説明

軸流ターボ機械のためのロータ及びロータのための動翼

【課題】拡大した底部領域と大きな曲率半径とを備えたロータ溝形状の利点を引き出すことができるように、ロータ又はロータにおいて使用される動翼を設計する。
【解決手段】ロータ11が支持する複数の動翼26が、翼根元部27によって、軸線30を中心に延びたロータ溝21に押し込まれかつ該ロータ溝に保持されており、翼根元部27が、ハンマーヘッド部32を備えたハンマー根元部を有していて、かつ動翼26に作用する遠心力に対抗して、さらに半径方向外方に位置したロータ溝21の半径方向停止面25に支持されているとともに、動翼26に作用する軸方向に力に対抗して、さらに半径方向内方に位置した軸方向停止面20に支持されており、ロータ溝21が、底部において、連続的に湾曲した断面形状を備えた軸方向及び半径方向に拡大した底部領域23を有しており、翼根元部27が半径方向で、拡大した底部領域23に適応させられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸流ターボ機械の技術分野に関する。本発明は、請求項1の前提部による軸流ターボ機械のためのロータと、このようなロータのための動翼とに関する。
【背景技術】
【0002】
高い電力出力を有する定置ガスタービンは、従来、発電所、特に複合サイクル発電所の基本的な構成部分である。図1は、本出願人によって供給された、形式名GT26(R)によって知られるこのようなガスタービンの一例の斜視図であり、部分的に断面で示されている。
【0003】
図1に示されたガスタービン10には、順次燃焼として知られるものが装備されている。順次燃焼は、空気入口15から空気を吸入してこの空気を圧縮する多段圧縮機12を有している。圧縮された空気は、後続の第1の環状の燃焼室14aにおいて、噴射された燃料の燃焼のために部分的に使用される。生じる高温ガスは、第1のタービン13aを流過し、次いで、第2の燃焼室14bに進入し、この第2の燃焼室14bにおいて、残りの空気は、再び噴射される燃料の燃焼のために用いられる。第2の燃焼室14bからの高温ガス流は、仕事を行うために第2のタービン13bにおいて膨張させられ、外部へ放出されるために、又は複合サイクル発電所において蒸気の発生のために使用されるために、ガスタービン10から排気ガス出口16を通って排出される。
【0004】
圧縮機12と、2つのタービン13a,13bとは、複数組の動翼を有しており、これらの翼は、軸線30を中心に回転し、包囲しているステータに固定された案内翼とともに、機械の翼列を形成している。全ての動翼は、軸線を中心に回転可能な共通のロータ11に配置されており、この目的のために提供されたロータ溝によって、ロータ軸に解放可能に固定されている。この場合、圧縮空気が摂氏数百度の温度に達する圧縮機12の最終段12aに特に注意が向けられる。
【0005】
従来技術(例えば国際公開第2005/054682号パンフレット参照)から、図2を参照すると、圧縮機12の最終段12aの動翼12に、ハンマーヘッド形の根元部として設計された翼根元部18を提供し、翼のハンマーヘッド形の根元部を、軸線を中心に延びたロータ溝19に押し込み、翼をロータ溝に保持することが知られている。翼根元部18は、動翼17に作用する遠心力に対抗して、半径方向でさらに外方に位置したロータ溝19の半径方向停止面25に対して支持される。前記翼根元部は、同様に、動翼17に作用する軸方向力に対抗して、半径方向でさらに内方に位置した軸方向停止面20に対して支持される。この場合、それぞれの半径方向停止面25と、それぞれの軸方向停止面20との間には、アンダカットが提供されている。ばね22は、ロータ溝19の底部に設けられており、組み立て中に、動翼17を半径方向で固定する。
【0006】
エネルギ及び環境に関する現在の議論において、このタイプの機械の電力、効率、燃焼温度及び/又は質量流量を高めるという不変の要求が存在する。電力出力の増大は、特に、圧縮機を改良することによって達成することができる。
【0007】
