説明

軸封構造および回転流体機械

【課題】軸の撓みによって軸封能力が低下しない軸封構造を提供する。
【解決手段】本発明の軸封構造は、間隔を空けて回転軸3を取り囲むハウジング1から回転軸に向かって突出し、回転軸3に垂直な環状のシール面16を形成する第1の突出部6,7,8,10,11,12,15と、ハウジング1から軸に向かって突出し、シール面16に対向する支持面17を形成する第2の突出部5,6,7,9,10,13,14と、第1の突出部6,7,8,10,11,12,15と第2の突出部5,6,7,9,10,13,14との間に配置され、内径が軸の外形よりも僅かに大きいシールリング18と、シールリング18と支持面17との間に配設され、シールリング18をシール面16に押圧する付勢部材19とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸封構造および回転流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
回転流体機械では、回転軸とハウジングとの隙間を封止する軸封構造が必要である。例えば、スクリュ圧縮機では、ロータ室からロータ軸を伝って漏出した流体が、ロータ軸を支持する軸受に達すると、軸受を損傷する場合がある。特に、回転流体機械では流体の圧力が高い吐出側のロータ軸の軸封が問題となりやすい。
【0003】
そこで、特許文献1の蒸気用スクリュ圧縮機では、吐出側のロータ軸のスクリュロータと軸受との間の軸封構造として、スクリュロータ側から順番に、第1ラビリンスシール、第2ラビリンスシースおよびリップシールを設け、第1ラビリンスシールと第2ラビリンスシールとの間にラビリンスシールによる軸封を助ける軸封流体を供給し、第2ラビリンスシールとリップシールとの間を大気に開放した構造を採用している。
【0004】
ラビリンスシールは、ロータ軸に嵌装されたロータと、ハウジングに保持されたステータとの間に入り組んだ狭い隙間を形成し、その隙間を流れる流体の圧力損失によって流体の通過を制限するシール装置である。したがって、ラビリンスシールは、ロータとステータとが正確に調芯されていなければ、十分に機能しない。
【0005】
スクリュ圧縮機では、その構造上、スクリュロータに流体の圧力が加わると、ロータ軸が撓む。このため、ラビリンスシールの軸方向の長さが長い場合、スクリュ圧縮機では、ロータ軸の撓み量が大きくなり、ラビリンスシールと軸が接触し、ラビリンスシールを破損する危険性がある。ひいては、ラビリンスシールによる軸封が不十分になる可能性がある。
【0006】
特許文献1のスクリュ圧縮機では、万一、ラビリンスシールの軸封が不十分になると、ロータ室から漏出した蒸気がラビリンスシールを通過して、リップシールを損傷させる可能性がある。特に、特許文献1のように蒸気を圧縮する圧縮機では、ラビリンスシールを通過した蒸気は、リップシールとロータ軸との摩擦部分の温度を上昇させるため、その漏れが僅かであっても、リップシールの損傷を引き起こす可能性がある。これを防止しようとして、低温の潤滑流体をリップシールとロータ室との間の空間に供給すれば、ロータ室側に低温の流体が漏洩し、蒸気を凝縮させてしまうため、圧縮機の効率が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−287413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記問題点に鑑みて、本願発明は、軸の撓みによって軸封能力が低下しない軸封構造、および、ロータ軸が撓んでも軸封能力が低下しない回転流体機械を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明による軸封構造は、間隔を空けて回転軸を取り囲むハウジングから、前記回転軸に向かって突出し、前記回転軸に垂直な環状のシール面を備える第1の突出部と、前記ハウジングから前記回転軸に向かって突出し、前記シール面に対向する支持面を備える第2の突出部と、前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に配置され、内径が前記回転軸の外形よりも僅かに大きいシールリングと、前記シールリングと前記支持面との間に配設され、前記シールリングを前記シール面に押圧する付勢部材とを有するものとする。
