説明

輪止検出装置及び輪止検出エリア設定方法

【課題】本発明は、機種毎に演算処理が異ならず、FPGAの処理を固定として量産時に安価なASICの採用を可能とすること、車両に対するカメラの取付位置が多少左右にずれて画像が多少傾いても、対応することを目的としている。
【解決手段】このため、撮像手段の車両後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側及び下側検出エリアの輝度の差に基づいて輪止を検出する輪止検出装置において、輪止の長さと検出エリアの横幅に基づいた検出エリアの設定位置を記憶する記憶手段を備え、輪止検出時には記憶手段に記憶された位置に検出エリアを設定する。また、車両後方画像上に車両前後方向の中心線から両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に2本の線を引き、線上において検出エリアの横幅に一致する2点の中点を基準にして検出エリアの位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は輪止検出装置及び輪止検出エリア設定方法に係り、特に俯瞰画像への切り替え機能を有する駐車用バックカメラにおいて、駐車動作時に輪止への接近を検出し、俯瞰画像へ自動で切り替えを行う輪止検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を後退させて駐車枠に入れるときに、撮像手段により車両後方を撮像し、この撮像手段により撮像された後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出する輪止検出装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−123012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の輪止検出装置においては、上記の特許文献1に開示される輪止検出装置及び後方画像表示装置がある。
この特許文献1に開示される輪止検出装置及び後方画像表示装置は、上下(または「上下および左右」とも換言できる。)に分割された検出領域(「検出エリア」ともいう。)を3つ用いて、各検出エリアの輝度値の平均の差などを用いて輪止を検出している。
つまり、上記の特許文献1に開示されるものは、図14に示す如く、検出エリアにおいて、輪止を検出するのに、実線枠と、この実線枠よりも下方に位置する破線枠との各枠内の輝度平均値の差が閾値以上になることを検出している。
このとき、各枠部分の汚れなどの影響を排除するために、各枠部分を左右に2分割している。
しかし、上記の特許文献1に開示されるものなどでは、検出距離に合わせた検出エリアのサイズを輪止のサイズの1/3程度としており、具体的には装置を適用する車種毎に検出エリアサイズと位置を設定する必要があるという不都合がある。
【0005】
また、前記検出エリアの設定変更に検出エリアサイズの変更が伴うと、統計値を算出するための式の係数の変更および扱うデータ数が異なるため、統計値演算に用いるFPGA(Field Programmable Gate Array)の回路の変更を伴うこととなる。
このとき、係数類を外部より与える方法も考えられるが、例えば平均処理など、割り算を用いる処理などの場合、ビットシフトで実現可能な場合とビットシフトが使用できない場合などでは処理速度が異なることや、ビットシフトですむ場合にも除算器を使用するなど回路が冗長かつ大規模となり、コスト増につながるなど、実用的ではないという不都合がある。
【0006】
この発明は、機種毎に演算処理が異ならず、FPGAの処理を固定として量産時に安価なASIC(Application Specific Integrated Circuit)の採用を可能とすること、車両に対する撮像手段の取付位置が多少左右にずれて画像が多少傾いても、対応することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、車両後方を撮像する撮像手段を備え、この撮像手段により撮像された後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出する輪止検出装置において、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とに基づいて算出された検出エリアの設定位置を記憶する記憶手段を備え、輪止検出時には前記記憶手段に記憶された位置に検出エリアを設定することを特徴とする。