ガスタービンの改良は、圧縮機最終段12aにおけるより高いガス温度につながる、圧縮機を通る質量流量の増大を伴う。圧縮機のための翼枚葉の現在の漸進空力設計は、より大きな軸方向翼弦長を必要とし、このことは、ロータ溝19の間の距離を大きくする。
【0008】
2つは相俟って、機械が始動される時に、後方の圧縮段におけるロータ溝の底部に設けられた切欠において熱応力を著しく増大させる。なぜならば、ロータ本体の中心は依然として低温である(図2におけるT1)のに対し、外側領域は既に高い全負荷温度(図2におけるT2)に曝されており、これにより、高い熱応力が材料に生じるからである。
【0009】
別の関連において、つまり、ロータ溝における斜めの停止面に対して当接しかつ摩擦によりせん断力を溝の側壁に加える鳩尾状の翼根元部を備えたガスタービンの動翼において、摩擦により誘発された応力を低減するために、停止面の下方においてロータ溝にフィレットを導入することが提案されてきた(米国特許第5141401号明細書参照)。この場合、しかしながら、熱応力は役割を果たさない。
【0010】
ロータ溝の領域における応力を減じるための手段に関連して、欧州特許出願公開第1703080号明細書は、ロータにおける応力分布に対する、溝の断面形状の決定的な影響を繰り返している。ここでは、これに関して、溝の底部にだ円形の横断面を提供することが提案されている。
【0011】
このように設計されたロータ溝は、底部において、熱応力を減じるために、軸方向及び半径方向で拡大した底部領域23を有しており、この底部領域23は、中央平面33の領域における大きな曲率半径によって特徴付けられかつ中央平面33に関して鏡映対称であるように設計された連続的に湾曲した断面形状を備えている。
【0012】
動翼17のロータ根元部18の設計が、このように変更されたロータ溝形状の場合に保たれるならば、図3に示した翼根元部18のハンマーヘッド部は、斜線によって示された付加的な体積24の分だけ拡大されなければならず、このことは、動翼17の質量の著しい増大、ひいてはロータ溝21に作用する遠心力の増大を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2005/054682号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5141401号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1703080号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の課題は、拡大した底部領域と大きな曲率半径とを備えたロータ溝形状の利点を、好適にはいかなる欠点も生じることなく引き出すことができるように、ロータ又はロータにおいて使用される動翼を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題は、請求項1及び8の特徴の全てによって達成される。発明の基本的概念は、この場合、ロータ溝が、自体公知の形式で、熱応力を減じるために、底部において、連続的に湾曲した断面形状を備えた軸方向及び半径方向に拡大した底部領域を有しており、動翼の翼根元部が、半径方向で、拡大した底部領域に適応させられているということである。
【0016】
本発明の1つの実施態様によれば、拡大した底部領域は、ロータ溝を通過しかつ軸線に対して垂直に延びた中央平面に関して鏡映対称であり、底部領域の断面形状の曲率半径が、この場合、中央平面から縁部に向かって減少している。
【0017】
発明の別の実施態様は、拡大した底部領域が、軸方向で所定の最大幅を有しており、半径方向停止面が、軸方向で所定の最小間隔を有しており、最大幅に対する最小間隔の比が、0.1〜0.6、すなわち0.1<d5/d1<0.6である。
【0018】
この場合、拡大した底部領域が、半径方向停止面に関して所定の第1の最大深さを有しており、拡大した底部領域が、軸方向停止面の内縁部に関して所定の第2の最大深さを有しており、第1の最大深さに対する第2の最大深さの比が、0.4〜0.9、すなわち0.4<d3/d4<0.9である。
