説明

転移および転移がもたらす骨格関連現象を調節する方法

本発明は、とりわけ、骨転移のモデル、骨格関連現象および転移を制御する因子を同定する方法、ならびに骨格関連現象および転移を検出する方法に関する。上記方法およびモデルは、概ね、ガン細胞と宿主細胞とを共培養し、そのような共培養細胞に由来する生物学的マーカーをコントロール細胞と比較することを含む。本発明は、転移を示す生物学的マーカーの検出を可能にするのに十分な時間をかけて、1つ以上の宿主細胞を1つ以上の癌細胞と共培養することを含む、原発腫瘍から転移への患者の癌進行をシミュレーションする方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国出願番号第60/470,006号(2003年5月13日出願)および米国出願番号第60/504,324号(2003年9月18日出願)の優先権の利益を主張し、各出願は、本明細書中に参照として全体が援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概ね腫瘍学の分野に関する。より詳しくは、本発明は骨格関連現象および転移を制御する方法、骨格関連現象および転移を制御する因子を同定する方法、骨格関連現象および転移のモデル、ならびに骨格関連現象および転移を画像化および/または検出するために上記因子を用いることに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
癌は、米国の第2の主要な死因である。「癌(cancer)」は、多くの異なる種類の癌(すなわち胸部癌、前立腺癌、肺癌、結腸癌、および脾臓癌)を記述するために用いられ、各々の種類の癌が表現型レベルおよび遺伝子レベルの両方で異なる。癌の無秩序な増殖特性は、一種類以上の遺伝子が突然変異を獲得し、細胞増殖がもはや制御不能となった場合に、生ずる。
【0004】
遺伝子は、多くの場合、2つのクラス、すなわち腫瘍遺伝子および癌抑制遺伝子に分類される。腫瘍遺伝子は、その正常な機能が細胞増殖を促すことではあるが、特定の条件下でのみ細胞増殖の促進がなされる。癌遺伝子が突然変異を得て制御不能になると、すべての増殖下で増殖が促進される。しかし、癌が真に効果を奏するためには、その癌が癌抑制遺伝子内での突然変異も獲得しなければならないことが知られている。癌抑制遺伝子の正常機能は、細胞の増殖を停止させることである。癌抑制遺伝子の例として、p53、p16、p21、およびAPCが挙げられ、それらの全てが、正常に作用している場合、細胞が制御不能に分裂および増殖することが抑制され、直ちに癌抑制因子が抑制なしに増殖可能となる。
【0005】
いくつかの遺伝子およびそれらのタンパク質産物が腫瘍形成に関係していると同定されるけれども、転移での役割を演じる遺伝子は、いまだ不明瞭である。転移は、腫瘍形成の1つの重要な部分であり、癌が増殖原発部位から、個体の死をもたらす二次部位に広がる。身体の異なる領域に多くの場合広がる癌の種類の例として、前立腺癌、乳癌、肺癌、および結腸癌が挙げられる。
【0006】
前立腺癌または乳癌であると当初診断された大部分の患者は、骨転移、ならびに死亡時に、大部分の腫瘍の全身腫瘍組織量が骨に見いだされる。癌は、広範囲にわたる骨関連作用を有する。その一方で、前立腺癌からの転移は概して造骨細胞の効果を生じる。骨格関連現象(SRE)は、多くの場合、骨転移の結果であり、骨痛、過カルシウム血、病的骨折、髄鞘性貧血、骨奇形、および末梢神経圧を含む合併症をもたらし、とりわけ、骨変性の結果であると思われた(C.Mundy,Nature(2002),Vol.2,584−593)。骨に対する転移を有する患者の生存期間の中央値は、2〜3年のあいだである。
【0007】
骨吸収のインヒビターがそのような合併症を阻害させる上で有用と思われるいくつかの証拠がある。ビスホネート(骨損失によって特徴づけられる疾患、例えば骨粗鬆症およびパジェット病の処置に用いられるピロリン酸類似体)は、骨全身腫瘍組織量の減少と同様に骨溶解性の骨病変の減少を引き起こす(H.Fleisch,Bisphosphonates In Bone Disease,From The Laboratory To The Patient,2nd Edition,Parthenon Publishing (1995)を見よ。ここに本明細書の一部を構成するものとして、この文献の内容を援用する)。
【0008】
ビスホスホネート化合物アレンドロネートに関する数多くの前臨床医学データおよび臨床データが存在する。証拠は、チルドロネート、イバンドロネート、リズドロネート、およびゾレンドロネート等の他のビスホスホネートがアレンドロネートと共通する多くの特性、例えば骨吸収阻害遺伝子として高い作用強度を持つことを示唆している。昔ながらのビスホスホネートであるエチドロネートもまた、骨吸収を阻害する。造骨細胞の反応が先行の造骨細胞活性に依存している場合、破骨吸収を阻害するための既存の治療が造骨細胞の転移を処置する上で効果的であると推測される。骨転移の他の既存の治療として、オステオプロテグリン(RANK−Lとそのレセプターとの結合と、RNK−Lによる破骨細胞の刺激とを抑制すると考えられる)、RANK−Fc(RANK−Lとそのレセプターとの結合と、RNK−Lによる破骨細胞の刺激とを抑制すると考えられる)、PTHrP抗体、ならびにビタミンD類似体(PTHrP産物を減少させると考えられている)(G.Mundy,Nature(2002),Vol.2,584−593)。
【0009】
骨の全身腫瘍組織量をビスホスホネートが減少させるという主張がいくつかの研究によって支持されているにもかかわらず、そのようなインヒビターが軟組織転移で同様の効果を有するかどうかについて論争されている。実際、バイオスホスホネートが実際に軟組織転移を促進したという研究報告がある(Saarto et al.,J.Clin.Oncol.(2001),19:10−17)。
【0010】
いくつかの分子は、乳癌および前立腺癌を含む上皮細胞癌で発現されることが知られている。乳癌細胞での発癌作用にEphA2が関与することが既に明らかにされているにもかかわらず、骨への癌の転移または骨関連減少(SRE)でのEph2の機能的役割については公開されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、癌転移および骨格関連現象と同様に癌での役割を果たす遺伝子および遺伝子産物を同定すること、さらには転移およびSREのモデルの必要がある。同様に、骨格関連現象および転移の調節因子を同定すること、さらには骨格関連現象および転移を制御するための方法が必要である。さらに、転移および骨格関連現象の画像化/検出/診断をおこなう方法を同定する必要がある。本発明は、これらの、さらには他の重要な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、とりわけ、骨転移のモデル、骨格関連現象および転移の役割を果たす分子を同定する方法、骨格関連現象および転移の調節因子を同定する方法、骨格関連現象および転移を画像化/検出する方法、ならびに骨格関連現象および転移を制御する方法を提供することで、上記に確認された必要性に取り込む。
【0013】
本発明は、転移を示す生物学的マーカーの検出を可能にするのに十分な時間をかけて、1つ以上の宿主細胞を1つ以上の癌細胞と共培養することを含む、原発腫瘍から転移への患者の癌進行をシミュレーションする方法も提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞および癌細胞をインビトロで共培養する。いくつかの実施形態では、宿主細胞および癌細胞を動物モデルで共培養する。いくつかの実施形態では、動物モデルがSCIDマウスである。いくつかの実施形態では、癌が乳癌、前立腺癌、または結腸癌であり、転移が骨に対して起こる。いくつかの実施形態では、調節因子は転移を阻害する。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒトである。いくつかの実施形態では、宿主細胞を患者から単離する。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記宿主細胞と共培養した場合に発現が制御される上記癌細胞内の一種類以上の遺伝子を同定する工程を、さらに含む。
【0014】
さらに、本発明は、インビトロ内で原発腫瘍から転移への進行をシミュレーションする方法を提供するもので、この方法は、転移を示す生物学的マーカーの検出を可能にするのに十分な時間をかけて、1つ以上の宿主細胞を1つ以上の癌細胞と共培養することを含む。いくつかの実施形態では、上記癌が前立腺癌、乳癌、または結腸癌である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、癌細胞はPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、宿主細胞を患者から単離する。いくつかの実施形態では、共培養はインビトロである。
【0015】
さらに、本発明は、転移癌に対する処置の効果を決定する方法も提供するもので、この方法は、(a)宿主細胞と癌細胞との共培養に対して調節因子を投与すること、(b)上記(a)の共培養細胞上の生物学的マーカーを、推定調節因子の非存在下で共培養された宿主細胞および癌細胞の生物学的マーカーと比較することを含む。いくつかの実施形態では、上記調節因子は転移を阻害する。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒトである。いくつかの実施形態では、癌細胞および宿主細胞が患者から単離される。
【0016】
本発明は、転移に対する患者の罹患性を決定する方法であって、第1の試料に生物学的マーカーがあるかどうかを決定することを含み、上記第1の試料が、宿主細胞と共培養した転移することが知られている癌細胞を含む第1のコントロール試料と相関させて、上記生物マーカーを決定するのに十分な期間にわたって宿主細胞と共培養された上記患者から得た癌細胞を含み、上記第1の試料に含まれる生物学的マーカーと上記コントロール試料に含まれる生物学的マーカーとの相関が転移に対する上記患者の罹患性を示す方法も提供する。いくつかの実施形態では、転移することが知られている癌細胞は、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、宿主細胞を患者から単離する。いくつかの実施形態では、共培養はインビトロである。
【0017】
本発明はまた、一種類以上の骨格関連現象に対する癌患者の罹患性を決定する方法を提供するもので、この方法は、患者の癌試料でのEphA2発現の証拠を検出することを含み、Eph2発現の証拠は、一種類以上の骨格関連現象に対する患者の罹患性を示す。いくつかの実施形態では、転移は骨転移である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌、乳癌、または結腸癌である。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第1の試料の生物学的マーカーが第2のコントロール試料の生物学的マーカーと相関するかどうかを決定する工程をさらに含み、第2のコントロール試料は、転移することが知られている癌細胞と共培養された宿主細胞を含み、上記第1の試料の生物学的マーカーと上記第2のコントロール試料の生物学的マーカーとの相関は、転移に対する罹患性の減少を示す。
【0019】
本発明は、癌患者での骨格関連現象を調節する方法を提供するもので、この方法は、治療上有効な量の、一種類以上のEphA2インヒビターを上記患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、EphA2インヒビターはオリゴヌクレオチド、低分子、ミメティック、デコイ、または抗体である。いくつかの実施形態では、インヒビターはEphA2発現を、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、および好ましくは少なくとも95%である。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、化学治療および/または放射線治療による患者の処置を含む。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、治療上有効な量のビスホスホネートによる患者の処置を含む。いくつかの実施形態では、転移が骨転移である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌、乳癌、または結腸癌である。
【0020】
本発明はまた、患者での転移を調節する方法を提供するもので、この方法は、(a)上記患者が、本明細書に記載したように、EphA2両方の候補であるかどうかを決定すること、(b)上記患者がEphA2治療の候補であるならば、上記患者に一種類以上のEphA2インヒビターを投与すること、(c)上記患者がEphA2治療の候補でなければ、上記患者を従来の癌治療で処置すること、を含む。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに伝統的癌治療薬の投与を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドが配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1または配列番号5に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の配列相同性を持つ。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号3、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、または配列番号80からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションまたは適度なハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列に結合する。
【0022】
いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドが、配列番号12〜71の配列を有するペプチドをコードする核酸分子に対して相補的である。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記低分子が分子量5キロダルトン以下の有機分子である。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記抗体がヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、上記抗体が、少なくとも1×10Kaの親和性でEphA2に対して結合する。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記骨格関連現象が、骨折、骨痛のための放射線、骨折予防もしくは処置、脊髄圧迫、骨骨折、骨転移、または悪性病変の過カルシウム血症からなる群から選択される。
【0026】
本発明は、患者での転移を調節する方法も提供するもので、この方法は、上記患者に対して本発明の薬学的組成物の治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、伝統的癌治療薬の投与をさらに投与することを含む。
【0027】
さらに、本発明は、癌患者での転移を調節する方法を提供するもので、この方法は、上記患者に対して、治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記EphA2インヒビターがオリゴヌクレオチド、低分子、ミメティック、デコイ、または抗体である。いくつかの実施形態では、インヒビターは、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、および好ましくは少なくとも95%によるEphA2を阻害する。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、伝統的癌治療薬の投与を含む。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、化学治療および/または放射線治療による患者の処置を含む。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、治療上有効な量のビスホスホネートで上記患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、上記転移が骨転移である。いくつかの実施形態では、上記癌が前立腺癌、乳癌、または結腸癌である。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドが配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、配列番号1または配列番号5に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の配列相同性を有する。いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、配列番号3、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、または配列番号80からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションまたは適度なハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列に結合する。
いくつかの実施形態では、上記低分子が分子量5キロダルトン以下の有機分子である。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記抗体がヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、上記抗体が、少なくとも1×10Kaの親和性でEphA2に対して結合する。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、EphA2配列の少なくとも1つの領域を認識し、該領域は配列番号12〜71に対応する。いくつかの実施形態では、上記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはFabフラグメントである。いくつかの実施形態では、本発明の抗体を標識する。いくつかの実施形態では、本標識が、酵素、放射性同位元素、またはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、EphA2以外のポリペプチドに対して約1×10Ka未満の結合親和性を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明は配列番号12〜71に対応するEphA2配列の少なくとも1つの部分を認識する抗体を産生する単離細胞を提供する。いくつかの実施形態では、単離細胞がハイブリドーマである。
【0032】
本発明はさらに、転移を受けやすい患者を同定する方法を提供するもので、患者由来の癌細胞(1つ以上の宿主細胞と共培養した癌細胞)の生物学的マーカーを、1つ以上の宿主細胞と共培養したコントロール癌細胞の生物学的マーカーと比較することを含む。いくつかの実施形態では、上記コントロール癌細胞が非転移癌細胞を示す。いくつかの実施形態では、上記コントロール癌細胞が転移癌細胞を示す。いくつかの実施形態では、上記方法がさらに、上記患者由来の癌細胞の生物学的マーカーが正のコントロールもしくは負のコントロールに相関するかどうかを決定する工程を含む。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞が上記患者から単離される。
【0033】
本発明はまた、転移に対する癌患者の罹患性を決定する方法を提供するもので、この方法は、患者の癌試料でのEphA2発現の証拠を検出することを含み、EphA2発現の証拠が転移に対する患者の罹患性を示す。
【0034】
さらに、本発明は、転移に対する癌患者の罹患性を決定する方法を提供するもので、この方法は、上記患者由来の宿主細胞と癌細胞との共培養でのEphA2発現の証拠を検出することを含み、EphA2発現の証拠が転移に対する患者の罹患性を示す。いくつかの実施形態では、EphA2RNAを測定することによってEphA2発現の証拠を検出する。いくつかの実施形態では、EphA2発現の証拠がEphA2発現産物を測定することによって検出される。いくつかの実施形態では、癌細胞を、乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、癌細胞がPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。
【0035】
本発明はまた、癌患者に対するEphA2治療の妥当性を決定する方法を提供するもので、この方法は、患者の癌試料でのEphA2発現の証拠を検出することを含み、EphA2発現の証拠が、EphA2治療が妥当なものである患者を示す。
【0036】
本発明は、さらに、癌患者に対するEphA2治療の妥当性を決定する方法を提供するもので、この方法は、上記患者由来の宿主細胞と癌細胞との共培養でのEphA2発現の証拠を検出することを含み、EphA2治療が妥当なものである患者を示す。いくつかの実施形態では、癌細胞がPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。
【0037】
本発明はまた、骨転移の間に調節された遺伝子を同定する方法を提供するもので、この方法は、共培養された癌細胞および宿主細胞の発現プロフィールと癌細胞のコントロール発現プロフィールとを比較することを含む。いくつかの実施形態では、調節遺伝子がEphA2である。いくつかの実施形態では、癌細胞が乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、癌細胞がPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、癌細胞および宿主細胞が患者から単離される。いくつかの実施形態では、本発明はまた、そのような方法によって同定された遺伝子を提供する。
【0038】
本発明はさらに、骨幹関連現象中に調節された遺伝子を同定する方法を提供するもので、共培養された癌細胞および宿主細胞の発現プロフィールと癌細胞のコントロール発現プロフィールとを比較することを含む。いくつかの実施形態では、上記調節された遺伝子がEphA2である。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が、乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞がPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞が前記患者から単離される。
【0039】
さらに、本発明はまた、癌細胞の表面にある分子を同定する方法を提供するもので、この方法は、(a)癌細胞と宿主細胞とを共培養する工程と、(b)ファージ発現scfvを、癌細胞に対するファージ発現scfvの結合を可能にする条件下で、共培養癌細胞に添加する工程と、(c)scfvに結合した癌細胞を単離する工程と、(d)scfvの特性を明らかにすることで、上記癌細胞の表面にある分子を同定する工程とを含む。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞が1人の患者から単離される。
【0040】
本発明もまた、転移の調節因子を同定する方法を提供するもので、この方法は、癌細胞と宿主細胞との共培養を推定調節因子と接触させること、ならびに転移を示す生物学的マーカーの有無を検出することを含み、コントロールと比較して上記共培養での転移を示す生物学的マーカーが存在しないことが、転移の調節因子を示す。いくつかの実施形態では、助湯行き転移がEphA2関連転移である。いくつかの実施形態では、宿主および/または癌細胞がEphA2を含む。いくつかの実施形態では、上記生物学的マーカーが、カルシウム沈着の調節、オステオカルシン・レベル、アルカリホスファターゼ・レベル、酒石酸耐性ホフファターゼ活性、発現プロフィール、細胞間相互作用の証拠、破骨細胞活性、破骨細胞活性、成長ホルモン、プロラクチン、コラーゲン、プロコラーゲン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク質、酒石酸耐性ホフファターゼ、α2−HS糖タンパク質、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジングリコシド、ピリジニウム架橋、オステオカルシン、または鉱化細胞外マトリックスの形成、細胞間膜交換からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が前立腺細胞、乳癌細胞、または結腸癌細胞である。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞が上記患者から単離される。本発明はまた、そのような方法によって同定される調節化合物を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記調節因子が、オリゴヌクレオチド、抗体、ミメティック、デコイレセプター、または低分子からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞をマウス異種移植で共培養する。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が、乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞が、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。
