軽量型枠成形部品及びその製造方法
本発明は軽量型枠成形部品及びその製造方法に関する。軽量型枠成形部品は軽量複合材料(10,15)、即ちマトリックス材料(15)及び少なくとも1つの充填材(10)からなるコア領域(1)と、ファイバー材料(5)の少なくとも1つの層及びマトリックス材料(15)からなる少なくとも1つの表面のカバー層領域又は表面近傍のカバー層領域(2a,2b)とを備える。カバー層領域(2a,2b)のファイバー材料(5)の単層(又は複層)はコア領域(1)のマトリックス材料(15)と一体的に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軽量型枠成形部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軽量材料及び型枠成形された部品は今日、自動車工学、航空機製造、造船等の多くの技術的分野、及び輸送において使用されている。これらは従来の製造材料と比較して高い剛性、強度、及びエネルギー吸収能力の他、低密度に優れていると認められ、これらにより多く積載された製造要素を費用を抑えて製造可能である。密度が1.0kg/dm3(1.0kg/l)以下の軽量材料、即ちその密度が現在流通しているプラスチック材料のものより低いものが特に関心を持たれている。
【0003】
軽量のハニカム状のコアを備えたサンドイッチ構造体等の従来技術による軽量型枠成形部品は通常湾曲させて製造することができない。紙や金属(薄膜)を折り畳むか、波形の形成によるサンドイッチコアを使用する場合には、通常1つの湾曲部を備えたサンドイッチ要素を製造することしかできない。
【0004】
このことはシンタクチックフォームから形成される気泡材料や気泡複合材料からなるコアを使用することにより修正可能であり、これによりサンドイッチ要素に複数の湾曲部を設けることができる。従来技術による気泡材料において、剪断強度は圧縮強度と比較して非常に低い。このことは通常剪断強度にさらされるサンドイッチ構造体にとって短所である。
【0005】
気泡複合材料(例えばポリアミドマトリックス材における無機発泡粒)において、圧縮強度に対する剪断強度の比率は通常0.6である。アルミニウム発泡体の対応する値は例えば0.15に過ぎない。この点に関して、2005年、Rausch G.その他著によるFoaminal(登録商標)−Eigenschaftsuebersicht−Konstruktionsrichtlinien−Version 1.8, Fraunhoferinstitut fuer Fertigungstechnik und angewandte Materialforschungを参照のこと。この理由により、コア材料として気泡複合材料を備えるサンドイッチ構造体は軽量構造体における使用に対して大きな可能性を有する。接着剤により接着されるか、積層されるカバー層を使用する場合に、可能性を十分に活用できない。この理由として損傷(剥離)が使用中にコア及びコア層の間の連結層に通常生じることが挙げられる。図7は接着剤により接着された(ポリウレタン接着剤)、或いは一体的に形成されたカバー層を備えるサンドイッチの梁の三点屈曲試験の結果を示す。コアはアクリル樹脂に組み込まれる発泡ガラス粒を備える気泡複合材料からなる。カバー層を一体的に形成することにより、接着剤により接着したカバー層を備えるサンドイッチの梁と比較して、サンドイッチの梁の強度が200%まで上昇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1188730A2号明細書
【特許文献2】欧州特許第0851808B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は軽量型枠成形部品及びその製造方法を提供することにある。これらにより、強度がより高く、より安定した軽量型枠成形部品が製造可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により請求項1に記載される軽量型枠成形部品、及び請求項11に記載される製造方法が得られる。
本発明によりサンドイッチ製造方法における接着工程や積層工程を省略することができる。従って、例えば気泡複合材料やその他のシンタクチックフォーム等の軽量構造体における軽量コア材料の可能性を十分に活用し、費用を抑えた生産をすることができる。
【0009】
本発明はカバー層製造工程をコア製造工程に統合させることにより、コア及び1つ以上の表面のカバー層又は表面近傍のカバー層を接着剤により接着する工程又は積層させる工程を省略するという考えに基づく。
【0010】
本発明により1つ以上の一体的に形成される補強カバー層を備えた軽量複合材料から形成されるコアからなるサンドイッチ要素が得られる。サンドイッチ要素は狭小(サンドイッチビーム)であっても幅広(サンドイッチパネル)であってもよい。これらは平坦であっても(1回以上)湾曲していてもよい。更に、軽量複合材料から形成されるコアと、一体的に形成される補強された外側層と、更に任意により一体的に形成される補強された内側層とを備え、開いた外形の断面又は閉じた(単一セル又は多セルの)中空の断面を有する新規なタイプの軽量複合プロフィール(composite profile)も可能である。
【0011】
本明細書において軽量複合材料は通常マトリックス材料及び少なくとも1つの軽量充填材料からなる材料を示すものといえる。例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるように、本発明によるサンドイッチ要素のコア、或いは本発明による軽量複合プロフィール(composite profile)のコアの軽量複合材料はプラスチック樹脂により接着され、或いは金属により接着された無機発泡粒ベースの軽量複合材料等の気泡複合材料である。金属発泡粒ベースの軽量気泡複合材料や、プラスチック材料のマトリックスや金属マトリックスの中空の球や中空の微小球(グラス、セラミックや金属)からなる複合材料、或いは無機発泡粒ベースのシンタクチックフォーム等のその他のシンタクチックフォームも使用可能である。
【0012】
充填材に応じて選択されるモノマー粘性やポリマー粘性(例えば0.1Pa乃至5Paより小さい)を備えたポリアミド、アクリレートや、その他のプラスチック材料もマトリックス材料として好適に使用可能である。アルミニウムや亜鉛の溶融物等の軽量金属の溶融物が金属のマトリックスを形成するために使用可能である。軽量発泡粒や中空の球の体積(中空の球内の中空部分の体積を含む)による比率は全サンドイッチ体積の60%までである。発泡粒や中空の球はサンドイッチの厚みに応じ、0.5mm乃至16mmの径を有する。通常径の端数(周知の粒子の寸法の分布曲線)は(1,2mm)、(2乃至4mm)、及び(4乃至6mm)である。発泡粒の密度は従来技術において0.1kg/dm3乃至1.0kg/dm3(0.1kg/l乃至1.0kg/l)である。中空の球の通常の密度は0.1kg/dm3乃至0.9kg/dm3(0.1kg/l乃至0.9kg/l)である。
【0013】
単層又は多層ファイバー構造物のファイバーは一方向に又は他方向に配向可能である。ファイバー材料がコア領域のマトリックス材料に一体的に形成されるカバー層領域の厚みは通常サンドイッチ構造物全体としての厚みの2%乃至12%である。
【0014】
本発明による軽量複合プロフィールの形態におけるサンドイッチ要素は軽量にして、且つ高い曲げ剛性及び高い強度を有することにより区別される。直線的なビーム及び平坦な板等の単純なサンドイッチ形状の他、1回以上湾曲された、湾曲したビーム及びフレーム等の複雑な形状も形成可能である。周知の気泡材料(純粋な金属や発泡プラスチック材料)から形成されるコアを備えるサンドイッチ要素と比較すると、本発明による軽量気泡複合材料を有するサンドイッチ要素は、特別な粒子、球や、中空の球構造物のため比較的高い剪断力を有する。カバー層の座屈や衝撃等の不安定性の課題は一体的な構造物によって回避可能であるか、より高いレベルの圧力に転換可能である。所定の高い圧縮力及び剪断剛性及び剪断強度により圧縮や剪断力にさらされた場合に、カバー層の圧縮は減少する。従って、新規なタイプの構造物は局所的な圧力の作用に対して好適である。新規な軽量複合プロフィールにおいて、歪みがコア材料の支持効果により回避可能であり、これにより軽量構造物の品質を向上させることができる。完全に中実な形状の他、閉じた断面及び開いた断面を有する中空の形状も形成可能である。更に、本発明によるサンドイッチ要素及び軽量複合プロフィールは、発泡構造体(主に閉じた孔隙により形成される)を有するため好適なエネルギー吸収特性及び吸音特性を有する。
【0015】
本発明の方法により、一体的に形成される補強された層を備えた気泡複合材料から形成されるサンドイッチ要素、並びに気泡複合材料から形成される支持コア及び一体的に形成される補強されたカバー層を備える軽量複合プロフィールが形成可能である。サンドイッチ要素及び軽量複合プロフィールに要する中実の且つ拡張不能なカバー層がコア製造工程内において一体的に形成される。