【0019】
複数の同じロータ溝が、軸方向に、所定の距離だけずれて設けられており、距離に対する最大幅の比が0.5〜0.8、すなわち0.5<d1/d2<0.8であると特に有利である。
【0020】
発明の別の実施態様によれば、翼根元部は、拡大した底部領域の半径方向拡大をブリッジするために、ハンマーヘッド部の下方において半径方向に延長されている。
【0021】
好適には、翼根元部を延長するために、半径方向に延びた延長ボルトが提供されている。比較的細い延長ボルトは、質量が不必要に動翼に付加されることなく、間隔をブリッジする。
【0022】
この場合、製造の観点から、延長ボルトがハンマーヘッド部に一体に形成されていると有利である。
【0023】
さらに、連続した移行を保証するために、延長ボルトとハンマーヘッド部との間の移行部に、湾曲した移行面が設けられていると有利である。
【0024】
択一的に、延長ボルトを別個の部品として製造し、延長ボルトをハンマーヘッド部に結合してもよい。
【0025】
この場合、延長ボルトを螺合又は溶接によってハンマーヘッド部に固定することが有利であると分かった。
【0026】
さらに、動翼の質量は、翼根元部に質量減少凹所が設けられているとさらに減じられる。
【0027】
好適には、凹所は、ハンマーヘッド部及び延長ボルトに亘って延びている。
【0028】
好適には周方向に延びているが、これらの凹所は、別の方向、例えば半径方向に延びていてもよい。
【0029】
本発明によるロータの改良は、延長ボルトの下端部と拡大した底部領域の底部との間の空間が自由なままであり、この自由な空間にばねが配置されており、このばねが、翼根元部を備えた動翼を半径方向に半径方向停止面に対して押し付けることを特徴とする。
【0030】
別の改良は、ハンマーヘッド部が所定の高さを有しており、延長ボルトが所定の半径方向長さを有しており、長さに対する高さの比が0.2〜0.8、すなわち0.2<d2/d1<0.8である。
【0031】
別の改良は、ハンマーヘッド部が所定の第1の軸方向幅を有しており、延長ボルトが所定の第2の軸方向幅を有しており、第1の軸方向幅に対する第2の軸方向幅の比が0.2〜0.6、すなわち0.2<d4/d3<0.6であることを特徴とする。
【0032】
以下に発明を図面に関連した典型的な実施態様によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】発明を実施するのに適しているような、順次燃焼を備えたガスタービンの斜視図であり、部分的に断面図で示されている。
【図2】圧縮機の最終段の領域における公知のガスタービンのロータの長手方向断面図であり、動翼の関連する固定も示されている。
【図3】拡大した底部領域と、連続して湾曲した横断面形状とを有する2つの隣接した同じロータ溝を、関連する寸法とともに拡大して示す図である。
【図4】変更されたロータ溝形状に対する翼根元部の可能な適応を示す図である。
【図5】発明の典型的な実施態様による、図3に示した変更されたロータ溝形状のための適応された動翼を示す図である。
【図6】図5に示した適応された動翼が図3に示したロータ溝に挿入された状態を示す図である。
【図7】図5の設計形式に代わる設計形式の、図3に示した変更されたロータ溝形状のための適応された動翼を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図4は、本発明による圧縮機の最終段の領域におけるガスタービンのロータ11の、図2と同様の長手方向断面図を示している。図2と図4とを比較すると、ロータ溝21の上側部分は、図2に示した公知のロータ溝形状と比較して変更されないままである。従って、半径方向及び軸方向の停止面25及び20は、実質的に変更されないままである。その結果、検証済みの設計をこの領域において使用することができる。
【0035】
