説明

軸受管を有するブロワ

【課題】本発明は、軸受管を有するブロワを提供するを目的とする。
【解決手段】本発明におけるブロワが、入口及び出口を含む静止部分と、静止部分に設けられた回転部分と、回転部分を駆動するように適合されたモータとを含む。入口と出口とは同軸に位置合わせされる。静止部分は、ハウジングと、ハウジングに設けられた固定子構成要素と、内面を提供する管とを含む。回転部分は、管の内部で回転子を支持するために管の内面に沿って設けられた1つ又は複数の軸受を含む。一実施形態では、ブロワは、陽圧で空気を供給するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力差(例えば、陽圧又は陰(真空)圧での空気)を生成するためのブロワに関する。一実施形態では、ブロワは、患者への呼吸療法の提供のために使用される気道陽圧(PAP)装置又は流れ発生器において使用されうる。そのような療法の例は、持続的気道陽圧(CPAP)治療、非侵襲的陽圧換気(NIPPV)、及び可変気道陽圧(VPAP)である。この療法は、睡眠呼吸障害(SDB)、より特定的には閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を含めた様々な呼吸状態の治療のために使用される。しかし、ブロワは、他の用途に使用されてもよい(例えば、真空印加(医学又はそれ以外))。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年6月5日出願の米国仮特許出願第60/924909号、2007年10月24日出願の米国仮特許出願第60/996001号、及び2008年3月7日出願の米国仮特許出願第61/064477号の利益を主張するものであり、それらの各出願の全体を、参照として本明細書に組み込む。
【0003】
ブロワは、一般に、回転部、すなわち羽根車及びシャフトと、流体流路を画定する静止部、典型的にはボリュートなどのチャンバとの2つの主要部を含む。
【0004】
軸受は通常、対として、かつ同軸配置で採用されて、回転部、例えばシャフトを支持する。理想的には、2つの軸受が静止部材によって位置され、静止部材は、完全な軸方向位置合わせで2つの軸受を拘束する。実世界設計は完全ではなく、したがって軸受性能を損なう。
【0005】
広く採用されている軸受懸架モードは、各軸受を別個のハウジング構造内部に保持し、それらのハウジング構造を互いに嵌合して同軸軸受構成に近づけることを含む。
【0006】
軸受の被包に関して2つの主な種別の制約がある。1つの制約は、製造精度の実用上の限界に関し、別の制約は、回転しなければならない物品を取り付けて効率的に被包する必要性に関する。
【0007】
第1の制約に関して、部品形成技術の精度は絶えず改善しているが、現況技術は完全ではない。さらに、精度の向上は通常、より大きな出費につながり、しばしば現況技術プロセスの採用を製造業者に思いとどまらせる。
【0008】
第2の制約は、軸受の対の間に物品(回転子/固定子など)を配置する必要性により生じる。これは、典型的には、二部品ハウジング構成の使用をもたらす。複数部品ハウジングの帰結として、それらが、各接合又は結合面での望ましくない公差増大を累積し、したがって、各構成要素部品を、蓄積される寸法誤差が許容範囲内に留まるように精密に整形しなければならない。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/877373号明細書
【特許文献2】PCT出願PCT/AU2007/000719号明細書
【特許文献3】米国仮特許出願第60/853778号明細書
【特許文献4】米国仮特許出願第60/929558号明細書
【特許文献5】PCT出願第PCT/AU2006/001617号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上述の欠点をもたない改良された構成の必要性が当技術分野で生じている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、入口及び出口を含む静止部分と、静止部分に(例えば、近傍に、しかし接触せずに)設けられた回転部分と、回転部分を駆動するように適合されたモータ(例えば、電動機)とを含むブロワに関する。入口と出口とは同軸に位置合わせされる。静止部分は、ハウジングと、ハウジングに設けられた固定子構成要素と、内面を提供する管とを含む。回転部分は、1つ又は複数の軸受を含み、それらの軸受は、管の内面に沿って提供されて、管の内部で回転子を支持する(例えば、軸受は、回転部分を静止部分に接続する)。代替実施形態では、固定子構成要素は、静翼を含むことがあり、静翼は、管とは別個の部品であってよい。一実施形態では、ブロワは、陽圧で空気を供給するように構成される。一実施形態では、固定子構成要素及び/又は管は、プラスチック材料から構成されてよい。
【0011】
本発明の別の態様は、治療のために患者に提供すべき加圧気体の供給を生成するためのPAP装置に関する。PAP装置は、外側ケーシングと、ブロワと、ブロワと外側ケーシングとの間に設けられたサポートシステムとを含む。サポートシステムは、ブロワの外面に提供され、ケーシング内部でブロワを支持するために外側ケーシングに係合するように、かつブロワの入口側をブロワの出口側から分離するように適合された環状シールを含む。代替実施形態では、環状シールは、ブロワにオーバーモールドされてよく、又はブロワに取り付けられるように適合された別個の部品であってよい。
【0012】
本発明の別の態様は、ブロワにおける固定子アセンブリの巻線を形成するための方法に関する。この方法は、回転子を支持するように適合された管を含む、ブロワのための静止部分を提供するステップと、固定子アセンブリの巻線を形成するために管をマンドレルとして使用するステップとを含む。
【0013】
本発明の別の態様は、入口及び出口を含む静止部分と、静止部分に設けられた回転部分と、回転部分を駆動するように適合されたモータとを含むブロワに関する。静止部分が、ハウジングと、ハウジングに設けられた固定子構成要素とを含む。固定子構成要素は、回転部分の回転子を支持するように適合された部分と、その部分を取り囲むケージとを含む。一実施形態では、ブロワは、陽圧で空気を供給するように構成される。一実施形態では、固定子構成要素は、プラスチック材料から構成されてよい。一実施形態では、該部分が、管を含み、モータが、管の外面に沿って設けられた固定子アセンブリを含む。代替実施形態では、該部分が、回転子を支持する第1及び第2の軸受を支持するように適合された第1及び第2の部分を有する金属軸受支持体を含む。
【0014】
本発明の別の態様は、入口及び出口を含む静止部分と、静止部分に設けられた回転部分と、回転部分を駆動するように適合されたモータであって、巻線を有する固定子アセンブリを含むモータと、巻線の抵抗及び/又は電流引き込みを監視し、次いで、検出されたモータの故障を示すために信号を提供することによって、モータの故障を検出するための検出システムとを含むブロワに関する。一実施形態では、ブロワは、陽圧で空気を供給するように構成される。
【0015】
本発明の別の態様は、固定子アセンブリのための固定子(例えば、1つ又は2つ、あるいはそれよりも多い部品の磁心)に関する。固定子は、複数の固定子歯を含む内側部分と、内側部分を受け取るように構成された環状の外側部分とを含む。外側部分は、その内周に、内側部分のそれぞれの歯を受け取るように適合された複数の凹所を含む。
【0016】
本発明の別の態様は、入口及び出口を含む静止部分と、静止部分に設けられた回転部分と、回転部分を駆動するように適合されたモータとを含むブロワに関する。入口と出口とは同軸に位置決めされる。静止部分は、ハウジングと、ハウジングに設けられた金属軸受支持体とを含む。金属軸受支持体は、第1及び第2の部分を含み、回転部分は、金属軸受支持体内部で回転子を支持するためにそれぞれ第1及び第2の部分によって支持される第1及び第2の軸受を含む。一実施形態では、ブロワは、陽圧で空気を供給するように構成される。
【0017】
本発明の他の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明を、この開示の一部であって本発明の原理を例として示す添付図面に関連付けて読めば明らかになろう。
【0018】
添付図面は、本発明の様々な実施形態の理解を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の説明は、共通の特性及び特徴を共有することがあるいくつかの実施形態に関連して設けられた。任意の1つの実施形態の1つ又は複数の特徴が、他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組合せ可能なこともあることを理解されたい。さらに、任意の実施形態における任意の単一の特徴又は特徴の組合せが、さらなる実施形態を構成することもある。
【0020】
本明細書では、用語「備える」は、その「開いた」意味合いで、すなわち「含む」の意味合いで理解されるべきであり、したがって、その「閉じた」意味合い、すなわち「のみからなる」の意味合いに限定されない。対応する意味は、現れる対応する用語「備える(comprise)」、「備えられる(comprised)」、及び「備える(comprises)」に帰する。本発明の態様は、本明細書では、非侵襲的換気(NIVV)治療装置(例えば、気道陽圧(PAP)装置又は流れ発生器)、例えばCPAP(例えば、4〜28cmHOの範囲内で、(マスクで測定される)最大180L/分の流量で)、可変圧力療法(例えば、2〜6cmHOの低い領域、及び6〜30cmHOの高い領域)、機械換気、及び補助呼吸への本発明の適用において説明され、しかし、本発明の特徴は、ブロワが使用される他の適用分野、例えば真空掃除機、コンピュータ内の冷却機器、及び建築物や車両で見られるものなどHVAC装置への用途も有することを理解されたい。すなわち、本明細書で説明されるブロワは、陽圧適用分野と陰圧適用分野との両方における用途を有することがある。
【0021】
また、以下の各ブロワ実施形態は、2段階を含むものとして説明されるが、各実施形態が、一段設計、又は他の多段設計、例えば3段、4段、又はそれよりも多い段階の設計であってもよいことを理解すべきである。
【0022】
本明細書では、用語「エアポンプ」と「ブロワ」とは、交換可能に使用されうる。本明細書では、語句「静止部」は、「ボリュート」を含むものとみなされてよい。用語「空気」は、呼吸可能な気体、例えば補助酸素を伴う空気を含むものとみなされてよい。また、本明細書で説明されるブロワは、空気以外に流体をポンプするように設計されうることが認められる。
【0023】
1. 軸受管を有するブロワ
図1−1〜1−4は、本発明の一実施形態によるブロワ10を例示する。例示されるように、ブロワ10は、2つの対応する羽根車50、52を有する2つの段階を含む。この実施形態では、一方の羽根車50が、モータ40の一方の側に位置決めされ、他方の羽根車52が、モータ40の他方の側に位置決めされる。しかし、他の適切な羽根車配置も可能であり、例えば2つの羽根車がモータの同じ側に位置決めされる。また、ブロワ10は、一段設計又は他の多段設計、例えば2つ以上の羽根車を含むこともある。
【0024】
1.1 概説
ブロワ10の静止部分は、第1及び第2のハウジング部22、24を有するハウジング20と、静翼32を含む固定子構成要素30と、第1及び第2のシールド60、70とを含む。ブロワ10の回転部分は、モータ40によって駆動されるように適合された回転可能なシャフト又は回転子80と、シャフト80の端部に設けられた第1及び第2の羽根車50、52とを含む。モータ40は、シャフト80に設けられた磁石42(例えば、二極磁石)と、固定子アセンブリ44とを含み、磁石42によってシャフト80のスピン運動を引き起こす。一実施形態では、モータは、回転子位置センサ、例えばプリント回路板(PCB)上のホールセンサの使用を伴わずに作動されてよく、これは、ワイヤの数を減少し、例えば3本のワイヤにすることがある。
