説明

輻輳制御方法、輻輳制御装置及びプログラム

【課題】接続規制が行われている最中にネットワーク構成が変更された場合においても、同一のノードに対して同じ電話番号帯への接続規制指示が重複して通知されずに適切な輻輳制御を実施できるようにする。
【解決手段】呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、呼制御装置間の呼の中継接続を行う中継装置とを備える電話網内で輻輳が発生したときに、呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御方法であって、輻輳制御装置から呼制御装置のうちの少なくとも1つに接続規制を指示しているときに、接続規制を指示した呼制御装置が、ネットワーク構成変更によって接続規制を指示すべきものと決定された他の条件にも該当することとなった場合において、輻輳制御装置が、当該呼制御装置に対して同一の制御対象への接続規制の指示を重複して発行しないようにする重複指示回避ステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網内の特定のエリアに呼が集中することによって発生した輻輳を解消するための輻輳制御方法、輻輳制御装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Internet Protocol)電話網においては、輻輳対策の一つとして、輻輳要因となる呼の流入を網の入口で止めるために、輻輳したサーバが収容する電話番号帯を輻輳制御装置から網内のすべてのソフトスイッチとCTI−GW(Computer Telephony Integration-Gateway)とに通知して対地発信規制(以下、接続規制という。)を指示していた。また、特許文献1には、公衆電話網における輻輳対策の一つとして、着側交換機が輻輳を検知した時点から、着呼に対する応答として直接発側交換機に接続規制を通知しておき、その後に輻輳制御装置から各交換機にそれぞれ接続規制の規制量を指示することで、より迅速な輻輳制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−22406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらいずれの従来技術においても、輻輳制御装置は、最新のネットワーク構成情報をデータベースに保持しており、このデータベースを参照して各ノード(ソフトスイッチ、CTI−GW、交換機を総称してノードと呼ぶ。)への接続規制の規制量を決定していた。ところが、従来技術では、接続規制が行われている最中にネットワークの構成変更が実施されることは想定されていなかったため、接続規制の最中にネットワーク構成が変更された場合に、同一のノードに対して同じ制御対象(電話番号帯や出接続ルートなど)への接続規制指示が重複して通知されてしまい、適切な輻輳制御が実施できなくなることがあるという問題があった。もしくは、接続規制が行われている間はネットワーク構成変更作業に着手することができず、変更作業中に輻輳が発生してしまうと適切な輻輳制御が実施できなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、電話網内に輻輳が発生して接続規制が行われている最中にネットワーク構成が変更された場合においても、同一のノードに対して同じ制御対象への接続規制指示を重複して通知しないようにする輻輳制御方法、輻輳制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の輻輳制御方法は、それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、前記輻輳制御装置は、それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を記憶部に記録し、前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、前記輻輳制御装置は、前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示することを特徴とする。
【0007】
これにより、電話網内で輻輳が発生して接続規制を行っている最中にネットワーク構成変更が実施され、呼制御装置と中継装置との間の接続経路の変更や、呼制御装置が受け持つ電話番号帯の変更が行われた場合においても、すでにそれぞれの呼制御装置に指示済みの制御対象を除く追加の制御対象への接続規制の指示を適切に行うことができる。
【0008】
また、本発明の他の輻輳制御方法は、それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、前記輻輳制御装置は、前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンを記憶部に保持しており、前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更が行われた場合において、前記輻輳制御装置は、前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちの少なくとも1つに該当するときには、当該呼制御装置に追加の接続規制を指示しないことを特徴とする。
