば、ゴムシート61cの両端
部61d、61e上にプレート61h、61jを回転軸61aの方向に延設し、ビス61
kやネジ等で基材61bに留めるとよい。また、プレート61h,61jには、それぞれ
凸部61h1,61j1が形成され、該凸部61h1,61j1がゴムシート61cにめ
り込むことにより、プレート61h,61jは、強固に固定される。なお、ゴムシート6
1cの両端部61d,61eの凹部63への固定は、これに限らず、他の方法を用いても
よい。
【0033】
図5に示すように、凹部63内には、転写材把持部としての転写材把持部材64および
転写材把持部材64が着座する把持部材受け部65が配設されている。転写材把持部材6
4は、2次転写ローラー61の軸方向に沿って配設され、任意の個数設けることができる
。各転写材把持部材64は金属の薄い帯状板から同じ形状及び/又は同じ大きさに形成さ
れる。一例として、転写材把持部材64はクランク状に折り曲げられて形成される。転写
材把持部材64の一端部は固定端部64aであり、また、転写材把持部材64の他端部は
、把持部材受け部65に着離座する把持部64bである。この保持部64bは把持部材受
け部65との間に転写材Sの先端部Saを挟圧して保持する。更に、転写材把持部材64
は、固定端部64aと把持部64bとの間に形成された屈曲部64cを有する。
【0034】
2次転写ローラー61の周長は、この例の画像形成装置1に使用される転写材Sの種類
のうち、転写材移動方向の長さが最大である転写材Sの転写材移動方向の長さより大きく
設定されている。より詳細には、凹部63の2次転写ローラー回転方向幅を除く2次転写
ローラー61の周長が、前述の転写材Sの転写材移動方向の最大長さより大きく設定され
ている。これにより、前述の転写材移動方向の最大長さを有する転写材Sにも、転写ベル
ト40のトナー像が確実に転写されるようになる。
【0035】
次に、図6は、本発明の転写装置及び画像形成装置の第3例を模式的に示す図である。
図2に示される第2例とは、図2における画像形成装置に、転写材の両面に印刷を行う構
成を付加した点で相違する。
【0036】
図6に示すように、転写材の片面に印刷する場合には、印刷された転写材は図中におい
て「片面印刷時」と記載する方向に転写材を搬送して印刷を終了するが、転写材に両面印
刷を行う場合には、片面に印刷された転写材を、図中に「両面印刷時の経路」と記載する
方向に一旦搬送した後、転写材の先端を図中で「スイッチバック経路」と記載する方向に
入れ替え、転写材における裏面を印刷面として、再度、二次転写部60に搬送し、裏面に
印刷した後、図中で「両面印刷終了後の経路」と記載する方向に搬送して、両面印刷を終
了する。
【0037】
次に、図1、図2、図6に示される転写ベルト40の構成、本発明の特徴をなす転写ベ
ルト40と二次転写ローラー61におけるそれぞれのナノインデンター硬度、およびIR
HD硬度の関係について記載する。
【0038】
図7に示すように、転写ベルト40の全体形状は略円筒状のシームレスベルトであり、
図8に示すように、断面はベース層523、弾性層525および表層527を順次積層し
た3層の積層体構造としている。ベース層523を構成するベース層材料としては、ポリ
イミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂が好ましい。また、厚さが50μm〜150μm
、引張弾性率が1000MPa〜8000MPa、かつ表面電気抵抗率が106 Ω/□〜
1012Ω/□であることが好ましい。
【0039】
更に、好ましくは、ベース層523は、引張弾性率が2300〜3500Mpa、かつ
内周面側の表面電気抵抗率が109 Ω/□(1.0×109 Ω/□〜9.9×109 Ω/
□〉とし、厚さは約70〜90μmである。
【0040】
次に、弾性層525は、エラストマー製であることが好ましい。弾性層525は、厚さ
が100〜400μm、好ましくは200〜300μm、JIS A硬度が20°〜50
°、好ましくは30°〜40°である。
【0041】
次に、表層527を構成する表層材料としては、(1)フッ素樹脂1質量部に対してフ
ッ素ゴムを1質量部より多く5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤の組合せ
、または(2)フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤との組
合せが挙げられる。
【0042】
(1)について説明する。ゴムラテックスは、フッ素ゴムと加硫剤、および所望により
通常の添加剤、例えば充填材、着色剤、受酸剤、加硫促進剤、共加硫剤または塗料添加剤
などを含むフッ素ゴムラテックスに、フッ素樹脂が配合されているものである。
【0043】
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン(TFE)およびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体と
の共重合体が挙げられる。
【0044】
フッ素ゴムとしては特に限定されず、例えば、コモノマーとしてフッ化ビニリデンを含
むものであるフッ化ビニリデン系共重合体、コモノマーとしてテトラフルオロエチレンを
含むものであるテトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ホスファーゼン系ゴム等が挙げられる。加硫剤としては通常使用されるフッ
素ゴムの加硫剤を用いることができる。
【0045】
ゴムラテックスにおいては、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多
く、かつ、5質量部以下、好ましくは1.1質量部〜4質量部の割合で含ませるとよい。

【0046】
本発明においては、例えばダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス」を使用して調
製するとよい。例えば「ダイエルラテックス GLS−213F」は、上述のフッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなり、着色剤を含有するフッ素ゴムラテックスで
ある。また、「ダイエルラテックス GLS−213CR」は、上述のフッ素ゴム25質
量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックスである。さらに、「
ダイエルラテックス GL−252」は、上述のフッ素ゴム50質量%からなり、着色剤
を含有するフッ素ゴムラテックスとして市販されている。本発明においては、各品番のも
のを適宜混合して、フッ素樹脂とフッ素ゴムとの含有割合を調節するとよい。
【0047】
次に、(2)について説明する。表層527を構成する表層材料として、フッ素樹脂と
シリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤からなるものとしてもよく、例えば
、日本アチソン(株)製ウレタン塗料「TW805」を使用して調製するとよい。
【0048】
表層527は、乾燥後の厚さが5〜30μm、好ましくは10〜15μmである。表層
の厚みが5μm未満であると、弾性層の上に均一に塗工することが難しく、塗布ムラが生
じやすくなり、また、連続運転時に表層が磨耗し、膜割れ等の欠陥が生じ、耐久性が低下
するので好ましいない。また、30μmを上回ると塗膜を安定した塗工することが困難と
なり、また、紙への追従性が悪化するため転写効率が悪化したり、また、粗さの大きい紙
にたいして埋まりが悪化するので好ましくない。
【0049】
また、表層単体でのIRHD硬度は、60以上、好ましくは70〜80である。表層単
体のIRHD硬度は、Wallace硬度計{針形状は球状(φ0.395mm)}を使
用し、23℃の条件下で、押し圧15.6gfでの押し込んだ時の深さを、変換表を使用
して硬度に変換するもので、得られる硬度は無次元である。例えば硬度50は160μm
の押し込み深さに相当する。測定試料は薬500μm以上の膜厚とし、例えば鉄等の硬度
を有する板上で測定したものである。
【0050】
表層単体でのIRHD硬度が60未満であると、表層の形状保持性が悪化する。また、
タック(粘着性)が増加するため、転写効率が悪化する。また、IRHD硬度の上限値は
100である。
【0051】
以上、転写ベルト40における層構成について説明したが、本発明にあっては、転写ベ
ルト40と二次転写ローラー61との圧接状態でのそれぞれにおけるナノインデンター硬
度、また、IRHD硬度の関係がトナー粒子の転写に際して影響することを見いだした。
転写ベルト40にあっては、ベルト駆動ローラー41に支持されるものであるので、ベル
ト駆動ローラー上に巻き掛けられた状態での転写ベルト40についてその表層側からのナ
ノインデンター硬度やIRHD硬度が測定される必要がある。ベルト駆動ローラーはスチ
ール管の表面に数ミクロン厚のウレタンコートを有するものであり、そのコート層による
ナノインデンター硬度への影響は無視しうるので、鉄板等の硬い板上に転写ベルトを置い
て測定される。
【0052】
ナノインデンター硬度は、微小硬さ測定装置(ナノインデンター)を使用して測定する
もので、この装置は、図9に示すように、トランデューサーaと先端形状が正三角形のダ
イヤモンド Berkovich圧子bを有し、多層ベルト表面にmgfオーダーの荷重を加えるこ
とにより、nmの精度で変位量(押し込み深さ)を測定するものである。市販のものとし
ては、エリオニクス社製「ENT−2100」(三角錐圧子、稜間度115度)を使用で
きる。この装置は、測定面からの反力(mgf/μm2 )を測定するもので、本発明にお
いては、10mgf荷重時の硬度HM(マルテンス硬度)を測定する。後述する各例にお
いては5点測定の平均値である。また、このときの標準偏差は測定結果に対して1桁以上
小さい値であり、測定の有意性を示すものである。なお、1mgf/μm2 =10MPa
、1mgf=10μNである。転写ベルト40についての10mgf荷重時のナノインデ
ンター硬度としては、0.2MPa〜2MPaとされるとよい。
【0053】
また、二次転写ローラー61は、上述したように、管状の基材外周面に、例えば厚さ2
mmでJISA硬度が50の導電性ウレタンゴム層を固着させ、その弾性層の外周面に水
系フッ素ゴム塗料を塗布して15μmの膜厚の表層を形成するか、または、管状の基材外
周面に、ゴムシートを巻かれたものとされ、ゴムシートとしては100μmの膜厚のベー