【0016】
張力又は圧縮力及び剪断力の遷移のためのカバー層の後続する連結(例えば接着)工程は不要である。圧力を作用させるため、或いは支持するためにサンドイッチ構造物に必要であるコーナー部カバー、端部保護部、連結体及び補強体も上述したような製造工程に組み込むことができる。
【0017】
開示されたサンドイッチ要素は、曲げ荷重による剪断力を支持する軽量構造物において好適である。これらは例えば航空機、バス、ボート、船舶や、自動車における床板や貨物室の床板である。小型トラックや荷台が無蓋の軽トラックにおいて、載荷板及び運転室の後方壁部は好適に本発明によるサンドイッチ構造物により形成可能である。構造物の分野において、本発明によるサンドイッチ要素は二重床(例えばコンピュータルームの上部床板)や軽量パーティション、軽量カバー要素、或いは戸、門扉に使用可能である。航空機建造や造船において、パーティション(例えば圧力ドーム)が本発明による構造物によりサンドイッチ要素の形態において形成可能である。自動車工学において本発明によるサンドイッチ構造物が例えば車台においてトランクの床部として、或いは後方列の座席の背もたれに使用可能である。後方座席の背もたれは分割(例えば3分の1乃至3分の2)され、特に中央の座席において三点シートベルトが使用される場合に曲げ荷重による非常に高い剪断力を引き起こす要因となる。トランクからの重みのある荷物が後部座席の背もたれと衝突した場合に、衝突により荷重による別の高い剪断力が生じる。この場合において、本発明によるサンドイッチ要素の高いエネルギー吸収力は、高い曲げ剛性及び曲げ強度同様重要である。これらは、小型トラック、大型トラックや、トレーラーハウスの後方壁部の領域におけるサンドイッチ要素の使用にも該当する(衝突の場合において積み荷から搭乗者を保護する)。
【0018】
開示されたサンドイッチ要素により、スケートボード、スキー、スノーボード等のレジャー産業の軽量型枠成形部品が形成可能であり、これらは特に衝撃荷重に関するより好ましい機械的音響的特性を備える(例えば住宅地におけるスケートボード乗りの防音)。応用可能な更なる分野は家具製造産業である。この場合において、サンドイッチ要素は軽量、堅固にして、且つ頑丈なテーブルの天板や調理台(例えば台所や作業所の)として使用可能である。
【0019】
端部バンド又は端部保護部又はコーナー部保護部の形態の少なくとも1つの側面カバー層領域が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
少なくとも1つの圧力作用要素(コア領域の局地的補強)が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
【0020】
少なくとも1つの構成要素連結体(中央部又はコーナー部の連結体)が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
開示された軽量複合プロフィールは、曲げ荷重及び圧縮負荷のうち少なくともいずれか一方による剪断力にさらされる軽量構造物において好適に使用可能である。この場合において、軽量支持コアにより軽量構造体の座屈が防止される。従って、肉薄な壁部の単一構造体や、完全に充填された同じ重量のプロフィールと比較して、より高品質且つ軽量な構造物が得られる。開示される軽量複合プロフィールは衝突要素(例えば乗用車の前方領域の衝突ボックス又は商用車の前方領域の衝突ボックス)として使用され、乗用車や商用車の受動的な安全性を向上させることができる。
【0021】
請求項1に開示される軽量型枠成形部品、及び請求項14に開示される製造方法の好適な改良が従属項に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施例における軽量型枠成形部品を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例における中空の外形の態様にある軽量型枠成形部品を示す断面図。
【図3a】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3b】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3c】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3d】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図4】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における変形した型枠を示す斜視図。
【図5a】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図5b】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図5c】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図6】本発明の第5の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における型枠を示す斜視図。
【図7】それぞれ接着剤により接着され、一体的に形成されたカバー層を備えるサンドイッチの梁の三点屈曲試験の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例は図面に開示され、明細書において詳述される。
図面において類似する参照符号は同一の要素又は機能的に同一の要素を示す。
図1は本発明の第1の実施例における軽量型枠成形部品を示す断面図である。
【0024】
図1において、参照符号100は軽量複合材料10,15からなる軽量型枠成形部品を示す。軽量複合材料10,15はそれぞれマトリックス材料15、及び充填材10である。本実施例において、充填材10は例えば径が4mm乃至6mmの間の中空の球や発泡粒からなる。マトリックス材料は硬化したポリアミドベースのプラスチック材料である。図面を単純化すると、図1はコア領域1の破線によって包囲された部分ASを示すに過ぎない。更に、軽量型枠成形部品100は第1の上面カバ―層領域2a、及び第2の底面カバー層領域2bからなり、これらはそれぞれコア領域のマトリックス材料15に一体的に形成されるファイバー材料5からなる。この実施例において、図1における破線は充填材10が広がるコア領域の事実上の境界線を示す。充填材10及びファイバー材料5の径により、充填材10はカバー層領域2に存在せず、マトリックス材料15のみがコア領域1からカバー層領域2にまで連続して幅広く拡張する。
【0025】
単面カバー層領域2aや2b、或いは更なる付加的な側面のカバー層領域ももちろん可能である。
図1のサンドイッチタイプの軽量型枠成形部品100はこの例において四辺形の断面を有する狭小の要素又は幅広の要素、平坦な要素又は湾曲した要素である。図3a乃至3dを参照して更に後述される製造方法における所定の形状を備える。
【0026】
図2は本発明の第2の実施例における中空の外形の態様にある軽量型枠成形部品を示す断面図である。
図2に示す軽量型枠成形部品200は中空の外形の態様にあり、即ち管状の構造体であり、符号Aは管の外側を示し、符号Iは管の内側を示す。本実施例において、外側のファイバーにより補強されたカバー層領域2aは外側Aの境界線として設けられ、内側のファイバーにより補強されたカバー層領域2bは内側Iの境界線として設けられる。コア領域1は詳細図AS’において示されるように、図1の軽量型枠成形部品のコア領域に対応する。
【0027】
単面カバー層領域2aや2b、或いは更なる付加的な端面のカバー層領域ももちろん可能である。
図3a乃至3dは本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視図である。
【0028】
図3aにおいて、参照符号20は中央凹部22及び位置合わせピン21を備える型枠の蓋の形態の型枠部品を示す。第1の工程において、第1のカバー層領域のための必須のファイバー材料5の単層又は複層(例えばカーボン、グラス、アラミドや、金属のファイバーやその他のファイバーから形成される不織材料、帯、編成した材料、編成した織物、接着した材料、或いは織られた材料)が水平方向に位置された型枠部品20に取り付けられる。ファイバー材料5の単層又は複層は凹部22を覆って張られる。凹部22は通常0.1mm乃至0.5mmの連続した深みを有し、これにより後に案内されるマトリックス材料によりファイバー材料5の層を全体的に十分に覆うことができる。
【0029】
次に図3bにおいて、ファイバー材料5の単層又は複層は矢印Fの方向に張引され、環状に構成される幅出し枠30が取り付けられる。幅出し枠30は中央貫通孔32、位置合わせ穴31、充填材の充填開口部33、及び格子36が一体的に設けられ、カバー蓋(図示しない)により覆われる、マトリックス材料用のゲート35を備える。
【0030】