【0043】
本発明は、さらに、患者での転移を検出するための方法を提供するもので、この方法は、造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与すること、ならびに上記患者での造影剤の局在を検出することが含まれる。いくつかの実施形態では、造影剤に結合した抗EphA2抗体を上記組成物が含む。いくつかの実施形態では、上記造影剤は、18F、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、77Br、87MSr、86Y、90Y、99MTc、111In、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pb、または206Biである。
【0044】
本発明はまた、試料に存在するEphA2の量を定量する方法を提供するもので、この方法は、上記試料と造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物とを接触させること、ならびに上記造影剤を定量することを含む。
【0045】
本発明はさらに、癌患者での疼痛を調節する方法を提供するもので、この方法は、上記患者に対して、治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記EphA2インヒビターが、低分子、オリゴヌクレオチド、ミメティック、デコイレセプター、または抗体から選択される。
【0046】
本発明はまた、患者での癌細胞と宿主細胞との相互作用を変調する方法を手今日するもので、この方法は、上記患者に対して、治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記宿主細胞が幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、間質細胞、および骨髄細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記EphA2インヒビターが、低分子、オリゴヌクレオチド、ミメティック、デコイレセプター、または抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞と上記宿主細胞との相互作用が、抗EphA2抗体によって調節される。いくつかの実施形態では、癌細胞を、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される。
【0047】
本発明はまた、ヒト宿主細胞、ヒト癌細胞、および骨形成培地(約10−7Mデキサメタソン、約0.05mMリン酸アスコルビン酸塩、および約10mMβグリセロリン酸塩を含む)を含む組成物を提供する。
【0048】
本発明はさらに、EphA2調節因子と、1種類以上の薬学的に受容可能なキャリアとを含む組成物とを提供する。いくつかの実施形態では、EphA2調節因子が、オリゴヌクレオチド、抗体、ミメティック、デコイレセプター、または低分子からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記組成物が、滅菌された注射可能物質である。
【0049】
本発明はさらに、患者の1種類以上のSREを調節する方法を提供するもので、上記患者に対して、本発明の薬学的組成物を治療上有効な量投与することを含む。
【0050】
本発明はまた、EphA2治療に感受性のある患者を同定する方法を提供するもので、(a)造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与する工程と、(b)上記患者でEphA2発現の証拠の有無を検出する工程とを含み、上記患者でEphA2発現の証拠が存在することは、EphA2治療の候補である患者を示し、また上記患者でEphA2発現の倉庫が存在しないことは、EphA2治療の候補ではない患者を示す。
【0051】
さらに、本発明はまた、EphA2治療に感受性のある患者を同定する方法を提供するもので、この方法は、(a)造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与する工程と、(b)上記患者でのSREまたは転移を示す臨床指標の有無を検出する工程とを含み、SREまたは転移を含む臨床指標の存在が、EphA2治療の候補である患者を示し、SREまたは転移を示す臨床指標の証拠がないことは、EphA2治療の候補ではない患者を示す。いくつかの実施形態では、上記臨床指標が、骨折、脊髄圧迫、および過カルシウム血からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、上記臨床指標が放射線学的に検出される。いくつかの実施形態では、臨床指標が、架橋結合したアミノ酸の度合いを検出することによって、測定される。
【0052】
本発明はさらに、患者での足場非依存性細胞を阻害する方法を提供するもので、患者に対して治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記癌は、乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。
【0053】
本発明はまた、患者での癌細胞の移動を阻害する方法を提供するもので、この方法は患者に対して治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記癌細胞を乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択する。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに伝統的癌治療薬の投与を含む。
【0054】
さらに、本発明は癌細胞接着を阻害する方法を提供するもので、この方法は患者に対して治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記癌細胞を乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択する。いくつかの実施形態では、癌細胞をPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択する。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および上記宿主細胞が上記患者から単離される。
【0055】
いくつかの実施形態では、上記方法がインビトロで実行される。
【0056】
さらに、本発明はまた、CHOもしくはミエローマ細胞で抗EphA2抗体を発現させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗EphA2抗体は、骨転移を有する患者での骨格関連現象を阻害する。上記方法は、CHOもしくはミエローマ細胞で抗EphA2抗体をコードする核酸を発現することを含む。いくつかの実施形態では、上記抗EphA2抗体が配列番号7を含む。
【0057】
本発明はまた、EphA2に結合する1つ以上の抗体を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記抗体が、骨転移を有する患者での骨格関連現象を阻害する。いくつかの実施形態では、1つ以上の抗体が、EphA2の異なったエピトープを認識する。
【0058】
本発明はまた、薬学的組成物を提供するもので、EphA2に結合するこの薬学的組成物は、EphA2に結合する1つ以上の抗体を含む。いくつかの実施形態では、上記抗体が本発明の方法にもとづいて同定される。
【0059】
本発明はさらに、CHOもしくはミエローマ細胞で抗EphA2抗体を発煙する方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗EphA2抗体の同定が、本発明にもとづいて骨での転移を処置する上での有効性について試験することで、おこなわれる。
【0060】
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下に示す本発明の詳細な説明で明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
(詳細な説明)
この文献全体を通して種々の定義が用いられている。ほとんどの語が当業者によって当業者によってそれらの語のものであると考えられる意味を持つ。以下に、またはこの文献のどこかで具体的に定義される語は、全体として本発明の文脈に与えられ、また当業者によって一般に理解される意味を持つ。
【0062】
本発明を実施する上で、特に指定しない限り、当技術分野の範囲内の化学、生化学、分子生物学、免疫学、および薬理学の従来法を用いる。そのような技術は文献で十分に説明されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton,Pennsylvania:Mack Publishing Company,1990);Methods In Enzymology(S.Colowick and N.Kaplan,eds.,Academic Press,Inc.);およびHandbook of Experimental Immunology,Vols.I−IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986,Blackwell Scientific Publications);ならびにSambrook et al.,Molecular Cloning:ALaboratory Manual(2nd Edition,1989)を参照せよ。
【0063】
この明細書および添付した特許請求の範囲で用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明確に指示しない限り、複数形に関する言及も包含する。したがって、「抗体(an antibody)」に対する言及は、2つ以上のそのような抗体(antibodies)」の混合物も包含する。
【0064】
本明細書で用いられるように、用語「約」は、±30%、±20%、±10%、または±5%の値のことをいう。
【0065】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、同義的に用いられており、任意の長さのアミノ酸の重合形態のことをいい、コード化アミノ酸および非コード化アミノ酸、化学的もしくは生化学的調節あるいは誘導されたアミノ酸、ならびに調節ペプチド主鎖を持つポリペプチドを挙げることができる。この用語は、融合タンパク質、限定されるものではないが、非相同アミノ酸配列との融合タンパク質、非相同および相同リーダー配列との融合(N末端メチオニン残基有りまたは無し)、免疫学的標識タンパク質、その他を包含する。
【0066】
本明細書で使用されるように、用語「受けやすい(感受性のある)(susceptible)」は、EphA2治療が受け入可能な治治療である患者(すなわち積極的に応答しようとする患者)について言及している。EphA2治療を受けやすい癌患者は、EphA2治療を受けにくい患者のEphA2発現レベルに比べて、高レベルのEphA2を発現する。EphA2治療にとって良好ではない癌患者として、試料中のEphA2レベルまたは該試料の癌細胞中のEphA2レベルが欠如または低い腫瘍試料を持つ癌患者が挙げられる。
【0067】
本明細書で用いられるように、「宿主細胞」という用語は、患者に由来する非癌性細胞のことをいい、限定されるものではないが、幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、間質細胞、骨髄細胞等が挙げられる。
【0068】
本明細書では、用語「幹細胞」は、自己再生能力と分化した子孫を生ずる能力とを併せ持つ哺乳類細胞のことをいう(例えば、Morrison et al.(1997)Cell 88:287−298を参照せよ)。幹細胞として、限定されるものではないが、数あるなかでも、間充織幹細胞、造血幹細胞、神経冠幹細胞、胎盤幹細胞、胚性幹細胞、および中胚葉性幹細胞が挙げられる。間充織幹細胞(MSC)は、骨髄、血管膜、および骨膜で見いだされる多能性の芽細胞であり、特定の種類の間充織幹細胞または結合組織細胞(例えば脂肪組織、骨組織(骨芽細胞を含む)、軟骨組織、弾性組織、および繊維性結合組織)のいずれかに分化する能力を持つ。骨髄に存在する幹細胞の数が一般にかなり低いにも関わらず、単離、精製、およびかなり濃縮することについては、米国特許第5,486,359号公報に開示されている。ここに本明細書の一部を構成するものとしてこの公報の内容を援用する。
【0069】
本明細書で用いられるように、用語「癌細胞」は、癌化した細胞について言及する。このような細胞は、癌を呈する患者から単離された細胞、またはインビトロで癌性へ癌化する細胞であり得る。癌細胞を、任意の組織または細胞培養系統を含む多くの種類の試料から誘導することができる。いくつかの実施形態では、癌細胞は過形成、腫瘍細胞、または新生物である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、乳癌、前立腺癌、白血病癌、結腸癌、黒色種癌、肺癌、脳癌、肝癌、膵臓癌、およびリンパ種癌から単離される。いくつかの実施形態では、上記癌細胞は、公的に入手可能である確立細胞系統から得られる。いくつかの好ましい実施形態では、癌細胞はPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、既に存在する患者試料または癌細胞を含むライブラリーから単離される。いくつかの実施形態では、癌細胞は単離された後に異なる宿主に移植(例えば、異種移植)される。いくつかの実施形態では、癌細胞をSCIDマウス・モデルに移植して用いる。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌、結腸癌、または乳癌である。
【0070】
本明細書で用いられるように、用語「癌化(transformed)」とは、その子孫によって安定して遺伝する細胞の特性に生じた何らかの変化のことをいう。いくつかの好ましい実施形態では、「癌化」は、正常細胞が癌細胞、例えば腫瘍を生じ得るものに変換することを意味する。いくつかの実施形態では、癌化細胞は不死化する。癌化は、多数の因子、例えばウイルス感染、腫瘍遺伝子の変異、および/または癌抑制遺伝子の変異、さらにあるいは細胞の増殖および/または不死化特性を変える何らかの他の技術によって生じ得る。
【0071】
本明細書で用いられるように、用語「骨格関連現象(skeletal related event)」または「SRE」とは、骨への腫瘍転移または骨癌からの腫瘍転移によって生ずる骨格系での生理学的現象のことをいう。SREとして、限定されるものではないが、病的骨折、脊髄圧迫、鎮痛のための放射線治療、または病的骨折または脊髄圧迫の処置もしくは予防のための放射線治療、高カルシウム血症、ならびに骨に対する手術が挙げられる。
【0072】
本明細書で用いられるように、用語「転移(metastasis)」は、癌の発生源、例えば原発腫瘍から離れた部位に広がった癌のことに言及している。転移の部位として、限定されるものではないが、骨、リンパ節、肺、肝臓、および脳が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、癌は前立腺癌または乳癌であり、転移は骨への転移である。
【0073】
本明細書に用いられるように、用語「臨床指標(clinical endpoint)」とは、転移、好ましくは骨への転移、あるいはSREを示す測定可能な現象のことをいう。臨床指標として、限定されるものではないが、最初のSREまでの時間、骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症、生活の質、および疼痛が挙げられる。他の指標として、限定されるものではないが、生物マーカー、尿量、血清アルカリホスファターゼ、新骨形成、骨応答または進行に対する放射線学的基準、ならびに骨ミネラル濃度が挙げられる。当業者は、臨床指標の決定および測定をおこなう能力を持つと考えられる。臨床指標を測定する方法は、当業者に公知である。そのような方法の例は、米国特許第5,283,197号、米国特許第5,538,853号、および米国特許第5,589,346号に開示されており、これらの特許の各々を本明細書で援用する。最も一般的に測定される骨関連マーカーとして、カルシウム、ヒドロキシプロリン、アルカリホスファターゼ、プロコラーゲンI型およびその切断産物、オステオカルシン、ならびに骨コラーゲン・ペプチドが挙げられ、さらに該ペプチドとして、架橋アミノ酸が含まれる。架橋アミノ酸として、ピリジノリン、デオキシ・ピリジノリン、ハイドロキシ・リジル・ピリジノリン、リジル・ピリジノリン、n−テロペプタイト、さらに前述の分子を含むペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、マーカーは血清または尿で測定される。いくつかの実施形態では、臨床指標が放射線学的に検出される。
【0074】
本明細書で用いられるように、用語「骨形成(osteogenic)」培地とは、骨前駆体細胞または骨細胞がインキュベートされる溶液のことをいう。いくつかの実施形態では、上記培地は、骨系統にある細胞に幹細胞が分化するのを促す。
【0075】
本明細書で用いられるように、用語「骨系統(bone lineage)」とは、骨の一部になる細胞または骨生理学に関与する細胞のことをいう。骨系統に含まれる細胞の例として、破骨細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、その他が挙げられる。
【0076】
本明細書で用いられるように、用語「骨疾患(bone disease)」および「骨障害(bone disorder)」とは、骨格系に影響を及ぼす疾患または障害のことをいう。骨疾患/障害として、限定されるものではないが、骨粗鬆症、大理石骨病、パジェット病、骨形成不全症、甲状腺骨疾患、周囲骨損失もしくは骨変性、悪性高カルシウム血症、マックーン‐オルブライト症候群、およびその他が挙げられる。
【0077】
本明細書で用いられるように、用語「試料(sample)」とは、患者からの生物学的材料のことをいう。本発明でアッセイする試料はいかなる特定の種類に限定されるものではない。試料として、非限定的例として、単細胞、多細胞、組織、腫瘍、生物学的液体、生物学的分子、または上述したもののいずれかの上清もしくは抽出物が挙げられる。生検のために取り出した組織、切除術の際に取り出した組織、血液、尿、リンパ組織、リンパ液、脳脊髄液、粘液、および便試料が挙げられる。使用した試料は、アッセイ・フォーマット、検出方法、およびアッセイすべき腫瘍、組織、細胞、もしくは抽出物の性質に応じて変わる。試料調製法は周知であり、利用した方法に互換性のある試料を得るために容易に適合させることができる。
【0078】
本明細書で用いられるように、用語「生物学的分子」とは、限定されるものではないが、ポリペプチド、核酸、および糖類が挙げられる。
【0079】
本明細書で用いられるように、用語「調節(modulating)」とは、遺伝子、タンパク質、または任意の分子の性質または量を変えることをいい、このような分子は細胞の内外または表面にある。このような変化は、分子の発言またはレベルを増減し得る。用語「調節する(modulates)」もまた、生物学的機能/活性の質または量を変えることを含み、限定されるものではないが、生物学的機能/活性として、増殖、分泌、粘着、アポトーシス、細胞間情報伝達、およびその他が挙げられる。「調節転移(modulating metastasis)」という文脈のなかで、この用語は患者に存在する転移の率、量、または度合いに影響を及ぼすことに言及している。いくつかの実施形態では、上記方法は相補的に転移を阻害する。別の実施形態では、上記方法は転移の量を減少させる。いくつかの実施形態で、上記方法は転移を防ぐ。SREという文脈では、「調節SRE(modulating SRE)は、SREの率、量、または度合いに影響を及ぼすことに言及している。いくつかの実施形態では、上記方法は完全にSREを阻害する。他の実施形態では、上記方法はSREの度合いを減少する。
【0080】
本明細書で用いられるように、用語「調節因子(modulator)」とは、転移および/または1つ以上のSREを調節する組成物のことをいう。いくつかの実施形態では、上記調節因子が、低分子、抗体、ミメティック、デコイレセプター、またはオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記調節因子がリガンド結合を阻害することで、あるいはリガンド結合部位に関して拮抗することで、作用する。いくつかの実施形態では、調節因子は、SREおよび/または骨転移に関与する遺伝子産物の発現を阻害する。いくつかの実施形態では、上記調節因子は、SREまたは転移に関与する2つ以上の生体分子間の物理的相が作用を阻害する。いくつかの実施形態では、上記調節因子はインヒビターである。
【0081】
本明細書で用いられるように、用語「N末端」とは、タンパク質の最初の10個のアミノ酸のことをいう。
【0082】
本明細書で用いられるように、用語「C末端」とは、タンパク質の最後の10個のアミノ酸のことをいう。
【0083】
本明細書で用いられるように、用語「低分子」とは、分子量が10キロダルトン未満である有機または無機の非高分子化合物のことをいう。いくつかの実施形態では、上記低分子は分子量が約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、約1キロダルトン未満である。低分子の例として、ペプチド、オリゴヌクレオチド、有機化合物、無機化合物、およびその他が挙げられる。
【0084】
本明細書で用いられるように、「培養する」とは、インビトロ、インビボまたはエクソビボで細胞を成長させることをいう。培養する方法は当該分野において周知である。
【0085】
本明細書で用いられるように、「共培養」とは、2種類以上の細胞種を一緒に増殖させることをいう。そのような技術は当業者に周知である。癌細胞および宿主細胞は、生物学的マーカーを検出するのに十分な時間にわたって共培養されることから、測定されている生物学的マーカーおよび測定のための技術に関連している。当業者は、そのような生物学的マーカーを検出するのに十分なそのような培養の期間を決定する能力を持つ。いくつかの実施形態では、上記癌細胞および宿主細胞は約1ないし約20日間にわたって共培養される。いくつかの実施形態では、細胞は約10ないし約15日間にわたって共培養される。いくつかの好ましい実施形態では、上記細胞を約11ないし約14日間にわたって共培養する。いくつかの実施形態では、共培養はインビトロでおこなわれる。いくつかの実施形態では、共培養はインビボおよび生体外(ex vivo)でおこなわれる。いくつかの好ましい実施形態では、細胞は異種移植宿主で共培養される。
【0086】
本明細書で用いられるように、用語「生物学的マーカー」とはSREおよび/または転移を示すマーカーのことをいい、限定されるものではないが、アルカリホスファターゼ活性の調節、ボン・コッサ染色によるアルカリホスファターゼ活性の調節、オステオカルシン遺伝子のRNAもしくはmRNAの調節、酒石酸耐性ホフファターゼ活性の調節、その他が挙げられる。生物学的マーカーはまた、発現プロフィール(遺伝子発現プロフィール、タンパク質発現プロフィール、RNA発現プロフィール、mRNA発現プロフィール、その他を含む)と、生物学的活性、例えば、限定されるものではないが、細胞間相互作用の証拠(宿主と癌細胞とのあいだの膜交換の証拠を含む)とが挙げられる。
【0087】
本明細書で用いられるように、用語「細胞間相互作用」とは、2つ以上の細胞間の相互作用のことをいう。いくつかの実施形態では、細胞間相互作用は細胞シグナルを生ずる。細胞間相互作用は、いくつかの周知の方法によって検出することができ、そのような方法として、限定されるものではないが、共培養し、かつ事前に標識した細胞間の膜交換の観察が挙げられ、標識は、例えば、PKH26およびPKH67(Sigma)を含む異なる蛍光膜染色による。
【0088】
いくつかの実施形態では、生物学的マーカーは骨生理学に関連している。骨生理学に関連する生物学的マーカーとして、限定されるものではないが、破骨細胞活性、骨芽細胞活性、アルカリホスファターゼ活性、およびカルシウム沈着、成長ホルモン、プロラクチン, コラーゲン,プロコラーゲン,オステオポンチン,オステオネクチン、骨シアロタンパク質、酒石酸耐性ホフファターゼ(TRAP)、α2−HS糖タンパク質、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジングリコシド、ピリジニウム架橋、オステオカルシン、およびその他が挙げられる。いくつかの実施形態では、生物学的マーカーを、アルカリホスファターゼ活性であり、ホスファターゼ活性に関して細胞を染色することで測定する。いくつかの実施形態では、生物学的マーカーを、ボン・コッサ接触を用いて細胞培養中のカルシウム沈着を視覚化することで分析する。いくつかの実施形態では、上記生物学的マーカーは、鉱化細胞外マトリックスの形成または細胞間膜交換の証拠である。
【0089】