【0025】
固定子アセンブリ44は、巻線46と、巻線46に設けられた(例えば、スロットの無い、又は歯の無い)固定子又は固定子積層スタック48とを含む。コイル巻線のさらなる詳細は、特許文献1に開示され、その出願の全体を参照として本明細書に組み込む。
【0026】
ブロワ10は、略円筒形であり、一端で第1のハウジング部22によって設けられた入口26を有し、他端で第2のハウジング部24によって設けられた出口28を有する。ブロワ10は、入口26を通してハウジング20内に気体の供給を引き込むように、かつ加圧された気体の流れを出口28で提供するように動作可能である。
【0027】
ブロワ10は、入口26と出口28との両方がブロワ10の軸15と位置合わせされた軸対称性を有する。使用時、気体は、一端で軸方向でブロワ10に入り、他端で軸方向でブロワ10から出る。そのような構成は、例えば軸対称性及び/又は小さいボリュート乱流により、使用時に比較的低い雑音を提供することがある。そのようなブロワの例示実施形態は、特許文献2に開示されており、その出願の全体を参照として本明細書に組み込む。
【0028】
一実施形態では、ブロワ10は、比較的コンパクトであって、約50〜60mm、例えば53mmの全径Dと、約45〜55mm、例えば52mmの全長Lとを有することがある。しかし、他の適切なサイズも可能である。
【0029】
1.2 固定子構成要素
図1−1及び1−2に示されるように、固定子構成要素30は、基部34と、基部34から延在する環状フランジ36と、管又は軸受管38と、複数の静翼32とを含む。例示実施形態では、固定子構成要素30は、一部片構造として一体形成(例えば、プラスチック材料から射出成形)される。しかし、固定子構成要素30は、他の適切な様式で構成されてもよい。
【0030】
図1−1に最も良く示されるように、固定子構成要素30をハウジング20内部で支持するために、環状フランジ36が、第1及び第2のハウジング部22、24の間に挟まれる。
【0031】
複数の静翼32、例えば2〜100個の静翼が、基部34のオリフィス35に気流を向けるように構成される。例示実施形態では、固定子構成要素30は、6個の静翼32を有する。各翼32は、実質的に同一であり、略螺旋形状を有する。さらに、各翼32が、(管38に隣接する)内側部分37と、外側部分39とを含む。図1−2に最も良く示されるように、内側部分37は、外側部分39に関して凹められている(例えば、高さを低減されている)。しかし、固定子構成要素は、段階の間で気流を調整するために他の適切な構造を有することもある。
【0032】
1.2.1 軸受の位置合わせ及び保持
管38の内面90は、シャフト80を回転可能に支持する軸受100、102を保持して位置合わせするように構成される。さらに、管38は、シャフト80にある磁石42を取り囲み、磁石42は、管38の外面92に沿って設けられた固定子アセンブリ44の近傍に位置合わせされる。例示実施形態では、管38は、十分に「磁気透過性」である少なくとも一部分を有し、磁場がその部分を通ることができるようにし、これにより、固定子アセンブリ44は、大幅な磁束密度の損失及び/又は熱の増加を伴わずに、管38内部に位置決めされた磁石42に対して作用できるようになる。一実施形態では、そのような「磁気透過性」は、管の材料性質の1つ又は複数、例えば非導電性、非磁性、及び/又は熱伝導性によって提供されうる。例えば、管は、以下の1つ又は複数を含むことがある。異方性材料、複合材(例えば、例えば、セラミックフィラー、グラファイトフィラー、及び/又は他のフィラーを有する基部ポリマー(例えば、LCP及びPPS))、異種充填、インサート成形、めっき、イオン注入など。別法として、又は追加として、そのような「磁気透過性」は、管の構造上の性質、例えば管内の1つ又は複数の穿孔やスリットなどによって提供されうる。十分な「磁気透過性」を提供するために、管が、1つ又は複数のこれらの性質、及び/又は十分な度合いのこれらの性質を含むことがあることを理解すべきである。磁気透過性の管のさらなる詳細は、特許文献3及び特許文献4に開示され、それらの各出願の全体を参照として本明細書に組み込む。
【0033】
例示実施形態では、管は、その長さに沿って円形断面形状を有する。しかし、管が他の適切な形状、例えば、正方形、多角形、円錐形などを有してもよいことを理解すべきである。また、管は、1つ又は複数の部品、例えば多部品構成を含むこともある。さらに、管は、その長さ又は円周に沿って異なる材料性質を有することがあり、例えば、「磁気透過性」、「非導電性」、及び/又は「熱伝導性」の異なるレベル又は領域を有することがある。
【0034】
例示実施形態では、管38は、混成の軸受サイズが使用されうるように構成される。図1−1に示されるように、管38の上端部は、軸受100を支持するように構成され、管38の下端部は、軸受100よりも小さいサイズ又は直径を有する軸受102を支持するように構成される。
【0035】
具体的には、管38の上端部は、直径d1を画定して軸受100を支持するように適合された環状面90(1)を含む。管38の下端部は、より小さい直径d2を画定して軸受102を支持するように適合された環状面90(2)を含む。例示されるように、一部片の管38が、正確なボア間の位置合わせを提供し、これは、正確な軸受間の位置合わせを提供する。
【0036】
一実施形態では、管は、管の上端部と下端部とが同じサイズの軸受を支持するように適合されるように製造されてもよい。しかし、混成の軸受サイズを支持するように構成された管は、ドロー成形プロセスのラインを容易にすることがある。また、管は、1つ又は複数の軸受を支持するように構成されてもよく、軸受は、他の適切な構成、例えば流体軸受を含むこともある。さらに、一実施形態では、管は、管の上端部が、管の下端部に支持される軸受よりも小さいサイズ又は直径を有する軸受を支持するように構成されるように構成されてもよい(例えば、第2の羽根車に向かってより大きい入口直径を有するブロワ)。
【0037】
(それぞれの端部に軸受100、102が設けられた)シャフト80を管38の下端部に案内するために、面90(1)と90(2)との間に傾斜面90(3)が提供されてよい。例えば、シャフト80のより小さい軸受の側が、管38の上端部を通して管38内に挿入又は「投入」されてよい。より小さい軸受102が下端部に近づくと、傾斜面90(3)が、軸受102を、直径を小さくされた面90(2)と係合するように案内する。したがって、軸受102は、その動作位置に自己案内される。
【0038】
例示実施形態では、管38の下端部は、その下端部に軸受102のためのストップ又は支持体を提供するフランジ94を含む。管38の上端部は、シールド又は回転子キャップ60に係合するように適合され、キャップ60は、軸受100のためのストップを上端部に提供し、それによりシャフト80を管38内部で保持する。
【0039】
座金104と、ばね又は付勢要素106とが、軸受102と回転子磁石42との間に提供されてよく、回転子磁石42と固定子アセンブリ44との位置合わせを保ち、かつ/又は軸受102の内側レースへの予荷重を提供する。
【0040】
一実施形態では、シャフト80の端部は、軸受100、102を動作位置に固定するための1つ又は複数の結合溝を含むことがあり、シャフト80の中間部分は、磁石42を動作位置に固定するための1つ又は複数の結合溝(例えば、螺旋結合溝)を含むことがある。結合溝は、シャフトの選択された部分(例えば、シャフトの端部及び中間)に提供されてよく、又は結合溝は、シャフトの全長に沿って延在してもよい。別の実施形態では、シャフトの中間部分が、磁石を動作位置に固定するためのねじ山(例えば、シャフトの外面から外方向に延在する)を含むことがある。
【0041】
1.2.2 固定子アセンブリの位置合わせ及び保持
固定子アセンブリ44は、管38の外面92に沿って設けられた。さらに、固定子構成要素30と第1のシールド60とが、固定子アセンブリ44を動作位置に支持して保つように協働する。
【0042】
例示されるように、固定子アセンブリ44の巻線46は、静翼32の凹められた内側部分37によって収容又は支持され、固定子アセンブリ44のスタック48は、静翼32の外側部分39によって収容又は支持される。さらに、シールド60が環状フランジ64を含み、環状フランジ64は、巻線46の上側部分を取り囲み、スタック48の上面47又は外面49に係合する(例えば、図1−1の左側は、スタック48の上面47に係合するフランジ64を示し、図1−1の右側は、スタック48の外面49に係合するフランジ64を示す)。環状フランジ64の伸長部分(すなわち、スタック48の外面49に係合する部分)は、より詳細に以下に説明するように、ハウジングに係合するタブに対処するように設けられた。このようにして、固定子構成要素30とシールド60とは、固定子アセンブリ44を取り囲んで挟むように協働する。
【0043】
例示実施形態では、スタック48の外面49及び/又はスタック48に係合する環状フランジ64が、気体の流れに露出される。この構成は、使用時に気体がハウジング20を通って流れるときに、スタック48の強制対流冷却を可能にする。さらに、この構成は、気体又は患者空気の加熱を補助することがある。
【0044】
さらに、固定子アセンブリ44の巻線46が、気体の流れに露出されて冷却され、かつ気体又は患者空気の加熱を補助する。
【0045】
一実施形態では、固定子構成要素30とシールド60とが、熱伝導性であってよく(例えば、ポリマー材料へのグラファイト又は他のフィラーの添加)、熱伝導を助ける。
【0046】
1.3 シールド
第1又は上側のシールド60は、ディスク部分62と、ディスク部分62の外縁部から延在し、上述したように固定子アセンブリ44に係合するように適合された環状フランジ64とを含む。ディスク部分62の外縁部は、羽根車50の外縁部と実質的に並ぶ、又は径方向で羽根車50の外縁部を越えて延在する。シールド60は、環状フランジ64とハウジング部22の側壁との間に狭い環状ギャップ110を提供し、この環状ギャップ110は、気体を固定子構成要素30に向けるのに十分である。
【0047】
ディスク部分62は、シャフト80がそこを通って延在できるようにする開口66を含む。環状フランジ又は突出部68が、開口66に沿って提供され、例えば摩擦嵌合によって固定子構成要素30の管38の上端部に係合するように構成される。
【0048】
また、環状フランジ64は、1つ又は複数のタブ65を含み、タブ65は、第1のハウジング部22と固定子構成要素30との間に画定されたそれぞれのスロット23内部に係合するように適合される(例えば、図1−1及び1−4参照)。図1−4に示されるように、シールド60は、3つのタブ65を含み、タブ65は、第1のハウジング部22と固定子構成要素30との間に画定されたそれぞれのスロット23内に受け取られる。しかし、任意の適切な数のスロット/タブが提供されうる。また、スロット/タブは任意選択であってよく、シールド60が、他の適切な様式でハウジング内部で支持されてもよいことを理解すべきである。
【0049】
第2又は下側のシールド70は、気流を出口28に向けるために、複数の静翼72、例えば2〜100個の静翼を含む。例示実施形態では、シールド70は7個の静翼を有する。各翼72は、実質的に同一であり、略螺旋形状を有する。さらに、各翼72は、(ハブ74に隣接する)内側部分73と、外側部分75とを含む。図1−1及び1−3に最も良く示されるように、外側部分75は、内側部分73に関して凹められており(例えば、高さを低減されており)、内側部分73と外側部分75との間に外形縁部76が延在する。