任意により、1つ以上の抽気口(bleeders)が水平方向に位置される型枠部品20及びファイバー材料5の単層又は複層の間に設けられる。
充填材層の充填開口部33はマトリックス材料の注入の場合に抽出口や排気口として更に機能する。ゲート35に一体的に設けられた格子36は後に付加される充填材(例えば粒子や中空の球)を押しとどめるべく機能する。充填材が付加されるに先立って、完全に適用されるカバー蓋は幅出し枠の対応する側を密封する。充填開口部33は吸引手段に取り付けられる。
【0031】
幅出し枠30は型枠部品20の位置合わせピン21が幅出し枠30の位置合わせ穴31に案内され、2つの部品が共に押圧されるように取り付けられる。型枠部品20に載置され押圧される幅出し枠30は、好適な挾持連結具(図示しない。例、クリップ、挾持具や、ネジ)によって型枠部品20に対してより堅固に連結される。従って、ファイバー材料5の層の付勢力は取付工程の残りにおいて保持される。
【0032】
上述した型枠部品20と同一であり、且つ型枠の蓋の態様にある更なる型枠部品40に対するファイバー材料の更なる層の任意による適用及び締め付けの後、凹部を備える、或いは凹部を備えないファイバー材料の更なる単層又は更なる複層を使用することにより設けられる第2の型枠部品40は反対側から幅出し枠30に載置され、幅出し枠30に対して押圧され、締め付けられる。これらは型枠部品20に幅出し枠30に対する連結と同様に実施される。
【0033】
図3cに示すように、型枠部品20,40、及びこれらの間に挾持される幅出し枠30からなる完全な型枠の組立後に、充填材が完全な型枠内に上向きに配向された充填開口部33を通じて注入される。本実施例において充填材10は中空の球(例えばグラス、金属、或いはセラミック)や、発泡粒からなる。注入工程は例えば傾けたり揺すったりすることにより促進される。完全な型枠20,30,40が完全に充填された場合に、更なる格子38(ゲート35における格子に類似する)は充填開口部33内に挿入され、次いで支持ハニカム部39が充填開口部33内に挿入される。
【0034】
格子38及び支持ハニカム部39は拡張時に生じるつり上げ力を補償し、且つ/又は鋳造工程において生じる圧力を補償すべく設けられる。後続の工程において、充填開口部33は真空ポンプPに取り付けられるか、換気蓋に覆われる。
【0035】
続いて、液体のマトリックス材料15が(気泡の形成を防止するために)下方からゲート35を介して格子36を通じて案内される。型枠20,30,40をマトリックス材料15により充填することにより、充填材10及びファイバー材料5の単層又複層からなるフィルムはマトリックス材料により浸漬される。マトリックス材料は例えば鋳造ポリアミド、多成分アクリル樹脂、その他の有機系、或いは金属の溶融物である。
【0036】
マトリックス材料15は略重合され、凝固される。
マトリックス材料が完全に凝固された後に、型から取り出す工程及び仕上げ工程、任意により形状に切断したり突出するファイバー材料5を研磨して取り去る工程が実施される。
【0037】
側面にて突出するファイバー材料は適切な切り取りや折り畳みにより、或いは型枠成形工程(積極接続(positive connection)や材料接続(material connection)による固定も可能である)に先立ったステッチ工程により防止可能である。突出するファイバーの課題は、後続のニアネットシェイプサンドイッチパネルを備えた端部バンドの適用によっても解決可能である。大型サンドイッチパネルを製造する場合に、より小型のパネルは大型パネルから鋸により切断され、これにより側面にて突出するファイバーも取り除かれる。
【0038】
サンドイッチ要素の費用効率の高い製造において、上記工程はロボットや油圧系を使用して自動化させてもよい。
図4は本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における変形した型枠を示す斜視図である。
【0039】
図4に示す実施例において、位置合わせ穴31’及び中央貫通孔32’を備えた多部品幅出し枠30’が図3bに示す1つの部品の幅出し枠30に代えて使用される。多部品幅出し枠30’は締め付け連結体(図示しない)により堅固に相互に連結される4つの側部30’a,30’b,30’c,30’dを含む。
【0040】
図4に示すように、このタイプの多部品幅出し枠30’によりファイバー材料5の層は後続のサンドイッチ構造体の側面と一体的に形成可能となり、層は例えばサンドイッチ構造体の端部の保護部として機能する。締め付け連結体はクリップやネジを使用することによっても製造可能である。
【0041】
図5a乃至5cは本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視図である。
特に図5a乃至5cは図3a乃至3dにより詳述した方法、即ちスケートボードやスノーボード用の型枠部品の製造の具体例を示す。
【0042】
図5aにおいて、後のスケートボードのサンドイッチ構造体の厚みに対応する凹部61を含む下部型枠半パーツ(lower mould half)60aが設けられる。図3a乃至3dの完全な型枠と類似して、下部型枠部60aはゲート62及び充填開口部64を備える。ファイバー材料5の第1の層は凹部61内に設けられる。ファイバー材料5の第1の層は機械的に締め付けられるか接着剤を使用して締め付けられる。任意によりファイバー材料の層は凹部61の端部に端部バンド又は端部保護部として積層されてもよい。
【0043】
図5bにおいて第2の型枠半パーツ(second mould half)60bが設けられる。第2の型枠半パーツ60bにおいてスケートボードの上部カバー層としてのファイバー材料5の層が設けられる。層は締め付けブロック63を使用して締め付けられる。任意により上部型枠半パーツ60bはファイバー材料5の層のための凹部を備えてもよく、これによりファイバー構造体はマトリックス材料によって完全に覆われる。
【0044】
図5a及び5bに示す2つの型枠半パーツ60a,60bを設けた後に、上部型枠半パーツ60bは180°回転され下部型枠半パーツ60aに正確に位置合わせされ、例えばネジ止めにより堅固に連結される。図5cに示すように完全な型枠60a,60bの組立の後に、図3a乃至3dに関して上述したように充填材10が充填開口部64を介して付加され、続いてマトリックス材料15が下方からゲート62を介して案内される。
【0045】
図6は本発明の第5の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における型枠を示す斜視図である。
図2に示す中空の外形の形態の軽量型枠成形部品の製造工程を図6を参照して後述する。
【0046】
第1にファイバー材料5の外層が、型枠基板70aに固定される型枠半パーツ70b,70cの壁部に積層され締め付けられ固定される。型枠半パーツ70b,70cは図6の図面に部分的にのみ示されるが、実際は型枠基板上に四方に延びるように設けられる。
【0047】
更に、ファイバー材料5の内側層は鋳造コア80に取り付けられ、鋳造コアは型枠基板70aに設けられる。上述したように中空の外形が型枠半パーツ70b,70c及び鋳造コアの間に設けられる。
【0048】
鋳造コア80が設けられた後に、中空の外形は例えば無機発泡粒やガラス発泡粒、或いは金属発泡粒充填材10により充填されるが、これは振動させることにより促進可能である。図6に示す型枠70a,70b,70cの上面は格子(図示しない)、任意の開口を設けた中間の板、及び吸引手段を備えたカバー蓋70dによりシールされる。型枠70a,70b,70c,70dは下方からプラスチック材料(モノマーやポリマー)や金属等の液体のマトリックス材料により、充填材10並びにファイバー材料15の内側層及び外側層が浸漬されるように充填される。空気が上述したカバー蓋70dの開口部を通じてカバー蓋70dに取り付けられた真空ポンプを使用して抜かれる。本実施例において一体的に形成された格子及び任意の開口を設けた中間の板はダイキャスティング方法のつり上げ力や圧力と相互に作用するように充填材10を固定すべく機能する。
【0049】
重合や固化の後に、コアの抜き取りを含む型抜き工程及び仕上げ工程(任意により突出するファイバーを切断する工程)が実施される。
鋳造コア80をより容易に抜き取るために(冷却時の鋳造部の熱収縮)、コアは任意により分裂するように形成されてもよい。消失コア(lost core)が使用されてもよい。消失コアは例えば振り落とされてもよく、溶融により消失されてもよく、或いは洗い落とされてもよい。
【0050】
図7は接着剤により接着され(Iで示した二本の線)、一体的に形成されたカバー層(IIで示した二本の線)を備えるサンドイッチのビームの三点屈曲試験を示す。コアはアクリル樹脂に組み込まれる発泡ガラス粒を備える気泡複合材料からなる。カバー層を一体的に形成することにより、接着剤により接着したカバー層を備えるサンドイッチの梁と比較して、サンドイッチの梁の強度が200%まで上昇する。
【0051】
本発明は上述した好適な実施例により開示されたが、これらに限定されるものではなく、様々な態様に変形可能である。