本明細書で用いられるように、用語「転移を示す」は、転移に相関する生物学的マーカーについて言及している。同様に、用語「SREを示す」は、SREに相関する生物学的マーカーについて言及している。当業者は、容易に、生物学的マーカーがSREおよび/または転移に相関しているかどうかを判断することができる。いくつかの実施形態では、生物学的マーカーがSREおよび/または転移に相関するかどうかを決定することは、実験試料を負および正のコントロールと比較することによってなされる。もし実験試料が最も緊密に負のコントロールと相関している場合(SREまたは転移を生じようとしない細胞型が事前に決定された試料)、その試料は転移を示さない。もし試料が最も緊密に正のコントロールと相関する場合(SREまたは転移を生じようとする細胞型が事前に決定された試料)、その試料はそれぞれSREまたは転移を示す。
【0090】
本明細書で用いられるように、言い回し「発現プロフィール」とは、細胞の生化学的プロフィールのことをいい、一般に、遺伝子発現の証拠(すなわち、遺伝子発現プロフィール)を決定することによって測定される。遺伝子発現プロフィールは、しばしば、細胞に存在するmRNA量によって測定される。しかし、発現プロフィールもまた、タンパク質のレベルまたは特定の遺伝子に結合した他の生物学的マーカーを含むこともできる。系に存在するそのような生物学的マーカーのレベルを測定することは、当業者にとって周知であり、限定されるものではないが、代表的な差分析および差次的発現分析、マイクロチップ分析、SAGE,およびその他を含む核酸サブトラクション技術が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、ある薬剤によって処置した細胞の遺伝子発現プロフィールを、その薬剤で処置した同一種類の細胞の遺伝子発現プロフィールと比較する。例えば、RNAまたはmRNAレベルでの遺伝子発現を分析するために、RNAおよび/またはmRNAを細胞から単離する。特定遺伝子のレベルを、当業者に周知の技術を用いて分析することができ、該技術として、限定されるものではないが、マイクロチップ分析、遺伝子発現(SAGE)の連続分析、差次的発現、その他が挙げられる。使用した技術は、骨転移中に発現を調節する遺伝子を同定する上で必須ではない。ひとたび発現プロフィールが得られると、この発現プロフィールを、骨形成培地で共培養していない細胞の発現プロフィール(コントロール発現プロフィール)と比較した。このコントロール発現プロフィールを、共培養発現プロフィールの決定に先立って、同時に、あるいはその後に、決定することが可能である。さらに、発現プロフィールを、発現プロフィールに関する公的に入手可能なデータを参照して決定してもよい。共培養発現プロフィールと比較するコントロール発現プロフィールでの増加レベルに存在することが決定された遺伝子または遺伝子産物が「下流制御(down−regulated)」され、一方、共培養発現プロフィールと比較したコントロール発現プロフィールでの減少レベルに存在すると決定された遺伝子または遺伝子産物が「上流制御(up−regulated)」される。
【0091】
本明細書で用いられるように、用語「コントロール発現プロフィール」とは、宿主細胞と共培養していない癌細胞の集団に関する発現プロフィールのことをいう。
【0092】
本明細書で用いられるように、用語「共培養発現プロフィール」とは、共培養された癌細胞および宿主細胞の集団に関する発現プロフィールのことをいう。
【0093】
いくつかの実施形態では、発現プロフィールは、タンパク質レベルを測定することによって決定される。2つの細胞群間でのタンパク質発現レベルを決定および比較することは当業者に周知である。上記細胞を、上記したように処置し、RNAまたはmRNAを単離する代わりに、タンパク質を単離および分析して、骨転移中に調節されたタンパク質を決定する。発現プロフィールを、他の成分の存在または非存在下で決定してもよく、他の成分として、限定されるものではないが、推定調節因子、既知の調節因子、増殖因子、ならびにこれらの組み合わせおよび準組み合わせが挙げられる。
【0094】
本明細書で用いられるように、用語「検出」は、活性(例えば、遺伝子発現)もしくは生体分子(例えば、ポリペプチド)の証拠を確立、発見、または確認することを意味する。検出方法は、当業者に周知である。例えば、ポリヌクレオチドを検出する方法として、限定されるものではないが、PCR、ノーザン・ブロッティング、サザン・ブロッティング、RNA保護、およびDNAハイブリダイゼーション(in situハイブリダイゼーションを含む)が挙げられる。ポリペプチドを検出する方法として、限定されるものではないが、ウエスタン・ブロッティング、ELISA、酵素活性法、スロット・ブロッティング、ペプチド質量フィンガープリンティング、電気泳動、および免疫化学、ならびに免疫組織化学が挙げられる。他の検出方法として、限定されるものではないが、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学ルミネセンス免疫アッセイ、蛍光免疫測定、時間分解蛍光免疫測定(TR−FIA)、二色蛍光顕微鏡検査法、または免疫クロマトグラフィ分析(ICA)が挙げられ、これら全て当業者に周知である。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ポリヌクレオチド発現をPCR方法論を用いて検出し、またポリペプチド生産をELISA技術を用いて検出する。
【0095】
本明細書で用いられるように、用語「遺伝子発現の証拠(evidence of gene expression)」とは、遺伝子が発現していることを示す任意の測定可能な証拠のことをいう。遺伝子発現の証拠として、限定されるものではないが、PCR、FISH、ELISA、またはウェスタンブロット等の方法から得たものが挙げられる。
【0096】
用語「ドメイン」とは、本明細書で用いられるように、生体分子の既知であるか疑わしい機能に貢献する生体分子の構造的部分のことをいう。ドメインは、領域またはその部分と同一の広がりを持つものであってもよく、またその領域の全てまたは一部に加えて、特定の領域とは異なる生体分子の一部を取り込むものであってもよい。
【0097】
本明細書で用いられるように、用語「抗体」とは、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体、二機能性/二特異性抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、および相補性決定領域(CDR)グラフト抗体が挙げられ、これらは標的タンパク質またはそのフラグメントに対して特異的である。抗体フラグメント、例えばFab、Fab’、F(ab’)2、scfv、およびFvもまた、本発明によって提供される。抗体は、いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、単鎖、またはキメラ抗体であってもよい。
【0098】
キメラ抗体およびヒト化抗体に加えて、完全ヒト抗体を、ヒト免疫グロブリン遺伝子を持つトランスジェニック・マウスから誘導することができる(例えば、米国特許第6,075,181号、第6,091,001号、および第6,114,598号を参照せよ。本明細書ではこれらを援用する)またはヒト免疫グロブリン遺伝子のファージ提示ライブラリ(例えば、McCafferty et al.,Nature,348:552−554 (1990).Clackson et al.,Nature,352:624−628 (1991)およびMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)を参照せよ)。
【0099】
モノクローナル抗体を、Kohler et al.(1975)Nature 256:495−496の方法、またはその改変を用いて、調製することができる。概して、マウスを抗原含有溶液で免疫化する。免疫化は塩類溶液、好ましくはフロインド完全アジュバント等のアジュバントで上記抗原含有溶液の混合およびエマルジョン化をおこない、非経口的に混合物またはエマルジョンを注射することによって、おこなうことができる。任意の既知免疫化方法を用いて、本発明のモノクローナル抗体を得ることも可能である。動物を免疫化した後、その脾臓(および必要に応じていくつかの大きなリンパ節)を取り出し、単細胞に分離する。目的とする抗原で被覆したプレートまたはウエルに細胞懸濁液を適用することで、脾臓細胞のスクリーニングをおこなってもよい。その抗原に対して特異的な膜結合免疫グロブリンを発現するB細胞がプレートに結合して洗い流されない。結果として生ずるB細胞、または全ての分解脾臓細胞を、次に、ミエローマ細胞との融合に誘導してハイブリドーマを形成し、選択培地で培養する。結果として生ずる細胞を系列希釈によって播種し、目的とする抗原に特異的に結合する(および非関連抗原に結合しない)抗体の産生に関してアッセイをおこなった。選択されたモノクローナル抗体(mAb)−分泌ハイブリドーマを次にインビトロ(例えば、組織培養ビンまたは中空糸反応器)あるいは生体内(マウスの腹水として)のいずれかで培養する。
【0100】
発現のためのハイブリドーマの使用にとって代わるものとして、例えば、米国特許第5,545,403号、第5,545,405号、および第5,998,144号(これらの特許を本明細書で援用する)に開示されているように、抗体をCHOまたはミエローマ細胞系統等の細胞系統で産生することができる。手短に言えば、細胞系統に対して、軽鎖および重鎖をそれぞれ発現可能なベクターを形質移入する。別々のベクター上の2つのタンパク質を形質移入することで、キメラ抗体が産生し得る。Immunol.147:8;Banchereau et al.(1991)Clin.Immunol.Spectrum 3:8;およびBanchereau et al.(1991)Science 251:70、これらの文献全てを本明細書で援用する。
【0101】
抗体のフラグメントは、完全長抗体の所望の親和性を保持する限り、本発明での使用に適している。しがって、抗EphA2抗体のフラグメントは、ヒト細胞上で発現するEphA2細胞表面抗体、特にEphA2発現癌細胞の細胞表面上にあるEphA2に対して結合する能力を保持する。そのようなフラグメントは、対応する完全長アンタゴニスト抗EphA2抗体に類似した特性によって特徴づけられる。すなわち、そのフラグメントはヒト細胞の表面上で発現したヒトEphA2抗原に特異的に結合する。
【0102】
抗EphA2抗体またはその抗体フラグメントを、本発明の方法での使用に先立って結合させてもよい。結合抗体を生産する方法は、公知である。したがって、抗EphA2抗体を、間接標識または非間接標識法を用いて標識することが可能である。「間接標識」または「間接標識法」は、キレート剤が抗体に共有結合して少なくとも1つの放射性核種がキレート剤に挿入されていることを意図している。例えば、キレート剤および放射性核種は、Srivagtava and Mease(1991)Nucl.Med.Bio. 18:589−603に記載されており、この文献を本明細書で援用する。
【0103】
さらに、抗体(またはそのフラグメント)を、治療的な部分(例えば細胞毒性、治療薬または放射性金属イオン)に結合することができる。細胞毒性または細胞障害性の作用因子は、細胞に有害であるいかなる作用因子も含む。例として、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルシチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシ・アンスラシン・ジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、I−時ヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ならびにプロマイシンおよびそれらの類似体もしくは相同体が挙げられる。治療薬として、限定されるものではないが、代謝拮抗物質(例えばメトトレキセート、メルカプトプリン、6‐チオグアニン、シタラビン、5‐フルオロウラシル・ジカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ・クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロソスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス・ジクロロ・ジアミン・プラチナム(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、およびドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前は、アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられる。本発明の結合体を用いて所定の生物反応を修飾することができる。すなわち、古典的な化学的治療薬に限られるように、薬物部分を解釈してはならない。例えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を所有しているタンパク質またはポリペプチドであってもよい。そのようなタンパク質として、例えば、毒素(例えばアブリン、リシンA、プソイドモナス細菌体外毒素、またはジフテリア毒素)、タンパク質(例えば腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロン‐β、神経発育因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノゲン賦活剤)、あるいは生体応答調節剤(例えばリンフォカイン、インターロイキン‐1(IL−1)、インターロイキン‐2(IL−2)、インターロイキン‐6(IL−6)、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF)または他の成育因子)が挙げられる。
【0104】
抗体に対してそのような治療部分を結合させる技術は、周知であり、例えば、WO 2004010957 A2;Arnon et al.(1985)”Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drugs in Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,ed.Reisfeld et al.(Alan R.Liss,Inc.),pp.243−256;ed.Hellstrom et al.(1987)”Antibodies for Drug Delivery,”in Controlled Drug Delivery, ed.Robinson et al(2d ed;Marcel Dekker,Inc.),pp.623−653;”Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibodies in Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,ed.Baldwin et al.(Academic Press, New York,1985),pp.303−316を参照せよ。
【0105】
本発明の方法は、EphA2を発現する骨格関連現象を引き起こした腫瘍を持つ被検体(すなわち患者)に対して抗EphA2抗体を使用することを目的としている。
【0106】
用語「特異的(specific for)」という用語は、本発明の抗体を説明するために用いた場合、本発明の抗体の可変領域が、特性における測定可能な違いだけによって、標的ポリペプチドを認識して結合するもので、そのような特性として、標的タンパク質と他のポリペプチドとのあいだの局所的配列同一性、相同性、または類似性が潜在的に存在するのもかかわらず、結合親和性が挙げられる。当業者は、抗体の可変領域の外側の配列との相互作用を介して、特にその分子の定常領域で、そのような特異的抗体が他のタンパク質と結合可能であることも容易に理解する(例えば、ELISA技術でのS.aureusプロテインAまたは他の抗体)。本発明の抗体の結合特異性を決定するスクリーニング・アッセイは周知であり、例えばHarlow et al.(Eds.),Antibodies:A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory;Cold Spring Harbor,NY(1988),Chapter 6に記載されているように、当技術分野で日常的に実施されている。
【0107】
抗体は、(1)結合活性の閾値を示す場合、および/または(2)既知の関連ポリペプチド分子と有意に交叉反応しない場合、「特異的に結合(specifically binding)」していると判断される。抗体の結合親和性を、当技術分野の通常技術の1つ、例えばスキャッチャード分析(Scatchard,Ann.NY Acad.Sci.51:660−672,1949)によって、容易に決定することができる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、その標的エピトープまたはミメティック・デコイと、EphまたはEWckファミリーの他の既知の構成要素よりも少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、および少なくとも10倍高く結合する。
【0108】
いくつかの実施形態では、例えば、標準的なウエスタン・ブロット分析(Ausubel et al.)をもちいて既知の関連ポリペプチドではなくEphA2ポリペプチドと結合するならば、本発明の抗体は既知の関連ポリペプチド分子と特異的に結合しない。既知の関連ポリペプチドの例として、限定されるものではないが、エフィリン・タンパク質ファミリーの他の構成要素、例えばEphA5(エフィリンレセプターA5)、EphB2(エフィリンレセプターB2)、EphB4(エフィリンレセプターB4)、その他が挙げられる。いくつかの実施形態では、EphA2ポリペプチドに特異的に結合する抗体集団を単離するために、抗体を既知の関連ポリペプチドに対してスクリーニングしてもよい。例えば、ヒトEphA2ポリペプチドに対して特異的な抗体を、適当な緩衝条件下で不溶性マトリックスに付着したエフィリン・ファミリー・ポリペプチド(EphA2を除く)を含むカラムに流す。そのようなスクリーニングは、近縁種であるポリペプチドに対して非交差反応性のポリクローナルおよびモノクローナル抗体の単離を可能にする(抗体:A Laboratory Manual, Harlow and Lane (eds.),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988;Current Protocols in Immunology,Cooligan et al.(eds.),National Institutes of Health, John Wiley and Sons,Inc.,1995)。特異抗体のスクリーニングおよび単離は、周知の技術である(例えば、Fundamental Immunology,Paul(eds.),Raven Press,1993;Getzoff et al.,Adv.in Immunol.43:1−98,1988;Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Goding,J.W.(eds.),Academic Press Ltd.,1996;Benjamin et al.,Ann. Rev.Immunol.2:67−101,1984)を参照せよ。そのようなアッセイの代表的な例として以下のものが挙げられる。すなわち、並行免疫電気泳動法、放射性同位元素標識免疫測定法(RIA)、放射免疫沈降、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ドットブロットまたはウェスタンブロット・アッセイ、阻害または拮抗アッセイ、ならびにサンドイッチ・アッセイである。
【0109】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、既知の関連ファミリー構成要素に対してよりもEphA2に対して、少なくとも約100倍および約10,000倍高い親和性を持つ。いくつかの実施家一亜では、本発明の抗体の結合親和性は、EphA2以外の関連ポリペプチドに対して、1×10Ka未満、約1×10Ka未満、およびより好ましくは1×10Ka未満である。
【0110】
本明細書で用いられるように、用語「エピトープ」は、ポリペプチドの抗原決定群のことをいう。いくつかの実施形態では、エピトープは3つ以上のアミノ酸を、そのエピトープに特有な空間立体構造に含むことができる。いくつかの実施形態では、エピトープは線形または立体配座的なエピトープである。通常、エピトープは少なくとも4個のそのようなアミノ酸からなり、より一般的には、少なくとも8〜10個のそのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間的立体構造を決定する方法は、当技術分野で知られており、例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴が挙げられる。
【0111】
本明細書で用いられるように、「EphA2関連」という言い方は、非癌性および/または非転移性の細胞、試料、腫瘍または他の症状と関連して増加したEphA2発現の証拠によって特徴づけられる細胞、試料、腫瘍または他の症状に言及する。いくつかの好ましい実施形態では、EphA2関連の細胞、試料、腫瘍または他の症状は、非転移性の細胞、試料、腫瘍または他の症状と関連して増加したEphA2発現の証拠によって特徴づけられる。
【0112】
本明細書で用いられるように、語句「相同ヌクレオチド配列」もしくは「相同アミノ酸配列」またはそれの変異は、少なくとも特定の割合のヌクレオチド・レベルまたはアミノ酸レベルにある相同性によって特徴づけられる配列に言及する。相同ヌクレオチド配列は、タンパク質のアイソフォームをコードする配列を含む。そのようなアイソフォームは、例えば、RNAの選択的なスプライシングの結果として、同じ微生物の異なる組織で発現できる。あるいは、アイソフォームを異なる遺伝子によってコードすることができる。相同ヌクレオチド配列は、ヒト以外の種、例えば限定されるものではないが、哺乳類のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。相同ヌクレオチド配列も、限定されるものではないが、本明細書中に述べられるヌクレオチド配列の自然発生的な対立形質のバリエーションおよび突然変異を含む。相同アミノ酸配列は、保守的アミノ酸置換を有し、ポリペプチドが同一の結合および/または活性を持つそれらのアミノ酸配列を含む。
【0113】
相同性率および同一性率を、例えば、ギャップ・プログラム((Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,Madison WI)を用いて決定することができる。このプログラムは、Smith and Waterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482−489)のアルゴリズムを用いるデフォルト設定を利用する。いくつかの好ましい実施形態では、プローブと標的との相同性は、約50%ないし約60%である。いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号1または配列番号5あるいはそれらの一部に対して、好ましくは、70%、より好ましくは80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、より好ましくは92%、より好ましくは94%、より好ましくは95%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、より好ましくは99%、より好ましくは約100%相同である。
【0114】
相同性がポリペプチド・レベルであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2、6,または8、あるいはそれらの一部に対して、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約92%、約94%、約95%、約97%、約98%、約99%、さらに約100%相同である。
【0115】
本明細書で用いられるように、用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連鎖したヌクレオチド残基に言及する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で使われる。この配列は、ゲノムの配列または相補DNA配列にもとづく(または該配列から設計される)ものであってもよい。また、そのような配列は、同一、類似、または相補的なDNAまたはRNAが特定の細胞または組織に存在することを増幅、確認、または検出するために用いられる。オリゴヌクレオチドを、遺伝子の発現を調節するのに用いることもできる。オリゴヌクレオチドはDNA配列の一部を含んで、少なくとも約 10ヌクレオチド、さらに約500ヌクレオチドほど多くを有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約10ヌクレオチドないし約50ヌクレオチド、約15ヌクレオチドないし約30ヌクレオチド、さらに約20ヌクレオチドないし約25ヌクレオチドから構成される。オリゴヌクレオチドを化学的に合成可能であり、プローブとして使うこともできる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは一本鎖である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、二本鎖である少なくとも1つの部分を含む。いくつかの実施形態では、 オリゴヌクレオチドがアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、RNA干渉オリゴヌクレオチド(RNAiオリゴヌクレオチド)である。