【0009】
これにより、電話網内で輻輳が発生して接続規制を行っている最中にネットワーク構成変更が実施された場合においても、比較的簡単な処理によって重複する接続規制の発行を抑止することができる。
【0010】
また、本発明の他の輻輳制御方法は、それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、前記輻輳制御装置は、前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンの種別を1以上記憶部に保持するとともに、それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を前記記憶部に記録し、前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、前記輻輳制御装置は、前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちのいずれにも該当しないときに、前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示することを特徴とする。
【0011】
これにより、電話網内で輻輳が発生して接続規制を行っている最中にネットワーク構成変更が実施された場合における、すでにそれぞれの呼制御装置に指示済みの制御対象を除く追加の制御対象への接続規制の指示を、より迅速に行うことができる。
【0012】
また、本発明の輻輳制御装置は、前記記憶部と前記の輻輳制御方法を実行する重複指示回避手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを前記の輻輳制御装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電話網内で輻輳が発生して接続規制が行われている最中にネットワーク構成が変更された場合においても、同一のノードに対して同じ制御対象への接続規制指示を重複して通知しないようにする輻輳制御方法、輻輳制御装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワークの構成例である。
【図2】本発明に係る輻輳制御装置及び呼制御サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】ネットワーク構成変更前における輻輳の発生例である。
【図4】図3に示す輻輳が発生したときの輻輳制御処理についての説明図である。
【図5】ネットワーク構成テーブルのデータ構造及びデータ例である。
【図6】規制指示情報テーブルのデータ構造及びデータ例である。
【図7】発行済み規制内容テーブルのデータ構造及びデータ例である。
【図8】重複する接続規制指示が発行される問題についての説明図である。
【図9】方法1による重複指示回避処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】方法2による重複指示回避処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】方法3による重複指示回避処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な形態を、適宜図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークの構成例である。図1に例示するように、本発明の実施形態に係るネットワークは、輻輳制御装置1、中継サーバ2、呼制御サーバ3、端末4、及び中継網5を備えて構成される。
【0018】
呼制御サーバ3は、同一の電話番号帯(局番に該当することが多いが、さらに細分化されることもある)に属する電話番号をもつ電話機などの端末4を収容し、それら複数の端末4によって形成されるエリアの呼の発着信を制御する。図1の例においては、それぞれ呼制御サーバ#1(3−1)はエリア1(A1)、呼制御サーバ#2(3−2)はエリア2(A2)、呼制御サーバ#3(3−3)はエリア3(A3)、呼制御サーバ#4(3−4)はエリア4(A4)の呼の発着信制御を司る。
【0019】
中継サーバ2は、複数の呼制御サーバ3を収容し、自身が収容している呼制御サーバ3同士の間の呼の中継接続、及び、自身が収容している呼制御サーバ3と他の中継サーバ2に収容される呼制御サーバ3との間の中継網5を介した呼の中継接続を司る。図1の例においては、中継サーバ#1(2−1)が呼制御サーバ#1(3−1)と呼制御サーバ#2(3−2)とを収容し、中継サーバ#2(2−2)が呼制御サーバ#3(3−3)と呼制御サーバ#4(3−4)とを収容する。したがって、中継サーバ#1(2−1)はエリア1(A1)とエリア2(A2)とを連結したエリア5(A5)の呼の中継接続を司り、中継サーバ#2(2−2)はエリア3(A3)とエリア4(A4)とを連結したエリア6(A6)の呼の中継接続を司ることになる。
【0020】