【0050】
例示実施形態では、静翼72は、第2のハウジング部24内部で出口28に隣接してシールド70を支持する。例示されるように、シールド70の外形縁部76は、出口28の縁部に係合して、シールド70を出口28と位置合わせする。ハブ74と翼72の内側部分73とは、少なくとも部分的に出口28を通って延在し、翼72の外側部分75は、第2のハウジング部24の下壁に係合する。シールド70の中央部分にあるハブ74は、出口28に向けて下に気流を向けるように整形される。
【0051】
1.3.1 代替の気流路
一実施形態では、軸受100、102にわたって圧力バランスを提供するために、シールド60が、入口導管84と出口導管86(図1−1に破線で示される)とを含むことがある。具体的には、入口及び出口導管84、86は、管38、したがって軸受100、102の周りに圧力のショート回路を提供し、軸受100、102の潤滑剤の乾燥又は移動を回避する(例えば、管を通り、かつ軸受の内部を通る気流は、軸受内のグリースを乾燥させて軸受から熱を取り除くことがある)。すなわち、入口導管84は、シールド60と管38との間の空間内に空気が流れることができるようにし、出口導管86は、空気がその空間から外に流れることができるようにする。そのような構成は、任意の圧力差が、上述したように管38を通って進むのではなく、入口及び出口導管84、86を通って流出することができるようにする。
【0052】
代替実施形態では、図2に示されるように、シャフト80に沿って溝184、186が設けられたことがあり、軸受の乾燥を回避するために軸受100、102それぞれの周りに気流又は圧力のショート回路を提供する。例示されるように、溝184、186は、それぞれの軸受100、102に隣接して提供され、例えば管38内部での圧力差により空気が管38を通って流れるときに、空気が、それぞれ軸受100、102を通るのではなく溝184、186を通って流れることができるようにする。一実施形態では、1つ又は複数の溝は、例示されるように選択された部分に沿ってではなく、シャフトの長さに沿って延在してもよい。別法として、溝184、186は、それぞれの軸受100、102の外径に隣接して管38に存在してもよい。
【0053】
1.4 羽根車
例示実施形態では、各羽根車50、52は、一対のディスク状シュラウド55、56の間に挟まれた、複数の連続的に曲げられた、又は直線形のブレード54を含む。シュラウドは、使用時に音響雑音を減少する助けをすることがある。下側シュラウド56は、シャフト80を受け取るように適合されたハブ又はブッシング58を組み込む。また、各羽根車50、52は、テーパ付き構成を含み、ブレード54が、外縁部に向けてテーパを有する。羽根車のさらなる詳細は、特許文献5に開示され、その出願の全体を参照として本明細書に組み込む。
【0054】
一実施形態では、各羽根車は、ガラス強化ポリカーボネートから構成されてよい。別の実施形態では、各羽根車は、ガラス強化液晶ポリマー(LCP)、例えばTicona Vectra−E130iから構成されてよい。ガラス強化LCPは、特に羽根車共振を低減することによって音響雑音を低減することに関して、音響減衰を改善することがある。しかし、他の適切な材料も可能である。
【0055】
1.5 流体流路
第1の段階で、空気は、入口26からブロワ10に入り、第1の羽根車50に進み、そこで接線方向に加速されて、径方向外側に向けられる。入口で吸引力が発生されて、空気をブロワ内に引き込むことに留意されたい。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、シールド60の外縁部とハウジング部22の側壁とによって画定されるギャップ110を通過する。上述したように、空気は、使用時に圧力バランスを提供するために、シールド60を通って(入口及び出口導管84、86を通って)流出することがある。次いで、空気は、固定子構成要素30内に形成された静翼32に入り、オリフィス35に向けて径方向内側に向けられ、その後、第2の段階に向けられる。
【0056】
第2の段階で、空気は、第2の羽根車52に進み、そこで接線方向に加速されて、径方向外側に向けられる。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、シールド70の外縁部とハウジング部24の側壁とによって画定されるギャップ112を通過する。次いで、空気は、シールド70内に形成された静翼72に入り、出口28に向けられる。
【0057】
例示実施形態では、気流は、ブロワ内部で、実質的に軸方向で各段階に入って出る。したがって、空気は、一端で軸方向でブロワに入り、他端で軸方向でブロワから出る。軸対称性のブロワはバランスを提供し、これは、より低いレベルのブレード通過音、及びより低いレベルの乱流雑音をもたらす。
【0058】
2. 混流上側羽根車を有するブロワ
図3は、本発明の別の実施形態によるブロワ210を例示する。ブロワ210は、上述したブロワ10と実質的に同様である。対照的に、上側羽根車250は、混合流構造を有し、第1のハウジング部222と第1のシールド260との対応する部分が、上側羽根車250の混合流構造に合致するようにテーパを付けられる。
【0059】
例示されるように、羽根車のブレード254はそれぞれ、外縁部に向かってテーパを有する端部257を含む。さらに、各ブレード254の端部257は、ハブ258に関して下方向に曲げられる、角度を付けられる、又は傾斜される。例えば、各端部257の長手方向軸Lは、ハブ258の軸Hに関して角度αで曲げられてよく、又は角度を付けられてよい。そのような角度αは、約90°〜160°、例えば125°であってよい。しかし、用途に応じて他の適切な角度も可能である。
【0060】
第1のハウジング部222の上壁225は、羽根車250の混合流構造に合致するようにテーパを付けられ、シールド260の上壁267は、羽根車250の混合流構造に合致するようにテーパを付けられる。
【0061】
3. 代替の静止部分を有するブロワ
図4は、本発明の別の実施形態によるブロワ310を例示する。上述したブロワ10、210と同様に、ブロワ310は、モータ340の一方の側に位置決めされた1つの羽根車350と、モータ340の他方の側に位置決めされた1つの羽根車352とを有する2つの段階を含む。また、ブロワ310は、入口326と出口328との両方がブロワ310の軸315と位置合わせされて軸対称性を有する。対照的に、ブロワ310は、静止部分の代替構成を提供する。
【0062】
3.1 概説
ブロワ310の静止部分は、第1及び第2のハウジング部322、324を有するハウジング320と、静翼332を含む固定子構成要素330と、第1及び第2のシールド360、370とを含む。ブロワ310の回転部分は、モータ340によって駆動されるように適合された回転可能なシャフト又は回転子380と、シャフト380の端部に設けられた第1及び第2の羽根車350、352とを含む。モータ340は、シャフト380に設けられた磁石342と、固定子アセンブリ344とを含み、磁石342によってシャフト380のスピン運動を引き起こす。
【0063】
一実施形態では、図4に示されるように、ブロワ310は、比較的コンパクトであって、約50〜60mm、例えば53mmの全径Dと、約45〜55mm、例えば52mmの全長Lとを有することがある。各羽根車350、352は、約40〜45mm、例えば42mmの直径を有することがある。しかし、他の適切なサイズも可能である。
【0064】
3.2 固定子構成要素
図4に示されるように、固定子構成要素330は、基部334と、ハウジング320内部で固定子構成要素330を支持するために基部334から延在する環状フランジ336と、シャフト380を回転可能に支持する軸受300、302を保持して位置合わせするための管338と、複数の静翼332とを含む。上述の実施形態と同様に、固定子構成要素330は、一部片構造として一体形成(例えば、射出成形)されてよい。
【0065】
例示実施形態では、各翼332は、固定子アセンブリ344を動作位置に支持して保つことができるように十分長い外側部分339を含む。例示されるように、各翼332の外側部分339は、固定子アセンブリ344の外面345に係合する内面315を提供する。一実施形態では、固定子アセンブリ344を定位に固定するために、向かい合う翼が、約30〜35mm、例えば34mmの直径dを画定することがある。しかし、例えば固定子アセンブリのサイズに応じて、他の適切なサイズも可能である。
【0066】
さらに、各翼332の外側部分339の自由端が、シールド360に係合するように適合され、それによりシールド360を動作位置に支持して保つことができる。
【0067】
3.3 シールド
第1又は上側のシールド360は、内側環状フランジ367と外側環状フランジ369とを含む。内側環状フランジ367は、例えば摩擦嵌合によって固定子構成要素330の管338の上端部に係合するように構成され、外側環状フランジ369は、例えば摩擦嵌合によって翼332の外側部分339に係合するように構成される。
【0068】
第2又は下側のシールド370は、第2のハウジング部324によって動作位置に支持されて保たれる。シールド370の中央部分にあるハブ374は、出口328に向けて下に気流を向けるように整形される。
【0069】
3.4 ハウジング
例示実施形態では、ハウジング320の第2のハウジング部324は、気流を出口328に向けるために、複数の静翼325、例えば2〜100個(例えば約5〜15個)の静翼を含む。例示されるように、静翼325は、第2のハウジング部324内部で出口328に隣接してシールド370を支持する。また、静翼325の少なくとも1つが、シールド370を定位に位置合わせして固定するために、シールド370に設けられた開口377を通って延在するように適合された突出部327を含む。
【0070】
4. ブロワのためのサポートシステム
上述したブロワ10、210、310はそれぞれ、(PAP装置又は流れ発生器などNIVV装置の一部分を形成する)外側ケーシング又はシャーシ内部で支持されてよい。一実施形態では、各ブロワは、支持を提供するように、かつブロワの入口側と出口側との間にシールを提供するように構成されたサポートシステムによって、外側ケーシング内部で支持されてよい。
【0071】
一実施形態では、図5に示されるように、外側ケーシング400は、基部402と、基部402に設けられたカバー404とを含む。サポートシステム405は、ブロワ(例えばブロワ10)を支持するために側部支持体406と底部支持体408とを含む。
【0072】
例示されるように、側部支持体406は、ブロワハウジング(例えば、ハウジング20)に設けられた(例えば、シリコーン又はTPEからなる)環状リングの形態であり、基部402とカバー404との間に画定されたそれぞれのスロット403内部に係合するように適合された端部407を含む。底部支持体408は、複数の可撓性脚部又は可撓性ペグ、例えば3つの脚部の形態であり、これらは、基部402の底壁に係合するように適合される。環状リング406(ディバイダシール又はソフトガードル/シールとも呼ばれる)は、シャーシ内でブロワ10を懸架/支持し、ブロワの入口側をブロワの出口側から分割又は封止して(すなわち、低圧側と高圧側とを分割又は分離して)、例えば、流れを外側ケーシング400の出口に向ける接続管の必要性をなくす。脚部408は、例えばリング406が老化してクリープする場合に、ブロワの入口側と出口側との間のバックアップシール又はブロワのためのバックアップ支持体として働くことがある。
【0073】