【0116】
本明細書で用いられるように、用語「プローブ」とは、可変長の核酸配列のことをいう。いくつかの実施形態では、プローブは少なくとも約10、多くとも約6,000ものヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブは少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも50、または少なくとも75のヌクレオチドを含む。プローブを、同一、類似、または相補的な核酸配列の検出に用いる。より長いプローブは通常天然であるか組換え型の供給源から得られ、標的配列に対して非常に特異的で、オリゴマーよりも、標的に対してハイブリダイズするのが非常に遅い。プローブは単鎖または二本鎖であってもよく、PCR、ハイブリダイゼーション膜ベース、in situハイブリダイゼーション(ISH)、蛍光元の位置のハイブリダイゼーション(FISH)、またはELISA様技術で、特異性を有するように設計されている。
【0117】
本明細書で用いられるように、用語「と組み合わせて(in combination with)」は、他の治治療とともに本発明の調節因子を投与することに言及している。いくつかの実施形態では、本発明の治治療が従来の癌治治療とともに用いられ、限定されるものではないが、該治治療として放射線治療または化学治療、ならびに骨に関連した疾患もしくは障害に対する従来の治治療(限定されるものではないが、抗吸収因子、ビスホスホネート等)が挙げられる。本発明の調節因子の投与を、従来の癌治療および/または従来の骨障害処置に先立て、同時に、あるいはその後に、実施することが可能である。
【0118】
本明細書で用いられるように、用語「治療上有効な量」は、薬の治療上有効な量が個体に投与される際に、個体の癌細胞の1つ以上のSRE、臨床指標、または転移が減少または後退することが観察される医薬的効果を生ずる薬の量に言及することを意図している。治療上有効な量は、活性成分を含まない組成物が同様の状態にある個体に投与される場合に観察される効果と比較して、それが持つ効果によって一般に決定される。被験体のための正確な有効量は、被験体の大きさと健康、症状の範囲および性質、さらに投与のために選択された治療または該治療の組み合わせに依存する。しかし、しかし、所定の状況に対する有効量は、単調な実験で決定され、臨床家の判断の範囲内である。
【0119】
本明細書で用いられるように、用語「混合する(mixing)」は、1つ以上の化合物、細胞、分子などを同じ領域において一緒して合わせるプロセスをいう。このことは、例えば、試験管において、ペトリ皿において、あるいは1つ以上の化合物、細胞または分子を混合させる任意の容器において実施され得る。
【0120】
本明細書で用いられるように、用語「単離(isolated)」は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体が自然に生ずる環境とは異なる環境にあるポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、または宿主細胞に言及している。細胞を単離する方法は、当業者に周知である。単離されたポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体は、一般に、実質的に精製される。
【0121】
本明細書で用いられるように、用語「実質的に精製(substantially purified)」とは、化合物(例えば、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドまたは抗体のいずれか)のことをいい、該化合物は自然環境から取り除かれ、少なくとも60%、少なくとも75%、および少なくとも90%がその天然に結合しているものから遊離している。
【0122】
本明細書で用いられるように、用語「結合」は、2個以上の生体分子または化合物とのあいだの物理的または化学相互作用を意味する。結合として、イオン、非イオン、水素結合、ファンデルワールス、疎水的相互作用、その他が挙げられる。結合は、直接的または間接的、別の生体分子または化合物の作用を介して、あるいは該作用によって間接的であり得る。用語「結合」は、2個以上の生体分子または化合物とのあいだの物理的または化学相互作用を意味する。結合として、イオン、非イオン、水素結合、ファンデルワールス、疎水的相互作用、その他が挙げられる。結合は、直接的または間接的、別の生体分子または化合物の作用を介して、あるいは該作用によって間接的であり得る。直接的な結合は、他の分子または化合物の効果を介して、またはそれによっては起こらない相互作用のことをいい、しかしその代わりに他の実質的な中間体の存在なしである。
【0123】
本明細書で用いられるように、用語「接触(contacting)」は、直接または間接的に、1つの分子を第2の分子に対して物理的に近接させることを意味する。分子は、任意の数の緩衝液、塩類、溶液等の状態にあることができる。「接触」として、例えば、ポリヌクレオチドを核酸分子を含むビーカー、ミクロタイタープレート、細胞培養瓶、またはマイクロアレイ、あるいは他のものに入れることが挙げられる。接触はまた、例えば、抗体を、ポリペプチドを含むビーカー、ミクロタイタープレート、細胞培養瓶、またはマイクロアレイ、あるいは他のものに入れることが挙げられる。接触を、インビボ、生体外(ex vivo)またはインビトロでおこなってもよい。
【0124】
本明細書で用いられるように、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(stringent hybridization conditions)」または「ストリンジェントな条件(stringent conditions)」という言い方は、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドがその標的配列にハイブリダイズする条件(しかし、他の配列の最小数に対して)である。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる状況下で異なる。より長い配列は、より高い温度でそれらの適当な相補体に対して特異的にハイブリダイズする。通常、ストリンジェントな条件は所定のイオン強度およびpHで、特異的な配列のための熱融点(T)より約5℃低くなるように選択される。Tは、標的配列と相補的なプローブの50%が、平衡状態で、標的配列にハイブリダイズする温度(所定のイオン強度、pH、および核酸濃度下)である。標的配列が一般にTで過剰に存在することから、50%のプローブが平衡状態でその相補体にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0ないし8.3で、1.0Mのナトリウムイオン、概して0.01ないし12.0Mナトリウムイオン(または他の塩類)よりも低く、温度は短いプローブ、プリマー、またはオリゴマー(例えば、10ないし50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃であり、長いプローブ、プライマー、またはオリゴヌクレオチドに対しては、少なくとも約60℃である。ストリンジェント条件はまた、脱安定化剤、例えばホルムアミドを嚥下することによっても達成可能である。
【0125】
本明細書で用いられるように、用語「適度なストリンジェント条件(moderate stringency conditions)」とは、プローブ、プライマー、またはオリゴヌクレオチドが、その標的配列とハイブリダイズする条件をいう。適度な条件は当技術分野に周知であり、とりわけ、Manitatis et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory; 2nd Edition (December 1989))に記載されている。
【0126】
本明細書で用いられるように、用語「scfv」は、単鎖抗体可変領域フラグメントのことをいう。このようなフラグメントは、抗体のライブラリーから生成され、その可変結合領域が、正常な抗体の特性を保持する単一ポリペプチド鎖にクローニングされる。
【0127】
用語「領域(region)」とは、用語「領域(region)」は、生体分子の一次構造の物理的に隣接する部分に言及する。タンパク質の場合、領域はそのタンパク質のアミノ酸配列の隣接部分によって定義される。いくつかの実施形態では、「領域」が生体分子の機能と関連する。
【0128】
本明細書で用いられるように、用語「部分(portion)」は、生体分子の一次構造の物理的隣接部分に言及する。タンパク質の場合、部分はそのタンパク質のアミノ酸配列の隣接部分によって定義されて、少なくとも3〜5アミノ酸、少なくとも8〜10アミノ酸、少なくとも11〜15アミノ酸、少なくとも17〜24アミノ酸、少なくとも25〜30アミノ酸、および少なくとも30〜45アミノ酸に言及する。オリゴヌクレオチドの場合、部分はそのオリゴヌクレオチドの核酸配列の隣接部分によって定義されて、少なくとも9〜15ヌクレオチド、少なくとも18〜30ヌクレオチド、少なくとも33〜45ヌクレオチド、少なくとも48〜72ヌクレオチド、少なくとも75〜90ヌクレオチド、少なくとも90〜130ヌクレオチドに言及する。いくつかの実施形態では、生体分子の一部分は、生物学的活性を有する。
【0129】
本明細書で用いられるように、用語「造影剤」は、当技術分野で公知の技術を使用して検出可能である本発明の抗体、低分子またはプローブに連結される組成物に言及する。いくつかの実施形態では、限定されるものではないが、18F、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、77Br、87MSr、86Y、90Y、99MTc、111In、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pb、または206Biである。
【0130】
本明細書で用いられるように、用語「デコイレセプター」は、EphA2リガンドを結合すし得るポリペプチド、ミメティック、または他の高分子の少なくとも一部分を含んでいるEphA2レセプターに言及する。いくつかの実施形態では、デコイレセプターは、EphA2レセプターの少なくとも一部分を含む。いくつかの実施形態では、デコイレセプターは、天然のEphA2レセプターとEphA2リガンドについて競合する。いくつかの実施形態では、デコイレセプターを標識して定量化、定性化、よび/または視覚化を容易にする。別の実施形態において、デコイレセプターはデコイレセプターおよび/またはデコイレセプター−EphA2複合体の単離および/または分離を容易にする部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、デコイレセプターは、EphA2リガンドを捕獲して、それがシグナリングEphA2レセプターで相互作用するのを防止することによって機能する非シグナル分子である。いくつかの実施形態では、デコイレセプターは、抗体または抗体フラグメントに融合するEphA2レセプターの少なくとも一部分を含む。
【0131】
本明細書で用いられるように、用語「ミメティック」は、ペプチドの活性を模倣する化合物に言及するために用いられる。ミメティックは非ペプチドではあるが、非ペプチド結合によって連結させられるアミノ酸を含むことができる。米国特許第5,637,677号(1997年6月10日発行)とその親出願(それら全てを本明細書で援用)は、ミメティックの生産に関する詳細な説明を含む。手短に言うと、特にEphA2レセプターの三次元構造で相互作用するペプチドの三次元構造は、ペプチドではない分子によって再現される。
【0132】
本明細書に記載した核酸組成物を、例えば、ポリペプチドを生産するために、生物学的試料(例えば、ヒト細胞の抽出物)に含まれるmRNAの検出のためのプローブとして、あるいはポリヌクレオチドの別の複製を生成するために、リボザイムまたはオリゴヌクレオチド(単鎖または二本鎖)を生成するために、そのような試料から作られたcDNAとして、あるいは単鎖DNAプローブもしくは三本鎖形成オリゴヌクレオチドとして、用いることができる。本明細書に記載されたプローブを、例えば、本明細書で試料中のポリヌクレオチドの生むを決定するために用いることができる。上記ポリペプチドは、癌、転移、およびSREに関連するポリペプチドに特有の抗体を生成するのに用いることができ、抗体を、本明細書でさらに詳しく述べるように、診断法、予後の方法、およびその他でも有用である。本発明の抗体は、例えば、本発明のポリペプチドを精製、検出、および標的にするために用いることも可能であり、インビトロおよびインビボでの診断および治治療が含まれる。例えば、生体試料で定性的かつ定量的に本発明のポリペプチドのレベルを測定するためのイムノアッセイに上記抗体が役立つ。例えば、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed. 1988)を参照せよ。これらの用途および他の用途は、以下により詳細に説明される
本発明は、SREおよび/または転移に関係する分子を特定する重要な問題と、SREおよび/または転移の調節因子を同定する重要な問題とを解決する。出願人は、骨形成培地で癌細胞と宿主細胞とを培養することが、癌がその原発部位から骨に転移する際にインビボで生ずるものを模倣することを発見した。本発明は、SREおよび転移の診断、検出、および処置のための長く求められたモデルおよびツールが、癌、SRE、および癌転移の分子的基礎についての情報と同様に、提供する。
【0133】
(転移および/または骨格関連現象のモデル)
いくつかの実施形態では、本発明はSREまたは転移のモデルを提供する。いくつかの実施形態では、転移は骨への転移である。モデルは、宿主細胞と癌細胞との共培養を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、骨髄、骨、血液、胎盤、および臍帯に由来する。いくつかの好ましい実施形態では、宿主細胞は間充織幹細胞である。
【0134】
上記共培養細胞上の生物学的マーカーと組成物およびある種の変数を調節する効果とを、コントロールとの比較によってモデルを用いて評価することができる。いくつかの実施形態では、コントロール癌細胞は、共培養で使用される癌細胞のものと同じ最初の癌細胞培養から単離している。いくつかの実施形態では、生物学的マーカーはEphA2発現の証拠の有無である。
【0135】
いくつかの実施形態では、癌細胞と宿主細胞とが、骨形成培地で共培養される。いくつかの実施形態では、骨形成培地は、間充織幹細胞増殖培養液(「MSCGM」)とバレット・キット増殖サプリメント(PT−3001; BiowhittakerTM)とを含む。いくつかの実施形態では、さらに培地は、約10−8Mデキサメタゾンから、約10−7Mデキサメタゾンから、約10−2Mデキサメタゾンまたは少なくとも10−7Mデキサメタゾンまでを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、上記骨形成培地は、約0.001mMないし約1000mMのアスコルビン酸、約0.05mMないし約100mMのアスコルビン酸、約0.05mMないし約50mMのアスコルビン酸、約0.05mMないし約25mMのアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態では、上記培地は、約0.05mMアスコルビン酸を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、上記培地は、約0.1mMないし約1000mMのβグリセロリン酸塩、約1mMないし約500mMのβグリセロリン酸塩、約5mMないし約50mMのβグリセロリン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、上記培地は、10mMβグリセロリン酸塩を含む。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態では、上記培地は、約10−7M デキサメタゾン、約0.05mMリン酸アスコルビン酸塩、および10mMβグリセロリン酸塩を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、上記モデルは、インビトロモデルである。いくつかの実施形態では、上記モデルは異種移植モデルである。
【0140】
(SrEまたは転移での遺伝子の機能を決定する方法)
本発明はまた、SREに対する、または癌細胞の骨への転移に対する種々の遺伝子の機能または効果を決定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、1つ以上の癌細胞を1つ以上の宿主細胞と共培養し、上記癌細胞および/または宿主細胞上の1つ以上の生物学的マーカーを、共培養していない癌細胞および/または宿主細胞の同様の生物学的マーカーと比較することを含む。いくつかの実施形態では、コントロール癌細胞は、共培養で使われた癌細胞のものと同一の初期癌細胞培養から単離される。
【0141】
(SREまたは転移のマーカーを同定する方法)
本発明はまた、SREおよび/または転移の生物学的マーカーを同定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、同定される生物学的マーカーとして、限定されるものではないが、例えば遺伝子、遺伝子産物、RNA、mRNA、およびDNAが挙げられる。上記方法は、宿主細胞および癌細胞を共培養し、調節の証拠を検出する。
【0142】
いくつかの実施形態では、調節の証拠は、共培養した宿主細胞および癌細胞の発現プロフィールを、共培養していない宿主細胞および/または癌細胞の発現プロフィールと比較することによって検出される。
【0143】
いくつかの実施形態では、生物学的マーカーはEphA2の発現の証拠である。
【0144】
(SREまたは転移の調節因子を同定する方法)
本発明は、SREまたは転移の調節因子を同定するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、推定調節因子を細胞の共培養と接触させることを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、上記推定調節因子を共培養物と約1ないし約20日間にわたってインキュベートする。いくつかの実施形態では、上記推定調節因子を共培養物と約5ないし約14日間にわたってインキュベートする。いくつかの実施形態では、上記推定調節因子を共培養と約11ないし約14日間にわたってインキュベートする。
【0146】
いくつかの実施形態では、上記推定調節因子を、2通り以上の濃度で共培養と接触させる。いくつかの実施形態では、上記調節因子を、少なくとも約1nM、少なくとも約100nM、少なくとも約1μM、少なくとも約100μM、少なくとも約100mM、少なくとも約1M、少なくとも約5M、さらに少なくとも約10Mの最終濃度に添加する。
【0147】
いくつかの実施形態では、共培養された癌細胞および宿主細胞上の生物学的マーカーを、推定調節化合物の存在下、共培養癌細胞および宿主細胞上の生物学的マーカーと比較した。SREまたは転移を示す生物学的マーカーの性質または量を低下させる推定調節化合物が、したがってSREまたは転移のインヒビターとして同定される。
【0148】
いくつかの実施形態では、SREまたは転移の推定調節因子を、対象マウスにヒト組織が移植されたマウス異種移植モデルで、比較した。適当なモデルの例は、Nemeth et al.,Cancer Research 59,1987−1993,April 15,1999に記載されており、本明細書ではこの文献を援用する。生物学的マーカー、SRE、または臨床指標は、対象マウス(推定調節因子なし)および試験マウス(推定調節因子あり)で決定および測定した。当業者は、限定されるものではないが、投与、治療期間、関連したサンプルサイズ等を含むスクリーニングの判定基準を決定する能力を有すると信じられる。
【0149】
(SREまたは転移に対する変数の効果を試験する方法)
本発明はさらに、SREまたは転移の発現に関して異なる変数の効果を試験するための方法を提供する。試験される変数は、1種類以上のホルモン類、増殖因子、および栄養分の有無の効果を含むことが可能である。上記方法は、癌細胞と宿主細胞との共培養に生体分子を接触させることを含む。生物学的マーカーは、異なる量の変数で、コントロール細胞で共培養した癌細胞および宿主細胞上に生物学的マーカーと比較される。いくつかの実施形態では、変数がない状態でコントロール細胞を培養する。したがって、SREおよび/または転移を示す生物学的マーカーの質または量を減少させる変数は、SREおよび/または転移のインヒビターとして同定される。
【0150】
(処置法の適切さを決定する方法)
本発明はさらに、患者がSREまたは転移を受けやすいかどうか、また特定の処置法が妥当なものであるかどうかを判断する方法を提供する。この方法は、患者または患者試料に由来する癌細胞を宿主細胞と共培養し、上記共培養した宿主細胞および癌細胞の生物学的マーカーを共培養されていないコントロール癌細胞および/または宿主細胞と比較することを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、上記コントロール癌は負のコントロールであって、1種類以上のSREまたは骨への転移に導く可能性がある系統ではない。別の実施形態では、コントロール癌細胞は正のコントロールであって、1種類以上のSREまたは骨への転移に導く可能性がある系統である。当業者は、共培養した癌細胞および宿主細胞の生物学的マーカーが最も密接に負のコントロールと相関するかどうか、容易に決定することができ、それによってSREまたは骨転移が患者で可能性がないことが示され、あるいは生物学的マーカーが最も密接に正のコントロールと相関する場合、そのSREまたは転移が患者で可能であることを示す。
【0152】
(転移性眼患者に存在する分子を同定する方法)
本発明はまた、骨への転移の過程で癌細胞上に現れる分子、または転移性またはSREに導く運命にある癌細胞上に現れる分子を同定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記分子が癌細胞の表面にある。いくつかの実施形態では、上記方法は癌細胞と宿主細胞とを共培養することを含む。次に、上記共培養をscfv発現ファージで処置する。上記ファージを、scfvが共培養された細胞に結合し得る条件下で培地に添加する。ファージを結合可能とさせた後、ファージに結合した細胞を単離する。ファージ単離技術は当業者に周知であり、限定されるものではないが、フローサイトメトリ、免疫精製、勾配精製、遠沈殿法等がある。共培養された細胞に結合したscfvを単離した後に、scfvをシークエンシングして特徴付けをおこなう。次に、scfvを用いて、細胞上に存在した抗原結合相手を同定する。結合scfvにもとづく抗原結合相手の同定方法は、当業者に周知である。
【0153】
いくつかの実施形態では、scfvはscfv7である。いくつかの実施形態では、抗原結合相手は、EphA2である。
【0154】
(SREまたは転移を抑制する方法)
いくつかの実施形態では、本発明は患者のSREまたは転移を抑制する方法を提供するもので、この方法は、上述または後述される本発明の調節因子を治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、上記調節因子は、本発明の方法にもとづいて同定される。
【0155】
医薬化学者に周知の手順にもとづいて、治療上有効な量の調節化合物を経験的に決定することができ、またそれは、とりわけ、患者の年齢、重症度、および所望される最終的な薬学的製剤に依存する。本発明で用いられる組成物の投与の方法として、限定されるものではないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、眼内、経口、および鼻内への投与が挙げられる。他の適当な導入方法として、再充填可能な装置または生物分解可能な装置、ならびに緩徐または徐放性の高分子装置を挙げることができる。上記のように、この発明の治療組成物は、他の既知の抗癌性の因子または他の既知の抗骨疾患処置法と組み合わせた治療の一部として投与されることも可能である。
【0156】
いくつかの実施形態では、推定調節因子化合物の存在下で共培養された癌細胞および宿主細胞の発現プロフィールおよび/または生物学的マーカーを、推定調節因子化合物が存在しない条件下での前記癌細胞および前記宿主細胞の発現プロフィールおよび/または生物学的マーカーと比較する。いくつかの実施形態では、推定調節因子化合物は、1つ以上のSREおよび/または転移を阻害する。いくつかの実施形態では、上記生物学的マーカーがEphA2である。
【0157】
いくつかの実施形態では、本発明は、SREまたは転移を調整する方法を提供するもので、この方法は、治療上有効な量のEphA2インヒビターを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、癌は前立腺または乳癌であり、また転移は骨転移である。