1つの、又は2つのカバー層領域のみを上述した実施例において示したが、本発明による軽量型枠成形部品は所望の数のカバー層領域からなってもよく、或いは1つのカバー層領域により完全に包囲されてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は軽量型枠成形部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軽量材料及び型枠成形された部品は今日、自動車工学、航空機製造、造船等の多くの技術的分野、及び輸送において使用されている。これらは従来の製造材料と比較して高い剛性、強度、及びエネルギー吸収能力の他、低密度に優れていると認められ、これらにより多く積載された製造要素を費用を抑えて製造可能である。密度が1.0kg/dm3(1.0kg/l)以下の軽量材料、即ちその密度が現在流通しているプラスチック材料のものより低いものが特に関心を持たれている。
【0003】
軽量のハニカム状のコアを備えたサンドイッチ構造体等の従来技術による軽量型枠成形部品は通常湾曲させて製造することができない。紙や金属(薄膜)を折り畳むか、波形の形成によるサンドイッチコアを使用する場合には、通常1つの湾曲部を備えたサンドイッチ要素を製造することしかできない。
【0004】
このことはシンタクチックフォームから形成される気泡材料や気泡複合材料からなるコアを使用することにより修正可能であり、これによりサンドイッチ要素に複数の湾曲部を設けることができる。従来技術による気泡材料において、剪断強度は圧縮強度と比較して非常に低い。このことは通常剪断強度にさらされるサンドイッチ構造体にとって短所である。
【0005】
気泡複合材料(例えばポリアミドマトリックス材における無機発泡粒)において、圧縮強度に対する剪断強度の比率は通常0.6である。アルミニウム発泡体の対応する値は例えば0.15に過ぎない。この点に関して、2005年、Rausch G.その他著によるFoaminal(登録商標)−Eigenschaftsuebersicht−Konstruktionsrichtlinien−Version 1.8, Fraunhoferinstitut fuer Fertigungstechnik und angewandte Materialforschungを参照のこと。この理由により、コア材料として気泡複合材料を備えるサンドイッチ構造体は軽量構造体における使用に対して大きな可能性を有する。接着剤により接着されるか、積層されるカバー層を使用する場合に、可能性を十分に活用できない。この理由として損傷(剥離)が使用中にコア及びコア層の間の連結層に通常生じることが挙げられる。図7は接着剤により接着された(ポリウレタン接着剤)、或いは一体的に形成されたカバー層を備えるサンドイッチの梁の三点屈曲試験の結果を示す。コアはアクリル樹脂に組み込まれる発泡ガラス粒を備える気泡複合材料からなる。カバー層を一体的に形成することにより、接着剤により接着したカバー層を備えるサンドイッチの梁と比較して、サンドイッチの梁の強度が200%まで上昇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1188730A2号明細書
【特許文献2】欧州特許第0851808B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は軽量型枠成形部品及びその製造方法を提供することにある。これらにより、強度がより高く、より安定した軽量型枠成形部品が製造可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により請求項1に記載される軽量型枠成形部品、及び請求項11に記載される製造方法が得られる。
本発明によりサンドイッチ製造方法における接着工程や積層工程を省略することができる。従って、例えば気泡複合材料やその他のシンタクチックフォーム等の軽量構造体における軽量コア材料の可能性を十分に活用し、費用を抑えた生産をすることができる。
【0009】
本発明はカバー層製造工程をコア製造工程に統合させることにより、コア及び1つ以上の表面のカバー層又は表面近傍のカバー層を接着剤により接着する工程又は積層させる工程を省略するという考えに基づく。
【0010】
本発明により1つ以上の一体的に形成される補強カバー層を備えた軽量複合材料から形成されるコアからなるサンドイッチ要素が得られる。サンドイッチ要素は狭小(サンドイッチビーム)であっても幅広(サンドイッチパネル)であってもよい。これらは平坦であっても(1回以上)湾曲していてもよい。更に、軽量複合材料から形成されるコアと、一体的に形成される補強された外側層と、更に任意により一体的に形成される補強された内側層とを備え、開いた外形の断面又は閉じた(単一セル又は多セルの)中空の断面を有する新規なタイプの軽量複合プロフィール(composite profile)も可能である。
【0011】
本明細書において軽量複合材料は通常マトリックス材料及び少なくとも1つの軽量充填材料からなる材料を示すものといえる。例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるように、本発明によるサンドイッチ要素のコア、或いは本発明による軽量複合プロフィール(composite profile)のコアの軽量複合材料はプラスチック樹脂により接着され、或いは金属により接着された無機発泡粒ベースの軽量複合材料等の気泡複合材料である。金属発泡粒ベースの軽量気泡複合材料や、プラスチック材料のマトリックスや金属マトリックスの中空の球や中空の微小球(グラス、セラミックや金属)からなる複合材料、或いは無機発泡粒ベースのシンタクチックフォーム等のその他のシンタクチックフォームも使用可能である。
【0012】
充填材に応じて選択されるモノマー粘性やポリマー粘性(例えば0.1Pa乃至5Paより小さい)を備えたポリアミド、アクリレートや、その他のプラスチック材料もマトリックス材料として好適に使用可能である。アルミニウムや亜鉛の溶融物等の軽量金属の溶融物が金属のマトリックスを形成するために使用可能である。軽量発泡粒や中空の球の体積(中空の球内の中空部分の体積を含む)による比率は全サンドイッチ体積の60%までである。発泡粒や中空の球はサンドイッチの厚みに応じ、0.5mm乃至16mmの径を有する。通常径の端数(周知の粒子の寸法の分布曲線)は(1,2mm)、(2乃至4mm)、及び(4乃至6mm)である。発泡粒の密度は従来技術において0.1kg/dm3乃至1.0kg/dm3(0.1kg/l乃至1.0kg/l)である。中空の球の通常の密度は0.1kg/dm3乃至0.9kg/dm3(0.1kg/l乃至0.9kg/l)である。
【0013】
単層又は多層ファイバー構造物のファイバーは一方向に又は他方向に配向可能である。ファイバー材料がコア領域のマトリックス材料に一体的に形成されるカバー層領域の厚みは通常サンドイッチ構造物全体としての厚みの2%乃至12%である。
【0014】
本発明による軽量複合プロフィールの形態におけるサンドイッチ要素は軽量にして、且つ高い曲げ剛性及び高い強度を有することにより区別される。直線的なビーム及び平坦な板等の単純なサンドイッチ形状の他、1回以上湾曲された、湾曲したビーム及びフレーム等の複雑な形状も形成可能である。周知の気泡材料(純粋な金属や発泡プラスチック材料)から形成されるコアを備えるサンドイッチ要素と比較すると、本発明による軽量気泡複合材料を有するサンドイッチ要素は、特別な粒子、球や、中空の球構造物のため比較的高い剪断力を有する。カバー層の座屈や衝撃等の不安定性の課題は一体的な構造物によって回避可能であるか、より高いレベルの圧力に転換可能である。所定の高い圧縮力及び剪断剛性及び剪断強度により圧縮や剪断力にさらされた場合に、カバー層の圧縮は減少する。従って、新規なタイプの構造物は局所的な圧力の作用に対して好適である。新規な軽量複合プロフィールにおいて、歪みがコア材料の支持効果により回避可能であり、これにより軽量構造物の品質を向上させることができる。完全に中実な形状の他、閉じた断面及び開いた断面を有する中空の形状も形成可能である。更に、本発明によるサンドイッチ要素及び軽量複合プロフィールは、発泡構造体(主に閉じた孔隙により形成される)を有するため好適なエネルギー吸収特性及び吸音特性を有する。
【0015】
本発明の方法により、一体的に形成される補強された層を備えた気泡複合材料から形成されるサンドイッチ要素、並びに気泡複合材料から形成される支持コア及び一体的に形成される補強されたカバー層を備える軽量複合プロフィールが形成可能である。サンドイッチ要素及び軽量複合プロフィールに要する中実の且つ拡張不能なカバー層がコア製造工程内において一体的に形成される。
【0016】
張力又は圧縮力及び剪断力の遷移のためのカバー層の後続する連結(例えば接着)工程は不要である。圧力を作用させるため、或いは支持するためにサンドイッチ構造物に必要であるコーナー部カバー、端部保護部、連結体及び補強体も上述したような製造工程に組み込むことができる。
