説明

転送順位設定装置、呼出転送システム、方法、及び、プログラム

【課題】呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じた転送優先度の設定が可能な転送順位設定装置を提供する。
【解決手段】応答状況情報記憶部12は、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する。転送優先度更新部11は、応答状況情報記憶部12を参照して、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べる。転送優先度更新部11は、転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて、転送優先度を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転送順位設定装置、方法、及び、プログラムに関し、更に詳しくは、着信先への呼出を転送する転送先の端末の転送優先度を更新する転送順位設定装置、方法、及び、プログラムに関する。また、本発明は、呼出の転送を行う呼出転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
転送システムは、着信を転送するシステムである。特許文献1は、転送システムが記載された文献である。特許文献1に記載の転送システムは、転送の優先順位を自動的に変更する制御手段を有している。制御手段は、着信呼に含まれる発信者識別番号に対する発信回数及び着信回数に応じて、着信電話機を選択する。制御手段は、発信回数又は着信回数が最大の電話機を最優先電話機とみなし、その電話機への着信処理を行う。制御手段は、着信処理に対して一定時間内に応答がない場合は、次に転送順位が高い電話機に対して着信処理を行う。特許文献1に記載の転送システムは、転送順位を、着信又は発信回数に応じて自動的に変更する。
【0003】
特許文献2は、転送システムが記載された別の文献である。特許文献2に記載の転送システムは、転送判定部と、優先順位設定部とを有する。特許文献2に記載の転送システムは、転送順位を、転送履歴に応じて自動的に変更する。転送判定部は、転送履歴DB(データベース)に登録されている転送履歴のうち、現在時刻からさかのぼって最近に接続が確立した転送先を、「優先転送先番号」として抽出する。優先順位設定部は、「優先転送先番号」の転送順位を最上位に設定する。また、優先順位設定部は、直前に異なる発信元から転送されてきた電話で、通話したばかりの転送先番号は、「転送回避優先番号」として、転送順位を再開に下げるように設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−358833号公報
【特許文献2】特開2008−236284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、複数の転送先があり、第1転送先が転送された呼出に対して応答したものの、第1転送先では発信元の用件を解決できずに、第2転送先へ転送した場合を考える。特許文献1及び特許文献2では、何れかの転送先が応答すると、その転送先の転送順位を上げ、接続処理を終了する。引用文献1及び引用文献2では、第1転送先が応答した後に、第1転送先が第2転送先に呼出を転送することは考慮されておらず、第1転送先と第2転送先の転送順位に差異を付けることができない。また、第1転送先が応答せずに第2応答先が応答した場合は、たとえ第2転送先がその後に他の転送先へ呼出を転送したとしても、第1転送先の転送順位は第2転送先よりも低くなる。このように、引用文献1及び引用文献2では、転送先の応答状況に応じて、転送順位を設定することができない。
【0006】
本発明は、呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じた転送優先度の設定が可能な転送優先順位設定装置、呼出転送システム、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、発信元の端末からの呼出要求を受けて着信先の端末を呼び出すと共に、前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、前記呼出を前記着信先の端末とは異なる転送先の端末に転送する呼出管理部と、着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定する転送先決定部と、前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定部と、前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する転送優先度更新部とを備える呼出転送システムを提供する。
【0008】
本発明は、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新する転送優先度更新部を備える転送順位設定装置を提供する。
【0009】
本発明は、発信元の端末から着信先の端末への呼出に対して前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する呼出転送ステップと、前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、該判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定ステップと、前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する転送優先度更新ステップとを有する呼出転送方法を提供する。
【0010】
本発明は、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べるステップと、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新するステップとを有する転送順位設定方法を提供する。
【0011】
コンピュータに、発信元の端末から着信先の端末への呼出に対して前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する呼出転送処理と、前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、該判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定処理と、前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する処理とを実行させるプログラムを提供する。
【0012】
本発明は、コンピュータに、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べる処理と、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新する処理とを実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の転送順位設定装置、呼出転送システム、方法、及び、プログラムは、呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じた転送優先度を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の転送順位設定装置の概要を示すブロック図。
【図2】本発明の呼出転送システムの概要を示すブロック図。
【図3】本発明の第1実施形態の転送システムを示すブロック図。
【図4】呼出時の動作手順を示すフローチャート。
【図5】手動転送時の動作手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2実施形態の呼出転送システムを示すブロック図。
【図7】第1実施例の呼出転送システムを示すブロック図。
【図8】転送情報記憶部が記憶する転送情報のデータ例を示す図。
【図9】応答状況情報記憶部が記憶する応答状況情報のデータ例を示す図。
【図10】更新後の転送順位テーブルを示す図。
【図11】第2実施例で転送情報記憶部が記憶する転送情報のデータ例を示す図。
【図12】第2実施例で応答状況情報記憶部が記憶する応答状況情報のデータ例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の概要について説明する。図1は、本発明の転送順位設定装置を示している。転送順位設定装置10は、転送優先度更新部11を有する。応答状況情報記憶部12は、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する。転送優先度更新部11は、応答状況情報記憶部12を参照し、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べる。転送優先度更新部11は、転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて転送先の端末の転送優先度を更新する。
【0016】
本発明の転送順位設定装置は、着信先の端末への呼出が転送先の端末へ転送されたときに、転送先の端末が、応答したか、応答したがその後に転送したか、又は、応答しなかったかに応じて、転送優先度を更新する。本発明の転送順位設定装置では、呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じて、転送優先度を設定することができ、転送先の応答状況を、転送順位に反映することができる。
【0017】
図2は、本発明の呼出転送システムを示している。呼出転送システム20は、呼出管理部21、転送先決定部22、応答状況判定部23、及び、転送優先度更新部24を有する。呼出管理部21は、発信元の端末からの呼出要求を受けて着信先の端末を呼び出す。また、呼出管理部21は、着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、呼出を着信先の端末とは異なる転送先の端末に転送する。
【0018】
転送情報記憶部25は、転送情報を記憶する。転送情報は、着信先の端末と着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む。転送先決定部22は、転送情報記憶部25を参照し、転送優先度に従って、呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から、呼出を転送する転送先の端末を決定する。
【0019】
応答状況判定部23は、呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、転送先の応答状況を応答状況情報記憶部26に記憶する。転送優先度更新部24は、応答状況情報記憶部26を参照し、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べる。転送優先度更新部24は、転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて転送先の端末の転送優先度を更新し、転送情報記憶部25に記憶する。
【0020】
本発明の呼出転送システムでは、転送優先度更新部24は、応答状況情報記憶部26を参照して、着信先の端末への呼出が転送先の端末へ転送されたときに、転送先の端末が、応答したか、応答したがその後に転送したか、又は、応答しなかったかに応じて、転送優先度を更新する。本発明の呼出転送システムでは、呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じて、転送優先度を設定することができ、転送先の応答状況を、転送順位に反映することができる。転送先決定部22が、転送優先度に従って転送先を決定し、呼出管理部21が決定された転送先に呼出を転送することで、転送先の応答状況に応じた転送順位で、呼出を転送することができる。
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図3は、本発明の第1実施形態の転送システムを示している。転送システムは、アプリケーション(AP)サーバ100と、呼制御サーバ110とを有する。端末A120、端末B130、端末C140、及び、端末D150は、ユーザが使用する端末装置である。APサーバ100、呼制御サーバ110、端末A120、端末B130、端末C140、及び、端末D150は、それぞれ通信路160を介して相互に接続される。
【0022】
APサーバ100及び呼制御サーバ110は、プログラム制御で動作するコンピュータシステムである。APサーバ100は、転送情報記憶部101と、手動転送判断部102と、応答状況情報記憶部103とを有する。呼制御サーバ110は、呼出管理部111を有する。端末A120は、呼出送受信部121と、応答送受信部122とを有する。端末B130は、呼出送受信部131と、応答送受信部132とを有する。端末C140は、呼出送受信部141と、応答送受信部142とを有する。端末D150は、呼出送受信部151と、応答送受信部152とを有する。
【0023】