しかしながら、ロータ溝21の拡大した底部領域23は新規である。拡大した底部領域は、底部領域23の断面形状が連続して湾曲しており、底部領域23の断面形状の曲率半径が、中央平面の領域において極めて大きく、中央平面から縁部に向かって急激に減少していることを特徴としている。断面形状は、中央平面に対して鏡像である。
【0036】
拡大した底部領域23は、軸方向停止面20のすぐ下方において、両側に、レリーフの形式で軸方向に拡大している。拡大した底部領域23は、図3に示されているように、軸方向で所定の最大幅d1を有しているのに対し、半径方向停止面25は、軸方向で所定の最小間隔d5を有している。最大幅d1に対する最小間隔d5の比は0.1〜0.6であると特に有利であり、すなわち不等式0.1<d5/d1<0.6が当てはまる。
【0037】
拡大した底部領域23は、半径方向停止面25に対して所定の第1の最大深さd4を有している。拡大した底部領域23は、軸方向停止面20の内縁部に対して所定の第2の最大深さd3を有している。第1の最大深さd4に対する第2の最大深さd3の比は0.4〜0.9であると特に有利であり、すなわち不等式0.4<d3/d4<0.9が当てはまる。
【0038】
別の不等式は、互いに対するロータ溝のずれに関する。複数の同じロータ溝21が、軸方向で互いに対して所定の距離d2だけずれて設けられているならば、距離d2に対する最大幅d1の比は0.5〜0.8であると有利であり、すなわち不等式0.5<d1/d2<0.8が当てはまる。
【0039】
基本的に、翼根元部18を備えた従来の動翼は、不変のまま引き継がれ、拡大したロータ溝21において使用することができる。しかしながら、拡大した底部領域23により、羽根根元部18には従って、図4に示されているように、付加的な体積24が提供されなければならず、このことは、望ましくない二次的な効果につながる。
【0040】
従って、変更されたロータ溝形状に対する翼根元部の適応が好ましく、このことは例えば図5、図6、及び図7によって示されている。図5及び図6の動翼26は、翼根元部を有しており、この翼根元部は、軸方向停止面まで達する上側部分においては、図2に示された翼根元部18と実質的に全く同じように設計されている。これに対して、ハンマーヘッド部32を起点とする半径方向下方への延長部が新規であり、この延長部は、ハンマーヘッド部32に一体に形成されかつハンマーヘッド部32の幅d3よりも狭い幅d4の延長ボルト29によって提供されている。延長ボルト29の半径方向長さ(d1)は、ハンマーヘッド部32の高さ(d2)よりも著しく大きい。
【0041】
延長ボルト29がハンマーヘッド部32に直接に一体に形成されているならば、連続的な移行を保証するために、湾曲した移行面28が好適には延長ボルト29とハンマーヘッド部32との移行部に設けられている。
【0042】
翼根元部18の軸方向延長のための費用対効果の高い択一例として、延長ボルト29を別個の部品として製造し、延長ボルトをハンマーヘッド部32に結合することが適切である。螺合又は溶接は、この場合、実用的な作動の要求を満たす結合方法であることが分かった。従って、ハンマーヘッド部32は、底部34に、中央平面33の領域において、ねじ穴35が設けられていてよい。一体に形成されたねじ山付きボルト36を用いて、例えば図7に示されているように、延長ボルト29は翼根元部18に螺合させられる。
【0043】
さらに、1つ又は2つ以上の質量減少凹所31が、翼根元部18,27に設けられており、円形、だ円形、又はその他の形状の穴か、1つ又は複数のスロットとして設計されていてよい。1つ又は複数の凹所31は、好適には半径方向でハンマーヘッド部32及び延長ボルト29に亘って延びている。この場合、この凹所又はこれらの凹所31は、好適には、必ずしもそうではないが、図5、図6及び図7に示されているように、周方向に延びている。しかしながら、質量減少凹所31のその他の適切な方向の延び及び実施態様は、同様に、例えば翼根元部27に半径方向に形成されたボアの形式で考えられてもよい。
【0044】