輻輳制御装置1は、これら電話網を構成している各サーバの処理能力やサーバ間を接続する各通信路のトラヒック容量などの情報を有しており、この電話網内で輻輳が発生したときには、現在のトラヒックの状況と今後予想されるトラヒック量などとに基づいて各サーバや各通信路へのトラヒックの分配を行い、その分配結果にしたがって各サーバに接続規制を指示することにより、輻輳を解消するための制御を行う。
【0021】
図2は、本発明に係る輻輳制御装置及び呼制御サーバの機能構成例を示すブロック図である。図2に例示するように、輻輳制御装置1は、処理部10と記憶部20とを備える。処理部10には、網内の各部における接続規制の内容を決定する制御ポイント設定部11と、決定された接続規制の内容を不図示の通信インタフェース部を介して制御ポイントとして選択した各部に伝達する接続規制指示部14とを備える。制御ポイント設定部11には、現在のトラヒックの状況と今後予想されるトラヒック量などとに基づいて各サーバや各通信路へのトラヒックの分配を行う規制演算部12と、ネットワーク構成変更に伴って発行すべき追加の接続規制の内容を決定するネットワーク構成変更対応部13とを備える。これら各部は、コンピュータによって構成される輻輳制御装置1の不図示のCPU(Central Processing Unit)が、不図示の記憶手段に記憶される所定のプログラムを不図示の主メモリにロードして実行することによって具現化される。
【0022】
記憶部20には、ネットワーク構成テーブル21と規制指示情報テーブル22と発行済み規制内容テーブル23とを備える。ネットワーク構成テーブル21には、制御対象となる電話網についての最新のネットワーク構成情報が登録される。ネットワーク構成テーブル21の詳細は、図5を用いて後記する。規制指示情報テーブル22には、規制演算部12によって決定された接続規制の内容が登録される。規制指示情報テーブル22の詳細は、図6を用いて後記する。また、発行済み規制内容テーブル23には、接続規制指示部14から各呼制御サーバ3に指示された発行済みの規制内容が登録される。発行済み規制内容テーブル23の詳細は、図7を用いて後記する。
【0023】
図2において、呼制御サーバ3Bは、呼制御サーバ3が自装置の輻輳を検出して輻輳呼制御サーバとして機能するときの主な構成を示したものである。また、呼制御サーバ3Cは、呼制御サーバ3が接続規制を指示される規制対象呼制御サーバとして機能するときの主な構成を示したものである。つまり、呼制御サーバ3は、場合によって輻輳呼制御サーバになったり規制対象呼制御サーバになったりするので、呼制御サーバ3B(輻輳呼制御サーバ)と呼制御サーバ3C(規制対象呼制御サーバ)との双方の構成を備える。したがって、呼制御サーバ3が備える接続要求処理部31は、輻輳検出部32、着信規制要求部35、及び発信規制部36の各部を備える。また、輻輳検出部32は、さらに、CPU使用率測定部33と接続数測定部34とを備える。これら各部は、コンピュータによって構成される呼制御サーバ3の不図示のCPUが、不図示の記憶手段に記憶される所定のプログラムを不図示の主メモリにロードして実行することによって具現化される。
【0024】
接続要求処理部31は、当該呼制御サーバ3が収容する配下のエリアの端末4から発信される呼の接続要求を受け付けて必要な発信処理を行い、また、配下のエリアの端末4宛に着信した呼の接続要求を受け付けて必要な着信処理を行う。
【0025】
呼制御サーバ3B(輻輳呼制御サーバ)の輻輳検出部32は、自身の装置のCPU使用率や呼の接続数などを監視し、それらの値が既定値を超えた場合に輻輳が発生したものと判定する。CPU使用率測定部33は、自身の装置のCPU使用率を測定し、接続数測定部34は、自身の装置の呼の接続数を測定する。着信規制要求部35は、輻輳検出部32によって自身の装置に輻輳が発生したものと判定された場合に、不図示の通信インターフェース部を介して、輻輳制御装置1に対して自身の呼制御サーバ3B(輻輳呼制御サーバ)への着信を規制するように要求する。この着信規制の要求では、単位時間当たりの着信制限呼数を指定するようにしてもよいし、着信呼の呼損率を指定するようにしてもよい。もしくは、全体の着信呼量の相対的な削減率を指定するものとしてもよい。
【0026】
輻輳制御装置1は、呼制御サーバ3B(輻輳呼制御サーバ)からの着信規制の要求を受け付けると、当該呼制御サーバ3Bが収容する電話番号帯への発信呼数が大きいノードや中継ルートを探索することにより、当該電話番号帯に関する必要な接続規制(対地発信規制、出接続ルート規制(複数の出接続ルートの組への規制を含む)など)の内容を決定し、決定した接続規制の内容を規制対象となる各呼制御サーバ3C(規制対象呼制御サーバ)に指示する。
【0027】
輻輳制御装置1から接続規制を指示された各呼制御サーバ3Cの発信規制部36は、輻輳制御装置1からの指示にしたがって、配下のエリアの端末4から規制対象の電話番号帯宛に発信される呼の一部またはすべてを呼損とする対地発信規制や出接続ルート規制などを行う。対地発信規制や出接続ルート規制により呼損となった呼については、接続要求処理部31から発信元の端末4にビジートーンもしくは接続不可である旨の音声アナウンスが出力される。
【0028】