【0010】
この構成によれば、シールリングがシール面に沿って径方向に移動可能である。このため、回転軸が撓んでも、シールリングが回転軸に追従して移動するため、シールリングと回転軸との隙間が大きくならず、軸封能力が低下しない。
【0011】
また、本発明の軸封構造において、前記シールリングは、前記回転軸と熱膨張率が同じ材質からなってもよい。
【0012】
この構成によれば、回転軸が熱膨張しても、シールリングがほぼ同じ比率で膨張するので、回転軸とシールリングとの隙間が大きく変化せず、シール能力が安定している。
【0013】
また、本発明の軸封構造において、前記シールリングは、無電解ニッケル被膜中にPTFEの微粒子を分散共析させた複合めっき被膜を備えてもよい。
【0014】
この構成によれば、回転軸が撓んでシールリングに接触して径方向に移動させる際、両者の摩擦が小さくなるので、シールリングおよび回転軸の摩耗や焼き付きを防止できる。また、シール面とシールリングとの間の摩擦も小さくなるので、回転軸の撓みへの追従性が高い。
【0015】
また、本発明による回転流体機械は、前記軸封構造のいずれかを備えるものとする。
【0016】
この構成によれば、スクリュロータ等に作用する圧縮流体の作用により回転軸が撓んでも、軸封能力が低下せず、軸封構造の寿命が長いので、保守の手間が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態の軸封構造の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の軸封構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の回転流体機械の軸封構造を示す。本実施形態は、蒸気を圧縮するためのスクリュ圧縮機の吐出側の軸封に本発明を適用した例である。つまり、本実施形態では、蒸気を本軸封構造で封止する対象の流体とする。
【0019】
本実施形態では、ハウジング1の内部に、スクリュロータ2のロータ軸(回転軸)3を、玉軸受4によって支持している。
【0020】
ハウジング1は、ロータ軸3に向かって径方向に突出した複数の突出部5〜15が形成されている。突出部6,7,8,10,11,15のスクリュロータ2側(高圧側)の側面、および、突出部12の玉軸受4側(低圧側)の側面は、それぞれ、ロータ軸3に垂直なシール面16を構成している。また、突出部5,6,7,9,10,14の玉軸受4側(低圧側)の側面、および、突出部13のスクリュロータ2側(高圧側)の側面は、それぞれ、ロータ軸3に垂直な支持面17を構成している。
【0021】
突出部5と6の間、突出部6と7の間、突出部7と8の間、突出部9と10の間、突出部10と11の間、突出部12と13の間、および、突出部14と15の間には、それぞれ、内径がロータ軸3よりも僅かに大きいシールリング18と、軸方向に圧縮された付勢部材19とが配置されている。付勢部材19は、一端がシールリング18に当接し、他端が支持面17に当接しており、その弾性力によって、シールリング18をシール面16に押圧している。
【0022】
本実施形態のシールリング18は、ロータ軸3と同じ材質(例えばステンレス鋼)からなる金属製のリングに無電解ニッケル皮膜中にPTFEの微粒子を分散共析させた複合めっき皮膜(例えば、登録商標カニフロン)を備える。
【0023】
また、ハウジング1は、突出部10と11の間、つまり、突出部10のシール面16に圧接されたシールリング18と突出部11のシール面16に圧接されたシールリング18との間に形成された第1の排出空間に、大気に開放された第1排出流路20が設けられ、突出部11と12の間に、つまり、突出部11のシール面16に圧接されたシールリング18と突出部12のシール面16に圧接されたシールリング18との間に形成された第2の排出空間に、大気に開放された第2排出流路21が設けられている。
【0024】
また、ハウジング1は、突出部13と14の間、換言すれば、突出部12のシール面16に圧接されたシールリング18と突出部15のシール面16に圧接されたシールリング18との間に形成された供給空間に、シール流体(例えば空気や窒素ガス)が供給されるシール流体流路22が設けられている。したがって、第1排出流路20および第2排出流路21は、シール流体流路22よりも高圧側(スクリュロータ2側)に設けられている。