【0158】
いくつかの実施形態では、EphA2調節因子はオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは抗センスまたはRNAiオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、転移またはSREに相関する領域、ドメイン、部分、またはセグメントと相補的である。いくつかの実施形態では、上記遺伝子は、EphA2の領域、ドメイン、部分、またはセグメントと相補的である。いくつかの実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、約5ないし約100ヌクレオチド、約10ないし50ヌクレオチド、約12ないし約30、ならびに約18ないし25ヌクレオチドから構成される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド・プローブは、EphA遺伝子の領域、ドメイン、部分、またはセグメントに対して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、あるいは少なくとも約100%相同である。いくつかの実施形態では、EphA2遺伝子の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、100ヌクレオチドに対して実質的な配列相同性が存在する。いくつかの実施形態では、EphA2遺伝子の全長にわたって実質的な配列相同性が存在する。いくつかの実施形態では、配列番号1または5のヌクレオチド配列を有している核酸分子に対して、適度またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、オリゴヌクレオチドが結合するいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは配列番号3、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、または配列番号80からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する。
【0159】
いくつかの実施形態では、上記EphA2調節因子は、二本鎖RNA(dsRNA)分子であり、RNAi(RNA干渉)を介して働く。いくつかの実施形態では、dsRNAの一本の鎖は、EphA遺伝子の領域、ドメイン、部分、またはセグメントに対して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、あるいは少なくとも約100%相同である。いくつかの実施形態では、EphA2遺伝子の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、100ヌクレオチドに対して実質的な配列相同性が存在する。いくつかの実施形態では、EphA2遺伝子の全長にわたって実質的な配列相同性が存在する。
【0160】
いくつかの実施形態では、EphA2調節因子は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、転移および/またはSREに伴う遺伝子の遺伝子産物のN末端に特異的である。別の実施形態では、抗体は、転移および/またはSREに伴う遺伝子のC末端に特異的である。いくつかの実施形態では、抗体は、タンパク質のN−とC末端とのあいだにある、転移および/またはSREに伴う領域、領域、部分または遺伝子の部分に特異的である。いくつかの実施形態では、抗体は、N−とC末端とのあいだにある領域とN末端とにわたる領域に特異的である。別の実施形態では、抗体は、C末端とN−とC末端とのあいだにある領域とにわたる領域に特異的である。いくつかの実施形態では、上記遺伝子がEphA2である。いくつかの実施形態では、抗体は配列番号2、6、または8のアミノ酸配列を有しているポリペプチドのエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗体は配列番号12〜71のアミノ配列を有しているエピトープに体結合する。
【0161】
いくつかの実施形態では、EphA2に対するEphA2抗体の結合親和性は、少なくとも1×106Kaである。いくつかの実施形態では、EphA2に対するEphA2抗体の結合親和性は、少なくとも5×10Ka、少なくとも1×10Ka、少なくとも2×10Ka、少なくとも1×10Kaである、またはそれ以上である。本発明の抗体は、本発明のポリペプチドに対する結合親和性に基づいて、説明または特定することも可能である。いくつかの実施形態では、結合親和性として、5x10−2M、10−2M、5x10−3M、10−3M、5x10−4M、10−4M、5x10−5M、10−5M、5x10−6M、10−6M、5x10−7M、10−7M、5x10−8M、10−8M、5x10−9M、10−9M、5x10−10M、10−10M、5x10−11M、10−11M、5x10−12M、10−12M、5x10−13M、10−13M、5x10−14M、10−14M、5x10−15M、または10−15M、あるいはそれ以下よりも低いKdを持つものが挙げられる。
【0162】
本発明は、例えば、免疫学的検定法を使用している競合的な結合を決定するために当技術分野で知られている任意の方法で測定されるように、本発明のエピトープに対する抗体の結合を競合的に阻害する抗体を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85 %、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%によってエピトープに対する結合を競合的に阻害する。
【0163】
いくつかの実施形態では、EphA2抗体は、下で述べられる群から選択されるEphA2のエピトープに対して特異的である。いくつかの実施形態では、EphA2抗体は、EphA2(配列番号8、配列番号2の残基1〜535)の細胞外領域のエピトープに対して特異的である。これらのペプチドが正確に1つのエピトープを必ずしもマップするというわけではないけれども、免疫原ではないEphA2配列を含むこともできると理解される。以下の配列は、nが配列番号2または8で述べられるアミノ酸配列のアミノ酸番号であるアミノ酸番号(すなわち、「AAn」)によって与えられる。例えば、「AA80−AA90」の文脈野中で、エピトープは、配列番号2または8のアミノ酸80から配列番号2のアミノ酸90までに定義される。エピトープの文脈の中で、用語「約(about)」は、±1または2アミノ酸残基に言及している。すなわち、
AAI−AA25; AAI−AA50; AA1−AA84; AA9−AA177; AA1−AA10; AA5−AA20; AA20−AA25; AA35−AA45; AA48−AA52; AA50−AA100; AA40−AA90; AA45−AA65; AA65−AA75; AA80−AA90; AA88−AA92; AA99−AA120; AA95−AA110; AA105−AA120; AA100−AA150; AA132−AA137; AA150−AA200; AA155−AA170, AA190−AA2I0; AA198−AA202; AA200−AA250; AA220−AA240; AA238−AA234; AA245−AA265; AA250−AA300; AA290−AA330; AA290−305; AA300−AA350; AA310−AA330; AA317−AA322; AA348−AA352; AA350−AA400; AA380−AA395; AA382−AA387; AA405−AA495; AA400−AA450; AA405−AA415; AA415−AA425; AA425−AA435; AA437−AA582; AA450−AA500; AA440−AA460; AA446−AA440; AA460−AA470; AA460−AA464; AA472−AA478; AA475−AA495; AA500−AA550; AA511−AA690; AA515−AA550; AA550−AA600; AA550−AA625; AA575−AA605; AA585−AA600; AA600−AA650; AA600−AA625; AA635−AA665; AA650−AA700; AA645−AA680; AA700−AA750; AA700−AA725; AA700−AA750; AA725−AA775; AA770−AA790; AA750−AA800; AA800−AA815; AA825−AA850; AA850−AA875; AA800−AA850; AA920−AA990; AA850−AA900; AA920−AA945; AA940−AA965; AA970−終了(C’末端)。
【0164】
本発明の抗体がいずれを結合することができる他の潜在的エピトープを予測する方法は、当業者に周知であり、例えば限定されるものではないが、Kyte−Doolittle Analysis(Kyle,J.and Dolittle,R.F.,J.Mol.Biol.(1982)157:105−132),Hopp and Woods Analysis(Hopp,T.P.and Woods,K.R.,Proc.Natl. Acad.Sci.USA(1981)78:3824−3828;Hopp,T.J.and Woods,K.R.,Mol.Immunol.(1983)20:483−489.;Hopp,T.J.,J.Immunol.Methods(1986)88:1−18.),Jameson−Wolf Analysis(Jameson,B.A.and Wolf,H.,Comput.Appl.Biosci.(1988)4:181−186.)、および Emini Analysis(Emini,E.A.,Schlief,W.A.,Colonno,R.J.and Wimmer,E.,Virology(1985)140:13−20.)が挙げられる。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、霊長類化抗体、ファージ提示抗体、単鎖抗体、または前述のいずれかのフラグメントからなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態では、上記抗体は、ヒト化抗体である。
【0166】
本発明の抗体は、異なる機構によって機能することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、抗体依存性細胞障害活性(ADCC)(抗体標的細胞への溶解的攻撃)を引き起こす。いくつかの実施形態では、抗体は複数の治療的な機能を有し、例えば、抗原結合、アポトーシスの誘導、補体依存性細胞性細胞障害(CDC)が挙げられる。
【0167】
本発明の抗体は、本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、部分的にまたは完全に、本発明のポリペプチドによるレセプター/リガンド相互作用を崩壊させる抗体を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の抗体が本明細書中に開示されるエピトープまたはその一部分に結合する。本発明は、レセプター特異的抗体とリガンド特異的抗体とを特徴とする。本発明もまた、リガンド結合を妨害することなく、レセプター活性化を防ぐレセプター特的抗体を特徴とする。レセプター活性化(すなわちシグナリング)は、当技術分野で知られている技術で測定することができる。例えば、レセプター活性化を、ウェスタンブロット分析が後に続く免疫沈降によってレセプターまたはその基質のリン酸化反応(例えばチロシンまたはセリン/トレオニン)を検出することによって、決定することができる。いくつかの実施形態では、抗体が存在しない場合の活性の少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%によって、リガンド活性またはレセプター活性を阻害する抗体を提供する。
【0168】
本発明は、さらに、レセプターリガンド複合体を認識する抗体と同様に、レセプター特異的抗体を提供するもので、該抗体はリガンド結合とレセプター活性化とを妨げる。また、いくつかの実施形態では、未結合のレセプターまたは未結合のリガンドを特異的に認識しない。
【0169】
いくつかの実施形態では、中和抗体が提供され、この抗体はリガンドを結合して、リガンドに結合する抗体と同様に、レセプターにリガンドが結合するのを防ぐことで、レセプター活性化を防ぐ。
【0170】
いくつかの実施形態では、本発明は、活性化抗体を提供する。これらの抗体は、レセプターアゴニストとして作用可能である。すなわち、リガンド媒介レセプター活性化の全てまたはサブセットが、例えばレセプターの二量体化を誘発することで、調整される。抗体は、本明細書に開示した発明のペプチドの特異的生物学的活性を含む生物学的活性に対するアゴニスト、アンタゴニスト、または逆アゴニストとして特定される。抗体アゴニストは、当技術分野で知られている方法を使用して作ることができる。 例えば、PCT公報 WO 96/40281;米国特許第5,811,097号;Deng et al.,Blood 92(6):1981−1988(1998);Chen et al.,Cancer Res.58(16):3668−3678(1998);Harrop et al.,J.Immunol. 161(4):1786−179 (1998);Zhu et al.,Cancer Res.58(15):3209−3214(1998):Yoon et al.,J. Immunol.160(7):3 170−3 179(1998);Prat et al.,J. Cell.Sci.11 1(Pt2):237−247(1998);Pitard et al.,J.Immune].Methods 205(2):177−190(1997);Liautard et al.,Cytokine 9(4):233−241(1997);Carlson et al.,J.Biol.Chem.272(I 7):11295−1 1301(1997);Taryman et al.,Neuron 14(4):755−762(1995);Muller et al.,Structure 6(9):1153−1167(1998);Bartunck et al.,Cytokine 8(1):14−20(1996)を参照せよ。
【0171】
上記および下記で詳細に述べられるように、本発明の抗体を、単独または他の組成物と組み合わせて用いることが可能である。抗体は、N末端またはC末端で非相同ポリペプチドに対して、さらに組換え的に融合してもよく、あるいはポリペプチドまたは他の組成物に化学的に結合してもよい(共有結合および非共有結合による接合を含む)。例えば、本発明の抗体は、検出アッセイとエフェクター分子(例えば非相同ポリペプチド、薬剤、放射性核種または毒素)での標識として有用な分子に対して、組換え的に融合または結合することが可能である。例えば、PCT公報WO 92/08495; WO 91/14438;WO 89/12624;米国特許第5,314,995号;およびEP 396,387を参照せよ。
【0172】
本発明による適当な抗体は、線形または立体配座的なエピトープまたはそれの組合せを認識することができる。本発明で有用な抗体が記載されている。例えば、本発明に有用な抗体の例は、とりわけ、米国特許出願第10/436,782号、WO 01/12172、WO 01/12840、およびWO/2004014292に開示されており、本明細書ではこれらの各々を全体として援用する。
【0173】
本発明は、診断薬または治療薬に結合した抗体またはそのフラグメントも提供する。このような抗体を、例えば所定の処置法の有効性を決定するために、臨床検査手順の一部として腫瘍の発達または進行を、例えばモニタするために、診断上用いることができる。検出は、抗体を検出可能な物質に連結させることによって促される。検出可能な物質の例として、限定されるものではないが、種々の酵素、補欠分子族、蛍光体、ルミネッセント材料、生物発光材料、放射性物質、種々の陽電子断層撮影法を使用している陽電子放出金属、および非放射性の常磁性金属イオンが挙げられる。検出可能な物質を、直接的に抗体(またはそのフラグメント)または間接的に公知の技術を用いて媒体(例えば、公知のリンカー)を介して、連結または結合してもよい。例えば、本発明による診断法としての用途のために抗体に結合し得る金属イオンについては、米国特許第4,741,900号を参照せよ。適当な酵素の例として、ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β‐ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。適当な補欠分子族複合体の例として、ストレプトアビジン/ビオチンとアビジン/ビオチンとが挙げられる。適当な蛍光体の例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン・フルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリトリンが挙げられる。ルミネッセント材料の例として、アミノフタルヒドラジドが挙げられる。生物発光材料の例として、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ、さらに適当な放射性物質の例として、125I、131I、または99Tcが挙げられる。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗体または該抗体のフラグメントは、治療的な部分に結合することが可能であり、該部分として、細胞毒、例えば、細胞増殖抑制性または細胞破壊的な作用因子、治療薬、または放射性金属イオン(例えば213Bi等のα放射体)が挙げられる。細胞毒性または細胞障害性の作用因子は、細胞に有害であるいかなる作用因子でも含む。細胞毒性因子または細胞破壊性因子の例として、一つ以上のパクリタクソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポジド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルシチン、ダウノルビシン、ジヒドロキシ・アンスラシン・ジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびプロマイシン、ならびにそれらの類似体または相同体が挙げられる。治療的な因子は、限定されるものではないが、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキセート、メルカプトプリン、6‐チオグアニン、シタラビン、6−フルオロウラシル・デカルバジン)、アルキル化因子(例えば、メクロレタミン、チオエパ・クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロソスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス・ジクロロ・ジアミン・プラチナ(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、およびドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンとアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂性因子(例えばビンクリスチンとビンブラスチン)が挙げられる。
【0175】
本発明の抗体結合体を、所定の生物反応を修飾するために使うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、薬物部分はタンパク質またはポリペプチド、あるいはそれらのフラグメントであってもよく、所望の生物学的活性を有する。そのようなタンパク質として、例えば、毒素(例えばアブリン、リシンA、プソイドモナス細菌体外毒素またはジフテリア毒素、タンパク質(例えば腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノゲン賦活剤、アポトーシス作用因子、例えば、TNFα、TNFベータ、AIM I(国際特許出願番号WO 97/33899を参照せよ)、AIMII(国際特許出願番号WO 97/34911を参照せよ)、Fasリガンド(Takahashi et al.Int.Immunol., 6:1567−1574(1994))、VEGI(国際特許出願第No.WO 99/23105を参照せよ)、血栓作用因子または抗血管新生作用因子(例えばアンギオスタチンまたはエンドスタチン)、または生体応答調節因子、例えばリンフォカイン(インターロイキン‐1(IL−1)、インターロイキン‐2(IL−2)(インターロイキン‐6(IL−6)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、または他の成長因子が挙げられる。
【0176】
本発明の抗体は、固体キャリアに付着させることもでき、特に標的抗原の免疫学的検定法または精製のために有用である。そのような固体キャリアは、限定されるものではないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンを含む。
【0177】
抗体に対してそのような治療的な部分を結合させる技術は、当技術分野で周知である。例えば、Amon et al.,”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeld et al.(eds.),pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstrom et al., ”Antibodies For Drug Delivery”,in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe,”Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”,in Monoclonal Antibodies’84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475−506(1985);”Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwin et al.(eds.),pp.303−16(Academic Press 1985),およびThorpe et at,”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.62:119−58(1982)を参照せよ。
【0178】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体ヘテロ結合体を形成するために、第2の抗体に結合することができる(例えば米国特許第4,676,980号を参照せよ)。
【0179】
いくつかの実施形態では本発明は、結合治療的な部分の有無にかかわらず、単独でまたは他の因子と結合して投与される治療的な抗体を提供するもので、該因子として、例えば、細胞障害性因子および/またはサイトカインが挙げられる。
【0180】
いくつかの実施形態では、抗体は、細胞間相互作用を崩壊または妨げる。いくつかの好ましい実施形態では、細胞間相互作用は宿主細胞と癌細胞とのあいだである。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗体は、EphA2のエピトープと、Scfv7との結合を競合する。いくつかの好ましい実施形態では、EphA2のエピトープは、癌または宿主細胞の表面に存在する。
【0182】
いくつかの実施形態では、EphA2調節因子が低分子である。いくつかの実施形態では、低分子の分子量は、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、約1キロダルトンよりも少ない。
【0183】
本発明は、予防的に患者を処置するための方法も提供するもので、この患者は1つ以上のSREまたは骨への転移に罹りやすくなっているか、もしくはSREまたは骨への転移を有しており、したがってさらに再発または再現しやすい。上記方法は、特に、例えば、SREまたは転移性の腫瘍の既往歴を有するか、遺伝的素因を示すリスクの大きい個体で有用である。いくつかの実施形態では、上記腫瘍はEphA2関連腫瘍である。また、上記方法は、患者が外科的切除によって除去されるEphA2関連腫瘍に罹患したことがあるEphA2関連腫瘍の再発を防止するために有用である。
【0184】
処置の方法は、抗体、低分子、ミメティック、デコイレセプター、またはオリゴヌクレオチド、あるいはそれらの組合せおよび準組み合わせの単用量または複数の用量を投与することが含まれる。いくつかの実施形態では、抗体、低分子、ミメティック、デコイレセプター、またはオリゴヌクレオチドは、注射可能薬学的組成物として投与され、これらは無菌、発熱物質なしであり、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて、抗体、低分子、デコイレセプター、ミメティック、またはオリゴヌクレオチドを含む。
【0185】