続いて、接続規制の最中にネットワーク構成変更が行われたときに発生する接続規制の重複発行の問題について、具体例を用いて説明する。ここでは、図3に示した電話網において、エリア2(A2)及びエリア6(A6)から発信される、電話番号帯が「43211」であるエリア7(A7)の端末宛の呼が短時間に集中することによって、呼制御サーバ#5(3−5)に輻輳が発生したものとする。
【0029】
図4は、図3に示す輻輳が発生したときの輻輳制御処理についての説明図である。図4に示すように、輻輳を検出した呼制御サーバ#5(3−5)は、ステップS1で輻輳制御装置1に対して例えば受け入れ可能な着信呼量を指定してエリア7(A7)(電話番号帯:43211)への着信規制要求を送信する。輻輳制御装置1は、電話網内の各部のトラヒックを監視しており、この着信規制要求を受信すると、制御ポイント設定部11(図2)は、ステップS2でエリア7(A7)への着信呼量が大きいノードや中継ルートを探索することで、接続規制を行う制御ポイント(例えば、呼制御サーバやエリア)を適宜選択し、それぞれの制御ポイントの接続規制量を決定する。ここでは、規制演算部12(図2)によって、エリア7(A7)の端末宛の発信呼量が大きいノードである呼制御サーバ#2(3−2)と、中継サーバ#2(2−2)の配下のエリアであるエリア6との2つが接続規制を行う制御ポイントとして選択され、図6に例示するような規制指示の内容が規制指示情報テーブル22に登録されたものとする。
【0030】
図6に示すように、規制指示情報テーブル22には、規制指示ID(Identification:識別子)、接続規制の制御対象、規制対象、及び接続規制量を属性としてもつレコードが、決定された規制指示の数だけ登録される。また、時間の経過とともに規制指示の内容を更新する必要が生じた場合には規制演算部12によって該当するレコードのデータの更新が行われ、規制指示が解除されると該当するレコードは削除される。つまり、規制指示情報テーブル22には、現在有効となっているすべての規制指示の内容が記録される。
【0031】
規制指示IDは、それぞれの規制指示を一意に特定するために規制演算部12が付与する識別子である。接続規制の制御対象は、接続規制の対象となる電話番号帯や出接続ルートなどである。規制対象には、接続規制を指示する制御ポイントとなるノード名(呼制御サーバ名または中継サーバ名)またはエリア名が登録される。また、接続規制量には、規制演算部12によって決定された接続規制量のデータが登録される。
【0032】
図6に例示するように、ここでは、輻輳が発生した呼制御サーバ#5(3−5)から着信規制を要求された電話番号帯“43211”への接続規制量が、呼制御サーバ#2(3−2)については10%に、エリア6については50%にそれぞれ決定されたものとする。そして、輻輳制御装置1は、ステップS3で呼制御サーバ#2からの接続を規制する規制指示1を呼制御サーバ#2(3−2)に送信する。また、ステップS4で、エリア6(A6)からの接続を規制する規制指示2を、図5に例示するネットワーク構成テーブル21を参照して、エリア6(A6)に収容される呼制御サーバ#3(3−3)と呼制御サーバ#4(3−4)とに送信する。
【0033】
図5は、図3に示した電話網に対応するネットワーク構成テーブル21のデータ例である。図5に示すように、ネットワーク構成テーブル21には、呼制御サーバ、収容するエリア、電話番号帯、収容先の中継サーバ、及び収容されるエリアを属性としてもつレコードが、電話網を構成している呼制御サーバ3の数だけ登録される。また、ネットワーク構成が変更された場合は、不図示のネットワーク構成管理サーバから伝達されるネットワーク構成変更情報に基づいて、ネットワーク構成変更対応部13によって逐次更新が行われる。
【0034】
ネットワーク構成テーブル21の呼制御サーバには、電話網を構成する各呼制御サーバ3の呼制御サーバ名が登録される。収容するエリアには、当該呼制御サーバ3が収容する端末が含まれるエリア名が、電話番号帯には、当該呼制御サーバ3が収容する電話番号帯がそれぞれ登録される。収容先の中継サーバには、当該呼制御サーバ3が収容される中継サーバ2の中継サーバ名が登録される。また、収容されるエリアには、当該呼制御サーバ3が収容される中継サーバ2が収容するエリアのエリア名が登録される。
【0035】
例えば、図5に示したデータ例の先頭のレコードは、電話番号帯が“XXXXX”であるエリア1を収容している呼制御サーバ#1(3−1)は、中継サーバ#1(2−1)に収容されることによってエリア5に収容されていることを表している。一方、図5の3番目及び4番目のレコードを参照することで、規制対象となるエリア6(A6)には呼制御サーバ#3(3−3)と呼制御サーバ#4(3−4)との2台が収容されていることが分かるので、輻輳制御装置1の接続規制指示部14(図2)は、エリア6(A6)からの接続を規制する規制指示2を、呼制御サーバ#3(3−3)と呼制御サーバ#4(3−4)とに送信する。また、接続規制指示部14は、図7に例示するように、呼制御サーバ3の単位で、送信した規制指示の内容を発行済み規制内容テーブル23に登録する。
【0036】