また、車両後方画像上に車両前後方向の中心線から両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に2本の線を引き、この線上において検出エリアの横幅に一致する2点の中点を基準にして検出エリアの位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、車両後方を撮像する撮像手段を備え、撮像手段により撮像された後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出する輪止検出装置において、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とに基づいて算出された検出エリアの設定位置を記憶する記憶手段を備え、輪止検出時には記憶手段に記憶された位置に検出エリアを設定する。
これにより、機種毎に演算処理が異ならないため、FPGAの処理を固定にすることができる。したがって、量産時に安価なASICの採用が可能となる。
また、車両後方画像上に車両前後方向の中心線から両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に2本の線を引き、この線上において検出エリアの横幅に一致する2点の中点を基準にして検出エリアの位置を算出する。
従って、車両に対する撮像手段であるカメラの取付位置が多少左右にずれて画像が多少傾いても、対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は輪止検出エリアを算出するためのフローチャートである。(実施例)
【図2】図2は輪止検出装置の適用システム構成図である。(実施例)
【図3】図3は輪止検出エリアを算出するためのシステム構成図である。(実施例)
【図4】図4は輝度の平均を求める基本的な処理の説明図である。(実施例)
【図5】図5は検出エリアの高さ合わせを示す図である。(実施例)
【図6】図6は輪止の平均値と閾値とを説明する図である。(実施例)
【図7】図7は左右位置ずれの対策1を示す図である。(実施例)
【図8】図8は左右位置ずれの対策2を示す図である。(実施例)
【図9】図9は図7の中央のLCRのうちの中央のC位置における範囲を示す図である。(実施例)
【図10】図10は輪止のサイズ例を示す図である。(実施例)
【図11】図11はFPGAへの実装例を示す図である。(実施例)
【図12】図12は車両後方の概略平面図である。(実施例)
【図13】図13は画素位置を求めるための説明図である。(実施例)
【図14】図14はこの発明の従来技術の特開2010−123012号公報の輪止検出領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図13はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は輪止検出装置を適用した例で、輪止を検出し、表示画像を歪取り画像から俯瞰画像へ切り替える装置である。
この輪止検出装置1は、車両2(図12参照)後方を撮像する撮像手段(「カメラ」ともいう。)3を備え、この撮像手段3により撮像された後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出している。
また、前記輪止検出装置1は、図2に示す如く、前記撮像手段3からの車両後方画像を、デコーダ4を介して入力するFPGA(「コントローラ」ともいう。)5と、このFPGA5の入力画像を一時的に記憶するRAM(「ランダム・アクセス・メモリ」)6と、前記FPGA5に機種毎に記憶しているデータを出力するROM(「リード・オンリ・メモリ」)7と、前記FPGA5からエンコーダ8を介して出力するモニタ9などを備えている。
このとき、前記FPGA5は、入力した車両後方画像の歪取り、俯瞰変換処理を行っている。
そして、前記輪止検出装置1は、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とに基づいて算出された検出エリアの設定位置を記憶する記憶手段10を備えている。
この記憶手段10は、図2に示す如く、例えば、前記RAM6と前記ROM7とを含んでいる。
つまり、このROM7は、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とを記憶し、前記RAM6は、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とに基づいて算出された検出エリアの設定位置を一時的に記憶している。
なお、算出された検出エリアの設定位置を恒久的に記憶する際には、前記記憶手段10をROM7のみとすることも可能である。
【0012】
また、前記輪止検出装置1は、輪止検出時には前記記憶手段10に記憶された位置に検出エリアを設定する構成とする。
これにより、機種毎に演算処理が異ならないため、FPGAの処理を固定として、量産時に安価なASICの採用が可能としている。
【0013】
更に、前記輪止検出装置1は、検出エリアの画素数を2の乗数とする。