端末A120の呼出送受信部121は、呼制御サーバ110に、着信先を指定して呼出を要求する。例えば、呼出送受信部121は、端末B130を呼び出すときは、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと含む呼出要求情報を呼制御サーバ110に送信する。ここで、アドレスとは、回線交換で使用する電話番号や、Voice over IP(VoIP)で使用するSession Initiation Protocol Uniform Resource Identifier(SIP URI)といった端末識別子のことある。呼出送受信部121は、他の端末から端末A120を着信先とする呼出があったとき、又は、他の端末を着信先とする呼出が端末A120に転送されたときは、呼制御サーバ110から、発信元のアドレスと、着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとを含む呼出情報を受信する。
【0024】
応答送受信部122は、呼制御サーバ110から、呼出送受信部121が送信した呼出要求情報に対する応答結果を受信する。応答結果は、発信元のアドレスと、着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとを含む。また、応答送受信部122は、端末A120が呼制御サーバ110からの呼出に応答するときは、発信元のアドレスと、着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとを含む応答情報を、呼制御サーバ110に送信する。応答送受信部122は、端末A120が応答した後に、呼出を転送するときは、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求情報を呼制御サーバ110に送信する。転送要求情報は、発信元のアドレスと、着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとを含む。
【0025】
端末B130、端末C140、及び、端末D150内の各部の動作は、端末A120内の各部の動作と同様である。すなわち、呼出送受信部131、141、及び、151の動作は、上記した呼出送受信部121の動作と同様である。また、応答送受信部132、142、及び、152の動作は、上記した応答送受信部122の動作と同様である。
【0026】
呼制御サーバ110の呼出管理部111は、発信元の端末の呼出送受信部から、呼出要求情報を受信する。呼出管理部111は、呼出要求情報を受信すると、呼出要求情報に含まれる着信先を、呼出先として呼び出す。呼出管理部111は、呼出先の端末の呼出送受信部に、呼出要求情報に含まれる発信元のアドレス及び着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとを含む呼出情報を送信する。呼出管理部111は、呼出先が応答すると、呼出先の端末の応答送受信部から応答情報を受信する。呼出管理部111は、発信元の端末の応答送受信部に応答結果を送信すると共に、受信した応答情報を手動転送判断部102に送信する。
【0027】
呼出管理部111は、呼出情報の送信後、呼出先が応答しないときは、呼出を着信先の端末とは異なる転送先の端末に転送する。その際、呼出管理部111は、APサーバ100に呼出先が応答しない旨の不応答情報を出力し、呼出の転送先の決定を依頼する。不応答情報は、発信元のアドレスと着信先のアドレスと呼出先のアドレスとを含む。また、呼出管理部111は、呼出先が応答した後に、呼出に応答した端末の応答送受信部から、転送要求情報を受信する。呼出管理部111は、転送要求情報を受信すると、受信した転送要求情報を、APサーバ100に送信する。
【0028】
APサーバ100の転送情報記憶部101は、転送情報を記憶する。転送情報は、着信先の端末と、着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む。具体的には、転送情報は、着信先の端末のアドレスと、転送先の端末のアドレスと、転送先に対して設定された転送優先度(ウェイト)と、転送順位とを組にした情報を含む。転送順位は、転送優先度の大きさに応じて決まる。転送優先度が高い転送先の転送順位が高いものとする。
【0029】
手動転送判断部102は、呼出管理部111から、応答情報、不応答情報、及び、転送要求情報を受信する。手動転送判断部102は、転送先の決定、転送先の応答状況の記憶、及び、転送情報における転送優先度の更新を行う。手動転送判断部102は、転送先決定部104、応答状況判定部105、及び、転送優先度更新部106を有する。
【0030】
転送先決定部104は、手動転送判断部102が不応答情報又は転送要求情報を受信すると、転送情報記憶部101を参照し、呼出の転送先を決定する。転送先決定部104は、転送先の決定では、転送情報記憶部101に、不応答情報又は転送要求情報に含まれる着信先のアドレスと組にして記憶された転送先が存在するか否かを調べる。手動転送判断部102は、転送先が存在するときは、着信先のアドレスと組にして記憶された複数の転送先の端末の中から、転送優先度に従って、呼出を転送する端末を決定する。転送先決定部104は、着信先に対して転送先が1つしかない場合は、その転送先を呼出の転送先として決定すればよい。
【0031】
転送先決定部104は、転送先を決定すると、呼出管理部111に、決定した転送先へ呼出を転送させる旨の転送指示情報を送信する。転送指示情報は、発信元のアドレスと着信先のアドレスと呼出先(転送先)のアドレスとを含む。呼出管理部111は、転送先決定部104から転送指示情報を受信すると、呼出中の呼出を止めて、転送指示情報に含まれる転送先を呼び出す。
【0032】
応答状況判定部105は、呼出の転送を受けた転送先の応答状況を判定する。応答状況判定部105は、手動転送判断部102が応答情報、不応答情報、又は、転送要求情報を受信すると、受信した応答情報、不応答情報、又は、転送要求情報に含まれる呼出先の応答状況を判定する。ただし、応答情報、不応答情報、及び、転送要求情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとが同じアドレスの場合は、応答した、応答しなかった、又は、転送を要求した呼出先は着信先であるので、応答状況判定部105は、応答状況の判定は行わない。
【0033】
応答状況判定部105は、応答情報が受信されたときは転送先である呼出先が応答した(応答済み)と判定し、不応答情報が受信されたときは転送先が応答しない(不応答)と判定する。また、応答状況判定部105は、転送要求情報が受信されたときは、転送された呼出に対して応答した転送先が、その後に応答した呼出を手動で転送した(手動転送)と判定する。手動転送判断部102は、応答状況情報を応答状況情報記憶部103に渡す。応答状況情報は、着信先のアドレスと、呼出先のアドレスと、呼出先の応答状況とを含む。応答状況情報記憶部103は、受け取った応答状況情報を記憶する。
【0034】
転送優先度更新部106は、応答状況情報記憶部103を参照して、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の応答状況(転送経緯)を調べる。転送優先度更新部106は、発信元と呼出先との接続が切断された後に、転送先の応答状況を調べる。転送優先度更新部106は、呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況に応じて、転送先の端末の転送優先度を更新する。すなわち、転送優先度更新部106は、転送先の応答状況が「応答済み」か、「手動転送」か、「不応答」であるかに応じて、各転送先の転送優先度を更新する。
【0035】
転送優先度更新部106は、応答状況が「手動転送」の転送先端末の転送優先度が、転送状況が「不応答」の転送先端末の転送優先度よりも相対的に低くなるように、転送優先度を更新する。また、転送優先度更新部106は、応答状況が「応答済み」の転送先端末の転送優先度が、応答状況が「不応答」の転送先端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、転送優先度を更新する。
【0036】
転送優先度の更新は、具体的には、以下のようにして行うことができる。転送優先度更新部106は、呼出先の応答状況に応じてウェイトを設定する。設定するウェイトは、転送先のうちで応答後に他の転送先へ転送した呼出先、転送先のうちで応答しなかった呼出先、転送先のうちで応答後に他の転送先へ転送しなかった呼出の順に大きな値とする。転送優先度更新部106は、設定したウェイトを、転送情報における転送優先度に加算し、転送優先度を更新する。転送優先度更新部106は、更新した転送優先度を、転送情報記憶部101に記憶する。
【0037】
図4は、呼出時の動作手順を示している。以下では、端末A120は、発信元のユーザが使用する端末であり、端末B130は、着信先のユーザが使用する端末であるとする。また、端末C140及び端末D150は、転送先のユーザが使用する端末であるとする。転送情報記憶部101は、APサーバ100内の記憶媒体(図示せず)に、端末B130への呼出を端末C140又は端末D150に転送する旨を表す転送情報を記憶している。すなわち、転送情報記憶部101は、着信先としての端末B130のアドレスに対し、転送先の端末のアドレスとして端末C140及び端末D150のアドレスを記憶している。端末C140と端末D150の転送優先度は初期値で、端末C140の転送順位は、端末D150の転送順位よりも上位であるとする。
【0038】
端末Aの呼出送受信部121は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスとを含む呼出要求情報を呼制御サーバ110の呼出管理部111に送信し、端末B130への呼出を要求する。呼出管理部111は、呼出要求情報を受信すると、呼出要求情報に含まれる着信先のアドレスの端末に対して、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末B130)のアドレスとを含む呼出情報を送信する。端末B130の呼出送受信部131は、呼出管理部111が送信した呼出情報を受信する。
【0039】
呼出管理部111は、端末B130が呼出に応答したか否かを判断する(ステップA1)。端末B130の応答送受信部132は、ユーザが応答すると、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末B130)のアドレスとを含む応答情報を呼制御サーバ110に送信する。呼出管理部111は、端末B130から応答情報を受信すると端末B130が応答したと判断する。呼出管理部111は、端末B130が呼出に応答したときは、発信元の端末A120と着信先の端末B130とを接続し、発信元(端末A120)のアドレス着信先(端末B130)のアドレス呼出先(端末B130)のアドレスを含む応答結果を、端末A120の応答送受信部122に送信する。
【0040】
また、呼出管理部111は、応答結果と同様の情報を含む応答情報を手動転送判断部102に送信する。手動転送判断部102の応答状況判定部105は、応答情報に含まれる着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとが一致しているか否かを調べる。端末B130が、着信先が端末B130である呼出に応答した場合、応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとは共に端末B130のアドレスになるので、両者は一致している。この場合、応答状況判定部105は、呼出先の応答状況の判定を行わない。
【0041】
呼出管理部111は、例えば、事前に設定されたコール数や呼出時間がしきい値を超えても着信先から応答情報を受信できないとき、端末B130が応答しないと判断する。呼出管理部111は、端末B130が応答しないと判断すると、発信元の端末A120からの呼出に対して着信先の端末B130が応答しない旨を示す不応答情報を手動転送判断部102に送信する。呼出管理部111が送信する不応答情報は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(端末B130)のアドレスとを含む。
【0042】
応答状況判定部105は、手動転送判断部102が不応答情報を受信すると、不応答情報に含まれる着信先のアドレスと、呼出先のアドレスとが一致しているか否かを調べる。端末B130が、着信先が端末B130である呼出に応答しない場合、不応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとは共に端末B130のアドレスになるので、両者は一致している。この場合、応答状況判定部105は、呼出先の応答状況の判定を行わない。
【0043】
転送先決定部104は、転送情報記憶部101に、不応答情報に含まれる着信先に対する転送先が記憶されているか否かを判断する(ステップA2)。転送先決定部104は、ステップA2では、転送情報記憶部101を参照し、着信先(端末B130)のアドレスと組にして記憶された転送先のアドレスがあるか否かを判断する。転送先決定部104は、着信先(端末B130)に対する転送先が転送情報記憶部101に記憶されていないとき、つまり、端末B130への着信を転送すべき転送先がないときは、処理を終了する。
【0044】
転送先決定部104は、端末B130への着信を転送すべき転送先が存在するときは、転送情報を参照して転送先を決定する。転送先決定部104は、着信先のアドレス(端末B130)と組にして記憶されている転送先の中から、転送優先度に従って、転送順位が上位の端末から順に、転送先端末を決定する。転送情報記憶部101には、着信先が端末B130の呼出に対する転送先として、端末C140及び端末D150のアドレスが記憶されている。端末C140の転送順位は、端末D150の転送順位よりも上位なので、転送先決定部104は、はじめに端末C140を転送先として決定する。