いくつかの態様にもとづいて、抗癌性の処置を必要とする患者は、化学治療および/または放射線治療と同時に抗体、低分子、デコイレセプター、ミメティック、またはオリゴヌクレオチドで処置される。例えば、抗体、低分子、デコイレセプター、ミメティック、またはオリゴヌクレオチドの投与に続いて、患者は、治療上有効な量の抗癌性放射線で治療してもよい。いくつかの実施形態では、化学治療的な処置は、抗体、低分子、デコイレセプター、ミメティック、またはオリゴヌクレオチドと組み合わさって提供される。いくつかの実施形態では、抗体、低分子、ミメティック、デコイレセプター、またはオリゴヌクレオチドは、化学治療および放射線治療と組み合わせて投与される。
【0186】
いくつかの実施形態では、抗体、低分子、ミメティック、デコイレセプター、またはオリゴヌクレオチドのうちの2つ以上が、患者に投与される。
【0187】
(癌細胞の移動および/または接着を阻害する方法)
いくつかの実施形態では、本発明は癌細胞移動または接着を阻害する方法を提供する、または、上述および後述の本発明の調節因子の治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、調節因子を、本発明の方法に従って同定した。
【0188】
いくつかの実施形態では、上記方法は、インビボまたはインビトロで実行される。いくつかの実施形態では、癌細胞は、乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される。
【0189】
(薬学的組成物)
本発明は、本明細書中に記載される調節因子と薬学的に受容可能なキャリアとを一つ以上を含んでいる薬学的組成物も提供する。用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、治療薬、例えば、抗体またはポリペプチド、遺伝子、および他の治療薬のためのキャリアに言及している。この用語は、組成物を受けている個体に有害な抗体の生産をそれ自身で誘発せず、また過度の毒性なしで投与可能な薬学的キャリアのことをいう。適当なキャリアは、大きくて、ゆっくりと代謝される高分子(例えばタンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体、および不活性ウィルス粒子)とすることができる。そのようなキャリアは、当業者に周知である。治療用組成物中の薬学的に受容可能なキャリアは、液体(例えば水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノール)を含むことができる。補助物質(例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質等)もまた、そのようなビヒクル内に入れることができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、溶液または懸濁液として、薬学的組成物を注射剤として調製する。すなわち、溶液または懸濁液に適した固形状で、注射に先立って液状ビヒクルを調製することもできる。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの定義に含まれる。医薬的に許容可能な塩類、例えば鉱酸(塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩等)および有機酸(酢酸塩、プロピオン酸、マロネート、安息香酸エステル等)の塩類を、薬学的組成物とすることもできる。また、医薬的に許容される賦形剤に関する十分な説明は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(1995)Alfonso Gennaro, Lippincott,Williams,& Wilkinsで入手可能である。
【0191】
(転移を検出する方法)
本発明は、患者での転移を検出するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、造影剤に連結させられる抗体、プローブ、および低分子を含んでいる組成物に投与して、上記患者での前記造影剤の局在を検出することを含む。いくつかの実施形態では、造影剤に結合した抗EphA2抗体は1種類以上の転移を検出するために、患者に投与される。標識抗体は細胞上で高密度のレセプターに結合し、それによって腫瘍細胞上で蓄積する。標準の撮像技術を使用して、腫瘍の部位を検出することができる。
【0192】
いくつかの実施形態では、造影組成物は、患者の身体に投与される。いくつかの実施形態では、造影組成物は、患者から得られる試料に接触する。
【0193】
本発明はまた、患者、細胞または試料に存在する目的遺伝子産物の量を定量化するために方法を提供することから有有用である。この方法は、患者または試料に標識抗体、プローブ、および低分子を投与して、試料である遺伝子産物の量を検出することを含む。そのような情報は、腫瘍が遺伝子に関連があるか、またそれによって、特異的処置をしようすべきか、あるいは回避されなければならないかについて、指示する。いくつかの実施形態では、当技術分野で周知の標準技術を使用することで、腫瘍細胞を含むと考えられている試料を得て、標識抗体、プローブ、オリゴヌクレオチド、および低分子と接触させる。標識抗体でも、プローブ、オリゴヌクレオチドまたは低分子を除去した後に、細胞に結合した標識抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはミメティックの量、あるいは未結合として取り除かれた抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチド、またはミメティックの量が決定される。上記情報は、存在する遺伝子産物の量に直接関連する。いくつかの実施形態では、上記遺伝子がEphA2である。
【0194】
造影は、当業者に周知の手順を用いて実行することができる。造影を、例えば、放射線シンチグラフィ、核磁気共鳴像法(MRI)またはCT(CTスキャン)によって実行することができる。因子を造影するために最も一般に使用される放射標識は、放射性ヨウ素およびインジウムを含む。CTスキャンによる造影は、鉄キレートのような重金属を使用することができる。MRIスキャンは、ガドリニウムまたはマンガンのキレートを使用することができる。その上、陽電子断層撮影法(PET)は酸素、窒素、鉄、カーボンまたはガリウムの陽電子放射体を使用可能である。
【0195】
(SREおよび/または臨床指標を検出するための方法)
本発明はまた、患者でSREおよび/または臨床指標を検出するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、造影剤に連結させられる抗体、プローブ、および低分子を含む組成物を患者に投与し、上記患者での造影剤の局在を検出することを含む。いくつかの実施形態では、造影剤に結合した抗EphA2抗体は1種類以上の転移を検出するために、患者に投与される。標識抗体は細胞上で高密度のレセプターに結合して腫瘍細胞上に蓄積する。標準の映像技術を用いることで、SREおよび臨床指標に関するパラメータを検出したり、および/または評価したりすることができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、撮像組成物は、患者の身体に投与される。いくつかの実施形態では、撮像組成物は、患者から得られる試料に接触する。
【0197】
造影は、当業者に周知の手順を用いて実行することができる。造影を、例えば、放射線シンチグラフィ、核磁気共鳴像法(MRI)またはCT(CTスキャン)によって実行することができる。因子を造影するために最も一般に使用される放射標識は、放射性ヨウ素およびインジウムを含む。CTスキャンによる造影は、鉄キレートのような重金属を使用することができる。MRIスキャンは、ガドリニウムまたはマンガンのキレートを使用することができる。その上、陽電子断層撮影法(PET)は酸素、窒素、鉄、カーボンまたはガリウムの陽電子放射体を使用可能である。
【0198】
(治療レジメン)
いくつかの実施形態では、本発明は、転移またはSREを調整する方法を提供するもので、EphA2治療に感受性のある患者を最初に同定することを含み、この方法は、造影剤に連結させられる抗体、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドを含んでいる組成物を、それを必要としている患者に投与する工程と、患者で遺伝子または遺伝子産物の証拠の有無を検出することが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記遺伝子がEphA2である。患者でEphA2発現の証拠が存在することは、EphA2治療の候補である患者であることを示す。また、患者のEphA2発現の証拠が示されなければ、EphA2治療の候補ではない患者であることを示す。この方法は、患者に組成物を投与する工程と、造影剤に連結したEphA2オリゴヌクレオチドまたは抗体を比較し、患者のSREまたは転移を示す臨床指標の有無を検出する工程とを有する。臨床指標が存在することは、SREまたは転移がEphA2治療の候補である患者であることを示し、患者の臨床指標の証拠が示されなければ、EphA2治療の候補ではない患者を示す。
【0199】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記患者がEphA2治療の候補であれば、さらに患者に1種類以上のEphA2調節因子を投与することを提供すると、前記患者がEphA2治療の候補でなければ、前記患者を従来の癌治療で処置することが挙げられる。
【0200】
いくつかの実施形態では、臨床指標は、骨折、脊髄圧迫、および過カルシウム血からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、臨床指標は、放射線学的に検出される。
【0201】
(キット)
いくつかの実施形態では、本発明は、SREおよび/または転移に関連する遺伝子または遺伝子産物を撮像および/または検出するためのキットを提供する。いくつかの実施形態では、遺伝子はEphA2である。本発明のキットは、本発明の方法を実行するために、指示書と同様に、検出可能な抗体、低分子、オリゴヌクレオチド、デコイレセプター、ミメティック、またはプローブを含む。任意に、キットは以下の一つ以上を含むものであってもよい。すなわち、コントロール(正および/または負)、コントロール、写真、または正および/負の結果の典型的な例の記述のための容器。
【0202】
本明細書中に記載される特許、特許出願、Genbank受託番号、および刊行物の各々は、全体として参照により本明細書に援用される。
【0203】
種々の修飾は、本明細書中に記載されるそれらに加えて、前述の説明を鑑みて当業者にとって明らかである。そのような修飾は、添付された特許請求の範囲の範囲内になることも目的とする。本発明は、説明することを目的とし、本発明の範囲を限定することのない以下の実施例でさらに詳しく説明される。
【実施例】
【0204】
(実施例1:宿主細胞及び癌細胞の共培養)
正常ヒト間充織幹細胞(MSC, BioWhittaker(登録商標)からのカタログ#PT−2501)の1バイアル(750,000細胞/バイアル)を、10−7Mのデキサメタゾン、0.05mMのリン酸アスコルビン酸塩、10mmのβグリセロリン酸塩を有する完全なMSCGMを含む骨形成培地に播種し、細胞培養皿に終夜付着可能にした。幹細胞は、10,000細胞/cmの密度で播種した。翌日、部分融合性の癌細胞をトリプシン処理し、計数するために、骨形成培地中に再懸濁した。癌細胞を、骨形成培地で40,000細胞/mlに希釈した。間充織幹細胞からの培地を除去し、幹細胞が前日有したのと同じ密度(10,000細胞/cm)で癌細胞を加えた。
【0205】
(実施例2:生物学的マーカーの検出)
(アルカリホスファターゼ染色)
培地は、培養細胞から除去した。この細胞を、10%の中性緩衝ホルマリンで3〜5分間固定した。3〜5分後に、ホルマリンを除去し、リン酸緩衝食塩水(PBS)で置換した。次いで、このPBSを、アルカリホスファターゼ染色液で置換した。アルカリホスファターゼ染色液は、Fast Blue RR(Sigma(登録商標)、カタログ#FBS−25)の1カプセル(12mg)を48mlの水に加えることによって調製した。この溶液を混合した後に、溶液を濾過した。AS−MXリン酸ナフトール(Sigma(登録商標)、カタログ#85−5)の2mlを、この濾過済み溶液に加えた。この染色液を、37℃で約30分間インキュベート可能にし、次いで、PBSですすぎ洗いした。次いで、アルカリホスファターゼ染色液を、顕微鏡の下で視覚化した。
【0206】
(指標アルカリホスファターゼ・アッセイ)
この細胞層を、PBS(Mg及びCa無しの)で洗った。100μlの細胞消化緩衝液(アッセイ緩衝液[PH9.0で1.5Mのトリス、1mMのZnC1、1mM のMgC1]の1:10希釈液+1%のトリトンX−100(登録商標))を、96穴のプレートの各々の穴に加えた。次いで、この消化緩衝液を、37℃で約30分間インキュベートした。次いで、溶解物を新しい96穴のプレートまで移送した。50μlの基質(10mlのHO中に1カプセルのSigma(登録商標) 104)、50μlのアルカリホスファターゼ緩衝液(PH9.0で1.5Mのトリス、1mMのZnC1、1mMのMgC1)、及び10μlの細胞溶解物を、新しい96穴のプレートに加えた。混合物を37℃で15分間インキュベートした。反応を100μlのNaOHの追加により停止させた。次いで、O.D.を、410ナノメートルで読み込んだ。
【0207】
(フォン・コッサ染色液(カルシウム沈着の視覚化用))
細胞を10%の中性緩衝ホルマリンで5分間固定した。5分後に、固定液を除去し、細胞を脱イオン水ですすぎ洗いした。細胞に、5%の水性の硝酸銀溶液を加えた。次いで、この細胞を、細胞培養皿の蓋を除去して、1時間紫外線光に曝露した。反応は、室温で2〜3分間5%の水性のチオ硫酸ナトリウムを追加して停止させた。次いで、細胞を洗って、室温で保存した。
【0208】
(実施例3:骨転移の解析)
間充織幹細胞を、骨形成培地中、10,000細胞/cmの密度で96穴の皿中に播種し、37℃で終夜付着可能にした。同時に、癌細胞(PC3、LNCaP、またはMDA231)を部分融合的に播種した。翌日、癌細胞をトリプシン処理し、40,000細胞/mlの濃度で、骨形成培地中に再懸濁した。次いで、培地を、宿主細胞を含む96穴のプレートから除去した。次いで、癌細胞を10,000細胞/cmの密度で、宿主細胞培養に加えた。アルカリホスファターゼ活性を、4日目に測定した。カルシウム沈着は、2〜3日ごと培地を変えて11〜14日間細胞をインキュベートすることにより分析した。カルシウム沈着は、11〜14日目に、フォン・コッサ染色液を用いて視覚化した。
【0209】
(実施例4:前立腺癌細胞が間充織幹細胞を刺激して骨芽細胞になる)
間充織幹細胞(MSC)を、単独、或いはPC3(前立腺癌細胞)またはMDA231(胸部癌細胞)の存在下、骨形成培地中で4日間、培養した。4日目に、細胞を固定し、アルカリホスファターゼ活性のために染色した(図1、及び図2)。図1で分かるように、PC3の存在下でのみ、宿主細胞が刺激されて骨芽細胞になった。それは暗い汚れの存在によって示されている。アルカリホスファターゼ活性も、細胞溶解物を生成して測定した。図2で分かるように、アルカリホスファターゼ活性は、PC3細胞の存在下で、細胞が存在しない時よりかなり大きい。
【0210】
間充織幹細胞は、骨形成培地中で13日間のLNCaP(前立腺癌細胞)と共に共培養した。13日目に、この細胞を固定し、リン酸カルシウム(図3)用に染色した。図3で分かるように、LNCaP細胞は、宿主細胞が骨芽細胞に分化し始めたことを示すカルシウム沈着を刺激した。
【0211】
(実施例5:遺伝子発現の解析)
骨転移の際、その発現が調整される遺伝子を同定するために、以下の処置を実行した。間充織幹細胞を、単独、またはPC3細胞の存在下、骨形成培地中で、4乃至11日間培養した。妥当な時間に、全RNAが、細胞から単離した。RNAを逆転写にかけ、ロシュ・ライト・サイクラー(登録商標)に特異的な遺伝子の発現について解析した。図4で分かるように、アルカリホスファターゼ遺伝子、オステオカルシン、及びCBFA2 RNAの発現は、骨転移の際、増加した。負のコントロール(NC1及びNC2)の発現は、骨転移の際、増加しなかった。
【0212】
(実施例6:細胞表面分子の同定)
共培養でのバクテリオファージ選択のために、TG1大腸菌宿主株の新しい培養を1%のブドウ糖を有するL培地中、600ナノメートル(OD600)で0.8の光学濃度まで増殖させた。
【0213】
バイオ・パニングのために、共培養細胞、MSC及び癌細胞、またはパンされる細胞、または培養済み細胞を6穴の皿中で成長させ、ダルベッコ(Dulbecco)の燐酸緩衝生理食塩水(dPBS)で2回洗った。付着細胞を、37℃で45分間、5%のMPBS(PBS中、5%のMarvel粉)でブロックした。スクリーニングされる6穴皿のそれぞれに対して、100μl(ファージディスプレイ・ライブラリーの1011のコロニー形成単位(cfu))を5%MPBS800μl中でブロックして、このブロック状態のバクテリオファージのアリコート100μlを、入力力価を決定するために確保した。ブロック状態の細胞を、dPBSで2回洗った。次いで、バクテリオファージを細胞で、氷の上で2時間インキュベートした。次いで、このバクテリオファージ−既治療細胞を、3回、PBST(0.05%のTween20(登録商標)を含有するPBS)ですすぎ洗いし、4℃でシェーカー上のPBSTで5分間2回洗い、次いで、PBSで3回洗った。各々の穴の結合したバクテリオファージを、周囲温度で15分間、PH2.2の0.1Mグリシン400μlで溶出し、且つ、この溶出反応を、PH8.8の1.5Mトリス80μlを用いて停止した。
【0214】
選択されたバクテリオファージの増幅のために、新しく成長したTG1培養の4.5mlを、溶出されたバクテリオファージを含む各々の穴に直接加えた。TG1細菌を、振盪なしで、37℃で45分間、インキュベートし、バクテリオファージが感染したTG1のアリコート200μlを、出力力価の決定のために確保した。スクリーニングの最後ラウンドのために、−80℃で15%のグリセロールを含む2xYTブロス中に、やはり、アリコートを保存した。次いで、感染した細菌を、振盪(250rpm)ありで、37℃で1時間、インキュベートした。バクテリオファージ上澄を抜き、治療用培地(クロラムフェニコール、34μg/ml(Cm34)、1%グルコースを有する2xYT)で5倍(25mlまで)に希釈し、50μlのOD600を、プラスチック・キュベットを用いて決定した。バクテリオファージ感染しているTG1培養を、OD600が約0.5になるまで37℃で増殖させた。
【0215】
重複感染およびファージ・パッケージングのために、50μlのVCSM13ヘルパー・ファージ(カナマイシン耐性(kan))を培地5ml毎にPD600=0.5、感染の多重度(m.o.i)を20として、添加した。ヘルパー/ファージを、振とうすることなく37℃で30分インキュベートし、その後30分振とうさせながら増殖させることで、感染させた。多重感染TG1を4℃、4500xgで5分間遠心し、続いて24ml誘導培地(Cm34、Kan50(カナマイシン50μg/ml)、および0.1mMIPTGを含む2xYT)で洗った。次に、細菌を50mlの誘導培地に再懸濁し、30℃で振とうさせながら一晩インキュベートした。一晩誘導させた後、培地を10分間、10,000xg、4℃で遠心して、透明になった上清分画を得、10mlの20%PEG、2.5MNaClを添加し、十分混合して氷上に30分間静置させた。PEG沈降ファージを30分間、10,000xg、4℃で遠心し、ペレットを5mlのPBSに再懸濁した。残留細菌デブリスを卓上遠心機の最大Gで大気温度で1分間、かけることでペレット化した。透明な上清を0.45μM/0.22μM滅菌フィルターに通し、さらに次の工程で入力ファージの力価を決定するために、200μlを保存した。精製ファージを残すために、滅菌グリセロールを最終濃度が15%になるまで添加し、このストックを−80℃で保存した。
【0216】
ファージミドから得たDNAを精製するために、5mlの感染TG1細菌を用いて、Cm34含有の100ml2xYTブロスをイノキュレートし、培養物を37℃で一晩増殖させた。Qiagen midiまたはmaxiprep キットを、製造元の指示に従って用いることで、ファージミドからDNAを調製した。
【0217】
コロニーを取り、選択されたファージミドのシークエンシングのために、1ml一晩培養を、2xYT、クロラムフェニコール、1%グルコースに調製した。
【0218】
GFPおよび第2ラウンド・サブクローニングを用いて競合バイオパニングのために、TG1株の新鮮な培養を100mlLB、1%グルコースでOD600を0.8として増殖させた。1枚の6穴プレートに、未標識hMSCおよびGFP標識癌細胞の共培養を増殖させ、5枚の6穴プレートで、未標識癌細胞単独を増殖させた。各々の6穴(ウエル)で、ラウンド1から得た選択ファージ100μlを、900μlの5%MPBSを用いてブロックした。細胞を1mlの細胞解離緩衝液/ハンクス平衡塩類溶液(BSS)で洗い、次に1mlの0.25%トリプシンで洗った。細胞を15分間、0.5mlの0.25%トリプシン、37℃で消化した。MSCおよびGFP標識PC3細胞を組み合わせて計数し、ペレット化してMPBSで洗った。1×10細胞をペレットにしてファージMPBSに懸濁した。細胞をファージ表示ライブラリで37℃、10分間洗い、その後1時間氷上に置いた。ファージ結合細胞をMPBSで洗い、PBSで洗浄し、PBSに1×10細胞/mlで再懸濁した。1xプロピジウムヨウ化物溶液を添加し、細胞をGFP発現用に保存し、200μlのRPMI培地(GibcoBRL)に回収した。細胞をペレットにして各々のウエルにαジを400μlの0.・1MグリシンpH2.2で15分間、周囲温度で溶出させた。溶出反応は、80μlの1.5MTrispH8.8を用いて停止させ、各ウエルに直接、新たに増殖したTG1を4.5ml添加した。
【0219】
サブクローニングのために、5mlのTG1および溶出ファージ溶液を45分間、37℃で、振とうすることなく、インキュベートした。200μlのアリコートを、出力力価の決定のために保存し、残りの4.8mlの感染細菌を用いて、Cm34を有する100mlの2xYTをイノキュレートするために用いた。製造元の指示に従ってQiagen midiまたはmaxiprepキットを用いることで、ファージミド由来のDNAを調製した。
【0220】
単鎖可変抗体領域(scfv)によって認識された抗原を精製するために、ビオチニル化PC3−GFPで処理した20枚の15cmプレートからなる6つのセットを準備した。20枚の15cmプレートの各々のセットに対して、細胞を10mMEDTA含有PBSで除去した。次に、細胞をペレット化し、10mMTrispH7.5、15mMMgCl、および2xのプロテアーゼインヒビターカクテルを含む溶液の4mlに再懸濁し、氷上で20分間、静置させた。細胞抽出物を、7mlの穏やかなペストルBを用い、10分間、1400RPMで遠心することにより作った。上清を回収し、核ペレットを2mlの同じ緩衝液で再懸濁し、再び遠心にかけた。第2の上清を最初の上清と混合し、SW40遠心管中で、4〜5mlの2Mスクロース、10mMTris pH7.5、1.5mM MgCl、および2xプロテアーゼインヒビターの溶液4〜5mlの上に積層した。この積層スクロース溶液を35,000RPMで20分間遠心し、上清を捨てて、膜パッドを単離し、液体窒素中で即座に凍結させた。合計で6つのプレパレーションが得られた。各プレパレーションを、20mMTrispH7.5、225mMNaCl,0.75&SDS、1.5%NP40、および1xプロテアーゼインヒビターからな溶液3mlに溶解した。可溶化膜パッド・プレパレーションを4℃、2分間、50%のパルシングでプローブ/ソニケーターで超音波処理し、超音波処理の合間は氷上に静置した。次に、超音波処理プレパレーションを100,000xgで20分間遠心し、6つのプレパレーションを18mlにプールし、これを20mMTris pH7.5、150mM NaCl、0.5%NP40の溶液で90mlに希釈した。
【0221】
scfvによって認識された光源を精製するために、親和性樹脂をscfvをM2アガロースにカップリングさせることで、作った。2mgのsfvを含むPBSを1mlスラリーのM2−アガロース樹脂(Sigma catalog number A222)と混合した。この混合物を1〜12時間にわたり4℃で回転させ、200mMトリエタノールアミン、pH8.2で5回洗った。この混合物を4℃で1〜12時間回転させ、200mM取りエタノールアミン、pH8.2で5回洗浄した。2ml溶液の20mMジメチル・ピメリミデート(Pimelimidate)(Pierce or Sigma)含有200mMトリエタノールアミン、pH8.2を調製し、素早くM2−scfv混合物に添加した。架橋形成剤を含む混合物を揺動させながら室温で45分間インキュベートした。樹脂をペレットにした後、DPMI溶液を除去し、この樹脂を2mlの20mMエタノールアミンに再懸濁し、揺動させながら室温で1時間インキュベートさせた。次に樹脂を0.02%アジ化ナトリウム含有のPBSで洗い、0.02%アジ化ナトリウムを含む2mlのPBSで洗い、−80℃で保存した。
【0222】