【0025】
ロータ軸3には、第2排出流路21に対向する位置に、スクリュロータ2側が斜めに約45°傾斜し、玉軸受4側が垂直なV字型の三角溝23が形成されており、また、シール流体流路22に対向する位置に、底辺が軸方向に延伸し、両側壁が斜めに約45°傾斜した台形断面の台形溝24が形成されている。
【0026】
また、ロータ軸3は、途中で縮径しており、その段差と玉軸受4との間にスリーブ25が嵌装されている。スリーブ25は、玉軸受4側に向かって拡径する円錐形の外周面26を構成するように外側に突出している。ハウジング1の突出部15の玉軸受4側の側面は、突出部25の外周面26と同じ角度で傾斜した円錐形の傾斜面27を構成している。これにより、突出部15の傾斜面27とスリーブ25の外周面26との間に、低圧側に向かって拡径するように傾斜した微小な隙間である狭いシールギャップ28が形成されている。
【0027】
本実施形態のシール構造では、シール面16に密着したシールリング18が、それぞれ、ロータ軸3の外周に近接し、シールリング18とロータ軸3との僅かな隙間を通過しようとする流体に圧力損失を生じさせることによって、蒸気の通過を抑制する軸封機能を発揮する。
【0028】
シールリング18は、シール面16に沿って径方向に移動可能である。したがって、仮に、ロータ軸3が撓んで、各シールリング18のある位置においてハウジング1に対してロータ軸3が偏芯したとしても、シールリング18がそれぞれロータ軸3に追従して径方向に移動する。これにより、シールリング18およびロータ軸3の摩耗や破損を防止して、シールリング18とロータ軸3との隙間が拡大しないように維持し、軸封能力の低下を防止する。
【0029】
つまり、シール面16および支持面17を形成する突出部の対と、それらのシール面16と支持面17との間に配置されたシールリング18および付勢部材19とは、軸封構造の最小単位である軸封部を構成しており、本実施形態は、7つの軸封部を有している。尚、当然ながら、本発明に係る回転流体機械の軸封構造はこの7つの軸封部を有するものに限定されるものではない。上述の軸封部の個数については適宜、増減が可能である。
【0030】
また、シールリング18は、ロータ軸3と同じ材質からなるため、その熱膨張率がロータ軸3と同じである。したがって、ロータ軸3の温度が上昇してロータ軸3の径が熱膨張によって大きくなっても、シールリング18も同じように熱膨張して、その内径を拡大する。これにより、ロータ軸3とシールリング18との間の隙間がほぼ一定に保たれ、軸封能力が変化しない。
【0031】
また、シールリング18は、摩擦係数が小さい表面処理である、無電解ニッケル皮膜中にPTFEの微粒子を分散共析させた複合めっき皮膜を有するので、シール面16との間の摩擦力が小さく、小さな力でシール面16に沿って径方向に移動させられる。これにより、ロータ軸3が偏芯してシールリング18に当接したときのシールリング18の移動が確実である。さらに、この表面処理は、シールリング18とロータ軸3との間の摩擦をも低減するので、ロータ軸3が偏芯してシールリング18に当接したときのシールリング18の摩耗や損傷を抑制して、軸封能力を長期に亘って維持できる。
【0032】
尚、シーリング18は、他の種類の表面処理(摩擦係数μが0.2程度以下となるような、摩擦係数の小さい表面処理。具体的にはニッケル、リン、ホウ素(ボロン)の3元合金での無電解めっきによる皮膜処理 (商標登録カニボロン)のような表面処理。)を施したものでもよく、表面処理していないものであってもよい。また、シールリング18は、ロータ軸3と異なる材質(カーボンのような金属以外の材質を含む)で形成してもよい。ただし、シールリング18を、ロータ軸3と異なる材質(特にロータ軸3より熱膨張率が小さい材質)で形成する場合、ロータ軸3の熱膨張によって、シールリング18自体が損傷することを回避するため、シールリング18が単一の部材からなるものではなく、複数の円弧状の部材を組み合わせて構成されてなるもの、いわゆるセグメントシールなどを採用するのが好ましい。
【0033】