【0045】
転送先決定部104は、転送先を決定すると、決定した転送先の端末へ呼出を転送する旨の転送指示情報を呼出管理部111に送信する。より詳細には、転送先決定部104は、端末B130への着信が端末C140へ転送されるようにするため、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと転送先(端末C140)のアドレスとを含む転送指示情報を、呼出管理部111に送信する。
【0046】
呼出管理部111は、転送指示情報を受信すると、端末B130への呼出を中止し、転送指示情報に従って、転送先の端末C140を呼び出す(ステップA3)。呼出管理部111は、ステップA3では、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む呼出情報を端末C140に送信し、端末C140を呼び出す。端末C140の呼出送受信部141は、呼出管理部111から、呼出情報を受信する。応答送受信部142は、ユーザが転送された呼出に応答すると、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む応答情報を呼出管理部111に送信する。
【0047】
呼出管理部111は、転送先の呼出後、呼出先が応答したか否かを判断する(ステップA4)。ステップA4の呼出先が応答したか否かの判断は、ステップA1の呼出先が応答したか否かの判断と同様な処理である。呼出管理部111は、呼出先が応答したときは、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスをと含む応答結果を、端末A120の応答送受信部122に送信し、発信元の端末A120と転送先の端末C140とを接続する。
【0048】
また、呼出管理部111は、転送先の端末C140が呼出に応答すると、応答結果と同様な情報を含む応答情報を手動転送判断部102に送信する。手動転送判断部102の応答状況判定部105は、呼出管理部111が応答情報を受信すると、応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとが一致するか否かを調べる。端末B130を着信先とする呼出に対して、呼出先の端末C140が呼出に応答したとき、応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとは一致しない。この場合、応答状況判定部105は、手動転送判断部102が受信した情報が応答情報であることから、呼出先の端末C140の応答状況を「応答済み」と判定する。
【0049】
手動転送判断部102は、応答状況の判断後、応答情報に含まれる着信先(端末B130)のアドレス及び呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「応答済」とを、応答状況情報記憶部103に渡す。応答状況情報記憶部103は、APサーバ100内の記録媒体に、着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスと応答状況「応答済」とを記憶する(ステップA5)。つまり、応答状況情報記憶部103は、着信先が端末B130の呼出に対して、転送先の端末C140が応答した旨の応答状況情報を記憶する。
【0050】
呼出管理部111は、発信元と呼出先との接続が切断されたか否かを判断する(ステップA6)。呼出管理部111は、発信元と呼出先との間の接続が切断されていないときは、繰り返しステップA6を実行し、発信元と呼出先との接続が切断されるまで待機する。
【0051】
呼出管理部111は、ステップA4で呼出先が応答しないと判断すると、呼出元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む不応答情報を手動転送判断部102に送信する。応答状況判定部105は、手動転送判断部102が呼出管理部111から不応答情報を受信すると、不応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとが一致するか否かを調べる。端末B130を着信先とする呼出に対して、呼出先の端末C140が呼出に応答しないとき、不応答情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとは一致しない。この場合、応答状況判定部105は、受信した情報が不応答情報であることから、呼出先の端末C140の応答状況を「不応答」と判定する。
【0052】
応答状況判定部105は、応答状況の判定後、不応答情報に含まれる着信先(端末B130)のアドレス及び呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「不応答」とを、応答状況情報記憶部103に渡す。応答状況情報記憶部103は、APサーバ内の記録媒体に、着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスと応答状況「不応答」とを記憶する(ステップA7)。
【0053】
転送先決定部104は、手動転送判断部102が不応答情報を受信すると、転送情報記憶部101に、不応答情報に含まれる着信先に対する他の転送先が記憶されているか否かを判断する(ステップA8)。手動転送判断部102は、他の転送先があるときは、転送順位に従って、次の転送先(端末D150)を決定する。転送先決定部104は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先のアドレス(端末D150)とを含む転送指示情報を呼出管理部111に送信する。
【0054】
ステップA3に戻り、呼出管理部111は、転送指示情報に従って、次の転送先(端末D150)を呼び出す。その後、端末D150が呼出に応答したときは、応答状況情報記憶部103は、ステップA5で応答状況「応答済み」を記憶し、端末D150が応答しないときは、ステップA7で応答状況「不応答」を記憶する。転送システムは、他の転送先がなくなるまで、ステップA3〜ステップA8を繰り返し実行し、着信先の端末B130への呼出に対する転送先に、順次に呼出を転送する。
【0055】
呼出に応答したユーザは、応答後、任意のタイミングで、端末A120からの呼出を他の端末に手動転送することができる。転送先の端末が手動転送を行うと、応答状況判定部105は、応答状況情報記憶部103に応答状況「手動転送」を記憶する。手動転送の動作手順の詳細は後述する。
【0056】
呼出管理部111は、ステップA6で接続が切断されたと判断すると、端末A120に送信した応答結果に含まれる、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む切断結果を、手動転送判断部102に送信する。転送優先度更新部106は、手動転送判断部102が切断結果を受信すると、転送優先度の更新を行う(ステップA9)。転送優先度更新部106は、ステップA8で他の転送先がないと判断したときも、ステップA9に進み、端末B130への呼出に対する転送先の転送優先度を更新する。
【0057】
転送優先度更新部106は、ステップA9では、応答状況情報記憶部103から、切断結果に含まれる着信先の端末(端末B130)のアドレスを着信先のアドレスとして含む応答状況情報を取得する。転送優先度更新部106は、取得した応答状況情報に含まれる呼出先の応答状況「手動転送」、「不応答」、「応答済み」に応じて、端末B130への着信を転送すべき各転送先の転送優先度を更新する。転送優先度更新部106は、応答後に手動転送した呼出先、応答しなかった呼出先、応答後に手動転送しなかった呼出先の順に、大きなウェイトを設定し、呼出先ごとに設定したウェイトを、転送情報記憶部101に記憶されている転送情報の転送優先度に加算して、転送情報の転送順位を更新する。転送順位の更新後、手動転送判断部102は、応答状況情報記憶部103から、着信先が端末B130のアドレスとなっている応答状況情報を削除する。
【0058】
図5は、手動転送時の動作手順を示している。各端末のユーザは、発信元からの呼出に対して応答した後に、任意のタイミングで、他の端末への転送を要求できる。以下では、端末C140のユーザが、発信元(端末A120)から着信先(端末B130)への呼出の転送を受けて応答したものの、端末A120のユーザの要件を解決できずに、更に別の転送先へ呼出を転送する例を用いて説明する。
【0059】
端末C140の応答送受信部142は、ユーザが転送を要求すると、転送要求情報を呼制御サーバ110へ送信する。転送要求情報は、呼出の転送時に呼出送受信部141が受信した呼出情報に含まれる発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む。呼制御サーバ110の呼出管理部111は、転送要求情報を受信したか否かを判断する(ステップB1)。呼出管理部111は、転送要求情報を受信しないときは、図4のステップA6へ移行して、接続が切断されるまで待機する。
【0060】
呼出管理部111は、受信した転送要求情報を手動転送判断部102に送信する。応答状況判定部105は、手動転送判断部102が転送要求情報を受信すると、転送要求情報に含まれる着信先のアドレスと呼出先のアドレスとが一致しているか否かを調べる。手動転送判断部102は、転送要求情報に含まれる着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとが一致していないことを確認すると、転送要求情報を受信したことから、呼出先の端末(端末C140)の応答状況が「手動転送」と判断する。仮に、呼出先のアドレスが端末B130のアドレスであるとすれば、呼出先は着信先であるので、応答状況判定部105は、応答状況の判定を行う必要がない。
【0061】
応答状況判定部105は、応答状況情報記憶部103から、転送要求情報に含まれる着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとに対して記憶済みの応答状況情報を取得する。応答状況判定部105は、取得した応答状況情報における応答状況を、「応答済み」から「手動転送」に変更するために、着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスと応答状況「手動転送」とを応答状況情報記憶部103に渡す。応答状況情報記憶部103は、着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスと応答状況「手動転送」とを、APサーバ100内の図示しない記憶媒体に記憶する(ステップB2)。
【0062】
応答状況の判定後、図4のステップA3に進み、転送先決定部104は、転送先を決定し、決定した転送先のアドレスを含む転送指示情報を呼出管理部111に送信して、呼出を端末C140から更に別の端末へ転送させる。転送先決定部104は、転送先が応答しないときは、転送順位が高い順に、更に別の転送先に呼出を転送する。応答状況情報記憶部103は、転送先の呼出状況に応じて、応答状況「応答済み」又は「不応答」を記憶する。手動転送で呼出の転送を受けて応答した端末のユーザは、更に別の端末への転送を要求することもできる。
【0063】
本実施形態では、応答状況判定部105は、呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を判定し、応答状況情報記憶部103に記憶する。転送優先度更新部106は、応答状況情報記憶部103を参照し、3つの応答状況「応答済」「不応答」「手動転送」に応じて、転送優先度を更新する。このようにすることで、呼出の転送を受けた転送先の応答状況に応じて、転送優先度を設定することができ、転送先の応答状況を、転送順位に反映することができる。また、転送先決定部104が、転送優先度に従って転送先を決定し、呼出管理部111が決定された転送先に呼出を転送することで、着信先ごとに、転送先の応答状況に応じた転送順位で、呼出を転送することができる。
【0064】
なお、図4のステップA1及びステップA4では、呼出管理部111が所定コール数だけコールしても呼出先が応答しないときや、所定の呼出時間が経過するまでに呼出先が応答しないときに、呼出先が応答しないと判断するとして説明したが、これには限られない。例えば、呼出先の端末のユーザが、着信できないことを意思表示する操作を行ってもよい。ユーザが、応答不可の操作を行うと、呼出先の端末が呼制御サーバに、応答不可を示す情報を送信する。呼出管理部111は、応答不可を示す情報を受信すると、呼出先が応答しないと判断して、手動転送判断部102に、不応答情報を送信してもよい。
【0065】
また、ステップA1及びステップA4で呼出先が応答しないと判断する際の基準となる所定コール数や所定時間は、固定されたコール数や時間でなくてもよく、呼出先の過去の応答履歴に応じて、コール数や時間を変更してもよい。例えば、各端末の過去の応答履歴を記録しておき、呼出管理部111は、過去の応答履歴を参照して、一定時間前からの呼出に対する呼出先の応答状況を調べる。呼出管理部111は、一定時間前から、呼出先が呼出に応答していないことを検出すると、当該呼出先は、処理中の呼出に対しても応答できない可能性が高いと判断し、不応答を判断するためのコール数や呼出時間といったしきい値を減らしてもよい。
【0066】
図6は、本発明の第2実施形態の呼出転送システムを示している。転送システムは、APサーバ100と、呼制御サーバ110とを有する。端末A120、端末B130、端末C140、及び、端末D150は、ユーザが使用する端末装置である。APサーバ100、呼制御サーバ110、端末A120、端末B130、端末C140、及び、端末D150は、それぞれ通信路160を介して相互に接続される。