これにより、上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出する際の平均値演算等でビットシフトを使用することができる。したがって、除算器によるリソースの増大、処理速度の低下を防止することができる。
【0014】
また、輪止検出エリア設定方法の輪止検出エリアを算出するためのシステムは、図3に示す如く、前記撮像手段3からの車両後方画像を入力する画像入力工程11と、画像の歪の補正や俯瞰画像の作成時に行うキャリブレーションのためのキャリブレーションデータ入力工程12と、前記画像入力工程11及びキャリブレーションデータ入力工程12の後に行う3次元データ演算工程13と、この3次元データ演算工程13からの各座標データの距離から画素数演算を行う工程14と、中点演算工程15と、ROMデータ作成工程16とを備えている。
そして、前記3次元データ演算工程13は、以下の処理を行う。
(1)車両中心延長線上座標取得。
(2)車両中心延長線(車両前後方向)線分(10mm毎)取得[cx]。
(3)車両前後方向中心線±100mm座標取得[lx、rx]。
また、前記3次元データ演算工程13からの各座標データの距離から画素数演算を行う工程14は、
cx−lx、rx−cx
より画素数を演算し、共に32画素以下となる点(車両からの距離最小)を求める。
更に、前記中点演算工程15は、(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点(cx1、cy1)を演算する。
【0015】
そして、上述の輪止検出エリア設定方法は、車両後方画像上に車両前後方向の中心線CLから両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に2本の線L1、L2を引き、この線L1、L2上において検出エリアの横幅に一致する2点(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点(cx1、cy1)を基準にして検出エリアの位置を算出している。
これにより、上述の輪止検出エリア設定方法は、車両1に対する前記撮像手段3の取付位置が多少左右にずれて画像が多少傾いても、対応することを可能としている。
【0016】
また、上述の輪止検出エリア設定方法において、車両後方を撮像する前記撮像手段3のキャリブレーション時に検出エリアの位置を算出している。
従って、上述の輪止検出エリア設定方法は、機種変更時にカメラのキャリブレーションと同時に検出エリアの位置を設定するため、工数を削減することができる。
【0017】
ここで、前記輪止検出装置1及び上述の輪止検出エリア設定方法の基本的な処理から説明する。
この基本的な処理は、上述した特許文献1に開示されるものを利用している。
先ず、第1の処理において、図4に示す如く、検出エリア1、2、3、4中の画素の輝度の平均を求める。
このとき、検出エリア1、2、3、4は、画像中の3箇所(左右輪止検出、中央輪止なし検出)となる。
第2の処理において、図5に示す如く、検出エリア1、2、3、4の高さは画像中の輪止の高さに合わせる。
第3の処理において、図6に示す如く、輪止部分では、検出エリア1と検出エリア3、及び、検出エリア2と検出エリア4の輝度の平均値に閾値以上の差があり、輪止の間(「路面部」とも換言できる。)では、検出エリア1と検出エリア3、及び、検出エリア2と検出エリア4の輝度の平均値の差が閾値以下となる。
また、
検出エリア1>検出エリア3
、かつ、
検出エリア2>検出エリア4
または、
検出エリア1<検出エリア3
、かつ、
検出エリア2<検出エリア4
の場合のみ検出とする。
ただし、左右の輪止部分の検出枠において、検出エリア1と検出エリア3、及び、検出エリア2と検出エリア4の輝度の平均値の差の極性が同じである場合に輪止を検出したとする。
例えば、右の輪止部分において、
検出エリア1>検出エリア3
、かつ、
検出エリア2>検出エリア4
ならば、左の輪止部分も
検出エリア1>検出エリア3
、かつ、
検出エリア2>検出エリア4
である場合に検出とする。
第4の処理において、左右位置ずれには、2つの対策がある。
先ず、対策1においては、位置ずれ時の検出用エリアを設定し、位置ずれなしの場合と左右位置ずれの場合とについて並列に処理する。
このとき、図7に示す如く、L、C、R位置についてそれぞれ判定処理を行う。
また、対策2においては、駐車枠線検出手段(図示せず)により出力される、左右位置ずれ情報を基に、図8に示す如く、検出枠を左右に移動する。
【0018】
また、前記輪止検出装置1及び上述の輪止検出エリア設定方法における処理を説明する。
先ず、上述した基本的な処理の第1の処理にて開示した図4において、検出エリア中のさらに4つの検出エリアサイズを16X8(インタレースの場合、1フィールド毎の処理では走査線は1/2となるので、8ライン分となる、フレーム単位の処理では16X16)画素とする。
例えば、平均値の計算は、全画素の輝度の加算後、