例示されるように、比較的小さい出口マフラー体積V1が、ブロワの出口側に提供され、比較的小さい入口マフラー体積V2が、ブロワの入口側に設けられた。
【0074】
一実施形態では、環状リング406と脚部408とは、ブロワ10の第1のハウジング部22(すなわち、ブロワの第1段階カバー)の外側にオーバーモールドされてよい。例示されるように、オーバーモールドされたフィーダ409が、オーバーモールドされたリング406を各オーバーモールドされた脚部408と相互接続することがある。例えば、第1のハウジング部22は(第2のハウジング部24と共に)、比較的剛性のプラスチック材料、例えばポリカーボネート(PC)、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)から構成されてよく、オーバーモールドされるリング406、脚部408、及びフィーダ409は、エラストマー材料、例えばVersollan(商標)から構成されてよい。別法として、リング、脚部、及び/又はフィーダは、動作位置に取り付けられた個別の成形部片であってもよい。
【0075】
サポートシステム405は、ブロワの入口及び出口に隣接する入口及び出口シールの必要性をなくす構成を提供する。さらに、サポートシステム405は、エラストマー材料から構成され、これは、例えばばねを使用せずに、ブロワ10と外側ケーシング400とを隔離(例えば振動絶縁)し、かつ/又はブロワ10と外側ケーシング400との間の懸架体として働く。一実施形態では、さらなる支持体(例えば、脚部又はペグ)が、ブロワの上部及び/又は側部に提供されてよく、それにより、外側ケーシングと、その中に支持されるブロワとを任意の方向に向けることができ、例えば、ケーシングを垂直ではなく横向きに位置決めすることができる。
【0076】
5. ブロワハウジングのための封止構成
上述したブロワ10、210、310はそれぞれ、例えば漏れ又は圧力損失を防止するために、ハウジングのハウジング部の間に封止構成を含むことがある。
【0077】
一実施形態では、図6−1に示されるように、ブロワの第1のハウジング部522(すなわち、ブロワの第1段階カバー)の端部が、第1及び第2のステップ527(1)、527(2)を有するステップ形状を含む。各ステップ527(1)、527(2)は、封止構造、すなわちそれぞれ第1及び第2のシール597(1)、597(2)を設けられる。一実施形態では、シール597(1)、597(2)は、上述したように第1のハウジング部522にオーバーモールドされることがあり、例えばエラストマーシール597(1)、597(2)が、比較的剛性のプラスチックの第1のハウジング部522にオーバーモールドされる。
【0078】
ブロワの第2のハウジング部524の端部は、第1のハウジング部522と同様のステップ形状、例えば第1及び第2のステップ529(1)、529(2)を含む。
【0079】
例示されるように、第1及び第2のハウジング部522、524が互いに結合されるとき、第1のハウジング部522の第1のシール597(1)が、第2のハウジング部524の第1のステップ529(1)に係合して、ハウジング部522、524の間のシールを提供する。また、第1のハウジング部522の第2のステップ527(2)と、第2のハウジング部524の第2のステップ529(2)とが、静翼532を含む固定子構成要素530(例えば、固定子構成要素30と同様)の縁部531を受け取って支持するように適合されたスロットを画定するように協働する。第2のシール597(2)は、固定子構成要素530とハウジング部522、524との間のシールを提供する。
【0080】
さらに、複数のスナップ嵌め部材516、例えば3つのスナップ嵌め部材が、第1のハウジング部522の端部に提供され、これらは、第2のハウジング部524に設けられたそれぞれのショルダ518にスナップフィットで係合するように適合される。スナップ嵌め部材516は、第1及び第2のハウジング部522、524を互いに固定して、シールを保つ。しかし、第1及び第2のハウジング部が他の適切な様式、例えば溶接、接着(例えば膠付け)、熱かしめ、固定具(例えば、ねじ)などで互いに固定されてもよいことを理解すべきである。
【0081】
また、図6−1は、第1のハウジング部522に設けられたオーバーモールドされたリング406及びフィーダ409を例示し、上述した外側ケーシングの基部402とカバー404との間のスロット内部に係合されたリング406を例示する。さらに、図6−1は、固定子構成要素530とブロワの出口との間にある羽根車554を例示する。
【0082】
代替実施形態では、図6−2に示されるように、固定子構成要素530の縁部531は、例えば把持及び封止を改善するために、第2のシール597(2)に係合するように適合された比較的剛性の突起533(例えば、V字突起)を含むことがある。また、第2のシール597(2)は、図6−1に示されるようにビード状の形状ではなく、よりブロック状の形状を有することもある。
【0083】
6. 代替のブロワ実施形態
図7−1〜7−13は、本発明の別の実施形態によるブロワ610を例示する。上述したブロワ10、210、310と同様に、ブロワ610は、モータ640の一方の側に位置決めされた1つの羽根車650と、モータ640の他方の側に位置決めされた1つの羽根車652とを有する2つの段階を含む。また、ブロワ610は、入口626と出口628との両方がブロワ610の軸615と位置合わせされた軸対称性を有する。
【0084】
6.1 概説
ブロワ610の静止部分は、第1及び第2のハウジング部622、624を有するハウジング620と、固定子構成要素630と、第1及び第2のシールド660、670とを含む。ブロワ610の回転部分は、モータ640によって駆動されるように適合された回転可能なシャフト又は回転子680と、シャフト680の端部に設けられた第1及び第2の羽根車650、652(例えば、混流)とを含む。モータ640は、シャフト680に設けられた磁石642と、固定子アセンブリ644とを含み、磁石642によってシャフト680のスピン運動を引き起こす。
【0085】
固定子アセンブリ644は、巻線646と、巻線646に設けられた(例えば、スロットの無い、又は歯の無い)固定子又は固定子積層スタック648とを含む。一実施形態では、巻線646の抵抗及び/又は電流引き込み(例えば、開始時)が、温度を求めるために監視されてよく、これは、モータの故障を示すために使用されうる(例えば、軸受故障検出、軸受寿命不具合又は摩擦状態、電子駆動システムにおけるソフトウェア故障)。例えば、モータが停止された後、しかし依然として高温であるとき、(例えば、ブロワ内の回路によって)巻線の抵抗が測定されてよい。巻線の抵抗は、既知の様式で温度と共に変化することに留意されたい。抵抗が、通常の温度よりもはるかに高い温度を示唆するようなものであった場合、装置は故障モードになり、例えばブロワの点検を受けるようにユーザに促す。いくつかのブロワ故障、例えば軸受寿命不具合又は電子駆動システムにおけるソフトウェア故障は、異常に高い温度をもたらす傾向がある。
【0086】
入口626は、一端で第1のハウジング部622(第1段階カバーとも呼ばれる)によって提供され、出口628は、他端で第2のハウジング部624(最終段階カバーとも呼ばれる)によって設けられた。
【0087】
6.2 固定子構成要素
図7−7〜7−10に最も良く示されるように、固定子構成要素630は、環状基部634と、シールド部分636と、シールド部分636から延在する管又は軸受管638と、基部634とシールド部分636との間に延在する複数の離隔された側壁632とを含む。例示されるように、固定子構成要素630は、円筒形「ケージ」を形成し、離隔された側壁632が、「ケージ」内への開口を画定する。固定子構成要素630は、一部片構造として一体形成(例えば、射出成形)されてよい。しかし、固定子構成要素630は、他の適切な様式で構成されてもよく、かつ/又は複数の個別の部品として形成されてもよい。
【0088】
図7−3〜7−5に最も良く示されるように、基部634は、第1及び第2のハウジング部622、624の間に挟まれて、ハウジング620内部で固定子構成要素630を支持する。さらに、第2のハウジング部624は、例えば把持及び封止を改善するために、第1のハウジング部622に係合するように適合された突起695(例えば、図7−4に最も良く示されるようにV字突起)を含むことがある。
【0089】
代替実施形態では、図7−4Bに示されるように、第1のハウジング部622は、第2のハウジング部624の接続部分624(1)に重なる、かつ/又は張り出すように構成された接続部分622(1)を含むことがある。上述の実施形態と同様に、固定子構成要素630の基部634は、第1及び第2のハウジング部622、624の間に挟まれる。さらに、第2のハウジング部624は、第1のハウジング部622に対する封止のための突起696を含むことがある。
【0090】
シールド部分636の外縁部は、羽根車650の外縁部と実質的に並ぶ、又は径方向で羽根車650の外縁部を越えて延在する。シールド部分636は、その外縁部とハウジング部622の側壁との間に狭い環状ギャップ710を提供し、この環状ギャップ710は、気体を固定子構成要素630に向けるのに十分である。シールド部分636は、管638の内部へのアクセスを可能にする開口666を含む。
【0091】
6.2.1 軸受の位置合わせ及び保持
上述の実施形態と同様に、管638は、シャフト680を回転可能に支持する(例えば、混成の軸受サイズの)軸受600、602を保持して位置合わせするように構成される。さらに、管638は、十分に「磁気透過性」であり、これにより、固定子アセンブリ644は、大幅な磁束密度の損失及び/又は熱の増加を伴わずに、管638内部に位置決めされた磁石642に対して作用できるようになる。
【0092】
また、管638は、回転子動作によって引き起こされる振動を減衰するために音響減衰材料、例えば、ポリプロピレン、ナイロン(強化)、セラミック装填(伝熱)を伴う液晶ポリマー(LCP)、グラファイト充填を伴うポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成されてよい。玉軸受が利用される場合、軸受内部の玉の数は、振動を最小限にするように最適化されてよい。
【0093】
キャップ部分668が、開口666に沿ってシールド部分636に設けられた。キャップ部分668は、軸受600のためのストップを提供し、それによりシャフト680を管638内部で保持する。さらに、キャップ部分668は、羽根車650のためのスペーサとして働くこともある。
【0094】
座金604と、ばね又は付勢要素606とが、軸受602と回転子磁石642との間に提供されてよく、スペーサ607が、軸受600と回転子磁石642との間に提供されてよく、例えば、回転子磁石642と固定子アセンブリ644との位置合わせ/間隔を保ち、摩耗ストップとして働き、かつ/又は予荷重を提供する。また、軸受600に隣接するスペーサ607(例えば、金属フェライトから構成される)が、磁気分路又は磁束シールドとして働き、磁場を巻線646に向けて、軸受600から離し、例えば軸受の加熱を回避する。そのようなスペーサ又はシールドは、軸受602に隣接して提供されてもよいことを理解すべきである。磁束シールドは任意選択の構成要素であってよいが、軸受外側レース及び玉における渦電流損失の低減により、軸受/潤滑剤の寿命を高めることがある。
【0095】