M2−アガロース−scfv樹脂を、20mMTrispH7.5、165mMNaCl、0。15%SDS、および0.7%NP40を含む緩衝液で4回洗浄した。次に、樹脂を10mlの可溶化膜プレパレーションとともにバッチで混合した。混合物を2時間、4℃で回転させた。M2−アガロース−scfv樹脂を1.5mlのエッペンドルフ・チューブに移し、20mMTrispH7.5、500mMNaCl、および0.5%NP40を含む1mlの緩衝液で洗った。この樹脂を20mMTrispH7.5、150mMNaCl、および0.5%NP40を含む1mlの緩衝液で1回以上洗った。次に、樹脂をペレットにして、300μlの0.5%SDS、20mMTrispH8.8中で沸騰させて溶出させた。この溶出液を凍結乾燥させて−80℃で保存した。凍結乾燥抗原を25μlの10%グリセロール、0.01%フェノール・レッド(w/v)、DTT(0.04M)に再懸濁し、アクリルアミド・ゲルで電気泳動し、クーマシーブルーで染色した。適当なバンドを切り出し、ペプチド質量分析にかけた。Scfv7に特徴的な重鎖をINGMSSYIFFDV(配列番号7)と定めた。
【0223】
(実施例7:骨移植またはSREの調節因子の同定)
骨移植および/またはSREの調節因子を同定するために、候補化合物を宿主細胞と癌細胞との共培養と接触させる。候補化合物を細胞の共培養に、約1ピコモルないし約5Mの濃度で添加する。同時に、コントロール共培養を、候補化合物が無い状態でインキュベートする。日毎に、骨移植またはSREの生物学的マーカーを測定して、候補化合物が骨移植および/またはSREの調節因子であるかどうかを判断する。細胞のRNA、DNA、およびタンパク質を単離して細胞の遺伝的プロフィールを同定する。遺伝的プロフィールをコントロールプロフィールと比較する。骨移植および/またはSREを示す変化が、骨移植および/またはSREの調節因子を示す。
【0224】
(実施例8:EphA2アンチセンスは骨芽細胞的応答を阻害する)
1日目、PC3細胞を、10%胎仔ウシ血清(FCS)および1xPen/Strepを含むRPMIに16,000細胞/cmの密度で播種した。2日目、細胞を未処理またはEphA2に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドによる形質移入もしくは逆コントロールオリゴヌクレオチドによる形質移入をおこなった。3日目、培地を骨形成培地に変えて、10,000細胞/cmの濃度で間充織幹細胞を培養物に添加した。培養物をさらに3日間、37℃、5%CO条件下でインキュベートした。3日目に、細胞をアルカリホスファターゼに対して固定および染色あるいは定量的アルカリホスファターゼ分析のために溶解した。図9に示すように、結果は、アンチセンス・オリゴヌクレオチドの存在下ではアルカリホスファターゼ接触および定量的分析の減少が見られた。
【0225】
(実施例9: EphA2アンチセンス・オリゴヌクレオチドはMatrigel(登録商標)でのPC3細胞増殖を阻害する)
PC3細胞を、EphA2に対するアンチセンスまたは逆コントロールオリゴヌクレオチドで処理し、次に3%Matrigel(登録商標)オーバーレイを有するMatrigel(登録商標)に置いた。図13に示すように、アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、PC3細胞の増殖を阻害した。その一方で、コントロールオリゴヌクレオチドは阻害しなかった。
【0226】
PC−3細胞の足場非依存性細胞増殖のEphA2遺伝子発現の効果を、Matrigelでのコロニー形成で測定した。Matrigel分析を、細胞がプレートに付着するのを防止するために、最初に非組織培養処置されたプレートをPoIyHEMAで被覆することによって実行した。非形質移入の細胞は、トリプシンを使用して回収し、二度培地洗浄した。血球計算板を使用して細胞を計数し、培地中で1mlあたり104細胞まで再懸濁させた。50μl等分量をpolyHEMA被覆96穴プレートに入れて形質移入させた。各々の形質移入混合物関して、混合物(キャリア分子、望ましくはlリピトイドまたは胆汁ステロイド)を水で使用濃度0.5nMに調製し、ソニケートして均一な溶液を作り、さらに0.45μmPVDF膜を介して濾過した。次に、アンチセンスまたはコントロールオリゴヌクレオチドを調製して、滅菌ミリポア水で100μMの使用濃度に調製した。オリゴヌクレオチドをさらに微小遠心管でOptiMEM(登録商標)(Gibco/BRL)で2μM、または約20μgオリゴ/mlのOptiMEM(登録商標)に希釈した。別の微小試験管に、リピトイドおよびコレステロイドを、概ね約1.5ないし2nmolリピトイド/μgアンチセンス・オリゴヌクレオチドの量で、オリゴヌクレオチドの希釈に用いられる等量のOptiMEM(登録商標)で希釈した。希釈アンチ・オリゴヌクレオチドを直ちに希釈リピトイドに加え、ピペッティングの繰り返しによって混合した。オリゴヌクレオチドを細胞に加えて最終濃度を約300mMにした。37℃で約30分間の形質移入後、細胞を、50μlのMatrigelで被覆された96穴組織培養プレートに移した。細胞をMatrigel上に静置させ、3%Matarigelオーバーレイを細胞層の上に加えた。約7日間でコロニーが形成され、増殖の読み取りのために写真を撮った。別々の実験を、既に記載されている細胞の3次元Magrigel培養 (Peterson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9064−9068)をおこなった。
【0227】
(実施例10:EphA2アンチセンスオリゴヌクレオチドのPC3細胞の軟寒天増殖阻害)
PC3細胞は、EphA2に対するアンチセンスもしくは逆コントロールオリゴヌクレオチドで処理した。この細胞を0.35%軟寒天に播種し、培養7日後にアラマーブルーを用いて定量した。
【0228】
PC3細胞の足場非依存性細胞増殖へのEphA2遺伝子発現の効果は、軟寒天内コロニー形成法で計測した。軟寒天試験法では、細胞がプレートに付着することを防ぐために、最初に非組織培養処理プレートをPoly−HEMAで被膜して実行した。 非形質移入細胞は、トリプシンを使用し、培地で二度洗浄して収集した。細胞は、血球計を使用して計数し、培地で1mlにつき10個の細胞に再懸濁した。50μlのアリコートを96ウエル・プレートで被膜されたpolyHEMA内に置き、形質移入した。各トランスフェクション混合のために、担体分子と、好ましくはリポトイドまたはコレステロイドを、水中0.5nMの作用濃度に調製し、均一溶液を得るために超音波処理し、0.45μmのPVDF膜を通して濾過した。アンチセンスまたはコントロールオリゴヌクレオチドを、ミリポア滅菌水中100μM の作用濃度に調製した。オリゴヌクレオチドは、微小試験管内のOptiMEMTM (ギブコ/BRL)で、2μMまたはOptiMEMTM約20μgオリゴ/mlまで、更に希釈した。別の微小試験管に、リピトイドおよびコレステロイドを、概ね約1.5ないし2nmolリピトイド/μgアンチセンス・オリゴヌクレオチドの量で、オリゴヌクレオチドの希釈に用いられる等量のOptiMEM(登録商標)で希釈した。希釈されたアンチセンス・オリゴヌクレオチドを、直ちに希釈されたリポトイドに加え、上下にピペットして混合した。オリゴヌクレオチドを約300nMの最終濃度まで細胞に加えた。約30分間の37℃でのトランスフェクションの後で、上下にピペットして0.35%アガロースの最終濃度にするために、3%のGTGアガロースを細胞に加えた。細胞層寒天が凝固した後、培地100μlを各ウエルの上部に滴下した。 約7日でコロニーを形成した。増殖を読み取るために、20μlのアラマーブルーを各ウエルに加え、プレートを約15分間振盪した。蛍光読み取り(530nm励起/590nm発光)を、6時間から24時間の培養の後で行った。
【0229】
図14に示されているデータは、PC3細胞に対するEphA2 アンチセンス・オリゴヌクレオチドの処理の結果のコロニー形成阻害を示し、EphA2の足場非依存性細胞増殖での役割を示す。使用されたオリゴヌクレオチドは、下記の配列を有する。
【0230】
CHIR−221−4(アンチセンス)GCCGCACCCCAATCCTCTTGATGT (配列番号3)
CHIR−221−4RC(逆コントロール)TGTAGTTCTCCTAACCCCACGCCG (配列番号4)
PC3細胞コロニー形成阻害の結果生ずるこれらのアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、EphA2が、転移性表現型の生成または維持に役割を果たし、または、SR−Es関与することを示す。
【0231】
本発明における他のアンチセンスオリゴヌクレオチドの有用は、例えば、下記、表1で説明されるものを含む。
【0232】
【表1】

(実施例11:EphA2腫瘍の検知方法)
複数個体の正常組織の全RNAを貯蔵し、逆転写し、EphA2に対するプライマーを用いて定量的PCRにかけた。6つの癌および腫瘍周辺正常組織から得たLCM組織由来の増幅RNAを逆転写し、EphA2に対するプライマーを用いた定量的PCRにかけた。図12に示すように、癌のmRNAレベルが、腫瘍周辺レベルよりも約2倍高いことがわかった。大腸癌試料のEphA2レベルは、正常試料の約2倍高く現れた。
【0233】
(実施例12:遺伝子発現のアンチセンス制御)
癌性細胞のポリヌクレオチドによって示される差動的発現遺伝子の発現は、転移性表現型の促進等腫瘍形成における遺伝子生成の役割と機能とを確かめるために、アンチセンス・ノックアウト技術を用いて分析が可能である。
【0234】
ここで識別された差動的発現遺伝子によって生成されたmRNA遺伝子に対する、多数の異なるオリゴヌクレオチド相補は、電位アンチセンス・オリゴヌクレオチドとして設計し、遺伝子の発現を抑制する能力を試すことが可能である。各候補標的に特異な一連のアンチセンス・オリゴマーを、差動的発現遺伝子に対応するポリヌクレオチドの配列とソフトウエア・プログラム「HYBsimulator Version 4(Windows(登録商標) 95/Windows(登録商標) NT またはPower Macintoshで使用可能、RNAture,Inc.1003 Health Sciences Road,West,Irvine,CA 92612 USA)」とを使用して設計する。アンチセンス・オリゴヌクレオチドを設計する際、1)オリゴヌクレオチドの二次構造と、2)標的遺伝子の二次構造と、3)他の発現遺伝子に対する無または最小のクロス・ハイブリダイゼーションの特異性と、4)安定性と、5)長さ、と6)末端GC量と、である考慮される複数の要因を有する。アンチセンス・オリゴヌクレオチドを、生理的温度が高い厳密性の条件の下で、標的配列とハイブリッド形成するように設計するが(例えば、細胞でハイブリダイゼーションをおこなうために細胞にとって最適な温度である、例えば約37℃)、ホモダイマーにとっては最小な形成となる。
【0235】
オリゴマー・セットとHYBシミュレーター・プログラムとを用いて、各々の候補mRNA転写産物(転写産物は、目的とする標的ポリヌクレオチド配列に体尾する遺伝子から得た)に対して、3ないし10のアンチセンス・オリゴヌクレオチドとそれらの逆コントロールとを設計かつ合成した。ひとたび合成および定量されると、オリゴマーを、癌細胞系統のパネルで転写産物ノック・アウトの効率についてスクリーニングした。ノック・アウトの効率は、ライトサイクラー定量を用いることでmRNAレベルを分析して決定した。転写産物ノック・アウトが最も高いレベルになったオリゴマー(ここで、レベルは少なくとも約50%、好ましくは約80〜90%、最大で95%またはそれ以上で検出不可能なメッセージまで)を、細胞ベースの増殖アッセイ、足場非依存性増殖アッセイ、およびMatrigelアッセイで用いるために選択する。
【0236】
各々の設計されたアンチセンス・オリゴヌクレオチドが遺伝子発現を阻害する能力について、LNCaP、PC3、22Rv1、MDA−PCA−2b、またはDU145前立腺腫瘍細胞、MDA231乳癌細胞、またはHCT116結腸癌細胞に形質移入することで試験する。各形質移入混合物について、キャリア分子(例えば、脂質、脂質誘導体、脂質様分子、コレステロール、コレステロール誘導体、またはコレステロール様分子)を、水中での使用濃度0.5mMに調製し、超音波処理を施して均一な溶液にし、0.45μmPVDF膜で濾過する。アンチセンスまたはコントロールオリゴヌクレオチドを調製して滅菌Millipore水中での使用濃度を100μMにする。さらに、オリゴヌクレオチドをOptiMEM(登録商標)(Gibco/BRL)、微小遠心管中、2μM、あるいは約20μgオリゴ/mlのOptiMEM(登録商標)で希釈した。別々の微小遠心管で、キャリア分子、通常は約1.5〜2nmolキャリア/μgアンチセンス・オリゴヌクレオチドの量で希釈してOptiMEM(登録商標)の容量を等しくしてオリゴヌクレオチドの希釈に用いる。希釈アンチセンス・オリゴヌクレオチドを直ちに希釈キャリアに添加し、ピペッティングにより混合する。オリゴヌクレオチドを細胞に加えて最終濃度を300nMにする。
【0237】
形質移入細胞内の目的とする標的遺伝子に対応する標的mRNAのレベルを、RocheLightCycler(登録商標)リアルタイムPCR装置を用いて、癌細胞系統で定量する。標的mRNAについての値は、内側コントロール(例えば、ベータ・アクチン)に対して正規化する。各20μl反応に対して、抽出RNA(一般に0.2ないし1μg合計)を滅菌0.5ないし1.5ml微小遠心管に静置し、水を添加して全体の容量を12.5μlにする。各管に対しては、7.5μlのバッファー/酵素混合物を添加し、2.5μlHO、2.0μl10X反応緩衝液、10μlオリゴdT(20pmol)、1.0μldNTP混合物(各々10mM)、0.5μlRNAsin(登録商標)(20u)(Ambion, Inc, Hialeah, FL)、および0.5μlMMLV逆転写酵素(50u)(Ambion, Inc)を混合(リストした順番で)して調製する。内容物をピペッティングによって混合し、反応混合物を42℃で1時間インキュベートする。各試験管の含有物を増幅前に遠心にかける。
【0238】
増幅混合物を、以下の順番で混合することで調製する。すなわち、1XPCR緩衝液II、3mMMgCl、140μM各dNTP、0.175pmol各オリゴヌクレオチド、1:50,000dilのSYBR(登録商標)Green、0.25mg/mlBSA、1ユニットのTaqポリメラーゼ、およびHOで20μlにする。(PCR緩衝液IIは、10X濃度でPerkin−Elmer, Norwalk, CTから入手可能)。1X濃度では、10mMTrispH8.3および50mMKClを含む。SYBR(登録商標)Green(Molecular Probes, Eugene, OR)は、二重鎖DNAに結合した時に蛍光を発する染料である。二重鎖PCR産物が増幅の過程で生ずるにしたがって、SYBR(登録商標)Greenからの蛍光が増加する。増幅混合物の各20μlアリコートに対して、2μlのテプレートRTを添加し、さらに増幅は標準的なプロトコルにしたがって実施する。結果は、非形質移入細胞、ビヒクルのみ形質移入した(偽形質移入)細胞、または逆コントロールオリゴヌクレオチドを形質移入した細胞を基準にした対応遺伝子産物の発現での減少率として表す。
【0239】
(実施例13:増殖に対する発現の効果)
細胞増殖の阻害に対する遺伝子発現の効果は、転移性乳癌細胞系統(MDA−MB−231またはMDA231(「231」))、SW620大腸結腸直腸癌細胞、SKOV3細胞(ヒト卵巣悪性腫瘍細胞系統)、またはまたはLNCaP、PC3、22Rvl、MDA−PCA−2bまたはDU145前立腺癌細胞で、評価することができる。
【0240】
細胞を、96穴皿で数日後に約80〜95%集密的(コンフルエント)になる密度になるまで、播種した。アンチセンスまたは逆コントロールオリゴヌクレオチドを、OptiMEM(登録商標)で2μMまで希釈する。このオリゴヌクレオチド−OptiMEM(登録商標)を次に送達ビヒクルに添加する。送達ビヒクルを、アッセイに使用される特定の細胞型のために最適化されるようにして選択することができる。オリゴヌクレオチド/送達ビヒクル混合物を次に、細胞上で血清により培地をさらに希釈した。全ての実験に対するオリゴヌクレオチドの最終濃度は、約300nMとすることができる。
【0241】
アンチセンス・オリゴヌクレオチドの調製は、上述のようにおこなった。細胞を、37℃で約4時間から一晩かけて、形質移入させ、形質移入混合物を新鮮な培地と移し替えた。形質移入を、上記のように実行した。
【0242】
SW620細胞の増殖阻害をもたらすアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、対応遺伝子が、癌性大腸細胞での癌性表現型の生成または維持で役割を果たすことを示す。SKOV3細胞で増殖を阻害するそれらのアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、遺伝子が癌性卵巣細胞で癌性表現型の生産または維持で役割を果たす遺伝子を示す。MDA231細胞増殖の阻害をもたらすそれらのアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、対応する遺伝子が癌性乳房細胞での癌性表現型の生成または維持で役割を果たすことを示す。LNCaP、PC3、22Rv1、MDA−PCA−2bまたはDU145細胞で増殖を阻害するそれらのアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、癌性前立腺細胞での癌性表現型の生成または維持で役割を果たす遺伝子を表す。
【0243】
(実施例14:EphA2エピトープ)
抗体認識および調製のためのEphA2の線形エピトープは、当技術分野で知られている数多くの方法のいずれかによって同定し得る。いくつかの例の方法は、抗原のアミノ酸配列に由来するペプチドの抗体結合能を調べることを含む。結合の評価は、BIACOREまたは酵素免疫測定法方法を用いておこなうことができる。他の技術として、平面固体キャリアチップ」)上で、抗体に対してペプチド・ライブラリーを露出させること、ならびに固相スクリーニングで用いられる多数の方法のいずれかを介して結合を検出することが挙げれられる。さらに、ファージ提示を用いて、いくつかのバイオ・パニングのラウンド後、エピトープの選択によるペプチドのライブラリーをスクリーニングすることに用いることができる。
【0244】
下記の表2は、抗EphA2抗体による認識に適当な線形エピトープと確認されたEphA2(配列番号6)の領域を提供する。
【0245】
【表2−1】

【0246】
【表2−2】

【0247】
【表2−3】

本発明がその特異的な実施形態に関して記載される一方で、種々の変更を加えることが可能で、また等価物を本発明の範囲および精神から逸脱することなく置き換えることが可能であることを、当業者はよく理解しなければならない。また、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス工程または工程を、本発明の目的、精神、および範囲に適応させるために、多くの修飾をおこなうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0248】
【図1】図1は、第4日目の細胞でのアルカリホスファターゼ染色を示す。左側のパネルは、間充織幹細胞(MSC)単独を表す。中央のパネルは、共培養状態のMSCおよびPC3細胞を表す。右側のパネルは、共培養状態のMSCおよびMDA231細胞を表す。中央パネルに表現される染色の増加は、骨転移と骨転移に対する骨芽細胞的応答を示す。
【図2】図2は、アルカリホスファターゼ活性を示す。MSCを単独で、またはPC3もしくはMD231細胞の存在下で、骨形成培地中で4日間にわたって培養した。4日目に細胞を集め、アルカリホスファターゼ活性について分析した。アルカリホスファターゼ活性は、MSCおよびPC3細胞を共培養した場合に最も高く現れた。
【図3】図3は、共培養後13日のバン・コッサ(Van Kossa)染色を示している。左側パネルは、間充織幹細胞を単独で培養した際のバン・コッサ染色を示す。右側パネルは、共培養した場合のMSCおよびLNCaPのバン・コッサ染色を示す。共培養の染色は、幹細胞単独の培養よりも多く染色され、骨転移に応答して骨転移および骨芽細胞応答を示している。
【図4】図4は、遺伝子発現のライト・サイクラー(Light Cycler)分析を表す。間充織幹細胞を単独またはPC3細胞の存在下で、骨形成培地中で4または11日間にわたって培養した。適当な時間経過後、細胞から全RNAを調製した。RNAを逆転写にかけて、ライト・サイクラーによる特異的遺伝子発現の分析をおこなった。データの報告は、倍誘導(fold induction)、すなわちMSC単独での発現に対する共培養での発現の比率としておこなう。
【図5】図5は、単独で培養または共培養したGFP発現PC3細胞およびMSC細胞を示す。試料を4日間にわたり培養した。共培養を固定し、Scfv7で染色し、ローダミン標識二次抗体で検出した。
【図6】図6は、PC3細胞から得たタンパク質の免疫沈降を示す。PC3細胞の細胞表面をビオチニル化および溶解させた。溶解物を直接充填(レーン1)またはScfv7により免疫沈降(レーン2)させた。試料をSDS−ポリアクリルアミド・ゲル上で流し、ニトロセルロースに移し、HRP共役ストレプトアビジンをプローブとして調べた。
【図7】図7Aおよび図7Bは、EphA2発現に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドの効果を示す。EphA2に対するアンチセンスまたは逆コントロールオリゴヌクレオチドをPC3細胞に形質移入した。培養3日後、RNAを目的として細胞を収集、または細胞表面のビオチニル化して溶解させた。図7Aに関して、細胞溶解物を直接充填し、EphA2に対する抗体またはScfv7で免疫沈降させた。試料をSDS−PAGEゲル上で流し、ニトロセルロースに移し、HRP共役ストレプトアビジンをプローブとして調べた。図7Bに関して、全RNAを調製し、逆転写にかけて、EphA2のmRNA発現についてライト・サイクラー分析をおこなった。
【図8】図8は、PC3溶解物のウェスタンブロットを示す。レーン1:PC2細胞の細胞表面をビオチニル化して溶解させ、SDS−PAGEゲル上に充填して流し、ニトロセルロースに移し、HRP共役ストレプトアビジンをプローブとして調べた。レーン2:PC3細胞を溶解し、scfv7で免疫沈降し、SDS−PAGEゲル上に充填して流し、ニトロセルロースに移し、EphAに対する抗体、続いてHRP共役二次抗体をプローブとして調べた。
【図9】図9は、骨芽細胞的応答に対するEphA2 アンチセンス・オリゴヌクレオチドの効果を示す。PC3細胞を第1日目に16,000細胞/mmの密度で、10%FCS(胎仔牛血清)および1xPen/Strep含有RPMIに播種した。2日目に、細胞を未処理のまま、またはEphA2に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチド(AS)もしくは逆コントロールオリゴヌクレオチド(RC)による癌化をおこなった。3日目に、培地を骨形成培地に変え、10,00細胞/mmの密度でmMSCを培養物に添加した。培養物をさらに3日間、5%CO中37℃でインキュベートした。3日目に細胞を固定してアルカリホスファターゼ染色(パネルA)あるいは溶解して定量的アルカリホスファターゼ・アッセイ(パネルB)にかけた。
【図10】図10は、いくつかの癌腫でのEphA2発現を示す。
【図11】図11は、いくつかの上皮癌でのEPhA2過剰発現を示す。左側のパネルは、免疫組織化学を用いて分析した正常および癌卵巣癌試料を比較している。右側のパネルは、癌および非癌試料に関連した統計を示す。
【図12】図12は、正常組織および結腸癌試料でのEphA2mRNAレベルを示す。多数のドナーの全RNAをプールし、逆転写させ、EphA2に対するプライマーを用いた定量的PCRにかけた(黒色)。6つの癌および腫瘍周辺正常組織から得たレーザー捕捉顕微解剖(LCM)組織由来の増幅RNAを逆転写し、EphA2に対するプライマーを用いた定量的PCRにかけた。癌試料のmRNAが、結腸癌患者腫瘍周辺レベルよりも約2倍高いことがわかった。腫瘍周辺試料でのレベルが正常大腸でのレベルに類似していると仮定すると、結腸癌のEphA2レベルは正常大腸の場合よりも、さらに試験した他の組織のいずれに対しても、約2倍高い。
【図13】図13は、EphA2 アンチセンス・オリゴヌクレオチドによるマトリゲル(Matrigel)でのPC3増殖の阻害を示す。PC3細胞を、EphA2に対するアンチセンスまたは逆コントロールオリゴヌクレオチドで処理し、3%マトリゲル・オーバーレイを有するマトリゲル上に播種した(221−14は配列番号9、221−16は配列番号10)。培養7日後に画像を記録した。形質移入および増殖に対する正のコントロールをFUTI(配列番号11)とした。
【図14】図14A〜Cは、EphA2 アンチセンス・オリゴヌクレオチドによって、マトリゲルによる軟観点でのPC3増殖の阻害を示す。PC3細胞を、EphA2に対するアンチセンスもしくは逆コントロールオリゴヌクレオチドで処理した。細胞を0.35%軟寒天に播種し、培養7日後にアラマーブルーを用いて定量した(細胞増殖についての蛍光読み取り)。非形質移入コントロール(未処理)および正の形質移入コントロールとを実験AおよびBについて示す。6ウエル・プレートでの形質移入後のタンパク質レベルの経時的変化を、アンチセンス(AS)、逆コントロール(RC)、または未処理細胞(UnT)について、図14に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種類以上の骨格関連現象の阻害を必要としている患者において、一種類以上の骨格関連現象を阻害する方法であって、
該患者に、治療上有効な量の一種類以上のEphA2インヒビターを投与する工程を包含する、方法。
【請求項2】