【0017】
開示されたサンドイッチ要素は、曲げ荷重による剪断力を支持する軽量構造物において好適である。これらは例えば航空機、バス、ボート、船舶や、自動車における床板や貨物室の床板である。小型トラックや荷台が無蓋の軽トラックにおいて、載荷板及び運転室の後方壁部は好適に本発明によるサンドイッチ構造物により形成可能である。構造物の分野において、本発明によるサンドイッチ要素は二重床(例えばコンピュータルームの上部床板)や軽量パーティション、軽量カバー要素、或いは戸、門扉に使用可能である。航空機建造や造船において、パーティション(例えば圧力ドーム)が本発明による構造物によりサンドイッチ要素の形態において形成可能である。自動車工学において本発明によるサンドイッチ構造物が例えば車台においてトランクの床部として、或いは後方列の座席の背もたれに使用可能である。後方座席の背もたれは分割(例えば3分の1乃至3分の2)され、特に中央の座席において三点シートベルトが使用される場合に曲げ荷重による非常に高い剪断力を引き起こす要因となる。トランクからの重みのある荷物が後部座席の背もたれと衝突した場合に、衝突により荷重による別の高い剪断力が生じる。この場合において、本発明によるサンドイッチ要素の高いエネルギー吸収力は、高い曲げ剛性及び曲げ強度同様重要である。これらは、小型トラック、大型トラックや、トレーラーハウスの後方壁部の領域におけるサンドイッチ要素の使用にも該当する(衝突の場合において積み荷から搭乗者を保護する)。
【0018】
開示されたサンドイッチ要素により、スケートボード、スキー、スノーボード等のレジャー産業の軽量型枠成形部品が形成可能であり、これらは特に衝撃荷重に関するより好ましい機械的音響的特性を備える(例えば住宅地におけるスケートボード乗りの防音)。応用可能な更なる分野は家具製造産業である。この場合において、サンドイッチ要素は軽量、堅固にして、且つ頑丈なテーブルの天板や調理台(例えば台所や作業所の)として使用可能である。
【0019】
端部バンド又は端部保護部又はコーナー部保護部の形態の少なくとも1つの側面カバー層領域が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
少なくとも1つの圧力作用要素(コア領域の局地的補強)が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
【0020】
少なくとも1つの構成要素連結体(中央部又はコーナー部の連結体)が軽量型枠成形部品に好適に設けられる。
開示された軽量複合プロフィールは、曲げ荷重及び圧縮負荷のうち少なくともいずれか一方による剪断力にさらされる軽量構造物において好適に使用可能である。この場合において、軽量支持コアにより軽量構造体の座屈が防止される。従って、肉薄な壁部の単一構造体や、完全に充填された同じ重量のプロフィールと比較して、より高品質且つ軽量な構造物が得られる。開示される軽量複合プロフィールは衝突要素(例えば乗用車の前方領域の衝突ボックス又は商用車の前方領域の衝突ボックス)として使用され、乗用車や商用車の受動的な安全性を向上させることができる。
【0021】
請求項1に開示される軽量型枠成形部品、及び請求項14に開示される製造方法の好適な改良が従属項に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施例における軽量型枠成形部品を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例における中空の外形の態様にある軽量型枠成形部品を示す断面図。
【図3a】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3b】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3c】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図3d】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図4】本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における変形した型枠を示す斜視図。
【図5a】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図5b】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図5c】本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視断面図。
【図6】本発明の第5の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における型枠を示す斜視図。
【図7】それぞれ接着剤により接着され、一体的に形成されたカバー層を備えるサンドイッチの梁の三点屈曲試験の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例は図面に開示され、明細書において詳述される。
図面において類似する参照符号は同一の要素又は機能的に同一の要素を示す。
図1は本発明の第1の実施例における軽量型枠成形部品を示す断面図である。
【0024】
図1において、参照符号100は軽量複合材料10,15からなる軽量型枠成形部品を示す。軽量複合材料10,15はそれぞれマトリックス材料15、及び充填材10である。本実施例において、充填材10は例えば径が4mm乃至6mmの間の中空の球や発泡粒からなる。マトリックス材料は硬化したポリアミドベースのプラスチック材料である。図面を単純化すると、図1はコア領域1の破線によって包囲された部分ASを示すに過ぎない。更に、軽量型枠成形部品100は第1の上面カバ―層領域2a、及び第2の底面カバー層領域2bからなり、これらはそれぞれコア領域のマトリックス材料15に一体的に形成されるファイバー材料5からなる。この実施例において、図1における破線は充填材10が広がるコア領域の事実上の境界線を示す。充填材10及びファイバー材料5の径により、充填材10はカバー層領域2に存在せず、マトリックス材料15のみがコア領域1からカバー層領域2にまで連続して幅広く拡張する。
【0025】
単面カバー層領域2aや2b、或いは更なる付加的な側面のカバー層領域ももちろん可能である。
図1のサンドイッチタイプの軽量型枠成形部品100はこの例において四辺形の断面を有する狭小の要素又は幅広の要素、平坦な要素又は湾曲した要素である。図3a乃至3dを参照して更に後述される製造方法における所定の形状を備える。
【0026】
図2は本発明の第2の実施例における中空の外形の態様にある軽量型枠成形部品を示す断面図である。
図2に示す軽量型枠成形部品200は中空の外形の態様にあり、即ち管状の構造体であり、符号Aは管の外側を示し、符号Iは管の内側を示す。本実施例において、外側のファイバーにより補強されたカバー層領域2aは外側Aの境界線として設けられ、内側のファイバーにより補強されたカバー層領域2bは内側Iの境界線として設けられる。コア領域1は詳細図AS’において示されるように、図1の軽量型枠成形部品のコア領域に対応する。
【0027】
単面カバー層領域2aや2b、或いは更なる付加的な端面のカバー層領域ももちろん可能である。
図3a乃至3dは本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視図である。
【0028】
図3aにおいて、参照符号20は中央凹部22及び位置合わせピン21を備える型枠の蓋の形態の型枠部品を示す。第1の工程において、第1のカバー層領域のための必須のファイバー材料5の単層又は複層(例えばカーボン、グラス、アラミドや、金属のファイバーやその他のファイバーから形成される不織材料、帯、編成した材料、編成した織物、接着した材料、或いは織られた材料)が水平方向に位置された型枠部品20に取り付けられる。ファイバー材料5の単層又は複層は凹部22を覆って張られる。凹部22は通常0.1mm乃至0.5mmの連続した深みを有し、これにより後に案内されるマトリックス材料によりファイバー材料5の層を全体的に十分に覆うことができる。
【0029】
次に図3bにおいて、ファイバー材料5の単層又は複層は矢印Fの方向に張引され、環状に構成される幅出し枠30が取り付けられる。幅出し枠30は中央貫通孔32、位置合わせ穴31、充填材の充填開口部33、及び格子36が一体的に設けられ、カバー蓋(図示しない)により覆われる、マトリックス材料用のゲート35を備える。
【0030】
任意により、1つ以上の抽気口(bleeders)が水平方向に位置される型枠部品20及びファイバー材料5の単層又は複層の間に設けられる。
充填材層の充填開口部33はマトリックス材料の注入の場合に抽出口や排気口として更に機能する。ゲート35に一体的に設けられた格子36は後に付加される充填材(例えば粒子や中空の球)を押しとどめるべく機能する。充填材が付加されるに先立って、完全に適用されるカバー蓋は幅出し枠の対応する側を密封する。充填開口部33は吸引手段に取り付けられる。