これにより、図8の破線矢印にて示すように、輻輳制御装置1から電話番号帯“43211”への接続規制を指示する規制指示1が呼制御サーバ#2(3−2)に、同じく規制指示2が呼制御サーバ#3(3−3)と呼制御サーバ#4(3−4)とに送信され、それぞれの発信規制部36(図2)によって接続規制が開始される。
【0037】
ここで、ネットワークの構成変更が実施され、図8に示すように、呼制御サーバ#2(3−2)の収容先の中継サーバが、それまでの中継サーバ#1(2−1)から中継サーバ#2(2−2)に変更されたものとする。このようなネットワークの構成変更は、例えば、一つのビル内に異なるエリアを収容する呼制御サーバ3と中継サーバ2とがそれぞれ複数台設置されており、機器の故障や災害時の緊急対策、計画的な機器の更新などのために、サーバ間の接続ルートを変更する場合などに行われる。なお、大容量のサーバが使用されるIP電話網では、このような収容構成の変更は充分に想定されるものであり、比較的に容量が小さい交換機が使用される公衆電話網においても県境などで発生し得るものと考えられる。
【0038】
その結果、呼制御サーバ#2(3−2)が収容される中継サーバに対応して収容されるエリアが、それまでのエリア5(A5)(図3参照)からエリア6(A6a)に変更されることになる。このとき、従来の輻輳制御方法では、エリア6(A6a)に対する規制指示2を、新たに当該エリア6(A6a)に加わった呼制御サーバ#2(3−2)にも送信する必要があると判断して、図8の一点鎖線矢印にて示すように、呼制御サーバ#2(3−2)に対して電話番号帯“43211”への50%の接続規制を指示する規制指示2を、規制指示1(接続規制量:10%)と重複して送信してしまうことになる。
【0039】
同様に、呼制御サーバ#2(3−2)が収容していた電話番号帯が、例えば、呼制御サーバ#3(3−3)に収容されることになった場合には、それまで呼制御サーバ#2(3−2)に送信されていた規制指示1が、呼制御サーバ#3(3−3)に送信されることになり、やはり重複した規制指示が送信されることになる。
【0040】
一方、本実施の形態に係る輻輳制御方法では、輻輳制御装置1が備えるネットワーク構成変更対応部13が、ネットワーク構成が変更されたときに、同一の呼制御サーバ3にそのような重複した規制指示(重複指示)を送信しないようにする。重複指示を回避する方法としては、図9、図10、図11に示す3つがある。
【0041】
図9に示した方法1の重複指示回避処理は、適用中のすべての規制指示とネットワーク構成変更に伴って追加が必要となる規制指示とを比較することにより、重複指示を回避するものである。
【0042】
図9に示すように、方法1による重複指示回避処理では、ネットワーク構成変更対応部13は、まずステップS61にて規制指示中か否かを判定し、規制指示中でなければ(ステップS61でNo)ステップS65に処理を進めてネットワーク構成テーブル21を更新し、処理を終了する。
【0043】
また、規制指示中であれば(ステップS61でYes)ステップS62に処理を進め、規制指示情報テーブル22(図6)を参照してネットワーク構成変更に伴って必要となる追加規制内容を算出する。例えば、図8にて説明した呼制御サーバ#2(3−2)の収容先の変更に対しては、当該サーバの新たな収容先のエリアであるエリア6(A6a)に対して規制指示2を発行すべきことが規制指示情報テーブル22に登録されているので、呼制御サーバ#2(3−2)に規制指示2を発行することが追加規制内容として算出される。
【0044】
次に、ステップS63にて、ネットワーク構成変更対応部13は、発行済み規制内容テーブル23(図7)に記録されている各呼制御サーバ3ごとの発行済みの規制内容を参照して、先に算出した追加規制内容から発行済みの規制内容との制御対象の重複が発生する規制内容を削除する。図8の例では、呼制御サーバ#2(3−2)について算出された追加規制内容である規制指示2は、当該サーバに対して発行済みの規制指示1(図7の先頭レコードの内容)と制御対象の電話番号帯が重複するため、この規制指示2は追加規制内容から削除されることになる。
【0045】
この結果、何らかの追加規制内容が残っていれば、次のステップS64にて、ネットワーク構成変更対応部13は、接続規制指示部14に当該追加規制内容を対象の呼制御サーバ3C(規制対象呼制御サーバ)(図2)に指示させたのち、ステップS65てネットワーク構成テーブル21を更新して処理を終了する。
【0046】
この方法1の重複指示回避処理によれば、ネットワークの構成変更時に個々の呼制御サーバ3の単位で重複する指示の発行だけが抑制されるので、ネットワーク構成変更への適合性を向上させた輻輳制御を実現することができる。
【0047】
図10に示した方法2による重複指示回避処理は、重複する指示が発行される可能性のあるネットワーク構成変更が行われた場合には、それに伴う追加の規制指示の発行をすべて抑止してしまうものである。
【0048】
図10に示すように、方法2による重複指示回避処理では、ネットワーク構成変更対応部13は、まずステップS71にて規制指示中か否かを判定し、規制指示中でなければ(ステップS71でNo)ステップS76に処理を進めてネットワーク構成テーブル21を更新し、処理を終了する。
【0049】