図7−3に示されるように、ばね606は、軸受602に対して、内側レース予荷重(IRP)、例えば約1.25lbばね荷重を提供する。具体的には、軸受602は、内側レース602(1)と、外側レース602(2)と、内側及び外側レースの間に設けられた玉軸受602(3)とを含む(例えば、玉軸受とレースとの間に間隙が存在することもある)。内側及び外側レース602(1)、602(2)は、玉軸受602(3)が動く面を提供する。また、軸受は、内側及び外側レースの間にスペーサ要素を含むことがあり、玉軸受の間の間隔を保つ(例えば、それぞれの玉軸受を受け取るために開口を有するシリンダ)。例示実施形態では、ばね606は、軸受にばね荷重を提供するために軸受602の内側レース602(1)に係合するように構成されて配置され、このばね荷重が、玉軸受をレースと接触させる(すなわち、荷重が、内側レースから玉軸受に、かつ玉軸受から外側レースに伝達される)。
【0096】
代替実施形態では、ばねは、軸受に対して外側レース予荷重(ORP)を提供するように構成されて配置されてよい(例えば、以下に説明する図8及び9−1〜9−2参照)。
【0097】
6.2.2 代替の気流路
上述した実施形態と同様に、シールド部分636とキャップ部分668とは、(図7−6及び7−8に示されるように)バイパス通路又は導管686を提供するように協働して、軸受600、602にわたって圧力バランスを提供する。具体的には、バイパス通路686は、管638、したがって軸受600、602の周りに圧力のショート回路を提供する。
【0098】
一実施形態では、厳しい公差(すなわち、小さいギャップ)が、キャップ部分668の内径とシャフト680との間で提供され、これは、キャップ部分668とシャフト680との間のインピーダンスを高める。したがって、空気は、より小さい抵抗で、バイパス通路又は流出穴686を通って流れることができる(例えば、厳しい公差は、図1−1に示されるバイパス構成にも当てはまることがある)。
【0099】
バイパスを用いないと、空気が、軸受を通り、高圧側から低圧側へ上に向かって流れることがある。バイパス通路は、高圧区域を、上側軸受の上方の点に接続する。これは、高い圧力が、軸受の対にわたっていくらか均一に存在することを意味する。したがって、軸受を通る流れはほとんどなく、グリースは乾燥せず、移動もされず、それにより軸受寿命を延ばす。
【0100】
6.2.3 固定子アセンブリの位置合わせ及び保持
固定子アセンブリ644は、管638の外面に沿って設けられた。さらに、より詳細に以下に説明するように、固定子構成要素630と第1のシールド660とが、固定子アセンブリ644を動作位置に支持して保つように協働する。
【0101】
6.3 第1のシールド
図7−11〜7−12に最も良く示されるように、第1のシールド660は、基部661と、基部661に設けられた複数の静翼663とを含む。第1のシールド660は、例えば、第1のシールド660にあるピン665を、固定子構成要素630の基部634に設けられたそれぞれの開口635と係合することによって(例えば、定位に熱かしめされるピン)、固定子構成要素630に取り付けられる。しかし、第1のシールド660は、他の適切な様式で固定子構成要素630に取り付けられてもよい。
【0102】
複数の静翼663、例えば2〜100個の静翼が、基部661のオリフィス667に気流を向けるように構成される。例示実施形態では、固定子構成要素630は、6個の静翼663を有する。各翼663は、実質的に同一であり、略螺旋形状を有する。さらに、各翼663は、(オリフィス667に隣接する)内側部分637と、外側部分639とを含む。図7−11に最も良く示されるように、内側部分637は、外側部分639に関して凹められている(例えば、高さを低減されている)。
【0103】
図7−3及び7−5に最も良く示されるように、固定子アセンブリ644の巻線646は、静翼663の凹められた内側部分637によって係合又は支持され、固定子アセンブリ644のスタック648は、静翼663の外側部分639によって係合又は支持される。
【0104】
さらに、スタック648の外面649(例えば、図7−3及び7−5参照)は、離隔された側壁632の内面によって設けられた離隔された歯651(例えば、図7−9参照)と係合又は噛合するように適合された歯付き構成を含む。スタック648の歯付き構成の残りの部分は、例えば側壁632の外面と面一に、固定子構成要素630の開口633を通って少なくとも部分的に突出する(図7−5及び7−7参照)。このようにして、固定子構成要素630と第1のシールド660とは、固定子アセンブリ644を動作位置に保持又は固定するように協働する。
【0105】
図7−1〜7−3及び7−7に示されるように、ワイヤ698(例えば、三相モータのための3本のワイヤ)が、巻線646からハウジング620の外側に延在して、外部電流源から巻線646に電流を伝導する。例示されるように、スロット631が、固定子構成要素630を通して提供され(図7−9参照)、スロット621が、ハウジング620を通して提供され(図7−3参照)、巻線646からハウジング620の外側へのそれぞれのワイヤ698の通過に対処する。
【0106】
例示実施形態では、スタック648及び巻線646は、図7−3、7−5、及び7−7に示されるように、例えば固定子構成要素630の開口633を通して、気体の流れに露出される。この構成は、使用時に気体が固定子構成要素630を通って流れるときに、スタック648/巻線646の強制対流冷却を可能にする。さらに、この構成は、患者空気の加熱を補助することがある。
【0107】
6.4 第2のシールド
図7−13に示されるように、気流を出口628に向けるために、第2のシールド670が、複数の静翼672、例えば2〜100個の静翼を含む。例示実施形態では、シールド670は、7個の静翼を有する。各翼672は、実質的に同一であり、略螺旋形状を有する。さらに、各翼672は、(ハブ674に隣接する)内側部分673と、外側部分675とを含む。図7−3及び7−5に最も良く示されるように、外側部分675は、内側部分673に関して凹められており(例えば、高さを低減されており)、内側及び外側部分673、675の間に外形縁部676が延在する。
【0108】
例示実施形態では、静翼672は、第2のハウジング部624の内部で出口628に隣接してシールド670を支持する。例示されるように、シールド670の外形縁部676は、出口628の縁部に係合して、シールド670を出口628と位置合わせする(図7−3参照)。図7−3に最も良く示されるように、ハブ674と翼672の内側部分673とは、少なくとも部分的に出口628を通って延在し、翼672の外側部分675は、第2のハウジング部624の下壁に係合する。シールド670の中央部分にあるハブ674は、出口628に向けて下に気流を向けるように整形される。
【0109】
さらに、第2のシールド670は、図7−3に示されるように、第2のハウジング部624の下壁に設けられたそれぞれの開口678と係合するように適合されたピン677、例えば定位に熱かしめされるピンを含む。しかし、第2のシールド670は、他の適切な様式で第2のハウジング部624に取り付けられてもよい。
【0110】
第2のシールド670(最終段階ディスクとも呼ばれる)は、羽根車652のブレードに任意の不連続を与えないように、静翼672をカバーするためにディスク又はシールドを含む。しかし、羽根車ブレードに任意の不連続を与えないように、他の構造が提供されてもよい。例えば、静翼672が、第2のハウジング部624に一体化されてよく、羽根車652が、羽根車ブレードと静翼672との間で回転シュラウド又はシールドとして働くように下側シュラウドを含むことがある。
【0111】
6.5 流体流路
第1の段階で、空気は、入口626からブロワ610に入り、第1の羽根車650に進み、そこで接線方向に加速されて、径方向外側に向けられる。入口で吸引力が発生されて、空気をブロワ内に引き込むことに留意されたい。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、シールド部分636の外縁部とハウジング部622の側壁とによって画定されるギャップ710を通過する。次いで、空気は、固定子構成要素630の開口633を通って固定子構成要素630に入り、第1のシールド660の静翼663に流れ、そこでオリフィス667に向けて径方向内側に向けられ、その後、第2の段階に向けられる。
【0112】
第2の段階で、空気は、第2の羽根車652に進み、そこで接線方向に加速されて、径方向外側に向けられる。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、第2のシールド670の外縁部とハウジング部624の側壁とによって画定されるギャップ712を通過する。次いで、空気は、シールド670内に形成された静翼672に入り、出口628に向けられる。
【0113】
6.5.1 流れを指向するための代替構造
上述した実施形態では、ブロワは、気流を第2の段階及び出口に向けるために静翼を含む。そのような静翼は、流れを直進させ、羽根車によって引き起こされる「旋回」を除去する助けをする。代替実施形態では、流れを指向する、又は直進させるために、静翼を代替構造で置き換えてよい。例えば、グリッド、メッシュ(例えば、織物メッシュ)、蜂の巣状構造、及び/又は押出成形体(例えば、螺旋)が、使用時に流れを指向するために提供されうる。
【0114】
また、代替実施形態では、出口から接線方向に流れを向けるために、軸方向出口628に複数の接線方向フィードが提供されうる。
【0115】
7. マンドレルとしての管
一実施形態では、固定子構成要素の管は、固定子アセンブリの巻線を形成する助けをするようにマンドレルとして使用されてよい。管は、マンドレルとしてのその使用を容易にするように構成及び整形されうる。例えば、管の円筒形でテーパ付きの構成が、マンドレルとしてのその使用を容易にすることがある。形状は、多角形、例えば長方形、三角形、正方形、五角形、六角形などであってよい。さらに、管は、スプラインなど1つ又は複数の構造的構成要素を含むことがあり、マンドレルからの巻線の解きを補助する。
【0116】
8. 段階間シール
図8は、本発明の別の実施形態によるブロワを例示する。ブロワは、上述したブロワ610と同様であり、同様の参照番号で示される。対照的に、第1のシールド660(すなわち、段階間「非旋回」翼)は、第2のハウジング部624に対して係合又は封止するように適合されたリップ領域又はフランジ660(1)を含む。具体的には、第1のシールド660のリップ領域660(1)が、固定子構成要素630の基部634に係合するように構成され、リップ領域660(1)及び基部634が、第1及び第2のハウジング部622、624の間に支持され、かつ/又は挟まれて、第1のシールド660及び固定子構成要素630をハウジング620内部で支持する。さらに、リップ領域/基部の構成は、使用時に第2の段階から第1の段階に戻る空気漏れを防止するように段階間シールを提供するように構成される。さらに、第1のハウジング部622の接続部分622(1)が、第2のハウジング部624の接続部分624(1)に重なる、かつ/又は張り出すように構成される。
【0117】
しかし、段階間シールは、他の適切な様式で提供されてもよい。例えば、ガスケット又は粘性シーラントが、シールド660、固定子構成要素630、及びハウジング部622、624の界面で使用されてよい。別の実施形態では、界面の1つ又は複数が、ソフトシリコーン又はTPEでオーバーモールドされてもよい。
【0118】
9. 金属軸受支持体を有するブロワ
図9−1〜9−2は、本発明の別の実施形態によるブロワ810を例示する。上述したブロワと同様に、ブロワ810は、モータ840の一方の側に位置決めされた1つの羽根車850と、モータ840の他方の側に位置決めされた1つの羽根車852とを有する2つの段階を含む。また、ブロワ810は、入口826と出口828との両方がブロワ810の軸815と位置合わせされた軸対称性を有する。
【0119】