【0067】
APサーバ100は、転送情報記憶部101と、手動転送判断部102と、応答状況情報記憶部103とを有する。呼制御サーバ110は、呼出管理部111を有する。端末A120は、呼出送受信部121と、応答送受信部122と、転送先選択部123とを有する。端末B130は、呼出送受信部131と、応答送受信部132と、転送先選択部133とを有する。端末C140は、呼出送受信部141と、応答送受信部142、転送先選択部143とを有する。端末D150は、呼出送受信部151と、応答送受信部152と、転送先選択部153とを有する。
【0068】
本実施形態は、第1実施形態とは、各端末が転送先選択部を有する点で相違する。また、本実施形態では、転送情報に、一つの発信元のアドレスと着信先のアドレスとの組に対して、複数の転送先のアドレスを対応付けた転送情報を用いる。転送先決定部104は、呼出の発信元と着信先と組にして記憶された複数の転送先の中から、転送順位に従って、転送先を決定する。応答状況判定部105は、発信元の端末から着信先の端末への呼出に対する転送先の応答状況を、応答状況情報記憶部103に記憶する。その他の点は、第1実施形態と同様である。
【0069】
端末A120の転送先選択部123は、応答送受信部が転送要求情報を送信する際に、転送先の端末を指定する機能を提供する。転送先選択部123は、例えば、端末A120内に登録されているアドレスデータを表示し、ユーザに転送先の指定を促す。転送先選択部123は、ユーザが転送先を指定すると、ユーザが指定した転送先の端末のアドレスを応答送受信部122に渡す。ユーザは、転送情報記憶部101に、発信元から着信先への呼出に対する転送先として記憶されていない端末を、呼出の転送先として指定することができる。
【0070】
応答送受信部122は、指定された転送先へ転送を要求する旨の指定転送要求を呼制御サーバ110に送信する。指定転送要求は、発信元の端末のアドレスと、着信先の端末のアドレスと、呼出先の端末のアドレスと、転送先の端末のアドレスとを含む。端末B130の転送先選択部133、端末C140の転送先選択部143、及び、端末D150の転送先選択部153の動作は、端末A120の転送先選択部123の動作と同様である。
【0071】
呼出管理部111は、指定転送要求情報を受けると、指定転送要求情報に含まれる転送先の端末に呼出情報を送信し、転送先を呼び出す。また、呼出管理部111は、指定転送要求情報を手動転送判断部102に送信する。指定転送要求情報は、発信元の端末のアドレスと、着信先の端末のアドレスと、呼出先の端末のアドレスと、転送先の端末のアドレスとを含む。
【0072】
応答状況判定部105は、手動転送判断部102が指定転送要求情報を受信すると、指定転送要求情報に含まれる発信元の端末から着信先の端末への呼出に対する転送先の端末の応答状況が「手動転送」であると判定する。応答状況判定部105は、応答状況情報記憶部103から、指定転送要求情報に含まれる発信元のアドレスと着信先のアドレスと呼出先のアドレスとに対して記憶済みの応答状況情報を取得する。応答状況判定部105は、取得した応答状況情報における応答状況を、「応答済み」から「手動転送」に変更し、応答状況情報記憶部103に記憶する。
【0073】
呼出管理部111からの呼出に対し、指定転送要求で指定された転送先の端末が応答すると、その転送先の端末の応答送受信部は、応答情報を呼出管理部111に送信する。呼出管理部111は、発信元と転送先とを接続し、発信元の端末の応答送受信部に応答結果を送信すると共に、受信した応答情報を手動転送判断部102に送信する。応答状況判定部105は、応答情報を受信すると、応答した呼出先が指定転送要求で指定された転送先であることを認識し、転送先の応答状況を「指定転送応答済み」と判定する。応答状況判定部105は、発信元の端末のアドレスと、着信先の端末のアドレスと、呼出先(指定転送先)の端末のアドレスと、応答状況「指定転送応答済み」とを、応答状況情報記憶部103に記憶する。
【0074】
以下、動作手順について説明する。呼出時の動作手順は、図4に示す動作手順と同様である。転送情報記憶部101は、端末A120のアドレスと端末B130のアドレスの組に対して、転送先の端末のアドレスとして端末C140のアドレス及び端末D150のアドレスを記憶しているとする。すなわち、転送情報記憶部101は、端末A120から端末B130への呼出に対して、端末C140及び端末D150を転送先とする旨の転送情報を記憶しているとする。端末C140と端末D150の転送優先度は初期値で、端末C140の転送順位は、端末D150の転送順位よりも高く設定されているとする。
【0075】
端末Aの呼出送受信部121は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスとを含む呼出要求情報を呼制御サーバ110の呼出管理部111に送信し、端末B130への呼出を要求する。呼出管理部111は、呼出要求情報を受信すると、端末B130を呼び出す。呼出管理部111は、呼び出し後、ステップA1で、端末B130が呼出に応答したか否かを判断する。呼出管理部111は、例えば、事前に設定されたコール数や呼出時間がしきい値を超えても着信先から応答情報を受信できないとき、端末B130が応答しないと判断する。
【0076】
呼出管理部111は、端末B130が応答しないと判断すると、発信元の端末A120からの呼出に対して着信先の端末B130が応答しない旨を示す不応答情報を手動転送判断部102に送信する。手動転送判断部102の転送先決定部104は、ステップA2で、転送情報記憶部101に、不応答情報に含まれる発信元と着信先との組に対する転送先が記憶されているか否かを判断する(ステップA2)。転送先決定部104は、ステップA2では、転送情報記憶部101を参照し、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスとの組に対して記憶された転送先のアドレスがあるか否かを判断する。
【0077】
転送情報記憶部101は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスとの組に対して、端末C140のアドレスと端末D150のアドレスとを記憶している。転送先決定部104は、端末C140と端末D150のうち、転送順位が高い端末C140を転送先として決定する。転送先決定部104は、転送先を決定すると、決定した転送先の端末C140へ呼出を転送する旨の転送指示情報を呼出管理部111に送信する。転送指示情報は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと転送先(端末C140)のアドレスとを含む。
【0078】
呼出管理部111は、ステップA3で、端末B130への呼出を中止し、受信した転送指示情報に従って、転送先の端末C140を呼び出す。呼出管理部111は、ステップA4で、転送先の呼出後、呼出先が応答したか否かを判断する。呼出管理部111は、転送先の端末C140が呼出に応答すると、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む応答情報を手動転送判断部102に送信する。
【0079】
応答状況判定部105は、手動転送判断部102が応答情報を受信すると、転送先の端末C140の応答状況を「応答済み」と判定する。応答状況情報記憶部103は、ステップA5で、端末A120を発信元とし端末B130を着信先とする呼出に対して、呼出先の端末C140が呼出に応答した旨の応答状況情報をAPサーバ100内の図示しない記録媒体に記憶する。応答状況情報は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「応答済」とを含む。その後、呼出管理部111は、発信元と呼出先との間の接続が切断されるまで、繰り返しステップA6を実行し、発信元と呼出先との接続が切断されるまで待機する。
【0080】
呼出管理部111は、ステップA4で呼出先が応答しないと判断すると、呼出元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む不応答情報を手動転送判断部102に送信する。応答状況判定部105は、手動転送判断部102が不応答情報を受信すると、転送先の端末C140の応答状況を「不応答」と判定する。応答状況情報記憶部103は、ステップA7で、端末A120を発信元とし端末B130を着信先とする呼出に対して、呼出先の端末C140が呼出に応答しない旨の応答状況情報をAPサーバ100内の図示しない記録媒体に記憶する。応答状況情報は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「不応答」とを含む。
【0081】
手動転送判断部103は、手動転送判断部102が不応答情報を受信すると、ステップA8で、転送情報記憶部101に、不応答情報に含まれる発信元と着信先との組に対する他の転送先が記憶されているか否かを判断する。手動転送判断部102は、次に転送順位が高い端末D150を、次の転送先として決定する。転送先の決定後、転送先決定部104は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先のアドレス(端末D150)とを含む転送指示情報を呼出管理部111に送信する。その後、ステップA3に戻り、呼出管理部111は、次の転送先を呼び出す。呼出転送システムは、他の転送先がなくなるまで、ステップA3〜ステップA8を繰り返し実行し、発信元の端末A120から着信先の端末B130への呼出に対する転送先に、順次に呼出を転送する。
【0082】
呼出に応答したユーザは、応答後、任意のタイミングで、端末A120からの呼出を他の端末に手動転送することができる。手動転送には、転送先を指定しない手動転送と、転送先を指定した手動転送とがある。ここでは、端末C140が転送された呼出に対して応答した後に、手動転送を行う場合を考える。
【0083】
応答転送先を指定せずに手動転送を行う場合、端末C140の応答送受信部142は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスとを含む転送要求情報を呼制御サーバ110に送信する。呼制御サーバ110の呼出管理部111は、図5のステップB1で転送要求情報を受信したと判断すると、受信した転送要求情報を手動転送判断部102に送信する。
【0084】
応答状況判定部105は、手動転送判断部102が転送要求情報を受信すると、発信元の端末A120から着信先の端末B130への呼出に対する転送先の端末C140の応答状況を「手動転送」と判定する。応答状況情報記憶部103は、ステップB2で、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「手動転送」とをAPサーバ100内の図示しない記憶媒体に記憶する。
【0085】
応答状況の判定後、図4のステップA3に進み、転送先決定部104が転送先を決定し、呼出管理部111は転送先の端末を呼び出す。応答状況情報記憶部103は、呼出を受けた転送先が応答したときは、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先の端末(端末B130)と、呼出先の端末のアドレスと、応答状況「応答済み」とを記憶する。応答状況情報記憶部103は、呼出を受けた転送先が応答しないときは、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先の端末(端末B130)と、呼出先の端末のアドレスと、応答状況「不応答」とを記憶する。
【0086】
応答転送先を指定して手動転送を行う場合、端末C140の転送先選択部143は、ユーザからの指定を受けて、転送先の端末を決定し、指定転送先となる端末のアドレスを応答送受信部142に渡す。応答送受信部142は、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先(端末C140)のアドレスと指定転送先の端末のアドレスを含む指定転送要求情報を呼制御サーバ110に送信する。呼制御サーバ110の呼出管理部111は、ステップB1で指定転送要求情報を受信したと判断すると、指定転送先の端末を呼び出すと共に、受信した指定転送要求情報を手動転送判断部102に送信する。
【0087】
応答状況判定部105は、手動転送判断部102が指定転送要求情報を受信すると、発信元の端末A120から着信先の端末B130への呼出に対する転送先の端末C140の応答状況を「手動転送」と判定する。応答状況情報記憶部103は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(端末C140)のアドレスと、応答状況「手動転送」とをAPサーバ100内の図示しない記憶媒体に記憶する。
【0088】
応答状況判定部105は、指定転送先の端末が応答すると、発信元の端末A120から着信先の端末B130への呼出に対する指定転送先の端末の応答状況を「指定転送応答済み」と判定する。応答状況情報記憶部103は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(指定転送先の端末)のアドレスと、応答状況「指定転送応答済み」とをAPサーバ100内の図示しない記憶媒体に記憶する。
【0089】