また、本実施形態では、シール流体流路22に、少なくとも大気圧以上の圧力を有するシール流体が供給され、シール流体流路22よりスクリュロータ2側に第1排出流路20および第2排出流路21が設けられているので、突出部12と突出部15との間の空間の圧力は、突出部11と突出部12との間の圧力(第2排出流路)よりも高くなる。このため、突出部12に密接するシールリング18とロータ軸3との間の隙間には、突出部13側から突出部11側に向かって、つまり、玉軸受4側からスクリュロータ2側に向かってシール流体が流れる。
【0034】
このため、スクリュロータ2からロータ軸3に沿って流出した蒸気が、突出部11のシールリング18を通過したとしても、突出部12のシールリング18とロータ軸3との間のシール流体の流れに阻まれて、第2排出流路21から外部に流出することしかできない。また、さらに、ロータ軸3に沿って玉軸受4側に流出した蒸気を、第1排出流路20から大気に放出するので、第2排出流路21の圧力がシール流体流路22の圧力よりも高くならず、一定のシール流体の流れが確保される。
【0035】
また、本実施形態では、ロータ軸3の第2排出流路21に対向する位置に、三角溝23が形成されている。ロータ軸3に沿って漏出した蒸気が凝縮して凝縮水となってロータ軸3に付着し、ロータ軸3を伝って三角溝23まで到達したとしても、凝縮水は、さらにロータ軸3を伝って玉軸受4側に移動するためには、玉軸受4側に向かって縮径した三角溝23に沿って径方向内側に移動する必要がある。しかしながら、ロータ軸3上の凝縮水には、ロータ軸3の回転による遠心力が作用するので、凝縮水は三角溝23の底に向かって移動することができない。つまり、凝縮水は、三角溝23を超えることができない。
【0036】
さらに、本実施形態では、ロータ軸3のシール流体流路22に対向する位置に、台形溝24が形成されているので、シール流体流路22から供給されたシール流体は、この台形溝24内でロータ軸3の周方向に均一な圧力で行き渡る。これにより、隣接するシールリング18とロータ軸3との隙間の全周に亘って等しい速度で通過する一様な流れを形成する。このため、周方向に部分的な蒸気の通過も防止される。
【0037】
また、この台形溝24の傾斜した側壁は、三角溝23と同様に、遠心力によって、ロータ軸3を伝う液体の移動を制止する機能を有する。これにより、スクリュロータ2から漏出した蒸気の凝縮水が玉軸受4側に移動しないだけでなく、玉軸受4から潤滑油が漏出した場合には、潤滑油を押し留めて、さらなる潤滑油の漏出を防止する。
【0038】
また、本実施形態では、スリーブ25と突出部15との間に傾斜した微小な隙間であるシールギャップ28が形成されている。このシールギャップ28は、玉軸受4の潤滑油がシールギャップ28に進入したとしても、外周面26の回転によって潤滑油に遠心力を作用させ、傾斜面27に沿って玉軸受4側に潤滑油を押し戻す。これにより、シールギャップ28を介してスクリュロータ2側へ玉軸受4の潤滑油が漏出することを防止して、玉軸受4の潤滑を確保できる。
【0039】
尚、図1における玉軸受4とシールギャップ28との間の空間には、図示されない低圧空間(例えば、大気圧のギアボックス)と連通する低圧連通路が接続されているのが、より好ましい。この構成によれば、シール流体流路22から供給されたシール流体が、突出部14と突出部15との間に介在するシールリング18とロータ軸3とのわずかな間隙を通じ、さらにシールギャップ28、玉軸受4とシールギャップ28との間の空間、図示されない低圧空間へと通じるという、シール流体の流れが形成される。このシール流体の流れによって、潤滑油がシールギャップ28を介してスクリュロータ2側へ漏出することが防止される。尚、この場合、玉軸受4へ潤滑油を供給する潤滑油供給路が形成されていることも好ましい。
【0040】
続いて、図2に、本発明の第2実施形態の軸封構造を示す。尚、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0041】
本実施形態において、ロータ軸3は、三角溝23を有しておらず、代わりに、突出部12に密接するようなリップを有するVリング29が配設されている。また、本実施形態は、スリーブ25を有しておらず、ロータ軸3の大径部が玉軸受4を位置決めするように延伸している。そして、この部分にも、突出部15に密接するようなリップを有するVリング30が配設されている。
【0042】