ス層、厚さ2mmの弾性層、15μmの水系フッ素ゴム塗料からなる表層の順次積層した
ものが例示される。このような二次転写ローラー61にあっては、直接その表層側からナ
ノインデンター硬度が測定されるとよい。二次転写ローラー61にあっては、ナノインデ
ンター硬度は4.5MPa程度である。
【0054】
また、IRHD硬度については、Wallace硬度計{針形状は球状(φ0.395
mm)}を使用し、23℃の条件下で、押し圧15.6gfでの押し込んだ時の深さを測
定した後、硬度に変換するとよい。転写ベルト40にあっては、上記の測定方法で、IR
HD硬度は55〜70、好ましくは60〜65の範囲のものとされるとよい。
【0055】
また、二次転写ローラー61にあっては、直接その表層側からWallace硬度計{
針形状は球状(φ0.395mm)}を使用し、23℃の条件下で、押し圧15.6gf
での押し込んだ時の深さを測定した後、硬度に変換するとよい。二次転写ローラー61に
あっては、IRHD硬度は55程度である。
【0056】
本発明にあっては、転写ローラーにおける表層からのナノインデンター硬度を、ベルト
駆動ローラーに転写ベルトを巻き付けた状態での転写ベルト表層側からのナノインデンタ
ー硬度よりも高く設定するとよい。その差としては好ましくは2mpa以上高くするとよ
く、液体現像剤中のトナー粒子が転写ローラーに付着しにくくすることができ、転写ロー
ラー表面を清浄に保持することができる。これは、10mgf荷重時でのナノインデンタ
ー硬度は、測定試料の表面から数ミクロン程度の押し込み深さに相当する硬度を示すもの
で、数ミクロン程度の粒径のトナー粒子に対する包み込み性を示すものと考えられ、転写
ローラーの硬度を高くすることにより、転写ベルトに比して転写ローラーに付着しにくく
できるものと考えられる。
【0057】
また、ベルト駆動ローラーに巻き付けた状態での転写ベルト表層側からのIRHD硬度
を、転写ローラー表層からのIRHD硬度よりも大きく設定するとよい。その差としては
、少なくとも2以上高くするとよい。これにより、転写に必要な転写ニップ部を確保する
ことができる。IRHD硬度は測定試料の表面から160ミクロン程度の押し込み深さに
相当する硬度を示すもので、転写ベルト表層側から測定されるIRHD硬度を、転写ロー
ラーの表面から同じく測定されるIRHD硬度より高くすることにより、転写に必要なニ
ップ部を大きくでき、転写効率の向上を可能とする。
【0058】
本発明の転写装置は、転写ベルトにおける層構成と転写ローラーにおける層構成との関
係を調整して、それぞれのナノインデンター硬度とIRHD硬度における大小関係を逆と
することにより、転写効率を向上すると共に転写ローラーへのトナー付着量を減少させる
ことができ、紙裏汚れや画質の劣化、濃度低下等の画像欠陥のない転写装置および画像形
成装置とできる。
【0059】
また、転写ベルト40における表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質
量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスと硬化剤とを有するか、または
、フッ素樹脂とシリコン成分とを含有する水系ウレタン樹脂と硬化剤とを有するものとす
ることにより、転写効率の向上と共に紙への埋り率の向上を図ることができ、転写効率と
紙への埋り率を共に良好にできる。
【0060】
以下、実施例、比較例により本発明を説明するが、実施例および比較例で作製した多層
ベルトの他の物性は以下のように測定したものである。
【0061】
(1) ナノインデンター硬度
下記の実施例7で得られる多層ベルトについて、ナノインデンテーション法による表面
硬度の測定例を示す。図9に示すナノインデンター(エリオニクス社製「ENT−210
0」)に多層ベルトを設定し、荷重変化が一定となるように荷重速度:15mgf/se
cとした試験荷重:150mgfとして、分割数:500step、ステップインターバ
ル:20msecで、また、温度32℃で測定した。
【0062】
図10に、得られた変位vs荷重の関係を示す。図10は、(多層ベルト表面に圧子を
押圧する荷重時)→(圧子を除荷する除荷時)での荷重(mgf)と変位(μm)との関
係を示すものである。この図から、荷重が10mgf時での変位Aは、2μmであること
がわかる。
【0063】
また、硬度(mgf/μm2 、HM、マルテンス硬さ)は、
HM=P/A
(Pは圧子に加えられた(最大)荷重であり、Aはそのときの圧子と試料間の接触射影面
積である。)
で求められるものであるが、この装置を使用して、図11に示すごとき、変位(μm)v
s硬度(mgf/μm2 )曲線を得ることができる。図11から、変位A(2μm)に相
当する硬度(B)が得られ、10mgf(100μN)荷重時のHM硬度は、0.48M
Paであることがわかる。
【0064】
(2) 引張弾性率;JISK7113に従って測定。表層、ベース層の引張弾性率は
、実施例および比較例それぞれの材料をシリコンゴム製の型上に流し込み、室温乾燥後、
実施例および比較例それぞれの硬化条件と同一の条件で硬化させて作製したシートを用い
て測定した。10mm幅のチャック間50mm応力曲線の線形部分から測定。
【0065】