上述したブロワと対照的に、シャフト880を支持する軸受800、802は、より詳細に以下に説明するように、(プラスチック管ではなく)金属ハウジングアセンブリによって保持される。金属ハウジングアセンブリが、「ケージ」状のアダプタを含み、このアダプタが、ブロワハウジング内部で金属ハウジングアセンブリを支持し、上述した「ケージ」状の固定子構成要素と同様に、第1のシールド及び第2の段階に気体が流れることができるようにすることに留意されたい。
【0120】
9.1 概説
ブロワ810の静止部分は、第1及び第2のハウジング部822、824を有するハウジング820と、金属ハウジングアセンブリ830と、第1及び第2のシールド860、870とを含む。ブロワ810の回転部分は、モータ840によって駆動されるように適合された回転可能なシャフト又は回転子880と、シャフト880の端部に設けられた第1及び第2の羽根車850、852とを含む。モータ840は、シャフト880に設けられた磁石842と、固定子アセンブリ844とを含み、磁石842によってシャフト880のスピン運動を引き起こす。
【0121】
9.2 金属ハウジングアセンブリ
ハウジングアセンブリ830は、金属材料から構成され、(例えば、1つ又は複数の固定具838によって互いに固定された)主ハウジング832と、端部ベル834と、アダプタ836とを含む。例示されるように、主ハウジング832は、軸受800を支持するための凹所を提供し、端部ベル834は、軸受802を支持するための凹所を提供する。主ハウジングと端部ベルとは、同じサイズの軸受を支持するように構成される。しかし、主ハウジングと端部ベルとが、混成の軸受サイズを支持するように構成されてもよい。
【0122】
ハウジングアセンブリ830によって設けられた金属軸受支持体が、使用時の軸受からの熱伝達を改善する。また、(例えば、アルミニウムから構成される)主ハウジング832と、端部ベル834と、アダプタ836とが、機械加工されたバーストックであってもよい。一実施形態では、端部ベルとアダプタとが、大量生産のためのアルミニウムダイカスト部片であってよい。
【0123】
図9−2に最も良く示されるように、アダプタ836は、円筒形「ケージ」を形成し、ケージに開口833を画定する。
【0124】
9.3 固定子アセンブリの位置合わせ及び保持
主ハウジング832と端部ベル834とが、固定子アセンブリ844を動作位置に支持して保つように協働する。
【0125】
9.4 段階間シール
上述した図8の実施形態と同様に、第1のシールド860のリップ領域860(1)が、アダプタ836の基部836(1)に係合するように構成され、リップ領域860(1)及び基部836(1)が、第1及び第2のハウジング部822、824の間に支持され、かつ/又は挟まれて、第1のシールド860及びハウジングアセンブリ830をハウジング820内部で支持する。さらに、リップ領域/基部の構成は、使用時に第2の段階から第1の段階に戻る空気漏れを防止するために段階間シールを提供するように構成される。
【0126】
9.5 外側レース予荷重(ORP)
例示実施形態では、スペーサ又は磁束シールド804が、各軸受800、802と回転子磁石842との間に設けられた。さらに、ばね又は付勢要素806が、軸受802と端部キャップ834との間に設けられた。
【0127】
ばね806(例えば、クレスト間ばね)が、(図7−3に示されるものなど内側レース予荷重ではなく)軸受802に対して外側レース予荷重(ORP)(図8にも示される外側レース予荷重)を提供する。具体的には、ばね806は、軸受にばね荷重を提供するために軸受802の外側レース802(2)に係合するように構成されて配置され、このばね荷重が、玉軸受をレースと接触させる(すなわち、荷重が、外側レース802(2)から玉軸受802(3)に、かつ玉軸受802(3)から内側レース802(1)に伝達される)。
【0128】
一実施形態では、ORP構成は、ブロワの寿命にわたって、第2段階軸受802の(例えば、内側レースでの)腐食を低減する、又はなくすことができる。
【0129】
9.6 流体流路
第1の段階で、空気は、入口826からブロワ810に入り、第1の羽根車850に進み、そこで接線方向に加速されて、径方向外側に向けられる。入口で吸引力が発生されて、空気をブロワ内に引き込むことに留意されたい。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、ハウジングアセンブリ830の外縁部とハウジング部822の側壁とによって画定されるギャップ910を通過する。次いで、空気は、アダプタ836の開口833を通って第1のシールド860の静翼863に流れ、そこで、第2の段階に向けて径方向内側に向けられる。
【0130】
第2の段階で、空気は、第2の羽根車852に進み、そこで接線方向に加速され、径方向外側に向けられる。次いで、空気は、大きい接線方向速度成分、さらにまた軸方向成分を有して螺旋状に流れ、第2のシールド870の外縁部とハウジング部824の側壁とによって画定されるギャップ912を通過する。次いで、空気は、シールド870内に形成された静翼872に入り、出口828に向けられる。
【0131】
10. 閉スロット外部巻線
図10−1〜10−3は、本発明の一実施形態による固定子アセンブリのための固定子948を例示する。固定子948は、外側部分948(1)(図10−1)と、外側部分948(1)の内部に受け取られるように構成された内側部分948(2)(図10−2)とを含む。図10−3は、外側及び内側部分948(1)、948(2)が組み立てられた状態で固定子948を示す。
【0132】
内側部分948(2)は、複数の固定子歯949、例えば6個の固定子歯を有し、そこに固定子コイル又は巻線が巻かれる。外側部分948(1)は、環状であり、その内周に沿って、内側部分948(2)のそれぞれの歯を受け取るように適合された複数の凹所950を含む。組み立てられるとき、固定子948は、閉スロット構成を提供する。
【0133】
外側部分948(1)の外周は、歯付き構成を含み、この歯付き構成は、(例えば、図7−7及び7−9に関して上述した構成と同様の、ブロワ610での使用のための)固定子構成要素に係合又は噛合するように適合される。さらに、巻線からのそれぞれのワイヤの通過に対処するために、1つ又は複数のスロット951が外側部分948(1)の外周に提供されてよい。
【0134】
この「閉スロット」固定子コア構成は、マグネットワイヤを十分に広いスロット開口を通して外側から挿入することができるので、マグネットワイヤの挿入を容易にする。この開口は、外側部分948(1)が歯付き内側部分948(2)に設けられたときに閉じられる。その最終組立て形態では、スロットの開口は存在せず、したがって、回転子の突出ポールと固定子との相互作用によって生成される磁気ディテント(又は磁気コギング効果)がほとんどない。これは、費用対効果が高く、低コギングの構成である。
【0135】
例示実施形態では、内側部分948(2)の各歯949は、実質的に正方形の縁部を有する略T字構成を有する。代替実施形態では、図11に示されるように、各歯949の端部(及び外側部分948(1)の対応する凹所950)が、より丸められてもよい。
【0136】
さらに別の実施形態では、固定子アセンブリは、無鉄及びスロットレス固定子を含むことがある(すなわち、磁束を集中させるために鉄を使用するのではなく、磁束戻り路として空気を使用する)。
【0137】
11. スロット付き固定子を有するブロワ
図12−1〜12−3は、本発明の別の実施形態によるブロワ1010を例示する。上述したブロワと同様に、ブロワ1010は、モータ1040の一方の側に位置決めされた1つの羽根車1050と、モータ1040の他方の側に位置決めされた1つの羽根車1052とを有する2つの段階を含む。また、ブロワ1010は、入口1026と出口1028との両方がブロワ1010の軸と位置合わせされた軸対称性を有する。
【0138】
この実施形態では、固定子アセンブリの固定子1048が、スロット付き構成を含む。図12−3に最も良く示されるように、固定子又は積層スタック1048は、環状の本体1048(1)と、本体1048(1)から径方向内側に延在する複数の固定子歯1048(2)、例えば6個の固定子歯とを含む。固定子コイル又は巻線1046は、図12−2に示されるようにそれぞれの歯1048(2)に巻かれる。巻線は、それぞれのスロット開口(歯の間の間隔)を通して内側から挿入することができる。
【0139】
上述した構成と同様に、本体1048(1)の外周は、固定子構成要素1030と係合又は噛合するように適合された歯付き構成を含む。さらに、巻線1046からのそれぞれのワイヤの通過に対処するために、1つ又は複数のスロット1051が本体1048(1)の外周に提供されてよい。
【0140】
ブロワの残りの部分は、上述した構成と同様であり、例えば、第1及び第2のハウジング部1022、1024を有するハウジング1020と、軸受管1038を有する「ケージ」状の固定子構成要素1030と、第1及び第2のシールド1060、1070とである。
【0141】
12. コアレスモータを有するブロワ
図13−1〜13−2は、本発明の別の実施形態によるブロワ1110を例示する。上述したブロワと同様に、ブロワ1110は、モータ1140の一方の側に位置決めされた1つの羽根車1150と、モータ1140の他方の側に位置決めされた1つの羽根車1152とを有する2つの段階を含む。また、ブロワ1110は、入口1126と出口1128との両方がブロワ1110の軸と位置合わせされた軸対称性を有する。
【0142】
この実施形態では、ブロワ1110は、巻線又はマグネットワイヤが固定子構成要素に直接巻かれるコアレスモータを含み、それにより固定子又は積層の緩みをなくす。例えば、図13−2に最も良く示されるように、巻線又はマグネットワイヤ1146は、固定子構成要素1130の軸受管1138に直接巻かれてよい。一実施形態では、巻線は、固定子構成要素の側壁によって少なくとも部分的に支持されてよい。
【0143】
ブロワの残りの部分は、上述した構成と同様であり、例えば、第1及び第2のハウジング部1122、1124を有するハウジング1120と、「ケージ」状の固定子構成要素1130と、第1及び第2のシールド1160、1170とである。例示実施形態では、第1のハウジング部1122は、ハウジングの外部にマグネットワイヤを案内するための1つ又は複数の案内構造1123、例えばワイヤを巻き付けるためのバインディングポストを含むことがある。
【0144】
13. 組立てに関する代替実施形態
一実施形態では、シャフトを支持する軸受は、プラズマ処理段階によって軸受管のそれぞれの端部に結合されてよい。例えば、ブロワ610の実施形態に関して、軸受600の外側レースに係合する軸受管638の第1段階軸受座のプラスチック表面を処理するために、プラズマが使用されてよい。プラズマ処理は、選択された接着剤(例えば、Loctiteシアノアクリレート化合物)が、塗布されるときに適当に濡れることができるようにする。この濡れ作用は、ボンドライン強度を高め、また、(せん断強度によって決定される)そのプロセス中の変化を低減することが示されている。ボンドラインは、管及び固定子アセンブリ内部で回転子アセンブリを保持する。
【0145】
代替実施形態では、液体プライマが、接着剤(例えば、Loctiteシアノアクリレート化合物)が塗布される前に軸受座を処理するために使用されてよい。また、接着剤としてのシアノアクリレート化合物とプラズマ/プライマとに対する代替形態は、エポキシであってよい。
【0146】
一実施形態では、ハウジングの第1及び第2のハウジング部は、超音波溶接と共にせん断接合を使用して結合されてよい。
【0147】