また、規制指示中であれば(ステップS71でYes)ステップS72に処理を進めてネットワーク構成変更は所定の重複パターンのいずれかに該当するか否かをチェックする。この重複パターンとは、ネットワーク構成変更に伴って必要となる追加規制内容を指示すると重複指示が発行される可能性があるすべての構成変更パターンを示したものである。この重複パターンは、予め記憶部20に登録される(図示は省略)。この重複パターンには、例えば、図8で説明したような、ある呼制御サーバ3の収容先の中継サーバ2が変更されるパターン、中継サーバ2同士の接続ルートが変更されるパターン、呼制御サーバ3が収容する電話番号帯が変更されるパターンなどが含まれる。ネットワーク構成変更対応部13は、不図示のネットワーク構成管理サーバから伝達されるネットワーク構成変更情報に含まれる構成変更パターンが、これらいずれかの重複パターンに該当するか否かをチェックする。
【0050】
次に、ステップS73にて、ネットワーク構成変更対応部13は、ステップS72のチェック結果の判定を行い、登録されたいずれかの重複パターンに該当する場合は(ステップS73で「該当する」)ステップS76に処理を進め、いずれの重複パターンにも該当しない場合は(ステップS73で「該当せず」)ステップS74に処理を進める。図8で説明した呼制御サーバ#2(3−2)の収容先が中継サーバ#1(2−1)から中継サーバ#2(2−2)に変更されるパターンは、登録された重複パターンに該当するため、ステップS76に処理が進められて追加規制指示は行われない。
【0051】
いずれの重複パターンにも該当しない場合は、次に、ステップS74にて、ネットワーク構成変更対応部13は、ネットワーク構成変更に伴って必要となる追加規制内容を算出し、ステップS75にて、接続規制指示部14に算出した追加規制内容を対象の呼制御サーバ3C(規制対象呼制御サーバ)(図2)に指示させたのち、ステップS76にてネットワーク構成テーブル21を更新して処理を終了する。
【0052】
この方法2の重複指示回避処理によれば、ネットワークの規模に関わらず比較的簡単な処理によって重複する規制指示の発行を抑止することができる。
【0053】
図11に示した方法3による重複指示回避処理は、前記した方法1と方法2とを組み合わせたものである。すなわち、図10に示した方法2の処理において、重複パターンに該当するときの処理(ステップS73の「該当する」側に対応するステップS85以降の処理)を、方法1のステップS62以降の処理と同様な処理としたものである。詳細な動作の説明は省略するが、この方法3の重複指示回避処理によれば、方法1と同等の機能を方法1よりも少ない処理量で実現できる場合が増えるので、その分処理の高速化が可能となる。
【0054】
なお、重複する指示の発行を回避するための他の方法として、ネットワーク構成変更の実施に先立って実施しようとする構成変更の内容を輻輳制御装置1に通知し、前記と同様な処理によって発行済みの複数の規制指示が重複となる可能性があると判定された場合(エリアの定義の変更により、元は2つの異なるエリアであったものが1つの同一のエリアに変更される場合などが考えられる)には、当該ネットワーク構成変更の実施を中止させるようにしてもよい。
【0055】
以上にて本発明を実施するための形態の説明を終えるが、本発明の実施の態様はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 輻輳制御装置
10 処理部
11 制御ポイント設定部
12 規制演算部
13 ネットワーク構成変更対応部(重複指示回避手段)
14 接続規制指示部
20 記憶部
21 ネットワーク構成テーブル
22 規制指示情報テーブル
23 発行済み規制内容テーブル
2,2−1〜2−3 中継サーバ(中継装置)
3,3B,3C,3−1〜3−5 呼制御サーバ(呼制御装置)
31 接続要求処理部
32 輻輳検出部
33 CPU使用率測定部
34 接続数測定部
35 着信規制要求部
36 発信規制部
4 端末
5 中継網
A1〜A7 エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置は、それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を記憶部に記録し、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、
前記輻輳制御装置は、前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示する
ことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項2】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置は、前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンを記憶部に保持しており、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更が行われた場合において、
前記輻輳制御装置は、前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちの少なくとも1つに該当するときには、当該呼制御装置に追加の接続規制を指示しない
ことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項3】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置を用いた輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置は、前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンを記憶部に保持するとともに、それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を前記記憶部に記録し、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、
前記輻輳制御装置は、前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちのいずれにも該当しないときに、前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示する
ことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項4】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置であって、
それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を記録する記憶部と、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、
前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示する重複指示回避手段と
を備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項5】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置であって、
前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンを保持する記憶部と、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更が行われた場合において、
前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちの少なくとも1つに該当するときには、当該呼制御装置に追加の接続規制を指示しない重複指示回避手段と
を備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項6】
それぞれが所定の電話番号帯に属する呼の発着信を制御する複数の呼制御装置と、前記呼制御装置間の呼の中継接続を行う2以上の中継装置とを備える電話網内で発生した輻輳を解消するために、前記呼制御装置に制御対象を指定して接続規制を指示する輻輳制御装置であって、
前記呼制御装置が収容される前記中継装置の変更、及び、前記呼制御装置が、当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置の電話番号帯を受け持つ変更のうちの少なくとも1を含む前記電話網のネットワーク構成変更パターンの種別を1以上保持するとともに、それぞれの前記呼制御装置ごとに前記接続規制を指示した制御対象を記録する記憶部と、
前記電話網内で輻輳が発生して前記輻輳制御装置から前記呼制御装置のうちの少なくとも1つに前記接続規制を指示しているときに、前記電話網のネットワーク構成変更によって、前記接続規制を指示した前記呼制御装置が、前記接続規制の制御ポイントとして選定された前記中継装置のいずれかの配下のエリアに収容されたか、または、前記接続規制が指示されている当該呼制御装置以外のいずれかの呼制御装置が収容していた電話番号帯を受け持つこととなった場合において、
前記接続規制を指示した前記呼制御装置について行われた前記ネットワーク構成変更が、前記記憶部に保持された前記ネットワーク構成変更パターンのうちのいずれにも該当しないときに、前記ネットワーク構成変更によって当該呼制御装置が新たに含まれることとなった前記制御ポイントの接続規制の対象となる制御対象のなかから、前記記憶部に記録された当該呼制御装置への接続規制を指示した前記制御対象を除外した結果の制御対象を指定して当該呼制御装置に追加の接続規制を指示する重複指示回避手段と
を備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の輻輳制御装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−49713(P2012−49713A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188678(P2010−188678)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】