(3) 表面抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUPMCP−H
T450型」を用い、URSプローブにて印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測
定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%である。
【0066】
(4) 体積抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUPMCP−H
T450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で
測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%である。
【0067】
(5) 弾性層のJIS A硬度;JIS K6253(1993)に従って測定し、
タイプAを用いた。
【実施例】
【0068】
(図1に示す画像形成装置への適用)
(転写ベルト40の作製)
(1) ベース層の作製
・ トリメリット酸とジフエニルメタンジイソシアネートから公知の方法で合成したポ
リアミドイミドワニス ・・・ 100質量部
・ カーボンブラック(ファーネスブラック) ・・・ 7.0質量部
・ 分散剤 ・・・ 0.1質量部
をビーズミルにて均一に混合し、円柱状金型を回転させながら、ノズルを金型外面に接
触させ、ノズルから上記ベース層材料を定量供給しながら、ノズルを金型の回転軸方向に
一定速度で移動させて前記材料の塗布を行った。次いで、金型を回転させながら300℃
まで段階的に加熱し、冷却することにより材料を硬化させ、厚さ90μmのベース層を形
成した。その引張弾性率は2300MPaであった。
【0069】
(2) 弾性層の作製
下記の表1に弾性層材料を示す。表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割合でま
ず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作成した
。かかる材料をベース層作製時と同じ装置を用いてベース層上に塗工し、弾性層を形成し
た。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性
層を硬化させた。弾性層の厚さは250μm、JISA硬度30であった。
【0070】
【表1】

【0071】
・ 主剤;ポリプロピレングリコールとトリレンジイソシアネートから得られるNCO含
有量6.9%の末端プレポリマー(住化バイエルウレタン株式会社製)
・ Acclaim4220;ポリプロピレングリコール(住化バイエルウレタン株式会
社製)
・ エタキュアー300;ジメチルチオトルエンジアミン(アルベマール社製)
・ 制電剤;三光化学工業株式会社製「サンコノールPEO−20R」(リチウムービス
(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをポリオールに溶解した水溶液)
・ 消泡剤;共栄社化学株式会社製「フローレンAC326F」。
【0072】
(3) 表層の作製
次に、上記で得たベース層上の弾性層上に、下記の組成の表層をそれぞれ形成して、実
施例1〜2および比較例1の転写ベルトとした。
【0073】
(実施例1)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 40質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム5
0質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 60質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを4質量部の割合で含有する表層材
料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後
に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚14.8μmの表層を形成し、転写ベ
ルトを作製した。なお、表層の膜厚はダイヤルゲージを用いて測定した。また、表層単独
の硬度(IRHD)は68であった。
【0074】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、0.41MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は60であった。
【0075】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率(logΩ/□、以下同じ)は、10.0であ
り、ベース層側の表面抵抗率(logΩ/□、以下同じ)は、10.0であり、また、体
積抵抗率(logΩ・cm、以下同じ)は、8.5であった。
【0076】
(実施例2)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 80質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム5