応答状況判定部105は、指定転送先の端末が応答しないときは、発信元の端末A120から着信先の端末B130への呼出に対する指定転送先の端末の応答状況を「不応答」と判定する。応答状況記憶部103は、発信元(端末A120)のアドレスと、着信先(端末B130)のアドレスと、呼出先(指定転送先の端末)のアドレスと、応答状況「不応答」とをAPサーバ100内の図示しない記憶媒体に記憶する。指定転送先の端末が応答しないときは、図4のステップA9に進み、転送先を指定しない手動転送と同様な手順で、次の転送先を決定すればよい。
【0090】
呼出管理部111は、ステップA6で接続が切断されたと判断すると、発信元(端末A120)のアドレスと着信先(端末B130)のアドレスと呼出先のアドレスとを含む切断結果を、手動転送判断部102に送信する。転送優先度更新部106は、ステップA9で、手動転送判断部102が切断結果を受信すると、転送優先度の更新を行う。
【0091】
転送優先度更新部106は、ステップA9では、応答状況情報記憶部103から、切断結果に含まれる発信元の端末(端末A120)のアドレスを発信元とし、着信先の端末(端末B130)のアドレスを着信先として含む応答状況情報を取得する。転送優先度更新部106は、取得した応答状況情報に含まれる呼出先の応答状況「手動転送」、「不応答」、「応答済み」、「指定転送応答済み」に応じて、端末A120から端末B130への呼出を転送すべき各転送先の転送優先度を更新する。
【0092】
転送優先度更新部106は、応答後に手動転送した呼出先、応答しなかった呼出先、応答後に手動転送しなかった呼出先、指定転送に対して応答した呼出先の順に、大きなウェイトを設定し、呼出先ごとに設定したウェイトを、転送情報記憶部101に記憶されている転送情報の転送優先度に加算して、転送情報の転送順位を更新する。指定転送の呼出先の端末のアドレスが、転送情報記憶部101に記憶されていないときは、転送情報記憶部101に指定転送先を追加し、転送優先度の更新を行う。その際、転送優先度更新部106は、更新前の指定転送先の転送優先度は初期値であるものとして、処理を行えばよい。転送順位の更新後、手動転送判断部102は、応答状況情報記憶部103から、発信元が端末A120で着信先が端末B130のアドレスとなっている応答状況情報を削除する。
【0093】
本実施形態では、転送情報記憶部101は、発信元と着信先との組み合わせに対して複数の転送先を記憶し、応答状況情報記憶部103で、発信元と着信先との組み合わせごとに、転送先での応答状況を管理する。転送先決定部104は、転送情報記憶部101を参照し、呼出の発信元と着信先との組み合わせに該当する転送先の中から、転送優先度に従って、呼出の転送先を決定する。このようにすることで、発信元と着信先との組み合わせに応じて、その組み合わせに対する転送先へ呼出を転送することができる。また、本実施形態では、転送先選択部を備えることで、呼出を受けた端末は、任意の端末を転送先として、呼出を指定した転送先の端末に転送することができる。
【0094】
本実施形態では、転送優先度更新部106は、「手動転送」、「不応答」、「応答済み」、「指定転送応答済み」の順で、転送先端末の転送優先度が相対的に高くなるように、各転送先の転送優先度を更新する。呼出先のユーザが転送先選択部を用いて指定した転送先は、最も適切な転送先と判断することができる。指定転送先が転送された呼出に対して応答したときに、「指定転送応答済み」の転送先の転送優先度が相対的に高くなるように転送優先度を更新することで、次回からの呼出に対して、適切な転送優先度で、呼出を転送することができる。
【0095】
以下、実施例を用いて説明する。第1実施例は、第1実施形態に基づいた呼出転送システムである。第1実施例では、父、母、長男、長女、二女からなる家族間の通話転送を例に説明する。図7は、第1実施例の呼出転送システムを示している。第1実施例の呼出転送システムは、APサーバ300と、呼制御サーバ310とを有する。APサーバ300と呼制御サーバ310とは、専用線370で接続されている。
【0096】
携帯電話320は、父が使用する携帯電話機であり、携帯電話330は、母が使用する携帯電話機である。携帯電話340は、長男が使用する携帯電話機であり、携帯電話350は、長女が使用する携帯電話機であり、携帯電話360は、二女が使用する携帯電話機である。各携帯電話は、公衆回線380を介して相互に接続されている。APサーバ300、呼制御サーバ310、携帯電話320、携帯電話330、携帯電話340、携帯電話350、及び、携帯電話360は、それぞれ、ハードディスクやCPU、メモリなどを備える通信装置である。
【0097】
APサーバ300は、転送情報記憶部301、手動転送判断部302、及び、応答状況情報記憶部303を備える。APサーバ300内の各部の機能は、APサーバ300がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、APサーバ300が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、APサーバ300が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0098】
呼制御サーバ310は、呼出管理部311を備える。呼出管理部311の機能は、呼制御サーバ310がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、呼制御サーバ310が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、呼制御サーバ310が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0099】
携帯電話320は、呼出送受信部321と、応答送受信部322とを備える。携帯電話320内の各部の機能は、携帯電話320がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話320が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話320が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0100】
携帯電話330は、呼出送受信部331と、応答送受信部332とを備える。携帯電話330内の各部の機能は、携帯電話330がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話330が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話330が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0101】
携帯電話340は、呼出送受信部341と、応答送受信部342とを備える。携帯電話340内の各部の機能は、携帯電話340がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話340が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話340が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0102】
携帯電話350は、呼出送受信部351と、応答送受信部352とを備える。携帯電話350内の各部の機能は、携帯電話350がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話350が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話350が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0103】
携帯電話360は、呼出送受信部361と、応答送受信部362とを備える。携帯電話360内の各部の機能は、携帯電話360がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話360が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話360が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0104】
図8は、転送情報記憶部301が記憶する転送情報のデータ例を示している。転送情報記憶部301は、着信先テーブル400と、転送先テーブル410と、転送順位テーブル420とで、転送情報を記憶する。着信先テーブル400と、転送先テーブル410と、転送順位テーブル420は、「登録No」が同じものを組として管理する。
【0105】
着信先テーブル400の登録No.001には、携帯電話330の電話番号(090−1111−2222)が登録されている。また、転送先テーブル410の登録No.001には、携帯電話340の電話番号(090−1111−3333)と、携帯電話350の電話番号(090−1111−4444)と、携帯電話360の電話番号(090−1111−5555)とが、転送先の電話番号として登録されている。
【0106】
転送順位テーブル420の登録No.001の各転送先には、ウェイトの初期値「0」が登録されている。また、転送順位テーブル420には、転送順位の初期値として、携帯電話340の「転送順位」は「1」、携帯電話350の「転送順位」は「2」、携帯電話360の「転送順位」は「3」が登録されている。転送先テーブル410の「転送先の電話番号」にはそれぞれ「転送先No」がつけられ、転送先テーブルと転送順位テーブル420とは、「転送先No」が同じものを組として管理する。
【0107】
呼出の手順について説明する。父が、携帯電話320を用いて、母の携帯電話330を呼び出す。呼出に際して、携帯電話320の呼出送受信部321は、発信元(携帯電話320)の電話番号と、着信先(携帯電話330)の電話番号とを含む呼出要求情報を呼出管理部311へ送信する。呼出管理部311は、携帯電話320から呼出要求を受信すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話330)の電話番号を含む呼出情報を携帯電話330に送信し、携帯電話330を呼び出す。
【0108】
呼出管理部311は、携帯電話330が応答したか否かを判断する。呼出管理部311は、携帯電話330が10コール呼び出しても応答しないときは、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話330)の電話番号を含む不応答情報を、手動転送判断部302に送信する。手動転送判断部302は、不応答情報を受信すると、不応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話330)の電話番号が同じであることを確認する。手動転送判断部302は、着信先と呼出先とが同じであるので、応答状況の判定は行わない。
【0109】
手動転送判断部302は、転送情報記憶部301から、着信先(携帯電話330)の電話番号に対応する登録No.001を取得する。手動転送判断部302は、転送順位テーブル420を参照して、取得した登録No.001に対応する転送先の転送順位を調べる。手動転送判断部302は、転送先テーブル410から、転送順位が最上位の転送先No.01に対応する転送先(携帯電話340)の電話番号(090−1111−3333)を取得する。
【0110】
手動転送判断部302は、転送情報記憶部301から転送先の電話番号を取得すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の電話番号とを含む転送指示情報を、呼出管理部311に送信する。呼出管理部311は、転送指示情報を受信すると、携帯電話330への呼出を止めて、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の電話番号を含む呼出情報を携帯電話340に送信し、携帯電話340を呼び出す。
【0111】
呼出管理部311は、転送先の携帯電話340が応答したか否かを判断する。呼出管理部311は、携帯電話340が10コール呼び出しても応答しないときは、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の電話番号を含む不応答情報を、手動転送判断部302に送信する。手動転送判断部302は、不応答情報を受信すると、不応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の電話番号が異なる。手動転送判断部302は、呼出先(携帯電話340)の応答状況を「不応答」と判定する。手動転送判断部302は、不応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の電話番号と呼出先(携帯電話340)の応答状況「不応答」とを含む応答状況情報を応答状況情報記憶部303に渡し、応答状況情報の記憶を指示する。
【0112】
図9は、応答状況情報記憶部303が記憶する応答状況情報のデータ例を示している。応答状況情報記憶部303は、着信先テーブル500と、転送先・応答状況テーブル510とを用いて、応答状況情報を記憶する。応答状況情報記憶部303は、手動転送判断部302から受け取った応答状況情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号を、着信先テーブル500の登録No.001の「着信先の電話番号」に登録する。また、応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる呼出先(携帯電話340)の電話番号を、転送先・応答状況テーブル510の登録No.001、転送先No.01の「転送先の電話番号」に登録する。更に、応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる応答状況(不応答)を、転送先・応答状況テーブル510の登録No.001、転送先No.01の「応答状況」に登録する。