また、一実施形態では、ブロワを通る様々な位置での封止を改善するために、剛性の材料と、より軟性の材料との組合せが、2ショットプロセス(例えば、同時成形)で成形されてよい。
【0148】
リードワイヤがブロワハウジングから出るときに同じ長さになるようにするために、「バインディングポスト」又は「クリート」が、ハウジングの外部に位置決めされてよい。ワイヤの長さを均一にすることができるように、1つ又は複数のワイヤが、そのバインディングポストの周りに巻き付けられてよい。
【0149】
一実施形態では、ラビリンスシールが提供されてよく、第1段階羽根車(例えば、図7−3及び7−6参照)の下で最小の再循環流を用いて均一化が可能な程度まで、第1段階軸受の外部側と第2段階軸受の外部側との間で圧力が均一になるようにする。
【0150】
本発明を、最も実用的であり好ましい実施形態と現在考えられるものに関連して説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に、本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び等価構成を網羅するものと意図されていることを理解されたい。また、上述した様々な実施形態は、他の実施形態と関連付けて実施されてもよく、例えば、さらに別の実施形態を実現するために、1つの実施形態の態様を別の実施形態の態様と組み合わせてよい。さらに、任意の所与のアセンブリの各個の機能又は構成要素が、さらなる実施形態を構成することもある。さらに、任意の所与のアセンブリの各個の構成要素、任意の所与のアセンブリの個々の構成要素の1つ又は複数の部分、及び1つ又は複数の実施形態からの構成要素の様々な組合せが、1つ又は複数の装飾的設計機構を含むことがある。さらに、本発明は、OSAの症状をもつ患者への特定の用途を有するが、他の疾患(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、卒中、肥満手術など)をもつ患者が、上述の教示から利益を得ることができることを理解されたい。さらに、上述の教示は、非医学的用途でも同様に、患者及び非患者に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1−1】本発明の実施形態によるブロワの断面図である。
【図1−2】図1−1に示されるブロワの静翼/カバー構成要素の斜視図である。
【図1−3】図1−1に示されるブロワの翼付きシールドの斜視図である。
【図1−4】ブロワハウジングカバーが取り外された、図1−1に示されるブロワの上面図である。
【図2】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図5】本発明の実施形態によるブロワのためのサポートシステムの断面図である。
【図6−1】本発明の実施形態によるブロワのための封止構成の部分断面図である。
【図6−2】本発明の別の実施形態によるブロワのための封止構成の部分断面図である。
【図7−1】本発明の別の実施形態によるブロワの斜視図である。
【図7−2】図7−1に示されるブロワの側面図である。
【図7−3】図7−1に示されるブロワの断面図である。
【図7−4】図7−3に示される断面図の拡大部分図である。
【図7−4B】本発明の別の実施形態によるブロワの拡大部分断面図である。
【図7−5】図7−1に示されるブロワの別の断面図である。
【図7−6】図7−5に示される断面図の拡大部分図である。
【図7−7】ハウジングが取り外された、図7−1に示されるブロワの側面図である。
【図7−8】図7−1に示されるブロワの固定子構成要素の上面斜視図である。
【図7−9】図7−8に示される固定子構成要素の底面斜視図である。
【図7−10】図7−8に示される固定子構成要素の断面図である。
【図7−11】図7−1に示されるブロワの第1のシールドの上面斜視図である。
【図7−12】図7−11に示される第1のシールドの上面図である。
【図7−13】図7−1に示されるブロワの第2のシールドの上面斜視図である。
【図8】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図9−1】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図9−2】本発明の別の実施形態によるブロワの断面図である。
【図10−1】本発明の一実施形態による固定子の図である。
【図10−2】本発明の一実施形態による固定子の図である。
【図10−3】本発明の一実施形態による固定子の図である。
【図11】本発明の別の実施形態による固定子の平面図である。
【図12−1】本発明の別の実施形態によるブロワの斜視図である。
【図12−2】図12−1に示されるブロワの断面図である。
【図12−3】図12−1に示されるブロワの固定子の斜視図である。
【図13−1】本発明の別の実施形態によるブロワの斜視図である。
【図13−2】図13−1に示されるブロワの断面図である。
【符号の説明】
【0152】
10 ブロワ
15 軸
20 ハウジング
22 ハウジング部
24 ハウジング部
26 入口
28 出口
30 固定子構成要素
32 静翼
34 基部
35 オリフィス
36 環状フランジ
37 内側部分
38 軸受管
39 外側部分
40 モータ
42 磁石
44 固定子アセンブリ
46 巻線
48 固定子積層スタック
50 羽根車
52 羽根車
60 シールド、キャップ
62 ディスク部分
65 タブ
66 開口
68 環状フランジ、突出部
70 シールド
72 静翼
73 内側部分
74 ハブ
75 外側部分
76 外形縁部
80 シャフト
90 内面
90(1) 環状面
90(2) 環状面
90(3) 傾斜面
92 外面
94 フランジ
100 軸受
102 軸受
104 座金
106 ばね、付勢要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸配置された入口及び出口を含む静止部分と、
前記静止部分に設けられた回転部分と、
前記回転部分を駆動するように適合されたモータと
を備えるブロワであって、
前記静止部分が、ハウジングと、前記ハウジングに設けられた固定子構成要素と、内面を備えた管とを含み、
前記回転部分が、前記管の前記内面に沿って設けられた1つ以上の軸受を含み、これにより前記管の内部で回転子を支持することを特徴とするブロワ。
【請求項2】
前記モータが、前記管の外面に沿って設けられた固定子アセンブリを含む請求項1に記載のブロワ。
【請求項3】
前記固定子構成要素が、一体構造として一体に形成されている請求項1に記載のブロワ。
【請求項4】
前記管の少なくとも一部分が、磁場が通過可能な程度に十分に磁気的に透明である請求項1に記載のブロワ。
【請求項5】
前記ブロワが多段式ブロワである請求項1に記載のブロワ。
【請求項6】
前記回転部分が、前記モータの一方の側面に設けられた1つの羽根車と、前記モータの他方の側面に設けられた1つの羽根車とを含んでいる請求項5に記載のブロワ。
【請求項7】
前記静止部分が、気流が軸方向で各段階に出入り可能に構成されている請求項5に記載のブロワ。
【請求項8】
前記軸受の大きさが異なる請求項1に記載のブロワ。
【請求項9】
前記管の一方の端部には、第1の表面が、第1の軸受を支持するように形成され、
前記管の他方の端部には、第2の表面が、前記第1の軸受よりも小さい第2の軸受を支持するように形成されている請求項8に記載のブロワ。
【請求項10】
複数の静翼が、前記固定子構成要素に設けられている請求項1に記載のブロワ。
【請求項11】
前記静翼が、動作位置において前記モータの固定子アセンブリを支持し維持するように構成されている請求項10に記載のブロワ。
【請求項12】
前記静翼の内側部分が、前記固定子アセンブリの巻線を係止し支持するように構成され、
前記静翼の外側部分が、前記固定子アセンブリの固定子を係止し支持するように構成されている請求項11に記載のブロワ。
【請求項13】
前記内側部分が、前記外側部分に対して凹状とされるか、又は低くなっている請求項12に記載のブロワ。
【請求項14】
前記静止部分が、前記静止部分の静翼を前記回転部分の羽根車ブレードから隔離するために少なくとも1つのシールドを含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項15】
前記静止部分が、固定子アセンブリを囲み挟むように前記固定子構成要素と協働する第1のシールドを含んでいる請求項14に記載のブロワ。
【請求項16】
前記第1のシールドが、前記ハウジング及び/又は固定子構成要素に設けられた各スロット内部に係止するように適合された1つ以上のタブを含んでいる請求項15に記載のブロワ。
【請求項17】
前記第1のシールドが、前記管の周囲に圧力のショート回路を形成するために入口導管及び出口導管を含んでいる請求項15に記載のブロワ。
【請求項18】
前記静止部分が、気流を前記出口に向ける第2のシールドを含んでいる請求項14に記載のブロワ。
【請求項19】
前記第2のシールドが、前記出口で前記シールドを支持し位置合わせするように構成された複数の静翼を含んでいる請求項18に記載のブロワ。
【請求項20】
前記ハウジングが、気流を前記出口に向けるために複数の静翼を備え、
前記静翼が、前記第2のシールドを支持し位置合わせするように構成されている請求項18に記載のブロワ。
【請求項21】
少なくとも一部の固定子アセンブリが、気体流路に対して露出し、
前記気体流路によって、気体が使用時に前記静止部分を通って流れる場合に前記固定子アセンブリの冷却を可能にする請求項1に記載のブロワ。
【請求項22】
前記回転部分が、前記モータによって駆動するように適合された少なくとも1つの羽根車を含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項23】
少なくとも1つの羽根車は、羽根車ブレードが羽根車ハブの軸に対して下方向に屈曲又は傾斜されていることによって混合流構造になっている請求項22に記載のブロワ。
【請求項24】
前記羽根車ブレードが、それぞれ前記羽根車ハブの軸に対して所定の角度で下方向に屈曲又は傾斜された長手方向軸を有している端部を含んでいる請求項23に記載のブロワ。
【請求項25】
前記角度が、約90°〜約160°とされる請求項24に記載のブロワ。
【請求項26】
前記静止部分が、前記羽根車の前記混合流構造に適合するようにテーパ状とされる請求項23に記載のブロワ。
【請求項27】
前記ハウジングには、第1のハウジング部及び第2のハウジング部が形成されている請求項1に記載のブロワ。
【請求項28】
前記ハウジング部が、前記固定子構成要素の縁部を受容し支持するように適合されたスロットを形成するように協働する請求項27に記載のブロワ。
【請求項29】
前記第1のハウジング部と第2のハウジング部との間に封止構成を備えている請求項28に記載のブロワ。
【請求項30】
前記封止構成が、前記ハウジング部の端部同士の間で封止するための第1のシールと、前記固定子構成要素の縁部と前記ハウジング部との間で封止するための第2のシールとを含んでいる請求項29に記載のブロワ。
【請求項31】
前記第1のシール及び第2のシールが、前記ハウジング部のうち一方のハウジング部の端部にオーバーモールドされている請求項30に記載のブロワ。
【請求項32】
前記固定子構成要素が、前記第2のシールに係止するように適合された突起を含んでいる請求項30に記載のブロワ。
【請求項33】
前記ハウジング部が、複数のスナップ嵌め部材によって互いに固定されている請求項27に記載のブロワ。
【請求項34】
前記固定子構成要素が、複数の離隔された側壁を含むケージを形成し、
複数の離隔された前記側壁は、前記ケージに開口部を形成する請求項1に記載のブロワ。
【請求項35】
前記ケージが円柱状である請求項34に記載のブロワ。