16X8=128
なので、7bit右シフトで求まる。
また、検出エリアの設定場所を、距離主導ではなく、上記の検出枠の幅(図4の検出エリア1と検出エリア2で)32画素を基準として検出エリアサイズを固定し、検出エリア位置は、基準とする輪止(長さ600mm。図10参照。)が検出エリアの横幅の3倍(32X3画素)となる距離(画像中の縦方向位置)を求め、当該座標に検出枠を配置する。
更に、基準となる位置は、図7中の黒丸形状部分と白三角形状部分とハート形状部分とのいずれかの位置とし、機種毎のデータを記録している前記記憶手段10の前記ROM7の空き領域などに記録する。
つまり、図7のC位置において、基準位置を黒丸形状部分として前記記憶手段10のROM7のデータ(x1、y1)を読み込んだ場合に、中央のL、C、R位置のうち中央のC位置の範囲は(インターレースにおいてフィールド毎の処理の場合)、図9に示す如く、
(x1−16、y1−16)−(x1+16、y1)
となる。
同様に、図7の右側のC位置の範囲は、
(x1+(16X5)、y1−16)−(x1+(16X7)、y1)
となり、図7の左側のC位置の範囲は、
(x1−(16X7)、y1−16)−(x1+(16X5)、y1)
となり、求めることができる。
そして、左右位置ずれへの対応時は、それぞれ、L位置では(x1−32)、R位置では(X1+32)を基準とすることで対応可能である。
また、基準の位置は、前記記憶手段10のROM7などに記録され、起動時に読み込まれるため、車種変更時はROM7のデータを書き換えることで対応可能となった。
これにより、前記FPGA5の回路変更は不要となり、ASICなどの製造後の書換が不能であるが、量産コストの安価なデバイスの使用が可能である。
【0019】
前記FPGA5の実装例について説明する。
実際のFPGA5への実装については、Flash−ROMのデータバス幅は16bitであることから、水平方向のオフセット値8bit、垂直方向のオフセット値8bitとする。
そして、画像垂直方向は、図11に示す如く、1フィールド240ラインのため、走査線番号をそのまま指示する。
また、水平方向は、図11に示す如く、640画素のうち中心付近の256画素を指定範囲とする(中心の枠位置の指定のため、範囲として問題ない。)。
よって、水平方向については、図11に示す如く、
(640−256)÷2
より、192画素加算して扱う。
上述した基準位置(x1、y1)を求めるには、前記撮像手段3のキャリブレーションを行い、車両2に取り付けられた撮像手段3の画素と地面上の点との対応を求める。
そして、「車両の前後方向の中心線」と「車両の左右方向の中心線と平行な線」とが画像中でほぼ直交するような画像として表示されているとき、画像横方向において地面高さ基準にて輪止の幅(例えば、600mm)が検出エリア3個分(32X3=96画素)となる画像中の「y1」、及び、車両2の中心線CLの延長CLe上の点「x1」を求める(32画素=200mmでも良い。)。
なお、参考までに記載すると、上記キャリブレーションは、上述した特許文献1の図23に開示されるように、画像の歪の補正や俯瞰画像の作成時に行う処理である。
この発明により、輪止の検出エリア位置についてもキャリブレーションと同時に取得、設定可能となる。
また、この実施例においては、キャリブレーションにより得た地面基準での3次元情報において、図12及び図13に示す如く、前記車両2の後端から3000mmまでの範囲で、車両2の前後方向の中心線CLの延長線CLe上に10mmおきに、車両2の前後方向の中心線CLの延長線CLeとの直交方向に±100mm(600÷3÷2=100mm)した位置の画素位置を求め、±100mmでの画素数の差が32ピクセル以下となる最初の位置をそれぞれ(lx1、ly1)、(rx1、ry1)としている。
そして、前記車両2に対する前記撮像手段3の取付位置は、図12に示す如く、多少左右方向にずれるため、画像車両の前後方向の中心線CLの延長線CLeに対して画像が若干傾くため、(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点(cx1、cy1)を求め、基準点(x1、y1)としている。
【0020】
次に、図1の輪止検出エリアを算出するためのフローチャートに沿って作用を説明する。
【0021】
上述の輪止検出エリアを算出するためのプログラムがスタート(101)すると、前記画像入力工程11による画像入力、及び、前記3次元データ演算工程13による前記車両2の前後方向の中心線CLと並行に±100mmの線分設定を行う処理(102)に移行する。
そして、前記画像入力工程11による画像入力、及び、前記3次元データ演算工程13による前記車両2の前後方向の中心線CLと並行に±100mmの線分設定を行う処理(102)の後に、前記3次元データ演算工程13による車両2側から遠隔方向へ10mm毎に±100mm線上の画素位置取得を行う処理(103)に移行する。