【0113】
手動転送判断部302は、不応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号を着信先テーブル400(図8)から検索する。手動転送判断部302は、転送先テーブル410を参照して、検索した着信先の電話番号に対応する登録No.001に対して登録されている「転送先の電話番号」を調べ、転送先の電話番号に、不応答情報に含まれる呼出先(携帯電話340)以外の電話番号が登録されているか否かを調べる。図8に示す転送先テーブル410を参照すると、登録No.001に対して、携帯電話340以外に、携帯電話350及び携帯電話360の電話番号が、転送先の電話番号として登録されている。手動転送判断部302は、2つの転送先のうち、転送順位が上位の携帯電話350を、次の転送先として決定する。
【0114】
手動転送判断部302は、次の転送先を決定すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号とを含む転送指示情報を、呼出管理部311に送信する。呼出管理部311は、転送指示情報を受信すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号とを含む呼出情報を、携帯電話350に送信し、携帯電話350を呼び出す。
【0115】
呼出管理部311は、転送先の携帯電話350が応答したか否かを判断する。携帯電話350の応答送受信部352は、長女が呼出に応答すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号とを含む応答情報を呼出管理部311に送信する。呼出管理部311は、携帯電話350から応答情報を受信すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号とを含む応答結果を発信元(携帯電話320)に送信し、発信元(携帯電話320)と呼出先(携帯電話350)とを接続する。また、呼出管理部311は、手動転送判断部302に応答情報を送信する。
【0116】
手動転送判断部302は、応答情報受信すると、呼出先の携帯電話350が、着信先が携帯電話330の呼出に対して応答したと判定する。手動転送判断部302は、応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号と呼出先の応答状況「応答済」とを含む応答状況情報を、応答状況情報記憶部303に渡し、応答状況情報を記憶するように指示する。
【0117】
応答状況情報記憶部303は、手動転送判断部302から受信した応答状況情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号は、着信先テーブル500(図9)の登録No.001の「着信先の電話番号」に既に登録されていることを検出する。応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる呼出先(携帯電話350)の電話番号を、転送先・応答状況テーブル510の登録No.001、転送先No.02の「転送先の電話番号」に登録する。また、応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる応答状況(応答済み)を、登録No.001、転送先No.02の「応答状況」に登録する。
【0118】
長女は、転送された、父から母への呼出に対して応答する。長女は、父の用件を解決できないときは、転送要求を行う。長女が転送要求を指示すると、携帯電話350の応答送受信部352は、発信先(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)を含む転送要求情報を、呼出管理部311へ送信する。呼出管理部311は、転送要求情報を受信すると、受信した転送要求情報を手動転送判断部302に送信する。
【0119】
手動転送判断部302は、着信先テーブル500及び転送先・応答状況テーブル510を検索して、転送要求情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号とが含まれる登録No.001の応答状況情報を取得する。手動転送判断部302は、転送先No.02の応答状況を「応答済み」から「手動転送」に変更する。応答状況情報記憶部303は、変更された応答状況情報を記憶する。
【0120】
手動転送判断部302は、転送要求情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号を着信先テーブル400(図8)から検索する。手動転送判断部302は、転送先テーブル410を参照して、検索した着信先の電話番号に対応する登録No.001に対して登録されている「転送先の電話番号」を調べ、転送先の電話番号に、まだ呼出を転送していない転送先があるか否かを調べる。図8に示す転送先テーブル410を参照すると、登録No.001に対して、転送済みの携帯電話340と携帯電話350以外に、携帯電話360の電話番号が、転送先の電話番号として登録されている。手動転送判断部302は、携帯電話360を、次の転送先として決定する。
【0121】
手動転送判断部302は、次の転送先を決定すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号とを含む転送指示情報を、呼出管理部311に送信する。呼出管理部311は、転送指示情報を受信すると携帯電話320からの呼出を保留して、携帯電話350との接続を切断する。呼出管理部311は、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号とを含む呼出情報を、携帯電話360に送信し、携帯電話360を呼び出す。
【0122】
呼出管理部311は、転送先の携帯電話360が応答したか否かを判断する。携帯電話360の応答送受信部362は、二女が呼出に応答すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号とを含む応答情報を呼出管理部311に送信する。呼出管理部311は、携帯電話360から応答情報を受信すると、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号とを含む応答結果を発信元(携帯電話320)に送信し、発信元(携帯電話320)と呼出先(携帯電話360)とを接続する。また、呼出管理部311は、手動転送判断部302に応答情報を送信する。
【0123】
手動転送判断部302は、応答情報受信すると、呼出先の携帯電話360が、着信先が携帯電話330の呼出に対して応答したと判定する。手動転送判断部302は、応答情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号と呼出先の応答状況「応答済」とを含む応答状況情報を、応答状況情報記憶部303に渡し、応答状況情報を記憶するように指示する。
【0124】
応答状況情報記憶部303は、手動転送判断部302から受信した応答状況情報に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号は、着信先テーブル500(図9)の登録No.001の「着信先の電話番号」に既に登録されていることを検出する。応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる呼出先(携帯電話360)の電話番号を、転送先・応答状況テーブル510の登録No.001、転送先No.03の「転送先の電話番号」に登録する。また、応答状況情報記憶部303は、応答状況情報に含まれる応答状況(応答済み)を、登録No.001、転送先No.03の「応答状況」に登録する。
【0125】
父の用件が二女との通話で済み、携帯電話320と携帯電話360との接続が切断される。呼出管理部311は、接続が切断されると、接続時に携帯電話320に送信した応答結果に含まれる、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話360)の電話番号とを含む切断結果を手動転送判断部302に送信する。
【0126】
手動転送判断部302は、着信先テーブル500及び転送先・応答状況テーブル510から、切断結果に含まれる着信先(携帯電話330)の電話番号を含む応答状況情報を取得する。手動転送判断部302は、応答後に転送した呼出先、応答しなかった呼出先、応答後に転送しなかった呼出先の順に、ウェイトが相対的に重くなるように、応答状況情報に含まれる各呼出先の応答状況「手動転送」、「不応答」、「応答済み」に応じて、ウェイトに「ウェイトに「−1」、「0」、「1」を設定する。手動転送判断部302は、設定したウェイトを、転送順位テーブル420に記録されているウェイトに加算し、ウェイトを更新する。
【0127】
図10は、更新後の転送順位テーブル420を示している。携帯電話340の応答状況は「不応答」のため、設定するウェイトは「0」となり、更新後のウェイトは0+0=0となる。手動転送判断部302は、転送順位テーブル420の登録No.001、転送先No.01の「ウェイト」に「0」を記録する。携帯電話350の応答状況は「手動転送」のため、設定するウェイトは「−1」となり、更新後のウェイトは0−1=−1となる。手動転送判断部302は、転送順位テーブル420の登録No.001、転送先No.02の「ウェイト」に「−1」を記録する。携帯電話360の応答状況は「応答済」のため、設定するウェイトは「+1」となり、更新後のウェイトは0+1=1となる。手動転送判断部302は、転送順位テーブル420の登録No.001、転送先No.03の「ウェイト」に「1」を記録する。
【0128】
手動転送判断部302は、ウェイトの更新後、ウェイトの重さに従って転送順位を更新する。携帯電話340、携帯電話350、及び、携帯電話360の「ウェイト」は、それぞれ「0」、「−1」、「1」である。従って、携帯電話360の転送順位は「1」、携帯電話340の転送順位は「2」、携帯電話330の転送順位は「3」となる。手動転送判断部302は、転送順位テーブル420の登録No.001、転送先No.01の「転送順位」に「3」を記録する。また、手動転送判断部302は、転送順位テーブル420の登録No.001、転送先No.02の「転送順位」に「2」を記録し、転送先No.03の「転送順位」に「1」を記録する。手動転送判断部302は、ウェイト及び転送順位の更新後、着信先テーブル500及び転送先・応答状況テーブル510から、着信先(携帯電話330)のアドレスが含まれる応答状況情報を削除する。
【0129】
本実施例では、父からの呼出に対して母が応答できないとき、転送順位に従って、長男、長女、二女の順に、呼出が転送される。手動転送判断部302は、母への呼出の転送を受けた転送先が、転送された呼出に対して応答済したか、不応答なかったか、応答後に手動転送したかを判定し、応答状況情報記憶部303は、各転送先の応答状況を記憶する。手動転送判断部302は、転送先での応答状況「応答済み」、「不応答」、「手動転送」に応じてウェイトを加算していくことで、適切な転送順位を設定することができる。また、本実施例では、着信先ごとに複数の転送先での応答状況を管理し、着信先ごとに転送先の転送順位を設定するため、着信先に応じて、適切な転送先へ優先して呼出を転送することができる。
【0130】
続いて、第2実施例について説明する。第2実施例は、第2実施形態に基づいた呼出転送システムである。第2実施例では、父、母、長男、長女、二女からなる家族間の通話転送を例に説明する。第2実施例の呼出転送システムは、APサーバ300(図7)と、呼制御サーバ310とを有する。APサーバ300と呼制御サーバ310とは、専用線370で接続されている。
【0131】
携帯電話320は、父が使用する携帯電話機であり、携帯電話330は、母が使用する携帯電話機である。携帯電話340は、長男が使用する携帯電話機であり、携帯電話350は、長女が使用する携帯電話機であり、携帯電話360は、二女が使用する携帯電話機である。各携帯電話は、公衆回線380を介して相互に接続されている。APサーバ300、呼制御サーバ310、携帯電話320、携帯電話330、携帯電話340、携帯電話350、及び、携帯電話360は、それぞれ、ハードディスクやCPU、メモリなどを備える通信装置である。
【0132】
APサーバ300は、転送情報記憶部301、手動転送判断部302、及び、応答状況情報記憶部303を備える。APサーバ300内の各部の機能は、APサーバ300がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、APサーバ300が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、APサーバ300が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0133】
呼制御サーバ310は、呼出管理部311を備える。呼出管理部311の機能は、呼制御サーバ310がプログラムを実行することで実現できる。プログラム、物理的には、呼制御サーバ310が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、呼制御サーバ310が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0134】