【請求項36】
前記静止部分が、使用時に気流を導くように構成されたグリッドを含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項37】
前記静止部分が、使用時に気流を導くように構成された織物メッシュを含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項38】
前記静止部分が、使用時に気流を導くように構成されたハニカム状構造体を含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項39】
前記静止部分が、使用時に気流を導くように構成された螺旋状の押出成形体を含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項40】
陽圧で空気を供給するように構成された請求項1に記載のブロワ。
【請求項41】
前記モータが、環状の本体と、巻線が巻き付けられた前記本体から径方向内側に延在している複数の固定子歯とを有している固定子を含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項42】
前記モータが、前記管に直接巻き付けられた巻線を含んでいる請求項1に記載のブロワ。
【請求項43】
請求項1に記載のブロワを備えているPAP装置。
【請求項44】
さらに、外側ケーシングと、前記外側ケーシング内部で前記ブロワを支持するためのサポートシステムとを備えている請求項43に記載のPAP装置。
【請求項45】
前記サポートシステムが、前記ブロワの側部に形成され、前記外側ケーシング内に形成された各スロット内部で係止するように適合された環状のリングを含んでいる請求項44に記載のPAP装置。
【請求項46】
前記環状のリングが、前記ブロワの入口側を前記ブロワの出口側から分割又は封止する請求項45に記載のPAP装置。
【請求項47】
前記サポートシステムが、前記外側ケーシングの基部を係止するように適合された複数の脚部を含んでいる請求項46に記載のPAP装置。
【請求項48】
前記脚部が、前記ブロワの前記入口側と前記出口側との間にバックアップシールを備えている請求項47に記載のPAP装置。
【請求項49】
前記環状のリングと脚部とが、前記ブロワの前記ハウジングにオーバーモールドされている請求項48に記載のPAP装置。
【請求項50】
オーバーモールドされたフィーダが、前記環状のリングを前記脚部それぞれに相互接続している請求項49に記載のPAP装置。
【請求項51】
外側ケーシングと、
ブロワと、
前記ブロワと前記外側ケーシングとの間に設けられたサポートシステムと、
を備えた、患者に供給し治療するために加圧気体を供給するためのPAP装置であって、
前記サポートシステムには、環状のシールが設けられ、
前記環状のシールは、前記ブロワの外面に設けられており、前記外側ケーシングに係止し、これにより前記外側ケーシング内部で前記ブロワを支持し、且つ前記ブロワの入口側を前記ブロワの出口側から分離するPAP装置。
【請求項52】
前記サポートシステムが、前記ブロワの底部に形成され、且つ前記外側ケーシングの基部に係合するように適合された複数の脚部を含んでいる請求項51に記載のPAP装置。
【請求項53】
前記シールが、前記ブロワの前記外面にオーバーモールドされている請求項51に記載のPAP装置。
【請求項54】
前記シールが、前記ブロワの前記外面に取り付け可能に適合された独立した部片として形成されている請求項51に記載のPAP装置。
【請求項55】
前記シールが、エラストマー材料から成形されている請求項51に記載のPAP装置。
【請求項56】
ブロワ内に固定子アセンブリの巻線を形成するための方法であって、
回転子を支持するように適合された管を含む前記ブロワのために静止部分を準備するステップと、
前記固定子アセンブリの前記巻線を形成するために前記管をマンドレルとして使用するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項57】
前記管をマンドレルとして使用可能となるように前記管を形成するステップを含んでいる請求項56に記載の方法。
【請求項58】
テーパ状部分を備えた円柱状構成体を含むように前記管を形成するステップを含んでいる請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記管から前記巻線を解くことを補助するために、1つ以上の構造的構成要素を前記管に付加するステップを含んでいる請求項56に記載の方法。
【請求項60】
1つ以上のスプラインを前記管に付加するステップを含んでいる請求項59に記載の方法。
【請求項61】
入口及び出口を含んでいる静止部分と、
前記静止部分に設けられた回転部分と、
前記回転部分を駆動するように適合されたモータと、
を備えているブロワであって、
前記静止部分が、ハウジングと、前記ハウジングに設けられた固定子構成要素とを含み、
前記固定子構成要素が、前記回転部分の回転子を支持するように適合された部分と、前記部分を囲むケージとを含んでいるブロワ。
【請求項62】
前記部分が、管を含み、
前記モータが、前記管の外面に沿って設けられた固定子アセンブリを含んでいる請求項61に記載のブロワ。
【請求項63】
前記ケージが、動作位置において前記固定子アセンブリを支持し維持するように構成されている請求項62に記載のブロワ。
【請求項64】
前記ケージが、前記ケージに開口部を形成する複数の離隔された側壁を含んでいる請求項63に記載のブロワ。
【請求項65】
前記固定子アセンブリの少なくとも一部が、気体流路に対して露出し、
前記気体流体によって、気体が使用時に前記静止部分を通って流れる場合に前記固定子アセンブリを冷却可能にする請求項64に記載のブロワ。
【請求項66】
前記固定子構成要素が、前記ハウジング内部で前記固定子構成要素を支持するように構成された基部を含んでいることを特徴とする請求項62に記載のブロワ。
【請求項67】
前記固定子構成要素が、使用時に気体を導くように構成されたシールド部分を含んでいることを特徴とする請求項62に記載のブロワ。
【請求項68】
前記管と前記ケージとが、前記シールド部分から延在するように構成されていることを特徴とする請求項67に記載のブロワ。
【請求項69】
前記固定子構成要素が、一体構造として一体に形成されていることを特徴とする請求項62に記載のブロワ。
【請求項70】
前記回転部分が、前記管の内部で前記回転子を支持するために前記管の内面に沿って設けられた1つ以上の軸受を含んでいることを特徴とする請求項62に記載のブロワ。
【請求項71】
前記入口と前記出口とが同軸に位置合わせされていることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項72】
前記ケージが円筒状であることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項73】
陽圧で空気を供給するように構成されていることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項74】
多段ブロワであることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項75】
前記回転部分が、前記モータの一方の側部に設けられた1つの羽根車と、前記モータの他方の側部に設けられた1つの羽根車とを含んでいることを特徴とする請求項74に記載のブロワ。
【請求項76】
前記モータが、環状の本体と、巻線が巻き付けられた前記本体から径方向内側に延在する複数の固定子歯とを含んでいることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項77】
前記モータが、前記管に直接巻き付けられた巻線を含んでいることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項78】
前記部分が、前記回転子を支持する第1の軸受及び第2の軸受を支持するように適合された第1の部分及び第2の部分を有する金属製の軸受支持体を含んでいることを特徴とする請求項61に記載のブロワ。
【請求項79】
請求項61に記載のブロワを備えていることを特徴とするPAP装置。
【請求項80】
入口及び出口を含む静止部分と、
前記静止部分に設けられた回転部分と、
前記回転部分を駆動するように適合されたモータであって、巻線を備えた固定子アセンブリを含むモータと、
巻線の抵抗及び/又は電流引き込みを監視し、検出された前記モータの故障を示すために信号を提供することによって、前記モータの故障を検出する検出システムと、
を備えていることを特徴とするブロワ。
【請求項81】
前記信号には、利用者がブロワを修理するように促す内容が含まれていることを特徴とする請求項80に記載のブロワ。
【請求項82】
前記検出された故障には、軸受寿命不具合又は摩擦状態と、電子駆動システムのソフトウェア故障とのうち少なくとも1つが含まれていることを特徴とする請求項80に記載のブロワ。
【請求項83】
陽圧で空気を供給するように構成されていることを特徴とする請求項80に記載のブロワ。
【請求項84】
複数の固定子歯を含む内側部分と、
前記内側部分を受容するように構成された外側部分であって、自身の内周に沿って、前記内側部分の各歯を受容するように適合された複数の凹所を含んでいる環状の前記外側部分と、
を備えていることを特徴とする固定子アセンブリのための固定子。
【請求項85】
同軸配置された入口及び出口を含む静止部分と、
前記静止部分に設けられた回転部分と、
前記回転部分を駆動するように適合されたモータと、
を備えているブロワであって、
前記静止部分には、ハウジングと、前記ハウジングに設けられた金属製の軸受支持体とが設けられ、
前記軸受支持体には、第1及び第2の部分が設けられ、
前記回転部分には、前記軸受支持体内部で回転子を支持するために第1の部分及び第2の部分それぞれによって支持される第1の軸受及び第2の軸受が設けられていることを特徴とするブロワ。
【請求項86】
陽圧で空気を供給するように構成されていることを特徴とする請求項85に記載のブロワ。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−4B】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図7−7】
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【図7−8】
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【図7−9】
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【図7−10】
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【図7−11】
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【図7−12】
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【図7−13】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【公開番号】特開2008−303876(P2008−303876A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−147245(P2008−147245)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】