0質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 20質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.5質量部の割合で含有する表
層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾
燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚14.2μmの表層を形成し、実
施例2の転写ベルトを作製した。また、表層単独の硬度(IRHD)は94であった。
【0077】
鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測定され
る硬度は、1.75MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は65であった。
【0078】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は、10.0であり、ベース層側の表面抵抗率
は、10.0であり、また、体積抵抗率は、8.5であった。
【0079】
(比較例1)
弾性層として、上記の表1に示した弾性層材料を作成し、上記で記載したベース層上に
塗工し、150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは600μm、J
ISA硬度30であった。
【0080】
この弾性層上に、水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業社製「GLS−213F)を静電
塗装ガンにて塗装し、表層とした。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、
膜厚20μmの表層を形成し、転写ベルトを作製した。なお、表層の膜厚はダイヤルゲー
ジを用いて測定した。また、表層単独の硬度(IRHD)は98であった。
【0081】
鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測定され
る硬度は、5.1MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は44であった。
【0082】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は、10.0であり、ベース層側の表面抵抗率
は、10.0であり、また、体積抵抗率は、8.5であった。
【0083】
図1に示す画像形成装置において、ベルト駆動ローラー41は、スチール製の直径65
mmのローラーであり、表面は数μmのウレタンコート処理されたものとした。
【0084】
また、二次転写ローラー61は、スチール製ローラー表面にベース層を設けずに、直接
厚さ2000μmの導電性ウレタンゴム層(JISA硬度50°)が接着剤で固定されて
設けられ、その弾性層上に表層として、厚さ15μmの水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工
業社製「GLS−213F)層を設けたものである。表層側からのナノインデンターによ
る10mgf荷重時で測定される硬度は、4.5MPa、また、マイクロ硬度(IRHD
)は55であった。また、表層側の表面抵抗率は10.0であり、体積抵抗率は7.0で
あった。
【0085】
得られた二次転写ローラー61を転写ベルト40を介してベルト駆動ローラーに当接し
た。当接時の荷重は10〜100kgfとできるが、図1の画像形成装置にあっては60
kgfとし、所望のニップ幅5mmとした。
【0086】
以下に、各実施例の転写ベルトと二次転写ローラーの物性と、図1の画像形成装置を上
記条件で駆動させた際に得られた二次転写ローラー61へのトナー付着量についての結果
を下記の表に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
なお、転写ローラーへのトナー付着量は、10000枚印字後の転写ローラー表面にお
ける光学濃度を、光学濃度測定機「X−Rite」で測定して得られるOD値である。比
較例では、転写ローラーの表面に固形分の付着が認められたが、実施例においては紙裏面
が汚れる量ではなかった。
【0089】
また、比較例の転写効率は89%であったのに対して、実施例1は96%であり、本発
明のものは、比較例に比して、転写効率に優れることがわかった。なお、転写効率は、転
写前の転写ベルト上の画像濃度をOD1、転写後のベルト上に残留したトナーの濃度をO
D2とした場合、{(OD1−OD2)/OD1}×100(%)として計算した。そし
て、転写バイアスを変更しながら効率を測定し、効率が最大となる時の転写バイアスでの
結果を採用した。また、転写材としては塗工紙(王子製紙(株)製「ウルトラサテン金藤
127.9g)を用いた転写効率である。
【0090】
(図2に示す画像形成装置への適用)
(転写ベルト40の作製)
転写ベルトにおけるベース層、弾性層を図1の画像形成装置と同様に作製した後、弾性
層上に、下記の組成の表層をそれぞれ形成して、実施例3〜6の転写ベルトとした。
【0091】