【0031】
幅出し枠30は型枠部品20の位置合わせピン21が幅出し枠30の位置合わせ穴31に案内され、2つの部品が共に押圧されるように取り付けられる。型枠部品20に載置され押圧される幅出し枠30は、好適な挾持連結具(図示しない。例、クリップ、挾持具や、ネジ)によって型枠部品20に対してより堅固に連結される。従って、ファイバー材料5の層の付勢力は取付工程の残りにおいて保持される。
【0032】
上述した型枠部品20と同一であり、且つ型枠の蓋の態様にある更なる型枠部品40に対するファイバー材料の更なる層の任意による適用及び締め付けの後、凹部を備える、或いは凹部を備えないファイバー材料の更なる単層又は更なる複層を使用することにより設けられる第2の型枠部品40は反対側から幅出し枠30に載置され、幅出し枠30に対して押圧され、締め付けられる。これらは型枠部品20に幅出し枠30に対する連結と同様に実施される。
【0033】
図3cに示すように、型枠部品20,40、及びこれらの間に挾持される幅出し枠30からなる完全な型枠の組立後に、充填材が完全な型枠内に上向きに配向された充填開口部33を通じて注入される。本実施例において充填材10は中空の球(例えばグラス、金属、或いはセラミック)や、発泡粒からなる。注入工程は例えば傾けたり揺すったりすることにより促進される。完全な型枠20,30,40が完全に充填された場合に、更なる格子38(ゲート35における格子に類似する)は充填開口部33内に挿入され、次いで支持ハニカム部39が充填開口部33内に挿入される。
【0034】
格子38及び支持ハニカム部39は拡張時に生じるつり上げ力を補償し、且つ/又は鋳造工程において生じる圧力を補償すべく設けられる。後続の工程において、充填開口部33は真空ポンプPに取り付けられるか、換気蓋に覆われる。
【0035】
続いて、液体のマトリックス材料15が(気泡の形成を防止するために)下方からゲート35を介して格子36を通じて案内される。型枠20,30,40をマトリックス材料15により充填することにより、充填材10及びファイバー材料5の単層又複層からなるフィルムはマトリックス材料により浸漬される。マトリックス材料は例えば鋳造ポリアミド、多成分アクリル樹脂、その他の有機系、或いは金属の溶融物である。
【0036】
マトリックス材料15は略重合され、凝固される。
マトリックス材料が完全に凝固された後に、型から取り出す工程及び仕上げ工程、任意により形状に切断したり突出するファイバー材料5を研磨して取り去る工程が実施される。
【0037】
側面にて突出するファイバー材料は適切な切り取りや折り畳みにより、或いは型枠成形工程(積極接続(positive connection)や材料接続(material connection)による固定も可能である)に先立ったステッチ工程により防止可能である。突出するファイバーの課題は、後続のニアネットシェイプサンドイッチパネルを備えた端部バンドの適用によっても解決可能である。大型サンドイッチパネルを製造する場合に、より小型のパネルは大型パネルから鋸により切断され、これにより側面にて突出するファイバーも取り除かれる。
【0038】
サンドイッチ要素の費用効率の高い製造において、上記工程はロボットや油圧系を使用して自動化させてもよい。
図4は本発明の第3の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における変形した型枠を示す斜視図である。
【0039】
図4に示す実施例において、位置合わせ穴31’及び中央貫通孔32’を備えた多部品幅出し枠30’が図3bに示す1つの部品の幅出し枠30に代えて使用される。多部品幅出し枠30’は締め付け連結体(図示しない)により堅固に相互に連結される4つの側部30’a,30’b,30’c,30’dを含む。
【0040】
図4に示すように、このタイプの多部品幅出し枠30’によりファイバー材料5の層は後続のサンドイッチ構造体の側面と一体的に形成可能となり、層は例えばサンドイッチ構造体の端部の保護部として機能する。締め付け連結体はクリップやネジを使用することによっても製造可能である。
【0041】
図5a乃至5cは本発明の第4の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法を示す斜視図である。
特に図5a乃至5cは図3a乃至3dにより詳述した方法、即ちスケートボードやスノーボード用の型枠部品の製造の具体例を示す。
【0042】
図5aにおいて、後のスケートボードのサンドイッチ構造体の厚みに対応する凹部61を含む下部型枠半パーツ(lower mould half)60aが設けられる。図3a乃至3dの完全な型枠と類似して、下部型枠部60aはゲート62及び充填開口部64を備える。ファイバー材料5の第1の層は凹部61内に設けられる。ファイバー材料5の第1の層は機械的に締め付けられるか接着剤を使用して締め付けられる。任意によりファイバー材料の層は凹部61の端部に端部バンド又は端部保護部として積層されてもよい。
【0043】
図5bにおいて第2の型枠半パーツ(second mould half)60bが設けられる。第2の型枠半パーツ60bにおいてスケートボードの上部カバー層としてのファイバー材料5の層が設けられる。層は締め付けブロック63を使用して締め付けられる。任意により上部型枠半パーツ60bはファイバー材料5の層のための凹部を備えてもよく、これによりファイバー構造体はマトリックス材料によって完全に覆われる。
【0044】
図5a及び5bに示す2つの型枠半パーツ60a,60bを設けた後に、上部型枠半パーツ60bは180°回転され下部型枠半パーツ60aに正確に位置合わせされ、例えばネジ止めにより堅固に連結される。図5cに示すように完全な型枠60a,60bの組立の後に、図3a乃至3dに関して上述したように充填材10が充填開口部64を介して付加され、続いてマトリックス材料15が下方からゲート62を介して案内される。
【0045】
図6は本発明の第5の実施例における軽量型枠成形部品の製造方法における型枠を示す斜視図である。
図2に示す中空の外形の形態の軽量型枠成形部品の製造工程を図6を参照して後述する。
【0046】
第1にファイバー材料5の外層が、型枠基板70aに固定される型枠半パーツ70b,70cの壁部に積層され締め付けられ固定される。型枠半パーツ70b,70cは図6の図面に部分的にのみ示されるが、実際は型枠基板上に四方に延びるように設けられる。
【0047】
更に、ファイバー材料5の内側層は鋳造コア80に取り付けられ、鋳造コアは型枠基板70aに設けられる。上述したように中空の外形が型枠半パーツ70b,70c及び鋳造コアの間に設けられる。
【0048】
鋳造コア80が設けられた後に、中空の外形は例えば無機発泡粒やガラス発泡粒、或いは金属発泡粒充填材10により充填されるが、これは振動させることにより促進可能である。図6に示す型枠70a,70b,70cの上面は格子(図示しない)、任意の開口を設けた中間の板、及び吸引手段を備えたカバー蓋70dによりシールされる。型枠70a,70b,70c,70dは下方からプラスチック材料(モノマーやポリマー)や金属等の液体のマトリックス材料により、充填材10並びにファイバー材料15の内側層及び外側層が浸漬されるように充填される。空気が上述したカバー蓋70dの開口部を通じてカバー蓋70dに取り付けられた真空ポンプを使用して抜かれる。本実施例において一体的に形成された格子及び任意の開口を設けた中間の板はダイキャスティング方法のつり上げ力や圧力と相互に作用するように充填材10を固定すべく機能する。
【0049】
重合や固化の後に、コアの抜き取りを含む型抜き工程及び仕上げ工程(任意により突出するファイバーを切断する工程)が実施される。
鋳造コア80をより容易に抜き取るために(冷却時の鋳造部の熱収縮)、コアは任意により分裂するように形成されてもよい。消失コア(lost core)が使用されてもよい。消失コアは例えば振り落とされてもよく、溶融により消失されてもよく、或いは洗い落とされてもよい。
【0050】
図7は接着剤により接着され(Iで示した二本の線)、一体的に形成されたカバー層(IIで示した二本の線)を備えるサンドイッチのビームの三点屈曲試験を示す。コアはアクリル樹脂に組み込まれる発泡ガラス粒を備える気泡複合材料からなる。カバー層を一体的に形成することにより、接着剤により接着したカバー層を備えるサンドイッチの梁と比較して、サンドイッチの梁の強度が200%まで上昇する。
【0051】
本発明は上述した好適な実施例により開示されたが、これらに限定されるものではなく、様々な態様に変形可能である。
1つの、又は2つのカバー層領域のみを上述した実施例において示したが、本発明による軽量型枠成形部品は所望の数のカバー層領域からなってもよく、或いは1つのカバー層領域により完全に包囲されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量複合材料(10,15)、即ちマトリックス材料(15)及び少なくとも1つの充填材(10)からなるコア領域(1)と、