携帯電話320は、呼出送受信部321と、応答送受信部322と、転送先選択部(図6の転送先選択部123に相当)とを備える。携帯電話320内の各部の機能は、携帯電話320がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話320が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話320が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0135】
携帯電話330は、呼出送受信部331と、応答送受信部332と、転送先選択部(図6の転送先選択部133に相当)とを備える。携帯電話330内の各部の機能は、携帯電話330がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話330が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話330が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0136】
携帯電話340は、呼出送受信部341と、応答送受信部342と、転送先選択部(図6の転送先選択部143に相当)とを備える。携帯電話340内の各部の機能は、携帯電話340がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話340が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話340が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0137】
携帯電話350は、呼出送受信部351と、応答送受信部352と、転送先選択部(図6の転送先選択部153に相当)とを備える。携帯電話350内の各部の機能は、携帯電話350がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話350が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話350が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0138】
携帯電話360は、呼出送受信部361と、応答送受信部362と、転送先選択部とを備える。携帯電話360内の各部の機能は、携帯電話360がプログラムを実行することで実現できる。プログラムは、物理的には、携帯電話360が備えるハードディスクに格納されており、必要に応じて、携帯電話360が備えるCPUから、メモリ上に転送され、実行される。
【0139】
図11は、転送情報記憶部301が記憶する転送情報のデータ例を示している。転送情報記憶部301は、着信先テーブル600と、転送先テーブル410と、転送順位テーブル420とを用いて転送情報を記憶する。着信先テーブル600は、「発信元の電話番号」と「着信先の電話番号」とを組として管理する。転送先テーブル410と転送順位テーブル420とは、第1実施例で用いたテーブルと同じである。
【0140】
図12は、応答状況情報記憶部303が記憶する応答状況情報のデータ例を示している。応答状況情報記憶部303は、着信先テーブル700と、転送先・応答状況テーブル510とで、応答状況情報を記憶する。着信先テーブル700は、「発信元の電話番号」と「着信先の電話番号」とを組として管理する。着信先テーブル700は、着信先テーブル500に相当する。転送先・応答状況テーブル510は、第1実施例で用いたテーブルと同じである。
【0141】
以下、本実施例の動作について説明する。以下では、主に、第1実施例と相違する部分について説明する。呼出管理部311が、父から母への呼出に対して母が応答しないので、呼出を転送順位が最上位の携帯電話340に転送する。この呼出に対して、長男が応答せず、呼出管理部311は、呼出を携帯電話350に転送する。長女が転送された呼出に対して応答すると、呼出管理部311は、携帯電話320と携帯電話350とを接続する。
【0142】
長女は、携帯電話350にて呼出に応答したものの、父の用件を解決できずに、更に別の転送先へ呼出を転送する。携帯電話350の転送先選択部は、転送先として選択可能な電話番号を表示部などに表示する。長女は、転送先を指定して、呼出の転送を要求する。転送先選択部は、応答送受信部342に、長女が指定した転送先の電話番号を渡す。応答送受信部342は、呼出送受信部341が受信した呼出情報に含まれる、発信元(携帯電話320)の電話番号、着信先(携帯電話330)の電話番号、及び、呼出先(携帯電話350)の電話番号と、転送先の電話番号とを含む指定転送要求情報を、呼出管理部311に送信する。
【0143】
呼出管理部311は、指定転送要求情報を受信すると、呼出先(携帯電話350)への呼出を中止し、指定転送要求情報に含まれる、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と転送先の電話番号とを含む呼出情報を転送先に送信し、転送先を呼び出す。また、呼出管理部311は、指定転送要求情報を手動転送判断部302に送信する。
【0144】
手動転送判断部302は、応答状況情報記憶部303に、指定転送要求情報に含まれる、発信元(携帯電話320)の電話番号と着信先(携帯電話330)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の電話番号と呼出先(携帯電話350)の応答状況「手動転送」を含む応答状況情報を記憶するように指示する。応答状況情報記憶部303は、応答状況情報を、着信先テーブル700、転送先・応答状況テーブル510に記憶する。手動転送判断部302は、指定転送要求情報を受信した場合は、転送先の検索は行わない。
【0145】
本実施例では、応答状況記憶部303は、発信元と着信先との組み合わせごとに、転送先の応答状況を記憶し、手動転送判断部302は、転送先の応答状況に応じて、転送順を更新する。このようにすることで、発信元と着信先との組み合わせに応じて、適切な転送先へ、優先して呼出を転送することができる。また、本実施例では、転送先選択部を備えることで、転送情報記憶部301に転送先として記憶されていない転送先にも、呼出を転送することができる。
【0146】
なお、上記各実施形態及び実施例では、APサーバと呼制御サーバとの2つのサーバを用いたが、サーバの数は1つでも構わない。例えば、図3で、転送情報記憶部101と、手動転送判断部102と、応答状況情報記憶部103と、呼出管理部111とを1つのサーバ装置に備える構成でもよい。転送情報記憶部101、手動転送判断部102、及び、応答状況情報記憶部103は、サーバに設けられていなくてもよく、ユーザが使用する各端末が、これらを有していいてもよい。
【0147】
また、図6では、各端末が転送先選択部を有する構成としているが、これに限定されるわけではない。例えば、APサーバ100内に、転送先選択部を設ける構成でもよい。その場合、APサーバ100内の転送先選択部は、ユーザが使用する端末に対して、転送先として選択可能な端末のアドレスを送信し、ユーザに提示してもよい。転送先選択部をAPサーバ100内に設ける構成でも、ユーザは、任意の端末を転送先として選択することができる。
【0148】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の転送順位設定装置、呼出転送システム、方法、及び、プログラムは、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、電話機などの通信機器、パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのコンピュータ、通信機能を持つテレビやゲーム機などの家電機器などを利用して、マルチメディアコミュニケーションを行うシステムの呼出転送機能に適用できる。マルチメディアコミュニケーションとは、音声や映像、静止画などのメディアを使って、意思疎通を行うことである。また、本発明は、音声電話の呼出転送以外に、テレビ会議システムや双方向放送システムの呼出転送にも適用できる。
【符号の説明】
【0150】
10:転送順位設定装置
11:転送優先度更新部
12:応答状況情報記憶部
20:呼出転送システム
21:呼出管理部
22:転送先決定部
23:応答状況判定部
24:転送優先度更新部
25:転送情報記憶部
26:応答状況情報記憶部
100、300:APサーバ
101、301:転送情報記憶部
102、302:手動転送判断部
103、303:応答状況情報記憶部
104:転送先決定部
105:応答状況判定部
106:転送優先度更新部
110、310:呼制御サーバ
111、311:呼出管理部
120:端末A
121:呼出送受信部
122:応答送受信部
123:転送先選択部
130:端末B
131:呼出送受信部
132:応答送受信部
133:転送先選択部
140:端末C
141:呼出送受信部
142:応答送受信部
143:転送先選択部
150:端末D
151:呼出送受信部
152:応答送受信部
153:転送先選択部
160:通信路
320、330、340、350、360:携帯電話
321、331、341、351、361:呼出送受信部
322、332、342、352、362:応答送受信部
370:専用線
380:公衆回線
400、500、600、700:着信先テーブル
410:転送先テーブル
420:転送順位テーブル
510:転送先・応答状況テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信元の端末からの呼出要求を受けて着信先の端末を呼び出すと共に、前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、前記呼出を前記着信先の端末とは異なる転送先の端末に転送する呼出管理部と、
着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定する転送先決定部と、
前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定部と、
前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する転送優先度更新部とを備える呼出転送システム。
【請求項2】
前記転送優先度更新部は、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項1に記載の呼出転送システム。
【請求項3】
前記呼出管理部は、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答しないとき、前記着信先への呼出に対して前記転送先が応答しない旨の不応答情報を出力し、前記応答状況判定部は、前記呼出管理部が不応答情報を出力すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対する前記転送先の応答状況が「不応答」である旨を記憶する、請求項1又は2に記載の呼出転送システム。
【請求項4】
前記転送先決定部は、前記呼出管理部が不応答情報を出力すると、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定する、請求項3に記載の呼出転送システム。
【請求項5】
前記呼出管理部は、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答すると、前記着信先への呼出に対して前記転送先が応答した旨の応答情報を出力し、前記応答状況判定部は、前記呼出管理部が応答情報を出力すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対する前記転送先の応答状況が「応答済み」である旨を記憶する、請求項1乃至4の何れか一に記載の呼出転送システム。
【請求項6】
前記呼出管理部は、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求を受信すると転送要求情報を出力し、前記応答状況判定部は、前記呼出管理部が転送要求情報を出力すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対する前記転送先の応答状況が「手動転送」である旨を記憶する、請求項1乃至5の何れか一に記載の呼出転送システム。
【請求項7】
前記転送先決定部は、前記呼出管理部が転送要求情報を出力すると、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定する、請求項6に記載の呼出転送システム。
【請求項8】
前記呼出管理部は、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、転送先として指定された指定転送先の端末に呼出を転送することを要求する旨の指定転送要求を受信すると、前記指定転送先の端末を呼び出すと共に指定転送要求情報を出力し、前記応答状況判定部は、前記呼出管理部が指定転送要求情報を出力すると、前記指定転送要求を送信した前記転送先の応答状況が「手動転送」である旨を記憶する、請求項1乃至7の何れか一に記載の呼出転送システム。
【請求項9】
前記応答状況判定部は、前記指定転送先の端末が転送された呼出に対して応答すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対する前記指定転送先の応答状況が「指定転送応答済み」である旨を記憶する、請求項8に記載の呼出転送システム。