(実施例3)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 80質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム5
0質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 20質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 1.5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.5質量部の割合で含有する表
層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾
燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚15.3μmの表層を形成し、転
写ベルトを作製した。なお、ダイヤルゲージを用いて膜厚を測定した。また、IRHD硬
度は89であった。
【0092】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、1.50MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は61.5であった

【0093】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は10.0であり、ベース層側の表面抵抗率は
10.0であり、また、体積抵抗率は8.5であった。
【0094】
(実施例4)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 40質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム5
0質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 60質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを4質量部の割合で含有する表層材
料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾燥後
に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚16.6μmの表層を形成し、転写ベ
ルトを作製した。IRHD硬度は、78であった。
【0095】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、0.78MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は62であった。
【0096】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は10.0であり、ベース層側の表面抵抗率は
10.0であり、また、体積抵抗率は8.5であった。
【0097】
(実施例5)
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GLS−213CR」(フッ素ゴム
25質量%、フッ素樹脂25質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)
・・・ 80質量%
・ ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−252CR」(フッ素ゴム5
0質量%からなる無着色のフッ素ゴムラテックス)・・・ 20質量%
・ 硬化剤(ダイキン工業(株)製「ダイエルラテックス GL−200」)
・・・ 5質量%(外掛け)
を混合し、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1.5質量部の割合で含有する表
層材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて上記で得た弾性層上に塗装した。乾
燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、膜厚14.2μmの表層を形成し、転
写ベルトを作製した。膜厚は、ダイヤルゲージを用いて測定した。IRHD硬度は94で
あった。
【0098】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、1.75MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は65であった。
【0099】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は10.0であり、ベース層側の表面抵抗率は
10.0であり、また、体積抵抗率は8.5であった。
【0100】
(実施例6)
実施例5で得られる得られた表層材料を静電塗装ガンにて、実施例7同様に弾性層上に
塗装した。乾燥後に150℃のオーブン内で60分間硬化させ、実施例1同様にダイヤル
ゲージを用いて膜厚を測定したところ6.4μmである表層を形成し、転写ベルトを作製
した。IRHD硬度は94であった。