ファイバー材料(5)及びマトリックス材料(15)の少なくとも1つの層からなる少なくとも1つの表面のカバー層領域又は表面近傍のカバー層領域(2a,2b)とを備え、
カバー層領域(2a,2b)のファイバー材料(5)の単層又は複層はコア領域(1)のマトリックス材料(15)と一体的に形成されることを特徴とする軽量型枠成形部品。
【請求項2】
前記ファイバー材料(5)はバンド、不織材料、織成された材料、接着された材料、編成された織物、或いは編成された材料からなることを特徴とする請求項1に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項3】
前記ファイバー材料(5)はグラスファイバー、カーボンファイバー、アラミドファイバー、金属ファイバーからなるファイバーのタイプから選択される少なくとも1つのファイバーからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項4】
前記軽量複合材料(10,15)は気泡複合材料であり、無機発泡粒又はグラス発泡粒を充填材(10)としてプラスチック材料のマトリックス材料により接着されるか、金属のマトリックス材料により接着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項5】
前記軽量複合材料(10,15)は気泡複合材料であり、グラス及び/又はセラミック及び/又は金属から形成される中空の球又は中空の微小球を充填材(10)としてプラスチック材料のマトリックス材料により接着されるか、金属のマトリックス材料により接着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項6】
前記軽量複合材料(10,15)は金属発泡粒ベースの気泡複合材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項7】
前記軽量複合材料(10,15)はシンタクチックフォームベースの気泡複合材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項8】
単体セル又は多セルの閉じた外形又は開いた外形からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項9】
管状の外形を備え、第1の外側カバー層領域(2a)及び第2の内側カバー層領域(2b)のうち少なくともいずれか一方が設けられることを特徴とする請求項8に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項10】
前記充填材(10)の内側の中空部分を含む、前記充填材(10)の体積の比率は、40%乃至60%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項11】
前記充填材(10)の内側の中空部分を含む、前記充填材(10)の体積の比率は、30%乃至50%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項12】
前記充填材(10)はコア領域(1)にのみ存在することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項13】
前記充填材(10)はコア領域(1)の他カバー層領域(2)にも存在することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項14】
形成される軽量型枠成形部品の外形に対応する中空部分を有する型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)を設ける工程と、
形成される軽量型枠成形部品の表面カバー層領域又は表面近傍のカバー層領域(2a,2b)に対応するファイバー材料(5)の少なくとも1つの層を型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分に積層させる工程と、
充填材(10)を型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分内に振り落とす工程と、
ファイバー材料(5)の単層又は複層及び充填材(10)からなる充填物が浸漬されるように型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分を硬化可能な液体マトリックス材料(15)により充填する工程と、
カバー層領域(2a,2b)のファイバー材料(5)の単層又は複層がコア領域(1)のマトリックス材料(15)と一体的に形成され、軽量型枠成形部品の形成を案内するようにマトリックス材料(15)を硬化させる工程と、
形成された軽量型枠成形部品を型抜きする工程とを含むことを特徴とする軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項15】
前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)は複数の部品からなり、型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)が組み立てられるに先立って、前記ファイバー材料(5)の少なくとも1つの層が積層されることを特徴とする請求項11に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項16】
前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)は第1の開口部及び第2の開口部(33,35;33’,35’;62,64)を含み、一方の開口部は中空部分を充填材(10)により充填することに使用され、他方の開口部は中空部分をマトリックス材料(15)により充填することに使用されることを特徴とする請求項14又は15に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項17】
製造される軽量型枠成形部品の内側外形に対応する鋳造コア(80)は型枠(70a,70b,70c,70d)の中空部分内に案内されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項18】
製造される軽量型枠成形部品の上面のカバー層領域又は上面近傍のカバー層領域(2a,2b)に対応するファイバー材料(5)の少なくとも1つの層が鋳造コア(80)に積層されることを特徴とする請求項17に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項19】
前記型抜き工程後、突出するファイバー材料(5)の切り取り又は研磨の態様の仕上げ工程が実施されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載の型枠成形部品の製造方法。
【請求項20】
充填工程に先立って中空の微小球が液体のマトリックス材料(15)に混合されることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項21】
肉眼で視認可能な粒子又は中空の粒子は使用されないことを特徴とする請求項18又は19に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項22】
1つ以上の抽気口が前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d、80)及びファイバー材料(5)の単層又は複層の間に位置されることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項23】
端部バンド又は端部保護部又はコーナー部保護部の形態の少なくとも1つの側面カバー層領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項24】
少なくとも1つの圧力作用要素が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項25】
少なくとも1つの構成要素連結体が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項1】
軽量複合材料(10,15)、即ちマトリックス材料(15)及び少なくとも1つの充填材(10)からなるコア領域(1)と、
ファイバー材料(5)及びマトリックス材料(15)の少なくとも1つの層からなる少なくとも1つの表面のカバー層領域又は表面近傍のカバー層領域(2a,2b)とを備え、
カバー層領域(2a,2b)のファイバー材料(5)の単層又は複層はコア領域(1)のマトリックス材料(15)と一体的に形成されることを特徴とする軽量型枠成形部品。
【請求項2】
前記ファイバー材料(5)はバンド、不織材料、織成された材料、接着された材料、編成された織物、或いは編成された材料からなることを特徴とする請求項1に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項3】