前記EphA2インヒビターが、オリゴヌクレオチド、低分子、ミメティック、デコイ、または抗体である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記癌が、前立腺癌、乳癌、または結腸癌である、請求項1の方法。
【請求項4】
EphA2治療の候補に対する従来の癌治療の投与をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記EphA2インヒビターが、約15ないし約30ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドである、請求項1の方法。
【請求項6】
前記患者が癌患者である、請求項1の方法。
【請求項7】
前記インヒビターが、コントロールと比較して少なくとも50%までEphA2を減少させる、請求項1の方法。
【請求項8】
前記インヒビターが、コントロールと比較して少なくとも90%までEphA2を減少させる、請求項1の方法。
【請求項9】
化学治療および/または放射線治療による前記患者の治療をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項10】
治療上有効な量のビスホスホネートによる前記患者の治療をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドの長さが約8〜約80ヌクレオチドであり、EphA2(配列番号1または5)をコードする核酸分子に対して少なくとも80%配列相補性を含み、さらに、該オリゴヌクレオチドが少なくとも50%までEphA2発現を阻害する、請求項1の方法。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドが、EphA2をコードする核酸に対して少なくとも90%配列相同性を有し、少なくとも75%までEphA2発現を阻害する、請求項11の方法。
【請求項13】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号3のヌクレオチド配列を有する、請求項12の方法。
【請求項14】
前記オリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列に結合して少なくとも50%までEphA2の発現を阻害する、請求項11の方法。
【請求項15】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12〜71の配列を有するペプチドをコードする核酸に対して相補的である、請求項11の方法。
【請求項16】
前記低分子インヒビターが、分子量が5キロダルトン以下の有機分子である、請求項2の方法。
【請求項17】
前記抗体が、少なくとも1×10Kaの親和性でEphA2に対して結合する、請求項2の方法。
【請求項18】
前記抗体が、EphA2配列の少なくとも1つの領域に結合し、該領域が配列番号12〜71によって規定される複数の領域から選択される、請求項2の方法。
【請求項19】
前記抗体がモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはFabフラグメントである、請求項2の方法。
【請求項20】
前記抗体が標識されている、請求項2の方法。
【請求項21】
前記抗体がEphA2以外のポリペプチドに対して約1×10未満の結合親和性を有する、請求項2の方法。
【請求項22】
骨への転移の阻害を必要としている患者での骨への転移を阻害する方法であって、治療上有効な量の一種類以上のEphA2インヒビターを前記患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
EphA2治療の候補に対する従来の癌治療の投与をさらに含む、請求項22の方法。
【請求項24】
前記EphA2インヒビターが、オリゴヌクレオチド、低分子、ミメティック、デコイ、または抗体である、請求項22の方法。
【請求項25】
原発腫瘍から骨転移への癌の進行をシミュレーションする方法であって、
転移を示す生物学的マーカーの検出を可能にするのに十分な時間をかけて、1つ以上の宿主細胞を1つ以上の癌細胞と共培養する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記宿主細胞および前記癌細胞がインビトロで共培養される、請求項25の方法。
【請求項27】
前記宿主細胞および前記癌細胞が動物モデルにおいて共培養される、請求項25の方法。
【請求項28】
前記動物モデルがSCIDマウスである、請求項27の方法。
【請求項29】
前記癌が乳癌、前立腺癌、または結腸癌である、請求項25の方法。
【請求項30】
前記原発腫瘍が乳腫瘍、前立腺腫瘍、または結腸腫瘍である、請求項25の方法。
【請求項31】
前記宿主細胞がヒト細胞である、請求項25の方法。
【請求項32】
前記癌細胞および前記宿主細胞が患者から単離される、請求項25の方法。
【請求項33】
前記宿主細胞と共培養された場合に発現が調節される前記細胞において、1つ以上の遺伝子を同定する工程をさらに包含する、請求項25の方法。
【請求項34】
インビトロモデルでの原発腫瘍から骨転移への進行をシミュレーションする方法であって、共培養中での遺伝子発現の証拠を検出するのに十分な時間にわたって癌細胞と宿主細胞とを共培養する工程を包含する、方法。
【請求項35】
前記原発腫瘍が乳房腫瘍、前立腺腫瘍、または大腸腫瘍である、請求項34の方法。
【請求項36】
前記癌細胞が乳腺細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される、請求項34の方法。
【請求項37】
前記癌細胞がPC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される、請求項34の方法。
【請求項38】
前記宿主細胞を患者から単離する、請求項34の方法。
【請求項39】
前記共培養がインビトロ培養である、請求項34の方法。
【請求項40】
骨転移に対する処置の効果を決定するための方法であって、
(a)宿主細胞と癌細胞との共培養に調節因子を投与する工程、および
(b)推定調節因子の非存在下で共培養された宿主細胞および癌細胞の生物学的マーカーと、(a)の共培養細胞上の生物学的マーカーとを比較する工程、
包含する、方法。
【請求項41】
前記調節因子が骨への転移を阻害する、請求項40の方法。
【請求項42】
前記宿主細胞がヒト細胞である、請求項40の方法。
【請求項43】
前記癌細胞および前記宿主細胞が患者から単離される、請求項40の方法。
【請求項44】
骨への転移に対する患者の罹患性を決定する方法であって、
第1の試料に生物学的マーカーがあるかどうかを決定する工程を包含し、該第1の試料が、宿主細胞と共培養した転移することが公知の癌細胞を含む第1のコントロール試料と相関させて、該生物学的マーカーを決定するのに十分な期間にわたって宿主細胞と共培養された該患者から得た癌細胞を含み、該第1の試料に含まれる生物学的マーカーと該コントロール試料に含まれる生物学的マーカーとの相関が骨の転移に対する該患者の罹患性を示す、方法。
【請求項45】
転移することが公知の前記癌細胞が、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される、請求項44の方法。
【請求項46】
前記宿主細胞が患者から単離される、請求項44の方法。
【請求項47】
前記共培養がインビトロ培養である、請求項44の方法。
【請求項48】
1つ以上の骨格関連現象に対する癌患者の罹患性を決定するための方法であって、
患者の試料中のEphA2発現の証拠を検出する工程を包含し、該EphA2発現の証拠が一種類以上の骨格関連現象に対する患者の罹患性を示す、方法。
【請求項49】
転移することが知られている癌細胞と共培養された宿主細胞を含む第2のコントロール試料中の生物学的マーカーに、前記第1の試料中の生物学的マーカーが相関するかどうかを決定する工程をさらに包含し、該第1の試料の生物学的マーカーと該第2のコントロール試料の生物学的マーカーとの相関は、転移に対する罹患性の減少を示す、請求項48の方法。
【請求項50】
前記骨格関連現象が、骨折、骨痛のための放射線、骨折予防もしくは骨折処置、脊髄圧迫、骨の手術、骨転移、または悪性病変の過カルシウム血症からなる群から選択される、請求項48の方法。
【請求項51】
前記試料が癌細胞を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記試料が癌細胞および宿主細胞を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
EphA2治療に感受性のある患者を同定する方法であって、
(a)造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与する工程、および
(b)該患者におけるEphA2発現の証拠の有無を検出する工程、
を包含し、ここで、該患者におけるEphA2発現の証拠が存在することは、EphA2治療の候補である患者を示し、前記患者でEphA2発現の証拠が存在しないことは、EphA2治療の候補ではない患者を示す、方法。
【請求項54】
EphA2治療に感受性のある患者を同定する方法であって、
(a)造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与する工程、および
(b)該患者における骨への転移またはSREを示す臨床指標の有無を検出する工程、
を包含し、ここで、該骨への転移またはSREを示す臨床指標が存在することは、EphA2治療の候補である患者を示し、前記骨への転移またはSREを示す臨床指標が存在しないことは、EphA2治療の候補ではない患者を示す、方法。
【請求項55】
前記臨床指標が骨折、脊髄圧迫、および過カルシウム血症からなる群から選択される、請求項54の方法。
【請求項56】
前記臨床指標が放射線学的に検出される、請求項54の方法。
【請求項57】
架橋結合したアミノ酸の度合いを検出することによって、前記臨床指標が測定される、請求項54の方法。
【請求項58】
EphA2インヒビターをEphA2治療の候補に投与する工程をさらに包含する、請求項54の方法。
【請求項59】
骨への転移の阻害を必要としている患者において、骨への転移を阻害する方法であって、
(a)請求項53または請求項54にもとづいて該患者がEphA2治療の候補であるかどうかを決定する工程、
(b)該患者がEphA2治療の候補であるならば、該患者に治療上有効な量の一種類以上のEphA2インヒビターを投与する工程、ならびに
(c)該患者がEphA2治療の候補でなければ、該患者を従来の癌治療で処置する工程、
を包含する、方法。
【請求項60】
前記患者に、慣習的な癌治療薬を投与する工程をさらに含む、請求項59の方法。
【請求項61】
前記EphA2インヒビターがオリゴヌクレオチド、低分子、ミメティック、デコイ、または抗体である、請求項59の方法。
【請求項62】
EphA2配列の少なくとも1つの領域に結合する抗体を産生する単離細胞であって、
該領域が配列番号12〜71によって規定される複数の領域から選択される、単離細胞。
【請求項63】
前記細胞がハイブリドーマである、請求項62の方法。
【請求項64】
骨への転移に感受性である患者を同定する方法であって、
該患者由来の癌細胞であり、1つ以上の宿主細胞と共培養した該癌細胞の生物学的マーカーを、1つ以上の宿主細胞と共培養したコントロール癌細胞の生物学的マーカーと比較する工程を包含する、方法。
【請求項65】
前記コントロール癌細胞が非転移癌細胞を示す、請求項64の方法。
【請求項66】
前記コントロール癌細胞が転移癌細胞を示す、請求項64の方法。
【請求項67】
前記患者由来の癌細胞の生物学的マーカーが、正のコントロールまたは負のコントロールに相関するかどうかを決定する工程をさらに包含する、請求項64の方法。
【請求項68】
前記癌細胞および前記宿主細胞が前記患者から単離される、請求項64の方法。
【請求項69】
骨への転移に対する癌患者の罹患性を決定する方法であって、
患者の癌試料でのEphA2発現の証拠を検出する工程を包含し、EphA2発現の証拠が骨への転移に対する該患者の罹患性を示す、方法。
【請求項70】
前記癌試料は、前記患者由来の宿主細胞と共培養される、請求項69の方法。
【請求項71】
EphA2RNAを測定することによってEphA2発現の証拠を検出する、請求項69の方法。
【請求項72】
EphA2発現の証拠をEphA2発現産物を決定することによって検出する、請求項69の方法。
【請求項73】
骨転移中に調節された1つ以上の遺伝子を同定する方法であって、共培養された癌細胞および宿主細胞の発現プロフィールと癌細胞のコントロール発現プロフィールとを比較する工程を包含する、方法。
【請求項74】
前記調節された遺伝子がEphA2である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記癌細胞および前記宿主細胞が前記患者から単離される、請求項73の方法。
【請求項76】
請求項73にもとづいて同定された骨に対する癌の転移に関与する遺伝子。
【請求項77】
骨関連現象中に調節された遺伝子を同定する方法であって、
共培養された癌細胞および宿主細胞の発現プロフィールと癌細胞のコントロール発現プロフィールとを比較する工程を包含する、方法。
【請求項78】
前記調節された遺伝子がEphA2である、請求項77の方法。
【請求項79】
前記癌細胞および前記宿主細胞が前記患者から単離される、請求項77の方法。
【請求項80】
癌細胞の表面にある分子を同定する方法であって、
(a)癌細胞と宿主細胞とを共培養する工程、
(b)scfvを発現するファージを、該scfvが該癌細胞と結合させる条件下で、該共培養に添加する工程、
(c)scfvに対して結合した該癌細胞を単離する工程、および
(d)scfvの特性を明らかにすることで、該癌細胞の表面にある分子を同定する工程、
を包含する、方法。
【請求項81】
前記癌細胞および前記宿主細胞が1人の患者から単離される、請求項80の方法。
【請求項82】
骨への転移のインヒビターを同定する方法であって、
癌細胞および宿主細胞の共培養を推定インヒビターと接触させる工程、ならびに
転移を示す生物学的マーカーの有無を決定する工程、
を包含し、コントロールと比較して転移を示す生物学的マーカーが該共培養に存在しないことは、転移のインヒビターを示す、方法。
【請求項83】
前記転移がEphA2−関連骨転移である、請求項82の方法。
【請求項84】
前記宿主細胞および/または前記癌細胞が、EphA2を発現する少なくとも1つの細胞を含む、請求項82の方法。
【請求項85】
前記生物学的マーカーが、カルシウム沈着、オステオカルシンレベル、アルカリホスファターゼレベル、酒石酸耐性ホフファターゼ活性、発現プロフィール、細胞間相互作用の証拠、破骨細胞活性、骨芽細胞活性、成長ホルモン、プロラクチン、コラーゲン、プロコラーゲン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク質、酒石酸耐性ホスファターゼ、α2−HS糖タンパク質、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジングリコシド、ピリジニウム架橋、オステオカルシン、あるいは鉱化細胞外マトリックスの形成、細胞間膜交換からなる群から選択される、請求項82の方法。
【請求項86】
前記癌細胞および前記宿主細胞が前記患者から単離される、請求項82の方法。
【請求項87】
請求項82の方法にもとづいて同定されたインヒビター。
【請求項88】
前記調節因子が、オリゴヌクレオチド、抗体、ミメティック、デコイレセプター、または低分子からなる群から選択される、請求項82の方法。
【請求項89】
前記癌細胞および前記宿主細胞をマウス異種移植で共培養する、請求項82の方法。
【請求項90】
患者における転移を検出する方法であって、
造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物を患者に投与する工程、ならびに
該患者における該造影剤の局在を検出する工程、
を包含する、方法。
【請求項91】
前記組成物が、造影剤に結合した抗EphA2抗体を含む、請求項90の方法。
【請求項92】
前記造影剤が、18F、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、77Br、87MSr、86Y、90Y、99Mtc、111In、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pb、または206Biである、請求項90の方法。
【請求項93】
試料に存在するEphA2の量を定量する方法であって、
該試料と造影剤に結合したEphA2調節因子を含む組成物とを接触させる工程、ならびに
該造影剤を定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項94】
骨への転移の症状を改善することを必要としている癌患者において骨への転移の症状を改善する方法であって、
該患者に対して、治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与する工程を包含する、方法。
【請求項95】
前記骨への転移の症状が、疼痛および骨折からなる群から選択される、請求項94の方法。
【請求項96】
患者における癌細胞と宿主細胞との相互作用を阻害する方法であって、
前記患者に対して、治療上有効な量のEphA2インヒビターを投与する工程を包含する、方法。
【請求項97】
前記宿主細胞が、幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、間質細胞、および骨髄細胞から選択される、請求項96の方法。
【請求項98】
前記EphA2インヒビターが、低分子、オリゴヌクレオチド、ミメティック、デコイレセプター、または抗体からなる群から選択される、請求項82または94の方法。
【請求項99】
組成物であって、ヒト宿主細胞と、ヒト癌細胞および約10−7Mのデキサメタゾン、約0.05mMのリン酸アスコルビン酸塩、および約10mMのβグリセロリン酸塩を含む骨形成培地とを含む、組成物。
【請求項100】
前記宿主細胞が、幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、間質細胞、骨髄細胞、またはそれらの組み合わせの1つ以上からなる群から選択される、請求項99の組成物。
【請求項101】
組成物であって、EphA2インヒビターと、1種類以上の薬学的に受容可能なキャリアとを含む、組成物。
【請求項102】
前記組成物が、滅菌された注入可能物質である、請求項101の組成物。
【請求項103】
患者での1つ以上のSREを調節する方法であって、
該患者に対して請求項101の組成物を治療上有効な量投与する工程を包含する、方法。
【請求項104】
患者における足場非依存性細胞増殖を阻害する方法であって、
該患者に対してEphA2インヒビターを治療上有効な量投与する工程を包含する、方法。
【請求項105】
患者における癌細胞の移動を阻害する方法であって、
該患者に対してEphA2インヒビターを治療上有効な量投与する工程を包含する、方法。
【請求項106】
慣習的な癌治療薬を投与する工程をさらに包含する、請求項105の方法。
【請求項107】
癌細胞接着の阻害を必要としている患者において癌細胞接着を阻害する方法であって、
該患者に対してEphA2インヒビターを治療上有効な量投与する工程を包含する、方法。
【請求項108】
前記癌細胞が、乳部細胞、前立腺細胞、大腸細胞、およびメラノーマ細胞からなる群から選択される、請求項48、64、77、または80のいずれかの方法。
【請求項109】
前記癌細胞が、PC3、LNCaP、MDA231、MDA435、HT−29、SW620、HEPG2、およびDU145からなる群から選択される、請求項48、64、77、または80のいずれかの方法。
【請求項110】
前記患者に、慣習的な癌治療薬を投与する工程をさらに包含する、請求項107の方法。
【請求項111】
前記癌細胞および前記宿主細胞が前記患者から単離される、請求項107の方法。
【請求項112】
前記患者が癌患者である、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項113】
前記インヒビターが、コントロールと比べて少なくとも50%までEphA2発現を減少させる、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項114】
前記インヒビターが、コントロールと比べて少なくとも90%までEphA2発現を減少させる、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項115】
化学治療および/または放射線治療による患者の処置をさらに含む、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項116】
治療上有効な量のビスホスホネートによる患者の処置をさらに含む、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項117】
前記インヒビターが、約8〜約80核酸塩基長を有するオリゴヌクレオチドであり、EphA2(配列番号1または5)をコードする核酸分子に対して少なくとも80%の配列相補性を含み、該オリゴヌクレオチドが少なくとも約50%までEphA2発現を阻害する、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項118】
前記オリゴヌクレオチドが、EphA2をコードする核酸に対して少なくとも90%配列相同性を有し、少なくとも75%までEphA2発現を阻害する、請求項117の方法。
【請求項119】
前記オリゴヌクレオチドが配列番号3のヌクレオチド配列を有する、請求項118の方法。
【請求項120】
前記オリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1または配列番号5のヌクレオチド配列と結合し、少なくとも50%までEphA2の発現を阻害する、請求項117に記載の方法。
【請求項121】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12〜71の配列を有するペプチドをコードする核酸分子に対して相補的である、請求項117の方法。
【請求項122】
前記オリゴヌクレオチドが、約15〜約30ヌクレオチド長である、請求項117の方法。
【請求項123】
前記インヒビターが、分子量が5キロダルトン以下である低分子インヒビターである、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項124】
前記インヒビターが、少なくとも1×10Kaの親和性で、EphA2に対して結合する抗体である、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項125】
前記インヒビターが、EphA2配列の少なくとも1つの領域に結合する抗体であり、該領域が配列番号12〜71によって規定される領域から選択される、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項126】
前記インヒビターが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはFabフラグメントである、請求項22、59、94、96、103、104、105、または107のいずれかの方法。
【請求項127】
前記抗体が標識される、請求項124〜126のいずれかの方法。
【請求項128】
前記標識は酵素、放射性同位元素、またはフルオロフォアである、請求項127の方法。
【請求項129】
前記抗体が、EphA2以外のポリペプチドに対して、約1×10Ka未満の結合親和性を持つ、請求項124〜126のいずれかの方法。
【請求項130】
CHOまたはミエローマ細胞で抗EphA2抗体を発現する方法であって、該抗EphA2抗体が、骨転移を有する患者での骨格関連減少を阻害する、方法。
【請求項131】
前記抗EphA2抗体が配列番号7を含む、請求項130の方法。
【請求項132】
EphA2に結合する抗体を含む薬学的組成物であって、前記抗EphA2抗体が、骨転移を有する患者での骨格関連現象を阻害する、薬学的組成物。
【請求項133】
請求項40または82のいずれかにあるように、骨転移の処置に対する有効性を試験することによって、前記抗体が同定される、薬学的組成物。
【請求項134】
請求項130にもとづくCHOまたはミエローマ細胞で抗EphA2抗体を発現する方法であって、請求項40または82のいずれかにあるように、骨転移の処置に対する有効性を試験することによって、該抗EphA2抗体が同定された、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−520446(P2007−520446A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532978(P2006−532978)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/014830
【国際公開番号】WO2004/101764
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Macintosh
【出願人】(505418696)カイロン コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】