【0101】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、0.56MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は63であった。
【0102】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は10.0であり、ベース層側の表面抵抗率は
10.0であり、また、体積抵抗率は8.5であった。
【0103】
(実施例7)
(弾性層の形成)
実施例1と同様のベース層上に、上記の表1に示した硬化剤に含まれる成分を表1の割
合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表1に記載の割合で混合して、弾性層材料を作
成し、ベース層作製時と同じ装置を用いて同様に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベ
ース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた
。弾性層の厚さは200μm、JIS A硬度 30であった。
(表層の形成)
ウレタン樹脂をバインダーとする水系ウレタン塗料であり、フッ素樹脂粉末(PTFE
)を1質量%以下、シリコン樹脂を5〜20質量%の割合でそれぞれ含有する塗料(日本
アチソン株式会社製ウレタン塗料「TW805」)を主剤とし、これに硬化剤(日本アチ
ソン株式会社製「WHI」)を主剤:硬化剤=95:5(質量比)の割合で混合し、表層
材料を得た。得られた表層材料を静電塗装ガンにて弾性層上に塗装した。乾燥後に120
℃のオーブン内で10分間硬化させ、膜厚10.3μmの表層を形成し、転写ベルトとし
た。膜厚はダイヤルゲージを用いて測定した。IRHD硬度は、62であった。
【0104】
また、鉄板上での転写ベルト表層側からナノインデンターによる10mgf荷重時で測
定される硬度は、0.48MPa、また、マイクロ硬度(IRHD)は60であった。
【0105】
また、転写ベルトの表層側の表面抵抗率は10.0であり、ベース層側の表面抵抗率は
10.0であり、また、体積抵抗率は8.5であった。
【0106】
図2に示す画像形成装置において、ベルト駆動ローラー41は、スチール製の直径65
mmのローラーであり、表面は数μmのウレタンコート処理されたものとした。
【0107】
また、二次転写ローラー61は、スチール製ローラー表面に、シートが巻かれ、凹部で
支持される構成であり、シートとしてはベース層として膜厚100μm、引っ張り弾性率
3000MPaのポリイミドアミド膜、弾性層として厚さ2000μmの導電性ウレタン
ゴム層(JISA硬度50°)が設けられ、その弾性層上に表層として、厚さ15μmの
水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業社製「GLS−213F)層を設けたものである。表
層側からのナノインデンターによる10mgf荷重時で測定される硬度は、4.5MPa
、また、マイクロ硬度(IRHD)は55であった。また、表層側の表面抵抗率は8.0
であり、体積抵抗率は7.0であった。
【0108】
得られた二次転写ローラー61を転写ベルト40を介してベルト駆動ローラーに当接し
た。当接時の荷重は10〜100kgfとできるが、図2の画像形成装置にあっては60
kgfとし、所望のニップ幅5mmとした。
【0109】
以下に、各実施例の転写ベルトと二次転写ローラーの物性と、図1の画像形成装置を上
記条件で駆動させた際に得られた二次転写ローラー61へのトナー付着量についての結果
を下記の表に示す。
【0110】
【表3】

【0111】
(図3に示す画像形成装置への適用)
図2に示す画像形成装置で使用した実施例6の転写ベルトを、図3に示す両面印刷機構
を備えた画像形成装置に適用し、両面印刷を10000枚行ったが,両面印刷時における
裏面の印字に際して、オフセット等の画質欠陥は認められなかった。
【符号の説明】
【0112】
10Y、10M、10C、10K…感光体、11Y、11M、11C、11K…コロナ
帯電器、12Y、12M、12C、12K…露光ユニット、13Y、13M、13C、1
3K…第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、13K’…第2
感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、14C、14C’、
14K、14K’…感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y、16M、
16C、16K…感光体クリーニングローラー、18Y、18M、18C、18K…感光
体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K…現像ローラー、21Y、2
1M、21C、21K…現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、
22K…コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K…現像装置、3
1Y、31M、31C、31K…現像剤容器、32Y、32M、32C、32K…アニロ