前記ファイバー材料(5)はグラスファイバー、カーボンファイバー、アラミドファイバー、金属ファイバーからなるファイバーのタイプから選択される少なくとも1つのファイバーからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項4】
前記軽量複合材料(10,15)は気泡複合材料であり、無機発泡粒又はグラス発泡粒を充填材(10)としてプラスチック材料のマトリックス材料により接着されるか、金属のマトリックス材料により接着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項5】
前記軽量複合材料(10,15)は気泡複合材料であり、グラス及び/又はセラミック及び/又は金属から形成される中空の球又は中空の微小球を充填材(10)としてプラスチック材料のマトリックス材料により接着されるか、金属のマトリックス材料により接着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項6】
前記軽量複合材料(10,15)は金属発泡粒ベースの気泡複合材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項7】
前記軽量複合材料(10,15)はシンタクチックフォームベースの気泡複合材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項8】
単体セル又は多セルの閉じた外形又は開いた外形からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項9】
管状の外形を備え、第1の外側カバー層領域(2a)及び第2の内側カバー層領域(2b)のうち少なくともいずれか一方が設けられることを特徴とする請求項8に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項10】
前記充填材(10)の内側の中空部分を含む、前記充填材(10)の体積の比率は、40%乃至60%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項11】
前記充填材(10)の内側の中空部分を含む、前記充填材(10)の体積の比率は、30%乃至50%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項12】
前記充填材(10)はコア領域(1)にのみ存在することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項13】
前記充填材(10)はコア領域(1)の他カバー層領域(2)にも存在することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項14】
形成される軽量型枠成形部品の外形に対応する中空部分を有する型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)を設ける工程と、
形成される軽量型枠成形部品の表面カバー層領域又は表面近傍のカバー層領域(2a,2b)に対応するファイバー材料(5)の少なくとも1つの層を型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分に積層させる工程と、
充填材(10)を型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分内に振り落とす工程と、
ファイバー材料(5)の単層又は複層及び充填材(10)からなる充填物が浸漬されるように型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)の中空部分を硬化可能な液体マトリックス材料(15)により充填する工程と、
カバー層領域(2a,2b)のファイバー材料(5)の単層又は複層がコア領域(1)のマトリックス材料(15)と一体的に形成され、軽量型枠成形部品の形成を案内するようにマトリックス材料(15)を硬化させる工程と、
形成された軽量型枠成形部品を型抜きする工程とを含むことを特徴とする軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項15】
前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)は複数の部品からなり、型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)が組み立てられるに先立って、前記ファイバー材料(5)の少なくとも1つの層が積層されることを特徴とする請求項11に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項16】
前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d)は第1の開口部及び第2の開口部(33,35;33’,35’;62,64)を含み、一方の開口部は中空部分を充填材(10)により充填することに使用され、他方の開口部は中空部分をマトリックス材料(15)により充填することに使用されることを特徴とする請求項14又は15に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項17】
製造される軽量型枠成形部品の内側外形に対応する鋳造コア(80)は型枠(70a,70b,70c,70d)の中空部分内に案内されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項18】
製造される軽量型枠成形部品の上面のカバー層領域又は上面近傍のカバー層領域(2a,2b)に対応するファイバー材料(5)の少なくとも1つの層が鋳造コア(80)に積層されることを特徴とする請求項17に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項19】
前記型抜き工程後、突出するファイバー材料(5)の切り取り又は研磨の態様の仕上げ工程が実施されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載の型枠成形部品の製造方法。
【請求項20】
充填工程に先立って中空の微小球が液体のマトリックス材料(15)に混合されることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項21】
肉眼で視認可能な粒子又は中空の粒子は使用されないことを特徴とする請求項18又は19に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項22】
1つ以上の抽気口が前記型枠(20,30,40;60a,60b;70a,70b,70c,70d、80)及びファイバー材料(5)の単層又は複層の間に位置されることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品の製造方法。
【請求項23】
端部バンド又は端部保護部又はコーナー部保護部の形態の少なくとも1つの側面カバー層領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項24】
少なくとも1つの圧力作用要素が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【請求項25】
少なくとも1つの構成要素連結体が設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軽量型枠成形部品。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2010−510908(P2010−510908A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538671(P2009−538671)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062086
【国際公開番号】WO2008/064985
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(509150651)
【氏名又は名称原語表記】FACHHOCHSCHULE LANDSHUT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062086
【国際公開番号】WO2008/064985
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(509150651)
【氏名又は名称原語表記】FACHHOCHSCHULE LANDSHUT
【Fターム(参考)】
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