この実施形態では、ロータ軸3が回転することにより発生する遠心力と、シール流体流路22に供給されたシール流体により、Vリング29,30のリップを押し広げて、Vリング29と突出部12の間およびVリング30と突出部15の間に微小な隙間を形成する。これにより、Vリング29,30は、突出部12,15と非接触で回転し、シール流体の流れに逆らう蒸気や凝縮水、或いは、潤滑油の移動を防止する。尚、停止時には、Vリング29と突出部12およびVリング30と突出部15が密接することにより、蒸気や凝縮水、或いは、潤滑油の移動を防止する。
【0043】
尚、上述の実施形態では、本発明を、スクリュ圧縮機の吐出側に適用したが、本発明は、多様な装置の回転軸の軸封構造として広く採用できる。また、本発明は、スクリュエキスパンダ(膨張機)のような回転流体機械の高圧側の軸封装置とすることが効果的であるが、低圧側の軸封装置にも適用できる。
【0044】
さらに、上述の実施形態は、大気に開放された排出流路20,21を備えるが、本発明における排出流路は、シール流体よりも低圧に維持される低圧空間に連通していればよい。
【0045】
尚、本発明に係る軸封構造、およびその軸封構造を備える回転流体機械は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の第1実施形態では、スクリュロータ2側が斜めに約45°傾斜し、玉軸受4側が垂直なV字型の三角溝23が形成されたものを示したが、約45°の傾斜の面や、垂直の面については、適宜、各々の面の角度を変更してもよい。また、台形断面の台形溝24に替えて、例えば、断面が略半円状に形成された円弧溝や、断面がV字状に形成されたV字溝を採用しても良い。
【0046】
また、第2実施形態において、Vリング29,30の間に設置されている、シールリング18と付勢部材19は、シール流体消費量(すなわち、油がロータ室側に漏れることとロータ室から漏れた蒸気が軸受側に漏れることを防止するために必要な流体の流量)が許容できるのであればなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ハウジング
2…スクリュロータ
3…ロータ軸(回転軸)
4…玉軸受
5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15…突出部
16…シール面
17…支持面
18…シールリング
19…付勢部材
20…第1排出流路
21…第2排出流路
22…シール流体流路
23…三角溝
24…台形溝
25…スリーブ
26…外周面
27…傾斜面
28…シールギャップ
29,30…Vリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を空けて回転軸を取り囲むハウジングから、前記回転軸に向かって突出し、前記回転軸に垂直な環状のシール面を備える第1の突出部と、
前記ハウジングから前記回転軸に向かって突出し、前記シール面に対向する支持面を備える第2の突出部と、
前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に配置され、内径が前記回転軸の外形よりも僅かに大きいシールリングと、
前記シールリングと前記支持面との間に配設され、前記シールリングを前記シール面に押圧する付勢部材とを有することを特徴とする軸封構造。
【請求項2】
前記シールリングは、前記回転軸と熱膨張率が同じ材質からなることを特徴とする請求項1に記載の軸封構造。
【請求項3】
前記シールリングは、無電解ニッケル被膜中にPTFEの微粒子を分散共析させた複合めっき被膜を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の軸封構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の軸封構造を備えることを特徴とする回転流体機械。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−246979(P2012−246979A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118156(P2011−118156)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】