ックスローラー、31Y、31M、31C、31K…現像剤容器、33Y、33M、33
C、33K…規制ブレード、34Y、34M、34C、34K…オーガ(供給ローラー)
、40…転写ベルト、41…ベルト駆動ローラー、42…テンションローラー、45…現
像剤回収部、46…転写ベルトクリーニングローラー、47…転写ベルトクリーニングロ
ーラークリーニングブレード、49…転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M
、50C、50K…1次転写部、51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアッ
プローラー、60…2次転写ユニット、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラ
ークリーニングブレード、74…(クリーニング)ブレード把持部材、85…2次転写ユ
ニット回収貯留部、90…定着ユニット、91…加熱ローラー、92…加圧ローラー、9
5…第1転写ローラー、96…第2転写ローラー、101、101’…ゲートローラー、
102…転写材搬送ガイド、210…第1のガイド部材、211…筐体部、212…吸引
面、215…気流発生部、230…転写材搬送装置、231…筐体部、232…吸引面、
233…隔壁部材、235…気流発生部、250…転写材搬送部材、251…転写材搬送
部材駆動ローラー、252、253…転写材搬送部材張架ローラー、270…第2のガイ
ド部材、271…筐体部、272…吸引面、275…気流発生部、400…送風装置、4
01…筐体部、402…開口部、405…気流発生部、523…ベース層、525…弾性
層、527…表層、529…外周面、530…内周面、a…トランデューサー、b… Ber
kovich圧子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層を有し、液体現像剤により現像された像を
担持する転写ベルトと、
該転写ベルトを巻きかけるローラーと、
弾性層を有し、周面側からナノインデンターにより10mgfの荷重で測定した時の硬
度が第1の硬度であり、かつ周面側から測定されるIRHD硬度が第2の硬度であり、前
記転写ベルトを介して前記ローラーと当接する転写ローラーと、を備え、
前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から前記ナノインデンターにより10mgf荷重時で測定される硬度を第3の硬度、及
び前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から測定されるIRHD硬度を第4の硬度とした時に、
第3の硬度<第1の硬度
第4の硬度>第2の硬度
の関係を有することを特徴とする転写装置。
【請求項2】
転写ローラーは、前記転写ローラーの周面と当接するクリーニング部材を有する請求項1
記載の転写装置。
【請求項3】
転写ローラーは、前記転写ローラーの周面の軸方向に形成された凹部、前記凹部に配設さ
れた弾性シート支持部材を有し、前記弾性シート支持部材で支持された弾性シートにより
前記弾性層を構成する請求項1記載の転写装置。
【請求項4】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像を液体現像剤で現像する現像部と、
ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層を有し、前記現像部で現像された像が転
写される転写ベルトと、
該転写ベルトを巻きかけるローラーと、
弾性層を有し、周面側からナノインデンターにより10mgfの荷重で測定した時の硬
度が第1の硬度であり、かつ周面側から測定されるIRHD硬度が第2の硬度であり、前
記転写ベルトを介して前記ローラーと当接する転写ローラーと、を備え、
前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から前記ナノインデンターにより10mgf荷重時で測定される硬度を第3の硬度、及
び前記転写ベルトが前記ローラーに巻きかけられた状態で、前記転写ベルトの前記表層の
側から測定されるIRHD硬度を第4の硬度とした時に、
第3の硬度<第1の硬度
第4の硬度>第2の硬度
の関係を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記転写ベルトと前記転写ローラーとの当接により形成される転写ニップに転写材を搬送
し、前記転写材の第1面に前記像を転写させる転写部と、前記転写材の前記第1面に転写
された前記像を定着させる定着部と、
前記定着部で前記像が定着された前記転写材を搬送し、前記転写材の前記第1面の反対
の面である第2面が前記転写部を構成する前記転写ベルトと当接するように搬送する搬送
部と、
を有する請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−64850(P2011−64850A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214155(P2009−214155)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】