延長ボルト29の長さ(d1)に対するハンマーヘッド部32の高さ(d2)の比は、好適には0.2〜0.8であり、すなわち不等式0.2<d2/d1<0.8が適用できる。
【0045】
ハンマーヘッド部32の軸方向幅(d3)に対する延長ボルト29の軸方向幅(d4)の比は、好適には0.2〜0.6であり、すなわち不等式0.2<d4/d3<0.6が適用できる。
【0046】
本発明は、全体として、以下の特徴及び利点によって特徴付けられる:
・翼根元部は、半径方向延長部として、0.2<d2/d1<0.8及び0.2<d4/d3<0.6の寸法を有する延長ボルトを有しており、これにより、ばね22をアセンブリのために使用することができる。延長ボルト29は、付加的な重量を節約するために縁部において面取りされていてよい
・延長ボルトとハンマーヘッド部との間の移行面は、好適には、機械的な応力を減じるために湾曲されている
・ハンマーヘッド部及び延長ボルトの領域において、凹所、特に穴又はスロットは、重量若しくは質量を減じるために設けられている。
【符号の説明】
【0047】
10 ガスタービン、 11 ロータ、 12 圧縮機、 12a 圧縮機の最終段、 13a,13b タービン、 14a,14b 燃焼室、 15 空気入口、 16 排気ガス出口、 17,26 動翼、 18,27 翼根元部、 19,21 ロータ溝、 20 軸方向停止面、 22 ばね、 23 底部領域、 24 付加的な体積、 25 半径方向停止面、 28 湾曲したい後面、 29 延長ボルト、 30 ロータ軸線、 31 凹所、 32 ハンマーヘッド部、 33 中間平面、 34 翼根元部の底部、 35 ねじ穴、 36 ねじ山付きボルト、 d1,d2,d3,d4 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸流ターボ機械のためのロータ(11)であって、該ロータ(11)が複数の動翼(26)を支持しており、該動翼が、それぞれ、翼根元部(27)によって、軸線(30)を中心に延びたロータ溝(21)に押し込まれかつ該ロータ溝に保持されており、前記翼根元部(27)が、ハンマーヘッド部(32)を備えたハンマー根元部を有していて、かつ動翼(26)に作用する遠心力に対抗して、さらに半径方向外方に位置したロータ溝(21)の半径方向停止面(25)に支持されているとともに、動翼(26)に作用する軸方向に力に対抗して、さらに半径方向内方に位置した軸方向停止面(20)に支持されており、ロータ溝(21)が、底部において、熱応力を減じるために、連続的に湾曲した断面形状を備えた軸方向及び半径方向に拡大した底部領域(23)を有している形式のものにおいて、動翼(26)の翼根元部(27)が半径方向で、拡大した底部領域(23)に適応させられていることを特徴とする、軸流ターボ機械のためのロータ。
【請求項2】
前記拡大した底部領域(23)が、ロータ溝(21)を通過しかつ軸線(30)に対して垂直に延びた中央平面に対して鏡像対称に形成されており、底部領域(23)の断面形状の曲率半径が、中央平面から縁部に向かって減少している、請求項1記載のロータ。
【請求項3】
拡大した底部領域(23)が、軸方向で所定の最大幅(図3のd1)を有しており、半径方向停止面(25)が、軸方向で所定の最小間隔(図3のd5)を有しており、最小幅(d1)に対する最小間隔(d5)の比が0.1〜0.6、すなわち0.1<d5/d1<0.6であり、拡大した底部領域(23)が、半径方向停止面(25)に対して所定の第1の最大深さ(図3のd4)を有しており、拡大した底部領域(23)が、軸方向停止面(20)の内縁部に対して所定の第2の最大深さ(図3のd3)を有しており、第1の最大深さ(d4)に対する第2の最大深さ(d3)の比が0.4〜0.9、すなわち0.4<d3/d4<0.9である、請求項1又は2記載のロータ。
【請求項4】
複数の同じロータ溝(21)が、軸方向に所定の距離(図3のd2)だけずれされて設けられており、距離(d2)に対する最大幅(図3のd1)の比が0.5〜0.8、すなわち0.5<d1/d2<0.8である、請求項3記載のロータ。