【請求項10】
前記転送優先度更新部は、指定転送要求で転送された呼出に対して応答した指定転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項9に記載の呼出転送システム。
【請求項11】
前記転送優先度更新部は、呼出の転送を受けた端末が応答して前記発信元と前記転送先とが接続された後に、該接続が切断されると、前記転送優先度の更新を行う、請求項1乃至10の何れか一に記載の呼出転送システム。
【請求項12】
前記転送情報が、発信元の端末と着信先の端末との組と、該発信元の端末から着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応を含み、前記転送先決定部は、前記呼出の発信元の端末と着信先の端末との組に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定する、請求項1乃至11の何れか一に記載の呼出転送システム。
【請求項13】
着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新する転送優先度更新部を備える転送順位設定装置。
【請求項14】
前記転送優先度更新部は、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項13に記載の転送順位設定装置。
【請求項15】
コンピュータが、発信元の端末から着信先の端末への呼出に対して前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する呼出転送ステップと、
コンピュータが、前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、該判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定ステップと、
コンピュータが、前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する転送優先度更新ステップとを有する呼出転送方法。
【請求項16】
コンピュータは、前記転送優先度更新ステップでは、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項15に記載の呼出転送方法。
【請求項17】
コンピュータは、前記応答状況判定ステップでは、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答しないとき、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記転送先が呼出に応答しない旨の応答状況情報を記憶する、請求項15又は16に記載の呼出転送方法。
【請求項18】
前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答しないとき、コンピュータが、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送するステップを更に有する、請求項15乃至17の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項19】
コンピュータは、前記応答状況判定ステップでは、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答すると、前記着信先への呼出に対して前記転送先が応答した旨の応答状況情報を記憶する、請求項15乃至18の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項20】
コンピュータは、前記応答状況判定ステップでは、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求があると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記転送先が手動転送を行った旨の応答状況情報を記憶する、請求項15乃至19の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項21】
前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求があるとき、コンピュータが、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定し、決定した転送先の端末に呼出を転送するステップを更に有する、請求項15乃至20の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項22】
コンピュータは、前記応答状況判定ステップでは、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、転送先として指定された指定転送先の端末に呼出を転送することを要求する旨の指定転送要求があると、前記着信先への呼出に対して前記指定転送要求を送信した前記転送先が手動転送を行った旨の応答状況情報を記憶する、請求項15乃至21の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項23】
コンピュータは、前記応答状況判定ステップでは、前記指定転送先の端末が転送された呼出に対して応答すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記指定転送先が応答した旨の応答状況情報を記憶する、請求項22に記載の呼出転送方法。
【請求項24】
コンピュータは、前記転送優先度更新ステップでは、指定転送要求で転送された呼出に対して応答した指定転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項23に記載の呼出転送方法。
【請求項25】
コンピュータは、呼出の転送を受けた端末が応答して前記発信元と前記転送先とが接続された後に、該接続が切断されると、前記転送優先度更新ステップを実行する、請求項15乃至24の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項26】
前記転送情報が、発信元の端末と着信先の端末との組と、該発信元の端末から着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応を含み、コンピュータは、前記呼出転送ステップでは、前記呼出の発信元の端末と着信先の端末との組に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定する、請求項15乃至25の何れか一に記載の呼出転送方法。
【請求項27】
コンピュータが、着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べるステップと、
コンピュータが、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新するステップとを有する転送順位設定方法。
【請求項28】
コンピュータは、前記転送優先度を更新するステップでは、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項27に記載の転送順位設定方法。
【請求項29】
コンピュータに、
発信元の端末から着信先の端末への呼出に対して前記着信先の端末のユーザが呼出に対して応答しないとき、着信先の端末と該着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応、及び、該複数の転送先の端末のそれぞれに対して設定された転送優先度を含む転送情報を記憶する転送情報記憶部を参照し、前記転送優先度に従って、前記呼出の着信先の端末に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する呼出転送処理と、
前記呼出が転送された転送先の端末の応答状況を判定し、該判定した応答状況を応答状況情報記憶部に記憶する応答状況判定処理と、
前記応答状況情報記憶部を参照して、前記着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を調べ、前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新し、前記転送情報記憶部に記憶する処理とを実行させるプログラム。
【請求項30】
前記転送優先度更新処理では、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項29に記載のプログラム。
【請求項31】
前記応答状況判定処理では、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答しないとき、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記転送先が呼出に応答しない旨の応答状況情報を記憶する、請求項29又は30に記載のプログラム。
【請求項32】
前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答しないとき、コンピュータに、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する処理を更に実行させる、請求項29乃至31の何れか一に記載のプログラム。
【請求項33】
前記応答状況判定処理では、前記転送先の端末が前記転送された呼出に対して応答すると、前記着信先への呼出に対して前記転送先が応答した旨の応答状況情報を記憶する、請求項29乃至32の何れか一に記載のプログラム。
【請求項34】
前記応答状況判定処理では、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求があると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記転送先が手動転送を行った旨の応答状況情報を記憶する、請求項29乃至33の何れか一に記載のプログラム。
【請求項35】
前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、他の端末へ呼出を転送することを要求する旨の転送要求があるとき、コンピュータに、前記転送情報を参照し、前記呼出の着信先と対応付けられた複数の転送先のうちで呼出を転送していない端末の中から、前記転送優先度に従って次の転送先の端末を決定し、該決定した転送先の端末に呼出を転送する処理を更に実行させる、請求項29乃至34の何れか一に記載のプログラム。
【請求項36】
前記応答状況判定処理では、前記転送先の端末が応答した後に、該応答した転送先の端末から、転送先として指定された指定転送先の端末に呼出を転送することを要求する旨の指定転送要求があると、前記着信先への呼出に対して前記指定転送要求を送信した前記転送先が手動転送を行った旨の応答状況情報を記憶する、請求項29乃至35の何れか一に記載のプログラム。
【請求項37】
前記応答状況判定処理では、前記指定転送先の端末が転送された呼出に対して応答すると、前記応答状況情報記憶部に、前記着信先への呼出に対して前記指定転送先が応答した旨の応答状況情報を記憶する、請求項36に記載のプログラム。
【請求項38】
前記転送優先度更新処理では、指定転送要求で転送された呼出に対して応答した指定転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項37に記載のプログラム。
【請求項39】
呼出の転送を受けた端末が応答して前記発信元と前記転送先とが接続された後に、該接続が切断されると、前記転送優先度更新処理を実行させる、請求項29乃至38の何れか一に記載のプログラム。
【請求項40】
前記転送情報が、発信元の端末と着信先の端末との組と、該発信元の端末から着信先の端末への呼出を転送すべき複数の転送先の端末との対応を含み、前記呼出転送処理では、前記呼出の発信元の端末と着信先の端末との組に対応する複数の転送先の端末の中から前記呼出を転送する転送先の端末を決定する、請求項29乃至39の何れか一に記載のプログラム。
【請求項41】
コンピュータに、
着信先の端末への呼出の転送を受けた転送先の端末の応答状況を、呼出の転送を受けた端末の応答状況を記憶する応答状況情報記憶部を参照して調べる処理と、
前記転送先の端末が、転送された呼出に対して応答したか、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送したか、又は、転送された呼出に対して応答しなかったかに応じて前記転送先の端末の転送優先度を更新する処理とを実行させるプログラム。
【請求項42】
前記転送優先度を更新する処理では、転送された呼出に対して応答した後に他の転送先に転送した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に低くなり、かつ、転送された呼出に対して応答した転送先の端末の転送優先度が、転送された呼出に対して応答しなかった転送先の端末の転送優先度よりも相対的に高くなるように、前記転送優先度を更新する、請求項41に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−101135(P2011−101135A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253595(P2009−253595)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】