この前記3次元データ演算工程13による車両2側から遠隔方向へ10mm毎に±100mm線上の画素位置取得を行う処理(103)の後には、前記3次元データ演算工程13からの各座標データの距離から画素数演算を行う工程14による±100mmでの画素数確認
cx−lx、rx−cx
を行う処理(104)に移行する。
また、前記3次元データ演算工程13からの各座標データの距離から画素数演算を行う工程14による±100mmでの画素数確認
cx−lx、rx−cx
を行う処理(104)の後には、確認した画素数が、
cx−lx<32、かつ、rx−cx<32
であるか否かの判断(105)に移行する。
この判断(105)において、判断(105)がNOの場合には、判断(105)がYESとなるまで、確認した画素数が、
cx−lx<32 AND rx−cx<32
であるか否かの判断(105)を繰り返し行う。
また、判断(105)がYESの場合には、前記中点演算工程15による(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点演算を行う処理(106)に移行する。
この中点演算工程15による(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点演算を行う処理(106)は、車両後方画像上に車両前後方向の中心線CLから両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に引いた2本の線L1、L2上において検出エリアの横幅に一致する2点(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点(cx1、cy1)を演算するものである。
そして、前記中点演算工程15による(lx1、ly1)、(rx1、ry1)の中点演算を行う処理(106)の後には、前記ROMデータ作成工程16によってROMデータを作成し、(x1、y1)を前記記憶手段10のROM7などに記録する処理(107)に移行し、その後に、上述の輪止検出エリアを算出するためのプログラムのエンド(108)に移行する。
【0022】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0023】
例えば、通常使用されている撮像手段であるカメラの画素数は、VGA(水平640X垂直480)であるが、システム中のROMのデータバス幅が足りない場合は、検出エリアのサイズが2の乗数となっているため、1/2(2のn乗分の1)とすることで、データバス幅の削減が可能である。
同様に、高解像度カメラへの対応も可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 輪止検出装置
2 車両
3 撮像手段(「カメラ」ともいう。)
4 デコーダ
5 FPGA(「コントローラ」ともいう。)
6 RAM(「ランダム・アクセス・メモリ」)
7 ROM(「リード・オンリ・メモリ」)
8 エンコーダ
9 モニタ
10 記憶手段
11 画像入力工程
12 キャリブレーションデータ入力工程
13 3次元データ演算工程
14 画素数演算を行う工程
15 中点演算工程
16 ROMデータ作成工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両後方を撮像する撮像手段を備え、この撮像手段により撮像された後方画像上に上下に分割された検出エリアを設定し、車両後退中に上側検出エリアの輝度と下側検出エリアの輝度との差に基づいて輪止を検出する輪止検出装置において、基準とする輪止の長さと検出エリアの横幅とに基づいて算出された検出エリアの設定位置を記憶する記憶手段を備え、輪止検出時には前記記憶手段に記憶された位置に検出エリアを設定することを特徴とする輪止検出装置。
【請求項2】
検出エリアの画素数を2の乗数とすることを特徴とする請求項1に記載の輪止検出装置。
【請求項3】
車両後方画像上に車両前後方向の中心線から両側に基準とする輪止の長さに基づいて算出された距離だけ離れた位置に車両後端よりも後方に2本の線を引き、この線上において検出エリアの横幅に一致する2点の中点を基準にして検出エリアの位置を算出することを特徴とする輪止検出エリア設定方法。
【請求項4】
車両後方を撮像する撮像手段のキャリブレーション時に検出エリアの位置を算出することを特徴とする請求項3に記載の輪止検出エリア設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−114636(P2012−114636A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261248(P2010−261248)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】