【請求項5】
拡大した底部領域(23)の半径方向拡大をブリッジするために、ハンマーヘッド部(32)の下方において翼根元部(27)に、半径方向に延びた延長ボルト(29)が一体に形成されている、請求項1記載のロータ。
【請求項6】
延長ボルト(29)の下端部と拡大した底部領域(23)の底部との間の空間が自由なままであり、自由な空間にばね(22)が配置されており、該ばねが、翼根元部(27)を備えた動翼(26)を半径方向で半径方向停止面(25)に対して押し付けている、請求項5記載のロータ。
【請求項7】
ハンマーヘッド部(32)が所定の高さ(図6のd2)を有しており、延長ボルト(29)が所定の半径方向長さ(図6のd1)を有しており、長さに対する高さの比(d2/d1)が0.2〜0.8、すなわち0.2<d2/d1<0.8であり、ハンマーヘッド部(32)が所定の第1の軸方向幅(図6のd3)を有しており、延長ボルト(29)が所定の第2の軸方向幅(図6のd4)を有しており、第1の軸方向幅に対する第2の軸方向幅の比が0.2〜0.6、すなわち0.2<d4/d3<0.6である、請求項5記載のロータ。
【請求項8】
請求項1記載のロータのための動翼(26)であって、該動翼(26)が、ハンマーヘッド部(32)を備えたハンマー根元部として設計された翼根元部(27)を有する形式のものにおいて、ロータ溝(21)の拡大した底部領域(23)の半径方向拡大をブリッジするために、翼根元部(27)が、ハンマーヘッド部(32)の下方に半径方向に延長されていることを特徴とする、請求項1記載のロータのための動翼。
【請求項9】
半径方向に延びた延長ボルト(29)が、翼根元部(27)を延長するために設けられている、請求項8記載の動翼。
【請求項10】
延長ボルト(29)が、ハンマーヘッド部(32)に一体に形成されている、請求項9記載の動翼。
【請求項11】
連続的な移行を保証するために延長ボルト(29)とハンマーヘッド部(32)との間に湾曲した移行面(28)が設けられている、請求項9又は10記載の動翼。
【請求項12】
延長ボルト(29)が、別個の部品として製造され、ハンマーヘッド部(32)に結合されている、請求項9記載の動翼。
【請求項13】
延長ボルト(29)が、ハンマーヘッド部(32)に螺合されている、請求項12記載の動翼。
【請求項14】
延長ボルト(29)が、ハンマーヘッド部(32)に溶接されている、請求項12記載の動翼。
【請求項15】
翼根元部(27)に質量減少凹所(31)が設けられている、請求項8から14までのいずれか1項記載の動翼。
【請求項16】
凹所(31)が、ハンマーヘッド部(32)と延長ボルト(29)とに亘って延びている、請求項15記載の動翼。
【請求項17】
凹所(31)が、周方向に延びている、請求項15又は16記載の動翼。
【請求項18】
凹所(31)が、半径方向に延びている、請求項15又は16記載の動翼。
【請求項19】
ハンマーヘッド部(32)が、所定の高さ(図6のd2)を有しており、延長ボルト(29)が、所定の半径方向長さ(図6のd1)を有しており、長さに対する高さの比(d2/d1)が0.2〜0.8、すなわち0.2<d2/d1<0.8である、請求項9から18までのいずれか1項記載の動翼。
【請求項20】
ハンマーヘッド部(32)が、所定の第1の軸方向幅(図6のd3)を有しており、延長ボルト(29)が、所定の第2の軸方向幅(図6のd4)を有しており、第1の軸方向幅に対する第2の軸方向幅の比(d4/d3)が0.2〜0.6、すなわち0.2<d4/d3<0.6である、請求項19記載の動翼。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−102586(P2011−102586A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−251639(P2010−251639)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】